JP2008101687A - 油量調整機構及びその油量調整機構を備えたオイルパンユニット - Google Patents

油量調整機構及びその油量調整機構を備えたオイルパンユニット Download PDF

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Abstract

【課題】オイルを所定温度に調整するといった作業を必要とすることなしに、そのオイルの温度に応じた適正な量のオイル貯留量を得ることができる油量調整機構及びその油量調整機構を備えたオイルパンユニットを提供する。
【解決手段】オイルパン2に貯留されるオイルの油面高さを設定するためのオーバフローチューブ6を蛇腹構造にして高さ寸法を可変とする。昇降移動可能な高さ調整リング72にオーバフローチューブ6の上端を係合させ、高さ調整リング72の位置に応じてオーバフローチューブ6の高さ寸法を変更する。オイル温度が高い場合の油量調整時にはオーバフローチューブ6の高さ寸法を長くして油面高さを高く設定する。オイル温度が低い場合の油量調整時にはオーバフローチューブ6の高さ寸法を短くして油面高さを低く設定する。これにより、温度によるオイル体積変化の影響を受けることのない油量調整が行える。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動変速機のオイルパンに貯留されるオイルの油量調整等に適用される油量調整機構及びその油量調整機構を備えたオイルパンユニット(油量調整機構とオイルパンとで構成されるユニット)に係る。特に、本発明は、適正な油量調整を可能にするための対策に関する。
従来より、自動車に搭載される自動変速機には、変速処理及び潤滑のためのオイル(作動油;ATフルード)が所定量注入される。このオイルは、自動変速機の底部に取り付けられたオイルパンにおいて所定量が維持されている。
従来、オイルの注入作業時等においてオイルパン内のオイル貯留量が適正量に達したか否かを確認するためにオイルレベルゲージが使用されていた。つまり、このオイルレベルゲージを抜き取ることによるオイルパン内の油面高さ確認作業を繰り返しながらオイル貯留量が適正量になるよう調整していた。
また、このようなオイルレベルゲージによる煩雑な確認作業を不要にするものとして、下記の特許文献1や特許文献2が提案されている。これら特許文献のものは、オイルパンの底部に形成されたドレン孔の周囲を囲むように中空のオーバフローチューブを立設しておき、このオーバフローチューブの上端位置を、上記オイルが適正量に注入された際の油面高さ位置に一致するよう設定しておく。
このため、ドレンプラグを外してドレン孔を開放した状態でトランスミッションケースのオイル注入孔からオイルパン内に向けてオイルを注入していき、その油面高さがオーバフローチューブの上端を越えると、このオーバフローチューブの内部を経てドレン孔からオイルが排出されることになる。従って、このドレン孔からのオイルの排出が確認された後にオイルの注入を停止すれば、オイルパン内には所定の油面高さが得られることになる。
また、これら特許文献には、オイル交換時等においてオイルパンからオイルを排出する場合に、ドレン孔からドレンプラグを取り外すと共に、オーバフローチューブをドレン孔から抜き取ることで、オイルパン内の大部分のオイルを排出できることも開示されている。
特開2004−340244号公報 特開2005−226542号公報
ところで、上記オイルは、その温度に応じて体積が増減する。つまり、高温時には体積膨張し、低温時には体積収縮する。このため、オイルの温度が高い状態で上記の油面高さ調整作業(オイルの注入作業)を行うと、その後にオイルの温度が低下した場合にオイル貯留量が不足してしまう可能性があり、自動変速機の変速処理や潤滑に悪影響を与えてしまうことが懸念される。逆に、オイルの温度が低い状態で油面高さ調整作業を行うと、その後にオイルの温度が上昇した場合にオイル貯留量が過剰になってしまう可能性があり、オイルがギヤ等で攪拌されることに伴う攪拌抵抗によるエネルギロスが増大したり、ブリーザからオイルが噴出してしまう等といった不具合が懸念される。
このような不具合に鑑み、これまでの油面高さ調整作業では、常にある一定の温度でオイルの油面高さを調整するようにしている。例えばオイルの温度を50℃に設定した状態で油面高さを所定高さに設定するようにしている。つまり、この温度で上記所定の油面高さまでオイルを注入すれば、その後にオイルの温度が変化してもオイル不足やオイル過剰を招かない適正量が得られるようにしている。
ところが、このように、ある一定の温度でオイルを注入させるためには、オイルをその温度まで温度上昇させるといった作業が必要になる。例えばオイルパンにオイルをある程度貯留させた状態でエンジンを駆動し、オイルの温度を上記所定温度まで上昇させた状態で油面高さの調整(オイルの追加注入など)が必要になる。また、オイルの温度が上記所定温度よりも高い場合にはオイルの温度が所定温度まで低下するのを待って油面高さの調整を行わねばならなくなる。
このように、従来の油面高さ調整作業にあっては、オイル温度を上昇させるためにエンジンを駆動させるなどといった煩雑な作業が必要であるばかりでなく、その作業が完了するまでに長い時間を要してしまうことになっていた。
また、このような不具合は、自動変速機の油面高さ調整作業の場合に限らず、エンジン底部に配設されるオイルパンに同様の構成を採用して油面高さを調整する場合にも生じることになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オイルを所定温度に調整するといった作業を必要とすることなしに、そのオイルの温度に応じた適正なオイル貯留量を得ることができる油量調整機構及びその油量調整機構を備えたオイルパンユニットを提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、オイルパンに貯留されるオイルの油面高さを設定するためのオーバフローチューブを高さ寸法が可変な構成とし、オイル温度が高い場合にはオーバフローチューブの高さ寸法を長くすることで油面高さを高く設定でき、逆に、オイル温度が低い場合にはオーバフローチューブの高さ寸法を短くすることで油面高さを低く設定できるようにしている。これにより、温度によるオイルの体積変化の悪影響を受けることのない適正な油量調整が行えるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、底部に開口を有するオイル貯留容器と、中空の筒体で成り、その内部空間が上記開口に連通するように上記オイル貯留容器の底部に立設されたオーバフローチューブと、上記開口を閉塞可能な閉塞プラグとを備えさせる。そして、上記オーバフローチューブを、上記オイル貯留容器の底部からの高さ寸法が可変な構成とし、このオーバフローチューブの高さ寸法を変更するための油面高さ調整手段を備えさせている。
この特定事項により、オイル貯留容器内に貯留される油量を調整する際、オイル温度が比較的高い場合には、油面高さ調整手段によってオーバフローチューブの高さ寸法が長く(オーバフローチューブの上端位置が高い位置に)設定される。逆に、オイル温度が比較的低い場合には、油面高さ調整手段によってオーバフローチューブの高さ寸法が短く(オーバフローチューブの上端位置が低い位置に)設定される。
このような状況で、オイル貯留容器内にオイルを追加注入する等して油面高さの調整を行うことになる。この場合、油面高さがオーバフローチューブの上端を越えると、このオーバフローチューブの内部を経てオイル貯留容器底部の開口(ドレン孔)からオイルが排出され、それ以上は油面高さが高くならない状態になるが、上述したオーバフローチューブの高さ寸法の設定により、オイル温度が高い程、オイル貯留容器内の油面高さが高く設定できることになる。つまり、温度が高くオイルの体積が膨張している場合には油面高さを高く設定し、温度が低くオイルの体積が収縮している場合には油面高さを低く設定することになり、その後にオイルの温度が変化してもオイル不足やオイル過剰を招かない適正なオイル貯留量を得ることができる。
上記オーバフローチューブの具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、蛇腹構造でオーバフローチューブを成し、この蛇腹部分が伸縮することによりオイル貯留容器の底部からの高さ寸法が可変となる構成としている。
このようなオーバフローチューブによれば、比較的大きな伸縮寸法を簡単な構成で得ることができ、オイルの温度が極端に高い場合や極端に低い場合であっても、その温度(オイルの膨張または収縮の度合い)に応じた適切なオーバフローチューブの高さ寸法を得ることができて油面高さの調整が高精度で行える。
上記油面高さ調整手段の具体構成としては以下の2タイプが挙げられる。先ず、第1のタイプとして、オーバフローチューブの周囲の複数箇所に立設された支持脚と、これら支持脚の内側に支持され、且つ支持脚の延長方向に沿う上下方向への移動が可能な移動体とを備えさせる。そして、上記オーバフローチューブの上端部を上記移動体に支持させ、この移動体が支持脚に沿って上下方向へ移動するのに伴ってオーバフローチューブの高さ寸法が変更されて油面高さが調整可能な構成としている。
この場合、上記移動体が、作業者の工具を使用した手動操作によって移動するようにし、上記閉塞プラグをオイル貯留容器底部の開口から取り外してこの開口を開放させ、この開口から上記工具を挿入して移動体に係合させた状態で作業者の手動操作により移動体を移動させるようにしている。
また、第2のタイプとして、油面高さ調整手段に、オイル貯留容器に貯留されているオイルの温度に応じて高さ寸法が変化する形状記憶部材を備えさせる。そして、上記オーバフローチューブの上端部を上記形状記憶部材に支持させ、この形状記憶部材のオイル温度に応じた高さ寸法の変化に伴ってオーバフローチューブの高さ寸法が変更されて油面高さが調整可能な構成としている。
この場合、油面高さ調整手段に、オーバフローチューブの高さ寸法を短くする方向への付勢力を付与する付勢手段を備えさせる。そして、オイル貯留容器に貯留されているオイルの温度が所定温度以上である場合には形状記憶部材が上記付勢手段の付勢力に抗して伸長し、オーバフローチューブの高さ寸法を長くする一方、オイルの温度が所定温度未満である場合には上記付勢手段の付勢力により形状記憶部材が収縮してオーバフローチューブの高さ寸法が短くされる構成とする。
上記第1のタイプでは、例えば作業者が特殊工具などを使用して移動体を支持脚に沿って上下方向へ移動させる。これに伴いオーバフローチューブの高さ寸法が変更される。つまり、作業者は予めオイルの温度を把握しておき、オイルの温度が比較的高い場合には、移動体を上方に移動させてオーバフローチューブの高さ寸法を長くし、逆に、オイルの温度が比較的低い場合には、移動体を下方に移動させてオーバフローチューブの高さ寸法を短くすることになる。これにより、オイルの温度に応じた高さに油面を調整することが可能になる。
また、オイル貯留容器底部の開口から工具を挿入して移動体の手動操作を可能にした場合には、この工具をオイル貯留容器内に挿入するための特別な開口が不要になり、オイル貯留容器に新たな開口を形成する必要がなくなって、その剛性が維持できる。
また、第2のタイプでは、オイルの温度に応じた形状記憶部材の形状変化により、オイルの温度が比較的高い場合には、形状記憶部材が伸長してオーバフローチューブの上端部を上方へ引き上げてオーバフローチューブの高さ寸法を長くし、逆に、オイルの温度が比較的低い場合には、形状記憶部材が収縮してオーバフローチューブの上端部を下方へ引き下げてオーバフローチューブの高さ寸法を短くすることになる。これにより、オイルの温度に適したオーバフローチューブの高さ寸法が自動的に設定されることになり、油面高さ調整作業の作業性が極めて良好になる。つまり、作業者がオイルの温度を把握する作業や特殊工具等による作業を行うことなしに、オイルの温度に適した油面高さを得ることが可能になる。
尚、上記各解決手段のうち何れか一つの油量調整機構を備えたオイルパンユニットも本発明の技術的思想の範疇である。つまり、上記油量調整機構と、この油量調整機構が底部に備えられたオイル貯留容器とを備えて構成されたオイルパンユニットである。
本発明では、オイルパンに貯留されるオイルの油面高さを設定するためのオーバフローチューブを、高さ寸法が可変な構成とし、オイル温度が高い状況での油量調整作業の場合にはオーバフローチューブの高さ寸法を長くすることで油面高さを高く設定でき、逆に、オイル温度が低い状況での油量調整作業の場合にはオーバフローチューブの高さ寸法を短くすることで油面高さを低く設定できるようにしている。これにより、温度によるオイルの体積変化の影響を受けることのない油量調整が行える。このため、オイルを所定温度まで上昇させる等といった従来の作業が必要なくなり、作業性が良好で且つ作業が完了するまでに要する時間の短縮化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車用自動変速機のオイルパンに貯留されるオイル(ATF;Automatic Transmission Fluid)の調整に本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
−トランスミッションケース及びオイルパン−
図1は、本実施形態に係る油量調整機構を備えたトランスミッションの筐体の組付け構造を示す分解斜視図である。また、図2は、トランスミッションの筐体を模式的に示す側面図であって、後述する油量調整機構3の配設箇所を破断して示している。
図1に示すように、トランスミッションの筐体は、底部が開放されたトランスミッションケース1と、このトランスミッションケース1の底部を閉塞するように取付けられる受け皿形状のオイルパン(オイル貯留容器)2とを備えており、これらがボルト止めなどの手段によって一体的に組み付けられている。
また、トランスミッションケース1の内部には、エンジンから入力された動力を変速して出力するための各種機械要素が配設されている。この機械要素としては、例えば、ギヤやシャフト、ベアリングなどがあり、これらが組み合わされることによって変速機が構成されている。
トランスミッションケース1とオイルパン2とから構成されたトランスミッションの筐体の内部には、所定量のオイルが封入されている。このオイルは、オートマチックトランスミッションにおいてはATFと呼ばれ、変速を行うためのクラッチを作動させたり、トルクコンバータの力の伝達を行ったり、各種機械要素の焼け付き防止のための冷媒として作用するものである。また、マニュアルトランスミッションにおいても歯車等の回転部品のスムーズな駆動や焼け付き防止のために、トランスミッションケース内に所定量のオイルが封入される。
図2に示すように、トランスミッションケース1の側部所定位置には、リフィルプラグ11が取付けられている。このリフィルプラグ11は、トランスミッションケース1内にオイルを注入するための孔(リフィル孔)を閉塞するプラグである。
−油量調整機構3−
図2及び図3に示すように、オイルパン2の底部には、油量を調整するための油量調整機構3が設けられている。図3(a)は油量調整機構3の平面図であり、図3(b)は図3(a)におけるB−B線に沿った断面図である。
この油量調整機構3は、主にオイルパン2の底部に設けられた開口であるドレン孔4と、このドレン孔4を閉塞するためのドレンプラグ(閉塞プラグ)5と、オーバフローチューブ6と、このオーバフローチューブ6の高さ調整を行うための油面高さ調整ユニット(油面高さ調整手段)7とを備えている。
上記ドレン孔4及びドレンプラグ5は従来のものと略同様であって、ドレン孔4はオイルパン2の底面の所定値に貫通形成された円形の開口である。また、ドレンプラグ5は、上記ドレン孔4の開口形状に略一致する断面形状を有するネジ部51と、オイルパン2の下面にシール材53を介して当接される頭部52とを備えている。そして、このドレンプラグ5によってドレン孔4を閉塞する場合には、ドレン孔4の下側からドレンプラグ5のネジ部51を挿入し、後述する油面高さ調整ユニット7の円筒ベース73の内周面に形成された雌ネジ部73aにネジ部51をねじ込むことによりオイルパン2に装着され、この状態でドレン孔4が閉塞される。
次に、本実施形態の特徴とする部材であるオーバフローチューブ6及び油面高さ調整ユニット7について図3及び図4を用いて説明する。
オーバフローチューブ6は、樹脂製またはゴム製の略円筒体で形成されており、その軸心方向(上下方向)の中央部分の大部分は蛇腹形状とされた蛇腹部61として成形されている。これにより、オーバフローチューブ6は、軸心方向(上下方向)への伸縮が可能となっている。
一方、油面高さ調整ユニット7は、図4に斜視図で示すように、上記オーバフローチューブ6の外周囲を囲むように配設されたベース体71と、このベース体71の内側に嵌め込まれた高さ調整リング(移動体)72とを備えている。
上記ベース体71は、略円筒形状の円筒ベース73と、この円筒ベース73の上面に立設された3本の支持脚74,74,74とを備えている。この支持脚74の本数は3本に限らず任意に設定可能であるが、互いに隣り合う支持脚74,74同士の間からオイルが抜け出る際(後述するオイル温度が比較的低い場合の油面高さ調整動作を行う際や、オイル排出の際)のオイル流れに大きな抵抗が生じない程度に支持脚74,74間の隙間を比較的大きく確保しておくことが好ましい。
上記円筒ベース73は、その下面が、上記オイルパン2の底面であってドレン孔4の外周囲に溶接等の手段によって接合されている。つまり、ドレン孔4は、この円筒ベース73の内部空間を経てオイルパン2の内部に連通した状態となっている。また、この円筒ベース73の内周面には上記ドレンプラグ5のネジ部51がねじ込まれる上記雌ネジ部73aが形成されている。
一方、上記各支持脚74,74,74は、上記円筒ベース73の上面における外周位置にそれぞれ立設されている。また、これら支持脚74,74,74の配設位置は、円筒ベース73の上面における周方向に等間隔(所定の角度間隔)を存した位置に設定されている。
そして、これら支持脚74,74,74は、その内側縦壁(上記オーバフローチューブ6に対向する縦壁)74a,74a,74aに略水平方向に延びる複数の溝74b,74b,74bが形成されている。これら溝74b,74b,74bは、上記高さ調整リング72の外周面に形成された雄ネジ部72aがねじ込まれる雌ネジとして機能する部分である。つまり、各支持脚74,74,74の内側において高さ調整リング72を回転させると、この高さ調整リング72の外周面に形成された雄ネジ部72aが各支持脚74,74,74の溝(雌ネジとなる溝)74b,74b,74bに噛み合いながら上下方向へ移動する構成となっている。
尚、この高さ調整リング72の回転は後述するように作業者による特殊工具等を使用した手動操作により行われるが、そのため、この高さ調整リング72の中央部には六角形状の貫通孔72cが形成されている。つまり、特殊工具等をこの貫通孔72cに係合させることで高さ調整リング72の回転操作が可能な構成となっている。
そして、上記オーバフローチューブ6の下端部は上記支持脚74,74,74の内側空間を経て円筒ベース73の上面にまで達し、この円筒ベース73の上面に接着されている。一方、オーバフローチューブ6の上端部には、内周側に向けて開口する断面コ字形状の下側リング体63が接着などの手段によって取り付けられている。また、上記高さ調整リング72の下面には外周側に向けて開口する断面コ字形状の上側リング体72bが接着などの手段によって取り付けられている。そして、上記下側リング体63と上側リング体72bとは各開口部分同士で連繋されており、高さ調整リング72の上下方向への移動に伴ってオーバフローチューブ6の上端部も上下方向への移動するようになっている。上述した如くオーバフローチューブ6の下端部は円筒ベース73の上面に接着されているので、この高さ調整リング72の上下方向への移動に伴ってオーバフローチューブ6は蛇腹部61が伸縮し、全体の長さ寸法(高さ寸法)が変更されることになる。
尚、本実施形態に係るオイルパン2には、貯留されているオイルの温度を検出するための油温センサ(図示省略)が配設されており、この油温センサによって検出されたオイルの温度の情報が取り出せるようになっている。例えば車室内のメータパネル上に温度表示を行うようになっている。また、オイルの温度が所定温度以上である場合にメータパネル上のインジケータが点灯するようにしてもよい。
以上のようにして、上記油量調整機構3とオイルパン2とが一体的に組み付けられて成るオイルパンユニットが構成されている。
−油量調整動作−
次に、上述の如く構成された油量調整機構3による油量調整動作について説明する。
先ず、オイルパン2に配設された油温センサが現在の油温を検出し、そのオイルの温度の情報が車室内のメータパネル上等に表示され、作業者は、このオイルの温度を認識しておく。
そして、この作業者は、ドレンプラグ5をドレン孔4から取り外して、このドレン孔4を開放させる。その後、このドレン孔4から特殊工具を挿入し、この特殊工具を上記高さ調整リング72の貫通孔72cに係止させる。これにより、特殊工具を操作(回転操作)することで、高さ調整リング72を回転させることが可能となり、この回転に伴って高さ調整リング72を上下方向へ移動させることが可能な状態となる。
そして、作業者は、上記認識したオイルの温度に応じたオーバフローチューブ6の高さ寸法が得られるように特殊工具を操作し、高さ調整リング72を回転させてオーバフローチューブ6を伸縮させる。
より具体的には、オイル温度が比較的高い場合には、図5に示すように、高さ調整リング72を上方へ移動させ、オーバフローチューブ6の高さ寸法を長く(オーバフローチューブ6の上端位置を高い位置に)設定する。逆に、オイル温度が比較的低い場合には、図6に示すように、高さ調整リング72を下方へ移動させ、オーバフローチューブ6の高さ寸法を短く(オーバフローチューブの上端位置を低い位置に)設定する。例えば、図5に示す状態はオイルの温度が70℃以上の場合であり、図6に示す状態はオイルの温度が30℃以下の状態である。
尚、高さ調整リング72の高さ位置をトランスミッションケース1の外部から視認することはできないが、ドレン孔4からの特殊工具の挿入寸法(高さ調整リング72の高さ位置が高い程、特殊工具の挿入寸法も大きくなる)を確認することで高さ調整リング72の高さ位置、つまり、オーバフローチューブ6の高さ寸法を認識することが可能である。
このような状況で、上記トランスミッションケース1のリフィル孔からオイルを追加注入する等して油面高さの調整を行う。この場合、油面高さがオーバフローチューブ6及び高さ調整リング72を越えると、このオーバフローチューブ6の内部を経てドレン孔4からオイルが排出され、それ以上は油面高さが高くならない状態になる(図5及び図6ではこの油面の位置を仮想線で示している)。このようにしてドレン孔4からオイルが排出し始めた時点でオイルの注入を停止し、このオイルの排出が止まった時点でドレン孔4をドレンプラグ5によって閉塞することで、所定の油面高さを得ることができる。
このようにして得られた油面高さは、オイル温度が高い程、オイルパン2内の油面高さが高く設定できることになる。つまり、温度が高くオイルの体積が膨張している場合には油面高さを高く設定できる。一方、オイル温度が低い程、オイルパン2内の油面高さが低く設定できることになる。つまり、温度が低くオイルの体積が収縮している場合には油面高さを低く設定できる。このため、その後にオイルの温度が変化してもオイル不足やオイル過剰を招かない適正量を得ることができる。このように、本実施形態に係る油量調整機構3によれば、オイルを所定温度まで上昇させる等といった従来技術で行っていた作業が必要なくなり、作業性が良好で且つ作業が完了するまでに要する時間の短縮化を図ることができる。
尚、オイル交換時等においてオイルパン2からオイルの大部分を排出する必要がある場合には、図7に示すように、高さ調整リング72を最も低い位置まで移動させ、オーバフローチューブ6の高さ寸法を最も短く設定する。これにより、オイルの大部分を容易に排出することができ、オイル排出のためにオイルパン2をトランスミッションケース1から取り外すといった作業は必要ない。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、オーバフローチューブ6及び油面高さ調整ユニット7の構成が上記第1実施形態のものと異なっており、その他の構成は第1実施形態のものと同様である。従って、ここではオーバフローチューブ6及び油面高さ調整ユニット7の構成及びその動作についてのみ説明する。
図8は本実施形態に係る油量調整機構3を示す図3(b)相当図である。本実施形態における油量調整機構3も、ドレン孔4、ドレンプラグ5、オーバフローチューブ6、このオーバフローチューブ6の高さ調整を行うための油面高さ調整ユニット7を備えている。
ドレン孔4及びドレンプラグ5の構成は上述した第1実施形態のものと同一であるので、ここでの説明は省略する。
以下、本実施形態の特徴とする部材であるオーバフローチューブ6及び油面高さ調整ユニット7について説明する。
オーバフローチューブ6は、樹脂製またはゴム製の略円筒体で形成されており、第1実施形態のものと同様に、その軸心方向(上下方向)の中央部分の大部分は蛇腹形状とされた蛇腹部61として成形されている。
また、本実施形態に係るオーバフローチューブ6における第1実施形態のものとの相違点としては、収縮方向への弾性力を有しており、外力が作用していない状態では、比較的短い寸法(上記第1実施形態において、オイル温度が比較的低い場合において設定される長さに相当する寸法)となるようになっている。つまり、外力(高さ寸法を長くするような外力)が作用した場合には、その外力に従って高さ寸法が変化する(長くなる)ものの、この外力が解除された場合にはオーバフローチューブ6自体の弾性力によって比較的短い寸法に形状復帰する構成となっている。
一方、油面高さ調整ユニット7は、オイルパン2の底部に取り付けられたベース体75と、このベース体75の外周側に配設され且つ形状記憶金属で形成されたコイルスプリング(以下、形状記憶コイルスプリングと呼ぶ)76とを備えている。本実施形態では、これらベース体75と形状記憶コイルスプリング(形状記憶部材)76とを同心円上に配置している。
また、上記ベース体75は、その下端に水平方向外側に延びるフランジ75aを備えており、このフランジ75aが、オイルパン2の底面であってドレン孔4の外周囲に溶接等の手段によって接合されている。また、このベース体75の内周面には上記ドレンプラグ5のネジ部51がねじ込まれる雌ネジ部75bが形成されている。
そして、上記オーバフローチューブ6の下端部は、上記ベース体71の上面に接着されている。一方、オーバフローチューブ6の上端部は、中央に開口77aが形成された円環状プレート77の下面に接着されている。
そして、この円環状プレート77の下面と、ベース体75のフランジ75aとの間に上記形状記憶コイルスプリング76が配設されている。この形状記憶コイルスプリング76は、周囲の環境温度(本実施形態の場合にはオイルパン2に貯留されているオイルの温度)が所定温度(例えば50℃)を越えていると、所定形状に復帰するものとなっており、この所定形状に復帰した状態では、図8に示すように、その軸心方向の長さが長くなり、上記円環状プレート77を上方へ押圧することに伴ってオーバフローチューブ6の上端部を上方へ引き上げ、これにより、オーバフローチューブ6の高さ寸法を長く設定するようになっている。
また、オイルの温度が上記所定温度以下である場合には、形状記憶コイルスプリング76には上記形状(軸心方向の長さが長くなる形状)への復元力は働かず、つまり、形状記憶コイルスプリング76からの付勢力は円環状プレート77やオーバフローチューブ6には作用しないことになる。このため、オーバフローチューブ6には外力が作用しない状態となり、このオーバフローチューブ6自身の弾性力によりその高さ寸法は比較的短い寸法に復帰することになる(図9参照)。
−油量調整動作−
次に、本実施形態における油量調整動作について説明する。
先ず、オイル温度が比較的低い場合には、図9に示すように、形状記憶コイルスプリング76は形状復帰せず、つまり形状記憶コイルスプリング76による付勢力は作用せず、オーバフローチューブ6には外力が作用しない状態となって、このオーバフローチューブ6は比較的短い寸法となる。つまり、オイルパン2内の油面高さを低く設定する状態となる。
一方、オイル温度が比較的高い場合(上記所定温度である50℃以上の場合)には、図8に示すように、形状記憶コイルスプリング76が所定形状に復帰し、その軸心方向の長さが長くなり、上記円環状プレート77を上方へ押圧することに伴ってオーバフローチューブ6の上端部を上方へ引き上げて、オーバフローチューブ6は比較的長い寸法となる。つまり、オイルパン2内の油面高さを高く設定する状態となる。
このような状況で、ドレンプラグ5をドレン孔4から取り外し、上記リフィル孔からオイルを追加注入する等して油面高さの調整を行う。この場合、油面高さがオーバフローチューブ6及び円環状プレート77を越えると、このオーバフローチューブ6の内部を経てドレン孔4からオイルが排出され、それ以上は油面高さが高くならない状態になる。このようにしてドレン孔4からオイルが排出し始めた時点でオイルの注入を停止し、このオイルの排出が止まった時点でドレン孔4をドレンプラグ5によって閉塞することで、油面高さ調整作業が終了する。これにより、所定の油面高さを得ることができる。
本実施形態においても、このようにして得られた油面高さは、オイル温度が高い程、オイルパン2内の油面高さが高く設定できることになる。つまり、温度が高くオイルの体積が膨張している場合には油面高さを高く設定できる。一方、オイル温度が低い程、オイルパン2内の油面高さが低く設定できることになる。つまり、温度が低くオイルの体積が収縮している場合には油面高さを低く設定できる。
このため、その後にオイルの温度が変化してもオイル不足やオイル過剰を招かない適正量を得ることができる。このように、本実施形態に係る油量調整機構3によっても、オイルを所定温度まで上昇させる等といった従来技術で行っていた作業が必要なくなり、作業性が良好で且つ作業が完了するまでに要する時間の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態では、作業者の手動作業(上記第1実施形態で行っていた特殊工具による作業)によることなくオーバフローチューブ6の高さ寸法をオイルの温度に応じて適切に調整することができる。つまり、オイルの温度に適したオーバフローチューブ6の高さ寸法が自動的に設定されることになり、油面高さ調整作業の作業性が極めて良好になる。このため、作業者は、オイルの温度を認識する必要がなく、オイルの注入作業を行いドレン孔4からオイルが排出され始めた時点でオイルの注入を停止するといった作業を行うのみで、オイルの温度に適した油面高さを得ることが可能になる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態も、オーバフローチューブ6及び油面高さ調整ユニット7の構成が上記第1実施形態及び第2実施形態のものと異なっており、その他の構成は上記各実施形態のものと同様である。従って、ここでもオーバフローチューブ6及び油面高さ調整ユニット7の構成及びその動作についてのみ説明する。
図10は本実施形態に係る油量調整機構3を示す図3(b)相当図である。本実施形態における油量調整機構3も、ドレン孔4、ドレンプラグ5、オーバフローチューブ6、このオーバフローチューブ6の高さ調整を行うための油面高さ調整ユニット7を備えている。
ドレン孔4及びドレンプラグ5の構成は上述した第1実施形態のものと同一であるので、ここでの説明は省略する。
以下、本実施形態の特徴とする部材であるオーバフローチューブ6及び油面高さ調整ユニット7について説明する。
オーバフローチューブ6は、樹脂製またはゴム製の略円筒体で形成されており、第1実施形態のものと同様に、その軸心方向(上下方向)の中央部分の大部分は蛇腹形状とされた蛇腹部61として成形されている。
また、上記第2実施形態におけるオーバフローチューブ6は、収縮方向への弾性力を有しており、外力が作用していない状態では、比較的短い寸法となるものであったが、本実施形態におけるオーバフローチューブ6は、このような収縮方向への弾性力を有するものではなく、上記第1実施形態のものと同様に、外力の作用方向に応じて伸縮するものとなっている。
一方、油面高さ調整ユニット7は、上記第2実施形態のものと同様に、オイルパン2の底部に取り付けられたベース体75と、このベース体75の外周側に配設された形状記憶コイルスプリング76とを備えている。
上記ベース体75は、その下端に水平方向外側に延びるフランジ75aを備えており、このフランジ75aが、オイルパン2の底面であってドレン孔4の外周囲に溶接等の手段によって接合されている。また、このベース体75の内周面には上記ドレンプラグ5のネジ部51がねじ込まれる雌ネジ部75bが形成されている。
そして、上記オーバフローチューブ6の下端部は、上記ベース体71の上面に接着されている。一方、オーバフローチューブ6の上端部は、中央に開口77aが形成された円環状プレート77の下面に接着されている。
本実施形態における上記第2実施形態との相違点は、上記形状記憶コイルスプリング76の内周側にバイアスコイルスプリング78が配設されている点にある。このバイアスコイルスプリング78は、その軸心方向の長さが短くなる収縮方向への弾性力を有しており、外力が作用していない状態では、比較的短い寸法(上記第1実施形態において、オイル温度が比較的低い場合において設定される長さに相当する寸法)となるようになっている。つまり、外力(高さ寸法を長くするような外力)が作用した場合には、その外力に従って高さ寸法が変化する(長くなる)ものの、この外力が解除された場合には比較的短い寸法に復帰する構成となっている。
尚、上記形状記憶コイルスプリング76は、上記第2実施形態のものと同様に、オイルパン2に貯留されているオイルの温度が所定温度(例えば50℃)を越えていると、所定形状に復帰するものとなっており、この所定形状に復帰した状態では、図10に示すように、その軸心方向の長さが長くなる。
そして、これら各コイルスプリング76,78が、上記円環状プレート77の下面と、ベース体75のフランジ75aとの間に配設されている。また、上記バイアスコイルスプリング78は、その上端部が上記円環状プレート77の下面に、下端部がベース体75のフランジ75aにそれぞれ溶接等の手段によって接合されている。
このため、オイルパン2に貯留されているオイルの温度が所定温度(例えば50℃)を越えていると、形状記憶コイルスプリング76が所定形状に復帰し、図10に示すように、その軸心方向の長さが長くなり、上記円環状プレート77を上方へ押圧することに伴ってオーバフローチューブ6の上端部を上方へ引き上げ、これにより、オーバフローチューブ6の高さ寸法を長く設定する。この場合、バイアスコイルスプリング78も円環状プレート77の上方への移動に伴って伸長することになる。
また、オイルの温度が上記所定温度以下である場合には、形状記憶コイルスプリング76には上記形状への復元力は働かず、つまり、形状記憶コイルスプリング76からの付勢力は円環状プレート77やオーバフローチューブ6には作用しないことになる。このため、バイアスコイルスプリング78には外力が作用しない状態となり、このバイアスコイルスプリング78の弾性力により、図11に示すように、その軸心方向の長さが短くなり、上記円環状プレート77を下方へ移動させることに伴ってオーバフローチューブ6の上端部を下方へ引き下げ、これにより、オーバフローチューブ6の高さ寸法を短く設定する。この場合、形状記憶コイルスプリング76も円環状プレート77の下方への移動に伴って収縮することになる。
−油量調整動作−
次に、本実施形態における油量調整動作について説明する。
先ず、オイル温度が比較的低い場合には、図11に示すように、形状記憶コイルスプリング76は形状復帰せず、つまり形状記憶コイルスプリング76による付勢力は作用せず、バイアスコイルスプリング78には外力が作用しない状態となって、このバイアスコイルスプリング78は比較的短い寸法となり、これに伴いオーバフローチューブ6の高さ寸法も短くなる。つまり、オイルパン2内の油面高さを低く設定する状態となる。
一方、オイル温度が比較的高い場合(上記所定温度である50℃以上の場合)には、図10に示すように、形状記憶コイルスプリング76が所定形状に復帰し、その軸心方向の長さが長くなり、上記円環状プレート77を上方へ押圧することに伴ってオーバフローチューブ6の上端部を上方へ引き上げて、オーバフローチューブ6は比較的長い寸法となる。つまり、オイルパン2内の油面高さを高く設定する状態となる。
このような状況で、ドレンプラグ5をドレン孔4から取り外し、リフィル孔からオイルを追加注入する等して油面高さの調整を行う。この場合、油面高さがオーバフローチューブ6及び円環状プレート77を越えると、このオーバフローチューブ6の内部を経てドレン孔4からオイルが排出され、それ以上は油面高さが高くならない状態になる。このようにしてドレン孔4からオイルが排出し始めた時点でオイルの注入を停止し、このオイルの排出が止まった時点でドレン孔4をドレンプラグ5によって閉塞することで、油面高さ調整作業が終了する。これにより、所定の油面高さを得ることができる。
本実施形態においても、このようにして得られた油面高さは、オイル温度が高い程、オイルパン2内の油面高さが高く設定できることになる。つまり、温度が高くオイルの体積が膨張している場合には油面高さを高く設定できる。一方、オイル温度が低い程、オイルパン2内の油面高さが低く設定できることになる。つまり、温度が低くオイルの体積が収縮している場合には油面高さを低く設定できる。
このため、その後にオイルの温度が変化してもオイル不足やオイル過剰を招かない適正量を得ることができる。このように、本実施形態に係る油量調整機構3によっても、オイルを所定温度まで上昇させる等といった従来技術で行っていた作業が必要なくなり、作業性が良好で且つ作業が完了するまでに要する時間の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態でも、上記第2実施形態の場合と同様に、作業者の手動作業(上記第1実施形態で行っていた特殊工具による作業)によることなくオーバフローチューブ6の高さ寸法をオイルの温度に応じて適切に調整することができる。つまり、オイルの温度に適したオーバフローチューブ6の高さ寸法が自動的に設定されることになり、油面高さ調整作業の作業性が極めて良好になる。つまり、作業者は、オイルの温度を認識する必要がなく、オイルの注入作業を行い、ドレン孔4からオイルが排出され始めた時点でオイルの注入を停止するといった作業を行うのみで、オイルの温度に適した油面高さを得ることが可能になる。
−その他の実施形態−
以上説明した各実施形態は、自動車用自動変速機のオイルパン2に貯留されるオイル量の調整に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、エンジン底部に配設されるオイルパンに貯留されるエンジンオイル量の調整に適用することも可能である。
また、上述した各実施形態において、オーバフローチューブ6をドレン孔4から抜き取り可能な構成を採用し、オイルパン2からオイルを排出する場合(オイル交換時等)には、オーバフローチューブ6をドレン孔4から抜き取ってオイルパン2内のオイルの略全量を排出できる構成としてもよい。
また、上記第1実施形態のように作業者の手動操作によってオーバフローチューブ6の高さ寸法を変更する構成の場合、回転操作(上記第1実施形態のものでは高さ調整リング72の回転操作)によってオーバフローチューブ6の高さ寸法を変更するものに代えて、上下方向へのスライド操作によりオーバフローチューブ6の高さ寸法を変更する構成としてもよい。その一例として、図12に示すように、上記支持脚74の内側縦壁74aの複数箇所(上下方向の複数箇所)に凹陥部(ノッチ)74c,74c,74cを形成しておき、高さ調整リング72の外周面に、上記凹陥部74cに嵌り込むことが可能な突起72dを設けておくことが挙げられる。つまり、高さ調整リング72を上下方向にスライド移動させることでその突起72dが嵌り込む凹陥部74cを選択し、これによってオーバフローチューブ6の高さ寸法を変更するといった構成である。
また、上記第2実施形態及び第3実施形態では、コイルスプリング76,78の配設状態として、ドレン孔4や油面高さ調整ユニット7のベース体71と同心円上に1個(第2実施形態の場合)または2個(第3実施形態の場合)を配設するようにしたが、ベース体71の周囲の複数箇所に小径のコイルスプリングを配設する構成としてもよい。
第1実施形態に係る油量調整機構を備えたトランスミッションの筐体の組付け構造を示す分解斜視図である。 トランスミッションの筐体を模式的に示す側面図であって、油量調整機構の配設箇所を破断して示した図である。 図3(a)は油量調整機構の平面図であり、図3(b)は図3(a)におけるB−B線に沿った断面図である。 油量調整機構を示す斜視図である。 第1実施形態においてオイル温度が比較的高い場合の油面高さ調整動作を説明するための図3(b)相当図である。 第1実施形態においてオイル温度が比較的低い場合の油面高さ調整動作を説明するための図3(b)相当図である。 第1実施形態におけるオイル排出時の動作を説明するための図3(b)相当図である。 第2実施形態においてオイル温度が比較的高い場合の状態を示す図3(b)相当図である。 第2実施形態においてオイル温度が比較的低い場合の状態を示す図3(b)相当図である。 第3実施形態においてオイル温度が比較的高い場合の状態を示す図3(b)相当図である。 第3実施形態においてオイル温度が比較的低い場合の状態を示す図3(b)相当図である。 変形例における図3(b)相当図である。
符号の説明
2 オイルパン(オイル貯留容器)
3 油量調整機構
4 ドレン孔(開口)
5 ドレンプラグ(閉塞プラグ)
6 オーバフローチューブ
61 蛇腹部
7 油面高さ調整ユニット(油面高さ調整手段)
72 高さ調整リング(移動体)
74 支持脚
76 形状記憶コイルスプリング(形状記憶部材)
78 バイアスコイルスプリング

Claims (7)

  1. 底部に開口を有するオイル貯留容器と、
    中空の筒体で成り、その内部空間が上記開口に連通するように上記オイル貯留容器の底部に立設されたオーバフローチューブと、
    上記開口を閉塞可能な閉塞プラグとを備えており、
    上記オーバフローチューブは、上記オイル貯留容器の底部からの高さ寸法が可変となっている一方、
    このオーバフローチューブの高さ寸法を変更するための油面高さ調整手段を備えていることを特徴とする油量調整機構。
  2. 上記請求項1記載の油量調整機構において、
    オーバフローチューブは、蛇腹構造で成り、この蛇腹部分が伸縮することによりオイル貯留容器の底部からの高さ寸法が可変となっていることを特徴とする油量調整機構。
  3. 上記請求項1または2記載の油量調整機構において、
    油面高さ調整手段は、オーバフローチューブの周囲の複数箇所に立設された支持脚と、これら支持脚の内側に支持され、且つ支持脚の延長方向に沿う上下方向への移動が可能な移動体とを備えており、
    上記オーバフローチューブの上端部は上記移動体に支持されていて、この移動体が支持脚に沿って上下方向へ移動するのに伴ってオーバフローチューブの高さ寸法が変更されて油面高さが調整可能な構成となっていることを特徴とする油量調整機構。
  4. 上記請求項3記載の油量調整機構において、
    上記移動体は、作業者の工具を使用した手動操作によって移動するようになっており、
    上記閉塞プラグをオイル貯留容器底部の開口から取り外してこの開口を開放させ、この開口から上記工具を挿入して移動体に係合させた状態で作業者の手動操作により移動体を移動させる構成となっていることを特徴とする油量調整機構。
  5. 上記請求項1または2記載の油量調整機構において、
    油面高さ調整手段は、オイル貯留容器に貯留されているオイルの温度に応じて高さ寸法が変化する形状記憶部材を備えており、
    上記オーバフローチューブの上端部は上記形状記憶部材に支持されており、この形状記憶部材のオイル温度に応じた高さ寸法の変化に伴ってオーバフローチューブの高さ寸法が変更されて油面高さが調整可能な構成となっていることを特徴とする油量調整機構。
  6. 上記請求項5記載の油量調整機構において、
    油面高さ調整手段は、オーバフローチューブの高さ寸法を短くする方向への付勢力を付与する付勢手段を備えており、
    形状記憶部材は、オイル貯留容器に貯留されているオイルの温度が所定温度以上である場合には上記付勢手段の付勢力に抗して伸長し、オーバフローチューブの高さ寸法を長くする一方、オイルの温度が所定温度未満である場合には上記付勢手段の付勢力により収縮してオーバフローチューブの高さ寸法が短くされる構成となっていることを特徴とする油量調整機構。
  7. 上記請求項1〜6のうち何れか一つに記載の油量調整機構と、この油量調整機構が底部に備えられたオイル貯留容器とを備えた構成となっていることを特徴とするオイルパンユニット。
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