JP2008109108A - 高分子吸着膜及びその製造方法 - Google Patents

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知久 天間
Kenta Tanaka
健太 田中
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Toshihiko Tanaka
利彦 田中
Hideyuki Higashimura
秀之 東村
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Abstract

【課題】多層構造の電子素子の製造に有用な固体表面に付着した高分子吸着膜を提供する。
【解決手段】(1)2種以上の電荷輸送性ブロックを含む高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、該電荷輸送性ブロックのいずれかが優先的に基材表面に付着している高分子吸着膜;(2)2種以上の電荷輸送性ブロックを含む高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、優先的に基材表面に付着している電荷輸送性ブロックとは異なる電荷輸送性ブロックのいずれかが優先的に露出している高分子吸着膜;(3)高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、該高分子が2種以上の電荷輸送性ブロックを含み、該電荷輸送性ブロックから選ばれたいずれかの電荷輸送性ブロックがその他の電荷輸送性ブロックよりも優先的に基材表面に付着している高分子吸着膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子素子、発光ダイオード、光電変換素子等に有用な高分子吸着膜、及びその製造方法に関する。
高分子量の発光材料や電荷輸送材料は、溶媒に可溶でかつ塗布法等の簡便な方法により薄膜を形成できる。したがって、発光材料や電荷輸送材料として優れた各種の高分子化合物が開発されてきた。
しかし、これら高分子を発光材料や電荷輸送材料等として用いる場合、電子素子の性能を実用レベルに上げるために、通常多数の層を積層する。例えばこのような素子として、電極間に1〜2種の電荷輸送層と発光層を積層したものが挙げられる(特許文献1)。
ところが多数の積層の際にはいくつかの課題が有る。層数に応じた生産の設備や時間が必要となる。また、積層時に先に塗布した下層が溶解して層構造が形成できないという課題もある。そのため通常、下層は上層の塗布時に使用する溶媒に不溶でなければならず、上層及び下層の材料に制限が課される。例えば上記例のように下層を架橋等で不溶化する必要がある。このような課題のために、分子の構造には一定の制限があった。積層せずに異なる機能の材料を混合して積層と同様の効果を得る方法もあるが、効果が十分でなかったり、異種の材料が析出したりする等の課題があり、必ずしも十分とはいえなかった。
もし膜が層の積層方向に2層以上に自己組織的に自然に層分離すれば、一回の操作で2層以上の膜を作製できる。このような現象を示す有機材料は多数知られているが、いずれも電子素子に用いる場合いくつかの課題がある。例えばこれら層は電荷輸送性又は発光性が求められる。
このような例として、アビラムらが電子供与性を有する部位と電子吸引性を有する部位が直線的に結合した分子を電極間に配置すればダイオードとしてや光電変換の機能を発現するという考えを提起した(非特許文献1)。
以来このような分子がいくつか合成され、実際に基板電極上に非対称に付着させることで整流機能が測定されている。ところがこれらの分子の長さは一般に3nm未満で極めて小さいため、こういった非対称で欠陥の無い配置を再現性良く正確に製造することはしばしば極めて難しい。したがって、この素子を工業的に製造することは難しい。例えば、ユーらは、整流機能を観測するために走査トンネル顕微鏡を用いており、実用的な面積の素子を作製することは難しいと言わざるを得ない(非特許文献2)。
これに対して、上記の高分子の発光材料や電荷輸送材料等の積層素子で使用されている膜は一般に10〜100nm程度の厚みで形成されている。したがって、この程度の膜厚に相当する多層構造をなんらかの自己組織的なプロセスで簡便に一気に形成することは工業的な意義が大きい。例えばこのような観点で基板上で縮合反応を繰り返す方法でp型分子とn型分子を繋げながら発光機能を有する積層素子を製造する方法が示されている。この方法はp型分子とn型分子の配列を自由に制御できる点で優れているが、素子に必要な膜厚を確保するために、積層のための反応を多数繰り返す必要が有り、結果として簡便に製造できる特徴は発揮できるとは必ずしもいえない課題があった。また各反応の収率は必ず100%になるとは言い難く予定の順序で分子を連結できない部分が生じやすい。したがってこのような構造の膜が一部に得られる可能性はあるとしても、実際に素子で使用される一定の有限な面積でこのような構造の膜が確かに正確に均一に再現性良く製造できるとは必ずしもいえない(特許文献2)。
米国特許第6169163号特許明細書 特開2006−32689号公報 ケミカル・フィジックス・レターズ、29巻、2号、277頁〜283頁 ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ、124巻、11862頁〜11863頁
複数の電荷輸送性ブロックを含むある高分子が基材に付着し、そのうちある電荷輸送性ブロックが基材上に優先的に付着する性質があれば、基材上に当該電荷輸送性ブロックを主体とする層が形成し、当該層に対して基材と反対側にその他の電荷輸送性ブロックを主体とする層が形成する。またこの場合、高分子は分子量が大きいため各層の膜厚を大きくすることができ、また一回の付着操作で再現性よく製造できる。
ところがこのような電子素子として有用な電荷輸送の性質を具備した複数の電荷輸送性ブロックを含む高分子からなり、かつ特定の電荷輸送性ブロックが実際に優先的に基材に付着した非対称の構造を有する高分子吸着膜は全く知られていなかった。
そこで、本発明者らは、このようなある電荷輸送性ブロックが優先的に基材に付着し、非対称の構造の高分子吸着膜を得るために鋭意検討した結果、本発明に到達した。本発明の目的は、多層構造の電子素子の製造に有用な固体表面に付着した高分子吸着膜を提供することにある。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(24)を提供する。
(1)2種以上の電荷輸送性ブロックを含む高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、該電荷輸送性ブロックのいずれかが優先的に基材表面に付着している高分子吸着膜。
(2)2種以上の電荷輸送性ブロックを含む高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、優先的に基材表面に付着している電荷輸送性ブロックとは異なる電荷輸送性ブロックのいずれかが優先的に露出している高分子吸着膜。
(3)高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、該高分子が2種以上の電荷輸送性ブロックを含み、該電荷輸送性ブロックから選ばれたいずれかの電荷輸送性ブロックがその他の電荷輸送性ブロックよりも優先的に基材表面に付着している高分子吸着膜。
(4)前記高分子が下記式:
A>Z> (ZA+ZB)/2
(式中、Zは前記高分子の膜の接触角の値であり、ZAは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番大きい値であり、ZBは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番小さい接触角の値である。)
を満たす(1)〜(3)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(5)前記高分子が、下記式:
B<Z< (ZA+ZB)/2
(式中、Zは前記高分子の膜の接触角の値であり、ZAは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番大きい値であり、ZBは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番小さい接触角の値である。)を満たす(1)〜(3)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(6)前記高分子のポリスチレン換算の数平均分子量が103以上108以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(7)前記高分子が有する電荷輸送性ブロックの少なくとも1種が発光性である(1)〜(6)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(8)前記高分子が有する電荷輸送性ブロックの少なくとも一種が電子輸送性であり、かつ少なくとも一種が正孔輸送性である(1)〜(7)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(9)前記高分子が非対称ブロック共重合体である(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(10)前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種がポリアリーレン残基である(1)〜(9)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(11)前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種が芳香族ポリアミン残基である(1)〜(9)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(12)該高分子中に含まれる窒素原子の重量濃度が1%以上である(11)に記載の高分子吸着膜。
(13)前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種がポリアリーレン残基であり、少なくとも一種が芳香族ポリアミン残基である(10)〜(12)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(14)前記ポリアリーレン残基が、置換基を有していてもよいポリフルオレンジイル基、又は置換基を有していてもよいポリベンゾフルオレンジイル基である(10)〜(13)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(15)前記非対称ブロック共重合体が、1種又は2種以上の正孔輸送性ブロックからなる部分(A)と、該部分(A)に直接的又は間接的に連結した1種又は2種以上の電子輸送性ブロックからなる部分(B)とを有してなる(9)〜(14)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(16)前記非対称ブロック共重合体が、下記式(1):
Figure 2008109108
(式中、Ar11、Ar12、Ar13、・・・、Arn(nは12以上の整数である)は、それぞれ独立に、1つの電荷輸送性ブロックにおける、置換基を有していてもよい共役系の2価の基を表す。但し、該電荷輸送性ブロック同士は直結していても結合基を介して結合していてもよく、該電荷輸送性ブロック同士が直結している場合、直結している2つの電荷輸送性ブロックを構成する共役系の2価の基は異なる。m11、m12、m13、・・・、mnは、それぞれ独立に、5以上の整数である。)
で表される構造を有するものである(9)〜(15)のいずれかに記載の高分子吸着膜。
(17)前記非対称ブロック共重合体が、下記式(6):
Figure 2008109108
(式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい共役系の二価の基を表す。但し、Ar1とAr2は異なり、Ar2とAr3は異なる。RX及びRYは、それぞれ独立に、末端基を表す。m1、m2及びm3は、それぞれ独立に、0以上の整数である。但し、m1、m2及びm3のうち、少なくとも2つは5以上の整数である。Ar2が付着基を有する場合、RX、RY、Ar1及びAr3は付着基を有しない。Ar2が付着基を有しない場合、Ar1およびRXのいずれか一方と、Ar3又はRYのいずれか一方が付着基を有する。)
で表される(16)に記載の高分子吸着膜。
(18)前記非対称ブロック共重合体が、下記式(7):
Figure 2008109108
(式中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい共役系の二価の基を表す。但し、Ar4とAr5は異なる。RP及びRQは、それぞれ独立に、末端基を表す。m4及びm5は、それぞれ独立に、5以上の整数である。Ar4、RP、Ar5又はRQは付着基を有する。)
で表される(17)に記載の高分子吸着膜。
(19)前記Ar4が置換基を有していてもよいポリアリーレン残基であり、前記Ar5が置換基を有していてもよい芳香族ポリアミン残基である(18)に記載の高分子吸着膜。
(20)前記ポリアリーレン残基が、置換基を有していてもよいポリフルオレンジイル基、又は置換基を有していてもよいポリベンゾフルオレンジイル基である(19)に記載の高分子吸着膜。
(21)前記基材を前記高分子の溶液に浸漬する工程を含む(1)〜(20)のいずれかに記載の高分子吸着膜の製造方法。
(22)前記基材に前記高分子の溶液を塗布する工程を含む(1)〜(20)のいずれかに記載の高分子吸着膜の製造方法。
(23)前記基材に前記高分子の溶液を浸漬又は塗布した後、該高分子を、該高分子の良溶媒と接触させる工程を含む(21)又は(22)に記載の高分子吸着膜の製造方法。
(24)(21)〜(23)のいずれかに記載の高分子吸着膜の製造方法により得られる高分子吸着膜。
(25)(1)〜(20)及び(24)のいずれかに記載の高分子吸着膜を含む電子素子。
(26)(25)に記載の電子素子からなる発光ダイオード。
(27)(25)に記載の電子素子からなる光電変換素子。
本発明の高分子吸着膜は多層構造(例えば、2層構造)の機能を有しながら、通常の積層によって作製される多層構造(例えば、2層構造)よりも簡便に短い工程数で作製できる。よって、本発明の高分子吸着膜は、発光素子等の電子素子の部材として有用で、これらを用いた素子は、通常の多層構造よりも簡便に短い工程数で作製できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<高分子吸着膜>
本発明の高分子吸着膜は、以下の3種である。
1.2種以上の電荷輸送性ブロックを含む高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、該電荷輸送性ブロックのいずれかが優先的に基材表面に付着している高分子吸着膜。
2.2種以上の電荷輸送性ブロックを含む高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、優先的に基材表面に付着している電荷輸送性ブロックとは異なる電荷輸送性ブロックのいずれかが優先的に露出している高分子吸着膜。
3.高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、該高分子が2種以上の電荷輸送性ブロックを含み、該電荷輸送性ブロックから選ばれたいずれかの電荷輸送性ブロックがその他の電荷輸送性ブロックよりも優先的に基材表面に付着している高分子吸着膜。
ここで、「優先的に基材表面に付着している」とは、電荷輸送性ブロックのうちある一種の電荷輸送性ブロックが、他のブロックに比べて優先的に基材と接していることを意味し、例えば、基材表面近傍(通常、基材最表面から1 nm 以内)の空間にあるブロックが占める空間が、他のブロックが占める空間よりも大きいことを意味する。また、「吸着」とは、通常、2つの異なる均一相が共存するとき、その境界領域で組成がそれぞれ均一相における組成と異なる現象を意味し、本発明の場合、高分子を含む溶液等の相が基材と接する時、高分子の濃度がバルク中の濃度と異なる部分が基材表面に形成される現象を意味する。本発明の高分子吸着膜は前記部分に対応する。「優先的」とは、本明細書において、いずれかの成分が占める空間、面または数量等が他の成分よりも多いことを意味し、例えば電荷輸送性ブロックAの占める空間が50%を超えて占めることを意味する。「露出」とは、本明細書において、基材表面に付着している高分子吸着膜の膜表面近傍(通常、膜最表面から1 nm 以内)の空間の性質が、付着している電荷輸送性ブロックとは異なる電荷輸送性ブロックの性質に近い状態を意味する。その性質としては、例えば、接触角、色調、硬度、耐熱性、耐水性、吸着性、耐溶媒性、電気伝導性、発光性、吸光性等が挙げられる。
本発明の高分子吸着膜は、前記高分子が、2種以上の電荷輸送性ブロックからなるものであって、下記式:
A>Z> (ZA+ZB)/2 (A)
B<Z< (ZA+ZB)/2 (B)
(式中、Zは前記高分子の膜の接触角の値であり、ZAは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番大きい値であり、ZBは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番小さい接触角の値である。)
のいずれかを満たすものであることが好ましく、上記式(A)を満たすものであることがより好ましい。
前記接触角は、固体表面と液滴とが接するときに、液面と固体面とのなす角で液体を含む側の角を言い、本発明の場合、高分子吸着膜または後述するスピンコート膜と超純水とが接するときの超純水側の角をいう。ここで、撥水性とは、その超純水側の角が50°以上のことをいい、親水性とはその超純水側の角が50°未満のことをいう。
ここで、電荷輸送性ブロックの一種からなる高分子の膜の接触角の中で一番大きい値を有する膜は撥水性であり、一番小さい値を有する膜は親水性である。本発明の高分子吸着膜が、前記式(A)を満たす場合、接触角が一番大きい値を有する膜を構成する電荷輸送性ブロックが優先的に露出していることを顕著に示すので、好ましくはZA−Z<30°であり、より好ましくはZA−Z<20°であり、更に好ましくはZA−Z<10°である。また、本発明の高分子吸着膜が、前記式(B)を満たす場合、接触角が一番小さい値を有する膜を構成する電荷輸送性ブロックが優先的に露出していることを顕著に示すので、好ましくは Z−ZB<30°であり、より好ましくはZ−ZB<20°であり、更に好ましくはZ−ZB<10°である。
−基材−
前記基材とは高分子吸着膜が付着する固体を表すが、その材料は、用途に応じて、電子工業分野、ディスプレイ分野等で公知のものを使用することができる。その具体例としては、ガラス、サファイア、半導体(例えば、シリコン等)、樹脂、卑金属、貴金属(例えば、白金、金、パラジウム等)、酸化物(例えば、酸化シリコン、インジウムスズ酸化物、酸化スズ、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化アルミニウム等)、窒化物(例えば、窒化シリコン、窒化ガリウム等)、炭化物(例えば、炭化シリコン等)等が挙げられる。これらの基材の材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。例えば基材の最表層の材料を内部と異なるものを用いることが出来る。具体的にはガラス板上にインジウムスズ酸化物の層を設けたもの等が挙げられる。なお、前記基材が二種以上の材料からなる場合、該基材の最表層を構成する材料が高分子吸着膜と付着する。最表層には、物理的にも化学的にも安定なものを用いることが好ましい。前記基材の形状は、用途にもよるが、一般的に平滑なものが好ましく、その厚みは1μm〜1mであることが好ましく、0.01mm〜100mmであることがより好ましく、0.1mm〜10mmであることが特に好ましい。
−高分子吸着膜−
高分子吸着膜は、前記基材上に形成された後述する高分子からなる薄膜と基材を含む。薄膜の平均的厚さは、通常、0.1nm〜10μmであるが、好ましくは0.2nm〜1μmであり、より好ましくは0.2nm〜500nmであり、さらに好ましくは0.2nm〜200nmである。基材表面では、該基材と、該基材に優先的に付着している電荷輸送性ブロックとが、各種の相互作用〔ファンデルワールス力、イオン結合及び水素結合等の結合力〕で接触していることが好ましい。
−高分子−
本発明の高分子吸着膜に用いる高分子について説明する。本発明において高分子は2種類以上の電荷輸送性ブロックを含む。ここで電荷輸送性ブロックとは電荷輸送性であって、高分子中でほぼ一定の同質の物理化学的性状を有する構造の単位である。また、ブロックとは、通常、5個以上の構成単位から形成される分子構造(部分)を意味する。このような構造の単位にはさまざまな具体的な分子構造が使用できるが、好ましくはある繰り返し単位が連結した分子構造であって、より好ましくは5個以上の繰り返し単位が連結した分子構造である。
一般的にはあまりに高分子の分子量が小さいと再現性良く高分子吸着膜を形成することが出来ないことが多く、また大きすぎると溶けにくくなって使いにくいことが多いので、該高分子のポリスチレン換算の数平均分子量は、103以上であることが好ましく、103以上108以下であることが好ましく、5×103以上107以下であることが特に好ましい。
このような電荷輸送性ブロックとしては公知の2価の電荷輸送性基Arを連結する構造が挙げられる。公知の電荷輸送性基Arを連結する場合、各電荷輸送性基Arを独立に選択することも出来る。ただ高分子の合成しやすさからいって、これらのブロックを構成する電荷輸送性基Arの種類が少ないことが好ましく、5種類以下がより好ましく、2種類以下がさらに好ましく、1種類が特に好ましい。この場合、同一ブロック内での複数種類の電荷輸送性基Ar(Ar1、Ar2、Ar3・・・)の結合の順序については特に限定されず目的に応じて適宜選択できるが、合成の容易さの点ではランダム又は交互(2種の場合)が好ましい。
電荷輸送性基Arとしては例えば公知の共役系高分子の繰り返し単位として知られるものや、公知の電荷輸送性化合物から誘導される2価の基が挙げられる。電荷輸送性基Arとして具体的には、以下に例示されるものを使用することができる。このなかでは安定性、合成の容易さ、電荷輸送等の観点から(C−1)〜(C−20)、(D−1)〜(D−19)、(D−20)、(E−1)〜(E〜2)、(E−7)〜(E−13)、(E−15)〜(E−20)、(E−22)〜(E−26)、(G−1)〜(G−8)及び(J−1)〜(J−3)、(J−5)〜(J−14)、(J−18)〜(J−22)で表される二価基が好ましく、(C−1)〜(C−6)、(C−10)、(C−11)、(C−15)、(D−16)〜(D−19)、(D−20)、(E−17) 〜(E−20)、(G−1)〜(G−8)、(J−1)〜(J−3)で表される二価基がより好ましく、(C−1)〜(C−3)、(C−10)、(C−11)、(C−15)、(D−16)〜(D−19)、(E−17) 〜(E−20)、(G−1)〜(G−6)で表される二価基がさらに好ましく、(C−1)、(C−11)、(C−15)、(D−16)、(E−20)、(G−1)、(G−2)で表される二価基が特に好ましい。また各発光機能を有する電子素子に利用する場合には、電荷輸送性ブロックの少なくとも一種が発光性であることが好ましい。このような発光性の電荷輸送性ブロックとしては、公知の発光性を示す高分子の繰り返し単位として知られるものや、公知の蛍光性ないし燐光性化合物から誘導される2価の基が挙げられる。このような発光性の電荷輸送性基としては合成の容易さ、電荷輸送等の観点から、以下に例示されるものから適宜選択して用いることができる。例えば、(C−1)、(C−11)、(C−15)、(D−16)、(E−20)が好適に使用できる。
[表1]
Figure 2008109108
[表2]
Figure 2008109108
[表3]
Figure 2008109108
[表4]
Figure 2008109108
[表5]
Figure 2008109108
[表6]
Figure 2008109108
[表7]
Figure 2008109108
式中、Raは、水素原子又は置換基を表し、安定性や合成のしやすさ等の観点から、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、1価の複素環基であることが好ましく、より好ましくはアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、1価の複素環基であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基である。
ここで、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数1〜15であり、より好ましくは1〜10であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられ、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。Raが複数存在する場合には、2つのアルキル基どうしで結合して環を形成してもよい。
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、全炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48である。その具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基等が例示され、これらはさらにアルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、置換アミノ基等の置換基を有していてもよい。これらの有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、炭素数1〜12のアルキル基及び/又は炭素数1〜12のアルコキシ基及び/又はアルキルオキシカルボニル基を1つ以上置換基として有するフェニル基が好ましい。
アリールアルキル基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基(「C1〜C12アルキル」は、アルキル部分の炭素数が1〜12であることを意味する。以下、同様である。)、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基(「C1〜C12アルコキシ」は、アルコキシ部分の炭素数が1〜12であることを意味する。以下、同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基等が挙げられ、有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
1価の複素環基とは、複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、1価の複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素等のヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基等が例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
式中、Rcはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、置換基が、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド残基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基から選ばれるものであることが好ましい。より好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、置換アミノ基、置換シリル基、アシル基、置換カルボキシル基及びシアノ基から選ばれるものであり、さらに好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基及び置換カルボキシル基から選ばれるものであり、さらに好ましくはアルキル基、アルコキシ基及びアリール基から選ばれるものであり、さらに好ましくはアルキル基である。
ここに、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数1〜15であり、より好ましくは1〜10であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられ、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。アルキル基が複数存在する場合には、2つのアルキル基どうしで結合して環を形成してもよい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数1〜15であり、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基、2−エトキシエチルオキシ基等が挙げられ、有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点と耐熱性とのバランスからは、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。アルコキシ基が複数存在する場合には、2つのアルコキシ基どうしで結合して環を形成してもよい。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐又は環状のいずれでもよく、炭素数が通常1〜20程度、好ましくは炭素数3〜20である。
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、全炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48である。その具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基等が例示され、これらはさらにアルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。
アリールオキシ基は、炭素数が通常6〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等が例示され、有機溶媒への溶解性、合成の行いやすさ等の観点からは、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
アリールチオ基は、炭素数が通常3〜60程度であり、その具体例としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等が例示される。
アリールアルキル基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは7〜48であり、その具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基等が例示される。
アリールアルコキシ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48であり、その具体例としては、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプチロキシ基、フェニルオクチロキシ基等のフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基等が例示される。
アリールアルキルチオ基は、炭素数が通常7〜60程度、好ましくは炭素数7〜48である。
アリールアルケニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C2〜C12アルケニル基(「C2〜C12アルケニル」は、アルケニル部分の炭素数が2〜12であることを意味する。以下、同様である。)、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基等が例示される。
アリールアルキニル基は、炭素数が通常8〜60程度であり、その具体的としては、フェニル−C2〜C12アルキニル基(「C2〜C12アルキニル」は、アルキニル部分の炭素数が2〜12であることを意味する。以下、同様である。)、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基等が例示される。
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基から選ばれる1又は2個の基で置換されたアミノ基があげられ、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換アミノ基の炭素数は該置換基の炭素数を含めないで通常1〜60程度、好ましくは炭素数2〜48である。具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基等が例示される。
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の基で置換されたシリル基が挙げられる。置換シリル基の炭素数は通常1〜60程度、好ましくは炭素数3〜48である。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
アシル基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
アシルオキシ基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基等が挙げられる。
アミド基は、炭素数が通常2〜20程度、好ましくは炭素数2〜18であり、その具体例としては、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基等が挙げられる。
1価の複素環基とは、複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素等のヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基等が例示され、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
置換カルボキシル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基で置換されたカルボキシル基があげられ、炭素数が通常2〜60程度、好ましくは炭素数2〜48であり、その具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等が挙げられる。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基又は1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素数には該置換基の炭素数は含まれない。
高分子中では各電荷輸送性ブロックの両末端は他の電荷輸送性ブロックと連結するか高分子の末端をなす。この場合、電荷輸送性ブロック間を連結する部分については、直接結合させても良いしあるいは場合によりスペーサとして連結基を用いることも出来る。電子的な性質に影響を与える場合があるため一般的には直接結合させる方が好ましい。連結基としては特に限定されないが、一般的には原子数100以下の安定な二価の基から選択して用いることが出来るが、原子数30以下の安定な二価の基が好ましい。このような安定な二価の基としては、アルケニル基、アルコキシアルケニル基を挙げることができる。
高分子の末端をなす部分には末端基として各種の分子構造を用いる事が出来る。例えばこのような末端の構造にはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、イミド残基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、シアノ基、水酸基、リン酸基及びチオール基から選ばれるものを挙げることができる。
本発明の高分子は、高分子中に電荷輸送性ブロック以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては各種の公知のものを例示できるが、例えば発光性の基、前記連結基、前記末端基をあげることができる。ここで発光性の基は、公知の発光性の化合物〔例えば、ルブレン誘導体、ペリレン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体等〕からなる1価又は2価の基が挙げられる。
このような電荷輸送性ブロック以外の成分の量が多くなりすぎると電荷輸送性ブロックの優先的な吸着に影響するので、通常電荷輸送性ブロック以外の成分は高分子中で30重量%以下であり、10重量%以下が好ましい。
本発明における好ましい高分子の一つは、2種類以上の電荷輸送性ブロックを含む非対称ブロック共重合体であるが、好ましくは2〜10種、より好ましくは2〜4種の電荷輸送性ブロックを含む非対称ブロック共重合体である。また、前記非対称ブロック共重合体が、1種又は2種以上の正孔輸送性ブロックからなる部分(A)と、該部分(A)に直接的又は間接的に連結した1種又は2種以上の電子輸送性ブロックからなる部分(B)とを有してなるものであることが特に好ましい。本明細書において、非対称ブロック共重合体とは、ブロック共重合体の一方の末端からの末端基、繰り返し単位、連結基の連なる順番が他方の末端からの該連なりと同一でない構造を意味する。
本発明の高分子吸着膜では、前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種がポリアリーレン残基又は芳香族ポリアミン残基であるか、前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種がポリアリーレン残基であり、かつ少なくとも一種が芳香族ポリアミン残基であることが好ましい。さらに、前記ポリアリーレン残基が、置換基を有していてもよいポリフルオレンジイル基、又は置換基を有していてもよいポリベンゾフルオレンジイル基であることがより好ましい。
前記非対称ブロック共重合体は、再現性及び有機溶媒に対する溶解性の観点から、ポリスチレン換算の数平均分子量が、1×103以上であることが好ましく、1×103〜1×108であることがより好ましく、5×103〜1×107であることが特に好ましい。また、前記非対称ブロック共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量は、4×102以上であることが好ましく、4×102〜1×107であることがより好ましく、1×103〜1×106であることが特に好ましい。
前記非対称ブロック共重合体を構成する前記電荷輸送性ブロックの種類は、特に限定されないが、合成の容易さと層分離の容易さの観点から、2〜10種類が好ましく、2〜5種類がより好ましく、2〜3種類がさらに好ましく、2種類が特に好ましい。
前記非対称ブロック共重合体は、高い電荷輸送性の観点から、前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種がポリアリーレン残基であるものが好ましい。
前記ポリアリーレン残基は、二価の芳香族炭化水素基が5個以上連結してなる二価の基である。前記二価の芳香族炭化水素基としては、例えば、(E−1)〜(E−26)、置換基を有していてもよいフルオレンジイル基、置換基を有していてもよいベンゾフルオレンジイル基、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいチエニレン基等が挙げられるが、置換基を有していてもよいフルオレンジイル基、置換基を有していてもよいベンゾフルオレンジイル基が好ましい。なお、フルオレンジイル基は、フルオレンの芳香環に結合する水素原子が2個離脱してなる二価の基である。また、ベンゾフルオレンジイル基は、ベンゾフルオレンの芳香環に結合する水素原子が2個離脱してなる二価の基である。また、フェニレン基は、ベンゼンに結合する水素原子が2個離脱してなる二価の基である。また、チエニレン基は、チオフェンに結合する水素原子が2個離脱してなる二価の基である。前記置換基としては、前記置換基Rcで挙げられたものが挙げられる。
前記非対称ブロック共重合体は、合成の容易さと優先的な吸着の観点から、前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種がポリアリーレン残基であり、少なくとも一種が芳香族ポリアミン残基であるものがより好ましい。
前記芳香族ポリアミン残基とは、芳香族炭化水素基と窒素原子が連結してなる二価の基である。芳香族ポリアミンの具体例としては、上記(D−10)、(D−16)〜(D−19)、(D−22)、(E−24)、(G−1)〜(G−8)、(J−10)、(J−20)、(J−21)等が2個以上連結してなる二価の基が挙げられる。
前記非対称ブロック共重合体において、前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種が電子輸送性であり、少なくとも一種が正孔輸送性であることが、電子素子の機能の観点から好ましい。ここで、電子輸送性とは、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。また正孔輸送性とは、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有しているものであればよい。このようなものとしては、公知の電子輸送性若しくは正孔輸送性の高分子の繰り返し単位からなるブロック、又は公知の電子輸送性若しくは正孔輸送性の化合物から誘導される繰り返し単位からなるブロックを挙げることができる。
前記非対称ブロック共重合体において、前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一つは、優先的に基板に付着する性質(付着性電荷輸送性ブロック)が必要である。そのため、前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種は、付着に適切な基を有するか、或いは付着に適切な末端基と結合していることが好ましい(以下両者をまとめて付着基という場合がある)。このような付着基は用いる基材の最表面の材料によって異なるので、公知の付着基から適宜選択できる。このような公知の付着基としては、以下の例が挙げられる。
基材の最表層が金属又は金属酸化物の場合、付着基としては、例えば、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、置換アミノ基、アミド基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、1価の複素環基、シアノ基等が挙げられる。これらの基は、具体的には、前記で説明し例示したものと同じである。
例えば、基材が金又は銀の場合、好ましい付着基としてイオウを含む基〔チオール基等〕を挙げることができる。
また前記基材の最表層が、アルミニウム酸化物、インジウムスズ酸化物、ガラス等の金属酸化物である場合、前記付着基としては、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、置換アミノ基、アミド基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、シリル基、置換シリル基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミジル基、1価の複素環基、シアノ基等が挙げられ、水酸基、リン酸基、スルホン酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、アミド基が好ましい。これらの基は、具体的には、前記で説明し例示したものと同じである。
例えば、前記付着基であるアミノ基、置換アミノ基としては、前記(D−1)、(D−4)〜(D−10)、(D−16)〜(D−19)、(D−22)、(E−19)〜(E−21)、(E−24)、(G−1)〜(G−8)、(J−7)、(J−10)、(J−20)、(J−21)、(L−1)〜(L−4)、(L−6)、(K−1)〜(K−4)、(K−6)等が挙げられる。前記非対称ブロック共重合体を安定に溶解させることができ、かつ、前記非対称ブロック共重合体の優先的な吸着の観点から、これらのブロックを構成する窒素原子の重量濃度は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは2%以上であり、更に好ましくは3%以上である。
前記非対称ブロック共重合体において、前記付着性電荷輸送性ブロックは、一種のみ存在しても二種以上存在してもよいが、得られる高分子吸着膜の薄膜の均一性、製造の再現性、合成の容易さの点で、二種以下が好ましく、一種のみがより好ましい。
さらに好ましい非対称ブロック共重合体は、前記付着性電荷輸送性ブロック以外に、該ブロックに比べて相対的に付着力が小さい電荷輸送性ブロック(以下、「非付着性電荷輸送性ブロック」という)を含む。非付着性電荷輸送性ブロックは、付着性電荷輸送性ブロックを優先的に基板表面に付着させるために、前記付着基を有しないか、或いは前記付着基の個数を付着性電荷輸送性ブロックよりも少なくすればよく、前記付着基を有しないことが好ましい。
前記基材の最表層が、疎水性の場合(例えば、アルキルシラン類、アルキルカルボン酸等のアルキル化合物で表面修飾されている場合)、通常は最表層が金属や金属酸化物の場合と反対に、前記非付着性電荷輸送性ブロックが優先的に基材に付着する。
本発明の高分子吸着膜において、前記薄膜の均一性、前記高分子吸着膜の再現性、さらに合成の容易さの点で、前記非対称ブロック共重合体は2個以下の付着性電荷輸送性ブロックと3個以下の非付着性電荷輸送性ブロックとから構成されることが好ましく、2個以下の付着性電荷輸送性ブロックと2個以下の非付着性電荷輸送性ブロックから構成されることがより好ましく、1個の付着性電荷輸送性ブロックと2個以下の非付着性電荷輸送性ブロックから構成されることがさらに好ましく、1個の付着性電荷輸送性ブロックと1個の非付着性電荷輸送性ブロックから構成されることが特に好ましい。
さらに、同様の観点から、前記非対称ブロック共重合体の分子鎖末端において、一方では、付着性電荷輸送性ブロックが末端基と結合しており、かつ他方の分子鎖末端では、非付着性電荷輸送性ブロックが末端基と結合していることがさらに好ましく、前記非対称ブロック共重合体が前記2個の電荷輸送性ブロックからなり、付着性電荷輸送性ブロックが末端で末端基と結合しており、かつ他方の分子鎖末端では、非付着性電荷輸送性ブロックが末端基と結合していることが特に好ましい。
本発明の好ましい実施形態のひとつは、前記非対称ブロック共重合体が、下記式(1):
Figure 2008109108
(式中、Ar11、Ar12、Ar13、・・・、Arn(nは12以上の整数である)は、それぞれ独立に、1つの電荷輸送性ブロックにおける、置換基を有していてもよい共役系の2価の基を表す。但し、該電荷輸送性ブロック同士は直結していても連結基を介して結合していてもよく、該電荷輸送性ブロック同士が直結している場合、直結している2つの電荷輸送性ブロックを構成する共役系の2価の基は異なる。m11、m12、m13、・・・、mnは、それぞれ独立に、5以上の整数である。)
で表される構造を有する。
前記式(1)中、Ar11、Ar12、Ar13、・・・、Arnで表される置換基を有していてもよい共役系の2価の基としては、前記電荷輸送性基Arと同じである。
前記式(1)中、m11、m12、m13、・・・、mnは、少なくとも2つが5〜1×106の整数であることが好ましく、少なくとも2つが1×10〜1×104の整数であることがより好ましく、少なくとも2つが1.5×10〜1×103の整数であることがさらに好ましく、少なくとも2つが2×10〜5×102の数であることが特に好ましい。
本発明のより好ましい実施形態では、前記非対称ブロック共重合体が、下記式(6):
Figure 2008109108
(式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい共役系の二価の基を表す。但し、Ar1とAr2は異なり、Ar2とAr3は異なる。RX及びRYは、独立に、末端基を表す。m1、m2及びm3は、それぞれ独立に、0以上の整数である。但し、m1、m2及びm3のうち、少なくとも2つは5以上の整数である。Ar2が付着基を有する場合、RX、RY、Ar1及びAr3は付着基を有しない。Ar2が付着基を有しない場合、Ar1およびRXのいずれか一方と、Ar3およびRYのいずれか一方は付着基を含む。)
で表されるものである。
前記式(6)中、Ar1、Ar2及びAr3で表される置換基を有していてもよい共役系の二価の基は、前記Ar11、Ar12、Ar13、・・・、Arnで表される置換基を有していてもよい共役系の2価の基として説明し例示したものと同じである。
前記式(6)中、m1、m2及びm3は、少なくとも2つが5〜1×106の整数であることが好ましく、少なくとも2つが1×10〜1×104の整数であることがより好ましく、少なくとも2つが1.5×10〜1×103の整数であることがさらに好ましく、少なくとも2つが2×10〜5×102の整数であることが特に好ましい。
本発明のさらに好ましい実施形態では、下記式(7):
Figure 2008109108
(式中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい共役系の二価の基を表す。但し、Ar4とAr5は異なる。RP及びRQは、それぞれ独立に、末端基を表す。m4及びm5は、それぞれ独立に、5以上の整数である。Ar4、RP、Ar5又はRQは付着基を有する。)
で表されるものである。
前記式(7)中、Ar4及びAr5で表される置換基を有していてもよい共役系の二価の基は、前記Ar11、Ar12、Ar13、・・・、Arnで表される置換基を有していてもよい共役系の2価の基として説明し例示したものと同じである。
前記式(7)中、m4及びm5は、5〜1×106の整数であることが好ましく、1×10〜1×104の整数であることがより好ましく、1.5×10〜1×103の整数であることが更に好ましく、2.0×10〜5×102の整数であることが特に好ましい。
前記式(7)で表される非対称ブロック共重合体の例としては、以下に掲げるものが好ましい。式中、mおよびnは、それぞれ独立に、前記m4およびm5と同様である。式中RDはそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を表す。アルキル基、アリール基、アリールアルキル基としては、前記アルキル基、前記アリール基、前記アリールアルキル基として説明し例示したものと同じである。RF及びRGは、それぞれ独立に、末端基を表す。
[表8]
Figure 2008109108
前記式(7)で表される非対称ブロック共重合体の例としては、以下に掲げるものも好ましい。式中、m及びnは、それぞれ独立に、前記m4及びm5と同様である。
[表9]
Figure 2008109108
前記非対称ブロック共重合体のポリスチレン換算の数平均分子量Mnは、通常、1×103〜1×108であり、好ましくは5×103〜1×107であり、より好ましくは1×104〜1×106であり、さらに好ましくは2×104〜5×105である。また、前記非対称ブロック共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは、通常、1×103〜1×108であり、薄膜の成膜性の観点から、好ましくは5×103〜1×107であり、より好ましくは1×104〜5×106であり、さらに好ましくは5×104〜1×106であり、5×104〜5×105である。これらの数平均分子量及び重量平均分子量は、前記非対称ブロック共重合体のサイズ排除クロマトグラフィー(以下、「SEC」という)によって測定できる。
前記非対称ブロック共重合体は、如何なる製造方法によって得られたものでもよいが、公知の方法、例えば、下記一般式(b)で表される化合物二種類以上を縮合重合することにより製造することができる。
Figure 2008109108
(b)
(式中、Arは、前記式(1)中のArと同様である。X1は、ハロゲン原子、下記式(c)で表されるスルホネート基、又はメトキシ基を表す。M1は、ホウ酸エステル残基、ホウ酸残基、下記式(d)で表される基、下記式(e)で表される基、又は下記式(f)で表される基を表す。)
Figure 2008109108
(c)
(式中、RPは、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
Figure 2008109108
(d)
(式中、XAは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
Figure 2008109108
(e)
(式中、XAは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)
Figure 2008109108
(f)
(式中、RQ、RR及びRSは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
前記式(b)中、X1で表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記式(c)中、RPで表される置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基を構成するアルキル基、アリール基としては、前記アルキル基、前記アリール基として説明し例示したものと同じである。これらの原子、基は、前記と同様である。
前記式(c)で表されるスルホネート基としては、例えば、メタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基、フェニルスルホネート基、4−メチルフェニルスルホネート基等が挙げられる。
前記式(b)中、M1で表されるホウ酸エステル残基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 2008109108
<製造方法>
次に、本発明の高分子吸着膜の製造方法を説明する。本発明の高分子吸着膜は、前記高分子を適切な基材に適切な環境で付着させることにより作製することができる。付着の方法としては、適切な基材に吸着させる方法又は塗布する方法が挙げられる。前記基材に前記高分子の溶液を浸漬又は塗布した後、該高分子を、該高分子の良溶媒と接触させる工程を含む方法が好ましい。
前記吸着又は塗布の工程は、前記非対称ブロック共重合体の種類及び分子量にもよるが、気相、液相、又は固相で行うことができ、取り扱いの容易さの観点から、液相で行うことが好ましい。気相で行う場合は、蒸着等の方法によって真空中で清浄な基材上に堆積させて形成することができる。固相で行う場合は、前記非対称ブロック共重合体を清浄な基材上に擦りつける方法を用いることができる。液相で行う場合は、前記非対称ブロック共重合体の溶液に浸す方法、前記非対称ブロック共重合体の溶液を塗布する方法等が挙げられる。
いずれの方法を用いる場合も、基材の表面は清浄にしておく必要がある。ここで、基材表面に汚れ、ゴミ等が付着していると非対称ブロック共重合体を含有する薄膜に欠陥が生じる。そのため、結合の直前に基材の洗浄を終えて、直ちに吸着等の結合の工程に入ることが好ましい。洗浄方法は基材の種類によっても異なるが、それぞれの基材について、公知の方法を用いることができる。欠陥の少ない前記非対称ブロック共重合体を含有する薄膜を形成するためには、洗浄の最終工程で、オゾン、プラズマ等で処理することが好ましく、オゾン、酸素プラズマ等の活性酸素種で処理することがさらに好ましく、簡便さの観点から、オゾンで処理することが特に好ましい。
前記基材を前記非対称ブロック共重合体の溶液に浸す方法を説明する。前記非対称ブロック共重合体の溶液の濃度は、該非対称ブロック共重合体の種類によって異なるが、該非対称ブロック共重合体を安定に溶解させることができる濃度範囲で調整することができる。前記薄膜を安定に得る観点からは、前記非対称ブロック共重合体の溶液の濃度は、0.001〜1000g/Lであり、かつ該非対称ブロック共重合体を安定に溶解させることができる濃度範囲が好ましく、0.01〜100g/Lであり、かつ該非対称ブロック共重合体を安定に溶解させることができる濃度範囲がより好ましく、0.01〜10g/Lであり、かつ該非対称ブロック共重合体を安定に溶解させることができる濃度範囲が特に好ましくい。前記基材を前記非対称ブロック共重合体の溶液に浸す時間は、前記非対称ブロック共重合体の種類によって異なるが、通常、100時間以内である。
また、使用する高分子の溶液は、不純物を極力除去したものを用いることが好ましい。特に、ゴミ、基材表面に吸着する性質の他の分子が混入していると、得られる高分子吸着膜に欠陥が生じる。
さらに、高分子吸着膜の形成方法によるが、高分子、浸漬後の基材から、必要に応じて、余分な高分子を除去することが好ましい。この除去の方法は、使用する溶媒により洗浄する方法が挙げられる。この溶媒には、前記高分子を溶解し、かつ前記基材から高分子吸着膜を除去しないものを選択すればよい。通常前記浸漬工程の場合、そこで使用したものが一般に好ましい。塗布により本発明の高分子吸着膜を形成する場合は一般にこのような余分な高分子が多量に発生しやすいので、前記除去が好ましい。
<電子素子>
本発明の電子素子は、前記高分子吸着膜を含むものであって、具体的には、例えば、有機物の多層構造を有する公知の電子素子の、多層構造の一部を本発明の高分子吸着膜から基材を除いた薄膜に置き換えて用いてなるものである。必要に応じて、該高分子吸着膜または高分子吸着膜から基材を除いた薄膜に加えて、陽極、陰極、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層、正孔阻止層、電子阻止層、発光層、バッファ層等の層を有していてもよい。本発明の電子素子の構造は、特に限定されないが、本発明の電子素子の一実施態様は、例えば、インジウムスズ酸化物からなる層上に、前記非対称ブロック共重合体の高分子吸着膜を形成しこの高分子吸着膜上に、さらに電子輸送層、陰極金属を順番に積層するものである。ここで、前記非対称ブロック共重合体又は電子輸送層を構成する材料が、発光する機能を有する部分構造を含んでいる場合には、前記電子素子を発光素子として使用することができる。本発明の電子素子は、発光素子、光電変換素子に用いることができる。これらの素子についても有機物の多層構造を有する公知の発光素子又は光電変換素子の多層構造の一部を本発明の高分子吸着膜に置き換える構成を用いることができる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、次の条件で求めた。
装置 :東ソー製HLC−8220GPC
カラム:以下の4本を直列に繋げた。
TSKguard column SuperH−H(東ソー製)1本
TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本
TSKgel SuperH2000(東ソー製)1本
移動相:テトラヒドロフラン
検出器:示差屈折率検出器
非対称ブロック共重合体に含まれる窒素原子の重量濃度は元素分析(CHN自動分析法)を用いて行った。
装置 :Elementar社製 vario EL
<合成例1>−非対称ブロック共重合体Aの合成−
300mL三口フラスコに下記式:
Figure 2008109108
で表される化合物B1.00g(1.5mmol)を仕込み、フラスコ内をアルゴンガスで置換した。そこに、4−t−ブチルブロモベンゼン6.6mg(0.03mmol)及びトルエン34mLを仕込み、45℃で5分間攪拌した。次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム2.1mg(0.002mmol)及びトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン6.5mg(0.018mmol)を加え45℃で10分間攪拌し、30重量%炭酸セシウム水溶液7.0mLを加えた後、45℃で5分間攪拌した。次いで、110℃で2.5時間攪拌し、高速液体クロマトグラフィーにて化合物Bの消失を確認した。ここで、SECにおけるピークトップのポリスチレン換算の分子量が5.2×104であることを確認した。
次いで、下記式:
Figure 2008109108
で表される化合物C2.23g(4.2mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム5.7mg(0.006mmol)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン17.4mg(0.049mmol)、30重量%炭酸セシウム水溶液19mL及びトルエン9mLを加え、110℃にて17時間攪拌した。その後、高速液体クロマトグラフィーにて化合物Cの消失を確認した。ここで、SECにおけるピークトップのポリスチレン換算の分子量は8.1×104であり、共重合により分子量が増加したことを確認した。
次いで、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエン0.46g(2.1mmol)及びトルエン2mLを加え、110℃にて3時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応溶液の有機層と水層とを分離し、該有機層をエタノール375mLに滴下して沈殿を析出させ、該沈殿を濾過、乾燥し、黄色固体を得た。この黄色固体をトルエン125mLに溶解させ、シリカゲルと活性アルミナのカラムクロマトグラフィーを行い、濃縮乾固した。得られた固体をテトラヒドロフランに溶解させ、アセトンへ溶液を滴下して沈殿を析出させ、該沈殿を濾過、乾燥する操作を3回繰り返し、固体を得た。次いで、該固体をトルエンに溶解させ、得られた溶液をメタノールに滴下して沈殿を析出させ、該沈殿を濾過、乾燥し、非対称ブロック共重合体A1.1gを得た。
非対称ブロック共重合体Aは、元素分析の結果から、下記式:
Figure 2008109108
で表される繰り返し単位Aと、下記式:
Figure 2008109108
で表される繰り返し単位Bとを、32:68のモル比で有するものであった。また、非対称ブロック共重合体Aのポリスチレン換算の数平均分子量Mnは5.1×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは8.1×104であった。
<合成例2>−重合体Dの合成−
100mL二口フラスコに前記化合物B1.00g(1.5mmol)を仕込み、フラスコ内をアルゴンガスで置換した。そこに、トルエン34mLを仕込み、45℃で5分間攪拌した。次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム2.1mg(0.002mmol)及びトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン6.6mg(0.019mmol)を加え、45℃で10分間攪拌した後、30重量%炭酸セシウム水溶液7.0mLを加え、45℃で5分間攪拌した。その後、110℃で4時間攪拌した。次いで、2−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン50.4mg及びトルエン2.5mLを仕込み、110℃で2時間攪拌した。次いで、4−t−ブチルブロモベンゼン70.0mgを仕込み、110℃で16時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応溶液をエタノール380mLに滴下して沈殿を析出させ、該沈殿を濾過、乾燥し、固体を得た。前記固体をトルエン48mLに溶解させ、シリカゲルと活性アルミナのカラムクロマトグラフィーを行い、濃縮乾固した。該固体をクロロホルム43mLに溶解させ、得られた溶液をエタノール260mLに滴下して沈殿を析出させ、該沈殿を濾過、乾燥し、前記繰り返し単位Aのみからなる重合体D0.64gを得た。この重合体Dのポリスチレン換算の数平均分子量Mnは6.3×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは1.2×105であった。
<合成例3>−重合体Eの合成−
1L二口フラスコに下記式:
Figure 2008109108
で表される化合物F4.87g(0.01mol)を仕込み、フラスコ内を窒素置換した。そこに、2,2-ビピリジル4.22g(0.027mol)及びテトラヒドロフラン720mL、ビス−(1、5−シクロオクタジエン)7.43g(0.027mol)を仕込み、60℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応溶液をメタノール720mL、イオン交換水720mL、25%アンモニア水36mLの混合溶液中に滴下して沈殿を析出させ、該沈殿を濾過して減圧乾燥した。次いで、トルエン300mLに溶解させ、ラヂオライトを加えて攪拌し、不溶解物を濾過した。得られた濾液を、アルミナカラムを通して精製を行った後、5.2%塩酸590mLを加え攪拌した後に水層を除去し、有機層に4%アンモニア水590mLを加え攪拌した後に水層を除去し、さらに有機層にイオン交換水590mLを加え攪拌した後に水層を除去した。その後、有機層をメタノール940mLに注下して沈殿を析出させ30分間攪拌した後、該沈殿を濾過、減圧乾燥し、前記繰り返し単位Bのみからなる重合体Fを得た。この重合体Dのポリスチレン換算の数平均分子量は5.8×103であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は1.2×104であった。
<合成例4>−非対称ブロック共重合体Gの合成−
200mL三口フラスコに前記化合物B1.00g(1.5mmol)を仕込み、フラスコ内をアルゴンガスで置換した。そこに、4−t−ブチルブロモベンゼン6.6mg(0.03mmol)及びトルエン34mLを仕込み、45℃で5分間攪拌した。次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム2.2mg(0.002mmol)及びトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン6.6mg(0.019mmol)を加え45℃で10分間攪拌し、33重量%炭酸セシウム水溶液7.0mLを加えた後、45℃で7分間攪拌した。次いで、110℃で3時間攪拌し、高速液体クロマトグラフィーにて化合物Bの消失を確認した。ここで、SECにおけるピークトップのポリスチレン換算の分子量が7.1×104であることを確認した。
次いで、前記化合物C0.82g(1.5mmol)およびトルエン10mLを加え110℃で21時間攪拌した。その後、高速液体クロマトグラフィーにて化合物Cの消失を確認した。ここで、SECにおけるピークトップのポリスチレン換算の分子量は8.9×104であり、共重合により分子量が増加したことを確認した。
次いで、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエン0.17g(0.78mmol)及びトルエン2mLを加え、110℃にて3時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応溶液をエタノール500mLに滴下して沈殿を析出させ、該沈殿を濾過、乾燥し、黄色固体を得た。この黄色固体をトルエン65mLに溶解させ、シリカゲルと活性アルミナのカラムクロマトグラフィーを行い、濃縮乾固した。得られた固体をクロロホルムに溶解して得られた溶液をエタノールに滴下し、析出した沈殿を濾過、乾燥し、固体を0.82g得た。該固体0.73gをテトラヒドロフランに溶解させ、アセトンへ溶液を滴下して得られた沈殿を濾過、乾燥する操作を4回繰り返し、非対称ブロック共重合体G0.40gを得た。
非対称ブロック共重合体Gは、元素分析の結果から、前記式で表される繰り返し単位Aと、前記式で表される繰り返し単位Bとを、66:34のモル比で有するものであった。また、非対称ブロック共重合体Aのポリスチレン換算の数平均分子量Mnは7.2×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは1.1×105であった。
<合成例5>−非対称ブロック共重合体Hの合成―
300mL三口フラスコに前記化合物B1.00g(1.5mmol)を仕込み、フラスコ内をアルゴンガスで置換した。そこに、4−t−ブチルブロモベンゼン6.6mg(0.03mmol)及びトルエン34mLを仕込み、45℃で5分間攪拌した。次いで、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム2.1mg(0.002mmol)及びトリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン6.6mg(0.018mmol)を加え45℃で10分間攪拌し、33重量%炭酸セシウム水溶液7.0mLを加えた後、45℃で5分間攪拌した。次いで、110℃で4時間攪拌し、高速液体クロマトグラフィーにて化合物Bの消失を確認した。ここで、SECにおけるピークトップのポリスチレン換算の分子量が5.6×104であることを確認した。
次いで、前記化合物C5.12g(9.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム13.2mg(0.014mmol)、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン40.6mg(0.115mmol)、33重量%炭酸セシウム水溶液44mL及びトルエン10mLを加え、110℃にて14.5時間攪拌した。その後、高速液体クロマトグラフィーにて化合物Cの消失を確認した。ここで、SECにおけるピークトップのポリスチレン換算の分子量は1.0×105であり、共重合により分子量が増加したことを確認した。
次いで、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)トルエン1.05g(4.8mmol)及びトルエン2mLを加え、110℃にて3時間攪拌した。合成例5と同様の精製操作を行い目的とする非対称ブロック共重合体H2.5gを得た。
非対称ブロック共重合体Hは、元素分析の結果から、前記式で表される繰り返し単位Aと、前記式で表される繰り返し単位Bとを、17:83のモル比で有するものであった。また、非対称ブロック共重合体Aのポリスチレン換算の数平均分子量Mnは7.2×104であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは1.2×105であった。
<実施例1>−高分子吸着膜の作製−
ガラス基板を有機溶剤(トルエン及びテトラヒドロフラン)、アルカリ性洗剤の水溶液及び蒸留水で洗浄した後にオゾンガスに3分間暴露させることで、ガラス板の表面の付着物を取り除いた。このガラス基板を前記非対称ブロック共重合体AのTHF溶液(5×10-2g/L)に浸し、3日間静置した後に引き上げ、トルエンを吹きかけて洗浄した。得られたガラス基板に紫外線を当てたところ、肉眼で蛍光を確認した。さらに、励起光波長を350nmとして、蛍光スペクトルを測定した。こうして得られた蛍光スペクトルを図1に示す。この蛍光スペクトルの特徴から、非対称ブロック共重合体Aによる蛍光発光であることが確認された。即ち、非対称ブロック共重合体Aがガラス基板上に付着していることが判明した。
<比較例1>−比較用高分子膜の作製−
ガラス基板を、前記重合体Aに代えて、重合体DのTHF溶液(5×10-2g/L)に浸した以外は、実施例1と同様にして実験を行った。得られたガラス基板に紫外線を当てたが肉眼でいかなる蛍光も確認できなかった。さらに、励起光波長を350nmとして、蛍光スペクトルを測定した。こうして得られた蛍光スペクトルを図1に示す。また観測されたかすかな蛍光スペクトルも、重合体Dによる蛍光発光ではないため、該重合体Dはガラス基板に付着していない。
<評価>
実施例1と比較例1とを比較することにより、実施例1で作製した高分子吸着膜において、アミノ基を有する繰り返し単位Bからなるブロックが基板上に優先的に付着していることが明確に分かる。比較例1で用いたベンゾフルオレンからなる繰り返し単位Aからなるブロックはガラス基板にほとんど吸着せず、したがって実施例1においても繰り返し単位Aからなるブロックはガラス基板にほとんど吸着できず、繰り返し単位Bからなるブロックによって基板上に吸着している。
<実施例2>−高分子吸着膜の作製−
ガラス基板をクロロホルム、メタノール、アルカリ性洗剤の水溶液、蒸留水及びアセトンで洗浄した後にオゾンガスに1分間暴露させることで、ガラス基板の表面の付着物を取り除いた。このガラス基板を前記非対称ブロック共重合体AのTHF溶液(5 g/L)に浸し、3日間静置した後に引き上げ、THF を吹きかけて洗浄し、減圧乾燥した。得られた高分子吸着膜に超純水0.5μL を付着させ、接触角測定を行ったところ60.1°であった。得られた結果を表1に示す。
<比較例2>−比較用高分子スピンコート膜の作製−
前記重合体DのTHF溶液(2.5 g/L)を用いてガラス基板上にスピンコート膜を作製し、得られた高分子膜(吸着膜ではない)の接触角を測定したところ 67.4°であった。得られた結果を表1に示す。
<比較例3>−比較用高分子膜の作製−
ガラス基板を重合体EのTHF溶液(5×10-2g/L)に浸した以外は、実施例1と同様にして実験を行った。得られた高分子膜の接触角は34.5°であり、親水性が高い値を示した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2008109108
<評価>
比較例2と比較例3との接触角を比較することにより、構成単位Aのみからなる重合体D膜の最表面は撥水性が高く、構成単位Bのみからなる重合体E膜は親水性が高い。これに対し、非対称ジブロック共重合体Aの高分子吸着膜(実施例2)では撥水性が高く、接触角は比較例2に近い値を示す。このことより、実施例2で作製した高分子吸着膜は、構成単位Aが最表面に多く存在し、吸着性の構成単位Bが基材近くに存在することが分かる。
<実施例3>−高分子吸着膜の作製−
非対称ブロック共重合体AのTHF溶液濃度を5×10-2g/Lに代えて、ガラス基板を浸した以外は、実施例2と同様にして実験を行った。さらに、励起光波長を350nmとして、蛍光スペクトルを測定した。こうして得られた蛍光スペクトルを図2に示す。
<実施例4>−高分子吸着膜の作製−
ガラス基板を非対称ブロック重合体GのTHF溶液(5×10-2g/L)に浸した以外は、実施例2と同様にして実験を行った。さらに、励起光波長を350nm として、蛍光スペクトルを測定した。こうして得られた蛍光スペクトルを図2に示す。
<実施例5>−高分子吸着膜の作製−
ガラス基板を非対称ブロック重合体HのTHF溶液(5×10-2g/L)に浸した以外は、実施例2と同様にして実験を行った。さらに、励起光波長を350nm として、蛍光スペクトルを測定した。こうして得られた蛍光スペクトルを図2に示す。
<評価>
図2において、実施例3〜5のグラフから、N成分の含有率が高い非対称ブロック共重合体がより多くガラス基板に吸着していることが分かる。したがって、N成分を含んでいる繰り返し単位Bからなるブロックが優先的に基板上に吸着している。
<実施例6>−高分子吸着膜の作製−
ITO基板をクロロホルム、メタノール、アルカリ性洗剤の水溶液、蒸留水及びアセトンで洗浄した後にオゾンガスに1分間暴露させることで、ITO基板の表面の付着物を取り除いた。このITO基板を前記非対称ブロック共重合体HのTHF溶液(5 g/L)に浸し、3日間静置した後に引き上げ、THFを吹きかけて洗浄し、減圧乾燥した。この高分子吸着膜上に重合体Dを膜厚が約135 nm になるようにスピンコートした後、金を50 nm 蒸着させ、電流―電圧測定を行った。実施例6で作製した高分子吸着膜の電流―電圧測定を行ったところ、12Vの電圧をかけた時3.04×10-6Aの電流が流れた。得られた結果を表2に示す。
<比較例4>−(吸着膜ではない)比較用高分子膜の作製−
ITO基板をクロロホルム、メタノール、アルカリ性洗剤の水溶液、蒸留水及びアセトンで洗浄し、ITO基板の表面の付着物を取り除いた。このITO基板上に重合体Dを膜厚が約135 nm になるようにスピンコートした後、金を50 nm 蒸着させ、電流―電圧測定を行った。得られた結果を表2に示す。
<比較例5>−(吸着膜ではない)比較用高分子膜の作製−
ITO基板をクロロホルム、メタノール、アルカリ性洗剤の水溶液、蒸留水及びアセトンで洗浄し、ITO基板の表面の付着物を取り除いた。このITO基板上に重合体Eを膜厚が約10 nm になるようにスピンコートし、乾燥した。その後、重合体Dを膜厚が約135 nm になるようにスピンコートし、金を61 nm 蒸着させ、電流―電圧測定を行った。得られた結果を表2に示す。
<比較例6>−(吸着膜ではない)比較用高分子膜の作製−
ITO基板をクロロホルム、メタノール、アルカリ性洗剤の水溶液、蒸留水及びアセトンで洗浄し、ITO基板の表面の付着物を取り除いた。このITO基板上に重合体Eを膜厚が約50 nm になるようにスピンコートし、乾燥した。その後、重合体Dを膜厚が約135 nm になるようにスピンコートし、金を61 nm 蒸着させ、電流―電圧測定を行った。得られた結果を表2に示す。
Figure 2008109108
<評価>
実施例6と比較例4との結果を比較すると、比較例4では実施例6と比べて電流が流れないことが分かる。このことより、非対称ジブロック共重合体Hの構成単位Bが基材と吸着し、電流を流していることが分かる。実施例6と比較例5、6の結果を比較すると、高分子吸着膜が重合体Eをスピンコートした高分子膜に対し、重合体Dに同等以上の電荷を注入できることが分かる。
実施例1で作製したガラス基板(高分子吸着膜)、及び比較例1で作製したガラス基板(高分子膜)の蛍光スペクトルである。 実施例3〜5で作製したガラス基板(高分子吸着膜)の蛍光スペクトルである。

Claims (27)

  1. 2種以上の電荷輸送性ブロックを含む高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、該電荷輸送性ブロックのいずれかが優先的に基材表面に付着している高分子吸着膜。
  2. 2種以上の電荷輸送性ブロックを含む高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、優先的に基材表面に付着している電荷輸送性ブロックとは異なる電荷輸送性ブロックのいずれかが優先的に露出している高分子吸着膜。
  3. 高分子と基材とを含む高分子吸着膜であって、該高分子が2種以上の電荷輸送性ブロックを含み、該電荷輸送性ブロックから選ばれたいずれかの電荷輸送性ブロックがその他の電荷輸送性ブロックよりも優先的に基材表面に付着している高分子吸着膜。
  4. 前記高分子が、下記式:
    A>Z> (ZA+ZB)/2
    (式中、Zは前記高分子の膜の接触角の値であり、ZAは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番大きい値であり、ZBは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番小さい接触角の値である。)
    を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の高分子吸着膜。
  5. 前記高分子が、下記式:
    B<Z< (ZA+ZB)/2
    (式中、Zは前記高分子の膜の接触角の値であり、ZAは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番大きい値であり、ZBは前記高分子が含む電荷輸送性ブロックの1種からなる高分子の膜の接触角の中で一番小さい接触角の値である。)を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の高分子吸着膜。
  6. 前記高分子のポリスチレン換算の数平均分子量が103以上108以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  7. 前記高分子が有する電荷輸送性ブロックの少なくとも1種が発光性である請求項1〜6のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  8. 前記高分子が有する電荷輸送性ブロックの少なくとも一種が電子輸送性であり、かつ少なくとも一種が正孔輸送性である請求項1〜7のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  9. 前記高分子が非対称ブロック共重合体である請求項1〜8のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  10. 前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種がポリアリーレン残基である請求項1〜9のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  11. 前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種が芳香族ポリアミン残基である請求項1〜9のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  12. 該高分子中に含まれる窒素原子の重量濃度が1%以上である請求項11に記載の高分子吸着膜。
  13. 前記電荷輸送性ブロックの少なくとも一種がポリアリーレン残基であり、少なくとも一種が芳香族ポリアミン残基である請求項10〜12のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  14. 前記ポリアリーレン残基が、置換基を有していてもよいポリフルオレンジイル基、又は置換基を有していてもよいポリベンゾフルオレンジイル基である請求項10〜13のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  15. 前記非対称ブロック共重合体が、1種又は2種以上の正孔輸送性ブロックからなる部分(A)と、該部分(A)に直接的又は間接的に連結した1種又は2種以上の電子輸送性ブロックからなる部分(B)とを有してなる請求項9〜14のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  16. 前記非対称ブロック共重合体が、下記式(1):
    Figure 2008109108
    (式中、Ar11、Ar12、Ar13、・・・、Arn(nは12以上の整数である)は、それぞれ独立に、1つの電荷輸送性ブロックにおける、置換基を有していてもよい共役系の2価の基を表す。但し、該電荷輸送性ブロック同士は直結していても結合基を介して結合していてもよく、該電荷輸送性ブロック同士が直結している場合、直結している2つの電荷輸送性ブロックを構成する共役系の2価の基は異なる。m11、m12、m13、・・・、mnは、それぞれ独立に、5以上の整数である。)
    で表される構造を有するものである請求項9〜15のいずれか一項に記載の高分子吸着膜。
  17. 前記非対称ブロック共重合体が、下記式(6):
    Figure 2008109108
    (式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい共役系の二価の基を表す。但し、Ar1とAr2は異なり、Ar2とAr3は異なる。RX及びRYは、それぞれ独立に、末端基を表す。m1、m2及びm3は、それぞれ独立に、0以上の整数である。但し、m1、m2及びm3のうち、少なくとも2つは5以上の整数である。Ar2が付着基を有する場合、RX、RY、Ar1及びAr3は付着基を有しない。Ar2が付着基を有しない場合、Ar1およびRXのいずれか一方と、Ar3又はRYのいずれか一方が付着基を有する。)
    で表される請求項16に記載の高分子吸着膜。
  18. 前記非対称ブロック共重合体が、下記式(7):
    Figure 2008109108
    (式中、Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい共役系の二価の基を表す。但し、Ar4とAr5は異なる。RP及びRQは、それぞれ独立に、末端基を表す。m4及びm5は、それぞれ独立に、5以上の整数である。Ar4、RP、Ar5又はRQは付着基を有する。)
    で表される請求項17に記載の高分子吸着膜。
  19. 前記Ar4が置換基を有していてもよいポリアリーレン残基であり、前記Ar5が置換基を有していてもよい芳香族ポリアミン残基である請求項18に記載の高分子吸着膜。
  20. 前記ポリアリーレン残基が、置換基を有していてもよいポリフルオレンジイル基、又は置換基を有していてもよいポリベンゾフルオレンジイル基である請求項19に記載の高分子吸着膜。
  21. 前記基材を前記高分子の溶液に浸漬する工程を含む請求項1〜20のいずれか一項に記載の高分子吸着膜の製造方法。
  22. 前記基材に前記高分子の溶液を塗布する工程を含む請求項1〜20のいずれか一項に記載の高分子吸着膜の製造方法。
  23. 前記基材に前記高分子の溶液を浸漬又は塗布した後、該高分子を、該高分子の良溶媒と接触させる工程を含む請求項21又は22に記載の高分子吸着膜の製造方法。
  24. 請求項21〜23のいずれか一項に記載の高分子吸着膜の製造方法により得られる高分子吸着膜。
  25. 請求項1〜20及び24のいずれか一項に記載の高分子吸着膜を含む電子素子。
  26. 請求項25に記載の電子素子からなる発光ダイオード。
  27. 請求項25に記載の電子素子からなる光電変換素子。
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