JP2008105890A - 出銑孔閉塞材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、高価な金属粉末を使用しなくても、耐溶銑性及び耐スラグ性共に優れ、安定した長時間出銑を可能とする出銑孔閉塞材の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明の出銑孔閉塞材は、アルミナ質原料を20質量%〜30質量%、炭化珪素を15質量%〜30質量%、窒化珪素類を20質量%〜35質量%、炭素質原料を10質量%〜15質量%、粘土質原料を3質量%〜8質量%により構成された耐火骨材からなると共に、その粒度構成において、1mm以下で45μmを超えるものが40質量%〜60質量%で且つ45μm以下のものが60質量%〜40質量%であって、前記1mm以下で45μmを超える粒度範囲において前記アルミナ質原料を50質量%以上含むものである。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明の出銑孔閉塞材は、アルミナ質原料を20質量%〜30質量%、炭化珪素を15質量%〜30質量%、窒化珪素類を20質量%〜35質量%、炭素質原料を10質量%〜15質量%、粘土質原料を3質量%〜8質量%により構成された耐火骨材からなると共に、その粒度構成において、1mm以下で45μmを超えるものが40質量%〜60質量%で且つ45μm以下のものが60質量%〜40質量%であって、前記1mm以下で45μmを超える粒度範囲において前記アルミナ質原料を50質量%以上含むものである。
【選択図】 図2
Description
本発明は、出銑孔閉塞材に関し、特に高炉、電気炉の出銑孔に充填され閉塞するために用いられる出銑孔閉塞材に関する。
現在の各種高炉は一炉で1〜4箇所の出湯口が設けられ、通常の出湯作業はこれらの出湯口を交互に使用して行われ、また、出湯口の開孔、閉塞の間隔は同一出湯口で通常数時間かけられているが、近年、高炉の大型化と高圧操業による出銑量の増大、微粉炭等の吹き込みによるコークス比の大幅な低減、稼働年数の大幅な延長等の状況の中で、出銑孔閉塞材に対する要求品質はますます厳しいものとなっている。出銑孔用閉塞材に要求される技術としては、圧入機による充填性が良好なことと高温下での結合強度が強く、耐溶銑滓に優れることが一般的に挙げられる。
出銑孔閉塞材は、通常、粘土を含む耐火原料と金属等の焼結助材にタール、フェノール樹脂などの有機バインダーを配合したものが一般的には知られている。また、粒度構成としては、1mmを超えるものが20質量%前後、45μm以下が40質量%〜50質量%とするのが一般的であり、特に5mm〜1mm(一般的には3mm〜1mm)の粗粒を添加することでコールタール等のバインダー添加量を削減している。しかし、5mm〜1mmの粗粒の添加は気孔率を下げるものの、材質強度を低下させるため、出銑時間の更なる延長は難しい状況にある。
特許文献1には、アルミナ質原料30〜50重量%、粘土等のシリカ質原料を2〜5重量%、炭化珪素を15〜25重量%、コークス等の炭素質原料を5〜10重量%、窒化珪素鉄等の窒化珪素類を15〜30重量%、金属粉末を5〜15重量%により構成された耐火骨材からなり、その粒度構成において1mmを超えるものが5重量%以下、0.075mm(75μm)未満のものが60〜70重量%であって、2μm以下の仮焼アルミナが5〜15重量%、残部が1mm〜0.075mmのもので構成された高炉出銑口閉塞用マッド材が記載され、耐溶銑滓に対する磨耗強度の向上や、強度及び耐食性の向上、開孔性、炉前作業の軽減等が図れるとする。
しかしながら、1mm〜75μmの間の原料成分は残部としか記載されてなく、粒度別の原料構成を出銑時間の延長との関係で検討されるには至っていない。また、2μm以下の仮焼アルミナを5〜15重量%含有させるため、耐スラグ性が低下することも考えられる。また、他に、出銑時間の延長を目的に、粒度構成が1mm以下で45μmを超える中間粒度の原料構成に着目した知見はない。
特開平11−29366号公報
本発明は、高価な金属粉末を使用しなくても、耐溶銑性及び耐スラグ性共に優れ、安定した長時間出銑を可能とする出銑孔閉塞材の提供を課題とする。
本発明の出銑孔閉塞材は、アルミナ質原料を20質量%〜30質量%、炭化珪素を15質量%〜30質量%、窒化珪素類を20質量%〜35質量%、炭素質原料を10質量%〜15質量%、粘土質原料を3質量%〜8質量%により構成された耐火骨材からなると共に、その粒度構成において、1mm以下で45μmを超えるものが40質量%〜60質量%で且つ45μm以下のものが60質量%〜40質量%であって、前記1mm以下で45μmを超える粒度範囲において前記アルミナ質原料を50質量%以上含むことを特徴とする。
本発明の出銑孔閉塞材は、耐溶銑性及び耐スラグ性が共に向上することにより安定した出銑時間の延長が可能てある。
耐火骨材におけるアルミナ質原料としては、Al2 O3 含有量が80質量%以上のボーキサイト、バン土頁岩、或いはAl2 O3 含有量が95質量%以上の電融アルミナ、焼結アルミナ等を使用するとよく、耐火骨材中20質量%〜30質量%の割合で含有されるとよい。20質量%未満であると耐溶銑性が劣り、30質量%を超えると耐スラグ性が劣るという問題がある。
炭化珪素としては、耐火骨材中15質量%〜30質量%の割合で含有されるとよい。15質量%未満であると耐スラグ性が劣り、30質量%を超えると耐溶銑性が劣るという問題がある。
窒化珪素類としては、窒化珪素、窒化珪素鉄等が挙げられ、耐火骨材中20質量%〜35質量%の割合で含有されるとよい。20質量%未満であると出銑時間が低下するという問題があり、35質量%を超えると強度低下や出銑時間か低下するという問題がある。
炭素質原料としては、炭素含有量が80質量%以上の石油コークス、石炭コークス、無煙炭等の一種又は二種以上をカーボン源として耐火骨材中10質量%〜15質量%の割合で含有されるとよい。10質量%未満であると耐スラグ性が劣り、15質量%を超えると耐溶銑性が劣るという問題がある。
粘土質原料としては、ボールクレー、水ひ蛙目粘土、木節粘土、セリサイトクレー等が例示される。粘土鉱物はカオリン族鉱物(主にカオリンナイト{Al2 Si2 O5 (OH)4 }、ナクラナイト、ディッカイト、ハロイサイト)を含むもので、これらの鉱物構造(層構造の層間に水やタール成分を取り込むことができる)に起因する特性を有するところに重要性が存在し、単なる化学成分としてのAl2 O3 やSiO2 では目的とする有機バインダーを保持する緩衝作用を発揮することができない。粘土質原料は、耐火骨材中3質量%〜8質量%、好ましくは3質量%〜4質量%の割合で含有されることにより、タールの添加量を安定化させることができるが、含有量が8質量%を超えると、タール等のバインダー添加量が増大し、揮発成分の増加による気孔率の増大により長時間の出銑が困難となる。また、3質量%より少ないと、耐火骨材の粒度のバラツキによりタール添加量が変動し、均一な充填性を保持することが困難となる。
また、本発明における耐火骨材は、その粒度構成において1mm以下で45μmを超えるものが40質量%〜60質量%で且つ45μm以下のものが60質量%〜40質量%であって、アルミナ質原料を1mm以下で45μmを超える粒度範囲に50質量%以上含むものである。
安定した長時間出銑を行うためには、出銑孔閉塞材の耐スラグ性及び耐溶銑性を共に向上させる必要がある。特に、耐スラグ性を向上させるためには、45μm以下の微粉材料としてはスラグとの反応性に富む酸化物を極力削減し、耐スラグ性に優れる非酸化物原料を主体として構成する必要がある。酸化物の中でも粒度が45μm以下のアルミナ質原料を使用すると耐溶銑性は向上するものの、スラグとの反応が進み耐スラグ性が低下するという問題がある。そのため、45μm以下の粒度範囲のものにおいては、耐スラグ性に優れる炭化珪素、窒化珪素類及び炭素質原料を主体として構成し、60質量%〜40質量%の割合で配合されるとよい。
また、1mm以下で45μmを超える粒度範囲においては、スラグとの反応性が低いために耐溶銑性に優れるアルミナ質原料を主体に構成することが有効となる。1mm以下で45μmを超える粒度範囲において耐溶銑性に優れるアルミナ質原料を50質量%以上の割合で使用することにより、耐スラグ性を低下させることなく耐溶銑性を向上させることができる。従来においては、アルミナ質原料は3mm〜1mmの粒度範囲で使用されていたが、本発明においてはアルミナ質原料を1mm以下で45μmを超える粒度範囲に変更するものであり、浸食試験の結果から、変更することで結合強度が増し、耐溶銑性が向上することが見いだされた。1mm以下で45μmを超える粒度範囲ではアルミナ質原料は50質量%以上とすることが必須である。その残部にはSiO2 含有量が50質量%以上のシリカフラワー、粘土、ロー石等のシリカ質原料、炭化珪素、窒化珪素、コークス等の炭素質原料、またカイヤナイト(Al2 SiO5 )の1種以上を含有させることが可能であるが、耐スラグ性の向上に有効である炭化珪素や窒化珪素を含むことが望ましい。
本発明の出銑孔閉塞材においては、1mm以下で45μmを超える粒度範囲にてアルミナ質原料を50質量%以上含有させることで、耐溶銑性が強化されると共に、45μm未満の原料部において非酸化物主体の原料構成とすることで耐スラグ性を強化するものである。
また、耐火骨材全体の粒度は1mm以下とするのがよく、これで充分な結合強度を持たせることができるので、金属粉末等を含有させなくても充分な強度特性を得ることが可能である。もちろん、金属粉末を添加して更なる材質強化を図ってもよいことは言うまでもない。
本発明の出銑孔閉塞材においては、バインダーとして無水コールタールやフェノール樹脂、ピッチを使用するとよく、その配合量は、耐火骨材に対して外掛けで15質量%〜20質量%、好ましくは15質量%〜18質量%の割合で配合するとよい。
以下、実施例、比較例により、本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
下記の表1(実施例)、表2(比較例)の配合原料をその配合比で約5分間混練し、それに60℃に加熱した無水コールタールを添加し、約1時間混練を行った。
(実施例1)
下記の表1(実施例)、表2(比較例)の配合原料をその配合比で約5分間混練し、それに60℃に加熱した無水コールタールを添加し、約1時間混練を行った。
なお、本発明における粒度は、JIS Z8801(試験用ふるい)で規定する呼び寸法1mmと45μmの試験用網ふるいで1mmを超えるもの、1mm以下で45μmを超えるもの、45μm以下のものにふるい分けして測定した。また、各実施例、各比較例における無水コールタールの添加量は、図1、図2に示す押し出し抵抗測定装置(マーシャル試験)により総荷重が約350kgfになるように調整した添加量である。すなわち、60℃で保温した練り土を、図1に示す形状のステンレス製試料ホルダー(L1 =9cm、L2 =6cm、L3 =26cm、L4 =12cm、L5 =2cm)に充填し、図2に示す測定装置(図中、Aは試料押し出し用面板、Bは試料ホルダー、Cは台座、Dはシリンダーヘッド)を用い、シリンダーヘッドDの押し出し速度を10mm/secとしたときの押し出し抵抗を、試料押し出し用面板Aに懸かる総荷重として測定するもので、上述したように、総荷重が約350kgfになるように、練り土中における無水コールタールの添加量を調整したものである。
曲げ強さ及び見掛け気孔率は、約5MPaの成形圧で40mm×40mm×160mmに成形した後、1350℃で3時間還元加熱して測定用試料とし、曲げ強さはJIS R2213により測定したものであり、また、見掛け気孔率はアルキメデス法により測定したものである。
耐食性試験は、回転アーク炉浸食試験法により、銑鉄と高炉スラグを浸食剤として使用し、還元雰囲気下、1550℃で10時間にわたり試験した後、供試体を切断して、浸食された寸法を測定するもので、比較例1の浸食寸法を100とした時の各例の浸食寸法を指数化して溶損指数としたものである。溶損指数は小さい程、耐食性に優れることを意味する。
見掛け気孔率、曲げ強さ、溶損指数の測定結果を同じく、表1、表2に示す。表中における組成の単位は質量%、見掛け気孔率は%、曲げ強さはMPaてある。なお、使用したアルミナは、電融アルミナを使用し、コークスは石炭コークスを使用し、無水コールタールは1号を使用した。
実施例1、2は、曲げ強さが向上し、浸食試験結果においても耐食性にも優れることがわかる。
比較例1は、実施例における粒度構成におけるアルミナ質原料の一部が1mm超えのものを含むように変更するものである。曲げ強さが低下し、また、浸食試験結果においても耐食性に劣る結果となった。
比較例2は、粒度構成は実施例2と同じであるが、45μm以下の酸化物原料としてアルミナ質原料を使用した例である。比較例1と比較すれば曲げ強さは若干高いものの浸食性は同等であり、実施例と比較すると浸食試験結果は劣る結果であった。これはアルミナ質原料を45μm以下で使用していることにより、耐スラグ性が低下したことによるものと考えられる。
比較例3は、粒度1mm〜45μmの原料65質量%により構成されたものである。気孔率は下がるものの、曲げ強さが低下し、浸食量も増大する結果となった。これは微粉部(45μm以下)が少なく、マトリックス部の結合力不足と考えられる。
比較例4は、粒度構成1mm〜45μmの原料35質量%にて構成されたものである。45μm以下の原料が65質量%以上となり、比表面積の増大によりタール添加量が増大し、その結果、気孔率が高まり、浸食量が増大する傾向にあった。このことから、粒度構成1mm〜45μmの原料は40質量%〜60質量%の範囲で構成する必要がある。
比較例5は、実施例2と比較して粘土質原料を増加させたものであるが、タール添加量が増大して気孔率が高まり、浸食量も増大する傾向にある。粘土質原料は8質量%以下に留める必要がある。
上記の実施例においては、コールタールを使用した例を説明したが、石油系タール、レジン系バインダー等を使用することも可能であり、上記実施例と同様の結果を得ることが可能である。
Aは試料押し出し用面板、Bは試料ホルダー、Cは台座、Dはシリンダーヘッドである。
Claims (1)
- アルミナ質原料を20質量%〜30質量%、炭化珪素を15質量%〜30質量%、窒化珪素類を20質量%〜35質量%、炭素質原料を10質量%〜15質量%、粘土質原料を3質量%〜8質量%により構成された耐火骨材からなると共に、その粒度構成において、1mm以下で45μmを超えるものが40質量%〜60質量%で且つ45μm以下のものが60質量%〜40質量%であって、前記1mm以下で45μmを超える粒度範囲において前記アルミナ質原料を50質量%以上含むことを特徴とする出銑孔閉塞材。
Priority Applications (1)
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JP2006289548A JP2008105890A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | 出銑孔閉塞材 |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
US8062577B2 (en) * | 2009-04-10 | 2011-11-22 | Edw. C. Levy Co. | Alumina taphole fill material and method for manufacturing |
CN103667575A (zh) * | 2013-10-18 | 2014-03-26 | 北京神雾环境能源科技集团股份有限公司 | 转底炉炉底及具有该转底炉炉底的转底炉 |
JP6470866B1 (ja) * | 2018-10-22 | 2019-02-13 | 黒崎播磨株式会社 | 熱間充填材 |
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2006
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WO2020085191A1 (ja) * | 2018-10-22 | 2020-04-30 | 黒崎播磨株式会社 | 熱間充填材 |
CN112823147A (zh) * | 2018-10-22 | 2021-05-18 | 黑崎播磨株式会社 | 热填充材料 |
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CN112823147B (zh) * | 2018-10-22 | 2022-06-03 | 黑崎播磨株式会社 | 热填充材料 |
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