JP2008104953A - ガス分離方法及びガス分離装置 - Google Patents

ガス分離方法及びガス分離装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008104953A
JP2008104953A JP2006290348A JP2006290348A JP2008104953A JP 2008104953 A JP2008104953 A JP 2008104953A JP 2006290348 A JP2006290348 A JP 2006290348A JP 2006290348 A JP2006290348 A JP 2006290348A JP 2008104953 A JP2008104953 A JP 2008104953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
porous membrane
absorption liquid
separated
separation method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006290348A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Okabe
和弘 岡部
Hiroshi Mano
弘 真野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Original Assignee
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE filed Critical Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Priority to JP2006290348A priority Critical patent/JP2008104953A/ja
Publication of JP2008104953A publication Critical patent/JP2008104953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Abstract

【課題】 単位ガス量あたりの回収エネルギーと、多孔質膜の必要面積の減少による回収コストを低減したガス分離方法及びガス分離装置を提供する。
【解決手段】 本発明のガス分離装置は、被分離ガスを吸収液と接触させることにより被分離ガス中の特定の分離対象ガスを吸収液に吸収させる吸収部13と、吸収部13の後段に備えられ吸収液が接触する多孔質膜11と、吸収液を多孔質膜11を介して吸収液側よりも減圧の空間にする減圧装置とを備えている。そして、分離対象ガスを多孔質膜11の微細孔21を通して減圧空間に放散させて回収するものである。多孔質膜11の材料としては、酸化物、窒化物及び炭化物の内の少なくとも1つを含むセラミックス、又は熱誘起型相分離法により製造したポリオレフィンを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、製造プロセスや発酵プロセス等において発生するガスや、発電所等から排出される燃焼ガスを被分離ガスとして、二酸化炭素などの特定の分離対象ガスを分離する方法と装置に関するものである。
被分離ガスから分離対象ガスを分離する方法として、(1)膜分離法、(2)吸収法及び(3)吸着法等が知られている。
(1)膜分離法は分離に要するエネルギーが低いという利点があるが、一般に用いられている高分子膜ではガスの選択性に限度があり、高濃度に濃縮することは難しい。
(2)吸収法(化学吸収法ともいう。)は特定のガスと化学反応する吸収液を用いるため、ガスの濃縮度が高いという利点はあるが、ガスを吸収液から回収する際に加熱する必要があるため、分離対象ガスの回収に要するエネルギー(回収エネルギーという。)が高いという欠点がある。
(3)吸着法はバッチ方式を用いて特定ガスの吸着と脱離を繰り返すため、回収効率が低く回収コストも高くなる。
吸収法の利点を活かしながら回収エネルギーを低減させる方法として、原料ガス中の特定ガスを吸収した吸収液を中空糸状多孔膜に透過させ、供給側より低い圧力に保たれた透過側で特定ガスを放散させるガス分離方法が提案されている(特許文献1、非特許文献1参照。)。
しかし、この方法で5〜15%のCO2を含む原料ガスからCO2を分離回収する場合、回収エネルギーは低減されているものの、膜面積あたりのCO2回収量は小さいため、実用には莫大な数の膜モジュール(円筒状の容器に適度な密度で充填された形で用いられるもの)が必要になり、回収コストが上昇する上、放散部(膜モジュール)を設置するための大きなスペースが必要になる。
特開2005−838号公報 M. Teramoto et al., Separation and concentration of CO2 by capillary-type facilitated transport membrane module with permeation of carrier solution, J. Memb. Sci., 234, (2004) 83-94
そこで本発明は、単位ガス量あたりの回収エネルギーと多孔質膜の必要面積の減少による回収コストを低減したガス分離方法及びガス分離装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために従来技術における分離対象ガスの放散メカニズムについて鋭意検討し、膜素材による性能比較を行った結果、同じ素材の多孔質膜であれば、分離対象ガスの放散量が多孔質膜を透過する吸収液流量にほぼ比例することを見出した。
本発明のガス分離方法は、被分離ガスを吸収液と接触させることにより被分離ガス中の特定の分離対象ガスを吸収液に吸収させた後、吸収液を多孔質膜を介して吸収液側よりも減圧の空間と接触させることにより、分離対象ガスを多孔質膜の微細孔を通して減圧空間に放散させて回収する方法である。
本発明のガス分離装置は、被分離ガスを吸収液と接触させることにより被分離ガス中の特定の分離対象ガスを吸収液に吸収させる吸収部と、吸収部の後段に備えられ、吸収液が接触する多孔質膜と、吸収液を多孔質膜を介して吸収液側よりも減圧の空間にする減圧装置と、を備え、分離対象ガスを多孔質膜の微細孔を通して減圧空間に放散させて回収するものである。
そして、上記多孔質膜の材料として、酸化物、窒化物及び炭化物の内の少なくとも1つを含むセラミックス、又は熱誘起型相分離法により製造したポリオレフィンを用いるものである。
上記ポリオレフィンは、熱誘起型相分離法により成形した後、延伸加工して製造したものが好ましい。
上記分離対象ガスは二酸化炭素であり、吸収液はアミン、アミノ酸及び炭酸塩からなる群から選ばれた1種を含む溶液を挙げることができる。
上記多孔質膜の好ましい微細孔径は0.01〜200μmである。
上記多孔質膜の一例は、流路形状に形成されており、吸収液が流路内を流れ、流路の外側が減圧にされるものである。
本発明では、多数の多孔質膜の材料について検討した結果、酸化物、窒化物及び炭化物の内の少なくとも1つを含むセラミックス、又は熱誘起型相分離法により製造したポリオレフィン多孔質膜の孔径を大きくすることで透過液流量を増加させることができるとともに、放散ガス量も増大させることができることを見出した。これにより、単位ガス量あたりの回収エネルギーの大幅な低減と多孔質膜の必要面積の減少による回収コストの低減を達成できるようになる。
熱誘起型相分離法により成形した後、延伸加工して製造したポリオレフィンを用いるようにすれば、ガス分放散能はより向上することを見出した。
以下に本発明の実施例を詳細に説明する。
図1はガス分離に用いる膜モジュールとその周辺部の概略図を示している。
多孔質からなる膜モジュール11の上流側(図面の下)には、吸収液に原料ガスを吸収させる吸収部13が備えられている。膜モジュール11と吸収部13は流路15によって接続されており、分離ガスを吸収した吸収液は膜モジュール11に向かって流される。
吸収部13の上流はガス供給部17と吸収液供給部19になっている。
膜モジュール11の外側は内側に対して減圧にされており、分離対象ガス(例えばCO2)は、膜モジュール11の微細孔21を通して減圧空間に放散(分離)される。
この多孔質膜の材料として、酸化物、窒化物及び炭化物の内の少なくとも1つを含むセラミックス、熱誘起型相分離法により製造したポリオレフィン、又は熱誘起型相分離法により成形した後、延伸加工したポリオレフィンのいずれかを用いる。
ガス供給部17には燃焼排ガスなどの被分離ガスが供給されるが、ここでは実験系として二酸化炭素/窒素の混合気体を供給する。吸収部13において二酸化炭素は吸収液に吸収され、膜モジュール11から分離されるガスは二酸化炭素となり、二酸化炭素を選択的に分離することができるようになる。
吸収液は循環して使用される。
図2は本発明のガス分離実験装置の概略図である。
図1に示した膜モジュール11とその周辺部に、減圧装置等をさらに備えた。
膜モジュール11の上流側(図面の下)には、流路内に被分離ガスを吸収した吸収液を膜モジュール11に送液する送液装置23と吸収部13が接続されている。
膜モジュール11の外側にはガス流路25と吸収液流路37が接続されている。ガス流路25は貯蔵容器27とトラップ29を介し、膜モジュール11の外側を内側に対して減圧にする減圧装置31に接続され、放散されたガスが流される。吸収液流路37は貯蔵容器27に接続され、吸収液が流される。
膜モジュール11の下流側(図面の上)には、膜モジュール11の微細孔を透過しなかった吸収液を一時貯蔵するための貯蔵容器33が備えられている。貯蔵容器33は弁35を介して貯蔵容器27に接続されている。
吸収部13の上流側には、被分離ガスの実験系の例として二酸化炭素及び窒素を供給するガス供給部17と、吸収液供給部19が接続されている。
ガス供給部17の上流側には、それぞれ流量調整機構として、マスフローコントローラ45,47を介して二酸化炭素ボンベと窒素ボンベが接続されている。吸収液供給部19には、貯蔵容器27と、その内部の吸収液を送液する計量ポンプ39が備えられている。
吸収部の下流側には液分離部18が接続されている。液分離部18は、非分離ガス(N2)を系外へ除去し、分離対象ガス(CO2)を吸収した吸収液をポンプ23により膜モジュール11へ供給する。
また、減圧装置31の下流側には、ガスクロマトグラフ41とマスフローコントローラ43が備えられている。減圧装置31としては真空ポンプを用いることができ、
例えば10kPa程度の真空度に設定することができる。
本発明における被分離ガスとは、分離対象ガスを含む混合ガスのことである。分離対象ガスとしては、二酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素等の酸性ガス、エチレン、エタン等の炭化水素ガス、有機蒸気など、従来から知られている公知の各種ガスのことである。
吸収液は、分離対象ガスと可逆的に反応して吸収と放散を行う吸収剤、物理的に吸収と放散を行う吸収剤の溶液、又は吸収剤そのものからなり、既知の化学吸収又は物理吸収に用いられている各種吸収剤から選定することができる。
分離対象ガスが二酸化炭素の場合、吸収液としてはアミン類、炭酸塩類、アミノ酸類、及びそれらの混合物の水溶液を用いることができ、特に限定されない。
本発明で用いる膜モジュール11の形状は限定されるものではないが、最も用いやすく、また単位体積あたりの表面積を大きくできる形状として中空糸状多孔膜が好ましい。中空糸状多孔膜は、用途に合った形状、例えば円筒状の容器に適度な密度で充填された形で、一般に膜モジュールと呼ばれる形で用いられる。
次に図2の動作を説明する。
二酸化炭素と窒素は、マスフローコントローラ45,47により所定の流量に調整され、ガス供給部17を介して吸収部13に送られる。混合ガスは吸収液供給部19から送られてきた吸収液に吸収され、送液装置23の送液によって膜モジュール11内に導入される。
減圧装置31の減圧によって、膜モジュール11の微細孔21からはガスが放散されガス流路25を通り、膜モジュール11の微細孔21から出てきた吸収液は吸収液流路37を通って、ともに貯蔵容器27に導かれる。
その後、ガスはトラップ29で水分を除去され、ガスクロマトグラフ41とマスフローコントローラ43で定量測定される。
一方、膜モジュール11の微細孔を透過しなかった吸収液は、貯蔵容器33と弁35を介して貯蔵容器27に送られ、貯蔵容器27中の吸収液は計量ポンプ39の送液によって、吸収部13に導かれ、循環して再利用される。
本発明のガス分離方法のように、膜モジュール11内外の圧力差をガス放散の駆動力とした分離方法では、特定ガスの放散量は液相側のガス分圧と気相側のガス分圧の差に比例する。したがって、放散膜モジュールの入口における吸収液中の特定ガス含有量(吸収工程における特定ガスの吸収量)と気相側の特定ガスの分圧を一定にした条件で運転すれば、膜素材の違いによる性能比較が可能になる。本発明者らは、以上の観点から、無機物、有機物材料からなる多孔質膜を対象に、液相側のガス分圧と気相側のガス分圧の差が一定になるような運転条件でガス分離性能評価を行った。
その結果、特定ガスの放散量は、膜の素材や微細構造によって異なるが、比表面積、細孔容積、細孔径、空孔率、膜厚、屈曲率などを総合した特性としての透過液流量に関連づけられ、放散ガス量は多孔質膜を透過する吸収液流量にほぼ比例することを確認した。限外ろ過膜や精密ろ過膜に使用されているポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)などを膜素材とした多孔質膜の場合、単位透過液流量に対する放散ガス量は、同じ素材の膜で細孔径を大きくして透過液流量を大きくすると比例関係からはずれ、液流量の増加に見合う放散ガス量が得られないことがわかった。
一方、同様に限外ろ過や精密ろ過に使用されている多孔質セラミックス膜とポリオレフィン多孔膜では、透過液流量を増大させると、それに伴って放散ガス量が増大することを見出し、特許文献1で使用されているPES膜の他、PS膜やPTFE膜に比べて、CO2回収エネルギーと必要膜面積を大幅に低減できることを見出した。
ここでいうセラミックス膜とは、素材が酸化物、窒化物、炭化物の少なくとも1つからなる多孔質セラミックスであり、公知の方法で製造されたものである。酸化物の例としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ランタンなどの金属酸化物またはそれらの固容体を挙げることができる。窒化物としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどが例として挙げられる。炭化物としては、炭化ケイ素、炭化ジルコニウムなどが例として挙げられる。
また、ポリオレフィン膜とは、熱誘起型相分離法、すなわち、ポリオレフィンと有機液体とを均一に溶融混合し、紡口より押出成形した後冷却により相分離を生起させ固化し、固化物中の有機液体を除去する方法により製造したポリオレフィン多孔質膜である。ポリオレフィンの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
さらに、熱誘起型相分離法で成形したポリオレフィン多孔膜を5倍以下、望ましくは2倍以下の倍率で延伸することにより、透過液流量、放散ガス量ともに増加させることができ、押出成形しただけのポリオレフィン多孔膜に比べて、CO2回収エネルギーと必要膜面積をより一層低減できることを見出した。
また、これらの中空糸状多孔膜は上記の延伸加工以外に表面加工等の二次加工を施してもよいし、上記の素材を含んでいれば他の素材と複合化してもよい。
ここで用いられる多孔質膜は、一般に限外ろ過や精密ろ過に用いられている多孔膜と同じ孔径範囲のものが用いられるが、好ましくは孔径が0.01μm〜200μmのもの、さらに望ましくは0.05μm〜100μmのものが好適に用いられる。
内径が小さい中空糸は吸収液を流すための圧力損失が大きくなり、また外径が大きい中空糸は体積あたりの表面積が小さくなるため、用いられる中空糸のサイズは、内径が0.1mm〜10mmであることが好ましい。中空糸の長さは通常0.1m〜3m、望ましくは0.5m〜2mで用いられる。
本発明のガス分離方法は、吸収工程において従来公知の方法で被分離ガス中の特定の分離対象ガスを吸収させ、その吸収液を放散工程にある多孔質膜に供給し分離対象ガスを放散させるものである。
また、吸収工程を別に設けることなく被分離ガスと吸収液を混合状態で同時に多孔質膜へ供給し、吸収液が分離対象ガスを吸収した後、多孔質膜の微細孔を透過させ分離対象ガスを放散させることも可能である。放散工程においては、吸収液の沸点以下で加熱することにより特定ガスの放散効率を向上させることもできる。
次にCO2分離回収試験を詳細に説明する。
[CO2分離回収試験]
実施例1〜5及び比較例1−1〜3−2で作製する各膜モジュールの仕様一覧を表1に示す。
Figure 2008104953
すべての実施例と比較例の試験において、(1)吸収液は2mol/Lのジエタノールアミン(DEA)水溶液を使用する。(2)試験ガスの流量は、どの膜モジュールにおいても、吸収部出口における吸収液中のCO2量が平衡吸収量の90%以上になるよう設定する。(3)CO2を吸収した吸収液を膜モジュールの中空糸内側に供給する。(4)試験ガス及び吸収液の温度は30℃に制御する。(5)膜モジュール中空糸外側を真空ポンプで減圧(10kPaに制御)に引き、石鹸膜流量計で放散されたガスの流量を、ガスクロマトグラフでガスの組成を測定する。
実施例1〜7として、以下の方法により膜モジュールを作製した。
[実施例1〜2]
微細孔径0.25μm、気孔率67%のポリエチレン(旭化成ケミカルズ社製)中空糸(マイクローザMF)を、アクリル樹脂パイプ内に設置し、両端をエポキシ樹脂で固定封止して膜モジュールとした。
[実施例3〜5]
微細孔径の大きさがそれぞれ0.5、1.0、14μm、気孔率36%の多孔質アルミナチューブ(セフィルトMF、酸化アルミニウム成分が95%以上、残り5%に酸化ケイ素を含む:日本碍子製)を、アクリル樹脂パイプ内に設置し、両端をエポキシ樹脂で固定封止して膜モジュールとした。
[実施例6〜7]
微細孔径0.25μm、気孔率67%のポリエチレン(旭化成ケミカルズ社製)中空糸(マイクローザMF)を、恒温槽内に片端を固定し吊り下げ60℃で1時間加熱した。そのまま60℃の恒温槽内で1.5倍に延伸し中空糸の両端を固定した。恒温槽温度を120℃に上げ1時間加熱処理を行った後、恒温槽のスイッチを切り自然放冷した。室温まで冷却した後中空糸を取り出し長さを測定した結果、最初の長さの1.5倍に延伸されたことを確認した。
中空糸の内外径を測定した結果、内径が0.7mmから0.64mmに、外径が1.2mmから1.11mmに細くなっていることがわかった。また気孔率は67%から70%にわずかに大きくなった。この中空糸を用いて実施例1と同様に膜モジュールを作製した。
また、比較例1−1〜3−1では以下の方法により膜モジュールを作製した。
[比較例1−1〜2−1]は、ポリスルホン(アマシャム・バイオサイエンス社製)中空糸(ラボスケールカートリッジ)、[比較例3−1]は、ポリエーテルスルホン(ダイセン・メンブレン・システムズ社製)中空糸(MOLSEP)を、実施例1と同様の方法で膜モジュールとした。
[CO2/N2=40/60の流量比で検討]
これらの膜モジュールをCO2分離試験装置に取り付け、CO2/N2を試験ガスとしてCO2の分離回収試験を行った。CO2、N2それぞれのボンベガスをマスフローコントローラ45,47によりCO2/N2=40/60の流量比に制御し、ガス混合器(図示は略)を通してバブルカラム方式の吸収部13に供給した。結果を表2及び図3に示す。
Figure 2008104953
次に、これらの実験結果をもとに、CO2を80%の回収率で分離回収したと仮定したときの回収エネルギーを計算した。動力の必要な主な機器は、ブロワー(図示は略)、送液装置23、真空ポンプ(減圧装置31)である。ブロワーによる吸収部へのガス導入圧力を1.1気圧、10kPaの減圧容器からの吸引であること、従来設備と同等の吸収塔高さなどを設定して揚程を38mとした。
さらに、アルミナ1.0μm膜の必要膜面積を1として、それぞれの膜素材の必要膜面積の相対値を求めた。分離回収エネルギーを下げることは運転コストの低減に、必要膜面積を下げることは設備コストの低減につながる。
二酸化炭素を回収する場合、表2及び図3から、ポリスルホンやポリエーテルスルホンによる膜モジュールでは多くのエネルギーが必要になるが、ポリエチレンやアルミナによる膜モジュールでは少ないエネルギーで回収できることが確認された。
[CO2/N2=15/85の流量比で検討]
上記の表2及び図3では、CO2/N2の流量比を40/60として検討したが、充分な効果があることがわかったので、流量比を15/85に設定し、表2と同様に回収エネルギー等を計算した。計算条件等は表2と同様である。結果を表3及び図4に示す。
膜モジュールとしては実施例1〜5と同様のものと、以下の方法により作製した比較例1−2〜3−2を用いた。
[比較例1−2〜2−2]はポリスルホン(アマシャム・バイオサイエンス社製)中空糸(ラボスケールカートリッジ)を、[比較例3−2]はポリエーテルスルホン(ダイセン・メンブレン・システムズ社製)中空糸(MOLSEP)を、実施例1と同様の方法で膜モジュールとしたものである。
[比較例4−2〜8−2]
[比較例4−2〜8−2]は、特許文献1に記載の結果を本願実施例と同じ前提条件で、回収エネルギーと必要膜面積を計算し直した結果を併記した。
Figure 2008104953
試験ガスのCO2濃度が40%と比較的高い場合(表2、図3)本願特許のポリエチレンやアルミナを素材とする膜モジュールでは、回収エネルギー(単位量のCO2を回収するために必要なエネルギー)がポリスルホン、ポリエーテルスルホンを素材とした膜モジュールでの回収エネルギーよりも低く、且つ同一量のCO2を回収するために必要な膜面積も大幅に少なくてすむことがわかる。
試験ガスのCO2濃度が15%と比較的低い場合(表3、図4)、ポリスルホン又はポリエーテルスルホンを素材とした膜モジュールの回収エネルギーは、ポリエチレンやアルミナを素材とする膜モジュールと同等のものもあるが、必要膜面積は7〜14倍と非常に大きくなっている。上記のように熱誘起型相分離法により製造したポリエチレンをそのまま用いた膜モジュール(PE−025)でも従来用いられたポリエーテルスルホンにくらべ大幅な性能向上が認められるが、このポリエチレンを1.5倍に延伸した膜モジュール(延伸PE−025)では、さらに回収エネルギー、必要膜面積両者ともに小さくできることを見出した。
すなわち、本発明のCO2分離回収方法においては、アルミナ膜、ポリエチレン膜が低コストで省エネルギーの分離回収を可能にすることができることがわかった。
実施例5の延伸PE膜モジュールでは、押出成形ポリエチレン(PE−025)に比べて、吸収液流量、回収CO2流量が増加しており、その結果回収エネルギー、必要膜面積を大幅に低減できることがわかった。
本発明は、発電所等から排出される燃焼排ガスや製造プロセス、発酵プロセス等において発生するガスから、二酸化炭素などの特定の成分を分離するための方法と装置に利用することができる。
ガス分離に用いる膜モジュールとその周辺部の概略図を示している。 本発明のガス分離実験装置の概略図である。 CO2/N2=40/60の流量比に制御したときの結果である。 CO2/N2=15/85の流量比に制御したときの結果である。
符号の説明
11 流路
13 吸収塔
15 流路
17 ガス供給部
19 吸収液供給部
21 微細孔
23 送液装置
25 ガス流路
27 貯蔵容器
31 減圧装置
37 吸収液流路

Claims (8)

  1. 被分離ガスを吸収液と接触させることにより被分離ガス中の特定の分離対象ガスを前記吸収液に吸収させた後、前記吸収液を多孔質膜を介して吸収液側よりも減圧の空間と接触させることにより、分離対象ガスを前記多孔質膜の微細孔を通して減圧空間に放散させて回収するガス分離方法において、
    前記多孔質膜の材料として、酸化物、窒化物及び炭化物の内の少なくとも1つを含むセラミックス、又は熱誘起型相分離法により製造したポリオレフィンを用いることを特徴とするガス分離方法。
  2. 前記ポリオレフィンは、熱誘起型相分離法により成形した後、延伸加工して製造したものである請求項1に記載のガス分離方法。
  3. 前記分離対象ガスは二酸化炭素であり、前記吸収液はアミン、アミノ酸及び炭酸塩からなる群から選ばれた1種を含む溶液である請求項1又は2に記載のガス分離方法。
  4. 前記多孔質膜の微細孔径は0.01〜200μmである請求項1から3のいずれか一項に記載のガス分離方法。
  5. 被分離ガスを吸収液と接触させることにより被分離ガス中の特定の分離対象ガスを前記吸収液に吸収させる吸収部と、前記吸収部の後段に備えられ、前記吸収液が接触する多孔質膜と、前記吸収液を前記多孔質膜を介して吸収液側よりも減圧の空間にする減圧装置と、を備え、分離対象ガスを前記多孔質膜の微細孔を通して減圧空間に放散させて回収するガス分離装置において、
    前記多孔質膜の材料として、酸化物、窒化物及び炭化物の内の少なくとも1つを含むセラミックス、又は熱誘起型相分離法により製造したポリオレフィンのいずれかを用いたことを特徴とするガス分離装置。
  6. 前記多孔質膜は流路形状に形成されており、吸収液が流路内を流れ、流路の外側が減圧にされる請求項5に記載のガス分離装置。
  7. 前記ポリオレフィンは、熱誘起型相分離法により成形した後、延伸加工して製造したものである請求項5又は6に記載のガス分離装置。
  8. 前記多孔質膜の微細孔径は0.01〜200μmである請求項5から7のいずれか一項に記載のガス分離装置。
JP2006290348A 2006-10-25 2006-10-25 ガス分離方法及びガス分離装置 Pending JP2008104953A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006290348A JP2008104953A (ja) 2006-10-25 2006-10-25 ガス分離方法及びガス分離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006290348A JP2008104953A (ja) 2006-10-25 2006-10-25 ガス分離方法及びガス分離装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008104953A true JP2008104953A (ja) 2008-05-08

Family

ID=39438763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006290348A Pending JP2008104953A (ja) 2006-10-25 2006-10-25 ガス分離方法及びガス分離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008104953A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012055838A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Japan Organo Co Ltd 空気浄化装置
WO2012157525A1 (ja) * 2011-05-13 2012-11-22 日立造船株式会社 二酸化炭素回収方法における二酸化炭素吸収液の再生方法
JP2016526477A (ja) * 2013-06-14 2016-09-05 イオナダ インコーポレイテッド 膜ベースの排気ガス洗浄方法およびシステム
JP2019205966A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 イーセップ株式会社 Co2膜分離方法
JP7413517B2 (ja) 2019-10-01 2024-01-15 コリア シップビルディング アンド オフショア エンジニアリング カンパニー リミテッド 排気ガス処理装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012055838A (ja) * 2010-09-09 2012-03-22 Japan Organo Co Ltd 空気浄化装置
WO2012157525A1 (ja) * 2011-05-13 2012-11-22 日立造船株式会社 二酸化炭素回収方法における二酸化炭素吸収液の再生方法
JP2012236181A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Hitachi Zosen Corp 二酸化炭素回収方法における二酸化炭素吸収液の再生方法
CN103619443A (zh) * 2011-05-13 2014-03-05 日立造船株式会社 二氧化碳回收方法中的二氧化碳吸收液的再生方法
CN103619443B (zh) * 2011-05-13 2015-11-25 日立造船株式会社 二氧化碳回收方法中的二氧化碳吸收液的再生方法
US9656211B2 (en) 2011-05-13 2017-05-23 Hitachi Zosen Corporation Method for regenerating carbon dioxide absorbing liquid in carbon dioxide recovery method
JP2016526477A (ja) * 2013-06-14 2016-09-05 イオナダ インコーポレイテッド 膜ベースの排気ガス洗浄方法およびシステム
JP2019205966A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 イーセップ株式会社 Co2膜分離方法
JP7413517B2 (ja) 2019-10-01 2024-01-15 コリア シップビルディング アンド オフショア エンジニアリング カンパニー リミテッド 排気ガス処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mansourizadeh et al. Hollow fiber gas–liquid membrane contactors for acid gas capture: a review
Lee et al. Preparation, characterization and laboratory-scale application of modified hydrophobic aluminum oxide hollow fiber membrane for CO2 capture using H2O as low-cost absorbent
AU2014238156B2 (en) Method and apparatus for desorption using microporous membrane operated in wetted mode
JP5010109B2 (ja) 水素製造装置および水素製造方法
JP6553739B2 (ja) ガス回収装置、ガス回収方法、及び、半導体洗浄システム
JP2007330965A (ja) 多成分の供給流れの成分を分離するための方法
Rahim et al. Stripping of CO2 from different aqueous solvents using PVDF hollow fiber membrane contacting process
KR19980070495A (ko) 단화된 흡착막을 사용하여 다성분 기체 혼합물을 분리하는 방법
AU2013350316B2 (en) Process and apparatus for heat integrated liquid absorbent regeneration through gas desorption
JP2008104953A (ja) ガス分離方法及びガス分離装置
JP2008200589A (ja) ガス分離方法及びガス分離装置
KR101862769B1 (ko) 바이오 가스로부터 고순도 메탄 가스 정제 장치 및 이를 이용한 고순도 메탄 정제 방법
JP4486606B2 (ja) 二酸化炭素ガス分離装置及び二酸化炭素ガス分離方法
Atlaskin et al. Evaluation of the absorbing pervaporation technique for ammonia recovery after the Haber process
Lee et al. Integrated membrane contactor absorber/regeneration column process for CO2 capture with large scale module at various operating conditions
JP4405474B2 (ja) 気体放散構造及び気液分離装置
AU2013201349B2 (en) Membrane stripping process for removing volatile organic compounds from a latex
JP4861729B2 (ja) 水素製造方法および水素製造装置
JP4357882B2 (ja) ガス分離方法およびその装置
RU2672452C1 (ru) Мембранный контактор для очистки природных и технологических газов от кислых компонентов
KR20140034699A (ko) 액체로부터 휘발성 유기 화합물을 제거하기 위한 다중 멤브레인
WO2022044481A1 (ja) Co2分離方法、co2分離装置、及び燃焼システム
JP2005329348A (ja) 浸漬型co2分離装置
KR102446241B1 (ko) 세라믹 중공사막 모듈 및 이를 가지는 기체 분리 장치
JP2009189929A (ja) ガス分離方法及びガス分離装置