JP2008106836A - 真空断熱物品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒートブリッジの影響が極めて少なく、高い断熱性能を持ち、寸法精度が高く、かつその性能を長期にわたって維持することが可能な真空断熱材及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】内側と外側の一対のガスバリア性フィルム1,2の間に設けた間隙部6内に芯材4,5を挿入し、該間隙内を減圧した後、内側と外側のガスバリア製フィルム1,2の間の間隙の開口部7を熱溶着封止することを特徴とする真空断熱材の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、芯材を熱バリアフィルム内に収容してなる真空断熱材に関する。
従来、物品を断熱する方法としては、物品の外側面又は内側面を断熱材で覆う方法が一般的であり、このための断熱材としては断熱効率の良い真空断熱材が用いられている。
これまでの真空断熱材は、屈曲・湾曲変形が困難であるため、平板で用いられることが多かったが、例えばクーラーボックスのような箱体の各側面に平板状のVIPを配置すると、真空断熱材の端部のヒートブリッジの影響を受けて箱体の測辺部及び角部から熱が漏洩してしまうという問題があった。
そこで、ヒートブリッジを防ぐために種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、金属又はプラスチック製の内箱と外箱とで構成される箱体内部に断熱材として、シート状無機繊維集合体からなる芯材と該芯材を覆うガスバリア性フィルムからなる真空断熱材をコの字型に折り曲げて配設して真空断熱材の被覆率を高めると共に、真空断熱材が配設されない空間部を樹脂発泡体で充填することによってヒートブリッジを防ぐことが記載されている。
しかしながら、コの字型に真空断熱材を曲げるには平板状の真空断熱材の折り曲げ加工工程が必要であり、コの字型としても端部は存在するためヒートブリッジが生じるばかりか、コの字型に折り曲げるようなストレスをかけることによってフィルムにピンホールが生じてガスの侵入が多くなり、耐久性が悪くなるという問題がある。
特許文献2には、二枚のガスバリア性のフィルムの間に複数の平板状の芯材を該芯材が立体構造の展開図を形成するように配置させて、該フィルムの内部を減圧し、芯材が存在しない部分のフィルムの全面を熱溶着して真空断熱材を形成し、芯材と芯材との間のフィルム部分で折り曲げて真空断熱材を立体形状とする技術が提案されている。しかしながら、このような真空断熱材を用いて立体形状の断熱容器を形成すると、芯材が熱溶着部によって細かく分割されているため、芯材1つあたりの端部のヒートリークの影響を受ける割合が増し、その結果、芯材毎平均の熱伝導率が上昇するという問題がある。
一方、真空断熱容器を作製する技術としては、二重壁の内部を真空にした容器が電気ポット等の製品において数多く提案されている。このような技術においては、二重壁を大気圧に耐え得る強度とするために、金属製又は厚い樹脂製とする必要があり、このため、外壁自体の熱伝導率が大きくなってしまい、断熱性能が悪くなってしまう。そこで、断熱材の芯材に強度を持たせて二重壁の代わりに包装用袋としてガスバリア性のフィルムを用いた技術も提案されている。
例えば、特許文献3には、液体等を出し入れするための筒状開口部を有する容器の外側に内袋用筒状体と外袋用筒状体とこれら筒状体間に配設した芯材とからなる断熱材を設けることが記載されている。
この方法によればヒートブリッジのない断熱容器が得られるが、筒状開口部を有する容器のためのものであって汎用性がなく更に製造工程も複雑である。また、芯材としてポリウレタンフォーム等の賦形された芯材を用いており、芯材自体の固体熱伝導率が大きく、高い断熱性能が期待できない。
特開2004−212042号公報 特開2006−118634号公報 特開2005−35632号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ヒートブリッジの影響が少なく、高い断熱性能を持ち、かつその性能を長期にわたって維持することが可能な真空断熱材及び該断熱材を簡便に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を達成するために鋭意研究を進めた結果、内側と外側の一対のガスバリア性フィルムを立体形状に加工して、その間隙に断熱材を挿入して立体形状のまま真空包装して真空断熱材とすることにより上記課題が解決できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に記載するとおりの真空断熱物品の製造方法及びこれによって得られた真空断熱物品に係るものである。
(1)内側と外側の一対のガスバリア性フィルムの間に設けた間隙内に芯材を挿入し、該間隙内を減圧した後、内側と外側のガスバリア製フィルムの該間隙の開口部を熱溶着封止することを特徴とする真空断熱材の製造方法。
(2)ガスバリア性フィルムは立体の平面展開図から立体形状へ組み立てられたものであることを特徴とする上記(1)記載の真空断熱材の製造方法。
(3)芯材が、連続気泡硬質プラスチック発泡体、無機繊維及び有機繊維から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の真空断熱材の製造方法。
(4)前記無機繊維又は有機繊維がシート状又はマット状であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
(5)ガスバリア性フィルムが少なくとも1層以上の熱溶着層と、少なくとも1層以上の保護層と、少なくとも1層以上のガスバリア層とからなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
(6)前記間隙内を減圧する際に内側のガスバリア性フィルムで囲まれた空間に真空断熱材の変形を防ぐためのスペーサーを設けることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
(7)ガスバリア性フィルムが3方封止袋であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
(8)前記芯材に貫通孔又は切欠を設け、内側のガスバリア性フィルムの最外層と外側のガスバリア性フィルムの最内層をそれぞれ熱溶着層とし、貫通孔部又は切欠部において接している内側と外側のガスバリア性フィルムを無圧加熱して熱溶着させ、次いで、該熱溶着させた部分において、その外周部の熱溶着部を残すようにして貫通孔又は切欠を設ける工程を含むことを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
(9)全体又は一部を無圧加熱して、内部減圧により芯材の角部周辺に生じるガスバリア性フィルムの折れ曲がり部、折れ重なり部、角隅部のいずれかが含まれた未溶着部、あるいは芯材とガスバリア性フィルムとを熱溶着させる工程を含むことを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法によって製造されたことを特徴とする真空断熱材。
本発明は、下記の効果を奏する。
本発明の真空断熱材は、芯材が熱溶着部によって分割されておらず、また、芯材間に隙間が生じないので、ヒートブリッジが生じず、高い断熱効率を得ることができる。
また、本発明の方法によれば真空断熱材を折り曲げることなく、真空包装した時点で3次元形状とすることができ、立体形状とする為の後加工の工程の必要がないためフィルムにピンホール等が生じることがない。
更に、本発明の方法によれば、真空断熱材ユニットに貫通孔又は切欠部を設けることできるので、パイプを通過させることなどが可能となる。
本発明の真空断熱物品の製造方法を図に基づいて説明する。
ガスバリア性フィルムAは3層以上で構成し熱溶着層と表面保護層と中間層にガスバリア層を設けた層構成である。また、表面保護層の上に熱溶着層を設け内外両側を熱溶着層とすることも出来る。
図1(a)上図に示すように、ガスバリア性フィルムAを、立体構造の展開図を形成するように切り抜いて、谷折り線aに沿って谷折りして熱溶着によって図1(a)下図に示す外側のガスバリア性フィルム1を作製する。
同様に、図1(b)上図に示すように、ガスバリア性フィルムAを、立体構造の展開図を形成するように切り抜いて、山折り線bに沿って山折りして熱溶着によって図1(b)下図に示す内側のガスバリア性フィルム2を作製する。このときガスバリア性フィルムに内外両側が熱融着層であるものを用いれば外側ガスバリア性フィルムと同様の形状のものを内側に用いることが出来る。
溶着部3は外側のガスバリア性フィルム1では立体の外側に存在し、内側のガスバリア性フィルム2では立体の内側に存在するようにする。このとき内側のガスバリア性フィルムに内外両側が熱融着層であるものを用いれば外側ガスバリア性フィルム同様溶着部3が立体の外側に存在する状態のものも可能となる。
なお、外側のガスバリア性フィルム1及び内側のガスバリア性フィルム2のそれぞれの寸法は、外側のガスバリア性フィルム1と内側のガスバリア性フィルム2との間に芯材4を挿入できるだけの間隔ができるように決めておく。
また、外側のガスバリア性フィルム1及び内側のガスバリア性フィルム2は3方封止袋の形状のものを用いても良い。
次に、外側のガスバリア性フィルム1の底に底面用の芯材4を載置し、さらに内側のガスバリア性フィルム2を配置する。続いて図2(a)に示す芯材4を図2(b)に示す間隙部6に挿入する。
このとき、第3図に示すように、芯材間に隙間ができないように、芯材端面と芯材端部側面とを突き合わせるようにして配置する。
また、この後の減圧工程で大気圧によって圧縮されるのを防ぐために内側のガスバリア性フィルム2で囲まれた空間内に硬質ポリウレタンフォームや発泡スチロール等の適度の硬さを有する材料をスペーサーとして収容しておく。
次に、図2の(c)に示す様に最終封止開口部7のみを残し、芯材を挿入した間隙部6の開口部を熱溶着する。
次いで、減圧室内で、最終封止開口部7のガスバリアフィルムの熱溶着層を減圧・熱溶着封止する。また、減圧室内で封止することに代えて、最終封止開口部7の一部を除いて熱溶着し、熱溶着しなかった部分からホース等を用いて内袋と外袋の間の空気を真空ポンプで排気した後、該開口部を熱溶着封止してもよい。
なお、図2では蓋部の芯材5と該蓋部に続く側面部の芯材4とを別体としたが、この場合には、蓋部の芯材と該蓋部に続く側面部の芯材との間の芯材が存在しない部分を熱溶着封止することが好ましい。このようにすることによって芯材がずれることがなくなる。
また、蓋部の芯材と該蓋部に続く側面部の芯材とを一体化したものを用いても良い。
次に、真空断熱材が貫通孔を必要とする場合を例にとって説明する。
貫通孔を必要とするものとしては、物品が貯湯タンクであり、このタンクに給水管及び配水管を設ける場合が挙げられる。
図4(a)は真空断熱材の1つの面に貫通孔8を設けた場合を示す図であり、図4(b)は貫通孔を設けた芯材とこの芯材4を挟む外側のガスバリア性フィルム1と内側のガスバリア性フィルム2を示す図である。
真空断熱材の貫通孔8を設ける面の芯材4には予め貫通孔8’を二つ設けておく。減圧すると、この芯材4を挟む外側のガスバリア性フィルム1の熱溶着層部が内側のガスバリア性フィルム2の熱溶着層部と接するので、この部分を無圧加熱して円形の熱溶着面9を形成する。次いで、この熱溶着面9を所定の幅を残して適宜の大きさにカットして貫通孔8を形成する。無圧加熱は、真空断熱材を熱風乾燥炉において加熱するか、ヒートガン、特殊治具等によって貫通孔の周囲部分をプラスチックフィルムの融点より少なくとも高い温度、好ましくは5〜35℃高い温度で20秒〜10分加温することにより行うことができる。
真空断熱物品の角部に貫通孔(切欠)を設ける場合も前記の貫通孔を設ける場合と同様にして行うことができる。
上記の説明では、真空断熱材が蓋部を有する場合を例として説明したが、冷蔵庫などの断熱箱体の外箱の内側に設ける場合には、蓋部を設けることなく、底面と側面とを有する真空断熱材としてもよい。
また、上記の説明では、箱状の真空断熱材を製造する場合を例示したが、箱状に限らず、有底円筒状等の内側のガスバリア性フィルムと外側のガスバリア性フィルムとで形成できる形状のものであれば如何なる形状のものにも本願発明は適用することができる。
外側のガスバリア性フィルム1は、3層以上で構成し、袋状とした場合に内側の面が熱溶着層となり、外側の面が表面保護層となるようにし、また、中間層を少なくとも一層のガスバリア層を含む層構成とすることが好ましい。
内側のガスバリア性フィルム2は、3層以上で構成し、袋状とした場合に外側の面が熱溶着層となり、内側の面が表面保護層となるようにし、また、中間層を少なくとも一層のガスバリア層を含む層構成とすることが好ましい。また、表面保護層の上に熱溶着層を設け内外両側を熱溶着層としても良い。
上記のようにすることにより、外側のガスバリア性フィルム1の最外層の熱溶着層と内側のガスバリア性フィルム2の最内層の熱溶着層とが熱封止部として作用し、芯材を減圧・熱溶着封止することができる。
ガスバリア層としては金属箔や、金属箔の代わりにプラスチックフィルム上に金属又はセラミックスを蒸着したフィルム(蒸着膜フィルム)等を使用することができる。金属箔としては、アルミニウム箔やステンレス箔等の金属箔を、蒸着フィルムにはアルミニウム、ステンレス、アルミナ、酸化珪素等を使用したものが好適に利用される。これらは1種を単独で、または2種以上が複数層にて用いられる。
熱溶着層としては低密度ポリエチレン(比重0.90以上0.94未満)、高密度ポリエチレン(比重0.94以上0.96未満)、ポリプロピレン等のプラスチック製フィルムが用いられる。これらは真空断熱材の用途により適宜選択されるものである。熱融着の容易さからいえば低密度ポリエチレンが優位であるが、融着強度は15N/15mm以上あれば実用的に充分であり、本発明の真空断熱材の多岐にわたる用途を考えると、断熱雰囲気の温度への適応力、耐候性、溶着部のガスバリア性から高密度ポリエチレン、ポリプロピレンの使用が好ましい。
表面保護層としてはポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の耐候性、耐衝撃性に優れたプラスチック製フィルムが用いられる。これらは1種を単独で、または2種以上が複数層にて用いられる。
本発明の芯材4及び5には、従来公知の連続気泡硬質ポリウレタンフォーム、無機繊維、有機繊維、無機粉体等を使用することも可能であるが、ハンドリング、断熱性、断熱性能の低下を最小限にする要望からシート状に成形された無機繊維シートが好適に用いられる。無機繊維シートを用いる場合は、無機繊維をニードルパンチにより圧縮成形した無機繊維シート又はそのシートを2層以上積層したもの、あるいは水を用いて集綿し、加熱圧縮成形した無機繊維シート又はそのシートを2層以上積層したもの、または無機繊維に対し0.5〜1.5質量%の有機バインダーを塗布し、熱プレスして形成した成形体又はその成形体を2枚以上積層したものが好ましく使用される。
無機繊維としては、ガラス繊維,セラミックファイバー,ロックウール,シリカアルミナウールから選択されるいずれか1又は2種以上を使用することができるが、断熱性能面、コスト面から平均繊維径1〜5μm程度のガラス繊維が好ましい。
バインダーを使用する場合は、フェノール樹脂、NBRゴム変性ハイオルソフェノール樹脂、NBRゴム変性フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、NBR、ニトリルゴム、アクリルゴム等から選択されるいずれか1又は2種以上を使用することができ、フェノール樹脂を単独で用いたものが製造コスト面、減圧の容易さから好ましい。
また、公知のガス吸着剤を使用しても良い。ガス吸着剤はガスバリア性フィルムAの熱融着層上に固着するか、もしくは芯材4及び5に埋め込んで使用する。これにより芯材から発生するガスを吸着し、より長期間にわたって断熱性能を維持することが可能になる。
本発明では、上記のようにして作製した真空断熱材を熱風乾燥炉等により全体加熱、又はヒートガン、特殊治具等により一部分、好ましくは芯材部の外周部や芯材部を袋体の熱融着層を構成するプラスチックフィルムの融点より少なくとも高い温度で10秒〜20分加温、より好ましくは5〜35℃高い温度で20秒〜10分加温してもよい。これより温度が低く、時間が短いと熱融着強度が充分でなくなり、また温度が高く、時間が長いとガスバリア性フィルムに悪影響を与える。
また、ガスバリア性フィルムの内部減圧により芯材の角部周辺に生じる折れ曲がり部とは、芯材の減圧収縮によりガスバリア性フィルムに余りが発生するため、上下ガスバリア性フィルムの積層部分が折れ曲がり、山谷状を呈することを示す。一方、折れ重なり部については、同様の原因で芯材の角部に折れ重なった皺が発生することを示す。最後に角隅部とは、芯材角部に出来るガスバリア性フィルムによる稜線形状のことである。
これらの箇所は、上下ガスバリア性フィルム同士が密着しているだけで、袋を作る際に熱溶着された部分、あるいは減圧密封する際に熱溶着された部分を除き、熱溶着されていない未溶着部分が存在する。
そのため、袋の余り部分を折り込む時に微小な孔や亀裂が生じたりすると、そこから徐々に外気が進入し、内部の真空度が低下して断熱性能が悪化し易いと言う問題があった。
さらに、皺の発生などで尖鋭な部分が形成されるため、その尖鋭部をぶつけてしまう結果、亀裂などが生じて同様に断熱性能の悪化が起こる可能性がある。
そこで、包装袋の全体又は一部を無圧加熱することで、未溶着部を熱溶着させ、亀裂等が発生した場合でも外気の進入を抑えることができる。
ガスバリア性フィルム及び芯材として次のものを用いた。
(ガスバリア性フィルム)
ガスバリア性フィルムA:4層ラミネート品(高密度ポリエチレンフィルム−無延伸ナイロンフィルム−アルミ箔−高密度ポリエチレンフィルム)
(芯材)
ガラス繊維シート(平均繊維径1μmのガラス繊維を、水を用いて集綿し、加熱圧縮成形したシートを複数枚積層、真空包装後の厚さは10mm)
上記ガスバリア性フィルムを用いて縦185mm×横120mm×高さ240mmの内袋と、縦220mm×横165mm×高さ260mmの外袋を熱溶着して作製した。
次に外袋の底部に芯材を敷き、外袋に内袋を収容したのち、側面の内袋と外袋との間隙及び内袋の蓋部と外袋の蓋部との間にそれぞれ合計5枚の芯材を挿入した。
次いで、減圧室で、開口部6と蓋部の芯材の周囲を減圧・熱溶着封止し、真空断熱材を得た。
得られた真空断熱材の封止状態は良好であり、真空状態が保たれていた。また、断熱効果も良好であった。
本発明の真空断熱材の外側のガスバリア性フィルム及び内側のガスバリア性フィルムを作製する工程を示す図である。 本発明の真空断熱材の製造工程を示す図である。 本発明の真空断熱材における芯材の配置を示す図である。 貫通孔を有する真空断熱材の外観形状の一例を示す図であり、(a)は真空断熱材の斜視図(b)は貫通孔を有する真空断熱材の一部の分解斜視図である。
符号の説明
A ガスバリア性フィルム
a 谷折り線
b 山折り線
1 外側のガスバリア性フィルム
2 内側のガスバリア性フィルム
3 溶着部
4 芯材
5 蓋部の芯材
6 間隙部
7 最終封止開口部
8 真空断熱材の貫通孔
8’芯材の貫通孔
9 熱溶着面

Claims (10)

  1. 内側と外側の一対のガスバリア性フィルムの間に設けた間隙内に芯材を挿入し、該間隙内を減圧した後、内側と外側のガスバリア製フィルムの該間隙の開口部を熱溶着封止することを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  2. ガスバリア性フィルムは立体の平面展開図から立体形状へ組み立てられたものであることを特徴とする請求項1記載の真空断熱材の製造方法。
  3. 芯材が、連続気泡硬質プラスチック発泡体、無機繊維及び有機繊維から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の真空断熱材の製造方法。
  4. 前記無機繊維又は有機繊維がシート状又はマット状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
  5. ガスバリア性フィルムが少なくとも1層以上の熱溶着層と、少なくとも1層以上の保護層と、少なくとも1層以上のガスバリア層とからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
  6. 前記間隙内を減圧する際に内側のガスバリア性フィルムで囲まれた空間に真空断熱材の変形を防ぐためのスペーサーを設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
  7. ガスバリア性フィルムが3方封止袋であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
  8. 前記芯材に貫通孔又は切欠を設け、内側のガスバリア性フィルムの最外層と外側のガスバリア性フィルムの最内層をそれぞれ熱溶着層とし、貫通孔部又は切欠部において接している内側と外側のガスバリア性フィルムを無圧加熱して熱溶着させ、次いで、該熱溶着させた部分において、その外周部の熱溶着部を残すようにして貫通孔又は切欠を設ける工程を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
  9. 全体又は一部を無圧加熱して、内部減圧により芯材の角部周辺に生じるガスバリア性フィルムの折れ曲がり部、折れ重なり部、角隅部のいずれかが含まれた未溶着部、あるいは芯材とガスバリア性フィルムとを熱溶着させる工程を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の真空断熱材の製造方法によって製造されたことを特徴とする真空断熱材。
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