JP2008109812A - 電線余長吸収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】余長の巻き状態の崩れがなく、さらにはコンパクトで電線の配索位置のズレも低減することが可能な電線余長吸収装置を提供する。
【解決手段】電線余長吸収装置21は、電線22の余長23を収納するものであって、電線長を調節することができるように構成されている。電線余長吸収装置21は、有底筒部24及び蓋部25を有するケース26と、ケース26内に設けられる回転軸27と、回転軸27を中心に回転するリール28とを備えて構成されている。リール28のリール外周面には、有底筒部24の内周面との間で電線22の巻き状態を保持する電線巻き状態保持部38が形成されている。電線巻き状態保持部38は、螺旋溝状に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線の余長を収納して電線長を調節する電線余長吸収装置に関する。
例えば自動車等の車両には、電力の供給や信号の伝送のために、数多くの電線(ワイヤハーネス、ケーブル、電線など。本明細書では単に電線と略記する)が配索されている。電線は、様々な長さのものが存在している。すなわち、電線は、様々な種類のものが存在している。電線は、この種類が増える度に設計がなされている。言い換えれば、電線の種類が増える度に設計工数が掛かることになる。
電線の種類が多いということは、全て同じ製造装置や治具で製造することができないのは当然で、従ってこのことから電線の製品設計や設備設計においては、生産性に十分に配慮する必要性があることになる。例えば、異なる種類の電線を製造しようとする場合には、製造装置の段取り替えを短時間で済ませるような配慮をしなければ生産性に影響を来してしまうことになる。生産性に影響を来さないようにするために考えられることは、電線の標準化を図ることである。電線の標準化を図ることにより、電線の品種を低減することが可能になる。
電線の標準化を図り品種を低減することに関しては、次のような問題点がある。すなわち、標準化を図ると必要以上の長さで電線を使用しなければならない場合があり、どこかで余長の吸収をしなければならなくなるということである。これは、余長をそのままにしておくと、走行中の振動によって摩耗したり、異音を発生させたり、他の部品等に干渉して損傷したりしてしまうからである。
余長の吸収のために、この余長となる部分を例えばケース内に収納するという対策案が挙げられる。しかしながらこの対策案の場合、ケース内で振動しないようにするためには、余長の量に合わせた大きさのケースをその都度新設しなければならず、これが問題点となってしまう。電線の標準化を図ってもケースの種類が増えてしまうようでは、せっかくの標準化の効果が半減してしまうことになる。
余長の吸収に関しては、下記特許文献1や2の開示技術が知られている。下記特許文献1や2には、自動車ドアの開閉に伴って電線が引き出されたり収納されたりする余長吸収構造の技術が開示されている。このような開示技術を上記の電線の標準化に適用する場合に問題となることは、電線の引き出しと収納とを可能とするバネ部材が必要になることである。バネ部材は部品点数を増大させるのは勿論のこと、経時変化で機能を十分に果たさなくなる恐れを有している。バネ部材を使用しないような工夫が必要であると考えられる。
この他、下記特許文献1や2の開示技術を適用する場合において問題となることは、余長の量が多いと余長吸収構造が大きくなったり、余長吸収構造の位置で電線の配索位置がズレてしまったりすることである。この点については図面を参照しながら以下簡単に説明をする。
図9(a)において、例えば下記特許文献2の開示技術の余長吸収構造1であると、電線2の余長3の量が多く内部での巻き数が少ない場合には、開示技術のように余長吸収構造1のサイズが大きくなってしまうことになる。また、余長吸収構造1のサイズが大きくなる場合には、電線導出口4、4の位置が図示のようであると、電線2の配索位置が寸法L1の分だけズレてしまうことになる。
これに対して図9(b)で示すように、内部での巻き数を多くして余長吸収構造5の平面視のサイズを小さくすると、電線2の配索位置が寸法L2となって、上記の寸法L1よりも小さくなることからこの寸法方向での配索位置のズレは小さくなるが、余長吸収構造5の高さ方向の寸法がL3となって、高さ方向の位置ズレが大きくなってしまうことになる。
本願発明者は、図10に示す如く、電線の配索方向をPとすると、この配索方向Pに対して円周方向となるQ方向に電線(余長)を巻き付ければ、上記のサイズの問題や位置ズレの問題が良好に解消できると考えている。しかしながらこの考えにおいては、乗り越えなければならない問題点もある。それは、ある程度電線を引き出して所望の長さに電線長を調節した後であると、引き出し側に引き出した分だけのスペースが生じ、この時、Q方向に巻き付けた電線(余長)に対して配索方向Pに意図しない外力が作用すると、上記のスペース側にズレが生じて簡単に巻き付きの状態が崩れてしまうという問題点である。巻き付きの状態が崩れてしまうと、例えば振動による摩耗や異音等の問題が懸念される。
尚、バネ部材を用いれば巻き付きの状態崩れの対策をすることが可能であると考えられるが、部品点数や経時変化の問題点が生じてしまうことになる。
特開2005−124265号公報 特開2001−114476号公報
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、余長の巻き状態の崩れがなく、さらにはコンパクトで電線の配索位置のズレも低減することが可能な電線余長吸収装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の本発明の電線余長吸収装置は、電線の余長を収納して電線長を調節するために、第一及び第二電線導出口を有するケースと、該ケース内に設けられる回転軸と、該回転軸を中心に回転するリールとを備える電線余長吸収装置において、前記ケースは、有底で円筒状に形成されるとともに前記第一電線導出口が形成される有底筒部と、該有底筒部の開口部分に回転自在に取り付く蓋部とを有して構成され、前記有底筒部に収納される前記リールは、前記有底筒部の内周面に対して所定の間隔があくリール外周面を有する円筒状に形成され、前記回転軸には、該回転軸が回転すると前記蓋部及び前記リールが回転するようにこれらが取り付けられ、前記蓋部には、前記回転軸の伸びる方向に貫通して前記リールの内部空間に連通する前記第二電線導出口が形成され、前記リールには、リール内周面から前記リール外周面を貫通する第三電線導出口が形成され、前記リール外周面には、前記有底筒部の内周面との間で前記電線の巻き状態が保持される電線巻き状態保持部が形成されることを特徴としている。
請求項2記載の本発明の電線余長吸収装置は、請求項1に記載の電線余長吸収装置において、前記電線巻き状態保持部は螺旋溝状に形成され、前記第一電線導出口はスリット状に形成されることを特徴としている。
請求項3記載の本発明の電線余長吸収装置は、請求項1に記載の電線余長吸収装置において、前記電線巻き状態保持部は、粘着性を有するように形成されることを特徴としている。
請求項4記載の本発明の電線余長吸収装置は、請求項1ないし請求項3いずれか記載の電線余長吸収装置において、前記蓋部には、前記リールを回転させるための取っ手が形成されることを特徴としている。
請求項5記載の本発明の電線余長吸収装置は、請求項1ないし請求項4いずれか記載の電線余長吸収装置において、前記回転軸及び前記リールは、前記内部空間で前記電線が前記回転軸に対して巻き付き可能な大きさに形成されることを特徴としている。
このような特徴を有する本発明によれば、電線の配索方向に対して円周方向となる方向に電線(余長)を巻き付けるような電線余長吸収装置が提供される。電線(余長)は、電線余長吸収装置から必要に応じて引き出される。電線余長吸収装置内の余長は、ケースの内面とリールの電線巻き状態保持部とにより電線の巻き状態が保持される。
請求項1に記載された本発明によれば、バネ部材を用いなくとも余長の巻き状態の崩れがなく、さらにはコンパクトで電線の配索位置のズレも低減することが可能な電線余長吸収装置を提供することができるという効果を奏する。
請求項2、3に記載された本発明によれば、電線(余長)の巻き付き状態の崩れ防止により良い構造を提供することができるという効果を奏する。
請求項4に記載された本発明によれば、電線を引き出すだけでなく巻き戻すことも容易に行うことができるという効果を奏する。
請求項5に記載された本発明によれば、より多くの量の余長を吸収することができるという効果を奏する。また、リールの内部空間側の状態をより良く整理することができるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態を示す電線余長吸収装置の図であり、(a)は電線余長吸収装置の分解斜視図、(b)は電線余長吸収装置の使用状態を示す斜視図である。また、図2は有底筒部に収納する前の状態を示す斜視図、図3は図1の電線余長吸収装置の断面図である。
図1において、本発明の電線余長吸収装置21は、電線22の余長23を収納するものであって、電線長を調節することができるように構成されている。電線余長吸収装置21は、有底筒部24及び蓋部25を有するケース26と、ケース26内に設けられる回転軸27と、回転軸27を中心に回転するリール28とを備えて構成されている。ケース26、回転軸27、及びリール28は、合成樹脂製であるものとする(例えば回転軸27を金属部品としても良いものとする)。以下、図1ないし図3を参照しながら本発明の電線余長吸収装置21の各構成について説明をする。
ケース26を構成する有底筒部24は、開口部分29を有する有底の円筒形状に形成されている。具体的には、円形の底壁30と、この底壁30の周縁から伸びる円筒状の側壁31とを有して有底の円筒形状に形成されている(底部分を蓋部25と同様に別体構造としても良いものとする)。このような有底筒部24には、第一電線導出口32が形成されている。第一電線導出口32は、電線長を調節する際に、内部に収納された電線22(余長23)を引き出す部分となっている。
第一電線導出口32は、側壁31をスリット状に切り欠くように形成されている。また、第一電線導出口32は、底壁30の一部も切り欠くように形成されている。これは、最終的に底壁30から電線22が引き出されたような状態にするためである(図中ではスリットの部分から電線22が引き出された状態になっている。電線22を必要量だけ引き出した後に、スリットの部分に沿って電線22を倒すと、電線22は底壁30から引き出されたような状態になる)。第一電線導出口32のスリットの部分は、本形態において、有底筒部24の中心軸(図示省略)に平行となるように形成されている。
蓋部25は、円形であって、有底筒部24の開口部分29に回転自在に取り付くように形成されている。本形態においては、凹凸の形状によって、蓋部25が開口部分29に対して嵌合するようになっている。蓋部25の内面には、回転軸27が一体に設けられている(回転軸27を別体にして後付けすることでも良いものとする)。
回転軸27は、断面円形状の細い棒状に形成されている。回転軸27は、有底筒部24の中心軸(図示省略)に略一致するように配置形成されている。このような回転軸27の先端には、リール28が固定されている。回転軸27は、この回転軸27が回転すると蓋部25及びリール28が同時に回転するようにこれらが取り付けられている。
蓋部25には、回転軸27の伸びる方向に貫通してリール28の内部空間33に連通する第二電線導出口34が形成されている。第二電線導出口34は、電線22の直径よりも若干大きく、円形に貫通するように形成されている。第二電線導出口34は、本形態において、回転軸27の近傍に貫通するように形成されている(図3参照)。
リール28は、開口部分35を有する有底の略円筒形状に形成されている。リール28は、有底筒部24に収納されるように形成されている。リール28は、有底筒部24の側壁31の内周面に対して所定の間隔があくリール外周面を有する側壁36と、円形の底壁37とを有して有底の略円筒形状に形成されている。側壁36の上記リール外周面には、有底筒部24の上記内周面との間で電線22(余長23)の巻き状態を保持する電線巻き状態保持部38が形成されている。底壁37は、回転軸27の先端に固定されている。
電線巻き状態保持部38は、螺旋溝状に形成されている。もう少し詳しく説明すると、電線巻き状態保持部38は、電線22の直径に合わせた幅の溝が螺旋状となるように形成されている。電線巻き状態保持部38における溝と溝との間の山部分は、リール28の回転時に有底筒部24の内周面を摺接するような大きさ(高さ)に形成されている。電線巻き状態保持部38は、リール28の開口部分35から少し離れた位置から、底壁37の近傍まで連続して形成されている。
リール28には、側壁36のリール内周面からリール外周面を貫通する第三電線導出口39が形成されている。第三電線導出口39は、リール28の開口部分35から少し離れた位置において、電線巻き状態保持部38の溝の端部に一致するように配置形成されている。
上記構成において、回転軸27とリール28とを固定した状態でリール28の電線巻き状態保持部38に余長23が巻き付けられる。また、第三電線導出口39を介してリール28の内部空間33に存在する余長23は蓋部25の第二電線導出口34から引き出される。この時、内部空間33に存在する余長23の量が多い場合には、余長23が絡まないようにするために、回転軸27に巻き付けた後に第二電線導出口34から引き出される。これにより、図2に示す如くのサブアッシー40が形成される。そして、このサブアッシー40を有底筒部24の内部に収納し、引き出し側の電線22を有底筒部24の第一電線導出口32から引き出すとともに、蓋部25を有底筒部24の開口部分29に嵌合させ、さらに第二電線導出口34の位置で電線22をテープ止め(図示省略。テープ止めは一例であるものとする)すると、本発明の電線余長吸収装置21の組み立てが完了する。
第一電線導出口32から引き出された電線22を引っ張ると、この力がリール28に伝わり、図1(b)で示すような矢印方向(電線22の配索方向に対して円周方向)の回転が生じる。電線22は必要量引き出される。この時、リール28の電線巻き状態保持部38が螺旋溝状の形状であることから、ここから引き出される電線22は第一電線導出口32のスリットの部分を移動する。電線22を必要量だけ引き出した後に、第一電線導出口32のスリットの部分に沿って電線22を倒すと、電線22は底壁30からA方向へ引き出されたような状態になる。
尚、第一電線導出口32からA方向へ引き出された電線22は、第二電線導出口34から引き出された電線22に対して寸法L4の分だけズレることになる。しかしながら、寸法L4は図9の寸法L1よりも格段に小さくなっている。
本発明の電線余長吸収装置21によれば、所望の長さに電線長を調節した後、引き出された電線22に対して意図しない外力が作用した場合であっても、電線余長吸収装置21内の余長23は、有底筒部24の内面とリール28の電線巻き状態保持部38とによって電線22(余長23)の巻き状態が保持されることから、巻き付きの状態が崩れてしまうことはない。従って、例えば振動による摩耗や異音等の問題が生じることはない。
以上、図1ないし図3を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、バネ部材を用いなくとも余長23の巻き状態の崩れがなく、さらにはコンパクトで電線22の配索位置のズレも低減することが可能な電線余長吸収装置21を提供することができるという効果を奏する。
次に、図4ないし図7を参照しながら本発明の他の一実施の形態を説明する。図4は他の一実施の形態を示す電線余長吸収装置の図であり、(a)は電線余長吸収装置の分解斜視図、(b)は電線余長吸収装置の使用状態を示す斜視図である。また、図5は有底筒部に収納する前の状態を示す斜視図、図6は図4の電線余長吸収装置の断面図、図7は電線引き出し側の斜視図である。尚、上述の形態と基本的に同じ構成については同一の符号を付して説明を省略するものとする。
図4において、本発明の電線余長吸収装置51は、上述の形態と同様、電線22の余長23を収納するものであって、電線長を調節することができるように構成されている。電線余長吸収装置51は、有底筒部52及び蓋部25を有するケース53と、ケース53内に設けられる回転軸27と、回転軸27を中心に回転するリール54とを備えて構成されている。ケース53、回転軸27、及びリール54は、特に限定するものではないが、合成樹脂製であるものとする。以下、図4ないし図7を参照しながら説明をする。
ケース53を構成する有底筒部52は、開口部分29を有する有底の円筒形状に形成されている。具体的には、円形の底壁30と、この底壁30の周縁から伸びる円筒状の側壁31とを有して有底の円筒形状に形成されている(底部分を蓋部25と同様に別体構造としても良いものとする)。このような有底筒部52には、第一電線導出口55が形成されている。第一電線導出口55は、電線長を調節する際に、内部に収納された電線22(余長23)を引き出す部分となっている。
第一電線導出口55は、底壁30の周縁近傍に配置形成されている。第一電線導出口55は、電線22の直径よりも若干大きく、円形に貫通形成されている。
リール54は、開口部分35を有する有底の略円筒形状に形成されている。リール54は、有底筒部52に収納されるように形成されている。リール54は、有底筒部52の側壁31の内周面に対して所定の間隔があくリール外周面を有する側壁56と、円形の底壁37とを有して有底の略円筒形状に形成されている。側壁56の上記リール外周面には、有底筒部52の上記内周面との間で電線22(余長23)の巻き状態を保持する電線巻き状態保持部57が形成されている。底壁37は、回転軸27の先端に固定されている。
電線巻き状態保持部57は、側壁56の上記リール外周面に設けられる粘着性のある部分であって、例えば粘着シートを貼り付けることによりなっている。電線巻き状態保持部57の粘着性は、電線22の引き出しに支障のないレベルの弱い粘着性を有している。粘着性は、電線22の巻き状態が保持できる程度の弱さであるものとする。尚、電線巻き状態保持部57は、リール外周面の摩擦抵抗を大きくする(例えば梨子地状に加工する)ような部分であっても良いものとする。電線巻き状態保持部57は、リール54の開口部分35から少し離れた位置から底壁37の近傍まで連続して設けられている。
リール54には、側壁56のリール内周面からリール外周面を貫通する第三電線導出口39が形成されている。第三電線導出口39は、リール54の開口部分35から少し離れた位置において、電線巻き状態保持部57の端部に一致するように配置形成されている。
上記構成において、回転軸27とリール54とを固定した状態でリール54の電線巻き状態保持部57に余長23が巻き付けられる。また、第三電線導出口39を介してリール54の内部空間33に存在する余長23は蓋部25の第二電線導出口34から引き出される。この時、内部空間33に存在する余長23の量が多い場合には、余長23が絡まないようにするために、回転軸27に巻き付けた後に第二電線導出口34から引き出される。これにより、図5に示す如くのサブアッシー58が形成される。そして、このサブアッシー58を有底筒部52の内部に収納し、引き出し側の電線22を有底筒部52の第一電線導出口55からA方向へ引き出すとともに、蓋部25を有底筒部52の開口部分29に嵌合させ、さらに第二電線導出口34の位置で電線22をテープ止め(図示省略)すると、本発明の電線余長吸収装置51の組み立てが完了する。
第一電線導出口32から引き出された電線22を引っ張ると、この力がリール54に伝わり、図4(b)で示すような矢印方向(電線22の配索方向に対して円周方向)の回転が生じる。電線22は必要量引き出される。第一電線導出口55からA方向へ引き出された電線22は、第二電線導出口34から引き出された電線22に対して寸法L5の分だけズレることになる。しかしながら、寸法L5は図9の寸法L1よりも格段に小さくなっている。
本発明の電線余長吸収装置51によれば、所望の長さに電線長を調節した後、引き出された電線22に対して意図しない外力(比較的弱い外力)が作用した場合であっても、電線余長吸収装置51内の余長23は、有底筒部52の内面とリール54の電線巻き状態保持部57とによって電線22(余長23)の巻き状態が保持されることから、巻き付きの状態が崩れてしまうことはない。従って、例えば振動による摩耗や異音等の問題が生じることはない。
以上、図4ないし図7を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、バネ部材を用いなくとも余長23の巻き状態の崩れがなく、さらにはコンパクトで電線22の配索位置のズレも低減することが可能な電線余長吸収装置51を提供することができるという効果を奏する。
図8において、蓋部25の外面には、リールを回転させるための取っ手61が形成されている。取っ手61を用いることにより、電線22の引き出しの際の力を半減させたり、巻き戻しをしたりすることができるようになるという効果を奏する。
その他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
本発明の一実施の形態を示す電線余長吸収装置の図であり、(a)は電線余長吸収装置の分解斜視図、(b)は電線余長吸収装置の使用状態を示す斜視図である。 有底筒部に収納する前の状態を示す斜視図である。 図1の電線余長吸収装置の断面図である。 本発明の他の一実施の形態を示す電線余長吸収装置の図であり、(a)は電線余長吸収装置の分解斜視図、(b)は電線余長吸収装置の使用状態を示す斜視図である。 有底筒部に収納する前の状態を示す斜視図である。 図4の電線余長吸収装置の断面図である。 電線引き出し側の斜視図である。 蓋部に取っ手を設けた状態を示す斜視図である。 従来例の問題点に対する説明図である。 本願発明の検討図である。
符号の説明
21 電線余長吸収装置
22 電線
23 余長
24 有底筒部
25 蓋部
26 ケース
27 回転軸
28 リール
29 開口部分
30 底壁
31 側壁
32 第一電線導出口
33 内部空間
34 第二電線導出口
35 開口部分
36 側壁
37 底壁
38 電線巻き状態保持部
39 第三電線導出口
40 サブアッシー
51 電線余長吸収装置
52 有底筒部
53 ケース
54 リール
55 第一電線導出口
56 側壁
57 電線巻き状態保持部
58 サブアッシー
61 取っ手

Claims (5)

  1. 電線の余長を収納して電線長を調節するために、第一及び第二電線導出口を有するケースと、該ケース内に設けられる回転軸と、該回転軸を中心に回転するリールとを備える電線余長吸収装置において、
    前記ケースは、有底で円筒状に形成されるとともに前記第一電線導出口が形成される有底筒部と、該有底筒部の開口部分に回転自在に取り付く蓋部とを有して構成され、
    前記有底筒部に収納される前記リールは、前記有底筒部の内周面に対して所定の間隔があくリール外周面を有する円筒状に形成され、
    前記回転軸には、該回転軸が回転すると前記蓋部及び前記リールが回転するようにこれらが取り付けられ、
    前記蓋部には、前記回転軸の伸びる方向に貫通して前記リールの内部空間に連通する前記第二電線導出口が形成され、
    前記リールには、リール内周面から前記リール外周面を貫通する第三電線導出口が形成され、
    前記リール外周面には、前記有底筒部の内周面との間で前記電線の巻き状態が保持される電線巻き状態保持部が形成される
    ことを特徴とする電線余長吸収装置。
  2. 請求項1に記載の電線余長吸収装置において、
    前記電線巻き状態保持部は螺旋溝状に形成され、前記第一電線導出口はスリット状に形成される
    ことを特徴とする電線余長吸収装置。
  3. 請求項1に記載の電線余長吸収装置において、
    前記電線巻き状態保持部は、粘着性を有するように形成される
    ことを特徴とする電線余長吸収装置。
  4. 請求項1ないし請求項3いずれか記載の電線余長吸収装置において、
    前記蓋部には、前記リールを回転させるための取っ手が形成される
    ことを特徴とする電線余長吸収装置。
  5. 請求項1ないし請求項4いずれか記載の電線余長吸収装置において、
    前記回転軸及び前記リールは、前記内部空間で前記電線が前記回転軸に対して巻き付き可能な大きさに形成される
    ことを特徴とする電線余長吸収装置。
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KR101848713B1 (ko) 2016-09-07 2018-04-13 한국해양과학기술원 고무줄의 탄성운동을 코일형 케이블에 동기화시킨 케이블 자동 수납장치

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