JP2008106716A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】吸蔵還元型NOx触媒を備える内燃機関において、NOx触媒の温度が過度に高く維持されることによってNOxの吸蔵能力が低下するとともにNOxの浄化率が悪化することを抑制する。
【解決手段】NOx触媒に対するNOx還元処理に係る燃料添加制御において、基準期間Sd1のうち触媒床温TnがNOx吸蔵上限温度Tj以下になる期間(NOx吸蔵積算期間ΣSs)の積算値を算出し(S102)、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第2基準期間Sd2よりも短いと判定されるときに(S103)、燃料添加インターバルSinが長くなるように燃料添加パターンを変更させる(S104)。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
ディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジンなど希薄燃焼可能な内燃機関から排出される排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化するために、内燃機関の排気系に吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」ともいう。)を配置する技術が知られている。
このNOx触媒は、流入する排気の空燃比がリーンのときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の空燃比が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを窒素(N2)に還元する。なお、この技術では、NOx触媒において吸蔵されているNOxの量が増加すると浄化能力が低下するため、NOx触媒に還元剤を供給し、該NOx触媒に吸蔵されているNOxを還元させることが行われる(以下、「NOx還元処理」という。)。
このNOx還元処理は所定のタイミングで前記NOx触媒に還元剤を供給し、該NOx触媒に流入する排気の空燃比を一時的にリッチにさせる。換言すると、NOx触媒に対して所定量の還元剤が所定間隔で供給されることにより該空燃比を周期的にリッチにさせることによってNOx還元処理が実施される。
ここで、NOx還元処理における還元剤のNOx触媒に対する供給条件の一例である還元剤の供給量、供給間隔(以下、これらを単に「還元剤供給パターン」ともいう。)を制御する技術として、内燃機関の機関負荷に基づいて還元剤の供給量と還元剤の供給間隔を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。上記特許文献1には、機関負荷の大きいときには機関負荷の小さいときに比べて還元剤の供給量を少なくするとともに供給間隔を短くする技術が開示されている。
ところで、上記のように内燃機関の高負荷時に、還元剤の供給量を少なくするとともに還元剤の供給間隔を短くすると、NOx触媒の温度の変動幅が小さくなりNOx触媒の温度が高く維持される場合がある。そのような場合には、NOx触媒においてNOxの吸蔵能力が低下し、以ってNOxの浄化率が悪化する虞があった。
特開2002−38926号公報 特開2002−106332号公報 特開2005−16422号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、NOx触媒の温度が過度に高く維持されることによって、NOx触媒におけるNOxの吸蔵能力が低下するとともにNOxの浄化率が悪化することを抑制することの可能な技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、吸蔵還元型NOx触媒を備える内燃機関において、吸蔵還元型NOx触媒の温度がNOxを吸蔵可能な所定の吸蔵可能温度以下になる期間に応じて還元剤供給手段から供給される還元剤の供給間隔を変更することを最大の特徴と
する。
より詳しくは、一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に設けられる吸蔵還元型NOx触媒と、
前記吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記還元剤供給手段により供給される還元剤の供給間隔を変更可能な還元剤供給パターン変更手段と、
前記吸蔵還元型NOx触媒の温度を取得する床温取得手段と、
を備え、
前記吸蔵還元型NOx触媒の温度がNOxを吸蔵可能な所定の吸蔵可能温度以下になる期間の長さに応じて前記還元剤供給パターン変更手段は前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を変更することを特徴とする。
還元剤の供給間隔とは、前記還元剤供給手段から前記NOx触媒への還元剤の供給が終了してから次の還元剤の供給が開始されるまでの期間をいう。そして、このように所定の供給間隔で還元剤を前記NOx触媒に供給させることにより、換言すると前記NOx触媒に還元剤が供給される期間と該還元剤の供給が停止されている期間とを周期的に繰り返すことによって、前記NOx触媒に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比とリーン空燃比とに周期的に変化する。これにより、前記NOx触媒においてNOxの吸蔵および還元が周期的に行われることによって、効率的に排気中のNOxを浄化することができる。
ここで、前記還元剤供給手段によって前記NOxに還元剤が供給されると、該還元剤の酸化熱によってNOx触媒の温度が上昇する。そして、前記NOx触媒における酸化反応またはNOxの還元反応に消費され、或いは前記NOx触媒よりも下流側にすり抜けること等によって前記NOx触媒に供給される還元剤の量が減少することにより、前記NOx触媒の温度は次第に低下してゆく。
そして、前記還元剤供給手段により次の還元剤が供給されることにより再びNOx触媒の温度が上昇する。つまり、前記還元剤供給手段によって所定の供給間隔ごとに還元剤がNOx触媒に供給されると、NOx触媒の温度は周期的に変動することになる。ここで、本発明における前記NOx触媒の温度が周期的に変動するときの上限の温度と下限の温度をそれぞれ「上限温度」、「下限温度」と称す。また、上限温度と下限温度との差を「温度変動幅」と称す。
ここで、前記還元剤の供給間隔を短くする場合には前記NOx触媒の温度が充分に低下する前に次の還元剤の供給が開始されるため、NOx触媒における前記温度変動幅が小さくなるとともに、NOx触媒における下限温度が高く維持されると考えられる。一方、前記還元剤の供給間隔を長くする場合には次の還元剤の供給が開始されるまでに前記NOx触媒を通過する排気によって多くの熱量が持ち去られるため、前記NOx触媒の温度が充分に低下する。これにより、前記NOx触媒における温度変動幅が増大し、特に前記NOx触媒の下限温度を低くすることができる。
本発明においては、前記床温取得手段によって前記NOx触媒の温度が取得され、該NOx触媒の温度がNOxを吸蔵可能な所定の吸蔵可能温度以下になる期間の長さに応じて前記還元剤供給パターン変更手段は前記還元剤供給手段から供給される還元剤の供給間隔を変更する。ここで、「所定の吸蔵可能温度」とは前記NOx触媒がNOxを吸蔵することの可能な温度である。そして、「NOx触媒がNOxを吸蔵することが可能」とは、前記NOx触媒がNOxを硝酸塩として吸蔵している場合に該硝酸塩が熱分解されずに安定している状態を維持することが可能な意味を含んでいても良い。
また、本発明における所定の吸蔵可能温度は、例えば前記NOx触媒がNOxを吸蔵することが可能な上限の温度としても良く、この上限の温度に所定のマージンを見込んだ温度としても良い。また、前記NOx触媒においてNOxを硝酸塩として安定に吸蔵することのできる上限の温度に所定のマージンを見込んだ温度としても良い。
そして、本発明では前記NOx触媒の温度が所定の吸蔵可能温度以下になる期間の長さが短いときには前記還元剤供給パターン変更手段によって還元剤の供給間隔を長くしても良い。これにより、前記NOx触媒における温度変動幅を増大させ、前記NOx触媒の温度を低下させることができる。即ち、前記NOx触媒の温度が所定の吸蔵可能温度以下になる期間をより長くすることによって、前記NOx触媒においてNOxを吸蔵できる期間を長くすることができる。これにより、前記NOx触媒におけるNOxの浄化率を向上させることができる。
また、本発明においては、前記NOx触媒の温度が所定の吸蔵可能温度以下になる期間が長いときには前記還元剤供給パターン変更手段によって還元剤の供給間隔を短くしても良い。つまり、前記NOx触媒の温度が充分に低く、NOx触媒においてNOxを吸蔵できる期間を充分に確保できるときには、前記還元剤の供給間隔を短くしても良い。これにより、一定期間に亘って前記NOx触媒に供給される還元剤の総供給量を増大させることにより前記NOx触媒において還元されるNOxの量を増大させ、以って前記NOx触媒におけるNOxの浄化率を向上させることができる。
また、本発明における前記床温取得手段は前記NOx触媒の温度を推定することにより取得しても良いし、実測することにより取得しても良い。例えば、前記排気通路に排気の温度を検出可能な排気温度センサを設け、該排気温度センサの検出値に基づいて前記NOx触媒の温度を推定しても良い。その場合に、前記排気温度センサは前記NOx触媒の下流側に設けても良いし、上流側に設けるようにしても良い。また、NOx触媒の上流側と下流側に設けるようにしても良い。
また、前記NOx触媒の温度は前記内燃機関の運転状態(例えば、機関負荷、機関回転数等)に基づいて推定するようにしても良い。また、前記NOx触媒の温度を計測することが可能な熱電対を該NOx触媒に配置し、この熱電対の実測値に基づいてNOx触媒の温度を取得しても良い。
また、前記還元剤供給手段は、排気中に還元剤を噴射する還元剤添加弁や、エンジンの膨張行程や排気行程等に燃料を副噴射する燃料噴射弁を含んで構成されてもよい。また、前記還元剤供給手段から前記供給間隔毎に供給される所定量の還元剤は1回で供給されても良いし、複数回に分割して供給されても良い。
また、本発明においては、所定期間において前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の積算値が第2所定期間よりも短いときに、前記還元剤供給パターン変更手段は前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を長くしても良い。
ここで、「所定期間」とは前記床温取得手段によって前記NOx触媒の温度を取得する期間であって、予め定められる期間としても良い。また、本発明において、所定の供給間隔毎に前記NOx触媒に供給されるため、前記NOx触媒の温度は周期的に変動する。従って、前記所定期間は、少なくとも前記還元剤供給手段からの還元剤の供給が開始されてから次回の供給が開始されるまでの期間よりも長くすることが望ましい。
また、上記の「第2所定期間」とは、前記所定期間において前記NOx触媒によって新たに吸蔵されるNOxの吸蔵量が過度に少なくならないために最低限必要な、前記NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の積算値である。ここで、前記NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の実際の積算値を、吸蔵可能積算期間と称す。
本発明においては、前記所定期間における前記吸蔵可能積算期間が前記第2所定期間よりも短いときに、換言すると前記NOx触媒において吸蔵されるNOxの吸蔵量が過度に少ないときに、前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を長くしても良い。これにより、前記NOx触媒の温度をより低い温度まで低下させ、前記所定期間における前記吸蔵可能積算期間を前記第2所定期間以上にすることができる。つまり、前記NOx触媒によって吸蔵されるNOxの吸蔵量が過度に少なくなることを抑制し、NOxの浄化率を向上させることができる。
また、本発明において、「還元剤の供給間隔を長くする」とは前記還元剤供給手段から前記NOx触媒への還元剤の供給を停止する意味を含んでいても良い。つまり、本発明においては、所定期間において前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の積算値が第2所定期間よりも短いときに、前記還元剤供給パターン変更手段は前記還元剤供給手段による前記NOx触媒への還元剤の供給を停止しても良い。そして、前記NOx触媒の温度を低下させることによって、前記所定期間における前記吸蔵可能積算期間が前記第2所定期間以上になった後に前記還元剤の供給を再び開始するようにしても良い。
また、本発明においては、所定期間において前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の積算値が第3所定期間以上のときに、前記還元剤供給パターン変更手段は前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を短くしても良い。
ここで、「第3所定期間」とは、前記還元剤供給パターン変更手段が前記還元剤の供給間隔を短くさせても、前記所定期間において前記NOx触媒によって新たに吸蔵されるNOxの吸蔵量が過度に少なくならないために最低限必要な前記吸蔵可能積算期間である。そして、第3所定期間は前記第2所定期間に比べて充分に長い期間としても良いし、前記第2所定期間と略等しい期間としても良い。
これにより、前記還元剤の供給間隔を短くしても前記NOx触媒において吸蔵されるNOxの吸蔵量が過度に少なくなる虞のないときに還元剤の供給間隔を短くすることにより、前記NOx触媒において還元されるNOxの量を増大させ、以って前記NOx触媒におけるNOxの浄化率を向上させることができる。
また、本発明においては前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の積算値が第2所定期間以上であって且つ前記第3所定期間以上のときに、前記還元剤供給パターン変更手段は前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を短くしても良い。
また、本発明においては、前記還元剤供給手段が前記吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給した後において前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の積算値が第4所定期間以上になったときに、前記還元剤供給手段によって前記吸蔵還元型NOx触媒へ還元剤を供給させるようにしても良い。
ここで、「第4所定期間」とは、前記NOx触媒において所定量のNOxを吸蔵させる
ために必要な吸蔵可能積算期間である。また、前記第4所定期間は予め実験的に求めておいても良い。
そして、前記NOx触媒に還元剤が供給された後における前記吸蔵可能積算期間が前記第4所定期間以上になったときに、前記NOx触媒に所定量のNOxが吸蔵されたと判断しても良い。そして、前記NOx触媒に吸蔵されたNOxを還元すべく前記還元剤供給手段によって前記吸蔵還元型NOx触媒へ還元剤を供給させても良い。これにより、前記還元剤供給手段によって次の還元剤が供給される前に前記NOx触媒に所定量のNOxを確実に吸蔵させ、以ってNOxの浄化率を向上させることができる。
ここで、本発明においては、前記還元剤供給手段によって所定の供給間隔毎に還元剤が供給されるため、前記NOx触媒に還元剤が供給される期間と該還元剤の供給が停止されている期間とが周期的に繰り返される。つまり、例えば前記還元剤供給パターン変更手段が前記還元剤の供給間隔を長くすると、一定期間に亘って前記NOx触媒に供給される還元剤の総供給量が減少する。そのような場合には、NOx触媒に吸蔵されているNOxを還元させるために必要とされる量の還元剤を前記NOxに供給できない虞がある。
そこで、本発明における前記還元剤供給パターン変更手段は更に前記還元剤供給手段により供給される還元剤の供給量を変更可能であるとともに、前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を長くするほど、該還元剤の供給量を多くしても良い。
ここで、「還元剤の供給量」とは、前記還元剤の供給間隔毎に供給される還元剤の供給量を意味している。そして、前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を長くするときほど、前記還元剤の供給される頻度が少なくなる。そのような場合には、前記還元剤供給パターン変更手段前記還元剤の供給量を多くすることによって、前記NOx触媒に吸蔵されているNOxを還元させるための還元剤が不足することを抑制できる。
また、本発明において前記還元剤供給パターン変更手段は、一定期間において前記還元剤供給手段から前記NOx触媒に供給される還元剤の総供給量が略等しくなるように、前記還元剤の供給間隔および供給量を調節しても良い。これにより、前記還元剤供給パターン変更手段が前記還元剤の供給間隔および供給量を変更するときにおいて、前記NOx触媒に吸蔵されているNOxを還元させるための還元剤に過不足が生じることを抑制できる。つまり、前記還元剤の量が不足することによって前記NOxの浄化効率が悪化すること、或いは過剰な量の還元剤が供給されることによって、前記還元剤がNOx触媒よりも下流側にすり抜けることによって該還元剤が無駄になることを抑制することが可能となる。
本発明にあっては、NOx触媒におけるNOxの吸蔵能力が低下することを抑制し、以ってNOxの浄化率を向上させることができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
ここでは、本発明を車両駆動用のディーゼルエンジンに適用した場合を例に挙げて説明する。図1は、本実施例に係る内燃機関1と、その吸排気系の概略構成を示す図である。
内燃機関1は車両駆動用のディーゼルエンジンである。内燃機関1には、該内燃機関1に流入する吸気が流通する吸気管2が接続されており、該吸気管2には該吸気管2内を流通する吸気の流量を調節する吸気絞り弁3が設けられている。また、吸気管2における吸気絞り弁3よりも上流側には吸気管2内を流通する吸気量に対応した電気信号を出力するエアフローメータ4が配置されている。
また、内燃機関1には、該内燃機関1からの排気が流通する排気管5が接続され、この排気管5は下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、排気管5の途中には、吸蔵還元型NOx触媒(以下、単に「NOx触媒」という。)10が配置されている。以下、排気管5においてNOx触媒10よりも上流側を第1排気管5a、下流側を第2排気管5bという。ここで、本実施例において、第1排気管5a及び第2排気管5bが本発明における排気通路に相当する。また、本発明におけるNOx触媒10は、例えばNOx触媒を担持したパティキュレートフィルタであっても良い。
また、第1排気管5aには、排気中に還元剤として燃料を添加する燃料添加弁6が設けられている。また、第2排気管5bには、排気の温度を検出する温度センサ7が設けられている。ここで、本実施例においては燃料添加弁6が本発明における還元剤供給手段に相当する。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1及び吸排気系を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)30が併設されている。このECU30は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するほか、内燃機関1の燃料添加弁6やNOx触媒10に係る制御を行うユニットである。
また、ECU30には、内燃機関1に吸入される吸入空気量を検出するエアフローメータ4や、回転数を検出するクランクポジションセンサ8、アクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ9などの内燃機関1の運転状態の制御に係るセンサ類のほか、温度センサ7等が電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU30に入力されるようになっている。一方、ECU30には、内燃機関1内の筒内燃料噴射弁(図示省略)、吸気絞り弁3、燃料添加弁6等が電気配線を介して接続されており、ECU30によって制御されるようになっている。
また、ECU30には、CPU、ROM、RAM等が備えられており、ROMには、内燃機関1の種々の制御を行うためのプログラムや、データを格納したマップが記憶されている。また、NOx触媒10に対するNOx還元処理に係る各種ルーチンはECU30のROMに記憶されているプログラムの一つである。
<燃料添加制御>
次に、本実施例におけるNOx触媒10に対するNOx還元処理における燃料添加弁6からの燃料添加制御について、図2に基づいて説明する。図2は、ECUから燃料添加弁に出される指令信号の推移と、NOx触媒に流入する排気の空燃比(以下、単に「流入空燃比」ともいう。)A/Fの推移と、NOx触媒の温度(以下、単に「触媒床温」ともいう。)Tnの推移とを例示したタイムチャートである。図2(a)は、燃料添加弁に出される指令信号の推移を例示したタイムチャートである。図2(b)は、流入空燃比A/Fの推移を例示したタイムチャートである。図2(c)は、触媒床温Tnの推移を例示したタイムチャートである。
図2(a)において、ECU30からの指令信号がONのときは燃料添加弁6が開弁し
て燃料が添加され、指令信号がOFFのときは燃料添加弁6が閉弁して燃料の添加が休止される。ここで、燃料添加弁6が開弁して燃料が添加されている期間を燃料添加期間Sadと称し、燃料添加弁6が閉弁して燃料の添加が休止されている期間を燃料添加インターバルSinと称す。
ここで、本実施例において燃料添加期間Sadにおいて燃料添加弁6から添加される燃料の添加量(以下、この燃料の添加量を「燃料添加期間添加量」という。)Qadが本発明における還元剤の供給量に相当する。また、本実施例において燃料添加インターバルSinが本発明における還元剤の供給間隔に相当する。また、図2に示した燃料添加制御によれば、燃料添加期間Sadに添加される燃料添加期間添加量Qadを一回で添加しているが、これに限定される趣旨ではない。例えば、燃料添加期間Sadにおける燃料の総添加量が燃料添加期間添加量Qadになるように複数回に分けて燃料添加弁6から燃料を添加させても良い。
上記のように燃料添加期間Sadと燃料添加インターバルSinとを周期的に繰り返すように燃料添加制御がなされると、図2(b)に示すように、燃料添加期間Sadにおいて流入空燃比A/Fは略ストイキあるいはリッチ空燃比にまで低下し、燃料添加インターバルSinにおいてはリーン空燃比に戻される。そして、流入空燃比A/Fがリーン空燃比であるときにNOx触媒10にNOxを吸蔵させるとともに、流入空燃比A/Fが略ストイキあるいはリッチ空燃比であるときにNOx触媒10に吸蔵されたNOxを還元させる。以上のように、本実施例にかかるNOx還元処理では、NOx触媒10においてNOxの吸蔵・還元が周期的に繰り返し行われることにより該NOxが浄化される。
また、図2(c)に示すように、燃料添加弁6から燃料が添加される燃料添加期間Sadにおいては、NOx触媒10における燃料の反応熱によって触媒床温Tnが上昇する。そして、燃料の添加が休止される燃料添加インターバルSinにおいて、NOx触媒10における酸化反応やNOxの還元反応に該燃料が消費され、NOx触媒10に流入した燃料が減少することにより触媒床温Tnは次第に低下してゆく。ここで、周期的に変動する触媒床温Tnにおける上限の温度を上限床温Tnu、下限の温度を下限温度Tnlと称す。そして、上限床温Tnuと下限温度Tnlとの差を温度変動幅ΔTnと称す。
図2(c)に、上限床温Tnu、下限床温Tnlを破線により、NOx触媒10においてNOxを吸蔵することの可能な上限の温度(以下、「吸蔵上限温度」という。)Tjを鎖線により例示する。また、以下の説明を容易にするため、吸蔵上限温度Tjは下限床温Tnlとの関係で吸蔵上限温度TjaおよびTjbを便宜的に示す。なお、吸蔵上限温度Tjとして、NOx触媒10に吸蔵されている硝酸塩が熱分解されずに安定している状態を維持可能な上限の温度(例えば、500℃乃至550℃)が例示できる。また、この吸蔵上限温度TjはNOx触媒10の特性等によって異なる温度であっても良い。なお、本実施例において吸蔵上限温度Tjが本発明における所定の吸蔵可能温度に相当する。
ここで、下限床温Tnlと吸蔵上限温度Tjとの関係がTnlとTjaとの関係にあるときは、周期的に触媒床温Tnが吸蔵上限温度Tj以下となる期間(以下、この期間を「NOx吸蔵期間」という。)Ssが存在することによりNOx触媒10にNOxを安定して吸蔵させることができる。そして、NOx触媒10に吸蔵されたNOxは燃料添加期間Sadにおいて流入空燃比A/Fが略ストイキあるいはリッチ空燃比にまで低下したときに還元されるため、安定したNOx還元処理を実施することができる。
一方、内燃機関1の機関負荷TQが高く且つ機関回転数Neが高いときなどには、下限床温Tnlと吸蔵上限温度Tjとの関係がTnlとTjbとの関係になる場合がある。そのような場合には、触媒床温Tnが下限床温Tnlまで低下したときにおいても、触媒床
温Tnは吸蔵上限温度Tjよりも高い温度に維持されることによりNOxを安定して吸蔵することが困難となる虞がある。燃料添加インターバルSinにおいて流入空燃比A/Fがリーン空燃比になっても、NOx触媒10においてNOxを吸蔵することの可能な上限の温度である吸蔵上限温度Tjよりも触媒床温Tnが高く維持されるからである。
<燃料添加パターン変更制御>
そこで、以下に本実施例における燃料添加弁6からの燃料添加パターン変更制御について、図3に基づいて説明する。図3は、ECUから燃料添加弁に出される指令信号の推移と、触媒床温Tnの推移とを例示したタイムチャートである。図3(a)は、燃料添加弁に出される指令信号を例示したタイムチャートである。図3(b)は、触媒床温Tnを例示したタイムチャートである。図3中の記号で図2と同じものは、同じ状態を示している。
図中には、燃料添加期間Sad(燃料添加期間添加量Qad)と燃料添加インターバルSinとが異なる複数の燃料添加制御を実施して、触媒床温Tnの周期的な変動が平衡状態になったときの時間推移が示されている。ここで、上記の燃料添加制御を総称して「燃料添加パターン」と称す。
本実施例において基本の燃料添加パターン(以下、「基本添加パターン」と称す。)の燃料添加制御が実施されているときの各時間推移を図中破線により示す。そして、基本添加パターンと比較して燃料添加インターバルSinが長いインターバル延長パターンの燃料添加制御を図中実線により示す。さらに、基本添加パターンと比較して燃料添加インターバルSinを長くするとともに、1周期(Sad+Sin)における平均の燃料添加量(以下、「平均燃料添加量」ともいう。)Qaveを基本添加パターンと等しくさせた等燃費延長パターンの燃料添加制御を図中鎖線により示す。
まず、基本添加パターンに係る燃料添加制御は、インターバル延長パターン、等燃費延長パターンに比べて燃料添加インターバルSinが短い。従って、触媒床温Tnが充分に低下する前に燃料が添加されることにより、触媒床温Tnが吸蔵上限温度Tjよりも高い温度に維持される場合がある。そのような場合には、NOx触媒10がNOxを安定して吸蔵することが困難となる場合がある。そこで、本実施例に係る燃料添加制御では、そのような場合に燃料添加パターンをインターバル延長パターンまたは等燃費延長パターンに変更させる。
そして、インターバル延長パターンによる燃料添加制御は基本添加パターンに比べて燃料添加インターバルSinが長いため、燃料添加インターバルSinで触媒床温Tnがより低い温度まで低下する。基本添加パターンよりもNOx触媒10を通過する排気による熱の持ち去り量が増大するからである。従って、上述したNOx吸蔵期間Ssを充分に確保して、NOx触媒10にNOxを安定して吸蔵させることが可能となり、以ってNOxを効率的に浄化させることができる。
ここで、インターバル延長パターンは基本添加パターンに比べて1周期が長いため平均燃料添加量Qaveが少ない。その結果、NOx触媒10に吸蔵されたNOxを還元させる燃料が不足する場合がある。
そのような場合には、燃料添加パターンを等燃費延長パターンに変更すると好適である。そうすれば、燃料添加インターバルSinを基本添加パターンよりも長くしつつ平均燃料添加量Qaveを基本添加パターンと等しくさせることができるからである。従って、NOx触媒10に添加する燃料の添加量が不足することを抑制できる。
ここで、基本添加パターンと等燃費延長パターンとの触媒床温Tnの推移を比較する。等燃費延長パターンは基本添加パターンよりも燃料添加期間添加量Qadが多く、燃料の反応熱が増大することにより上限温度Tnuは若干高くなる。しかしながら、燃料添加インターバルSinを長くすることにより温度変動幅ΔTnを増大させることができる。これにより、基本添加パターンに比べて下限温度Tnlをより低温まで低下させることができる。
以上のように、本実施例における燃料添加制御では、基本添加パターンにおいて触媒床温Tnが吸蔵上限温度Tjよりも高い温度に維持される場合には、燃料添加パターンをインターバル延長パターンまたは等燃費延長パターンに変更させることにより下限温度Tnlを低下させることができる。そして、触媒床温Tnが吸蔵上限温度Tj以下になるNOx吸蔵期間Ssを周期的に発生させることにより、NOx吸蔵期間SsにおいてNOx触媒10にNOxを吸蔵させることができる。
なお、本実施例における燃料添加パターンを変更する制御としてインターバル延長パターン、等燃費延長パターンに変更させる制御を例示したが、これらに限定される趣旨ではなく本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の制御には種々の変更を加え得る。例えば、等燃費延長パターンに係る制御では、必ずしも基本添加パターンと平均燃料添加量Qaveを一致させる必要はない。燃料添加インターバルSinを長くすることにより下限温度Tnlをより低い温度まで低下させることができるからである。
<NOx還元処理ルーチン>
次に、図4は本実施例におけるNOx触媒10に対するNOx還元処理ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU30内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。また、本ルーチンにおいて、NOx触媒10に対する燃料添加制御は上述した基本添加パターンにより実施されていることを前提に説明する。
本ルーチンが実行されると、まずステップS101においては、ECU30によって基準期間Sd1における触媒温度Tnが取得される。ここで、基準期間Sd1とは、予め定められる一定期間であって、触媒床温Tnを取得する期間である。また、触媒床温Tnは周期的に変動するため、基準期間Sd1は現在実行されている燃料添加パターンにおける1周期よりも長い期間として定められる。なお、本実施例において基準期間Sd1が本発明における所定期間に相当する。
また、触媒温度Tnは、具体的には温度センサ7の検出値に基づいて取得される。従って、本実施例においてはECU30と温度センサ7とが、本発明における床温取得手段に相当する。また、例えば触媒温度Tnを直接計測することが可能な熱電対(図示省略)をNOx触媒10に配置し、この熱電対の実測値に基づいて触媒温度Tnを取得しても良い。
また、機関回転数Neと機関負荷TQと触媒温度Tnとの関係を予め実験等で求めておき、該関係を制御マップの形でECU30内に格納しておいても良い。そして、該制御マップに機関回転数Neと機関負荷TQとをパラメータとしてアクセスすることで、触媒温度Tnを取得しても良い。尚、その場合には機関回転数Neはクランクポジションセンサ9の検出値により取得され、機関負荷TQはアクセルポジションセンサ8により検出されるアクセル開度に基づいて取得される。ステップS101の処理が終わるとステップS102に進む。
ステップS102においては、ステップS101において取得した触媒床温Tnが吸蔵上限温度Tj以下になる期間の積算値であるNOx吸蔵積算期間ΣSsが算出される。そして、ステップS102の処理が終わるとステップS103に進む。
ステップS103においては、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第2基準期間Sd2よりも短いか否かが判定される。つまり、本ステップでは、燃料添加弁6から添加される燃料添加パターンを基本添加パターンから変更する必要があるか否かが判定される。また、第2基準期間Sd2は予め定められる期間であって、基準期間Sd1においてNOx触媒10によって新たに吸蔵されるNOxの吸蔵量が過度に少なくならないために最低限必要なNOx吸蔵積算期間ΣSsである。つまり、本実施例においては第2基準期間Sd2が本発明における第2所定期間に相当する。
そして、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第2基準期間Sd2よりも短いと判定された場合には下限温度Tnlをさらに低くさせる必要があると判断され、ステップS104に進む。一方、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第2基準期間Sd2以上であると判定された場合には基本添加パターンによる燃料添加制御を継続してもNOx触媒10に安定してNOxを吸蔵させることができると判断され、本ルーチンを一旦終了する。
ステップS104においては、ECU30によって燃料添加パターンが基本燃料添加パターンからインターバル延長パターンに変更される。すなわち、燃料添加インターバルSinが長くなるように変更される。従って、本実施例においては、燃料添加パターンを変更させるECU30が本発明における還元剤供給パターン変更手段に相当する。そして、ステップS104の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
以上のように、本ルーチンによれば、燃料添加インターバルSinを長くすることによって下限温度Tnlをより低い温度まで低下させることができる。つまり、NOx触媒10がNOxを吸蔵可能な機会を増やすことによって、NOx還元処理の効率を向上させることができる。さらに本制御によれば、NOx触媒10がNOxを安定して吸蔵することができない状態でNOx還元処理が継続されることに起因して、還元剤として添加される燃料の燃費が悪化してしまうことを抑制できる。
また、同ステップ104においては、燃料添加パターンをインターバル延長パターンに変更することによって燃料添加インターバルSinを長くしているが、その代わりに燃料添加弁6からの燃料の添加を一旦休止させても良い。そして、NOx触媒10の下限温度Tnlが吸蔵上限温度Tjよりも充分に低くなってから燃料添加弁6からの燃料の添加を再開させるようにしても良い。
或いは、本ルーチンにおけるステップ104の処理において燃料添加パターンをインターバル延長パターンに変更した後に、再度ステップ101からステップ103までの処理を実行し、ステップ103においてNOx吸蔵積算期間ΣSsが第2基準期間Sd2よりも短いと判定された場合に、燃料添加弁6からの燃料の添加を一旦休止させるように制御しても良い。つまり、燃料添加インターバルSinを長く変更した後も触媒温度Tnが充分に低くならない場合には、燃料添加弁6からの燃料添加を一旦休止させることによって、NOx触媒10がNOxを安定して吸蔵できる状態まで触媒温度Tnを迅速に低下させることができる。
<第2NOx還元処理ルーチン>
次に、上記のNOx還元処理ルーチンとは異なるNOx還元処理における燃料添加制御
について、図5に基づいて説明する。図5は、本実施例におけるNOx触媒10に対する第2NOx還元処理ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンと上述したNOx還元処理ルーチンとの相違点は、基準期間Sd1におけるNOx吸蔵積算期間ΣSsが後述する第3基準期間Sd3以上である場合に、燃料添加インターバルSinが短くなるように燃料添加パターンを変更させる点である。
また、本ルーチンもECU30内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。また、本ルーチンにおいて、NOx還元処理に係る燃料添加制御は基本添加パターンにより実施されていることを前提に説明する。また、本ルーチンにおいて燃料添加パターンを変更させるECU30が本発明における還元剤供給パターン変更手段に相当する。
また、本ルーチンにおけるステップS101からステップS103までの処理は上述したNOx還元処理ルーチンにおいて対応する各ステップの処理と同様であり、詳しい説明を省略する。そして、本ルーチンにおけるステップS103において、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第2基準期間Sd2よりも短いと判定された場合には下限温度Tnlをさらに低くさせる必要があると判断され、ステップS204に進む。一方、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第2基準期間Sd2以上であると判定された場合には、ステップS205に進む。
ステップS204においては、ECU30によって燃料添加パターンが基本燃料添加パターンから等燃費延長パターンに変更される。すなわち、燃料添加インターバルSinは長く、燃料添加期間添加量Qadは多くなるように変更される。そして、ステップS204の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
ステップS205においては、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第3基準期間Sd3以上であるか否かが判定される。つまり、本ステップでは、基準期間Sd1においてNOx吸蔵積算期間ΣSsが充分に確保されているかどうかが判定される。ここで、第3基準期間Sd3は、燃料添加パターンを燃料添加インターバルSinが短くなるように変更しても、基準期間Sd1においてNOx触媒10によって新たに吸蔵されるNOxの吸蔵量が過度に少なくならないために最低限必要な期間に所定のマージンを見込んだNOx吸蔵積算期間ΣSsである。この第3基準期間Sd3は予め実験的に定められる期間であって、第2基準期間Sd2よりも長い期間であることが好ましい。なお、本実施例においては第3基準期間Sd3が本発明における第3所定期間に相当する。
そして、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第3基準期間Sd3よりも短いと判定された場合には、燃料添加パターンを燃料添加インターバルSinを短くするとNOx触媒10におけるNOxの吸蔵量が過度に少なくなる虞があると判断され、本ルーチンを一旦終了する。一方、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第3基準期間Sd3以上であると判定された場合には、燃料添加パターンを燃料添加インターバルSinを短くしてもNOx触媒10におけるNOxの吸蔵量が過度に少なくなる虞がないと判断され、ステップS206に進む。
ステップS206においては、ECU30によって燃料添加インターバルSinが短くなるように変更される。そして、ステップS206の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
以上のように本ルーチンによれば、基準期間Sd1における触媒床温Tnが吸蔵上限温度Tj以下になる期間の積算値(NOx吸蔵積算期間ΣSs)が短いとき、つまり、現状の燃料添加パターンではNOx触媒10にNOxを効率よく吸蔵させることができないときに、燃料添加インターバルSinが長くなるように燃料添加パターンが変更される。こ
れにより、触媒床温Tnをより低い温度まで低下させることができるので、NOx触媒10が安定してNOxを吸蔵することが可能となる。従って、NOx触媒10に対するNOx還元処理の効率を向上させることができる。また、燃料添加パターンが変更される前後において、平均燃料添加量Qaveを等しくさせることができるため、NOx還元処理の効率が悪化することを抑制できる。
また、基準期間Sd1におけるNOx吸蔵積算期間ΣSsが充分に長いときに、つまり燃料添加インターバルSinを現状よりも短くしてもNOxの吸蔵量が過度に少なくなる虞のないときに、燃料添加インターバルSinが短くなるように変更されるため、NOx触媒10においてNOxの還元反応が行われる頻度を多くすることができる。これにより、NOx触媒10におけるNOxの浄化率を向上させることができる。
<第3NOx還元処理ルーチン>
次に、上記のNOx還元処理ルーチンおよび第2NOx還元処理ルーチンとは異なるNOx還元処理における燃料添加制御について、図6に基づいて説明する。図6は本実施例におけるNOx触媒10に対する第3NOx還元処理ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンはECU30内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、まずステップS301においては、ECU30によって触媒温度Tnが取得される。そして、ステップS301の処理が終わるとステップS302に進む。そして、ステップS302においては、ステップS301において取得した触媒床温Tnが吸蔵上限温度Tj以下になる期間の積算値であるNOx吸蔵積算期間ΣSsが算出される。そして、ステップS302の処理が終わるとステップS303に進む。
ステップS303においては、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第4基準期間Sd4以上であるか否かが判定される。つまり、本ステップでは、NOx触媒10に所定量のNOxが吸蔵されたか否かが判定される。ここで、第4基準期間Sd4は、NOx触媒10において所定量のNOxを吸蔵させるために必要なNOx吸蔵積算期間ΣSsを意味しており、予め実験的に求められる期間である。また、「所定量のNOx」とは燃料添加期間Sadに燃料添加弁6から燃料を添加させることによって還元させるのに必要十分なNOx量であり、予め実験的に定められる。なお、本実施例においては第4基準期間Sd4が本発明における第4所定期間に相当する。
そして、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第4基準期間Sd4以上であると判定された場合には、所定量のNOxがNOx触媒10に吸蔵されたと判断され、ステップS304に進む。一方、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第4基準期間Sd4よりも短いと判定された場合には、いまだ所定量のNOxがNOx触媒10に吸蔵されていないと判断され、本ルーチンを一旦終了する。
ステップS304においては、NOx吸蔵積算期間ΣSsが零にリセットされるとともに、燃料添加弁6から燃料が添加される。本ステップでは、燃料添加期間添加量Qadの燃料が添加される。また、燃料添加期間添加量Qadは上述した所定量のNOxを還元させるために必要な燃料添加量であり、予め実験的に求めておいても良い。そして、ステップS304の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
ここで、上述したステップS303において否定判定がなされたときには、燃料添加弁6からの燃料は添加されないため燃料添加インターバルSinが継続される。そして、燃料添加インターバルSinが継続している間において、触媒床温Tnが吸蔵上限温度Tj
以下になる期間は積算されるため、NOx吸蔵積算期間ΣSsが次第に増加してゆく。そして、NOx吸蔵積算期間ΣSsが第4基準期間Sd4以上になったときに燃料添加弁6から燃料が添加されることによって、NOx触媒10に吸蔵されたNOxは還元される。
つまり、本ルーチンによれば、燃料添加インターバルSinにおいて所定量のNOxがNOx触媒10に吸蔵されたときに、該NOx触媒10に対して燃料を添加することができる。つまり、NOxを還元させるための好時期に燃料添加弁6から燃料が添加される。これにより、NOx触媒10にNOxが殆ど吸蔵されていないにも関わらず燃料が添加されることに起因して該燃料が無駄になることを抑制できる。
また、本実施例においては、燃料添加弁6から燃料を添加させることによりNOx触媒10に燃料を供給しているが、燃料添加弁6の代わりに内燃機関1の膨張行程や排気行程等に筒内噴射弁(図示省略)から燃料を副噴射させるようにしても良い。
実施例1に係る内燃機関と、その吸排気系の概略構成を示す図である。 実施例1におけるECUから燃料添加弁に出される指令信号の推移と、流入空燃比A/Fの推移と、触媒床温Tnの推移とを例示したタイムチャートである。(a)は、ECUから燃料添加弁に出される指令信号を例示したタイムチャートである。(b)は、流入空燃比A/Fを例示したタイムチャートである。(c)は、触媒床温Tnを例示したタイムチャートである。 実施例1におけるECUから燃料添加弁に出される指令信号の推移と、触媒床温Tnの推移とを例示したタイムチャートである。(a)は、ECUから燃料添加弁に出される指令信号を例示したタイムチャートである。(b)は、触媒床温Tnを例示したタイムチャートである。 実施例1におけるNOx触媒に対するNOx還元処理ルーチンを示すフローチャートである。 実施例1におけるNOx触媒に対する第2NOx還元処理ルーチンを示すフローチャートである。 実施例1におけるNOx触媒に対する第3NOx還元処理ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・吸気管
3・・・吸気絞り弁
4・・・エアフローメータ
5・・・排気管
5a・・第1排気管
5b・・第2排気管
6・・・燃料添加弁
7・・・温度センサ
8・・・クランクポジションセンサ
9・・・アクセルポジションセンサ
10・・NOx触媒
30・・ECU

Claims (5)

  1. 一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
    前記排気通路に設けられる吸蔵還元型NOx触媒と、
    前記吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
    前記還元剤供給手段により供給される還元剤の供給間隔を変更可能な還元剤供給パターン変更手段と、
    前記吸蔵還元型NOx触媒の温度を取得する床温取得手段と、
    を備え、
    前記吸蔵還元型NOx触媒の温度がNOxを吸蔵可能な所定の吸蔵可能温度以下になる期間の長さに応じて前記還元剤供給パターン変更手段は前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を変更することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 所定期間において前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の積算値が第2所定期間よりも短いときに、前記還元剤供給パターン変更手段は前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を長くすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 所定期間において前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の積算値が第3所定期間以上のときに、前記還元剤供給パターン変更手段は前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を短くすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記還元剤供給手段が前記吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給した後において前記吸蔵還元型NOx触媒の温度が前記所定の吸蔵可能温度以下になる期間の積算値が第4所定期間以上になったときに、前記還元剤供給手段によって前記吸蔵還元型NOx触媒へ還元剤を供給させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記還元剤供給パターン変更手段は更に前記還元剤供給手段により供給される還元剤の供給量を変更可能であるとともに、前記還元剤供給手段によって供給される還元剤の供給間隔を長くするほど、該還元剤の供給量を多くすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
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