JP2008109462A - 画像形成装置および制御方法および制御プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】 複数の処理を一連の操作フローとして実行可能な画像形成装置において、画像形成装置が設置されている場所に応じて、実行可能な操作フローとして抽出された操作フローを実行するための操作画面を表示する。
【解決手段】 利用者の入室情報を元に、実行可能なフローを抽出して選択されたフローを実行するための操作画面を表示する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、画像形成装置の設置場所によって、実行可能なワークフローを実行する技術に関するものである。

近年、複合機と呼ばれる画像形成装置は、多くの機能を搭載している。そのため、ユーザは多くの機能を駆使することで所望とする出力結果を得ることが可能となっている。

しかしながら、多くの機能を駆使するためには、ユーザは画像形成装置の操作パネルを介して、何度も設定処理を行わなければならず、操作性が悪化するおそれがあった。

この問題を解決するために、ユーザの操作および設定を一連の操作フローとして定義する機能が提供されるようになった。この機能によって操作フローを定義すると、当該操作フローに基づく処理を実行するためのボタンが表示されるようになる。ユーザがそのボタンを指示することで、画像形成装置は、当該指示されたボタンに対応する操作フローに設定された一連の処理を自動的に実行することが可能となる。

例えば、「自社の製品カタログの一覧を表示し、そこから利用者が選択したカタログを製本印刷する」という操作を「カタログ印刷操作フロー」として定義する。また、「社内の議事録の一覧を表示し、そこから利用者が選択した議事録を印刷する」という操作を「会議議事録印刷操作フロー」として定義する。

以上のように操作フローの定義機能を利用すると、複雑な操作手順を定型化したフローとして実行することが可能になる。

その結果、例えば、カタログのデータファイルがどこにあるのか、どのように設定すればカタログ用に製本印刷できるのかという詳細を知らないユーザであっても、「カタログ印刷操作フロー」の実行を指示することで、容易にカタログを印刷することが可能となる。

一方で、企業のオフィス等においては、近年、情報漏洩等の対策としてセキュリティ管理の強化が求められている。その対策の一つとして、建物や部屋の入退室の際にＩＣカード等を用いて認証を行うセキュリティシステムがある。

部屋に入室するユーザは、ユーザを一意に識別できる識別情報が記録されたＩＣカードを持っている。入退室を管理したい部屋の出入り口は施錠され、ＩＣカード・リーダライタが設置されている。ユーザは部屋に入室する際にＩＣカード・リーダライタに自分のＩＣカードを読み込ませる。ＩＣカード・リーダライタは利用者の識別情報を読み込み、予め登録されている入室が許可されている利用者識別情報の一覧と比較する。ＩＣカード・リーダライタは一致する識別情報が存在する場合、ＩＣカードに入室日時等の入室情報を書き込み、部屋の施錠を開錠するというものである。

同様に、このＩＣカード・リーダライタを使用して、画像形成装置等の利用者の認証を行うケースもある。

例えば、特許文献１の複写機は、ＩＣカード・リーダライタが付設されており、当該ＩＣカード・リーダライタは、利用者のＩＣカードを読み込み、利用者識別情報と入室履歴情報を読み込む。当該複写機は、入室履歴情報が記録されていると判定した場合、複写機の利用を許可する。これによって正しい手続きに従って入室した利用者のみが複写機の利用を可能とする技術が開示されている。

また、特許文献２には、会議への参加者の識別情報を認識して、会議への参加者か否かを判定する。そして、当該参加者が会議への参加者であると判定され、当該参加者に対して会議資料を印刷したことを示す履歴情報が保持されていなければ、データサーバが、会議室のプリンタに対して当該参加者用に会議資料の印刷データを送信することが記載されている。
特開２００２−１９７５００ 特開２００４−３８８８６

しかしながら、上述した従来技術では、画像形成装置の利用者がＩＣカードを用いて正しく入室した場合、画像形成装置の設置場所に関わらず複写処理等を実行することが可能となっていた。

先に挙げた具体例を使って説明する。「カタログ印刷操作フロー」は自社のカタログを印刷するための操作フローである。この操作フローは自社の社員は勿論、社員以外の来客者にも使用を許可することが考えられる。

一方、「会議議事録印刷操作フロー」は社内の会議の議事録なので社員以外の来客者が実行することは許可されない。

このようなフローが設定された画像形成装置が、社員および部外者が行き来する受付スペースに設置されている場合、従来技術の画像形成装置は、正しい入室処理が行われたことを判定した場合、出力を許可していた。そのため、受付スペースであっても、従来技術の画像形成装置は、正しい入室処理が行われていれば「会議議事録印刷操作フロー」の実行を許可することになるため、機密書類が部外者に見られてしまうおそれがあった。また、うっかり印刷物を取り忘れたり、印刷中に事情があって画像形成装置のそばを離れたりすると、その間に他の人物がその印刷物を持ち去ることも考えられる。

このように従来技術では、画像形成装置の設置場所において不適切なフローが実行されるおそれがあった。

よって、画像形成装置の設置されている場所によって画像形成装置に登録するフローを変更することで上記問題を解決できるが、フローを登録するためには以下のような問題点があった。

設置場所によって画像形成装置に登録する操作フローを変更すると、各画像形成装置にどの操作フローを登録してよいかという判断が複雑になる。画像形成装置の数、操作フローの数、場所の数が増えると、その判断を正しく行うことがますます困難になり、操作フローの登録作業の負荷が増大する。

また、画像形成装置は、新規画像形成装置の購入などにより、設置場所が変更されることがある。そのような場合には、新たな設置場所に合わせて操作フローを登録しなおす必要が発生し、移動する画像形成装置の数が増えると登録しなおす作業量が増え、登録作業の負荷が増大する。

以上の問題点を解決すべく、本願では、フローの登録者の負荷を増大させることなく画像形成装置が設置される場所に従って実行可能なフローを提示することを目的とする。

上述した課題を解決するために、本発明は、処理内容が登録された複数の操作フローから選択された操作フローを実行可能な画像形成装置であって、各操作フローの実行可能な場所に関する情報を記憶する記憶手段と、利用者の入室情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された入室情報と前記記憶手段によって記憶されている各操作フローの実行可能な場所に関する情報とに基づいて、当該入室情報が示す場所において実行可能な操作フローを前記複数の操作フローから抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された操作フローを実行するための操作画面を表示する表示制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。

本発明によって、フローの登録者の負荷を増大させることなく、画像形成装置の設置場所において不適切なフローの実行を防ぐことができる。

（実施例１）
図１は本発明の第１の実施形態に関わる複合機を含むシステムを表す図である。図１においてはＩＣカードを使用して、居室等への入室を管理するセキュリティシステムを導入しているオフィス等の一例である。

図１に示すように受付１００は来客者等の部外者が出入り可能な環境である。それに対し、居室１０１は許可された者だけが出入り可能な区画である。

複写機１０２は受付１００に設置されている。複写機用ＩＣカード・リーダライタ１０３は複写機１０２に接続されており、ＩＣカードに記録された情報を読み取ることで当該ＩＣカードの所有者が複写機１０２を利用してよいか否かを判断する。

電子錠扉１０４は居室１０１への出入り口である。電子錠扉１０４は通常は施錠され、居室１０１への自由な出入りを妨げている。入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５は電子錠扉１０４に接続されている。入室要ＩＣカード・リーダライタは、居室１０１に出入りが許可されている利用者の情報を記憶する。受付１００にいる人物が居室１０１に入室する場合、入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５は、入室する人が所有するＩＣカードを読み取る。そして、入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５は出入りが許可されている人物であるかどうかを判定し、許可されていると判定された場合、電子錠扉１０４はロックを解除し、居室１０１への入室を可能にする。

退室用ＩＣカード・リーダライタ１０６は電子錠扉１０４に接続されている。基本的には、入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５と同様であり、居室１０１から退出する場合、退室用ＩＣカード・リーダライタ１０６は、退出する人が所有するＩＣカードを読み取る。そして、出入りが許可されている人物であるかどうかを判定し、許可されている場合は前記電子錠扉１０４のロックを解除し、受付１００への入室を可能にする。

複写機１０７は居室１０１に設置されている。複写機用ＩＣカード・リーダライタ１０８は複写機１０７に接続されており、ＩＣカードに記録された情報を読み取ることで、当該ＩＣカードの所有者が複写機１０７を使用可能か否かを判断する。

図２は複写機１０２の主要部の構成を示すブロック図である。なお、複写機１０７も同様の構成とする。なお、複写機１０２、１０７は、処理内容が登録された複数の操作フローから選択された操作フローを実行可能な画像形成装置に該当する装置の一例とする。

複写機１０２はコントローラユニット２００を含み、コントローラユニット２００は画像入力デバイスであるスキャナ２２２、画像出力デバイスであるプリンタ２２３、操作部２２０、ＩＣカード・リーダライタ２２１が接続されている。

コントローラユニット２００は、スキャナ２２２で読み取られた画像データをプリンタ２２３により印刷出力するコピー機能を実現するための制御を行う。

また、コントローラユニット２００はＬＡＮ２１８や公衆回線２１９（ＷＡＮ）に接続することによって、画像情報やデバイス情報の入出力を行うための制御を行う。

また、コントローラユニット２００はＩＣカード・リーダライタ２２１よりＩＣカードに記録された情報の読み取りを制御する。

コントローラユニット２００は、具体的にはＣＰＵ２０１を有し、ＣＰＵ２０１はＲＯＭ２０８に格納されているブートプログラムによりオペレーションシステム（ＯＳ）を立ち上げる。ＣＰＵ２０１はこのＯＳ上でＨＤＤ（ハードディスクドライブ）２０９に格納されているアプリケーションプログラムを実行し、これによって各種処理を実行する。このＣＰＵ２０１の作業領域としてはＲＡＭ２０２が用いられる。

ＲＡＭ２０２は、作業領域を提供するとともに、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。ＨＤＤ２０９は、上記アプリケーションプログラムや画像データを格納する。

ＣＰＵ２０１には、システムバス２０７を介して、ＲＯＭ２０８、ＲＡＭ２０２、操作部Ｉ／Ｆ（インタフェース）２０３、ネットワークＩ／Ｆ２０４、モデム２０５、外部デバイスＩ／Ｆ２０６、イメージバスＩ／Ｆ２１０が接続される。

操作部Ｉ／Ｆ２０３は、タッチパネルを有する操作部２２０とのインタフェースである。操作部２２０に表示すべき画像データを操作部２２０に対して出力する。また、操作部Ｉ／Ｆ２０３は、操作部２２０においてユーザにより入力された情報をＣＰＵ２０１に送出する。

ネットワークＩ／Ｆ２０４はＬＡＮ２１８に接続され、ＬＡＮ２１８を介してＬＡＮ２１８上の各装置との間で情報の入出力を行う。

モデム２０５は公衆回線２１９に接続され、公衆回線２１９を介して情報の入出力を行う。

外部デバイスＩ／Ｆ２０６はＩＣカード・リーダライタ２２１に接続され、ＩＣカード・リーダライタ２２１を介してＩＣカードに記載された情報の読み取りや、ＩＣカードへ情報を書き込む。なお、ＩＣカード・リーダライタ２２１は図１において複写機１０２に接続された複写機用ＩＣカード・リーダライタ１０３、および、複写機１０７に接続された複写機用ＩＣカード・リーダライタ１０６を指す。

イメージバスＩ／Ｆ２１０は、システムバス２００７と、画像データを高速で転送する画像バス２１１とを接続し、データ形式を変換するためのバスブリッジである。画像バス２１１は、ＰＣＩバスまたはＩＥＥＥ１３９４から構成される。画像バス２１１上には、ラスタイメージプロセッサ（以下、「ＲＩＰ」という）２１２、デバイスＩ／Ｆ２１３、スキャナ画像処理部２１４、プリンタ画像処理部２１５、画像回転部２１６、および画像圧縮部２１７が設けられる。

ＲＩＰ２１２は、ＰＤＬコードをビットマップイメージに展開するプロセッサである。デバイスＩ／Ｆ２１３には、スキャナ２２２、プリンタ２２３が接続され、デバイスＩ／Ｆ２１３は画像データの同期系／非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部２１４は入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部２１５はプリント出力画像データに対してプリンタ２２３に応じた補正、解像度変換などを行う。画像回転部２１６は画像データの回転を行う。画像圧縮部２１７は多値画像データをＪＰＥＧデータに、２値画像データをＪＢＩＧ、ＭＭＲ、ＭＨなどのデータに圧縮するとともに、その伸張処理を行う。

次に、スキャナ２２２およびプリンタ２２３のハードウェア構成について図３を参照して説明する。

図３は、図２に示すスキャナ２２２およびプリンタ２２３のハードウェア構成を示す側断面図である。

スキャナ２２２とプリンタ２２３とは、図３に示すように、一体的に構成されている。

スキャナ２２２は、原稿給紙ユニット３０１を搭載し、原稿給紙ユニット３０１は、原稿を先頭から順に１枚ずつプラテンガラス３０２上へ給送し、各原稿の読取動作が終了する毎に、その原稿をプラテンガラス３０２から排出トレイ（図示せず）に排出する。

スキャナ２２２は、原稿がプラテンガラス３０２上に給送されると、ランプ３０３を点灯し、移動ユニット３０４の移動を開始する。この移動ユニット３０４の移動によりプラテンガラス３０２上の原稿に対する読取走査が行われる。この読取走査中、原稿からの反射光は、各ミラー３０５，３０６，３０７およびレンズ３０８を経てＣＣＤイメージセンサ（以下、「ＣＣＤ」という）３０９に導かれ、原稿上の画像がＣＣＤ３０９の撮像面上に結像される。ＣＣＤ３０９は、撮像面に結像された画像を電気信号に変換し、この電気信号が所定の処理施された後に制御装置（図示せず）に入力される。

プリンタ２２３は、レーザドライバ３２１を有し、レーザドライバ３２１は、制御装置から入力された画像データに基づきレーザ発光部３２２を駆動する。これにより、レーザ発光部３２２からは画像データに応じたレーザ光が発光され、このレーザ光は走査されながら感光ドラム３２３上に照射される。

感光ドラム３２３上には、照射されたレーザ光により静電潜像が形成され、この静電潜像は現像器３２４から供給されたトナーによりトナー像として可視像化される。レーザ光の照射タイミングに同期して、各カセット３１１、３１２から記録紙が搬送路を介して感光ドラム３２３と転写部３２５との間に給紙され、感光ドラム３２３上のトナー像は転写部３２５により給紙された記録紙上に転写される。

トナー像が転写された記録紙は、搬送ベルトを介して定着ローラ対（加熱ローラと加圧ローラ）３２６に送られ、定着ローラ対３２６は、記録紙を熱圧し、記録紙上のトナー像を記録紙上に定着させる。この定着ローラ対３２６を通過した記録紙は、排紙ローラ対３２７により排紙ユニット３３０に排紙される。排紙ユニット３３０は、ソート、ステイプルなどの後処理を施すことが可能なシート処理装置からなる。

また、両面記録モードが設定されている場合には、記録紙を排紙ローラ対３２７まで搬送した後に、排紙ローラ対３２７の回転方向を逆転させ、フラッパ３２８によって再給紙搬送路３３９へ導く。再給紙搬送路３３９に導かれた記録紙は、上述したタイミングで感光ドラム３２３と転写部３２５との間に再給紙され、この記録紙の裏面にトナー像が転写される。

図４は、図２に示す操作部２２０の構成を示す平面図である。

ＬＣＤ表示部４０１は、ＬＣＤ上にタッチパネルシートが貼られた構造となっており、複写機１０２、１０５の操作画面を表示する。操作画面に表示されたキーが押されるとその位置情報をコントローラユニット２００のＣＰＵ２０１に伝える。その結果、ＣＰＵ２０１は指示された処理の実行を指示する。

スタートキー４０２は、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いられる。スタートキー４０２の中央部には、緑と赤の２色ＬＥＤ４０６が設けられ、その色によってスタートキー４０２が使える状態にあるか否かを示す。ストップキー４０３は、稼働中の動作を止めるときに操作される。ＩＤキー４０４は、使用者のユーザＩＤを入力する時に用いられる。リセットキー４０５は、操作部２２０からの設定を初期化する時に用いられる。

図５は、操作部２２０上に表示される操作画面の一例を示す図である。

操作部２２０の操作画面の上部には、タッチキーからなり、各種の機能を選択するためのコピータブ５０１、送信／ＦＡＸタブ５０２、ボックスタブ５０３、ブラウザタブ５０４、右矢印タブ５０５が表示される。

図５は、コピータブ５０１のタッチキーが押下されたときのコピー機能の初期画面を表している。コピー機能に関する表示は領域５０６で行なわれ、領域５０６の上から、「コピーできます」が表示されている領域には、コピー機能で表示すべきステータスを表示する。その下の領域には、倍率、選択給紙段、部数を表示する。また、コピー機能の動作モードを設定するためのタッチキーとして、等倍、倍率、用紙選択、ソータ、両面、割込み、文字、濃度調整用としての薄くするに対応する左矢印キー、濃くするに対応する右矢印キー、濃度を自動調整する自動キーが表示される。また、初期画面に表示しきれない動作モードの指定画面は、応用モードキーを押下することで、階層的に領域５０６内に表示されるようになっている。

表示領域５０７は、複写機１０２のステータスを表示する領域であり、例えば、ジャムなどのアラームメッセージや、ＰＤＬプリントが行われているときにＰＤＬプリント中であることを示すステータスメッセージを表示する領域である。表示領域５０７にはシステム状況／中止タッチキー５０８が表示される。該システム状況／中止タッチキー５０８を押下すると、複写機１０２のデバイス情報を表示する画面や、プリントジョブ状況を表示する画面（図示せず）を表示し、この画面ではジョブの中止を行うことが可能になる。

送信／ＦＡＸタブ５０２を押下すると、複写機１０２で読み取った画像をＬＡＮ２１８上の機器にＥメール送信またはＦＴＰ送信したり、また公衆回線１００８を使ってファクシミリ送信したりするための設定画面を表示する。

ボックスタブ５０３を押下すると、複写機１０２上で読み取った画像をＨＤＤ２０９内のボックス領域に保存する、ボックス領域に保存されている画像データを指定して印刷する、ＬＡＮ２１８上の機器に送信するための設定画面を表示する。

また、５つ以上の機能がコントローラユニット２００に装備されている場合は、コピー、送信／ＦＡＸ、ボックス、ブラウザの４つ機能タブ５０１〜５０４の右横に右矢印キー５０５が表示される。右矢印キー５０５が押下されると、別の機能のための画面が表示されるようになっている。

図６はＩＣカードと、ＩＣカード内に内蔵されているメモリ領域に格納される情報の内容の模式図である。入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５は、ＩＣカード６００のメモリ領域内に格納されている情報の読み込みと、メモリ領域内に情報を書き込むことが可能である。同様の処理が、退室用ＩＣカード・リーダライタ１０６、複写機用ＩＣカード・リーダライタ１０３、複写機用ＩＣカードリーダライタ１０８においても可能である。

利用者識別情報６０２はＩＣカード６０１のメモリ領域内に格納されている情報であり、ＩＣカードを所持している利用者を一意に識別することが可能な情報である。利用者位置情報６０３はＩＣカード６０１のメモリ領域内に格納されている情報であり、利用者のいる位置を表す情報である。この利用者位置情報６０３は、利用者の入退室に従って変更される。

図７は受付１００から居室１０１に入室する際に、入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５において行われる入室処理のフローチャートである。ある利用者が居室１０１に入室する場合、その利用者が所有するＩＣカード６０１を入室用ＩＣカード・リーダライタに読み取らせると、図７の入室処理が開始される。なお、本願では、フローチャートの各ステップの処理のステップをＳ〜として表記することもある。

ステップ７０１において、入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５は、利用者のＩＣカード６０１のメモリ内に記録された利用者識別情報６０２を読み取る。

ステップ７０２において入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５は、予め自身に登録されている入室許可利用者の一覧を検索し、ステップ７０１において取得した利用者識別情報６０２と一致する情報があるか否かを判断する。

ステップ７０３において、入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５は入室許可利用者の一覧に利用者識別情報６０２があればステップ７０５に、なければステップ７０４に処理を分岐させる。

ステップ７０４において、入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５は、入室不許可とし、電子錠扉１０４を開けずに処理を終了する。

ステップ７０５において、入室ＩＣカード・リーダライタ１０６は利用者のＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３に、利用者が入室する場所の情報（“例えば居室１０１”）を書き込む。

ステップ７０５において、入室ＩＣカード・リーダライタ１０６は利用者の入室を許可し、電子錠扉１０４を開錠する。

以上のようにして、ＩＣカードを使用して居室１０１に入室する際の入室処理が行われることが明らかになった。なお、居室１０１にいる利用者が、居室１０１を出て、受付１００に入る場合には退室用ＩＣカード・リーダライタ１０６とＩＣカード６０１を用いて同様の処理が行われる。この場合は受付１００に対する入室処理として実行される。よって、入室処理を終えて、受付１００に移動が完了した時点で、退室ＩＣカード・リーダライタ１０６は、ＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３に“受付１００”という位置情報を記録する。また、退室に伴って利用者位置情報を初期化（つまり、どの居室にも入室していない状態）してもよい。

図８は複写機１０２、１０７のＨＤＤ２０９内に格納されている操作フロー情報の定義と、データの一例を示したものである。

複写機設置位置情報８００は複写機の設置されている位置を管理する情報である。複写機設置位置情報８００の複写機設置位置８０１には、複写機が設置されている位置を表す情報が設定される。データ例８０２は複写機設置位置８０１に値が設定されていない（ＮＵＬＬ）状態であることを示している。なお、本実施例においては利用者が複写機に付設されているＩＣカード・リーダライタに利用者が所持しているＩＣカードを読み込ませていない状態では、複写機設置位置８０１はデータ例８０２に示すようにＮＵＬＬが設定されている。つまり、複写機がどこに設置されているかは不明な状態である。

操作フロー情報８１０は、複写機に登録されている操作フローの定義を管理する情報である。操作フロー名８１１には、操作フローを一意に識別する名称が設定される。操作フロー定義８１２には、操作フローとして定義されているフローの処理内容が設定される。データ例８１３は、「カタログ印刷」の操作フローのデータ例を示したものである。同様にデータ例８１４は「会議議事録印刷」、データ例８１５は「営業機密文書印刷」の操作フローのデータ例を示したものである。データ例８１６はその他にも操作フローが定義可能であることを示している。

本実施形態では、複写機が設置されている場所に関係なく、操作フローとして定義されている全ての操作フロー情報を、全ての複写機に登録するものとする。すなわち、各複写機には、その複写機の設置場所で実行が許可されていない操作フローも登録されている状態となる。このように、複写機の設置位置によって登録する操作フロー、登録しない操作フローを分けず、どの複写機に対しても同じ操作フローを登録できるようにすることによって、操作フローを登録する登録者は、操作フローの登録作業を単純化できる。

なお、本実施例においては、操作フロー定義８１２にフローの内容そのものを設定したが、操作フローの内容については、別途定義ファイル等に記載し、その定義ファイルを指し示すパス等を記載しても問題ない。

操作フロー実行可能位置一覧８２０は、複写機の設置される位置と、その設置位置において実行可能な操作フローの関係を表した情報である。つまり、ＨＤＤ２０９は、各操作フローの実行可能な場所に関する情報を記憶する。

複写機設置位置８２１は複写機が設置される場所である。利用可能操作フロー８２２は、その設置位置において実行可能な操作フローを表している。データ例８２３は受付１００において実行可能な操作フローがカタログ印刷（データ例８１３）であることを示している。また、データ例８２４およびデータ例８２５は居室１０１において実行可能な操作フローであることを示している。データ例８２６、データ例８２７は居室ＸＸＸという設置位置において、実行可能であることが示されている。

データ例８２８は、これ以外の設置位置についても同様に実行可能な操作フローが定義されていることを示している。

本発明においては、操作フロー実行可能位置一覧８２０において説明したように、各複写機には、設置場所に関係なく、全ての操作フローについて、各操作フローを実行可能な設置位置情報が登録されている。すなわち、例えば受付１００に設置する複写機１０２に対しても、データ例８２４〜８２８で示されるような、受付１００以外の設置場所にて実行可能な情報が登録されている。その結果、複写機の設置場所によって登録する情報の内容が変わらないため、いずれの複写機にも同じ内容の情報を登録すればよく、登録作業が単純化され、設定ミス等が発生しにくくなるという効果を生み出すことが可能となる。

図９は複写機１０２、複写機１０７において、それぞれの設置場所で実行可能な操作フローを実行可能な状態とするための操作フロー判定処理のフローチャートである。なお、図９のフローチャートの各ステップは、複写機のＣＰＵ２０１によって実行される。

また、ここでは、居室１０１に入室した利用者が複写機１０７を利用して、利用可能な操作フローの一覧の表示要求を行う場合を例にとって説明する。

利用者が居室１０１に入室する際には、所持しているＩＣカードを使って、図７において説明した入室処理が行われている。よって、ＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３には“居室１０１”という位置情報が記録されている。

一方、居室１０１に設置されている複写機１０７内には、図８で説明したような、複写機設置位置情報８００、操作フロー情報８１０、操作フロー実行可能位置一覧８２０が定義済みである。

居室１０１に入室した利用者は複写機１０７を操作して、利用可能な操作フロー一覧の表示要求を行うと、複写機１０７は図９の操作フロー判定処理を開始する。

ステップ９０１において、複写機用ＩＣカード・リーダライタ１０８は、利用者が所持しているＩＣカード６０１に保持されている情報を読み取る。

ステップ９０２において、複写機１０７は複写機用ＩＣカード・リーダライタ１０８を介して、ＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３に記録されている情報を取得する。つまり、複写機１０７は、利用者の入室情報を取得する。この場合、前述したように利用者は居室１０１に入室する際に入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５で入室処理（図７）を行い、ＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３には“居室１０１”という利用者が居る場所の情報が記録されている。利用者がそのカードを利用して複写機１０７を使用するため、複写機１０７は、その利用者と同じ場所に設置されていると判断できる。

よって、Ｓ９０３において、複写機１０７は、Ｓ９０２によって読み取った利用者位置情報６０３を複写機設置位置情報８００の複写機設置位置８０１に設定（登録）する。つまり、複写機１０７は、Ｓ９０２の処理によって取得された入室情報を登録する。具体的には、利用者が、居室１０１に入室して、複写機１０７を実行する場合、複写機１０７は、複写機設置位置８０１の値をＮＵＬＬから“居室１０１”に変更する。

ステップ９０４において、複写機１０７は、利用可能な操作フローを検索する。つまり、Ｓ９０２によって取得された入室情報と図８に上述したＨＤＤ２０７に記憶される各操作フローの実行可能な場所に関する情報とに基づいて、入室情報が示す場所において実行可能な操作フローを前記複数の操作フローから抽出する。詳細に説明すると、複写機１０７は、複写機設置位置８０１の値を用いて、操作フロー実行可能位置一覧８２０を検索し、複写機設置位置８０１が複写機設置位置８２１と一致する情報を取得する。具体例を挙げて説明すると、複写機１０７は、複写機設置位置８０１の値が“居室１０１”であるため、“居室１０１”にて実行可能なデータ例を操作フロー実行可能位置一覧８２０から検索する。その結果、複写機１０７は、データ例８２４、８２５の２つが、居室１０１にて実行可能なデータ例であると認識できる。

ステップ９０５において、複写機１０７はステップ９０４の検索結果より、一致する情報が無い場合は利用可能操作フローが無いと判断して、ステップ９１０へ進みエラー情報を表示する。エラー情報の表示例を図１０の画面例１００３に示した。メッセージエリア１００４にはエラーの内容を表示している。

一方、一致する情報が存在する場合、Ｓ９０６において、複写機１０７は、利用可能な操作フローの一覧画面を表示する。つまり、複写機１０７は、Ｓ９０４の処理によって抽出された操作フローを実行するための操作画面を表示する。具体例を挙げて説明すると、複写機設置位置８０１の値が“居室１０１”であれば、一致する情報はデータ例８２４、８２５であり、複写機１０７は、その情報に基づいて操作フロー一覧（例えば図１０の画面例１００１）を操作部に表示する。その結果、操作フローボタン表示エリア１００２には、データ例８２４に対応する「カタログ印刷」、データ例８２５に対応する「会議議事録印刷」の操作フローを実行するボタンが表示される。

Ｓ９０７において、複写機１０７は、操作フロー一覧画面を介して選択されたフローに基づく処理を実行する。具体的には、各フローには実行すべき処理内容が登録されているので、複写機１０７は、登録されている処理内容を順次実行する。

Ｓ９０８において、複写機１０７は、Ｓ９０７によって実行したフローに関する実行履歴情報を保存する。つまり、複写機１０７は、Ｓ９０７の処理によって実行された処理に関する履歴情報およびＳ９０７の処理による実行時に使用したデータを記憶する。具体例を挙げて説明すると、複写機１０７は、例えばスキャン処理を実行した場合、スキャン処理によって得られたスキャン画像データを複写機１０７に記憶部であるＨＤＤ２０９等に保存する処理が挙げられる。このように実行履歴情報を残しておくことで、同じフローを再度実行する場合、例えばスキャン処理を省くことができ、効率的な処理が実行可能となる。

以上のように図９の操作フロー判定処理のフローチャートによって、複写機が利用者の所持するＩＣカード６０１に記録された利用者位置情報６０３に基づいて、複写機の設置場所を判定する。そして、複写機が設置されている場所に適した処理フローを利用可能なフローとして実行ボタンを表示する。その結果、例えば、受け付けなど多くの人が行き交う場所に複写機が設置されても、受け付けにて利用可能なフローのみが実行可能として表示され、機密性の高い処理を実行するフローは実行不可として表示されなくなり、機密性を保持しやすくなる。

また、複写機の設置場所ごとに利用可能なフローを登録する場合、複写機が移動されるたびに、利用可能なフロー情報を変更しなければならなくなる。しかしながら、本実施形態の処理を用いれば、複写機の設置場所が変更されても、利用者の入室情報を使って利用可能なフローを判定する。そのため、複写機に定義する利用可能なフロー情報を、複写機の移動によって変更する必要がなくなり、利便性を向上することが可能となる。

図１１は、図９のＳ９０３によって複写機１０７が取得した利用者位置情報を複写機設置位置に設定した後に実行される処理内容を示したフローチャートであり、ＣＰＵ２０１によって各ステップが実行される。

Ｓ１１０１およびＳ１１０２は、上述したＳ９０１およびＳ９０２と同等の処理であるため詳細な説明は省略する。

Ｓ１１０３において、複写機１０７は、登録されている複写機設置位置情報とＳ１１０２にて新たに取得した利用者位置情報が一致するか否かを判定する。

Ｓ１１０３において一致しないと判定された場合、複写機１０７は、ＨＤＤ２０９等に保持されている実行履歴情報を消去する。つまり、複写機１０７は、Ｓ９０３によって登録された入室情報と、Ｓ９０３の登録処理後にＳ１１０２によって取得された入室情報とが異なる場合、図９のＳ９０８において保存した履歴情報および前記データを削除する。

続いて、複写機１０７は、Ｓ１１０２において取得した新たな利用者位置情報を複写機設置位置情報に登録する。

なお、Ｓ１１０６からＳ１１１０の処理は、Ｓ９０５からＳ９１０の処理と同等であるため詳細な説明は省略する。

図１１のＳ１１０３において取得した位置情報と登録されている位置情報が異なると判定された場合、複写機１０７は、図９のフローチャートの処理を実行した場所とは異なる場所に移動されたと判定できる。よって、異なる場所に移動されたにも関わらず、移動前の場所で行った処理の実行履歴情報を残しておくことは、今後再利用される可能性の低い履歴情報を残すことでメモリの浪費となるおそれがある。また、セキュリティの面でも問題がある。これらの問題点を解決すべく、図１１ではＳ１１０３において取得した位置情報と登録されている位置情報が一致しない場合、履歴情報を消去することで、メモリの浪費およびセキュリティの問題を解決することが可能となる。

また、図９および図１１では、登録した複写機設置位置情報がそのまま記憶されているが、例えば、Ｓ９０６等で表示した操作フロー一覧画面を消去する度に、複写機設置位置情報を初期化（ＮＵＬＬを設定）してもよい。

以上の実施例１では、本発明における以下の効果を生み出すことが可能となる。

図８にて説明したように、本発明では全ての複写機に対して、同じ情報、すなわち全ての操作フロー情報と、全ての操作フロー実行可能位置一覧情報を登録する。これは複写機の設置場所によって操作フローの登録作業や、登録する情報の内容が変わらないことを示しており、登録作業を単純にし、設定ミスや登録作業の負荷を軽減する。

図７および図９にて説明した通り、本発明ではＩＣカードに利用者が入室した場所の情報を記録し、それをもとに複写機が設置されている場所を判定している。これによって、事前に複写機の設置位置を複写機に設定する等の作業が不要である。

また、例えば同じ形式の複写機であっても登録される情報が異なる場合、設置場所を誤ることで適切なフローを実行できなくなる。しかし、本発明では、複写機の利用時に当該複写機の設置場所を登録して、その都度、利用可能なフローを判定するため、複写機の設置場所を誤ることにより、適切なフローが実行できなくなるという不具合を解消できる。また、複写機は、登録された複写機の設置場所に基づいて、利用可能な操作フローと利用不可な操作フローを識別して、利用可能な操作フローを識別可能に表示することが可能である。

さらに、複写機の設置場所が変更されても、複写機の設置場所を設定する必要がないので、設定変更作業等が発生せず、複写機の移動を行うだけで、新しい設置場所で実行可能な操作フローを識別可能に表示でき、設置場所に不適切なフローの実行を防止できる。

（実施例２）
以下に第２の実施例について説明する。第１の実施例では、利用者のＩＣカードによって複写機の設置位置を判定し、その設置位置において利用可能な操作フローを判定していた。つまり、第１の実施例は、利用者が入室をする際に必ず正規の入室処理を行って入室することを前提としている。しかし、一般的なセキュリティシステムにおいて、正規の処理を経ずに入室する侵入者を完全に排除することは難しい。よって、第２の実施例は、複写機の設置位置をより厳しく管理する例について説明する。

本実施例の複写機の構成、ＩＣカード内に内蔵されているメモリ領域に格納される情報、入室処理、複写機内のＨＤＤ２０９内に格納されている操作フロー情報の定義にについては実施例１と同様であるので、図１〜図８までの説明は割愛する。

図１２は複写機を設置する際に、複写機１０２や１０７に対して設置場所を設定する設置場所設定処理の詳細を記述したフローチャートである。設置場所設定処理は、ＣＰＵ２０１が、複写機内のＨＤＤ２０９に格納される設置場所設定アプリケーション等を用いて実行する。設置場所設定アプリケーションは複写機を管理する管理者など、複写機を管理する権限を有する利用者のみが実行可能であり、複写機を設置場所に設置する際に実行するものとする。

仮に新たな複写機を複写機１０７として居室１０１に設置する場合を例にとって設置場所設定処理のフローチャートの詳細を説明する。

複写機の管理者は新しい複写機１０７を居室１０１に移動する。このとき、管理者は居室１０１に入室するために図７に示したような入室処理を行う。よって、管理者の所持するＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３には“居室１０１”という位置情報が記録される。

管理者は居室１０１に複写機１０７を移動した後、複写機１０７のＨＤＤ２０９に格納された設置場所設定アプリケーションを起動し、設置場所設定処理を実行する。

ステップ１２０１において、複写機１０７は、管理者のＩＣカードを読み取る。

ステップ１２０２において、複写機１０７は、認証処理を実行する。この認証処理は例えば予め複写機１０７のＨＤＤ２０９内に記録されている管理者パスワードなどを入力させるもの等である。もしくは、ＨＤＤ２０９内に管理者の利用者識別情報を予め設定しておき、ＩＣカード６０１の利用者識別情報６０２の比較して、一致するかどうかを判定しても良い。

ステップ１２０３において、複写機１０７は、ステップ１２０２の認証処理によって読み取ったＩＣカードの所持者が管理者（特定の利用者）であるか否かを判定する。つまり、複写機１０７は、Ｓ１２０１によって記憶媒体から読み取られた利用者の識別情報に基づいて、当該利用者が特定の利用者に該当するか否かを判定する。

管理者ではないと判定された場合、ステップ１２０４において、複写機１０７は、エラーを表示して処理を終了し、管理者であると判断された場合は処理を続行する。

ステップ１２０５において、複写機１０７は、設置位置情報の初期化処理を実施する。複写機１０７は、図８に示した複写機設置位置情報８００の複写機設置位置８０１の値を初期化して、ＮＵＬＬを設定する。これにより、複写機１０７は一時的に、設置場所が不明な状態になる。

複写機１０７は、ステップ１２０１において読み取った管理者のＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３を取得する（Ｓ１２０６）。居室１０１に複写機を設置しようとしている場合、管理者の所持するＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３には“居室１０１”が設定されているので、複写機は、利用者位置情報“居室１０１”を取得する。

ステップ１２０７において複写機１０７は、複写機設置位置８０１にステップ１２０６において取得した利用者位置情報を設定する。つまり、複写機１０７は、Ｓ１２０３によって特定の利用者であると判定された場合、当該利用者の入室情報を特定の入室情報として登録する。具体的には、管理者が、居室１０１に入室して複写機の設置場所を設定する場合、複写機設置位置８０１には“居室１０１”という値が設定される。

以上で、設置場所設定処理は終了である。図１２の設置場所設定処理は管理者が所持するＩＣカード６０１に記録された利用者位置情報６０３を取得して複写機の設置位置情報を設定（登録）する。よって、管理者による設置場所の設定ミスなどが発生することが無く、正しく設置場所を複写機に設定することが可能である。

図１３は複写機１０２や複写機１０７において、それぞれの設置場所で実行可能な操作フローを実行可能な状態とするための操作フロー判定処理のフローチャートである。なお、図１３のフローチャートの各ステップはＣＰＵ２０１によって実行される。

ここでは、管理者が、複写機１０７を居室１０１に設置する。そして、図１２で説明した設置場所設定処理が行われた複写機１０７を、居室１０１に入室した利用者が利用して、利用可能な操作フローの一覧を表示要求する場合を例にとって説明する。

利用者が居室１０１に入室する際には、ＩＣカードを使って、図７において説明した入室処理を行っている。よって、ＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３には“居室１０１”という位置情報が記録されている。

一方、居室１０１に設置されている複写機１０７内には、図８で説明したような複写機設置位置情報８００、操作フロー情報８１０、操作フロー実行可能位置一覧８２０が定義済みである。また、図１２の設置場所設定処理により、複写機設置位置８０１には“居室１０１”という値が設定済みである。

居室１０１に入室した利用者は複写機１０７を操作して、利用可能な操作フロー一覧の表示要求を行うと、複写機１０７は図１３の操作フロー判定処理を開始する。

ステップ１３０１において、複写機１０７は複写機設置位置情報８００の複写機設置位置８０１に設定されている値を取得する。本実施例では、図１２の処理により複写機１０７には、複写機設置位置情報８００として“居室１０１”が設定されているので、“居室１０１”が取得されることになる。

ステップ１３０２において、複写機１０７は、利用者が所持するＩＣカードを読み取る。

ステップ１３０３において、複写機１０７は、複写機用ＩＣカード・リーダライタ１０８を介して、ＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３に記録されている情報を取得する。この場合、前述したように利用者は居室１０１に入室する際に入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５で入室処理（図７）を行っている。よって、ＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３には“居室１０１”という利用者が居る場所の情報が記録されているため、複写機１０７は“居室１０１”という値を取得する。

ステップ１３０４において、複写機１０７はステップ１３０１で取得した複写機設置位置８０１に設定されている値と、ステップ１３０３において取得したＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３に設定されている値を比較する。つまり、複写機１０７は、図１２のＳ１２０７において登録された管理者の特定の入室情報と、特定の入室情報が登録された後にＳ１３０３によって取得された入室情報とが一致するか否かを判定する。第２実施形態においても利用者がＩＣカードを利用して複写機を使用するため、複写機は利用者と同じ場所にあると判断できる。よって、管理者が正しく入室処理を行って図１２の設置場所設定処理を行い、利用者が正しく入室処理を行っていれば、Ｓ１３０４の比較結果は、一致する。

Ｓ１３０４の比較処理により、一致すると判定された場合、ステップ１３０６に進む。一方、Ｓ１３０４の比較処理によって、一致しないと判定された場合、エラーとして、ステップ１３０５に進む。この値が一致しないということは、設置場所設定処理が正しく行われなかったか、利用者が正しく入室処理を行っていない場合である。具体的には以下の様な場合が考えられる。

１つ目として、管理者が複写機を設置する際に、設置場所設定処理を実施しなかった場合である。例えば、複写機設置位置８０１には、設置場所が設定されていない（ＮＵＬＬ）か、以前の設置場所の値が設定されたままとなっている。その結果、実際に複写機が設置されている場所と異なる設置場所情報が複写機設置位置８０１に設定されている。なお、管理者ではない人物が勝手に複写機を別の場所に移動させてしまった場合もこれに該当する。

２つ目として、管理者もしくは、管理者に成りすました不審者が正しく入室処理を行わずに設置場所に侵入し、設置場所設定処理を実施した場合である。入室処理を行っていないので、設置場所設定処理を実行する際のＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３が、複写機の設置場所とは異なる値となっている。その結果、実際に複写機が設置されている場所と、異なる値が複写機設置位置８０１に設定されている。

３つ目として、利用者もしくは利用者に成りすました不審者が正しく入室処理を行わなかった場合である。例えば、利用者が入室用ＩＣカード・リーダライタで入室処理を行わずにその場所に侵入した場合である。その場合、利用者が所持しているＩＣカード６０１の利用者位置情報６０３には、利用予定の複写機が設置されている場所（つまり、利用者が現在いる場所）とは別の場所が記録されている。

いずれの場合においても、本来実行されるべき複写機の設置場所情報設定処理、利用者の正規な入室処理が行われていない可能性が高いといえる。

ステップ１３０６において、複写機１０７は複写機設置位置８０１の値を用いて、操作フロー実行可能位置一覧８２０を検索し、現在複写機１０７が設置されている場所において利用可能な操作フローを検索する。具体的には、Ｓ１３０１にて取得した複写機設置位置８０１が複写機設置位置８２１と一致する情報を取得する。図８の操作フロー実行可能位置一覧８２０によれば、複写機設置位置８０１の値が“居室１０１”である場合、一致する情報がデータ例８２４、８２５であり、２件存在することとなる。

ステップ１３０７において、複写機１０７はステップ９０４の検索結果より、一致する情報が無い場合は利用可能操作フローが無いと判断して、ステップ１３０５に進む。一致する情報が存在する場合には、ステップ１３０８に進む。

ステップ１３０５において、複写機１０７は、エラー情報を表示する。エラーの表示例は、図１０の画面例１００３に示す。

ステップ１３０８において、複写機１０７は，利用可能な操作フローの一覧画面を表示する。具体的には、複写機設置位置８０１の値が“居室１０１”であれば、一致する情報はデータ例８２４、８２５であり、その情報に基づいて操作フロー一覧の表示を行う。その例を図１０の画面例１００１に示す。

なお、Ｓ１３０９およびＳ１３１０の処理は、上述した図９のＳ９０７およびＳ９０８の処理と同等であるため詳細な説明は省略する。

以上、第２の実施例において説明したように、図１２の設置場所設定処理によって、管理者が所持するＩＣカード６０１に記録された利用者位置情報６０３に基づいて、複写機の複写機設置位置８０１を容易に、且つ正確に設定できることが明らかになった。例えば、管理者が正しく居室１０１に入室した場合、複写機１０７には設置場所として居室１０１が登録される。その後、複写機の利用者が正しく居室１０１に入室しなかった場合、当該利用者のＩＣカードの利用者位置情報には居室１０１とは異なる位置情報が記録されている。この場合、複写機１０７は、登録されている複写機の位置情報と利用者の位置情報が異なるため、当該利用者は正しい入室処理をしておらず部外者の可能性があると判定して、フローの実行を許可しないため、セキュリティを確保することが可能となる。

なお、本願の説明において、入室処理等で利用者の位置を記録する記録媒体と、記録媒体の認識装置してＩＣカードとＩＣカード・リーダライタを使用している。しかし、この手段はＩＣカードとＩＣカード・リーダライタに限定するものではない。例えば、磁気カードと磁気カード・リーダライタ、ＵＳＢメディアとＵＳＢメディア・リーダライタ等々、情報を記録可能な記録媒体と、当該媒体に対して情報の書き込みと読み出しが可能な装置の組み合わせであれば良い。

また、本願では、入室用ＩＣカード・リーダライタ１０５が、居室に入室可能な利用者の情報を記憶していたが、ＩＣカード・リーダライタと通信可能な情報処理装置（例えば管理サーバ）が、居室に入室可能な利用者の情報を記憶してもよい。この場合、ＩＣカード・リーダライタは、ＩＣカードから読み取った利用者の識別情報を情報処理装置へ送信し、情報処理装置が当該利用者の入室を許可する処理となる。この場合、複写機１０７は、管理サーバから利用者の入室情報を取得する。

尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム（実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム）を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。

従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。

その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、ＯＳに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。

プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー（登録商標）ディスク、ハードディスク、光ディスクがある。また、更に、記録媒体としては、光磁気ディスク、ＭＯ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＣＤ−Ｒ、ＣＤ−ＲＷ、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ＲＯＭ、ＤＶＤ（ＤＶＤ−ＲＯＭ，ＤＶＤ−Ｒ）などがある。

その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、その接続先のホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるＷＷＷサーバも、本発明に含まれるものである。

また、本発明のプログラムを暗号化してＣＤ−ＲＯＭ等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。

また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。また、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているＯＳなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。

さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるＣＰＵなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。

複合機能装置を収容するシステムを表す図 複写機の主要部の構成を示すブロック図 スキャナおよびプリンタのハードウェア構成を示す側断面図 操作部の構成を示す平面図 操作部上に表示される操作画面の一例を示す図 ＩＣカードと、ＩＣカード内に内蔵されているメモリ領域に格納される情報の内容の模式図 入室処理のフローチャート 複写機のＨＤＤ内に格納されている操作フロー情報の定義と、データの一例 操作フロー判定処理のフローチャート 操作フロー一覧の画面表示例 操作フロー判定処理のフローチャート 設置場所設定処理のフローチャート 操作フロー判定処理のフローチャート

符号の説明

１０２ 複写機
１０７ 複写機
２０１ ＣＰＵ

Claims (21)

1. 処理内容が登録された複数の操作フローから選択された操作フローを実行可能な画像形成装置であって、
   各操作フローの実行可能な場所に関する情報を記憶する記憶手段と、
   利用者の入室情報を取得する取得手段と、
   前記取得手段によって取得された入室情報と前記記憶手段によって記憶されている各操作フローの実行可能な場所に関する情報とに基づいて、当該入室情報が示す場所において実行可能な操作フローを前記複数の操作フローから抽出する抽出手段と、
   前記抽出手段によって抽出された操作フローを実行するための操作画面を表示する表示制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
2. 前記利用者が所持する記憶媒体を読み取り可能な読み取り手段を更に有し、
   前記取得手段は、前記読み取り手段によって前記記憶媒体から読み出した前記利用者の入室情報を取得することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
3. 前記画像形成装置は、情報処理装置と通信可能であり、
   前記取得手段は、前記利用者が入室したことを示す情報を保持する前記情報処理装置から前記入室情報を取得することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
4. 前記取得手段によって取得された入室情報を登録する登録制御手段と、
   前記抽出手段によって抽出された操作フローから選択されたフローに登録されている処理を実行する実行手段と、
   前記実行手段によって実行された処理に関する履歴情報および前記実行手段による実行時に使用したデータを記憶する記憶制御手段を更に有し、
   前記記憶制御手段は、前記登録制御手段によって登録された入室情報と、当該入室情報が登録された後に前記取得手段によって取得された入室情報とが異なる場合、前記履歴情報および前記データを削除することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の画像形成装置。
5. 前記取得手段によって取得された入室情報を登録する登録制御手段と、
   前記読み取り手段によって記憶媒体から読み取られた前記利用者の識別情報に基づいて、当該利用者が特定の利用者に該当するか否かを判定する第１判定手段を更に有し、
   前記登録制御手段は、前記第１判定手段によって特定の利用者であると判定された場合、当該利用者の入室情報を特定の入室情報として登録することを特徴とする請求項１乃至３のいずれか１項に記載の画像形成装置。
6. 前記登録制御手段によって登録された特定の入室情報と、前記特定の入室情報が登録された後に前記取得手段によって取得された入室情報とが一致するか否かを判定する第２判定手段を更に有し、
   前記第２判定手段によって一致しないと判定された場合、前記表示制御手段は、実行可能な操作フローを表示しないことを特徴とする請求項５に記載の画像形成装置。
7. 前記抽出手段によって抽出された操作フローから選択された操作フローに登録されている処理を実行する実行手段を更に有することを特徴とする請求項５または６に記載の画像形成装置。
8. 処理内容が登録された複数の操作フローから選択された操作フローを実行可能であり、各操作フローの実行可能な場所に関する情報を記憶する記憶部を備えた画像形成装置における制御方法であって、
   利用者の入室情報を取得する取得工程と、
   前記取得工程によって取得された入室情報と前記記憶部によって記憶されている各操作フローの実行可能な場所に関する情報とに基づいて、当該入室情報が示す場所において実行可能な操作フローを前記複数の操作フローから抽出する抽出工程と、
   前記抽出工程によって抽出された操作フローを実行するための操作画面を表示する表示制御工程を有することを特徴とする制御方法。
9. 前記利用者が所持する記憶媒体を読み取り可能な読み取り工程を更に有し、
   前記取得工程は、前記読み取り工程によって前記記憶媒体から読み出した前記利用者の入室情報を取得することを特徴とする請求項８に記載の制御方法。
10. 前記画像形成装置は、情報処理装置と通信可能であり、
    前記取得工程は、前記利用者が入室したことを示す情報を保持する前記情報処理装置から前記入室情報を取得することを特徴とする請求項８に記載の制御方法。
11. 前記取得工程によって取得された入室情報を登録する登録制御工程と、
    前記抽出工程によって抽出された操作フローから選択されたフローに登録されている処理を実行する実行工程と、
    前記実行工程によって実行された処理に関する履歴情報および前記実行工程による実行時に使用したデータを記憶する記憶制御工程を更に有し、
    前記記憶制御工程は、前記登録制御工程によって登録された入室情報と、当該入室情報が登録された後に前記取得工程によって取得された入室情報とが異なる場合、前記履歴情報および前記データを削除することを特徴とする請求項８乃至１０のいずれか１項に記載の制御方法。
12. 前記取得工程によって取得された入室情報を登録する登録制御工程と、
    前記読み取り工程によって記憶媒体から読み取られた前記利用者の識別情報に基づいて、当該利用者が特定の利用者に該当するか否かを判定する第１判定工程を更に有し、
    前記登録制御工程は、前記第１判定工程によって特定の利用者であると判定された場合、当該利用者の入室情報を特定の入室情報として登録することを特徴とする請求項８乃至１０のいずれか１項に記載の制御方法。
13. 前記登録制御工程によって登録された特定の入室情報と、前記特定の入室情報が登録された後に前記取得工程によって取得された入室情報とが一致するか否かを判定する第２判定工程を更に有し、
    前記第２判定工程によって一致しないと判定された場合、前記表示制御工程は、実行可能な操作フローを表示しないことを特徴とする請求項１２に記載の制御方法。
14. 前記抽出工程によって抽出された操作フローから選択された操作フローに登録されている処理を実行する実行工程とを更に有することを特徴とする請求項１２または１３に記載の制御方法。
15. 処理内容が登録された複数の操作フローから選択された操作フローを実行可能であり、各操作フローの実行可能な場所に関する情報を記憶する記憶部を備えた画像形成装置において実行可能な制御プログラムであって、
    利用者の入室情報を取得する取得工程と、
    前記取得工程によって取得された入室情報と前記記憶部によって記憶されている各操作フローの実行可能な場所に関する情報とに基づいて、当該入室情報が示す場所において実行可能な操作フローを前記複数の操作フローから抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程によって抽出された操作フローを実行するための操作画面を表示する表示制御工程を有することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な制御プログラム。
16. 前記利用者が所持する記憶媒体を読み取り可能な読み取り工程を更に有し、
    前記取得工程は、前記読み取り工程によって前記記憶媒体から読み出した前記利用者の入室情報を取得することを特徴とする請求項１５に記載の制御プログラム。
17. 前記画像形成装置は、情報処理装置と通信可能であり、
    前記取得工程は、前記利用者が入室したことを示す情報を保持する前記情報処理装置から前記入室情報を取得することを特徴とする請求項１５に記載の制御プログラム。
18. 前記取得工程によって取得された入室情報を登録する登録制御工程と、
    前記抽出工程によって抽出された操作フローから選択されたフローに登録されている処理を実行する実行工程と、
    前記実行工程によって実行された処理に関する履歴情報および前記実行工程による実行時に使用したデータを記憶する記憶制御工程を更に有し、
    前記記憶制御工程は、前記登録制御工程によって登録された入室情報と、当該入室情報が登録された後に前記取得工程によって取得された入室情報とが異なる場合、前記履歴情報および前記データを削除することを特徴とする請求項１５乃至１７のいずれか１項に記載の制御プログラム。
19. 前記取得工程によって取得された入室情報を登録する登録制御工程と、
    前記読み取り工程によって記憶媒体から読み取られた前記利用者の識別情報に基づいて、当該利用者が特定の利用者に該当するか否かを判定する第１判定工程を更に有し、
    前記登録制御工程は、前記第１判定工程によって特定の利用者であると判定された場合、当該利用者の入室情報を特定の入室情報として登録することを特徴とする請求項１５乃至１７のいずれか１項に記載の制御プログラム。
20. 前記登録制御工程によって登録された特定の入室情報と、前記特定の入室情報が登録された後に前記取得工程によって取得された入室情報とが一致するか否かを判定する第２判定工程を更に有し、
    前記第２判定工程によって一致しないと判定された場合、前記表示制御工程は、実行可能な操作フローを表示しないことを特徴とする請求項１９に記載の制御プログラム。
21. 前記抽出工程によって抽出された操作フローから選択された操作フローに登録されている処理を実行する実行工程とを更に有することを特徴とする請求項１９または２０に記載の制御プログラム。

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