JP2008103638A - 半導体装置の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の半導体装置の製造装置では、放熱板と筐体とを熱硬化型接着剤で接合する際に、放熱板とホットプレートとの接触面積が小さいため、熱硬化型接着剤の硬化度合いにばらつきがあり、接合品質が低下していた。
【解決手段】 半導体素子を実装した基板が接合された放熱板2と、半導体素子を内部に収める筐体3とを熱硬化性接着剤により接合して半導体装置を製造する装置1であって、熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを放熱板側から加熱する加熱具10と、熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを、筐体側から両者の接合方向へ加圧するシリンダ30とを備え、加熱具10は、シリンダ30により加圧された放熱板2および筐体3を、放熱板側に凸となる形状に保持する形状保持部11と、放熱板2の略全面に接触して該放熱板2を加熱する加熱部20とを備えている。
【選択図】 図5
【解決手段】 半導体素子を実装した基板が接合された放熱板2と、半導体素子を内部に収める筐体3とを熱硬化性接着剤により接合して半導体装置を製造する装置1であって、熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを放熱板側から加熱する加熱具10と、熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを、筐体側から両者の接合方向へ加圧するシリンダ30とを備え、加熱具10は、シリンダ30により加圧された放熱板2および筐体3を、放熱板側に凸となる形状に保持する形状保持部11と、放熱板2の略全面に接触して該放熱板2を加熱する加熱部20とを備えている。
【選択図】 図5
Description
本発明は、半導体素子を実装した基板が接合された放熱板と、前記半導体素子を内部に収める筐体とを、放熱板と筐体との間に介在させた熱硬化性接着剤により接合して半導体装置を製造する装置の構成に関する。
一般的に、IGBTモジュール等のパワー半導体モジュールは、パワー半導体素子を実装した基板を放熱板にはんだ接合した後、該放熱板と前記パワー半導体素子を覆う筐体とを熱硬化性接着剤等で接合することにより構成されている。
このように構成されるパワー半導体モジュールにおいては、放熱板を冷却体に接合して、パワー半導体が発した熱を、該放熱板を通じて冷却体へ伝導させて放熱するように構成しているため、パワー半導体モジュールの放熱板と冷却体とを広範囲で密着させて、両者間の熱抵抗を小さくすることが重要である。
このように構成されるパワー半導体モジュールにおいては、放熱板を冷却体に接合して、パワー半導体が発した熱を、該放熱板を通じて冷却体へ伝導させて放熱するように構成しているため、パワー半導体モジュールの放熱板と冷却体とを広範囲で密着させて、両者間の熱抵抗を小さくすることが重要である。
一方、パワー半導体モジュールの製造工程において、パワー半導体素子を実装した基板を放熱板にはんだ接合する場合、基板および放熱板ははんだが溶融する温度まで加熱されることとなり、その加熱温度に応じて熱膨張する。
はんだ接合後に放熱板を冷却した場合、熱膨張した放熱板における基板接合側の面は、はんだが凝固した後は収縮が制限されるが、基板接合側の面と反対側の面は自由に収縮することが可能である。
はんだ接合後に放熱板を冷却した場合、熱膨張した放熱板における基板接合側の面は、はんだが凝固した後は収縮が制限されるが、基板接合側の面と反対側の面は自由に収縮することが可能である。
はんだの凝固温度は常温よりも遥かに高いため、常温にまで冷却された放熱板の基板接合側面と、その反対側面との収縮量が大きく異なることとなり、放熱板は基板が接合された側に凸となるように反った状態となる。
基板接合側面に凸となる反り形状の放熱板の基板接合側面に、そのまま筐体を接合すると、図7に示すように、放熱板102が筐体103側(つまり基板接合側面)に凸となる反り形状を保持したままの状態でパワー半導体モジュール101が構成される。
図8に示すように、前記パワー半導体モジュール101を冷却体105に接合する場合、該パワー半導体モジュール101の端部をボルト104等で締結することにより、グリスを介して冷却体105に接合しているが、放熱板102が筐体103側に凸となるように反っていると、パワー半導体モジュール101の中央部と冷却体との間に隙間が生じて両者の密着面積が小さくなり、熱抵抗が増加して冷却効率が低下してしまうという不具合が生じる。
基板接合側面に凸となる反り形状の放熱板の基板接合側面に、そのまま筐体を接合すると、図7に示すように、放熱板102が筐体103側(つまり基板接合側面)に凸となる反り形状を保持したままの状態でパワー半導体モジュール101が構成される。
図8に示すように、前記パワー半導体モジュール101を冷却体105に接合する場合、該パワー半導体モジュール101の端部をボルト104等で締結することにより、グリスを介して冷却体105に接合しているが、放熱板102が筐体103側に凸となるように反っていると、パワー半導体モジュール101の中央部と冷却体との間に隙間が生じて両者の密着面積が小さくなり、熱抵抗が増加して冷却効率が低下してしまうという不具合が生じる。
そこで、特許文献1に示すように、放熱板と筐体とを接合する際に、該筐体の周縁部に放熱板側への押圧力を作用させて、筐体の周縁部を放熱板に向けて凹に反らせた状態とすることで、接合後の放熱板に筐体側に凹となる反り(放熱板の冷却体との接合面側に凸となる反り)を生じさせるように構成した技術が公開されている。
図9に示すように、筐体103側に凹となるように反った形状となっている放熱板102を備えたパワー半導体モジュール101をボルト104等により冷却体105に接合すると、図10に示すように、放熱板102の冷却体105との接合面が全体的に該冷却体105と密着することとなり、熱抵抗が小さくなって高い冷却効率を得ることが可能となる。
図9に示すように、筐体103側に凹となるように反った形状となっている放熱板102を備えたパワー半導体モジュール101をボルト104等により冷却体105に接合すると、図10に示すように、放熱板102の冷却体105との接合面が全体的に該冷却体105と密着することとなり、熱抵抗が小さくなって高い冷却効率を得ることが可能となる。
また、放熱板を筐体側に凹となるように反らせた形状に変形・保持した状態で、放熱板と筐体とを接合することで、放熱板の接合面を全体的に冷却体に密着させることもできる。
例えば、図11に示すように、熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた筐体103および放熱板102の下方にホットプレート110を配置するとともに、上方にシリンダ112等の加圧具を配置して、前記シリンダ112により筐体103および放熱板102を接合方向(図11における下方)へ加圧するとともに、ホットプレート110により放熱板102を加熱して、筐体103と放熱板102との接合を行う。
例えば、図11に示すように、熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた筐体103および放熱板102の下方にホットプレート110を配置するとともに、上方にシリンダ112等の加圧具を配置して、前記シリンダ112により筐体103および放熱板102を接合方向(図11における下方)へ加圧するとともに、ホットプレート110により放熱板102を加熱して、筐体103と放熱板102との接合を行う。
この場合、ホットプレート110の両端部に突起部110a・110aを形成し、該突起部110a・110aに放熱板102の両端部を載置した状態で、シリンダ112により筐体103および放熱板102の略中央部をホットプレート110方向へ押圧することで、放熱板102が筐体側に凹(図11において下方に凸)となるように反った形状に変形することとなり、この状態で放熱板102と筐体103との接合が行われる
このように、放熱板102と筐体103との接合時に、該放熱板102が筐体側に凹となるように変形させることで、その後も放熱板102の反り形状が保持され、放熱板の接合面を全体的に冷却体に密着させることが可能となる。
また、放熱板102と筐体103との接合時に該放熱板102を変形させるので、放熱板102を変形させるための工程を別途設ける必要もない。
特開2003−303933号公報
このように、放熱板102と筐体103との接合時に、該放熱板102が筐体側に凹となるように変形させることで、その後も放熱板102の反り形状が保持され、放熱板の接合面を全体的に冷却体に密着させることが可能となる。
また、放熱板102と筐体103との接合時に該放熱板102を変形させるので、放熱板102を変形させるための工程を別途設ける必要もない。
しかし、前述の図11に示した構成の場合、ホットプレート110の突起部110a・110aに載置した放熱板102の略中央部をシリンダ112にて放熱板102側へ押圧して、該放熱板102を下方に凸となるように変形させているので、放熱板102はホットプレート110両端の突起部110a・110aおよび略中央部の3点で該ホットプレート110に接触するのみとなっている。
このように、前記放熱板102は、ホットプレート110と突起部110a・110aおよび略中央部の3点で接触しているだけなので、放熱板102のホットプレート110との接触面積が小さく、放熱板102が加熱されにくいため、熱硬化性接着剤等の接合材を硬化させるのに多くの時間が必要となっていた。
また、前記放熱板102はホットプレート110と前記3点で接触しているだけであるため、ホットプレート110と接触している前記3点の部分の放熱板102に比べて、その他の部分の放熱板102は加熱されにくく、両部分での接合材の硬化度合いのばらつきが大きくなって、接合品質が低下することとなっていた。
このように、前記放熱板102は、ホットプレート110と突起部110a・110aおよび略中央部の3点で接触しているだけなので、放熱板102のホットプレート110との接触面積が小さく、放熱板102が加熱されにくいため、熱硬化性接着剤等の接合材を硬化させるのに多くの時間が必要となっていた。
また、前記放熱板102はホットプレート110と前記3点で接触しているだけであるため、ホットプレート110と接触している前記3点の部分の放熱板102に比べて、その他の部分の放熱板102は加熱されにくく、両部分での接合材の硬化度合いのばらつきが大きくなって、接合品質が低下することとなっていた。
さらに、前述の特許文献1に記載の技術では、筐体の周縁部に放熱板側への押圧力を作用させる機構が複雑となり、半導体装置の製造装置が大型化・高コスト化していた。
上記課題を解決する半導体装置の製造装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、半導体素子を実装した基板が接合された放熱板と、前記半導体素子を内部に収める筐体とを、放熱板と筐体との間に介在させた熱硬化性接着剤により接合して半導体装置を製造する装置であって、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板と筐体とを放熱板側から加熱する加熱具と、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板と筐体とを、筐体側から両者の接合方向へ加圧する加圧具とを備え、前記加熱具は、前記加圧具により加圧された前記放熱板および筐体を、放熱板側に凸となる形状に保持する形状保持部と、放熱板の略全面に接触して該放熱板を加熱する加熱部とを備えている。
これにより、放熱板と前記加熱部との接触面積が大きくなり、該放熱板を効率的かつ均一に加熱することが可能となって、放熱板と筐体との間に介在する熱硬化型接着剤の硬化度合いのばらつきを抑えて、放熱板と筐体との接合品質の向上を図ることができる。
即ち、請求項1記載の如く、半導体素子を実装した基板が接合された放熱板と、前記半導体素子を内部に収める筐体とを、放熱板と筐体との間に介在させた熱硬化性接着剤により接合して半導体装置を製造する装置であって、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板と筐体とを放熱板側から加熱する加熱具と、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板と筐体とを、筐体側から両者の接合方向へ加圧する加圧具とを備え、前記加熱具は、前記加圧具により加圧された前記放熱板および筐体を、放熱板側に凸となる形状に保持する形状保持部と、放熱板の略全面に接触して該放熱板を加熱する加熱部とを備えている。
これにより、放熱板と前記加熱部との接触面積が大きくなり、該放熱板を効率的かつ均一に加熱することが可能となって、放熱板と筐体との間に介在する熱硬化型接着剤の硬化度合いのばらつきを抑えて、放熱板と筐体との接合品質の向上を図ることができる。
また、請求項2記載の如く、前記加熱具における加熱部は、内部に加熱用流動体が充填された袋状部材にて構成され、該袋状部材における前記放熱板との接触面は、該放熱板の表面形状に沿って変形可能である。
これにより、前記加熱部と放熱板とを確実に密着させることが可能となり、放熱板の加熱効率を確実に向上させることができる。
これにより、前記加熱部と放熱板とを確実に密着させることが可能となり、放熱板の加熱効率を確実に向上させることができる。
また、請求項3記載の如く、前記加熱部の袋状部材に充填される加熱用流動体は循環可能である。
このように、加熱用流動体を循環可能とすることで、一旦放熱板と筐体との接合に用いた加熱用流動体を、次の放熱板と筐体との接合を行う際に、加熱された新たな加熱用流動体と入れ換えて、放熱板と筐体との接合を連続して行うことが可能となる。
このように、連続して放熱板と筐体との接合を行うことを可能にすることで、前記接合工程の自動化を図ることが容易になり、生産性を向上することができる。
このように、加熱用流動体を循環可能とすることで、一旦放熱板と筐体との接合に用いた加熱用流動体を、次の放熱板と筐体との接合を行う際に、加熱された新たな加熱用流動体と入れ換えて、放熱板と筐体との接合を連続して行うことが可能となる。
このように、連続して放熱板と筐体との接合を行うことを可能にすることで、前記接合工程の自動化を図ることが容易になり、生産性を向上することができる。
また、請求項4記載の如く、前記加熱具における形状保持部と加熱部とを同一の部材で構成した。
これにより、加熱具を簡単な構成とすることができ、半導体装置の製造装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
これにより、加熱具を簡単な構成とすることができ、半導体装置の製造装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
本発明によれば、放熱板と半導体装置の製造装置における加熱部との接触面積が大きくなり、該放熱板を効率的かつ均一に加熱することが可能となって、放熱板と筐体との間に介在する熱硬化型接着剤の硬化度合いのばらつきを抑えて、放熱板と筐体との接合品質の向上を図ることができる。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示す半導体装置の製造装置1は、IGBT素子等の半導体素子を実装した基板が接合された放熱板2(図4参照)と、前記半導体素子を内部に収める筐体3(図4参照)とを、該放熱板2と筐体3との間に介在させた熱硬化性接着剤により接合して半導体装置を製造する装置であり、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを放熱板2側から加熱する加熱具10と、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを筐体3側から両者の接合方向へ加圧するシリンダ30等で構成される加圧具とを備えている。
前記加熱具10は、接合する前記放熱板2および筐体3が載置され、前記シリンダ30により加圧された放熱板2および筐体3の形状を、放熱板2側に凸(下方に凸)となる形状に保持する形状保持部11と、放熱板2の略全面に接触して該放熱板2を加熱する加熱部20とを備えている。
前記形状保持部11は、平板状に形成される本体11aと、該本体11aの両端部から上方へ突出する端部支持橋11b・11bと、本体11aの略中央部から上方へ突出する中央部支持橋11cとを備えている。
前記端部支持橋11b・11bは前記中央部支持橋11cよりも長く形成されており、該端部支持橋11b・11bの上端は中央部支持橋11cの上端よりも高位置に位置している。また、端部支持橋11b・11bの長さと中央部支持橋11cの長さとの差は、放熱板2に付与したい反り形状の大きさに応じて適宜設定される。
前記端部支持橋11b・11bは前記中央部支持橋11cよりも長く形成されており、該端部支持橋11b・11bの上端は中央部支持橋11cの上端よりも高位置に位置している。また、端部支持橋11b・11bの長さと中央部支持橋11cの長さとの差は、放熱板2に付与したい反り形状の大きさに応じて適宜設定される。
前記加熱部20は、内部に放熱板加熱用の油が充填され、放熱板2に接触することで該放熱板2を加熱するヒーターバッグ21・21と、前記ヒーターバッグ21・21に充填する油を貯溜、加熱し、ヒーターバッグ21・21に圧送するヒーター・ポンプ22とを備えており、該ヒーターバッグ21・21とヒーター・ポンプ22とは油供給管23および油排出管24にて接続されている。
また、前記油供給管23および油排出管24には、該油供給管23および油排出管24をそれぞれ開閉するバルブ25およびバルブ26が設けられている。
前記ヒーターバッグ21・21への油の充填は、前記ヒーター・ポンプ22から油供給管23を通じてヒーターバッグ21・21へ油を圧送することにより行われる。
前記ヒーターバッグ21・21への油の充填は、前記ヒーター・ポンプ22から油供給管23を通じてヒーターバッグ21・21へ油を圧送することにより行われる。
図2、図3に示すように、前記ヒーターバッグ21は、上面および下面が開口した略矩形状の枠体21aと、該枠体21aの上面および下面をそれぞれ閉塞する薄板部材21b・21bとで構成されている。
前記枠体21aおよび薄板部材21b・21bは、例えば金属部材にて構成され、溶接等により互いに接合されている。
また、前記ヒーターバッグ21の薄板部材21b・21bは、該ヒーターバッグ21内に油が充填されると、該油の圧力により膨らんで外側に凸の形状に湾曲する程度の、厚みおよび剛性等の特性を有した部材にて構成されている。
前記枠体21aおよび薄板部材21b・21bは、例えば金属部材にて構成され、溶接等により互いに接合されている。
また、前記ヒーターバッグ21の薄板部材21b・21bは、該ヒーターバッグ21内に油が充填されると、該油の圧力により膨らんで外側に凸の形状に湾曲する程度の、厚みおよび剛性等の特性を有した部材にて構成されている。
なお、本例においては、ヒーターバッグ21・21の内部に充填され、放熱板2を加熱するための媒体として油を用いているが、油に限らず、熱硬化型接着剤が硬化可能な温度にまで放熱板を加熱することができるものであれば、その他の液体やペースト状およびゲル状等の流動体を用いることができる。
次に、以上のごとく構成される半導体装置の製造装置1を用いた、放熱板2と筐体3との接合工程について説明する。
図4に示すように、放熱板2と筐体3とを接合する際には、熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを、前記加熱具10の形状保持部11に載置する。この場合、放熱板2および筐体3は、放熱板2が下方に位置し、筐体3が上方に位置するように載置する。
図4に示すように、放熱板2と筐体3とを接合する際には、熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを、前記加熱具10の形状保持部11に載置する。この場合、放熱板2および筐体3は、放熱板2が下方に位置し、筐体3が上方に位置するように載置する。
また、パワー半導体素子を実装した基板がはんだ接合された放熱板2は、はんだ接合後の冷却時に基板接合側の面(上面)の収縮が制限され、上側に凸となる形状に反っているため、形状保持部11に載置した状態では、前記端部支持橋11b・11bのみにより支持され、放熱板2と中央部支持橋11cとの間には隙間が生じている。
図5に示すように、形状保持部11に放熱板2を載置した後、前記シリンダ30により、当接させた状態の放熱板2および筐体3の略中央部に上方から荷重を加え、下方に押圧する。
前記シリンダ30により押圧された放熱板2および筐体3の略中央部は、放熱板2の下面が形状保持部11の中央部支持橋11cに当接するまで下方に沈み込む。
前記シリンダ30により押圧された放熱板2および筐体3の略中央部は、放熱板2の下面が形状保持部11の中央部支持橋11cに当接するまで下方に沈み込む。
前記中央部支持橋11cは端部支持橋11b・11bよりも短く形成されているので、中央部支持橋11cに当接するまで沈み込んだ放熱板2は、形状保持部11側に凸(下方に凸)となる形状に変形する。
なお、形状保持部11により放熱板2および筐体3を支持した状態では、該形状保持部11の本体11a、端部支持橋11b、中央部支持橋11c、および放熱板2により囲まれた空間に前記各ヒーターバッグ21が収容された状態となっている。
また、前記空間に収容されたヒーターバッグ21の大きさは、該空間の大きさと略同じ程度に形成されている。
なお、形状保持部11により放熱板2および筐体3を支持した状態では、該形状保持部11の本体11a、端部支持橋11b、中央部支持橋11c、および放熱板2により囲まれた空間に前記各ヒーターバッグ21が収容された状態となっている。
また、前記空間に収容されたヒーターバッグ21の大きさは、該空間の大きさと略同じ程度に形成されている。
前記シリンダ30により放熱板2および筐体3を押圧して、該放熱板2および筐体がシリンダ30および形状保持部11により下方に凸となる形状に変形された状態を保持しながら、前記ヒーター・ポンプ22により前記ヒーターバッグ21・21内に油を圧送して充填する。
この場合、ヒーター・ポンプ22からヒーターバッグ21・21内に充填される油は、該ヒーター・ポンプ22により、熱硬化型接着剤が硬化するだけの温度にまで加熱されており、ヒーターバッグ21・21内に油を充填する際には、油供給管23のバルブ25は開いて、油排出管24は閉じている。
この場合、ヒーター・ポンプ22からヒーターバッグ21・21内に充填される油は、該ヒーター・ポンプ22により、熱硬化型接着剤が硬化するだけの温度にまで加熱されており、ヒーターバッグ21・21内に油を充填する際には、油供給管23のバルブ25は開いて、油排出管24は閉じている。
このように、油が充填されたヒーターバッグ21・21においては、薄板部材21b・21bが外側に膨らんで、体積が増加する。
そして、膨らんで体積が増加したヒーターバッグ21・21の薄板部材21b・21bは、全体的に放熱板2の下面に密着する。
この場合、ヒーターバッグ21・21の薄板部材21b・21bは、放熱板2の下面の略全体(下面のうち、前記端部支持橋11bおよび中央部支持橋11cに当接している部分を除いた範囲)にわたって密着している。
そして、膨らんで体積が増加したヒーターバッグ21・21の薄板部材21b・21bは、全体的に放熱板2の下面に密着する。
この場合、ヒーターバッグ21・21の薄板部材21b・21bは、放熱板2の下面の略全体(下面のうち、前記端部支持橋11bおよび中央部支持橋11cに当接している部分を除いた範囲)にわたって密着している。
油が充填されたヒーターバッグ21・21が放熱板2に密着することで、油の熱が放熱板2に伝導されて該放熱板2が加熱される。
放熱板2は、前記ヒーターバッグ21・21により、少なくとも該放熱板2と筐体3との間に介在する熱硬化性接着剤が硬化する温度となるまで加熱される。
放熱板2は、前記ヒーターバッグ21・21により、少なくとも該放熱板2と筐体3との間に介在する熱硬化性接着剤が硬化する温度となるまで加熱される。
ヒーターバッグ21・21に油が充填され、該ヒーターバッグ21・21が放熱板2に密着した後、熱硬化性接着剤が硬化するまでの所定時間、ヒーターバッグ21・21が放熱板2に密着した状態を保持し、熱硬化性接着剤が硬化した後、シリンダ30による放熱板2および筐体3の押圧を停止して、該放熱板2および筐体3を形状保持部11から取り出す。
これにより、放熱板2と筐体3とが熱硬化性接着剤により接合されて、半導体装置(パワー半導体モジュール)が構成される。
これにより、放熱板2と筐体3とが熱硬化性接着剤により接合されて、半導体装置(パワー半導体モジュール)が構成される。
以上のように、本半導体装置の製造装置1は、シリンダ30に加圧された放熱板2および筐体3を、形状保持部11により放熱板2側に凸となる形状に保持しながら、放熱板2の略全面に加熱部20のヒーターバッグ21・21に接触させて該放熱板2を加熱するように構成しているので、放熱板2のヒーターバッグ21・21との接触面積が大きくなり、該放熱板2を効率的かつ均一に加熱することが可能となって、放熱板2と筐体3との間に介在する熱硬化型接着剤の硬化度合いのばらつきを抑えて、放熱板2と筐体3との接合品質の向上を図ることができる。
特に、油が充填されているヒーターバッグ21・21は袋状に形成されており、放熱板2との接触面となる薄板部材21bが、放熱板の表面形状に沿って変形可能に構成されているので、ヒーターバッグ21・21と放熱板2とを確実に密着させることが可能となり、放熱板2の加熱効率を確実に向上させることができる。
また、本半導体装置の製造装置1により筐体3と接合された放熱板2は筐体3側に凹(下側に凸)となるように反った形状となるため、該放熱板2と筐体3とを接合して構成された半導体装置を冷却体に接合した際には、前記放熱板2と冷却体とが全体的に密着することとなり、熱抵抗が小さくなって高い冷却効率を得ることが可能となる。
また、放熱板2と筐体3との接合が完了して、接合された放熱板2および筐体3を形状保持部11から取り出した後、次に接合する放熱板2および筐体3を形状保持部11に載置するとともにシリンダ30により押圧してセットする。
その後、ヒーターバッグ21・21内に充填されている油をヒーター・ポンプ22に排出するとともに、該ヒーター・ポンプ22にて加熱された新たな油をヒーターバッグ21・21内に再度充填する。
その後、ヒーターバッグ21・21内に充填されている油をヒーター・ポンプ22に排出するとともに、該ヒーター・ポンプ22にて加熱された新たな油をヒーターバッグ21・21内に再度充填する。
この場合、例えば油供給管23のバルブ25を閉じるとともに、油排出管24のバルブ26を開いてヒーターバッグ21・21内の油を排出し、その後油排出管24のバルブ26を閉じるとともに油供給管23のバルブ25を開いて、ヒーターバッグ21・21内へ油を充填する。
また、油供給管23および油排出管24を共に開いて、ヒーターバッグ21・21内からの油の排出とヒーターバッグ21・21内への油の充填とを同時に行うことも可能である。
また、油供給管23および油排出管24を共に開いて、ヒーターバッグ21・21内からの油の排出とヒーターバッグ21・21内への油の充填とを同時に行うことも可能である。
つまり、放熱板2と筐体3とを接合した後に、新たに放熱板2と筐体3とを接合する場合には、一度放熱板2と筐体3との接合に用いたヒーターバッグ21・21内の油をヒーター・ポンプ22との間で循環させて、新たな油をヒーターバッグ21・21内へ充填するようにしている。
ヒーターバッグ21・21内に充填され、放熱板2と筐体3との接合に用いられた油は、該放熱板2および筐体3を加熱する際に熱を奪われて、その温度が低下する。
前述のごとく放熱板2と筐体3との接合に用いられて温度が低下した油を用いて、続けて放熱板2と筐体3との接合を行おうとすると、熱硬化性接着剤を十分に硬化させることができない恐れがある。
前述のごとく放熱板2と筐体3との接合に用いられて温度が低下した油を用いて、続けて放熱板2と筐体3との接合を行おうとすると、熱硬化性接着剤を十分に硬化させることができない恐れがある。
そこで、放熱板2と筐体3との接合が一旦完了した後に、ヒーターバッグ21・21内の油を循環させて加熱された新たな油と入れ換えることで、次の放熱板2と筐体3との接合を連続して行うことができるようにしている。
このように、連続して放熱板2と筐体3との接合を行うことを可能にすることで、前記接合工程の自動化を図ることが容易になり、生産性を向上することができる。
このように、連続して放熱板2と筐体3との接合を行うことを可能にすることで、前記接合工程の自動化を図ることが容易になり、生産性を向上することができる。
また、半導体装置の製造装置1は、次のように構成することもできる。
つまり、図6に示す半導体装置の製造装置51は、前述の半導体装置の製造装置1と同様に前記放熱板2と前記筐体3とを、放熱板2と筐体3との間に介在させた熱硬化性接着剤により接合して半導体装置を製造する装置であり、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた前記放熱板2と筐体3とを放熱板2側から加熱する加熱具60と、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを筐体3側から両者の接合方向へ加圧するシリンダ80等で構成される加圧具とを備えている。
つまり、図6に示す半導体装置の製造装置51は、前述の半導体装置の製造装置1と同様に前記放熱板2と前記筐体3とを、放熱板2と筐体3との間に介在させた熱硬化性接着剤により接合して半導体装置を製造する装置であり、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた前記放熱板2と筐体3とを放熱板2側から加熱する加熱具60と、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板2と筐体3とを筐体3側から両者の接合方向へ加圧するシリンダ80等で構成される加圧具とを備えている。
前記加熱具60は、金属部材等の良熱伝導性部材にて構成されたホットプレートに構成されており、適宜温度に加熱可能となっている。
また、前記放熱板2と接触する加熱具60の上面60aは、両端側から中央部側へかけて下方へ傾斜する略「V」字状の形状に形成されている。
また、前記放熱板2と接触する加熱具60の上面60aは、両端側から中央部側へかけて下方へ傾斜する略「V」字状の形状に形成されている。
放熱板2と筐体3とを接合する際には、前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた前記放熱板2および筐体3を、適宜温度に加熱された加熱具60上に載置し、載置した放熱板2および筐体3の略中央部に、前記シリンダ80により上方から荷重を加えて下方に押圧する。
この場合、放熱板2および筐体3は、放熱板2が下方に位置し、筐体3が上方に位置するように載置する。
この場合、放熱板2および筐体3は、放熱板2が下方に位置し、筐体3が上方に位置するように載置する。
前記シリンダ80により押圧された放熱板2および筐体3は下方に沈み込み、該放熱板2の下面が加熱具60の上面60aに当接する。
シリンダ80の押圧により加熱具60の上面60aに当接した放熱板2は、加熱具60側に凸(下方に凸)となる形状に変形するとともに、その下面が全体的に加熱具60の上面60aに密着する。
シリンダ80の押圧により加熱具60の上面60aに当接した放熱板2は、加熱具60側に凸(下方に凸)となる形状に変形するとともに、その下面が全体的に加熱具60の上面60aに密着する。
放熱板2は、加熱具60の上面60aに密着することで、該加熱具60の熱が伝導され加熱される。
なお、加熱具60は予め所定の温度に加熱されているが、その加熱温度は、放熱板2を熱硬化性接着剤が硬化する温度にまで上昇させることができるだけの温度となっている。
また、加熱具60の上面60aの形状は、筐体3との接合が完了した放熱板2に筐体3側に凹となる反り(下方に凸となる反り)を付与できる形状となっており、該上面60aの良端部から中央部へ向う傾斜度合いは、放熱板2に付与する反りの大きさに応じて適宜設定される。
なお、加熱具60は予め所定の温度に加熱されているが、その加熱温度は、放熱板2を熱硬化性接着剤が硬化する温度にまで上昇させることができるだけの温度となっている。
また、加熱具60の上面60aの形状は、筐体3との接合が完了した放熱板2に筐体3側に凹となる反り(下方に凸となる反り)を付与できる形状となっており、該上面60aの良端部から中央部へ向う傾斜度合いは、放熱板2に付与する反りの大きさに応じて適宜設定される。
シリンダ80の押圧により放熱板2が加熱具60の上面60aに密着した後、熱硬化性接着剤が硬化するまでの所定時間、該放熱板2が加熱具60の上面60aに密着した状態を保持し、熱硬化性接着剤が硬化した後、シリンダ30による放熱板2および筐体3の押圧を停止して、該放熱板2および筐体3を加熱具60から取り出す。
これにより、放熱板2と筐体3とが熱硬化性接着剤により接合されて、半導体装置(パワー半導体モジュール)が構成される。
これにより、放熱板2と筐体3とが熱硬化性接着剤により接合されて、半導体装置(パワー半導体モジュール)が構成される。
このように、本例の半導体装置の製造装置51の場合も、略「V」字状に形成された加熱具60の上面60aに放熱板を密着させた状態で該放熱板2を加熱するように構成することで、放熱板2と加熱具60との接触面積が大きくなり、該放熱板2を効率的かつ均一に加熱することが可能となって、放熱板2と筐体3との間に介在する熱硬化型接着剤の硬化度合いのばらつきを抑えて、放熱板2と筐体3との接合品質の向上を図ることができる。
また、本半導体装置の製造装置51により筐体3と接合された放熱板2は筐体3側に凹(下側に凸)となるように反った形状となるため、該放熱板2と筐体3とを接合して構成された半導体装置を冷却体に接合した際には、前記放熱板2と冷却体とが全体的に密着することとなり、熱抵抗が小さくなって高い冷却効率を得ることが可能となる。
また、前記加熱具60は放熱板2および筐体3を加熱するための加熱部の役割を果たすとともに、その上面60aにより放熱板2を支持して該放熱板2の形状を下方に凸となる反り形状に保持するための形状保持部としての役割をも果たしている。
つまり、本例における加熱具60は、前記加熱部と形状保持部とを同一の部材で構成したものといえる。
つまり、本例における加熱具60は、前記加熱部と形状保持部とを同一の部材で構成したものといえる。
このように、加熱部と形状保持部とを同一の部材で構成することにより、加熱具60を簡単な構成とすることができ、半導体装置の製造装置51の小型化および低コスト化を図ることができる。
1 半導体装置の製造装置
2 放熱板
3 筐体
10 加熱具
11 形状保持部
11b 端部支持橋
11c 中央部支持橋
20 加熱部
21 ヒーターバッグ
22 ヒーター・ポンプ
30 シリンダ
2 放熱板
3 筐体
10 加熱具
11 形状保持部
11b 端部支持橋
11c 中央部支持橋
20 加熱部
21 ヒーターバッグ
22 ヒーター・ポンプ
30 シリンダ
Claims (4)
- 半導体素子を実装した基板が接合された放熱板と、前記半導体素子を内部に収める筐体とを、放熱板と筐体との間に介在させた熱硬化性接着剤により接合して半導体装置を製造する装置であって、
前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板と筐体とを放熱板側から加熱する加熱具と、
前記熱硬化性接着剤を介在させた状態で当接させた放熱板と筐体とを、筐体側から両者の接合方向へ加圧する加圧具とを備え、
前記加熱具は、前記加圧具により加圧された前記放熱板および筐体を、放熱板側に凸となる形状に保持する形状保持部と、放熱板の略全面に接触して該放熱板を加熱する加熱部とを備えている、
ことを特徴とする半導体装置の製造装置。 - 前記加熱具における加熱部は、内部に加熱用流動体が充填された袋状部材にて構成され、
該袋状部材における前記放熱板との接触面は、該放熱板の表面形状に沿って変形可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造装置。 - 前記加熱部の袋状部材に充填される加熱用流動体は循環可能である、
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造装置。 - 前記加熱具における形状保持部と加熱部とを同一の部材で構成した、
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006286792A JP2008103638A (ja) | 2006-10-20 | 2006-10-20 | 半導体装置の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006286792A JP2008103638A (ja) | 2006-10-20 | 2006-10-20 | 半導体装置の製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008103638A true JP2008103638A (ja) | 2008-05-01 |
Family
ID=39437722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006286792A Withdrawn JP2008103638A (ja) | 2006-10-20 | 2006-10-20 | 半導体装置の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008103638A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012019099A (ja) * | 2010-07-08 | 2012-01-26 | Aisin Aw Co Ltd | 電子部品の接着装置及び接着方法 |
-
2006
- 2006-10-20 JP JP2006286792A patent/JP2008103638A/ja not_active Withdrawn
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