JP2008106543A - キーシリンダ装置 - Google Patents

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昇一 原田
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Abstract

【課題】キー挿入孔に誤って非正規キーを挿入したことを簡単に認識する。
【解決手段】キーシリンダ装置10では、キー挿入孔30に非正規キーが挿入されると、少なくとも1枚のタンブラプレート54が非正規キーの被係合部38、40に係合してラッチ位置と解除位置との中間位置に保持されるか、或いはキー挿入孔30内へのインサート部36の挿入を阻止する。このとき、キー挿入孔30に挿入された非正規キーのインサート部36により少なくとも1枚のタンブラプレート54がラッチ位置と解除位置との中間位置に保持されると、係止凹部66がタンブラプレート54を係止してロータ22のLOCK位置からACC位置への回転を阻止することにより、操作者が非正規キーを介してロータ22にトルクを伝達しても、ロータ22がLOCK位置からACC位置に回転しないので、操作者がキー挿入孔30に非正規キーを挿入したことを簡単に認識できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、キーを用いて車両等の作動状態を操作するためのキーシリンダ装置に関する。
従来のキーシリンダ装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1記載のキーシリンダ装置では、電波信号を発する発信回路及び、これの電源として二次電池を備えたキーと、このキーが差し込まれて回動操作されるキーロータを備えたキーシリンダと、キーロータの回動に応じて状態が切り換えられるイグニッションスイッチとを具備しており、キーシリンダへキーを差し込むと、キーの発信回路から出力される電波信号を装置本体(車両)側のアンテナにより受信し、この電波信号から復調された識別コードが車両側の制御部に予め設定された識別コードと一致する場合にのみ、ロータのLOCK位置からACC位置、ON位置、START位置等の作動位置への回転へ連動してイグニッションスイッチが作動位置に対応する接点信号が車両側の制御部へ出力し、識別コードが不一致の場合には、ロータがLOCK位置から作動位置へ回転してもイグニッションスイッチからは接点信号が出力されなくなる。
また、従来のキーシリンダ装置としては、車両の運転者が携帯している携帯機から出力された電波信号を受信し、この電波信号から復調されたキー側識別コードが車両側識別コードと一致しているか否かを判断するものもある。このようなキーシリンダ装置では、例えば、キー側識別コードが車両側識別コードと一致しない場合には、ソレノイドによりLOCK位置にあるロータの回転を拘束し、またキー側識別コードが車両側識別コードと一致した場合には、ソレノイドをロータから離脱させてロータをLOCK位置から作動位置へ回転可能にする。このキーシリンダ装置では、運転者がロータと一体的に形成されたノブを介して、ロータをLOCK位置から作動位置(ACC位置、ON位置又はSTART位置)への回転させることにより、その作動位置に対応する接点信号がイグニッションスイッチから車両側の制御部へ出力される。
ところで、上記のような電波信号を用いてキーからの識別コードを判断するキーシリンダ装置では、キーに設定された機械的な識別コードが装置側の機械的な識別コードと一致しなくても、キーがロータに穿設されたキー挿入孔に挿脱可能になることがある。このため、運転者がキーシリンダ装置の識別コードに適合しないキー(非正規キー)をキー挿入孔に差し込んでも、キー挿入孔に差し込んだキーが非正規キーであることを認識できず、車両が故障していると誤認してしまうおそれがある。
特開平5−39766号公報
本発明の目的は、上記事実を考慮して、キー挿入孔に誤って非正規キーを挿入したことを操作者が簡単に認識できるキーシリンダ装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係るキーシリンダ装置は、内部に軸方向へ延在する空間が形成された円筒状のケーシング部材と、前記ケーシング部材の内部に配置され、該ケーシング部材により所定のロック位置と作動位置との間で回転可能に支持されると共に、前記軸方向に沿ってキーが挿入可能とされたキー挿入孔が形成されたロータ部材と、前記ロータ部材に軸直角方向に沿って所定のラッチ位置と解除位置との間で移動可能に配置され、前記キー挿入孔に正規キーが挿入されると、該正規キーに係合して前記ラッチ位置から前記解除位置へ移動し、前記キー挿入孔に非正規キーが挿入されると、該非正規キーに係合して前記ラッチ位置に保持されるか、或いは前記キー挿入孔内への非正規キーの挿入を阻止するタンブラ部材と、前記ケーシング部材の内周面に凹状に形成され、前記ロータ部材が前記ロック位置にあり、前記タンブラ部材が前記解除位置に対して前記ラッチ位置側の位置にある状態では、該タンブラ部材を係止して前記ロータ部材の作動位置への回転を阻止し、前記タンブラ部材が前記解除位置にある状態では、該タンブラ部材から離脱する係止凹部と、前記係合凹部における前記作動位置側の端部に形成され、前記キー挿入孔内へのキーの非挿入時に、前記ロック位置にある前記ロータ部材に装置外部から前記作動位置側へのトルクが伝達されると、前記ロータ部材の前記作動位置側への回転に従って、前記ラッチ位置にある前記タンブラ部材を前記解除位置へ押圧移動させる傾斜ガイド面と、を有することを特徴とする。
上記請求項1に係るキーシリンダ装置では、ロータ部材に軸直角方向に沿って移動可能に配置されたタンブラ部材が、ロータ部材のキー挿入孔に正規キーが挿入されると、この正規キーに係合してラッチ位置から解除位置へ移動すると共に、ケーシング部材の内周面に凹状に形成された係止凹部がタンブラ部材から離脱することにより、操作者が正規キーを介してロータ部材にトルクを伝達すれば、ロータ部材をロック位置から作動位置に回転できるので、例えば、ロータ部材に連結されたイグニッションスイッチによりロータ部材の作動位置に対応する制御信号を装置外部へ出力できる。
また請求項1に係るキーシリンダ装置では、タンブラ部材がキー挿入孔に非正規キーが挿入されると、この非正規キーに係合して前記解除位置に対して前記ラッチ位置側の位置に保持されるか、或いはキー挿入孔内への非正規キーの挿入を阻止する。
このとき、キー挿入孔に挿入された非正規キーによりタンブラ部材が解除位置に対してラッチ位置側の位置(ラッチ位置を含むとする。)に保持されると、係合凹部がタンブラ部材を係止してロータ部材のロック位置から作動位置への回転を阻止することにより、操作者が非正規キーを介してロータ部材にトルクを伝達しても、ロータ部材がロック位置から作動位置に回転しないので、操作者がキー挿入孔に非正規キーを挿入したことを簡単に認識できる。
またタンブラ部材が非正規キーのキー挿入孔内への挿入を阻止した場合には、操作者が非正規キーをキー挿入孔内へ挿入しようとしていることを直ちに認識できる。
また請求項1に係るキーシリンダ装置では、係合凹部における作動位置側の端部に形成された傾斜ガイド面が、キー挿入孔内へのキーの非挿入時に、ロック位置にあるロータ部材に装置外部から作動位置側へのトルクが伝達されると、ロータ部材の作動位置側への回転に従って、ラッチ位置にあるタンブラ部材を前記解除位置へ押圧移動させることにより、ロータ部材のキー挿入孔にキーが挿入されておらず、ソレノイド等の拘束手段によりロータ部材のロック位置からの回転が拘束されていない状態では、操作者がロータ部材にトルクを伝達すれば、ロータ部材をロック位置から作動位置に回転できるので、例えば、キーを用いなくても、ロータ部材に連結されたイグニッションスイッチによりロータ部材の作動位置に対応する制御信号を装置外部へ出力できる。
本発明の請求項2に係るキーシリンダ装置は、請求項1記載のキーシリンダ装置において、前記タンブラ部材は、前記キー挿入孔に正規キーが挿入された状態で、前記ロータが前記作動位置へ回転すると、該正規キーの前記キー挿入穴内から抜脱方向への移動を拘束することを特徴とする。
上記請求項2に係るキーシリンダ装置では、タンブラ部材が、キー挿入孔に正規キーが挿入された状態で、ロータ部材が作動位置へ回転すると、この正規キーの前記キー挿入穴内から抜脱方向への移動を拘束することにより、ロータ部材が作動位置にある状態で、キー挿入孔に挿入された正規キーが脱落することを確実に防止できるので、例えば、キー挿入孔から脱落した正規キーが紛失してしまうことを防止できる。
本発明の請求項3に係るキーシリンダ装置は、請求項1又は2記載のキーシリンダ装置において、前記ロータ部材に前記軸方向に沿って複数枚の前記タンブラ部材を配列すると共に、前記ケーシング部材に前記軸方向に沿って複数個の前記係止凹部を複数枚の前記タンブラ部材にそれぞれ対応するように配列したことを特徴とする。
上記請求項3に係るキーシリンダ装置では、ロータ部材に軸方向に沿って複数枚のタンブラ部材を配列すると共に、ケーシング部材に軸方向に沿って複数個の係止凹部を複数枚のタンブラ部材にそれぞれ対応するように配列したことにより、キー挿入孔にキーが挿入されると、このキーにおける軸方向に沿ってそれぞれ異なる部位(被係合部)に複数枚のタンブラ部材が係合するので、キーにおける全ての被係合部が正規形状である場合にのみ、ロータ部材がロック位置から作動位置側へ回転可能になり、キーにおける少なくとも1個の被係合部が正規形状と一致しない場合には、ロータ部材がロック位置に拘束される。
この結果、タンブラ部材の設置数の増加に従ってキーに機械的に設定される識別コードの情報量(組合数)が増加するので、正規キー以外のキーがキー挿入孔に挿入されて、偶然の一致によりロータ部材がロック位置から作動位置へ回転可能になる可能性を低下できる。
本発明の請求項4に係るキーシリンダ装置は、請求項1乃至3の何れか1項記載のキーシリンダ装置において、キー又は携帯機に配置された電波発信手段により電波信号として出力される固有のキー側識別コードを受信する電波受信手段と、前記ロータ部材を前記ロック位置から前記作動位置側への回転が拘束するキーロック状態及び前記ロック位置から前記作動位置側への回転が許容するキーフリー状態の何れかの状態とするロータ拘束手段と、前記電波受信手段により受信されたキー側識別コードが予め設定された装置側識別コードと一致するか否かを判断し、前記キー側識別コードが前記装置側識別コードと不一致の場合には、前記ロータ拘束手段により前記ロータ部材を前記キーロック状態に維持し、前記キー側識別コードが前記装置側識別コードと一致する場合には、前記ロータ拘束手段により前記ロータ部材を前記キーロック状態から前記キーフリー状態とする拘束制御手段と、を有することを特徴とする。
上記請求項4に係るキーシリンダ装置では、拘束制御手段が、電波受信手段により受信されたキー側識別コードが予め設定された装置側識別コードと一致するか否かを判断し、キー側識別コードが装置側識別コードと不一致の場合には、ロータ拘束手段によりロータ部材をキーロック状態に維持することにより、キー又は携帯機が装置側識別コードと一致するキー側識別コードが設定された正規のものでなければ、キー又は携帯機から出力された電波信号を電波受信手段により受信しても、ロータ部材がロータ拘束手段によりキーロック状態に維持されるので、ロータ部材に装置外部からトルクを伝達してもロータ部材を作動位置へ回転できなくなる。
また請求項4に係るキーシリンダ装置では、拘束制御手段が、電波受信手段により受信されたキー側識別コードが予め設定された装置側識別コードと一致するか否かを判断し、キー側識別コードが装置側識別コードと一致する場合には、ロータ拘束手段によりロータ部材をキーロック状態からキーフリー状態とすることにより、キー又は携帯機が装置側識別コードと一致するキー側識別コードが設定された正規のものであれば、キー又は携帯機から出力された電波信号を電波受信手段により受信すれば、ロータ部材がロータ拘束手段によりキーロック状態からキーフリー状態にされるので、キー挿入孔に正規キーが挿入されていても、正規キーが挿入されていなくても、ロータ部材に装置外部からトルクを伝達してロータ部材をロック位置から作動位置へ回転できる。
本発明の請求項5に係るキーシリンダ装置は、請求項1乃至4の何れか1項記載のキーシリンダ装置において、前記ロータ部材に、前記ケーシング部材に対して軸方向外側へ突出して該ロータにトルクを伝達可能とするためのノブを連結したことを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係るキーシリンダ装置によれば、キー挿入孔に誤って非正規キーを挿入したことを操作者が簡単に認識できる。
(実施形態の構成)
図1〜図3には、本発明の実施形態に係る車両用のキーシリンダ装置が示されている。なお、図中、符号Sは装置の軸心を示しており。この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向とし、この軸方向に直交する方向を装置の径方向として以下の説明を行う。また、符号Wが付された矢印は車両における幅方向を示し、符号Hが付された矢印は車両における高さ方向を示している。ここで、キーシリンダ装置10は、イグニッションスイッチ(図示省略)等と共に、自動車等の車両におけるエンジンの始動、停止等の作動状態を制御するためのイグニッションキー装置を構成する。
キーシリンダ装置10は全体として略円柱状に形成されており、外郭部として円筒状のロータケース12を備えている。ロータケース12は、車両におけるステアリングポストに連結固定される円筒状のロックボディ(図示省略)の内部へ嵌挿されることにより、車両側へ取り付けられる。ロータケース12には、内周側に軸方向へ延在する空間であるロータ収納室14が形成されており、ロータ収納室14内には、略円柱状に形成されたロータ22が配置されている。ロータ22は、その外径がロータケース12の内径よりも僅かに小径とされており、ロータケース12により軸心Sを中心として回転可能に支持されている。
キーシリンダ装置10では、図4に示されるように、ロータ22が、後述するイグニッションキー32が挿入されていない状態では、回転方向に沿って所定のLOCK位置に拘束されており、図5に示されるように、イグニッションキー32(正規キー32R)が挿入されることより、ロータ22が前記LOCK位置とSTART位置との間で回転可能になる。ここで、LOCK位置と終端の作動位置であるSTART位置との間にはACC位置及びON位置がそれぞれ設定されている。
図2に示されるように、ロータケース12には、外周面における軸方向一端部(車室側の端部)にリング状のイモビライザアンテナ16が嵌挿固定されている。イモビライザアンテナ16には、図2に示されるように、受信回路18が接続されており、この受信回路18には、キーシリンダ装置10を含むイグニッションキー装置を制御するための制御部20が接続されている。キーシリンダ装置10では、イモビライザアンテナ16により受信された電波信号が受信回路18により所定の信号形式に復調されて制御部20へ出力される。
図1に示されるように、ロータ22には、その軸方向一端部に他端側に対して外径が拡大された大径部24が形成されると共に、大径部24の一端面から軸方向外側へ突出するブロック状のロータノブ26が一体的に形成されている。ロータノブ26は、軸直角方向に沿った断面形状が車両の高さ方向を長手方向とする略長方形とされている。
ロータノブ26には、車両の幅方向に沿った中央部に高さ方向へ細長いスリット状のホルダ孔28が形成されている。このホルダ孔28は、ロータノブ26の先端面及び上端側に開口している。キーシリンダ装置10では、車両の操作者がロータケース12内から車内へ突出するロータノブ26を把持しつつ、ロータノブ26へトルクを伝達することが可能になっている。図2に示されるように、ロータ22には、断面中心部に軸方向へ延在するキー挿入孔30が形成されている。キー挿入孔30は、一端がロータ22の軸方向一端面に開口し、ホルダ孔28の他端部(底面部)に連通している。
図1に示されるように、キーシリンダ装置10はイグニッションキー32を備えており、このイグニッションキー32には、軸方向一端側に樹脂等により中空の肉厚プレート状に形成されたキーノブ34が設けられると共に、キーノブ34から軸方向に沿って他端側へ延出する金属製のインサート部36が設けられている。インサート部36は軸方向に沿って細長いプレート状に形成されており、先端側における上端面及び下端面にそれぞれ複数の被係合部38、40がV溝状に形成されている。これらの被係合部38、40は、軸方向に沿ったピッチが一定となるように配置されている。
ここで、被係合部38と被係合部40とは、軸心Sに対して互いに対称的な形状となるよう形成されている。これにより、イグニッションキー32は、キー挿入孔30内への挿入時に上下方向に沿った位置合わせが必要ない、所謂、両面キーとして構成される。被係合部38、40には、軸方向に沿って互いに隣接する被係合部38、40間の高さを基準とし、予め複数段階(例えば、3段階)の深さが設定されている。イグニッションキー32では、複数の被係合部38、40がそれぞれ複数段階の深さの何れかとされ、それらの組合せにより機械的な識別コードが構成されている。イグニッションキー32のキーノブ34は比較的低出力の電波発信手段であるトランスポンダ42を内蔵しており、このトランスポンダ42は、トランスポンダ制御部、蓄電部、アンテナ等を備えている。
図2に示されるように、キーシリンダ装置10では、イグニッションキー32におけるインサート部36の先端側(先端側)がロータ22のキー挿入孔30内へ挿脱可能とされると共に、キーノブ34の先端側がロータノブ26のホルダ孔28内へ挿脱可能とされている。キーノブ34は、先端側がホルダ孔28内へ挿入された状態で、基端側をロータノブ26内から車室内へ突出させる。これにより、車両の操作者は、キーノブ34の基端側を把持しつつ、イグニッションキー32を介してロータ22へトルクを伝達することが可能になる。
キーシリンダ装置10では、イグニッションキー32のインサート部36がキー挿入孔30内へ挿入されると共に、キーノブ34がホルダ孔28内へ挿入されると、トランスポンダ42がイグニッションキー32の電子的なキー側識別コードを電波信号としてイモビライザアンテナ16へ出力する。これにより、イモビライザアンテナ16により受信された電波信号が受信回路18によりキー側識別コードに復調されて制御部20へ出力される。
ロータ22には、図1及び図2に示されるように、複数個(本実施形態では、4個)のタンブラ収納室44、46、48、50が形成されている。タンブラ収納室44〜50はそれぞれロータ22を径方向(高さ方向)に沿って貫通しており、この高さ方向と直交する径方向(車両の幅方向)に沿った断面が細長いスリット状とされている。またタンブラ収納室44〜50は、図4に示されるように、高さ方向に沿った一端側の長手方向に沿った開口幅が他端側の開口幅よりも広くなっており、この幅が広い開口端が後述するタンブラプレート54の挿脱口52とされている。
タンブラ収納室44〜50のうち2個(先端側から奇数番目)のタンブラ収納室44、48は、それぞれ挿脱口52がロータ22の外周面下端側に配置され、残りの2個(先端側から奇数番目)のタンブラ収納室46、50は、それぞれ挿脱口52が奇数番目のものとは180°位相が異なるロータ22の外周面上端部に配置されている。これら4個のタンブラ収納室44〜50の軸方向に沿ったピッチは、イグニッションキー32のインサート部36に設けられた被係合部38、40の長手方向に沿ったピッチと実質的に等しくなっている。
図2及び図4に示されるように、ロータ22における各タンブラ収納室44〜50内には、それぞれタンブラプレート54が装置の高さ方向に沿って摺動可能に配置されている。タンブラプレート54は、装置の高さ方向を長手方向とする略長方形(図4参照)に形成されており、その厚さがタンブラ収納室44〜50の軸方向に沿った幅よりも僅かに小さくなっている。タンブラプレート54には、装置の高さ方向と直交する幅方向に沿った一端部に外側へ突出する矩形状の座受片56が一体的に形成されると共に、その中央部に厚さ方向へ貫通する差込口58が形成されている。差込口58は、装置の高さ方向に沿って細長いスリット状に形成されており、高さ方向に沿った開口幅がインサート部36の長手直角方向に沿った幅(最大幅)よりも僅かに広くなっている。
図4に示されるように、タンブラ収納室44〜50内には、幅方向一端側(図4では、右側)の内側面に段差状の座受部60が形成されており、この座受部60とタンブラプレート54の座受片56との間にはコイルスプリング62が配置されている。コイルスプリング62は、座受片56と座受部60との間に圧縮状態となるように介装されており、タンブラプレート54を常に後述するラッチ位置側へ付勢している。タンブラプレート54は、その挿脱口52側の端部が係止部64とされており、係止部64が挿脱口52を通してロータ22の外周側まで突出する位置(ラッチ位置)と、係止部64がタンブラ収納室44〜50内へ格納される位置(解除位置)との間で移動可能とされている。
なお、本実施形態に係るキーシリンダ装置10では、説明の簡単にするために、ロータ22に4個のタンブラ収納室44〜50のみが形成されると共に、タンブラ収納室44〜50にそれぞれタンブラプレート54が配置されているが、自動車等の車両に用いられるキーシリンダ装置では、一般的に、ロータ22に8個乃至10個前後のタンブラ収納室が形成されると共に、これらのタンブラ収納室にそれぞれタンブラプレート54が配置される。
図1及び図4に示されるように、ロータケース12の内周面には、ロータ22がLOCK位置にある状態で、ロータ22における4個のタンブラ収納室44〜50の挿脱口52にそれぞれ正対するように係止凹部66が形成されている。この係止凹部66は周方向に沿って細長いスリット状に形成されている。タンブラプレート54は、ラッチ位置にある状態で係止部64を係止凹部66内へ挿入し、図5に示されるように、ラッチ位置から解除位置へ移動すると共に、係止部64を係止凹部66内から離脱させる。
図4に示されるように、係止凹部66には、周方向に沿ってACC位置側の側端部に係止凹部66外周側に位置する底面部とロータケース12の内周面とを滑らかに繋ぐ傾斜ガイド面68が形成されている。傾斜ガイド面68は、軸心Sを中心とする周方向を基準にすると、係止凹部66の底面部からロータケース12の内周面へ向って内周側へ傾斜する平面により形成されている。これにより、ロータ22にイグニッションキー32が挿入されていない状態で、ロータノブ26を介してLOCK位置にあるロータ22にACC位置側のトルクが伝達されると、ロータ22のACC位置側への回転に従って、タンブラプレート54(係止部64)の先端部が傾斜ガイド面68へ圧接して生じる分力によりタンブラプレート54がラッチ位置から解除位置へ移動し、ロータ22がACC位置に達する直前にタンブラプレート54が解除位置に達する。
奇数番目のタンブラ収納室44、48内に配置された2枚のタンブラプレート54は、それぞれラッチ位置にある状態で、差込口58の上端側の一部をロータ22におけるキー挿入孔30に一致(オーバラップ)させ、偶数番目のタンブラ収納室46,50内に配置された2枚のタンブラプレート54は、それぞれラッチ位置にある状態で、差込口58の下端側の一部をロータ22におけるキー挿入孔30に一致(オーバラップ)させる。
図1に示されるように、ロータ22には、軸方向に沿ってタンブラ収納室44〜50の他端側にバー収納室70が形成されている。バー収納室70は装置の上下方向に延在しており、その径方向に沿った断面形状が略正方形とされている。バー収納室70は上端側がロータ22の外周面に開口しており、図3に示されるように、他端側が閉塞されている。バー収納室70内には、略立方体状に形成されたロックバー72が装置の上下方向に沿って摺動可能に収納されると共に、ロックバー72とバー収納室70の底面部との間に圧縮状態とされたコイルスプリング74が介装されている。これにより、ロックバー72は、コイルスプリング74の復元力により常に外周側(ロータケース12側)へ付勢される。
一方、図2に示されるように、ロータケース12の内周面には、ロータ22がLOCK位置にある状態で、バー収納室70の開口端に正対するように凹状のロック孔76が形成されている。ロック孔76は、その断面形状がロックバー72の断面形状に対応する略正方形とされており、このロック孔76内には、ロックバー72の外周側の端部(先端部)が挿脱可能とされている。ここで、ロックバー72は、その先端部をロック孔76内へ挿入するキーロック位置(図2参照)と、先端部をロック孔76内から離脱させ、全体がバー収納室70内へ格納されるキーフリー位置(図3参照)との間で摺動可能とされている。
ここで、ロックバー72がキーロック位置にあると、ロックバー72がバー収納室70とロック孔76とを跨るように延在することから、ロックバー72によりロータ22の回転が拘束される。またロックバー72がキーロック位置からキーフリー位置へ移動すると、ロックバー72全体がバー収納室70内に格納されることから、ロータ22がロックバー72から解放されてLOCK位置から作動位置(ACC位置、ON位置、及びSTART位置)側へ回転可能になると共に、作動位置からLOCK位置へ戻ることも可能になる。
キーシリンダ装置10には、図2及び図3に示されるように、ロータケース12の外周面に配置される電磁ソレノイド78を備えている。電磁ソレノイド78には、コイル等を内蔵した本体部80及び、この本体部80により軸心Sを中心とする径方向に沿って伸縮可能に支持されたロッド状のプランジャ82が設けられている。一方、ロータケース12には、その外周面とロック孔76の外周側の底面部とを貫通する貫通孔84が穿設されており、この貫通孔84内には、プランジャ82の先端側が挿入されている。
電磁ソレノイド78は、駆動電圧が印加されていないオフ態では、図2に示されるように、プランジャ82をロックバー72から離間させる。これにより、ロックバー72は、コイルスプリング74の付勢力によりキーロック位置に保持される。また電磁ソレノイド78は、制御部20により駆動電圧が印加されてオン状態になると、図3に示されるように、プランジャ82を伸張させてロックバー72を押圧することにより、コイルスプリング74に抗してロックバー72をキーロック位置からキーフリー位置へ移動させる。
キーシリンダ装置10は、図2に示されるように、車室内へ向って配置される受信アンテナ86及び受信回路88を備えており、この受信アンテナ86は、車両の操作者が有する携帯機(図示省略)から電波信号として出力されるキー側識別コードを受信可能とされている。この携帯機から出力されるキー側識別コードは、イグニッションキー32のトランスポンダ42から出力されるキー側識別コードと同一のものであっても、異なるものであっても良い。
キーシリンダ装置10では、受信アンテナ86により携帯機から受信した電波信号が受信回路88により所定の信号形式に復調されて制御部20へ出力される。制御部20は、イモビライザアンテナ16及び受信アンテナ86の双方が電波信号を受信していない非受信時には、電磁ソレノイド78をオフ状態に維持する。また制御部20は、トランスポンダ42及び携帯機の一方からイモビライザアンテナ16及び受信アンテナ86の一方が電波信号を受信すると、電波信号から復調されたキー側識別コードが装置側識別コードと一致するか否かを判断し、キー側識別コードが装置側識別コードと不一致の場合には、電磁ソレノイド78をオフ状態に維持し、キー側識別コードが装置側識別コードと一致した場合には、電磁ソレノイド78に駆動電圧を印加してオフ状態からオン状態に変化させる。これにより、電磁ソレノイド78によりロックバー72がキーロック位置からキーフリー位置へ移動する。
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成された本実施形態に係るキーシリンダ装置10の動作及び作用について説明する。
先ず、携帯機(図示省略)のみを用いてロータ22を操作する場合について説明する。キーシリンダ装置10では、車両に搭乗した操作者が携帯機に対して所定の発信操作を行って、携帯機から電波信号が出力されると、この電波信号が受信アンテナ86により受信されて、受信回路88によりキー側識別コードに復調されて制御部20へ出力される。
制御部20は、入力したキー側識別コードが装置側識別コードと一致するから否かを判断し、一致した場合には、電磁ソレノイド78をオン状態とする。これにより、ロックバー72がキーロック位置(図2参照)かからキーフリー位置(図3参照)へ移動し、LOCK位置にあるロータ22がロックバー72から開放される。
この後、操作者がロータノブ26を介してロータ22へトルクを伝達すると、図4に示されるように、ロータ22のタンブラ収納室44〜50に収納されたタンブラプレート54の差込口58にはイグニッションキー32が挿入されていないので、ロータ22がACC位置側へ回転するに従って、タンブラプレート54が傾斜ガイド面68に沿ってラッチ位置から解除位置へ移動し、係止凹部66内から離脱する。従って、ロータ22は、LOCK位置から任意の作動位置(ACC位置、ON位置、及びSTART位置)へ回転可能になると共に、任意の作動位置からLOCK位置に復帰することも可能になる。
また制御部20が入力したキー側識別コードが装置側識別コードと一致しないと判断した場合には、電磁ソレノイド78をオフ状態に維持されるので、キーロック位置にあるロックバー72によりロータ22の回転が拘束される。従って、操作者がロータノブ26を介してロータ22へトルクを伝達しても、ロータ22をLOCK位置から任意の作動位置(ACC位置、ON位置、及びSTART位置)へ回転させることができない。
次に、イグニッションキー32を用いてロータ22を回転操作する場合について説明する。キーシリンダ装置10では、車両に搭乗した操作者がイグニッションキー32のインサート部36をロータ22のキー挿入孔30内へ挿入すると、キーノブ34に内蔵されたトランスポンダ42から電波信号が出力され、この電波信号がイモビライザアンテナ16により受信されて、受信回路18によりキー側識別コードに復調されて制御部20へ出力される。
制御部20は、携帯機を用いた場合と同様に、入力したキー側識別コードが装置側識別コードと一致するから否かを判断し、一致した場合には、電磁ソレノイド78をオン状態とする。これにより、ロックバー72がキーロック位置(図2参照)かからキーフリー位置(図3参照)へ移動し、LOCK位置にあるロータ22がロックバー72から開放される。
またキーシリンダ装置10では、イグニッションキー32のインサート部36に設定された機械的なキー側識別コードが複数枚のタンブラプレート54により設定される機械的な装置側識別コードと一致する場合と、インサート部36のキー側識別コードが装置側識別コードと一致しない場合とが考えられる。
先ず、機械的なキー側識別コードが装置側識別コードと一致する場合、すなわちイグニッションキー32が正規キー32Rである場合について説明する。この場合、キーシリンダ装置10では、正規キー32Rのインサート部36がロータ22のキー挿入孔30に挿入され、タンブラ収納室44〜50に収納されたタンブラプレート54がインサート部36における被係合部38、40の一方に係合すると、図5(A)に示されるように、全てのタンブラプレート54がラッチ位置から解除位置に移動し、被係合部38、40により解除位置に保持される。この後、操作者が正規キー32Rのキーノブ34を介してロータ22へトルクを伝達すると、図5(B)に示されるように、ロータ22はLOCK位置から任意の作動位置(ACC位置、ON位置、及びSTART位置)へ回転可能になると共に、任意の作動位置からLOCK位置に復帰することも可能になる。
また、機械的なキー側識別コードが装置側識別コードと一致しない場合、すなわちイグニッションキー32が非正規キー32Iである場合について説明する。この場合、キーシリンダ装置10では、非正規キー32Iのインサート部36がロータ22のキー挿入孔30に挿入され、タンブラ収納室44〜50に収納されたタンブラプレート54がインサート部36における被係合部38、40の一方に係合する際に、この被係合部38、40の少なくとも1個が正規キー32Rの被係合部よりも深いときには、図6(A)に示されるように、インサート部36の被係合部38、40により少なくとも1枚のタンブラプレート54がラッチ位置と解除位置との中間位置に停止した状態に保持される。これにより、操作者が非正規キー32Iのキーノブ34を介してロータ22へトルクを伝達しても、図6(B)に示されるように、タンブラプレート54が傾斜ガイド面68に当接し、傾斜ガイド面68によりロータ22の回転が阻止されるので、ロータ22がLOCK位置に隣接する作動位置であるACC位置へ回転することができなくなる。
また、機械的なキー側識別コードが装置側識別コードと一致しない場合であって、非正規キー32Iの被係合部38、40の少なくとも1個が正規キー32Rの被係合部よりも浅いときには、図5(A)の2点鎖線で示されるように、タンブラプレート54が被係合部38に完全に係合する手前で、タンブラプレート54が解除位置まで移動し、ロータケース12の内周面によりラッチ位置とは反対側への移動が阻止されるので、インサート部36をロータ22のキー挿入孔30に完全に挿入することができなくなる。これにより、非正規キー32Iのトランスポンダ42がイモビライザアンテナ16に通信可能となる位置まで移動できず、電磁ソレノイド78がオフ状態に維持されるので、ロータ22がLOCK位置に隣接する作動位置であるACC位置へ回転することができなくなる。
以上説明した本実施形態に係るキーシリンダ装置10では、電子的なキー側識別コードと装置側識別コードとが一致する場合に、ロータ22に軸直角方向に沿って移動可能に配置されたタンブラプレート54が、ロータ22のキー挿入孔30に正規キー32RIのインサート部36が挿入されると、このインサート部36の被係合部38、40の一方に係合してラッチ位置から解除位置へ移動すると共に、タンブラプレート54がロータケース12の内周面に形成された係止凹部66から離脱することにより、操作者が正規キー32Rを介してロータ22にトルクを伝達すれば、ロータ22をLOCK位置から任意の作動位置(ACC位置、ON位置、及びSTART位置)に回転できるので、例えば、ロータ22に連結されたイグニッションスイッチによりロータの作動位置に対応する制御信号を装置外部(例えば、車両側の制御部)へ出力できる。
またキーシリンダ装置10では、キー挿入孔30に非正規キー32Iが挿入されると、少なくとも1枚のタンブラプレート54が非正規キー32Iにおけるインサート部36の被係合部38、40に係合してラッチ位置と解除位置との中間位置に保持されるか、或いはキー挿入孔30内へのインサート部36の挿入を阻止する。
このとき、キー挿入孔30に挿入された非正規キー32Iのインサート部36により少なくとも1枚のタンブラプレート54がラッチ位置と解除位置との中間位置に保持されると、係止凹部66がタンブラプレート54を係止してロータ22のLOCK位置からACC位置への回転を阻止することにより、操作者が非正規キー32Iを介してロータ22にトルクを伝達しても、ロータ22がLOCK位置からACC位置に回転しないので、操作者がキー挿入孔30に非正規キー32Iを挿入したことを簡単に認識できる。
また、少なくとも1枚のタンブラプレート54が非正規キー32Iのインサート部36のキー挿入孔30内への挿入を阻止した場合には、それにより、操作者が非正規キー32Iをキー挿入孔30内へ挿入しようとしていることを直ちに認識できる。
またキーシリンダ装置10では、係止凹部66に形成された傾斜ガイド面68が、キー挿入孔30内へイグニッションキー32が挿入されていない時に、LOCK位置にあるロータ22に操作者によりトルクが伝達されると、ロータ22のACC位置側への回転に従って、ラッチ位置にあるタンブラプレート54を解除位置へ押圧移動させることにより、ロータ22のキー挿入孔30にイグニッションキー32が挿入されておらず、かつ電磁ソレノイド78によりロータ22のロック位置からの回転が拘束されていない状態では、操作者がロータ22にトルクを伝達すれば、ロータ22をLOCK位置から任意の作動位置(ACC位置、ON位置、及びSTART位置)に回転できるので、イグニッションキー32を用いなくても、ロータ22に連結されたイグニッションスイッチによりロータ22の作動位置に対応する制御信号を装置外部へ出力できる。
またキーシリンダ装置10では、タンブラプレート54材がキー挿入孔30に正規キー32Rのインサート部36が挿入された状態で、ロータが任意の作動位置(ACC位置、ON位置、及びSTART位置)へ回転すると、解除位置にあるタンブラプレート54のラッチ位置側への移動がロータケース12の内周面により制限される。このとき、タンブラプレート54が正規キー32Rのキー挿入孔30内から抜脱方向への移動を拘束することにより、ロータ22が任意の作動位置にある状態では、キー挿入孔30に挿入された正規キー32Rが脱落することを確実に防止できるので、車両の運転中に正規キー32Rがキー挿入孔30から脱落することを確実に防止でき、例えば、キー挿入孔30から脱落した正規キー32Rが紛失してしまうことを防止できる。
またキーシリンダ装置10では、ロータ22に軸方向に沿って複数枚(本実施形態では、4枚)のタンブラプレート54を配列すると共に、ロータケース12に軸方向に沿って複数個の係止凹部66を複数枚のタンブラプレート54にそれぞれ対応するように配列したことにより、キー挿入孔30にイグニッションキー32のインサート部36が挿入されると、このインサート部36における軸方向に沿ってそれぞれ異なる部位に設けられた複数の被係合部38、40にそれぞれタンブラプレート54が係合するので、インサート部36における全ての被係合部38、40が正規形状である場合にのみ、ロータ22がLOCK位置から任意の作動位置(ACC位置、ON位置、及びSTART位置)へ回転可能になり、インサート部36における少なくとも1個の被係合部38、40が正規形状に一致しない場合には、ロータ22がLOCK位置に拘束される。
この結果、タンブラプレート54の設置数の増加に従ってイグニッションキー32に機械的に設定されるキー側識別コードの情報量(組合せ数)が増加するので、正規キー32R以外のイグニッションキー32がキー挿入孔30に挿入されて、偶然の一致によりロータ22がLOCK位置から任意の作動位置へ回転可能になる可能性を低下できる。
またキーシリンダ装置10では、制御部20がイモビライザアンテナ16又は受信アンテナ86により電波信号として受信された電子的なキー側識別コードが予め設定された装置側識別コードと一致するか否かを判断し、キー側識別コードが装置側識別コードと不一致の場合には、電磁ソレノイド78によりロックバー72をキーロック位置に保持し、LOCK位置にあるロータ22を回転が拘束されたキーロック状態に維持することにより、イグニッションキー32又は携帯機が正規のものでなければ、イグニッションキー32又は携帯機から出力された電波信号をイモビライザアンテナ16又は受信アンテナ86により受信しても、ロータ22がキーロック状態に維持されるので、ロータ22に操作者がトルクを伝達してもロータ22を任意の作動位置へ回転できなくなる。
またキーシリンダ装置10では、制御部20がイモビライザアンテナ16又は受信アンテナ86により電波信号として受信されたキー側識別コードが装置側識別コードと一致する場合には、電磁ソレノイド78によりロックバー72をキーロック位置からキーフリー位置へ移動させて、ロータ22を任意の作動位置へ回転可能になるキーフリー状態とすることにより、イグニッションキー32又は携帯機が正規のものであれば、イグニッションキー32又は携帯機から出力された電波信号をイモビライザアンテナ16又は受信アンテナ86により受信すれば、ロータ22が電磁ソレノイド78及びロックバー72によりキーフリー状態にされるので、キー挿入孔30に正規キー32Rが挿入されていても、正規キー32Rが挿入されていなくても、ロータ22に操作者がトルクを伝達してロータ22をLOCK位置から任意の作動位置へ回転できる。
本発明の実施の形態に係るキーシリンダ装置の構成を示す分解斜視図である。 図1に示されるキーシリンダ装置の軸方向に沿った断面図であり、ロックバーがキーロック位置にある状態を示している。 図1に示されるキーシリンダ装置の軸方向に沿った断面図であり、ロックバーがキーフリー位置にある状態を示している。 図1に示されるX−X切断線に沿ったキーシリンダ装置の断面図であり、ロータにイグニッションキーが挿入されていない状態を示している。 図1に示されるX−X切断線に沿ったキーシリンダ装置の断面図であり、(A)はLOCK位置にあるロータに正規キーが挿入されている状態を示し、(B)は正規キーが挿入されたACC位置に回転した状態を示している。 図1に示されるX−X切断線に沿ったキーシリンダ装置の断面図であり、(A)はLOCK位置にあるロータに非正規キーが挿入されている状態を示し、(B)は非正規キーが挿入されたロータに作動位置側のトルクが伝達されている状態を示している。
符号の説明
10 キーシリンダ装置
12 ロータケース(ケーシング部材)
14 ロータ収納室
16 イモビライザアンテナ(電波受信手段)
18 受信回路(電波受信手段)
20 制御部(拘束制御手段)
22 ロータ(ロータ部材)
26 ロータノブ(ノブ)
30 キー挿入孔
32 イグニッションキー(キー)
32R 正規キー
32I 正規キー
32I 非正規キー
36 インサート部
38、40 被係合部(キー)
42 トランスポンダ(電波発信手段)
44、46、48、50 タンブラ収納室(ロータ部材)
54 タンブラプレート(タンブラ部材)
66 係止凹部
68 傾斜ガイド面
76 ロック孔(ロータ拘束手段)
78 電磁ソレノイド(ロータ拘束手段)
86 受信アンテナ(電波受信手段)
88 受信回路(電波受信手段)

Claims (5)

  1. 内部に軸方向へ延在する空間が形成された円筒状のケーシング部材と、
    前記ケーシング部材の内部に配置され、該ケーシング部材により所定のロック位置と作動位置との間で回転可能に支持されると共に、前記軸方向に沿ってキーが挿入可能とされたキー挿入孔が形成されたロータ部材と、
    前記ロータ部材に軸直角方向に沿って所定のラッチ位置と解除位置との間で移動可能に配置され、前記キー挿入孔に正規キーが挿入されると、該正規キーに係合して前記ラッチ位置から前記解除位置へ移動し、前記キー挿入孔に非正規キーが挿入されると、該非正規キーに係合して前記ラッチ位置に保持されるか、或いは前記キー挿入孔内への非正規キーの挿入を阻止するタンブラ部材と、
    前記ケーシング部材の内周面に凹状に形成され、前記ロータ部材が前記ロック位置にあり、前記タンブラ部材が前記解除位置に対して前記ラッチ位置側の位置にある状態では、該タンブラ部材を係止して前記ロータ部材の作動位置への回転を阻止し、前記タンブラ部材が前記解除位置にある状態では、該タンブラ部材から離脱する係止凹部と、
    前記係合凹部における前記作動位置側の端部に形成され、前記キー挿入孔内へのキーの非挿入時に、前記ロック位置にある前記ロータ部材に装置外部から前記作動位置側へのトルクが伝達されると、前記ロータ部材の前記作動位置側への回転に従って、前記ラッチ位置にある前記タンブラ部材を前記解除位置へ押圧移動させる傾斜ガイド面と、
    を有することを特徴とするキーシリンダ装置。
  2. 前記タンブラ部材は、前記キー挿入孔に正規キーが挿入された状態で、前記ロータが前記作動位置へ回転すると、該正規キーの前記キー挿入穴内から抜脱方向への移動を拘束することを特徴とする請求項1記載のキーシリンダ装置。
  3. 前記ロータ部材に前記軸方向に沿って複数枚の前記タンブラ部材を配列すると共に、前記ケーシング部材に前記軸方向に沿って複数個の前記係止凹部を複数枚の前記タンブラ部材にそれぞれ対応するように配列したことを特徴とする請求項1又は2記載のキーシリンダ装置。
  4. キー又は携帯機に配置された電波発信手段により電波信号として出力される固有のキー側識別コードを受信する電波受信手段と、
    前記ロータ部材を前記ロック位置から前記作動位置側への回転が拘束するキーロック状態及び前記ロック位置から前記作動位置側への回転が許容するキーフリー状態の何れかの状態とするロータ拘束手段と、
    前記電波受信手段により受信されたキー側識別コードが予め設定された装置側識別コードと一致するか否かを判断し、前記キー側識別コードが前記装置側識別コードと不一致の場合には、前記ロータ拘束手段により前記ロータ部材を前記キーロック状態に維持し、前記キー側識別コードが前記装置側識別コードと一致する場合には、前記ロータ拘束手段により前記ロータ部材を前記キーロック状態から前記キーフリー状態とする拘束制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のキーシリンダ装置。
  5. 前記ロータ部材に、前記ケーシング部材に対して軸方向外側へ突出して該ロータにトルクを伝達可能とするためのノブを連結したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のキーシリンダ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011236707A (ja) * 2010-05-13 2011-11-24 Tokai Rika Co Ltd イグニッションスイッチの操作規制装置
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