JP2008109917A - おからから得られる乳化抽出液と不溶性食物繊維の製造方法及び分離方法。 - Google Patents
おからから得られる乳化抽出液と不溶性食物繊維の製造方法及び分離方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】おからのタンパク質を酵素を用い分解、加水分解し、ペプチド及びアミノ酸、また同時に抽出される水溶性食物繊維、炭水化物、脂質を含む乳化状態を特徴とする抽出液とその残渣をアルカリ溶液又は酸溶液に入れ酵素、加熱で抽出されなかったタンパク質、炭水化物、脂質を除去し、得られる不溶性食物繊維を迅速に分離し付加価値のある製品にし、おから処理にかかるコストも軽減できる。
【解決手段】おからから乳化状態を特徴とする抽出液とその残渣から得られる不溶性食物繊維を迅速に分離することで抽出液は健康飲料、食品加工時の消泡剤、焦付きの防止剤、乳化安定剤、化粧品の保湿剤などに利用でき、不溶性繊維は白色で無味のためさまざまな食品の増量剤、ダイエット食品またダンボールなどの紙製品に混合し利用するなど利用分野が広く今までおから処理にかかっていた費用がかからなくなる可能性は高い。
【選択図】図1
【解決手段】おからから乳化状態を特徴とする抽出液とその残渣から得られる不溶性食物繊維を迅速に分離することで抽出液は健康飲料、食品加工時の消泡剤、焦付きの防止剤、乳化安定剤、化粧品の保湿剤などに利用でき、不溶性繊維は白色で無味のためさまざまな食品の増量剤、ダイエット食品またダンボールなどの紙製品に混合し利用するなど利用分野が広く今までおから処理にかかっていた費用がかからなくなる可能性は高い。
【選択図】図1
Description
本発明は、豆乳や豆腐の製造工程で生成するおからにプロテアーゼを作用することにより、おからに残留する栄養成分を可溶化することで乳化液として分離する技術に関する。
得られた乳化液は飲料や食品製造等にそのまま利用可能であるが、これを減圧濃縮またはスプレードライや凍結乾燥により乾燥することで、可搬性・汎用性に優れた乳化剤を製造する技術に関する。
また乳化液を分離した後の残渣をアルカリ水溶液または酸水溶液に浸漬後、水洗することにより不溶性食物繊維を主成分とし、おから特有の臭気や味覚を含まず、食品の増量及び増粘に利用することのできる食品添加物を製造する技術に関する。
従来、豆乳や豆腐の製造過程で生成するおからは、そのまま食材として加工、調理することができる。
また近年では、おからは食物繊維を豊富に含むことから各種のダイエット食品や栄養補助食品(例えば特許文献1参照)の原料として利用されている。
安定的に大量のおからを生産する事業所では大規模畜産業者におからを引取ってもらい、嫌気性条件化、乳酸発酵の過程を経て家畜の飼料として利用している。これに対して中小の事業所ではおからの生産量が制限されるため、個人の畜産農家に一部を引取ってもらう他は、残りは産業廃棄物として廃棄している。
おからは可搬性や保存性に問題があり、これらの問題点を解決するためにおからを乾燥する技術(例えば特許文献2)や酵素及び微生物を作用した発酵技術(特許文献3)が開発されている。
特開2004−236611 特開2006−121972 特開2004−344058
おからは食品加工残渣として広く一般に認知されており有価商品としての流通は難しく、おからの食材としての利用量は、その生産量に対して非常に少ない。
食物繊維を主成分とするおからをダイエット食品や健康補助食品の原料として利用することも可能であるが、おからは特有の臭気や味覚を有することからこれら技術の汎用性は高くない。
おからの生産量の少ない中小の事業所では、おからの一部は食品として販売されるものの、残りは個人の畜産農家まで配達して引取ってもらう他、産業廃棄物として廃棄しているのが現状であり、輸送や廃棄にかかる経費は無視できるものではない。
おからの重量の半分以上は水分であることに加え、タンパク質や炭水化物、脂質などの栄養価の高い成分が残留しているため腐敗しやすく、保管が困難であり、中小の事業所に大きな負担となっている。
おからを乾燥または発酵することで可搬性や保存性を改善することができるが、個人の事業所における設備導入には経費や設置スペース、運用コストの面で大きな課題が残る。
ここまで述べたようにおからは腐敗しやすいため迅速に処理するシステムが必要である。しかしながらおからに残留する栄養価の高い成分は、そのままでは水溶性が低いため水洗等では不溶性食物繊維と容易に分離することができない。本発明では、温度や濃度を調整しながらおからにプロテアーゼを作用することにより残留するタンパク質を制限的に加水分解することで水溶性を高め、栄養価の高い成分を乳化状態で抽出することにより、迅速に食物繊維と分別することができる。
乳化液はそのまま食品や飲料、化粧品などの原料として利用できるだけでなく、濃縮または乾燥することにより保存性や可搬性に優れた乳化剤を製造することができる。
脱水状態で得られる食物繊維は、生おからに比べて可搬性、保存性に優れ、またおから特有の臭気や味覚を含まないことから食品加工の際の増量剤、増粘剤として汎用的に利用できる。
本発明は中小の事業所でも事業化が可能な、おからの栄養成分と食物繊維を迅速に分離するシステムであり、得られる乳化液と食物繊維は通常の食品に限らず、ダイエットや健康補助を目的とした食品等の原料としても利用できることから有価商品として流通することが可能である。
ここまで述べたように食品加工残渣として一般的に認知されているおからは有価商品としては、流通が難しく、可搬性、汎用性、及び保存性に問題があるため一部が家畜の飼料として利用されるほかは産業廃棄物として廃棄されている。このような現状において中小の製造者ではおからの廃棄にかかる経費が大きな負担となっており、低コストな処理システムが望まれる。
本発明は豆乳や豆腐の製造業主が所有している加熱釜やタンク、絞り機などの設備があれば技術導入が可能であり、おからに含まれる栄養成分と不溶性食物繊維を短時間で分離することができることから中小の事業所でも事業化できるものと考えられる。
栄養成分は乳化液として得られ、食品や飲料、化粧品などの原料として利用可能であり、脱水状態で得られる食物繊維は食品の増量剤、増粘剤としてだけでなくダイエットや健康補助を目的とした加工食品の製造に使えると考えられる。加えて後者の食物繊維はおから特有の臭気や味覚が除かれており、様々な用途に使えることから汎用性も十分に改善されている。
濃縮や乾燥の工程を設備することで、得られる乳化液や食物繊維を脱水、減量すれば可搬性や保存性に優れた有価商品としてそのまま流通することも可能であり、汎用性もより向上する。
本発明で使用する添加物はパパイン等の天然のプロテアーゼの他、水酸化ナトリウム等の一般的に安価で入手できる食品添加物であることから安全であり、処理コストも低く抑えることができる。
おからに水を加え、温度が50度〜60度になるまで加温しながら1%〜5%の重量対容量濃度でパパインを加え2時間程度撹拌することで加水分解した後、10分程度煮沸することでパパインを失活する。ろ布などでろ過して溶液と残渣を分離した後、溶液は加熱殺菌またはスプレードライヤーなどで乾燥させる。残渣は5%程度の水酸化ナトリウム水溶液又は5%程度の塩酸水溶液に入れ1時間程度撹拌し、残留する栄養成分を溶解した後、ろ過する。残渣に水を加えろ過する操作を数度繰り返すことでよく水洗し、豆皮、着色物を除き得られる白色の不溶性食物繊維を絞り機などで脱水または温風乾燥する。本発明は4〜5時間程度で生産できるため豆腐製造業者が日々の豆腐製造時と同時に生産できる。
おから14kgを豆腐生産終了時に受取り1時間以内に加熱釜におからを投入し約60リットルの水を加え水温を50度にした。140gのパパインを加え3時間撹拌した後、10分間煮沸することでパパインを失活した。
溶液をろ布でろ過し、残渣と分離することで得られた乳化液を約60リットルをキューピテナーに充填し、87度で30分間湯せん殺菌した。
残渣を5%水酸化ナトリウム水溶液約60リットルに入れ1時間撹拌し、不溶物を荒いろ布で回収した後、過剰量の水で水洗した。
水洗後の不溶物に含まれる豆皮などの着色物を笊でろ過することで分離した。
豆皮などの着色物を取り除いた不溶物に水を加え1分程度静止後ろ布で上澄みだけを回収し白色の不溶性繊維質を得た。
従来技術であるおからの乾燥方法やおから抽出物の生産は多額な設備投資や長時間の生産時間がかかり中小企業ではコスト面などで懸念材料が多いが本発明は迅速且つ低コストでの生産可能であるため導入しやすい。
Claims (6)
- 豆乳及び豆腐製造の工程で生成するおからに残留するタンパク質をパパインで加水分解し、可溶化することでろ過により不溶性食物繊維と容易に分離して得られるペプチド、炭水化物、及び脂質を主成分とする乳化液とその製造方法。
- 請求項1に記載の不溶性食物繊維を主成分とする残渣をアルカリ水溶液または酸水溶液に浸漬し、残留する脂質等の有機物を溶解除去し、水洗後、静置することで分離する原料大豆に由来する豆皮を笊などで除くことにより得られる不溶性食物繊維とその製造方法。
- おからに上記パパイン以外のプロテアーゼを作用することにより不溶性食物繊維と分離し、得られる乳化液とその製造方法。
- 請求項3に記載の不溶性食物繊維を主成分とする残渣をアルカリ水溶液または酸水溶液に浸漬し、残留する脂質等の有機物を分離し、水洗後、静置することで分離する原料大豆に由来する豆皮を笊などで除くことにより得られる不溶性食物繊維とその製造方法。
- 請求項2又は4に記載の分離方法以外で遠心分離、振動分離から得られる不溶性食物繊維の製造方法。
- 請求項1及び3に記載の乳化液を乾燥した粉末。
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JP2006319273A JP2008109917A (ja) | 2006-10-27 | 2006-10-27 | おからから得られる乳化抽出液と不溶性食物繊維の製造方法及び分離方法。 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103005470A (zh) * | 2013-01-10 | 2013-04-03 | 迟玉杰 | 一种豆渣可溶性膳食纤维的制备方法 |
JP2020517257A (ja) * | 2017-04-25 | 2020-06-18 | ナショナル リサーチ カウンシル オブ カナダ | 未加工のバイオマスから付加価値のある産物を抽出するための酵素ベースの方法 |
-
2006
- 2006-10-27 JP JP2006319273A patent/JP2008109917A/ja active Pending
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