JP2008103663A - 摩擦駆動搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搬送テーブルの真直性を確保し、ヨーの発生を防止する。
【解決手段】 ベース51上にテーブル移動方向に延びるスライドバー52を設ける。ベース51上に、スライドバー52を跨ぐよう配置した搬送テーブル53を、スライド自在に載置する。搬送テーブル53に、上記スライドバー52に接触させる駆動ローラ54と押付ローラ55a,55bを、ピエゾアクチュエータ57,58,59によりテーブル移動方向と直角の方向に変位可能に設ける。駆動ローラ54に駆動モータ60の出力軸をたわみ継手61を介して連結する。スライドバー52に撓み等が生じている場合には、駆動ローラ54と押付ローラ55a,55bの搬送テーブル53に対する相対位置を変位させることで、搬送テーブル53の位置と向きを、本来のテーブル進行方向位置及び向きに一致するよう補正させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、搬送テーブルに設けた駆動ローラを固定部側に設けたバーに圧接させながら回転駆動させることにより、上記駆動ローラとバーとの接触面に生じる摩擦を利用して、上記駆動ローラと一緒に上記搬送テーブルをバーの長手方向に移動させる摩擦駆動搬送装置に関するものである。
一般に、工作機械等において、ワークの搬送テーブルやその他の移動体を、該機械の固定部に対して移動させるための駆動機構としては、送りねじと、該送りねじに噛合(螺着)するナットと、上記送りねじを駆動するサーボモータの如き駆動モータを備えて、上記送りねじを駆動モータにより正逆転駆動させることで、上記ナットに取り付けた移動体を、上記送りねじの軸心方向に沿って移動させる形式の送り機構が広く採用されている。
ところで、半導体関連の製造、検査等の精密な位置決めを行う精密機械では、搬送テーブル等の移動体を該機械の固定部に対して移動させるときに、移動体の精密な位置決め、たとえば、μmオーダー以下の精度での位置決めを行うことが要求されることがある。
しかし、上記サーボモータと送りねじとナットとからなる送り機構は、送りねじの回転慣性が大きいために応答速度が遅く、又、バックラッシュの発生が避けられない等の問題があることから、上記したような移動体の精密な位置決めが要求される工作機械用の駆動機構として採用することは困難である。
そのために、近年では、上記のような精密機械における移動体を移動させると共に精密な位置決めを行うことができるようにするための駆動機構として、摩擦駆動機構が提案されてきている。
すなわち、上記摩擦駆動機構は、図10(イ)(ロ)にその一例として、工作機械の送り装置に適用した摩擦駆動機構を示す如く、工作機械の移動体1の移動方向に沿って延びるレール状のバー(案内レール)2と、上記バー2を挟むように配設して該バー2に対し両側から圧接できるようにしてなる駆動ローラ3及び押付ローラ4とを備えて、上記バー2と、駆動ローラ3及び押付ローラ4とを、機械の固定部と、移動体1に振り分けて取り付け、更に、上記駆動ローラ3に、駆動モータ5を、たわみ継手6を介して連結してなる構成としてある。
具体的には、図10(イ)(ロ)に示した工作機械の送り装置は、機械の固定部となる固定ベース7の上側に、一対の直進ガイド8を平行に設けて、該各直進ガイド8上に上記移動体1をスライド自在に支持させるようにしてある。更に、上記移動体1の所要寸法上方位置に、上記バー2を、上記各直進ガイド8と平行に配置すると共に、該バー2の両端部を、固定手段9を介して上記移動体1に取り付けてある。これにより、上記バー2が移動体1と一体に移動するようにしてある。
一方、上記駆動ローラ3は、その両端を保持する支持体10,11を、ローラハウジング12内の回転軸受13に回転可能に支持させると共に、上記押付ローラ4は、該押付ローラ4の中心部に一体に取り付けた回転軸14の両端部を、ローラハウジング15内の回転軸受16に回転可能に支持させるようにしてあり、上記各ローラハウジング12と15を、上記バー2を挟むように配置して上記駆動ローラ3と押付ローラ4を上記バー2の両側面にそれぞれ接触させた状態にて、上記各ローラハウジング12と15同士を、互いに押し付けあう方向に皿ばね17の弾性力を作用させた状態でねじボルト18により連結して、上記駆動ローラ3及び押付ローラ4を、上記バー2の両側面に圧接させるようにしてある。
更に、上記各ローラハウジング12と15は、上記固定ベース7上の直立部19に取り付けてあるブラケット20の突出板20aの下側に、一対の板ばね21を介して取り付けるようにしてある。
更に又、上記突出板20aの上側には、駆動モータ5を下向きに設置し、該駆動モータ5の出力軸に取り付けた上部フランジ22と、上記駆動ローラ3の上端側の支持体10に取り付けた下部フランジ23を、たわみ継手6を介して連結してなる構成としてある。
以上の構成としてあることにより、上記駆動モータ5によって上記駆動ローラ3を正逆転駆動させると、該駆動ローラ3と上記バー2との接触面に生じる摩擦により、上記駆動ローラ3と上記バー2が、該バー2の長手方向に相対移動されるようになることから、上記バー2と一体に上記移動体1を、上記固定ベース7上で直動させることができるようにしてある。更に、上記駆動ローラ3の正逆転駆動時に上記バー2に撓みが生じていても、該撓みを上記板ばね21と上記たわみ継手6により吸収することにより、上記駆動ローラ3及び押付ローラ4を、バー2の撓みに追従させて変位させることができるようにして、上記移動体1の直進方向の移動に影響を及ぼさないようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
又、摩擦駆動機構の別の形式のものとしては、図11に示す如く、一端部に図示しない被駆動体(移動体)が連結してある被駆動軸(移動体の移動方向に延びるレール状のバー)24に、駆動軸(駆動ローラ)25と、バックアップローラ(押付ローラ)26,27を所要の与圧を印加した状態で圧接して、上記駆動軸25の正逆転駆動により上記被駆動軸24を軸線方向(長手方向)に移動できるようにした構成において、上記被駆動軸24と駆動軸25との接触状態を常に一定にすることができるようにしたものも提案されている。
すなわち、図11に示した摩擦駆動機構は、上記駆動軸25を、上記被駆動軸24の下面に接するように配置して駆動モータ28により正逆転駆動できるようにしてあり、上記駆動軸25を軸支する軸受体29の下部と側部を、第1固定治具30と第2固定治具31を介してそれぞれ固定部32に固定してある。更に、上記第1固定治具30に縦歪を検出する第1歪ゲージ33を設け、上記第2固定治具31に横歪を検出する第2歪ゲージ34を設けるようにしてある。
又、上記第1のバックアップローラ26は、上記被駆動軸24の下面に接するように配置すると共に、該第1のバックアップローラ26を軸支する軸受体35の下部に、上下方向に微小変位させるための第1変位駆動源36を設けている。更に、上記第1のバックアップローラ26と上記駆動ローラ25との間の位置における上記被駆動軸24の上面に、上記第2のバックアップローラ27を接触させて配置すると共に、該第2のバックアップローラ27を軸支する軸受体37の上部に、上下方向に微小変位させるための第2変位駆動源38を設けた構成としてある。
39は与圧制御部であり、上記第1歪ゲージ33より第1増幅器40を経て入力される歪検出信号と、上記第2歪ゲージ34より第2増幅器41を経て入力される歪検出信号に基いて、与圧印加状態、すなわち、上記駆動軸25と被駆動軸24の接触状態を検出し、該接触状態が変化していると判断されるときには、その変化を元に戻すようにするための制御信号を、上記第1及び第2変位駆動源36及び38へ出力してフィードバック制御を行うことができるようにしてある。
以上の構成としてあることにより、上記駆動軸25及び一定位置に固定した上記第1のバックアップローラ26と、第2のバックアップローラ27との間に、上記被駆動軸24を、該被駆動軸24の軸線が水平方向になるように挟むと共に、上記第2変位駆動源38により上記第2のバックアップローラ27を介して一定の与圧値を被駆動軸24に印加した状態にて、上記駆動モータ28により上記駆動軸25を正逆転駆動することで、上記被駆動軸24を、軸線方向へ移動させることができるようにしてある。
更に、上記被駆動軸24や駆動軸25の変形、摩耗等によって本来水平になっているべき被駆動軸24が傾くようになると、該被駆動軸24に作用している与圧値に水平方向成分が生じるようになるため、これを上記駆動軸25と軸受体29を介して上記第2歪ゲージ34により横歪として検出できるようにしてある。
したがって、上記被駆動軸24の傾きが大きくなって、上記第1歪ゲージ33により検出される被駆動軸24の縦歪と、上記第2歪ゲージ34により検出される横歪が許容範囲から外れる場合には、上記横歪の値が0となるように、上記与圧制御部39より上記第1変位駆動源36、及び、第2変位駆動源38へ制御信号を与えて、たとえば、被駆動軸24が図11において右下がりとなっているときは、上記第1変位駆動源36により上記第1のバックアップローラ26の位置を上方に変位させ、一方、被駆動軸24が図9において右上がりとなっているときは、上記第1変位駆動源36により上記第1のバックアップローラ26の位置を下方に変位させ、同時に、上記第2変位駆動源38により上記第2のバックアップローラ27の位置を適宜上下方向に変位させて、上記被駆動軸24に印加する与圧値が許容範囲内に入るようにすることで、上記被駆動軸24をほぼ水平方向保持すると共に、駆動軸25と被駆動軸24の接触状態を一定にするようにしてある(たとえば、特許文献2参照)。
一方、移動体を移動させると共に精密な位置決めを行うことができるようにするための駆動機構としての摩擦駆動機構以外のものとして、リニアモータを用いた静圧流体軸受の駆動構造が提案されている。
図12はその構造を示すもので、ガイド軸42と、これに支持された摺動体43とからなり、ガイド軸42に形成した溝状の凹部42c内に、駆動用リニアモータ46を構成する固定コイル44及び可動磁石45を備えると共に、摺動体43の位置検出用エンコーダ49を構成するリニアスケール47及び検出ヘッド48を備えることによって、ガイド軸42と摺動体43の間に駆動用リニアモータ46と位置検出用エンコーダ49を配置した構成としてある。
上記ガイド軸42は、基体42aとこれに全面支持されたガイド部42bとからなり、該ガイド部42bの中央に長軸方向に伸びる溝状の凹部42cを備えている。又、摺動体43は、上記ガイド軸42のガイド部42bを取り囲むような形状となっていて、ガイド部42bに支持されて長軸方向に移動可能となっている。ガイド軸42と摺動体43の間には数μm移動の隙間50が形成されており、摺動体43に備えられた噴射孔43aから上記隙間50に空気などの流体を噴射することにより、摺動体43はガイド軸42上で浮上し、静圧流体軸受を構成するようにしてある。
上記ガイド軸42の凹部には、その中心線に対して対称な位置に、二つの板状をした固定コイル44,44を平行に配置し、摺動体43内面の上記固定コイル44,44に対抗する位置には、該固定コイル44,44を挟み込むように可動磁石45,45が取り付けられ、全体として非接触のブラシレスタイプの駆動用リニアモータ46,46を構成している。
又、上記ガイド軸42の凹部42c中において、上記二本の固定コイル44,44の間に検出ヘッド48を配置し、摺動体43内面の該検出ヘッド48に対抗する部分にはリニアスケール47を取り付けており、全体として非接触の光学式リニアエンコーダ49を構成している。
したがって、上記駆動用リニアモータ46によってガイド軸42上で摺動体43を移動させたとき、検出ヘッド48でリニアスケール47の位置で読み取ることによって、摺動体43の位置を検出することができるようにしてあり、この位置検出用エンコーダ49で検出した情報を上記駆動用リニアモータ46にフィードバックすることによって、摺動体43の位置決めをより精密に行うことができるようにしてある(たとえば、特許文献3参照)。
特公平1−41468号公報 特開平5−143159号公報 特開平5−346120号公報
ところが、上記特許文献1に示された工作機械の送り装置における摩擦駆動機構は、移動体1の駆動機能のみを担うものであって、移動体1の移動量を精度よく制御することによって該移動体1の移動方向への精密な位置決めを行うことは可能になると考えられるが、該移動体1の移動時の真直性を保持するためのガイド機能、すなわち、移動体1の移動方向に直角な方向への位置ずれを防止したり、ヨーの発生を防止する機能は、固定ベース7上に設けた直進ガイド8に担わせるようにしてある。そのため、上記移動体1の真直性は、上記直進ガイド8の精度に大きく依存する。したがって、移動体1の精密な位置決めを行うことができるようにするためには、上記直進ガイド8に非常に高い精度が要求されることから、上記移動体1の長ストローク化を図るには、上記直進ガイド8の製造、設置等に要するコストが嵩むという問題がある。
しかも、上記特許文献1に示された工作機械の送り装置では、上記したように移動体1の駆動機能とガイド機能を、摩擦駆動機構と直進ガイド8に別々に分担させるようにしてあり、上記移動体1の移動時に、バー2が撓んでいるときには、該撓みを板ばね21とたわみ継手6により吸収させて、駆動ローラ3及び押付ローラ4を上記バー2の撓みに追従させて変位させるようにしてあるが、この際、上記板ばね21とたわみ継手6からの反力が、上記バー2を介して移動体1へ伝えられるようになるため、該移動体1の真直性を保持している直進ガイド8に力の干渉が生じる虞も懸念される。
上記特許文献2に示された摩擦駆動機構は、駆動軸25と第1のバックアップローラ26の上側に配されている被駆動軸24の軸線が水平状態から傾くと、上記第1のバックアップローラ26を上下方向に変位させて上記被駆動軸24の傾きを水平になるように補正することができるようにしてある。しかし、上記駆動軸25の位置が固定されているため、上記被駆動軸24に撓みが生じている場合は、該被駆動軸24自体の位置が上下方向に変位する虞を防止することができないため、被駆動軸24の一端部に連結してある図示しない被駆動体が、上下方向に変位する虞が懸念される。したがって、上記摩擦駆動機構により、被駆動体を上記被駆動軸24の長手方向に移動させるときに、該被駆動体の上下方向の精密な位置決めを行うことができるようにするためには、上記被駆動軸24に撓みのない非常に高い精度が要求される。しかし、上記被駆動軸24は上記駆動軸25と第1のバックアップローラ26の上側に載置された状態で、上記駆動軸25の正逆転駆動に伴って移動させるものであるため、撓みのない状態で精度よく長尺化することは困難である。
そのために、上記特許文献2に示された摩擦駆動装置は、長ストローク化を図ることが難しいという問題がある。
又、移動体の搬送を、摩擦駆動機構によらないで駆動用リニアモータ46により行うようにした形式の特許文献3に記載されているものは、ガイド軸42の凹部42cの中央部と摺動体43の中央部付近との間に位置検出用エンコーダ49が配置してあり、その両側位置に、それぞれ駆動用リニアモータ46,46が配置してあるが、摺動体43は、上記ガイド軸42のガイド部42bに沿い長軸方向に移動できるようにガイドされているのであり、そのガイド部42bは、凹部42cの外側で上記駆動用リニアモータ46,46の位置よりも外側位置となるようにしてある。そのため、位置検出用エンコーダ49で位置を検出して駆動用リニアモータ46,46にフィードバックして位置決めをしようとしても、ガイド部42が外側の離れた位置にあることから、アッベ誤差を低減することができず、高精度な位置決めが望めないという問題がある。
そこで、本発明は、搬送テーブルに設けた駆動ローラを、固定部側に設けたテーブル移動方向に延びるレール状のバーに圧接状態で正逆転駆動することにより、上記搬送テーブルを上記バーに沿って移動させるときに、該搬送テーブルの移動方向と直角の方向への位置ずれ、及び、ヨー角のずれを容易に補正できて、上記搬送テーブルの真直性を確保できると共に、ヨーの発生を防止でき、しかも、低コストで長ストローク化を図ることができ、更に、高精度な位置決めが可能となる摩擦駆動搬送装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、搬送テーブルの移動方向に延びるスライドバーを設け、且つ上記搬送テーブルに、上記スライドバーの一側面に接触させる一側面側ローラと、上記スライドバーの他側面に接触させる複数の他側面側ローラと、上記一側面側ローラ及び他側面側ローラのすべて、又は、いずれかをテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための変位機構と、上記一側面側及び他側面側の各ローラうちのいずれか1つのローラに連結して該ローラを駆動ローラとして回転駆動させるための駆動モータとを設けて、上記変位機構により上記駆動ローラ及び他の各ローラを上記スライドバーの両側面に押し当てるようにして、上記駆動モータにより駆動される上記駆動ローラと上記スライドバー側面との接触で上記搬送テーブルを上記スライドバーに沿い移動できるようにした構成とする。
又、上記構成において、変位機構によりテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための各ローラを、該各ローラを回転自在に保持するローラハウジングと、該ローラハウジングのテーブル移動方向と直角の方向への変位のみを許容する直動ガイドを備えてなる個別のローラユニットを介して搬送テーブルに取り付け、更に、変位機構により、上記各ローラを、それぞれ対応するローラユニットのローラハウジングと一緒にテーブル移動方向と直角方向に変位させるようにした構成とする。
更に、上記構成において、直動ガイドを、テーブル移動方向と直角の方向にのみ弾性変形可能な弾性ヒンジとした構成とする。
上述の各構成において、一側面側ローラを駆動ローラとすると共に、他側面側ローラを2つとし、該各他側面側ローラを、上記駆動ローラからテーブル移動方向の等間隔位置でスライドバーの他側面に接触させるようにした構成とする。
又、搬送テーブルの移動方向に延びるスライドバーを、該搬送テーブルの下部に設け、且つ上記搬送テーブルに、上記スライドバーの一側面に接触させる一側面側ローラと、上記スライドバーの他側面に接触させる複数の他側面側ローラと、上記一側面側ローラ及び他側面側ローラのすべて、又は、いずれかをテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための変位機構と、上記一側面側及び他側面側の各ローラのうちのいずれか1つのローラに連結して該ローラを駆動ローラとして回転駆動させるための駆動モータとを設けて、上記変位機構により上記駆動ローラ及び他の各ローラを上記スライドバーの両側面に押し当てるようにして、上記駆動モータにより駆動される上記駆動ローラと上記スライドバー側面との接触で上記搬送テーブルを上記スライドバーに沿い移動できるようにし、更に、上記スライドバーの上部又は下部に位置検出器を設けて、駆動、案内、位置検出の三要素を互いに近接した位置の直線状に配置するようにした構成とし、更に、位置検出器を位置検出用リニアエンコーダとして、搬送テーブルの案内要素となり且つ側面への駆動ローラの接触部で駆動要素となるスライドバーの上部に配置した構成とする。
本発明の摩擦駆動搬送装置によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)搬送テーブルの移動方向に延びるスライドバーを設け、且つ上記搬送テーブルに、上記スライドバーの一側面に接触させる一側面側ローラと、該一側面側ローラに対するテーブル移動方向の前後両側位置で上記スライドバーの他側面に接触させる複数の他側面側ローラと、上記一側面側ローラ及び他側面側ローラのすべて、又は、いずれかをテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための変位機構と、上記一側面側及び他側面側の各ローラうちのいずれか1つのローラに連結して該ローラを駆動ローラとして回転駆動させるための駆動モータとを設けて、上記変位機構により上記駆動ローラ及び他の各ローラを上記スライドバーの両側面に押し当てた状態で、上記駆動モータにより上記駆動ローラを回転駆動させて、上記搬送テーブルを上記スライドバーの長手方向に移動できるようにした構成としてあるので、各変位機構により、駆動ローラと他の各ローラのすべてについて、搬送テーブルに対する相対的な位置を、該搬送テーブルの進行方向に直角な方向に変位させるようにすれば、上記搬送テーブルのスライドバーに対する位置をシフトさせることができる。
(2)又、スライドバーの他側面に接触させている各他側面側ローラを、対応する各変位機構により、搬送テーブル自体の向きから所要角度ずれた方向に沿って並ぶように配置させることで、該各他側面側ローラを他側面に接触させるようにしてあるスライドバーの軸線方向を基準として、上記搬送テーブル自体の向きを回転させることができる。
(3)よって、上記スライドバーに撓み等が生じていて、該スライドバーの位置に、本来のテーブル進行方向上の位置から直角方向への位置ずれが生じたり、上記スライドバーの軸線方向に、本来のテーブル移動方向からの角度ずれが生じていても、上記搬送テーブルの位置を本来のテーブル移動方向上の位置に一致するよう補正できると共に、搬送テーブル自体の向きを、本来のテーブル移動方向に一致するよう角度補正することができる。したがって、上記スライドバーに撓み等が生じていても、搬送テーブルの真直性を確保できると共に、ヨーの発生を未然に防止することができて、上記搬送テーブルの精密な位置決めに有利なものとすることができる。
(4)搬送テーブルの精密な位置決めが必要とされる場合であっても、上記スライドバーに、非常に高い精度が要求されることがなくなるため、該スライドバーの製造コストや設置コストを削減できる。しかも、上記スライドバーの長尺化が容易になることから、摩擦駆動搬送装置の長ストローク化を低コストで且つ容易に図ることが可能となる。
(5)搬送テーブルの真直性を確保するための直進ガイドを、別途設ける必要をなくすことができる。しかも、駆動機能とガイド機能を別々の機構に分担させる場合に生じるような力の干渉が発生する虞も解消できる。
(6)変位機構によりテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための各ローラを、該各ローラを回転自在に保持するローラハウジングと、該ローラハウジングのテーブル移動方向と直角の方向への変位のみを許容する直動ガイドを備えてなる個別のローラユニットを介して搬送テーブルに取り付け、更に、変位機構により、上記各ローラを、それぞれ対応するローラユニットのローラハウジングと一緒にテーブル移動方向と直角方向に変位させるようにした構成とすることにより、上記各ローラをテーブル移動方向と直角方向に変位させるための構成を容易に実現できる。
(7)直動ガイドを、テーブル移動方向と直角の方向にのみ弾性変形可能な弾性ヒンジとした構成とすることにより、変位機構によりテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための各ローラをテーブル移動方向と直角方向に変位させるためローラユニットをシンプルな構成で実現でき、該ローラユニットの軽量化に有利なものとすることが可能になる。
(8)一側面側ローラを駆動ローラとすると共に、他側面側ローラを2つとし、該各他側面側ローラを、上記駆動ローラからテーブル移動方向の等間隔位置でスライドバーの他側面に接触させるようにした構成とすることにより、上記駆動ローラをスライドバーの一側面に接触させる際の与圧を制御する際に、上記各他側面側ローラを変位させるための各変位機構より各他側面側ローラへ作用させる力を均等化できて、該各変位機構の力の制御を容易なものとすることができる。更に、上記2つの他側面側ローラを、搬送テーブル自体の向きから所要角度ずれた方向に沿って並ぶよう配置させて、スライドバーの軸線方向を基準として、上記搬送テーブル自体の向きを回転させるときに、上記各変位機構の作動量をほぼ等しくできることから、該各変位機構に同一形式のものを採用できて、コストの削減化を図ることができると共に、各変位機構に要求される他側面側ローラのストローク量を小さく抑えることが可能になる。
(9)スライドバーは、搬送テーブルの移動時の案内要素となるものであり、且つ駆動ローラとの接触部により搬送テーブルを移動させる駆動要素ともなるものでもあり、このスライドバーの上部又は下部と搬送テーブルとの間に位置検出用リニアエンコーダを配置することにより、駆動要素、案内要素、位置検出器をほぼ同じ直線状に配置することが可能となって、アッベ誤差の低減が図れ、非常に高精度な位置決めが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7は本発明の摩擦駆動搬送装置の実施の一形態を示すもので、固定部となる水平なベース51の上側に、矩形断面形状として幅方向の両側面を後述する駆動ローラ54及び押付ローラ55a,55bとの接触面としてなるスライドバー52を、搬送テーブル53の移動方向に延びるよう配置すると共に、該スライドバー52よりも狭幅の取付部材56を介して上記ベース51の上面に設置する。又、上記搬送テーブル53を門型形状として、上記ベース51の上側に、上記スライドバー52を跨ぐように配置すると共に、上記ベース51上にてスライド可能となるようにする。上記搬送テーブル53には、上記スライドバー52の一側面に接触させるための一側面側ローラとしての駆動ローラ54と、該駆動ローラ54に対してテーブル移動方向の前後方向にずれた2個所、たとえば、上記駆動ローラ54からテーブル移動方向の前後方向に所要の等間隔を隔てた2個所で上記スライドバー52の他側面にそれぞれ接触させるための他側面側ローラとしての押付ローラ55a,55bを備えると共に、上記駆動ローラ54及び各押付ローラ55a,55bを、テーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための変位機構としてのピエゾアクチュエータ57,58,59を備える。更に、上記搬送テーブル53の所要位置に、駆動モータ60を設けて、該駆動モータ60の出力軸に、上記駆動ローラ54をたわみ継手61を介し接続してなる構成とする。これにより、上記各ピエゾアクチュエータ57,58,59によって上記駆動ローラ54と押付ローラ55a,55bをそれぞれ所要の与圧で上記スライドバー52の両側面に押し当てた状態にて、上記駆動モータ60により駆動ローラ54を正逆転駆動することで、該駆動ローラ54と上記スライドバー52との接触面に生じる摩擦を利用して、駆動ローラ54をスライドバー52に沿って走行させ、該駆動ローラ54と一体に上記搬送テーブル53を、上記スライドバー52の長手方向に移動させることができるようにしてある。更に、上記各ピエゾアクチュエータ57,58,59を適宜連携して伸縮作動させることにより、上記駆動ローラ52と各押付ローラ55a及び55bの搬送テーブル53に対する相対的な位置を変位させることで、該搬送テーブル53の上記スライドバー52に対する相対的な位置及び角度を変更できるようにしてある。
詳述すると、上記搬送テーブル53は、平板状のテーブル本体62の下側に、左右両端部位置の垂直部64a,64bと、該左右の垂直部64aと64bの上端部同士を一体に連結した水平部65とからなる門型形状のテーブルフレーム63a,63b,63c,63dを、テーブル移動方向に所要間隔を隔てて4枚配置すると共に、該各テーブルフレーム63a,63b,63c,63dの上端部を、上記テーブル本体62の下面に一体に取り付ける。更に、上記各テーブルフレーム63a,63b,63c,63dの左右の垂直部64aと64bの下端部外側には、テーブル移動方向に延び且つ上記各テーブルフレーム63a,63b,63c,63dの垂直部64a,64bの下端位置よりも所要寸法下方の位置に底面を有する左右一対の脚部材66を取り付けてなる構成としてある。なお、上記各脚部材66の底面と上記ベース51の上面のいずれか一方又は双方に、摩擦係数の小さい材質製の図示しない摩擦低減部材を取り付けたり、あるいは、上記各脚部材66の底面と、上記ベース51の上面との間の摩擦を低減させるための図示しない摩擦低減機構を備える等して、上記各脚部材66の底面は、上記ベース51の上面に対して円滑にスライドさせることができるようにしてあるものとする。これにより、上記ベース51の上側に載置した上記搬送テーブル53の荷重を、上記各脚部材66を介して上記ベース51に伝えて支持させた状態にて、該搬送テーブル53を任意の方向へ容易に移動させることができるようにしてある。
更に、上記搬送テーブル53にてテーブル移動方向に配列された第1、第2、第3、第4の各テーブルフレーム63a,63b,63c,63dのうち、テーブル移動方向の中央寄りに位置する第2と第3のテーブルフレーム63bと63cの水平部65における左右方向中央部よりも一側寄り位置(図2における左寄り位置)の下側には、上記駆動ローラ54をスライドバー52側に露出させた状態で回転可能に保持したローラハウジング68と、該ローラハウジング68のテーブル移動方向と直角の方向への変位のみを許容する直動ガイド69とを具備してなる駆動ローラユニット67を取り付ける。又、上記第1と第2のテーブルフレーム63aと63bの水平部65における左右方向中央部よりも他側寄り位置(図2における右寄り位置)の下側、及び、上記第3と第4のテーブルフレーム63cと63dの水平部65における左右方向中央部よりも他側寄り位置の下側には、押付ローラ55a又は55bをスライドバー52側に露出させた状態で回転可能に保持したローラハウジング68と、該ローラハウジング68のテーブル移動方向と直角の方向への変位のみを許容する直動ガイド69とを具備してなる押付ローラユニット70a及び70bをそれぞれ取り付ける。
更に具体的には、上記駆動ローラユニット67は、図3及び図5(イ)(ロ)(ハ)に示す如き構成としてある。すなわち、上記駆動ローラユニット67のローラハウジング68は、上下の水平部68a,68bと、該各水平部68a,68bの反スライドバー52側の端部同士を連結する垂直部68cとからなるコの字形状として、上記上下の水平部68aと68bとの間に駆動ローラ54を配置すると共に、該駆動ローラ54の上下両端部を、上下の水平部68aと68bに、それぞれ軸受71を介して回転自在に保持させるようにしてある。
更に、上記ローラハウジング68のテーブル移動方向の両側位置に、上下方向に延びる板状の取付部材72を、該取付部材72同士の間隔が上記第2と第3のテーブルフレーム63bと63cの間隔よりもやや広くなるように配置すると共に、上記ローラハウジング68の上下の水平部68a,68bにおけるテーブル移動方向の前後両端面の複数個所と、上記各取付部材72の対応する個所とを、テーブル移動方向に延び且つ長手方向両端部を薄肉部69aとして該薄肉部69aにてテーブル移動方向と直角の水平方向にのみ弾性変形できるようにしてある直動ガイドとしての弾性ヒンジ69を介して一体に連結してなる構成としてある。
以上の構成としてなる駆動ローラユニット67は、上記各取付部材72の上端部の複数個所、たとえば、2個所を、上記第2と第3のテーブルフレーム63bと63cの水平部65における左右方向中央部よりも一側寄り位置の下端縁部に、ボルト73を介して取り付けるようにしてある。これにより、上記駆動ローラ54を、ローラハウジング68、弾性ヒンジ69、取付部材73を介して上記第2と第3のテーブルフレーム63bと63cの水平部65に支持させた状態にて、上記各弾性ヒンジ69の弾性変形により、上記ローラハウジング68と一体に上記駆動ローラ54をテーブル移動方向と直角方向へ変位可能となるようにしてある。なお、上記各取付部材72には切欠部74を設けて、上記駆動ローラ54をスライドバー52に押し当てる際に、該各取付部材72がスライドバー52と干渉する虞が生じないようにしてある。
上記各押付ローラユニット70a,70bは、図4及び図6に示す如く、図3及び図5(イ)(ロ)(ハ)に示した駆動ローラユニット67と同様の構成において、ローラハウジング68の上下の水平部68aに、駆動ローラ54に代えて押付ローラ55a又は55bの上下両端部を、それぞれ軸受71を介して回転自在に保持させるようにした構成としてある。更に、上記各押付ローラユニット70a及び70bは、各取付部材72の上端部の2個所を、上記第1と第2のテーブルフレーム63aと63bの水平部65における左右方向中央部よりも他側寄り位置の下端縁部、及び、上記第3と第4のテーブルフレーム63cと63dの水平部65における左右方向中央部よりも他側寄り位置の下端縁部に、ボルト73を介してそれぞれ取り付けるようにしてある。その他、駆動ローラユニット67の構成部材と同じものには同一の符号が付してある。なお、図3及び図4における符号75は、上記各取付部材72と、上記各テーブルフレーム63a,63b,63c,63dの水平部65との間に生じる隙間に必要に応じて介装させるスペーサである。
更に、図1及び図2に示す如く、上記第2と第3のテーブルフレーム63bと63cの一側端部(図1、図2における左端部)の垂直部64a同士の間に、上記駆動ローラユニット67のローラハウジング68の垂直部68cに対向する垂直面を備えた支持部材76を取り付けて、該支持部材76の上記垂直面に、ロードセル77を取り付けて支持させる。更に、上記ロードセル77と、上記ローラハウジング68の垂直部68cの中央部とを、テーブル移動方向と直角方向に伸縮可能なピエゾアクチュエータ57を介して連結してある。これにより、上記ピエゾアクチュエータ57を伸縮作動させて、上記駆動ローラユニット67のローラハウジング68を、上記支持部材76に取り付けてあるロードセル77の位置を基準にして押し引き操作することにより、該ローラハウジング68に保持した上記駆動ローラ54を、テーブル移動方向に直角な方向へ変位させることができるようにしてある。更に、上記駆動ローラ54を上記スライドバー52に押し当てる際に、作用している与圧を上記ロードセル77にて検出できるようにしてある。
上記駆動ローラユニット67のローラハウジング68に保持させてなる上記駆動ローラ54は、その上端部を上側の軸受71よりも上方に突出させて、該突出端部に、上記テーブル本体62の下面における上記駆動ローラユニット67の上方となる位置に下向きに設置した駆動モータ60の出力軸を、たわみ継手61を介して接続してある。これにより、上記したようにピエゾアクチュエータ57の伸縮作動による上記駆動ローラ54のテーブル移動方向と直角の方向への変位を、上記たわみ継手61により吸収させながら、上記駆動ローラ54へ上記駆動モータ60の回転駆動力を伝達できるようにしてある。78は、上記第2と第3のテーブルフレーム63b、63cの水平部65における上記駆動モータ60の設置個所と対応する個所に設けた切欠部である。
又、上記第1と第2のテーブルフレーム63aと63bの他側端部(図2における右端部)の垂直部64b同士の間、及び、上記第3と第4のテーブルフレーム63cと63dの他側端部の垂直部64bの下端部同士の間には、支持台79をそれぞれ配置して、該各支持台79のテーブル移動方向の両端部を、上記各テーブルフレーム63aと63b,63cと63dの下端にそれぞれ取り付ける。更に、上記各支持台79上に、上記各押付ローラユニット70a,70bのローラハウジング68の垂直部68cの中央部に対面するアクチュエータ取付座80をそれぞれ設けると共に、該各アクチュエータ取付座80と、それぞれ対応する押付ローラユニット70a,70bのローラハウジング68の垂直部68cの中央部を、テーブル移動方向と直角方向に伸縮可能なピエゾアクチュエータ58,59を介して連結する。これにより、上記各ピエゾアクチュエータ58,59を伸縮作動させて、上記各押付ローラユニット70a,70bのローラハウジング68に保持させてなる各押付ローラ55a,55bを、上記支持台79上のアクチュエータ取付座80の位置を基準にして押し引き操作することにより、該ローラハウジング68に保持した上記各押付ローラ55a,55bを、テーブル移動方向に直角な方向へ変位させることができるようにしてある。
更に、上記搬送テーブル53には、図7に示す如き制御ユニット81を備えるようにしてある。すなわち、上記制御ユニット81は、たとえば、固定部となる上記ベース51側に設けた基準点との距離を測定する等の手法により、該ベース51上における搬送テーブル53のテーブル移動方向に関する位置を検出するテーブル位置センサとしての光学センサ82と、該光学センサ82より入力される上記搬送テーブル53のテーブル位置データd1、及び、上記ロードセル77より入力される駆動ローラ54を上記スライドバー52に押し当てている与圧の検出データd2を基に、上記各ピエゾアクチュエータ57,58,59へ指令を与える制御装置83を備えた構成としてある。
ここで、上記制御装置83の制御内容について説明する。
上記構成としてある摩擦駆動搬送装置にて、上記駆動モータ60により駆動ローラ54を回転駆動させる際に、該駆動ローラ54により上記搬送テーブル53をスライドバー52の長手方向へ移動させるための推力を良好に発生させるためには、上記駆動ローラ54と上記スライドバー52との接触面に生じる摩擦力の大きさを、所要の範囲内に保持する必要がある。又、上記駆動ローラ54と上記スライドバー52との接触面に生じる摩擦力の大きさは、上記駆動ローラ54を上記スライドバー52の一側面に押し当てる与圧の大きさに依存するため、上記駆動ローラ54により上記搬送テーブル53をスライドバー52の長手方向へ移動させるための推力を良好に発生させることができるようにするためには、上記駆動ローラ54をスライドバー52へ押し当てるときの与圧を、所要の範囲内に保持すればよいこととなる。
ところで、上記摩擦駆動搬送装置では、上記ピエゾアクチュエータ57により駆動ローラユニット67のローラハウジング68を介して上記駆動ローラ54をスライドバー52の一側面に押し当てることができるようにしてあると共に、上記ピエゾアクチュエータ58と59により各押付ローラユニット70a,70bのローラハウジング68を介して上記2つの押付ローラ55aと55bを上記スライドバー52の他側面に押し当てることができるようにしてある。したがって、上記駆動ローラ54を上記スライドバー52の一側面に押し当てる際に作用する与圧の大きさは、上記ピエゾアクチュエータ57により上記駆動ローラ54をスライドバー52の方向へ変位させようとする力と、上記ピエゾアクチュエータ58と59により上記2つの押付ローラ55aと55bを上記スライドバー52の方向へ変位させようとする力の合力とが釣り合うことによって定まる。
以上のことに鑑みて、上記制御装置83は、上記ロードセル77によって検出される上記駆動ローラ54をスライドバー52に押し当てるときの与圧の値が常に所望する範囲内になるように、上記ロードセル77より入力される与圧の検出データd2を基に、上記駆動ローラ54を変位させるべく上記ピエゾアクチュエータ57へ与える変位指令と、上記2つの押付ローラ55aと55bを変位させるために対応する各ピエゾアクチュエータ58と59へ与える変位指令のバランスをフィードバック制御する機能を備えるようにしてある。
又、上記構成としてある摩擦駆動搬送装置にて、上記スライドバー52に撓み等が生じている場合は、該スライドバー52の撓み等が生じている個所において、スライドバー52の一側面に沿って走行するようにしてある駆動ローラ54の位置が、搬送テーブル53を真直させるための本来のテーブル進行方向位置よりテーブル進行方向と直角の方向に位置ずれを生じ、このため、該駆動ローラ54と一緒にスライドバー52の長手方向に移動するようにしてある搬送テーブル53にも、上記スライドバー52の撓みに従って、本来のテーブル進行方向位置から直角な方向に位置ずれが生じてしまう。
更に、上記スライドバー52に撓み等が生じていることに起因して該スライドバー52の軸線の方向に、搬送テーブル53を真直させるための本来のテーブル進行方向からの角度のずれが生じている場合は、上記搬送テーブル53がスライドバー52に沿って長手方向に移動するときに、たとえば、テーブル本体62の中心線方向等で示される該搬送テーブル53自体の向きにも、本来のテーブル進行方向からの角度ずれが生じ、このため、上記搬送テーブル53にヨーが発生してしまう。
ところで、上記摩擦駆動搬送装置では、上述したように、駆動ローラ54及び2つの押付ローラ55a,55bを、すべてピエゾアクチュエータ57,58,59によりテーブル進行方向に直角な方向に変位させることができるようにしてあるため、前述したように、制御装置83により、スライドバー52の一側面に駆動ローラ54を所定の与圧で押し当て、且つ該スライドバー52の他側面に上記2つの押付ローラ55a,55bを押し当てるようにした条件の下で、上記ピエゾアクチュエータ57を所要寸法伸長作動させて上記駆動ローラ54を押し出すように変位させると共に、上記各ピエゾアクチュエータ58と59を、上記ピエゾアクチュエータ57の伸長量に相当する短縮量となるように短縮作させて、上記2つの押付ロール55aと55bを対応するピエゾアクチュエータ58,59側へ引き寄せように変位させると、上記駆動ローラ54及び各押付ローラ55a、55bが、搬送テーブル53に対してテーブル移動方向と直角の方向に相対変位させられるようになる。この際、実際には、上記駆動ローラ54及び各押付ローラ55a,55bは、上記スライドバー52の両側面にそれぞれ押し当てられていて、テーブル進行方向と直角の方向には位置が拘束されているため、上記各ピエゾアクチュエータ57,58,59を伸縮作動させる力の反力により、上記搬送テーブル53を、上記スライドバー52の位置を基準として、駆動ローラ54側へシフトさせることができるようになる。
一方、スライドバー52の一側面に駆動ローラ54を所定の与圧で押し当て、且つ他側面に上記2つの押付ローラ55a,55bを押し当てるようにした条件の下で、上記とは逆に、上記各ピエゾアクチュエータ58,59を所要寸法伸長作動させて上記各押付ローラ55a,55bを押し出すように変位させると共に、上記ピエゾアクチュエータ57を上記各ピエゾアクチュエータ58,59の伸長量に相当する短縮量となるように短縮作動させて、上記駆動ロール54を該ピエゾアクチュエータ57側へ引き寄せるように変位させると、上記駆動ローラ54及び各押付ローラ55a,55bの搬送テーブル53に対するテーブル移動方向と直角の方向の相対位置が変化させられることに伴い、上記搬送テーブル53を、上記スライドバー52の位置を基準として、押付ローラ55a,55b側へシフトさせることができるようになる。
更に、上記ピエゾアクチュエータ58と59の伸縮量が等しくなるようにすると、上記2つの押付ローラ55aと55bは、上記搬送テーブル53自体の向きと平行に配置される。したがって、この場合は、上記搬送テーブル53自体の向きと平行配置されている上記2つの押付ローラ55a,55bが共にスライドバー52の他側面に押し当てられることにより、上記搬送テーブル53自体の向きは、上記スライドバー52の軸線方向に一致させられるようになる。
これに対し、スライドバー52の一側面に駆動ローラ54を所定の与圧で押し当て、且他側面に上記2つの押付ローラ55a,55bを押し当てるようにした条件の下において、上記ピエゾアクチュエータ58と59の伸縮量に差を生じさせて、たとえば、搬送テーブル53を図1における矢印x方向へ進行させる際に、テーブル進行方向の前側に位置するピエゾアクチュエータ58を所要寸法伸長作動させて、進行方向前側の押付ローラ55aを押し出すように変位させると共に、テーブル進行方向の後方に位置するピエゾアクチュエータ59を、所要寸法収縮作動させて、進行方向後側の押付ローラ55bを該ピエゾアクチュエータ59側へ引き寄せるように変位させると、上記各押付ローラ55aと55bの配置が、搬送テーブル53自体の向きに対して平行ではなくなり、これにより、上記2つの押付ローラ55aと55bが共に他側面に押し当てられているスライドバー52の軸線方向に対して、上記搬送テーブル53自体の向きを、図1における時計周り方向に角度変更できるようになる。
一方、スライドバー52の一側面に駆動ローラ54を所定の与圧で押し当て、且つ他側面に上記2つの押付ローラ55a,55bを押し当てるようにした条件の下において、搬送テーブル53を図1における矢印x方向へ進行させる際に、上記とは逆に、テーブル進行方向の前側に位置するピエゾアクチュエータ58を所要寸法収縮作動させて、進行方向前側の押付ローラ55aを該ピエゾアクチュエータ58側へ引き寄せるように変位させると共に、テーブル進行方向の後方に位置するピエゾアクチュエータ59を、所要寸法伸長作動させて、進行方向後側の押付ローラ55bを押し出すように変位させると、上記各押付ローラ55aと55bの配置が、搬送テーブル53自体の向きに対して平行ではなくなることに起因して、上記搬送テーブル53自体の向きを、上記スライドバー52の軸線方向に対して、図1における反時計周り方向に角度変更できるようになる。
これらのことに鑑みて、上記制御装置83は、ベース51上にスライドバー52が設置された状態で予め該スライドバー52の撓みを検定することで得られる結果、すなわち、該スライドバー52の長手方向の各所において、該スライドバー52の位置が、真直であるべき本来のテーブル進行方向上の位置から、どの程度直角な方向へずれているかを示す位置ずれの計測結果、及び、該スライドバー52の軸線方向が、本来のテーブル進行方向から左右方向へどの程度ずれているかを示す角度ずれの計測結果を基に、上記スライドバー52の長手方向の各所ごとに、上記スライドバー52に沿って移動する搬送テーブル53の位置を、本来のテーブル進行方向上の位置に戻す(一致させる)ために必要とされるテーブル進行方向に直角な方向の位置補正量と、上記スライドバー52の軸線方向の本来のテーブル移動方向からの角度ずれに応じてヨー角に変動を生じる搬送テーブル53自体の向きを、本来のテーブル進行方向に戻す(一致させる)ために必要とされるヨー角補正量についての補正テーブルを記憶しておく機能を備えるようにする。
更に、上記制御装置83は、上記駆動ローラ54を駆動モータ60により回転駆動させて上記搬送テーブル53を実際にスライドバー52に沿って移動させるときに、上記光学センサ82より搬送テーブル53の所在に関するテーブル位置データd1が入力されると、上記補正テーブルに従って、該搬送テーブル53が存在している位置にて、搬送テーブル53に与えるべき位置補正量及びヨー角補正量を求めて、該各補正量に応じた補正が行われるように上記駆動ローラ54及び各押付ローラ55a,55bを変位させるための変位指令を、上記各アクチュエータ57,58,59へ与える機能をも有するものとしてある。
なお、図示してはいないが、上記制御装置83は、上記光学センサ82、あるいは、搬送テーブル53のテーブル進行方向に関する位置を検出できる別のセンサ等からの入力を基に、上記駆動モータ60を適宜制御して、上記搬送テーブル53のテーブル進行方向の移動量を制御できる機能を備えるようにしてあるものとする。
以上の構成としてある摩擦駆動搬送装置によれば、駆動モータ60により駆動ローラ54を正逆転駆動させることで、該駆動ローラ54とベース51上に設置してあるスライドバー52との接触面に生じる摩擦を利用して、搬送テーブル53を、上記スライドバー52に沿って移動させることができる。更に、上記スライドバー52が、たとえば、撓み等により該スライドバー52の位置が、本来のテーブル進行方向上の位置から直角方向に位置ずれを生じている個所では、制御装置83により、上記駆動ローラ54を変位させるピエゾアクチュエータ57の伸縮量と、各押付ローラ55a,55bを変位させるピエゾアクチュエータ58,59の伸縮量のバランスを適宜変化させることで、搬送テーブル53の位置を、本来のテーブル進行方向上の位置に保持させることができる。又、上記スライドバー52の撓み等により該スライドバー52の軸線方向が、本来のテーブル進行方向から角度ずれを生じている個所では、制御装置83により、上記スライドバー52に接触させている2つの押付ローラ55aと55bを個別に変位させるピエゾアクチュエータ58と59の伸縮量のバランスを適宜変化させることで、上記搬送テーブル53のヨー角の補正を行って、該搬送テーブル53自体の向きを、本来のテーブル進行方向に一致させた状態で保持させることができる。
したがって、上記スライドバー52に撓み等が生じていても、搬送テーブル53の真直性を確保できると共に、ヨーの発生を未然に防止することができて、上記搬送テーブル53の精密な位置決めを行うのに有利なものとすることができるようになる。よって、上記搬送テーブル53の高い真直性が必要とされる場合であっても、上記スライドバー52には、非常に高い精度が要求されることがないため、該スライドバー52の製造コストや設置コストを削減できる。しかも、上記スライドバー52の長尺化が容易になることから、摩擦駆動搬送装置の長ストローク化を低コストで且つ容易に図ることが可能となる。
更に、上記搬送テーブル53の推力は、上記ベース51上に設置してあるスライドバー52に沿って駆動ローラ54を走行させることで得るようにしてあると共に、上記搬送テーブル53のテーブル進行方向に直角な方向への位置ずれの補正、及び、ヨー角の補正は、いずれも上記スライドバー52の位置を基準として行うことができるようにしてあるため、上記搬送テーブル53の真直性を確保するための直進ガイドを、別途設ける必要をなくすことができる。しかも、駆動機能とガイド機能を別々の機構に分担させる場合に生じるような力の干渉が発生する虞も解消できる。
上記駆動ローラ54は、2つの押付ローラ55a,55bから等間隔となる位置に配置してあるため、駆動ローラ54をスライドバー52の一側面に接触させる際の与圧を制御する際に、上記各ピエゾアクチュエータ58と59により上記2つの押付ローラ55a,55bをスライドバー52の他側面にそれぞれ押し当てる力を等しくすることができて、上記各ピエゾアクチュエータ58と59の制御を容易なものとすることができる。更に、搬送テーブル53のヨー角の補正を行うために上記各ピエゾアクチュエータ58と59の伸縮量を相違させて、上記2つの押付ローラ55aと55bを変位させるときには、上記ピエゾアクチュエータ58又は59の伸長作動量と、ピエゾアクチュエータ59又は58の収縮作動量をほぼ等しくできることから、各ピエゾアクチュエータ58と59に、同じストロークを有する同一形式のピエゾアクチュエータを採用することができて、コストの削減化を図ることができると共に、ピエゾアクチュエータ58と59に必要とされるストローク量を小さく抑えることが可能になる。
次に、図8及び図9(イ)(ロ)は上記構成としてある本発明の摩擦駆動搬送装置により搬送される搬送テーブルの位置決めを精度よく行わせるようにする実施の一形態を示すもので、図1乃至図7に示してあるものと同様な構成において、図1と図2に示すものに適用した状態を示す。すなわち、搬送テーブル53の案内機構として機能しているスライドバー52の中央部分と搬送テーブル53との間に、位置検出器としての位置検出用リニアエンコーダ84を配置し、上記案内機構としてのスライドバー52と、該スライドバー52の中央部分に配置された位置検出用リニアエンコーダ84と、駆動モータ60により駆動される駆動ローラ54とスライドバー52との接触部である駆動機構との3つの要素がほぼ同一の直線状に配置されているようにする。
上記位置検出用リニアエンコーダ84は、スライドバー52の上面に、たとえば、検出ヘッド85を、該スライドバー52の長手方向に延びるように配置して取り付けると共に、搬送テーブル53のテーブルフレーム63b又は63cの上記検出ヘッド85に対応する部分に、たとえば、リニアスケール86を取り付け、該リニアスケール86と上記検出ヘッド85とを非接触とするようにした構成とし、この位置検出用リニアエンコーダ84を上記駆動モータ60に接続し、位置検出用リニアエンコーダ84から駆動モータ60へ検出情報をフィードバックできるようにする。
その他の構成は、図1乃至図7に示してあるものと同じであり、同一のものには同一符号が付してある。
上記構成としてあるので、スライドバー52の一側面に駆動ローラ54が押し当てられ且つ他側面に2つの押付ローラ55a,55bが押し当てられている状態において、駆動ローラ54を駆動モータ60からの動力により回転させて搬送テーブル53を移動させる場合、搬送テーブル53の位置は、位置検出器としての位置検出用リニアエンコーダ84により検出される。
この際、搬送テーブル53の下部中央部分に配置されているスライドバー52の上部に位置検出用リニアエンコーダ84を配置し、且つ上記スライドバー52は搬送テーブル53の案内要素となるものであり、又、駆動要素は、上記スライドバー52と駆動ローラ54との接触部よりなるものであり、上記駆動要素と案内要素と位置検出用リニアエンコーダ84が、案内要素としてのスライドバー52を中心に互いに近接した位置の一直線状に配置されているようにしてあるので、図12に示したようにガイド部42bが駆動要素としてのリニアモータ46の外側に配置してある構成のものに比して、駆動、案内、位置検出の3つのアッベ誤差を低減させることができる。これにより高精度な位置決めを行わせることが可能となる。
上記説明においては、スライドバー52の中央部分の上部に設ける位置検出用リニアエンコーダ84として、スライドバー52の上面に検出ヘッド85を配置し、搬送テーブル53のテーブルフレーム63b又は63cにリニアスケール86を配置したものを示したが、スライドバー52側にリニアスケール86を取り付け、搬送テーブル53のテーブルフレーム63b又は63c側に検出ヘッド85を取り付けるようにすることもできる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、駆動ローラユニット67は、駆動ローラ54を、テーブル進行方向と直角の方向にのみ変位できるようにした状態で搬送テーブル53側の所要位置に取り付けることができ、又、押付ローラユニット70a,70bは押付ローラ55a,55bを、テーブル進行方向と直角の方向にのみ変位できるようにした状態で搬送テーブル53側の所要位置に取り付けることができれば、いかなる構造としてもよく、たとえば、直動ガイドとしては、ローラハウジング68及び取付部材72と一体化させてなる弾性ヒンジ69に代えて、テーブル移動方向と直角方向にのみ弾性変形可能な板ばねや、テーブル移動方向と直角方向にのみスライド可能なスライド機構等、ローラハウジング68のテーブル移動方向と直角方向の変位のみを許容できればいかなる直動ガイドを採用してもよい。
上記搬送テーブル53は、ベース51上に、任意の方向に容易にスライド可能に載置でき、且つスライドバー52に押し当てるための駆動ローラ54、押付ローラ55a,55bと、該各ローラ54,55a,55bをテーブル移動方向と直角方向に変位させるためのピエゾアクチュエータ57,58,59と、駆動ローラ54のスライドバー52に対する与圧を検出するロードセル77と、駆動ローラ54を回転駆動させる駆動モータ60を所要位置に配置できるようにしてあれば、所望される搬送テーブル53のサイズ、形状等に応じて適宜構造を変化させてもよい。
駆動ローラ54、押付ローラ55a,55bをテーブル移動方向と直角方向に変位させるためのアクチュエータとしては、伸縮量の制御性や、反応速度の点等からピエゾアクチュエータ57,58,59を用いることが望ましいが、他の形式のアクチュエータを採用してもよい。
上記実施の形態においては、スライドバー52の一側面に接触させている一側面側ローラを、駆動モータ60に連結してなる駆動ローラ54とする構成としたが、上記一側面側ローラに代えて、スライドバー52の他側面に接触させて押付ローラ55a、55bとして用いている他側面側ローラのいずれか一方に、駆動モータ60をたわみ継手61を介して連結して、該一方の他側面側ローラを駆動ローラとするようにしてもよい。又、上記駆動モータ60は、テーブル本体62下面に設置して、その出力軸を、たわみ継手61を介して駆動ローラ54に連結するものとして示したが、駆動モータ60を、駆動ローラユニット67における弾性ヒンジ69を介した可動部であるローラハウジング68上に配設して、その出力軸に、たわみ継手61を使用することなく駆動ローラ54を連結するようにしてもよい。更に又、駆動ローラ54及び各押付ローラ55a,55bのすべてについて変位機構としてのピエゾアクチュエータ57,58,59を個別に備える構成について説明したが、上記駆動ローラ54又は各押付ローラ55a,55bの内のいずれか1つのローラが、テーブル移動方向と直角の方向に変位させるための変位機構を備えない構成としてもよく、この場合は、残る2つのローラを変位させることで、搬送テーブル53のヨー角補正効果を得ることが可能になる。
制御装置83は、予めスライドバー52の撓みを検定した結果に基づく搬送テーブル53のテーブル進行方向に直角な方向の位置補正量と、ヨー角補正量についての補正テーブルを備えて、該補正テーブルに従って、搬送テーブル53が存在している位置にて、搬送テーブル53に与えるべき位置補正量及びヨー角補正量に応じた補正が行われるように駆動ローラ54及び各押付ローラ55a,55bを変位させるための変位指令を発するものとして示したが、搬送テーブル53の運転中に該搬送テーブル53の位置及びヨー角のずれ量を測定可能な機器を装備することで、該ずれ量の測定結果に従って搬送テーブル53のテーブル進行方向に直角な方向の位置補正量と、ヨー角補正量を決定する機能を有するようにしてもよい。
上記においては、水平なベース51上で搬送テーブル53を移動させる形式の摩擦駆動搬送装置として説明したが、本発明の摩擦駆動搬送装置を、垂直なベース51にほぼ水平方向に延びるよう設置したスライドバー52に沿って、搬送テーブル53を移動させる形式に適用してもよい。この場合は、スライドバー52と、搬送テーブル53側に設ける駆動ローラ54、押付ローラ55a,55b、ピエゾアクチュエータ57,58,59、ロードセル77、駆動モータ60の図1、図2における左右方向の位置関係を、上下方向に配置するようにすればよい。更に、駆動ローラ54と2つの押付ローラ55a,55bとの位置関係は、駆動ローラ54が押付ローラ55a,55bの間であれば中央以外の位置にあってもよいこと、駆動ローラ54と押付ローラ55a,55bとは異なる外径のものとしてもよいこと、又、図8及び図9(イ)(ロ)に示す実施の形態では、位置検出用リニアエンコーダ84をスライドバー52の上面側に取り付けた場合を示したが、前記したように駆動要素と案内要素と位置検出用リニアエンコーダ84がスライドバー52を中心とする一直線状に配置されれば、スライドバー52の下面側に位置検出用リニアエンコーダ84を取り付けるようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の摩擦駆動搬送装置の実施の一形態を示す概略切断平面図である。 図1のA−A方向矢視図である。 図1のB−B方向矢視図である。 図1のC−C方向矢視図である。 図1の装置の駆動ローラユニットを拡大して示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)のD−D方向矢視図、(ハ)は(イ)のE−E方向矢視図である。 図1の装置の押付ローラユニットを拡大して示す図5(ハ)に相当する図である。 図1の装置の制御ユニットを示す概要図である。 本発明の摩擦駆動搬送装置の実施の他の形態を示す概略切断平面図である。 (イ)は図8のF−F方向矢視図、(ロ)は(イ)のG部の拡大図である。 従来提案されている摩擦駆動機構を備えた工作機械の送り装置を示すもので、(イ)は要部を示す縦断面図、(ロ)は(イ)のH−H方向矢視図である。 従来提案されている摩擦駆動機構の別の例を示す概要図である。 従来提案されているリニアモータを用いた駆動機構の例を示す切断正面図である。
符号の説明
51 ベース
52 スライドバー
53 搬送テーブル
54 駆動ローラ(一側面側ローラ)
55a,55b 押付ローラ(他側面側ローラ)
57、58、59 ピエゾアクチュエータ(変位機構)
60 駆動モータ
67 駆動ローラユニット(ローラユニット)
68 ローラハウジング
69 弾性ヒンジ(直動ガイド)
70a,70b 押付ローラユニット(ローラユニット)
84 位置検出用リニアエンコーダ
85 検出ヘッド
86 リニアスケール

Claims (6)

  1. 搬送テーブルの移動方向に延びるスライドバーを設け、且つ上記搬送テーブルに、上記スライドバーの一側面に接触させる一側面側ローラと、上記スライドバーの他側面に接触させる複数の他側面側ローラと、上記一側面側ローラ及び他側面側ローラのすべて、又は、いずれかをテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための変位機構と、上記一側面側及び他側面側の各ローラうちのいずれか1つのローラに連結して該ローラを駆動ローラとして回転駆動させるための駆動モータとを設けて、上記変位機構により上記駆動ローラ及び他の各ローラを上記スライドバーの両側面に押し当てるようにして、上記駆動モータにより駆動される上記駆動ローラと上記スライドバー側面との接触で上記搬送テーブルを上記スライドバーに沿い移動できるようにしたことを特徴とする摩擦駆動搬送装置。
  2. 変位機構によりテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための各ローラを、該各ローラを回転自在に保持するローラハウジングと、該ローラハウジングのテーブル移動方向と直角の方向への変位のみを許容する直動ガイドを備えてなる個別のローラユニットを介して搬送テーブルに取り付け、更に、変位機構により、上記各ローラを、それぞれ対応するローラユニットのローラハウジングと一緒にテーブル移動方向と直角方向に変位させるようにした請求項1記載の摩擦駆動搬送装置。
  3. 直動ガイドを、テーブル移動方向と直角の方向にのみ弾性変形可能な弾性ヒンジとした請求項2記載の摩擦駆動搬送装置。
  4. 一側面側ローラを駆動ローラとすると共に、他側面側ローラを2つとし、該各他側面側ローラを、上記駆動ローラからテーブル移動方向の等間隔位置でスライドバーの他側面に接触させるようにした請求項1、2又は3記載の摩擦駆動搬送装置。
  5. 搬送テーブルの移動方向に延びるスライドバーを、該搬送テーブルの下部に設け、且つ上記搬送テーブルに、上記スライドバーの一側面に接触させる一側面側ローラと、上記スライドバーの他側面に接触させる複数の他側面側ローラと、上記一側面側ローラ及び他側面側ローラのすべて、又は、いずれかをテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための変位機構と、上記一側面側及び他側面側の各ローラのうちのいずれか1つのローラに連結して該ローラを駆動ローラとして回転駆動させるための駆動モータとを設けて、上記変位機構により上記駆動ローラ及び他の各ローラを上記スライドバーの両側面に押し当てるようにして、上記駆動モータにより駆動される上記駆動ローラと上記スライドバー側面との接触で上記搬送テーブルを上記スライドバーに沿い移動できるようにし、更に、上記スライドバーの上部又は下部に位置検出器を設けて、駆動、案内、位置検出の三要素を互いに近接した位置の直線状に配置するようにした構成を有することを特徴とする摩擦駆動搬送装置。
  6. 搬送テーブルの案内要素となり且つ側面への駆動ローラの接触部で駆動要素となるスライドバーの上部に位置検出用リニアエンコーダを配置した請求項5記載の摩擦駆動搬送装置。
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