JP2008104446A - 線条体架設装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】支柱の間に線条体を架設する際に、線条体が容易に取付けられる共に、線条体の取付高さを容易に調整できる線条体支持装置を提供する。
【解決手段】適宜間隔をあけて立設された支柱3に線条体Cを架設するための合成樹脂からなる線条体架設装置Pであって、線条体Cが取付けられる碍子部1と、碍子部1に一体的に形成された相対向する2個の挟持片4からなる支柱取付部2と、回動によって両挟持片4の間隔を拡縮するリング部材5とを備え、挟持片4の間に支柱3が挿入されると共に、リング部材3を回動することによって、両挟持片4が支柱3に締付けられるように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、害獣が田畑や果樹園に侵入するのを防止したり、家畜が牧場の柵から外に逃げ出したりしないようにするために用いられる電気柵用の電線支持装置に関するものである。
一般に、田畑や果樹園等に猪、鹿、猿等の害獣が侵入しないようにするために、田畑等の境界部に沿って支柱を立設し、この支柱に電線を張り巡らせた電気柵が用いられている。害獣がこの電気柵に近づいて電線に触れると電気的な衝撃が加わり、電気柵を忌避して近づかなくなる効果を狙ったものである。又、牛や羊等の家畜が牧場の柵から外に逃げ出さないようにするために、同様な電気柵が用いられている。
電気柵で用いられる電線は、裸電線であったり、繊維に金属線を編み込んだものであったりするので、電線を支柱に取付ける場合には、漏電しないような絶縁性を有する取付装置を用いる必要がある。一般的には、セラミックや合成樹脂等から作製された碍子に電線を取付けると共に、この碍子にボルト等の金具を取付けら、支柱に設けられた貫通孔に通し、金具の先端部にナットを螺合して固定する方法が提案されている。この方法では、碍子の高さ調整が難しく、再度、支柱に孔開け作業が必要となる場合があり、特に、電気柵が多く施工される山間部は、地面の傾斜具合に合わせて碍子の取付け高さ調整が必要となる場合が多く、施工性に問題があった。
そこで、この問題を解決するために、軸部の一端に支柱が嵌合される半円状のフック部が設けられると共に他端には蝶ナットが螺合された取付金具と、取付金具の軸部に挿通された碍子とからなる電気柵線の支持装置が提案されている。
この電気柵線の支持装置は、取付金具によって支柱に嵌合させることができるので、支柱に固定用の孔をあける作業が必要なく、又、蝶ナットを螺入して碍子の頭部を押圧させながら、碍子の底部を支柱の外周面に押し当てることによって、この支持装置を支柱に強固に固定することができる。更に、碍子の底部には支柱の外周面に沿って切り欠き部が形成されているので、碍子が不用意に位置ずれすることも起こりにくくなる。(例えば、特許文献1参照。)。
実開昭59−21515号公報
しかしながら、前記の電気柵線の支持装置には次のような問題点があった。すなわち、碍子の頭部から取付金具の螺子部が突出し、更にこの螺子部に蝶ナットが螺合されているので、碍子に電気柵線を巻き付ける際、作業者が、電気柵線を誤って螺子部や蝶ナットに巻き付ける場合や、作業者の手や衣服に螺子部や蝶ナットが引っ掛かる恐れがあり、施工性が低下し、その点が問題であった。
本発明は、前記の如き問題点を解消し、支柱の間に線条体を架設する際に、線条体が容易に取付けられる線条体支持装置を提供せんとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわちこの発明に係る線条体架設装置は、適宜間隔をあけて立設された支柱に線条体を架設するための合成樹脂からなる線条体架設装置であって、線条体が取付けられる碍子部と、碍子部に一体的に形成された相対向する2個の挟持片からなる支柱取付部と、回動によって両挟持片の間隔を拡縮するリング部材とを備え、挟持片間に支柱が挿入されると共に、リング部材を回動することによって、両挟持片が支柱に締付けられるようになされたことを特徴とするものである。
本発明によれば、線条体が取付けられる碍子部と、碍子部に一体的に形成された相対向する2個の挟持片からなる支柱取付部と、回動によって両挟持片の間隔を拡縮するリング部材とを備え、挟持片間に支柱が挿入されるようになされているので、碍子部には蝶ナット等の支柱に固定される際に用いる取付金具等を直接取付ける必要がなく、碍子部に線条体を取付ける際に、線条体や作業者の指が引っ掛かかるような恐れが低くなり、作業性の向上を図ることができる。
本発明において、支柱取付部は、両挟持片の端部よりそれぞれ相対向して突出された断面半円形状の二個の突出部からなる締付部が形成され、該締付部にリング部材が回動可能に係合されると共に、締付部の外周面には突起が設けられ、該突起の上端部がリング部材の内周面に設けられた凹み面に摺動可能に当接され、前記凹み面はリング部材の回動方向に沿って徐々に浅くなっているようになされれば、凹み部の深さを適宜設定することによってリング部材の比較的僅かな回動操作によって、挟持片の間隔を容易に拡縮させることができるので、螺子やボルト・ナット等を用いた場合のように、複数回回転させる必要がなく、線条体架設装置の支柱への固定や、高さの調整がより容易となる。
又、本発明において、リング部材の凹み面は、リング部材の回動方向と直交する方向に凸条が形成されれば、リング部材を回動させて、両挟持片の間隔を狭めて支柱に固定する際、溝部の突起は、凸条を超えると逆戻りしにくくなるので、支柱に対して両挟持片の締付力が低下して、挟持片による挟持位置が下方にずれたり、不用意に滑り落ちるような不具合は起こりにくくなる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
すなわち、図1は本発明に係る線条体架設装置の実施の一形態を示す説明図、図2は本発明に係る線条体架設装置の使用状態の一形態を示す正面図、図3は図1の主要部の拡大図、図4は図3の部分分解側面図、図5はリング部材の説明図、図6は図3のB−B拡大断面説明図、図7は図1のキャップ部材の説明図である。
図面において、1は線条体Cが取付けられる碍子部、2は支柱3を締付けるための2個の挟持片4からなる支柱取付部2、5は2個の挟持片4の間隔を拡縮するリング部材である。本形態に係る線条体架設装置Pは、碍子部1、支柱取付部2、及びリング部材5から主に構成されたものであり、碍子部1に線条体Cが取付けられるものである。
線条体Cは、一般的には、金属製の線条体のみからなるものや、これに合成樹脂製の線条体を適宜編み合わせたものが用いられ、田畑や果樹園等の周囲を囲い、猪、鹿、猿等の害獣を侵入させないようにすると共に、通電させて接触した害獣に電気的な衝撃を与えるものである。金属製の線条体としては、屋外に設置されても腐食しにくく、又、碍子部1等に巻き付けやすい柔軟性と、支柱間に架設できる程度の強度を有するアルミニウム合金製の線条体が好適に用いられるが、他の金属、例えば、鋼線、ステンレス鋼線、銅線等を用いてもよい。又、合成樹脂製の線条体としては、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド等を好適に用いることができる。尚、線条体Cは、通電させる必要がない場合は合成樹脂製の線条体のみからなるものでもよい。
図1に示された支柱3は、一般には、鋼管に合成樹脂を被覆したものであり、比較的軽量で強度に優れ、又合成樹脂の被覆により、耐食性や耐久性を向上させると共に、外周部から通電しにくくなされているので好適に用いられる。尚、この形態に限られるものではなく、木材製の支柱でもよく、合成樹脂製の支柱でもよく、線条体架設装置Pが取付け可能であり、碍子部1に線条体Cが取付けられ支柱3の間に線条体Cが架設されるために充分な強度を有したものを適宜使用することができる。
支柱3の上端には、図1に示すように、キャップ部材31が取付けられている。図7はキャップ部材31の説明図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(b)のD−D断面図である。キャップ部材31は、外形が略円柱状に形成され、支柱3の上端が挿入される孔部32と、線条体Cが取付けられる下取付部33と、上取付部34とからなる。孔部32は、キャップ部材31の下部に形成され、下方に向けて開口されると共に、孔部32の底部から出入口に向かって横断面十字状の突設部を有したものである。支柱3は、孔部32の内壁面と前記突設部の側端部との間に挿入され、上端部が覆われると共に、内部に雨水等が浸入しないようになされている。
下取付部33は、孔部32の上部に設けられ、正面側から内部側に向けて左右に挿通されたガイド溝35を備えると共に、ガイド溝35の奥部には上下方向にそれぞれ延設された段部35が形成されたものである。これによって、線条体Cは、ガイド溝35を通して奥部で左右方向に挿通させれば、段部36によって正面側には抜け出しにくくなる。
ガイド溝35の形態は、特に限定されるものではないが、本形態のように、正面視逆V字状に形成されれば、ガイド溝35の奥部で左右方向に挿通された線条体Cは、正面側にはより抜け出しにくくなる。又、ガイド溝35の下壁部の頂部は、上壁部の両端部を結ぶ線より高くなされており、線条体Cはより抜け出しにくくなる。尚、ガイド溝35の形態は、正面視V字状、或いは、円弧状に形成されても同様な効果を奏することができる。又、ガイド溝35の下方の側壁部は、奥部から正面側に向けて斜め下向きに切り欠かれた斜面36が形成されている。これによって、作業者は、線条体Cをガイド溝35の正面側から奥部に挿通させやすくなる。
上取付部34は、キャップ部材31の頭部に設けられ、上端部から下方に向けて縦断面U字状の溝部37が形成されると共に、その下方は縮径されたものである。この構造によって、線条体Cを前記縮径部38に巻き付ける際、線条体Cを適宜溝部37に挿通させれば、巻き付けられた線条体Cはより滑りにくくなる。尚、線条体Cをと付ける必要がない場合は、キャップ部材31は、下取付部33及び上取付部34がない形態でもよい。
次に、本形態に係る線条体架設装置Pについて説明する。図1は、本形態に係る線条体架設装置Pを示すものであり、(a)は正面図、(b)は側面図である。線条体架設装置Pは、線条体Cが取付けられる碍子部1と、支柱取付部2とを備え、支柱取付部2の挟持片4の間に支柱3が挿入されると共に、支柱取付部2の端部にリング部材5を回動させることにより両挟持片4が支柱3に締付け可能となり、支柱3の任意の位置に固定できるものである。
線条体架設装置Pについて更に詳しく説明する。図3は、図1に示された線条体架設装置Pの拡大図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図である。先ず、碍子部1は、線条体Cが取付けられる軸部11と、軸部11の外周部に沿って設けられた2個の円盤部材12とを有している。又、碍子部1の頭部側は、軸部11と円盤部12の外側面とが略面一になされている。これにより、図2に示すように、線条体Cを軸部11に巻き付けて碍子部1に取付ける際、一般的に、作業者は碍子部1の頭部側で線条体Cの取付作業を行うため、作業者の手や衣服が碍子部1の外側面に引っ掛かることがなく、線条体Cを円盤部12の間の軸部11に巻き付けやすくなる。
更に、2個の円盤部12の間には、外周面から中央に向けて切欠溝14が形成された切欠円盤部材13が設けられている。この構造により、線条体Cを一方の円盤部12と切欠円盤部13との間に巻き付け、次に切欠溝14を通して他方の円盤部12と切欠円盤部13との間に巻き付けることにより、線条体Cが弛みにくくなる。
続いて、図4は、線条体架設装置Pにおいて、リング部材5を外した部分分解説明図であり、(a)は上面図、(b)は(a)の矢印側から見た支柱取付部2の正面図である。支柱取付部2は、碍子部1の底部から一体的に形成された相対向する2個の挟持片4からなり、挟持片4は、支柱3の外周面に沿って横断面円弧状に形成され、その内径は、支柱3の外径と略同径となされている。又、2個の挟持片4は、その端部よりそれぞれ相対向して突出された2個の突出部61からなる締付部6が設けられている。突出部61の外周面62はそれぞれ縦断面円弧状に形成され、その内壁面63はそれぞれ略平面状に形成された断面半円形状に形成されると共に、相対向する内壁面63は間隔をあけて設けられている。つまり、締付部6は、その外周面が2個の突出部61の外周面62によって断面円形状に形成されると共に、その中央部が上下方向に間隔を設けられた形態である。
図5は、リング部材5の説明図であり、(a)は頭部側からみた平面図、(b)は底面側から見た平面図、(c)は(b)のC−C断面図である。リング部材5は、その厚さが締付部6の突出長さと同程度になされると共に、その厚さ方向に形成された孔部51の内径は締付部6の外周面の外径と同程度となされている。これにより、リング部材5を締付部6の外周面に沿って回動可能に配置することができる。又、リング部材5の外周面には取っ手が突設されている。本形態では、前記取っ手は外周面の相対する位置にそれぞれ設けられているが、作業者がリング部材5を回動させやすい位置に設けられたものであればよい。
次に、締付部6に対するリング部材5の係合形態について説明する。図4に示すように、突出部61の頭部には外周面62の円周方向に係止突条64がそれぞれ形成され、係止突条64の外径はリング部材5の孔部51の内径より大きくなされている。又、係止突条64の外周面には係止突起65が側方に向けて相対してそれぞれ突出されている。これによって、リング部材5は、係止突条64及び係止突起65により容締付部6からは容易には抜け出さなくなる。尚、本形態では、図6の(a)、(c)示すように、リング部材5の孔部51において、頭部から底部に向けて円周方向に切り欠かれてその外径が係止突起65間の距離より大きい段部52が形成されている。これによって、係止突条64は、孔部51の頭部側から突出せず、孔部51の内部に配置させることが可能となり、作業者がリング部材5を回動させる際に、握りやすく、指等が突出部61の間の隙間に挟まれにくくなり、作業性を向上させることができる。
次に、挟持片4の間隙を拡縮する機構について説明する。具体的には、挟持片4の締付部6において、相対向する2個の突出部61の間隔を拡縮させる機構について説明する。
締付部6の外周面62は、図4及び図6に示すように、基端から先端方向に向けて相対して形成された突起66を備えている。又、リング部材5には、図5及び図6に示すように、その孔部51の内壁面に底部から頭部に向けて設けられた凹み面53が形成されている。そして、リング部材5を円周方向に回動させた際、突起66の上端部67が凹み面53に摺動可能に当接されたものであり、相対向する凹み面53は、リング部材5の回動方向に沿って相対して徐々に浅くなっている。
この構造によって、図6の(a)に示した状態から、突起66に対してリング部材5を凹み面53が浅くなる方向に回動させると、図6の(b)に示すように、リング部材5は凹み面53に当接された突起66を介して締付部6の2個の突出部61をそれぞれ内方に押圧し、2個の突出部61の間隔が狭められる。つまり、リング部材5の回動操作によって、突出部61の間隔が拡縮可能となるので、挟持片4の間隔も拡縮可能となり、図1に示されるように、挟持片4の間に支柱3が挿入された状態では、挟持片4は、支柱3の任意の位置に配置することが可能となり、その位置で支柱3を締付けて固定することができる。又、蝶ナット等で締付ける場合は、一般的に複数回転させるため、その都度持ち替える必要があったが、本形態では、リング部材5を半回転させる範囲で締付け操作が可能となるため、作業者は、リング部材5を持ち替える必要がなく作業性が向上する。
凹み面53は、リング部材5の回動方向と直行する方向に形成された凸条54を備えている。これによって、リング部材5を突起66に対して凹み面53が浅くなる方向に回動させた際、突起66が凸条54を超えると、突起66はこの凸条54によって不用意に逆方向に回動しなくなり、支柱3に対する挟持片4の締付力が低下しにくく、挟持片4は支柱3に対する位置ずれが起こりにくくなる。
凸条54の数は1個でもよいが、本形態のように複数個形成されていると、支柱3外径の誤差が生じても、挟持片4が支柱3を充分締付けるまでリング部材5を回動させれば、突起66が最後に超えた凸条54によってリング部材5は逆方向に回動しにくくなり、挟持片4は支柱3に対する位置ずれがより起こりにくくなる。
突起66の形成位置は、特に限定されるものではないが、本形態では締付部6の外周面62の頂部に形成されている。これによって、リング部材5を回動させた際に、効果的に突出部61の間隔を拡縮させることができる。又、突起66の数は1個でもよいが、2個の方が突出部61の間隔をより効果的に狭めやすくなり好ましい。つまり、リング部材5の回動量をより少なくできるので、作業をより効率的に実施することができる。
次に、支柱取付部2の挟持片4において、円弧状部の形態について詳しく説明する。挟持片4は、本形態では、図4に示すように、円弧状部の中心角αの挟持片4aと、円弧状部の中心角βの挟持片4bとからなり、その角度は、90°<α<180°<β<270°の関係にある。挟持片4aは厚さがほぼ均一になされているが、挟持片4bは、外周面が凹んだ薄肉部41を備えている。これによって、リング部材5を回動させて挟持片4a、4bの間隔を狭めて支柱3を締付ける際、主に挟持片4bの薄肉部が弾性変形され、挟持片4aは弾性変形されにくい。つまり、支柱3の外周面は、挟持片4aの内壁面に沿ってほぼ当接され、挟持片4bによってその対向部箇所から押圧され締付けられるものであり、挟持片4が同じ長さである場合と比較して、挟持片4a、4bは、支柱3の外周面との接触面積が大きくなり、支柱3をより強固に締付けて滑りにくくすることができる。
又、図10に示すように、挟持片4の内周面に上下方向に沿って突条42を設けてもよい。これにより、支柱(図示せず)をより強固に締付けて滑りにくくすることができる。突条42の位置は挟持片4の内周面であれば特に限定されるものではないが、本形態では挟持片4の端部は先細り形状であり、この位置に突条42を設けることにより、支柱を締付ける際に、突条42が不必要に突出することなく比較的大きな形状とすることができ、突条42がつぶれにくく、支柱をより強固に締付けることができる。
又、この構造によって、図3の(b)示すように、碍子部1を正面に配置するとリング部材5は右斜め後方向に位置することになるので、碍子部1に線条体Cを取付ける際、線条体Cがリング部材5に引っ掛かるようなことは起こりにくくなり、取付操作がより容易となる。更に、リング部材5が真後ろに位置する場合に比べて、その回動操作が比較的容易となり、より好ましい。そして、線条体取付装置Pを左右反転させれば、作業者の利き手に応じて、作業しやすい側にリング部材5を位置させることが可能となる。
図8〜9は、本発明に係る線条体架設装置の実施の第二形態を示す斜視図である。第二形態に係る線条体架設装置は、図3に示された線条体架設装置と比べて、碍子部1の切欠円盤部13が上下方向に引き伸ばされた点が異なるものであり、他は図3に示されたものと同様である。
すなわち、図9は、本形態に係る線条体架設装置の部分拡大図であり、(a)は碍子部1の拡大正面図、(b)は碍子部1の拡大平面図である。(b)に示すように、碍子部1の切欠円盤部13が上下方向に引き伸ばされた楕円形状であり、両側の円盤部12、12と比べて、上下方向の寸法が長くなされたものである。一般に、線条体Cを碍子部1に巻き付ける際、図2に示すように、適宜間隔をあけて線条体架設装置Pを取付けた支柱3を複数立設させ、線条体Cを一端の支柱側から順に巻き付ける場合と、図8の(a)に示すように、まず、線条体Cの両端を固定して架設し、その後、(b)に示すように線条体Cを切欠円盤部13の切欠溝14に引っ掛て取付ける場合がある。後者の場合は、線条体Cが張設された状態にあるため、本形態のように切欠円盤部13が両側の円盤部12より上下方向の寸法が長くなされていれば、線条体Cを引っ掛けやすくなり、又切欠溝14が深いほど引っ掛けられた線条体Cが外れにくくなり好ましい。
碍子部1、碍子部1に一体的に形成された挟持片2、及びリング部材5は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアセタール等の合成樹脂から作成されるものであり、必要となる耐候性、強度、弾性等に応じて適宜使用できる。
本発明によれば、線条体支持装置は、支柱の間に線条体を架設する際に、線条体を容易に取付けることができるので、田畑や果樹園等の周囲に線条体を取付ける際、特に設置長さが長距離に及ぶ場合や、線条体の取付数が多い場合に、好適に用いることができる。又、支柱に対する設置高さの調整も容易にできるので、傾斜地等の設置場所が水平でない場所に取付ける場合にも、好適に用いることができる。
本発明に係る線条体架設装置の実施の一形態を示す正面図である。 本発明に係る線条体架設装置の使用状態の一形態を示す正面図である。 図1の主要部の拡大図である。 図3の部分分解説明図である。 リング部材の説明図である。 図3のB−B拡大断面説明図である。 図1のキャップ部材の説明図である。 本発明に係る線条体架設装置の実施の第二形態を示す斜視図である。 図8の部分拡大図である。 本発明に係る線条体架設装置の変形を示す部分拡大平面図である。
符号の説明
1 碍子部
13 切欠円盤部
2 支柱取付部
3 支柱
31 キャップ部材
33 下取付部
34 上取付部
35 ガイド部
36 段部
37 斜面
4、4a、4b 挟持片
41 薄肉部
42 突条
5 リング部材
53 凹み面
54 凸条
6 締付部
61 突出部
62 外周面
63 内壁面
64 係止突条
65 係止突起
66 突起
C 線条体
P 線条体架設装置
α、β 中心角

Claims (3)

  1. 適宜間隔をあけて立設された支柱に線条体を架設するための合成樹脂からなる線条体架設装置であって、線条体が取付けられる碍子部と、碍子部に一体的に形成された相対向する2個の挟持片からなる支柱取付部と、回動によって両挟持片の間隔を拡縮するリング部材とを備え、挟持片間に支柱が挿入されると共に、リング部材を回動することによって、両挟持片が支柱に締付けられるようになされたことを特徴とする線条体架設装置。
  2. 前記支柱取付部は、両挟持片の端部よりそれぞれ相対向して突出された断面半円形状の二個の突出部からなる締付部が形成され、該締付部にリング部材が回動可能に係合されると共に、締付部の外周面には突起が設けられ、該突起の上端部がリング部材の内周面に設けられた凹み面に摺動可能に当接され、前記凹み面はリング部材の回動方向に沿って徐々に浅くなっていることを特徴とする請求項1に記載の線条体架設装置。
  3. 前記リング部材の凹み面は、リング部材の回動方向と直交する方向に凸条が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の線条体架設装置。
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