JP2008110682A - プロペラシャフト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プロペラシャフト装置において、プロペラシャフトの側方に配置される排気管の外部熱が、プロペラシャフトを弾性支持しているゴム状弾性部材を熱劣化させるのを防止すること。
【解決手段】 プロペラシャフト11のスタブシャフト11Bがベアリング30を介してゴム状弾性部材31Cに支持され、このゴム状弾性部材31Cが車体1側のブラケット32に支持されるとともに、エンジンに接続された排気管2がプロペラシャフト11の側方に配置されてなるプロペラシャフト装置10において、プロペラシャフト11の外周でゴム状弾性部材31Cとの対向面に遮熱カバー50を設けたもの。
【選択図】 図3

Description

本発明はプロペラシャフト装置に関する。
プロペラシャフト装置として、特許文献1に記載の如く、プロペラシャフトのスタブシャフトがベアリングを介してゴム状弾性部材に支持され、このゴム状弾性部材が車体側のブラケットに支持されてなるものがある。
特許文献1に記載のプロペラシャフト装置では、プロペラシャフトの外周にディフレクタを設け、車両走行中に飛んでくる砂利等からベアリングやゴム状弾性部材を保護するものを開示している。
特開平11-151621
特許文献1に記載のプロペラシャフト装置は、プロペラシャフトを支持するゴム状弾性部材を車両走行中に飛んでくる砂利から保護するためのディフレクタをプロペラシャフトの外周に設けるものを開示しているものの、排気管の外部熱からゴム状弾性部材の熱劣化を防止するところが全くない。即ち、プロペラシャフトの側方に配置される排気管は、走行風による空冷作用を受けることができない車両停止時に、エンジン側において高温になり、この高温の外部熱がプロペラシャフトを支持しているゴム状弾性部材に及び、これを熱劣化させるという不都合がある。
本発明の課題は、プロペラシャフト装置において、プロペラシャフトの近傍に配置される排気管の外部熱が、プロペラシャフトを車体に弾性支持しているゴム状弾性部材を熱劣化させるのを防止することにある。
請求項1の発明は、プロペラシャフトのスタブシャフトがベアリングを介してゴム状弾性部材に支持され、このゴム状弾性部材が車体側のブラケットに支持されるとともに、エンジンに接続された排気管がプロペラシャフトの近傍に配置されてなるプロペラシャフト装置において、プロペラシャフトの外周でゴム状弾性部材との対向面に遮熱カバーを設けたものである。
請求項2の発明は、請求項1の本発明において更に、前記遮熱カバーの外径をゴム状弾性部材の外径と同等以上にしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記遮熱カバーが周方向に間隔をおいた複数の羽根を備え、プロペラシャフトの回転時にゴム状弾性部材の側に送風可能にするようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記遮熱カバーがゴム状弾性部材の側に向けて拡径されたテーパ筒状をなすようにしたものである。
(請求項1)
(a)プロペラシャフトの外周でゴム状弾性部材との対向面に遮熱カバーを設けた。遮熱カバーをゴム状弾性部材の対向面に設けることにより、排気管において高温となるエンジンや排気管側からの外部熱がゴム状弾性部材に直接及ぶのを遮蔽し、ゴム状弾性部材の熱劣化を防止できる。特に、車両停止時に、走行風による空冷作用を受けずに、一層高温となる排気管の外部熱からゴム状弾性部材の熱劣化を防止できる。
(請求項2)
(b)遮熱カバーの外径をゴム状弾性部材の外径と同等以上にすることにより、排気管の外部熱がゴム状弾性部材に及ぶのを、ゴム状弾性部材の正面の全域において遮蔽し、ゴム状弾性部材の熱劣化を防止できる。
(請求項3)
(c)遮熱カバーが周方向に間隔をおいた複数の羽根を備え、プロペラシャフトの回転時にゴム状弾性部材の側に送風することにより、車両走行時のプロペラシャフトの回転力を利用してゴム状弾性部材の正面に直に送風し、ゴム状弾性部材に空冷作用を及ぼし、ゴム状弾性部材の熱劣化を防止できる。
(請求項4)
(d)遮熱カバーがゴム状弾性部材の側に向けて拡径されたテーパ筒状をなすことにより、排気管の外部熱がゴム状弾性部材に及ぶのを、ゴム状弾性部材の正面からだけでなく、側方においても遮蔽し、結果としてゴム状弾性部材を周囲のより広い範囲で遮蔽し、ゴム状弾性部材の熱劣化を防止できる。
図1は実施例1のプロペラシャフト装置を示す平面図、図2は図1のII−II線に沿う模式矢視図、図3は図1の要部拡大図、図4はプロペラシャフトを示す平面図、図5は遮熱カバーを示し、(A)は側面図、(B)は正面図、図6は実施例2のプロペラシャフト装置を示す平面図、図7は実施例3のプロペラシャフト装置を示す平面図である。
(実施例1)(図1〜図5)
自動車用プロペラシャフト装置10は、図1、図2に示す如く、3分割等の複数分割されたプロペラシャフト11、12等の連結体であり、例えばその一部において、エンジン側のプロペラシャフト11と後輪側のプロペラシャフト12を等速継手20により連結するとともに、プロペラシャフト11をセンタベアリング30により車体1に対して回転自在に支持してなるものである。
ここで、プロペラシャフト11は中空パイプ11Aの一端にスタブシャフト11Bが圧入後、溶接され、スタブシャフト11Bにフランジシャフト11Cをスプライン結合する。スタブシャフト11Bの小径中間部にセンタベアリング30が挿着され、更にスタブシャフト11Bに対しフランジシャフト11Cがスプライン挿入され、スタブシャフト11Bの大径段差面とフランジシャフト11Cの端面との間にセンタベアリング30を挟圧固定化する。プロペラシャフト12は中空パイプ12Aの一端にスタブシャフト12Bが圧入され、溶接される。
そして、プロペラシャフト装置10は、プロペラシャフト11のフランジシャフト11Cとプロペラシャフト12のスタブシャフト12Bが等速継手20により連結される。等速継手20は、アウタレース21、インナレース22、アウタレース21とインナレース22のレース溝に転動自在に装填されるボール23、ボールケージ24を備える。インナレース22の内周にプロペラシャフト12のスタブシャフト12Bがスプライン結合され、プロペラシャフト11のフランジシャフト11Cにアウタレース21がボルト結合される。等速継手20のアウタレース21にはブーツ取付筒25の一端がボルト締結され、ブーツ取付筒25の他端に保持された弾性ブーツ26がプロペラシャフト12のスタブシャフト12Bにバンド締結され、グリース封入空間が区画される。
更に、プロペラシャフト装置10は、図3に示す如く、プロペラシャフト11のスタブシャフト11Bに挿着されるセンタベアリング30が予め環状支持装置31に嵌着され、環状支持装置31は車体1の側に固定される支持ブラケット32で支持される。センタベアリング30は、外輪30A、内輪30B、ボール30C、ボールシールド30Dを備える。環状支持装置31は、外環31Aと内環31Bをゴム状弾性部材31Cを介して接合したものであり、外環31Aは支持ブラケット32に嵌合されて固定され、内環31Bにセンタベアリング30の外輪30Aが嵌合されて固定される。内環31Bはセンタベアリング30の両側に延在され、内環31Bの両側延在部の内周にはシール部材33A、33Bが装填され、シール部材33A、33Bはプロペラシャフト11のスタブシャフト11Bとフランジシャフト11Cの外周に摺接してセンタベアリング30を両側からシールする。プロペラシャフト11は、環状支持装置31の内環31Bに嵌合されたセンタベアリング30の内輪30Bをスタブシャフト11Bの小径中間部に挿着し、この状態で、スタブシャフト11Bにフランジシャフト11Cをスプライン挿入し、スタブシャフト11Bの先端に螺着されるナット13によりスタブシャフト11Bとフランジシャフト11Cを軸方向に締結し、結果としてスタブシャフト11Bの大径段差面とフランジシャフト11Cの端面との間にセンタベアリング30を挟圧固定化する。尚、プロペラシャフト11は、図4に示す如く、スタブシャフト11Bとフランジシャフト11Cの外周に予めダストカバー14、15を溶接しており、ダストカバー14、15により内環31Bの両側延在部を被覆する。
しかるに、プロペラシャフト装置10にあっては、エンジンから接続された排気管2が、プロペラシャフト11、12の側方に配置される。排気管2はプロペラシャフト11、12の側方において、プロペラシャフト11、12に併設して配置される。
そして、プロペラシャフト装置10は、排気管2の外部熱が、プロペラシャフト11を支持している環状支持装置31のゴム状弾性部材31Cを熱劣化させるのを防止するため、以下の構成を具備する。即ち、図1、図3、図4に示す如く、プロペラシャフト11の中空パイプ11Aの外周で、環状支持装置31のゴム状弾性部材31Cに対するエンジン側の前面に遮熱カバー50を設けた。尚、図1、図3において、プロペラシャフト11の軸方向に沿う左方をエンジン側とする。
遮熱カバー50は、本実施例では、パイプ11Aの周方向において概ね180度分ずつに2分割された2個の半割体50A、50Aの組からなる。遮熱カバー50は、各半割体50Aにおいて、パイプ11Aの外周にプロジェクション溶接される半割筒状の取付筒51と、取付筒51の一端側に設けられた半円環平板状の遮熱板52とを有する。51Aはプロジェクション溶接部を示す。遮熱カバー50は、遮熱板52の外径をゴム状弾性部材31Cの外径と同等以上にする。遮熱カバー50は、遮熱板52の周方向に等間隔をおいた複数の羽根53を該遮熱板52の平板から切欠いて折り起こし、各羽根53の羽根面をプロペラシャフト11の回転方向に直交配置し、プロペラシャフト11の回転時にゴム状弾性部材31Cの側に送風可能にする。遮熱板52の平板に対する羽根53の折り起こし角度a(図5(A))は好適には90度以下の任意の鋭角をとる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)プロペラシャフト11の外周でゴム状弾性部材31Cとの対向に遮熱カバー50を設けた。遮熱カバー50をゴム状弾性部材31Cとの対向面に設けることにより、排気管2において高温となるエンジン側の外部熱がゴム状弾性部材31Cに直接及ぶのを遮蔽し、ゴム状弾性部材31Cの熱劣化を防止できる。特に、車両停止時に、走行風による空冷作用を受けずに、一層高温となる排気管2の外部熱からゴム状弾性部材31Cの熱劣化を防止できる。
(b)遮熱カバー50の外径をゴム状弾性部材31Cの外径と同等以上にすることにより、排気管2の外部熱がゴム状弾性部材31Cに及ぶのを、ゴム状弾性部材31Cの正面の径方向全域において遮蔽し、ゴム状弾性部材31Cの熱劣化を防止できる。
(c)遮熱カバー50が周方向に間隔をおいた複数の羽根53を備え、プロペラシャフト11の回転時にゴム状弾性部材31Cの側に送風することにより、車両走行時のプロペラシャフト11の回転力を利用してゴム状弾性部材31Cの正面に直に送風し、ゴム状弾性部材31Cに空冷作用を及ぼし、ゴム状弾性部材31Cの熱劣化を防止できる。
(実施例2)(図6)
実施例2が実施例1と異なる点は、遮熱カバー60を採用したことにある。遮熱カバー60は、遮熱カバー50と同様に、各半割体60Aが取付筒61と遮熱板62を有するに際し、遮熱板62がゴム状弾性部材31Cの側に向けて拡径された半割テーパ筒状をなすようにしたものである。
本実施例によれば、実施例1の作用効果(a)、(b)を奏することに加え、遮熱カバー60がゴム状弾性部材31Cの側に向けて拡径されたテーパ筒状をなすことにより、排気管2の外部熱がゴム状弾性部材31Cに及ぶのを、ゴム状弾性部材31Cの正面だけでなく、側方においても遮蔽し、結果としてゴム状弾性部材31Cを周囲のより広い範囲で遮蔽し、ゴム状弾性部材31Cの熱劣化を防止できる。
(実施例3)(図7)
実施例3が実施例1と異なる点は、遮熱カバー70を採用したことにある。遮熱カバー70は、遮熱カバー50と同様に、各半割体70Aが取付筒71と遮熱板72を有するに際し、遮熱板72が半円環平板状のみをなすようにしたものである。本実施例によれば、実施例1の作用効果(a)、(b)を奏する。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は実施例1のプロペラシャフト装置を示す平面図である。 図2は図1のII−II線に沿う模式矢視図である。 図3は図1の要部拡大図である。 図4はプロペラシャフトを示す平面図である。 図5は遮熱カバーを示し、(A)は側面図、(B)は正面図である。 図6は実施例2のプロペラシャフト装置を示す平面図である。 図7は実施例3のプロペラシャフト装置を示す平面図である。
符号の説明
1 車体
2 排気管
10 プロペラシャフト装置
11 プロペラシャフト
11B スタブシャフト
30 ベアリング
31C ゴム状弾性部材
32 ブラケット
50、60、70 遮熱カバー
52、62、72 遮熱板
53 羽根

Claims (4)

  1. プロペラシャフトのスタブシャフトがベアリングを介してゴム状弾性部材に支持され、このゴム状弾性部材が車体側のブラケットに支持されるとともに、エンジンに接続された排気管がプロペラシャフトの近傍に配置されてなるプロペラシャフト装置において、
    プロペラシャフトの外周でゴム状弾性部材との対向面に遮熱カバーを設けたことを特徴とするプロペラシャフト装置。
  2. 前記遮熱カバーの外径をゴム状弾性部材の外径と同等以上にした請求項1に記載のプロペラシャフト装置。
  3. 前記遮熱カバーが周方向に間隔をおいた複数の羽根を備え、プロペラシャフトの回転時にゴム状弾性部材の側に送風可能にする請求項1又は2に記載のプロペラシャフト装置。
  4. 前記遮熱カバーがゴム状弾性部材の側に向けて拡径されたテーパ筒状をなす請求項1〜3のいずれかに記載のプロペラシャフト装置。
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