JP2008100462A - 液体再充填方法 - Google Patents

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Kunio Kaji
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Abstract

【課題】逆止弁を備える容器に対しても、工業的に大量な容器への液体の注入が可能で、簡単に液体を再充填することができる液体再充填方法を提供すること。
【解決手段】筐体30に収容され、液体を収容し、収容した液体を導出路40から導出する袋状の容器20であって、該導出路40には外部から容器20内への液体の流れにより移動する弁体64の動きにより液体の流路を閉鎖する逆止弁60が配設されている容器20の液体再充填方法において、導出路40に、所定の圧力で液体を供給し、容器20に液体を再充填する工程を備える液体再充填方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、容器に液体を再充填する液体再充填方法に関し、特に逆止弁を有する容器に液体を充填補充するのに適した液体再充填方法に関する。
インクジェットプリンタなどのプリンタ装置においては、液体のインクを被印刷物に噴射してプリントする。プリンタ装置では、特に家庭用の小型プリンタ装置では、インクをインクカートリッジに貯留し、インクカートリッジからプリンタヘッドにインクを供給しつつ、プリントしている。しかし、装置を小型化する必要性から、プリンタの使用頻度を勘案しても、インクカートリッジ自体を小さなものとしており、その容量も限られたものとなっている。そこで、インクカートリッジの交換、あるいは、インクカートリッジへのインクの補充が、しばしば要求されることになる。
一方、インクカートリッジ内のインクに空気等が混入するのを防止するためインクカートリッジからプリンタヘッドへのインクの導出路に逆止弁を設けたインクカートリッジが使用されている。この逆止弁を備えたインクカートリッジにインクを注入するには、逆止弁の弁体をインクより比重の軽い材料で形成し、インクを注入するときにインク導出路を上向きとして弁体をインク中で浮上させ、逆止弁が作用しないように流速を調整しながらインクを注入する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2005−199516号公報(第8、9頁、図7)
しかし、弁体をインクより比重の軽い材料とすることは弁体として使用する材料の選択肢を狭めることになる。また、インクより比重の大きい弁体を使用した逆止弁付きインクカートリッジもあり、これらにインクを注入することは一般的には困難と考えられる。
そこで、本発明は、逆止弁を備える容器に対して、工業的に大量な容器への液体の注入が可能な、あるいは、容易に液体を再充填することができる液体再充填方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、再充填する液体への加圧を適切な範囲にすることによってインク導出路を経由して液体を注入できることを見出した。そこで、請求項1に記載の発明に係る液体再充填方法は、例えば図1および図3に示すように、筐体30に収容され、液体を収容し、収容した液体を導出路40から導出する袋状の容器20であって、該導出路40には外部から容器20内への液体の流れにより移動する弁体64の動きにより液体の流路を閉鎖する逆止弁60が配設されている容器20の液体再充填方法において:導出路40に、所定の圧力で液体を供給し、容器20に液体を再充填する工程を備える。
このように構成すると、袋状の容器が筐体に収容されているので、容器を自由な方向に向けて保持しつつ液体を再充填することができる。また、所定の圧力で液体を供給することにより液体を再充填するので、液体の再充填を容易に行うことができる。
また、請求項2に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図3に示すように、請求項1に記載の液体再充填方法において、液体を、逆止弁60を通過させて容器20に再充填してもよい。
このように構成すると、逆止弁を通過させて液体を容器に再充填するので、容器を改変することなく、液体の再充填を行うことができる。
また、請求項3に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図4に示すように、請求項2に記載の液体再充填方法において、弁体64は、液体より比重の大きな素材で形成され;逆止弁60を通過する液体が、鉛直上方に流れるように容器を配置して液体を再充填してもよい。
このように構成すると、弁体が液体より比重の大きな素材で形成され、逆止弁を通過する液体が鉛直上方に流れるように容器を配置して、すなわち、弁体が逆止弁の弁座から離間し易いように配置して、液体を再充填するので、液体を再充填しやすくなる。
また、請求項4に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図5に示すように、請求項2または請求項3に記載の液体再充填方法において、容器を逆止弁60の弁体64の移動方向に振動させながら、液体を再充填してもよい。
このように構成すると、逆止弁の弁体が移動方向に振動し、その結果弁座との間に隙間を生じ易くなるので、液体を容器に迅速に再充填することができる。
また、請求項5に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図6に示すように、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体再充填方法において、所定の圧力が液体の位置水頭により達成されてもよい。
このように構成すると、液体の位置水頭により所定の圧力が得られるので、容易な液体の再充填方法となる。
また、請求項6に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図7に示すように、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体再充填方法において、所定の圧力が液体を加圧装置104により加圧することにより達成されてもよい。
このように構成すると、加圧装置を調整することで所定の圧力を容易に得られる。なおここで、加圧装置とは、各種のポンプであってもよいし、注射器(シリンジ)のようにピストンを手動で押すことにより加圧する装置でもよいし、ピストンを手動で押す代わりにバネ等で押す機構を備えてもよいし、他の所定の圧力を達成できる加圧装置であってもよい。なお、加圧装置として注射器のようなピストンを用いる場合、ピストンに作用する力が同じならば加圧された液体の圧力はシリンダの断面積に逆比例するので、シリンダの断面積が小さいほど圧力が大きくなる、よって、ピストンへの作用力は適正な範囲となるように留意する必要がある。
また、請求項7に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図8に示すように、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体再充填方法において、所定の圧力が筐体30内を減圧することにより達成されてもよい。
このように構成すると、筐体内を減圧することにより所定の圧力が達成されるので、液体の流路に加圧される部分が存在せず、たとえ流路に損傷が生じたとしても、液体が飛散することを防止できる。
また、請求項8に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図9に示すように、請求項1に記載の液体再充填方法において、導出路40には、逆止弁60をバイパスする流路90が形成され、バイパス流路90は閉塞されているが、閉塞を前記液体の圧力により解除して、容器20に液体を再充填してもよい。
このように構成すると、バイパス流路の閉塞を解除してバイパス流路を介して容器に液体を再充填するので、迅速に液体を容器に再充填することができる。
本発明に係る液体再充填方法によれば、筐体に収容され液体を収容し収容した液体を導出路から導出する袋状の容器であって、該導出路には外部から容器内への液体の流れにより移動する弁体の動きにより液体の流路を閉鎖する逆止弁が配設されている容器の液体再充填方法において、導出路に所定の圧力で液体を供給し容器に液体を再充填する工程を備えるので、所定の圧力で液体を供給することにより液体を再充填することができ、液体の再充填を容易に行うことができる。また、容器が筐体に収容されているので、容器を自由な方向に保持しつつ液体を再充填することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一または相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、実施の形態として用いるインクカートリッジ10を説明する図で、(a)は上蓋34を撤去した状態の斜視図で、(b)は(a)のb−b断面図を示す。インクカートリッジ10では、筐体であるカートリッジケース30内に、インクを収容する容器としてのインクバッグ20が収容されている。インクバッグ20には、インクを導出するためのノズル40が接続する。ノズル40は、カートリッジケース30を貫通し、カートリッジケース30の外側に開口している。
インクバッグ20は、ガスバリア性を有する素材で形成された可撓性のある袋である。ガスバリア性を有するので、インクに含まれる揮発成分がインクを貯蔵している間に蒸発することを防止できる。また、可撓性のある袋であるので、インクの流出に伴ってインクバッグ20内に空気を入れる必要がなく、インクバッグ内にインクだけが収容された状態を維持できる。そのため、インクバッグ20内におけるインクからの揮発成分の蒸発を防止できる。
カートリッジケース30は、筐体から上面を取り除いた枡形のカートリッジケース本体32と、カートリッジケース本体32の開口部を覆う上蓋34を有する。カートリッジケース30(本体32)はインクバッグ20を収容し、ノズル40の開口が位置する面には空気孔38が形成されている。カートリッジケース30は、上蓋34が被せられた状態で、空気孔38を閉じれば気密状の閉じた空間36を形成する。カートリッジケース本体32と上蓋34とが気密に、また、カートリッジケース本体32とノズル40とが気密に接続することにより、閉じた空間36と外部とを連通するのは空気孔38だけとなる。カートリッジケース本体32と上蓋34とが気密に接続する代わりに、カートリッジケース本体32の開口部を気密なシートで覆ってもよい。このようにカートリッジケース30内の閉じた空間36を気密にすることにより、空気孔38から吸気することで閉じた空間36を減圧することができる。また、可撓性のある袋状のインクバッグ20がカートリッジケース30に収容されているので、カートリッジケース30を支持することによりインクバッグ20を任意の向きに向けて配置し易い。カートリッジケース本体32と上蓋34とは、典型的にはプラスチックで形成される。
次に、図2をも参照して、ノズル40の構成を説明する。図2は、インクカートリッジ10のノズル40廻りの部分断面図(図1(a)のカートリッジケース30の底面に平行な平面における断面図)である。ノズル40は典型的には第1の弁部50と第2の弁部60を有する。第1の弁部50は、ノズル40の開口側(カートリッジケース30の外側)に位置し、第2の弁部60は、インクバッグ20側に位置する。
第1の弁部50では、中空筒形の筒部52の中空部に弁機構が形成される。筒部52の開口の近くに、ゴムシール56が配置される。ゴムシール56は、筒部52の開口端あるいはその近くで中空部内側に張り出すシール押え53と、ゴムシール56を挟んだ位置で中空部内側に張り出すシール押え54とに挟まれることにより、位置決めされる。ゴムシール56は、筒部52の中空部に密着するための外形を有し、ノズル40の軸と一致する方向に貫通口が形成されている。貫通口は、シール押え53側では径が大きく、シール押え54側では径が小さくなり、シール押え54を越えて張り出している。シール押え54を越えて張り出しているゴムシール56に、弁体58が当接する。弁体58は、ゴムシール56に形成された貫通口を覆う面を有する塊体で、スプリング59によりゴムシール56側に付勢され、ゴムシール56の貫通口を閉塞する。スプリング59は、一端が弁体58に、典型的には、他端が筒部52の第2の弁部60側に当接するコイルバネであり、圧縮された状態で配設され、弁体58を所定の力でゴムシール56に押し付ける。
第2の弁部60は、第1の弁部50の筒部52と同じ外形を有し、接続されることにより一体となるボディ62内に弁機構が形成される。ボディ62は、第1の弁部50の筒部52と接続する。ボディの中央部には、ノズル40の軸と一致する方向に、中空部が形成される。中空部は典型的には円柱形であるので、以下の説明は円柱形の中空部として説明するが、他の形状であってもよい。中空部は、基本的に両側(円柱形の端面側)は閉じられている。しかし、第1の弁部50の筒部52と接続する側では、筒部52の中空部とボディ62の中空部とを連接する貫通孔63が形成される。貫通孔63は、典型的には中空部の端面に広がる複数の孔で構成される。また、インクバッグ20側では、インクバッグ20の内部とボディ62の中空部とを連接する貫通孔69が形成される。貫通孔69は、典型的にはノズル40の軸と一致した中心軸を有し、例えば中空部の径の2分の1以下の小さな径の孔である。以上の通りに中空部および貫通孔63、69が形成されているので、ノズル40には、第1の弁部50および第2の弁部60を介して、インクカートリッジ10の外部とインクバッグ20の内部とを連接する流路が通じる。
第2の弁部60のボディ62の中空部には、弁体64が収納される。弁体64は、中空部をノズル40の軸方向に移動可能な円板形である。弁体64は、インクバッグ20側の中空部端面に密着することにより、貫通孔69を閉塞する。弁体64の径が、中空部の径より小さく、中空部内で弁体64が偏った位置になることにより弁体64で貫通孔69を閉塞できなくなってしまうような場合には、図2に示すように、中空部にガイド66を設け、弁体64の偏りを制限する。一方、弁体64が第1の弁50側の中空部端面に密着しても、貫通孔63の総てが閉塞されることがないように、貫通孔63は複数の孔が広がって配置されている。したがって、流れる流体により弁体64が流されることで、第2の弁部60は、流体の流れる方向により開閉が切り替わる。すなわち、ノズル40を通じてインクバッグ20からインクが流出する方向に流れる場合には弁体64が貫通孔63側に移動し、貫通孔63を閉塞することなくインクが流れるが、インクバッグ20内にインクが流入する方向に流れる場合には弁体64が貫通孔69側に移動し、貫通孔69を閉塞してインクが流れなくなる。このように、第2の弁部60は逆止弁となる。なお、弁体64による貫通孔69の閉塞をより確実なものとするため、貫通孔69の周囲を中空部側に突起させ、弁体64と環状に密着する弁座68を形成するのが一般的である。なお、弁体64は高分子フィルムで、弁座68を始めとするボディ62はプラスチックで形成されるのが典型である。
以上に説明したインクカートリッジ10では、インクカートリッジ10をプリンタ(不図示)に装着しない状態では、第1の弁部50が閉塞しているので、インクバッグ20内に貯蔵されたインクが外部に流出することが防止される。インクカートリッジ10をプリンタに装着すると、プリンタのインク注入口に形成された針(不図示)により第1の弁部50の弁体58がインクバッグ20側にスプリング59の付勢力に抗して押され、弁体58とゴムシート56との間に空隙が生じ、インクが第1の弁50を通じて流れるようになる。
インクバッグ20に貯蔵したインクが流出する場合には、前述のように、逆止弁である第2の弁部60を通じてインクは流れ、インクカートリッジ10からインクが流出する。一方、外部からインクバッグ20内にインクが逆流しようとすると、第2の弁部60で遮断される。したがって、外部からの汚濁を伴ったインクの逆流や空気の混入を防止することができる。
このようなインクカートリッジ10のインクを使いきった後に、あるいは減少したインクを補充するために、インクを再充填する必要が生ずる。このような場合には、ノズル40を介してインクを再充填するのが、他の開口を設ける必要がなく、好ましい。しかし、逆止弁である第2の弁部60のために、一般的にノズル40を介してのインクの再充填は難しいとされてきた。
そこで、図3に本発明の実施の形態例として、インクカートリッジ10にインクを注入する様子を表す。図3は、インクを注入する供給針72が挿入されたノズル40廻りの部分断面図である。供給針72は、後述のインク供給装置(図6〜図8参照)におけるインクカートリッジ10へインクを注入する器具で、先端にインクを流出する孔が形成された剛性の高い中空の管である。ここで、剛性が高いとは、供給針72の先端で第1の弁部50の弁体58を押すことにより、スプリング59の付勢力に抗して弁体58をゴムシール56から離間させることができるような剛性を有することをいう。
供給針72で弁体58をゴムシール56から離間させることにより、第1の弁部50のゴムシール56の貫通口が開放され、インクの流通が可能となる。すなわち、第1の弁部50が開いた状態となる。そこで、供給針72からインクを流出すると、インクは第1の弁部50の内部(弁体58より第2の弁部60側)へ流入する。第1の弁部50内へ流入したインクは、貫通孔63を通り、第2の弁部60の中空部へ流れる。第2の弁部60の中空部へ流れたインクは、弁体64を弁座68側に押し流し、弁座68に密着させる。そのために、インクは、貫通孔69に流れ込めず、そこで滞留する。
第2の弁部60の弁体64と弁座68とは、インクの圧力により弁体64が弁座68に押し付けられることにより流体の流れを阻止する。しかし、インクの圧力に押された弁体64と弁座68との接触により流れが阻止されているだけであるため、完全にシールされているのではなく、微量の漏れを生じうる。そこで、ある圧力をかけ続けることにより、逆止弁である第2の弁部60を逆流してインクをゆっくりと流すことができる。すなわち、所定の圧力でインクを供給し続け、時間を掛ければ、ノズル40を用いて、インクカートリッジ10にインクを再充填することが可能となる。ここで、インクを供給し続けるときの所定の圧力は、インクカートリッジ10の種別、特に第2の弁部60の構造、弁体64や弁座68の平面度等により異なるが、本実施の形態のインクカートリッジ10では1.96〜98.1kPaとするのが好ましい。1.96kPaより小さいとインクがインクカートリッジ10内にほとんど流れ込まず、実質的にインクカートリッジ10にインクを再充填できるとはいえなくなる。また、98.1kPaより大きいと、弁体64と弁座68との密着の度合が高くなり、液体が漏れにくくなることもあり、また、インクカートリッジ10を破損する恐れもある。つまり、第2の弁部60、液体の種類によって適当な圧力範囲がある。
第2の弁部60の弁体64は、高分子フィルムを用いて形成され、その比重はインク等の液体より大きいのが一般的である。すなわち、第2の弁部60の中空部がインクで充満している場合においても、弁体64は浮力で浮き上がらず、重力の方向に引っ張られることになる。
そこで、インクカートリッジ10にインクを注入する場合は、図4に示すように、逆止弁を通過する液体が鉛直上方に流れるように第2の弁部60を配置するのが好ましい。図4は、第2の弁部60の拡大断面図であり、図中の上下は第2の弁部60が配置された鉛直上下と一致し、太い矢印iはインクの流れを、破線の矢印gは弁体64に作用する重力の方向を示す。同じインクの流れであっても弁体64を弁座68に押し付ける力は、インクの流れiと重力gとが反対向きになることにより小さくなり、すなわち、第2の弁部60の弁を閉塞する力は弱くなり、インクが漏れ込み易く、つまりインクバッグ20に注入され易くなる。極端な場合には、インクの圧力により弁体64を押し上げる力より弁体64に作用する重力から浮力を減じた力の方が大きければ、弁体64は弁座68から離間し、第2の弁部60により閉塞されずにインクが流れることになるが、弁体64が弁座68から離間することは第2の弁部60をインクが流れるための必須要件ではない。
また、図5に示すように、第2の弁部60を弁体64の移動方向に振動させてもよい。この振動の特性(周期、振幅)は、弁体64を弁座68から離間させ、あるいは、弁座64に弁座68から離間しようとする有意な慣性力を生ずればよく、周期や振幅が一定である必要はない。図5は、第2の弁部60の拡大断面図であり、矢印vは振動方向を示す。第2の弁60が弁体64の移動方向に振動することにより、弁体64は弁座68から周期的に離間する、あるいは離間しようとする。すなわち、第2の弁部60のインクの流れの閉塞が周期的に開放され、あるいは、閉塞する力が弱くなり漏れ易くなる。したがって、インクが第2の弁部60を逆流して流れ易くなる。
ここで、図1に示すように、インクカートリッジ10がインクを収容するインクバッグ20とノズル40とを一体としてカートリッジケース30に収納していると、筐体であるカートリッジケース30により第2の弁部60を支持することができるので、第2の弁部60の向きを変えたり、あるいは振動させたりすることが容易となる。特に、インクバッグ20が可撓性のある袋である場合においても、逆さにすると袋が折れ曲がり疲労による損傷を受け易くなったり、振動による変形の繰り返しのために疲労による損傷を受け易くなったりすることが防止される。
続いて、図6〜図8を参照して、インクカートリッジ10へインクを再充填する方法について説明する。図6は、インクの位置水頭により圧力を得るインクの再充填方法を説明する模式図である。インクを貯留するインクタンク82をインクカートリッジ10より高い位置に設置する。インクタンク82にインクを流出するチューブ84を連接し、チューブの他端をインクカートリッジ10に接続する。図6に示す実施例では、複数のインクカートリッジ10を並べて、チューブ84から各インクカートリッジ10へ接続管86を分岐させ、インクカートリッジ10と接続する。詳細には、チューブ84から短管である接続管86を分岐させ、開閉弁あるいはコック88を経て、供給針72につながる。供給針72がインクカートリッジ10のノズル40(図2参照)に挿入される。コック88は、接続するインクカートリッジ10にインクを再充填するときは開とし、インクカートリッジ10を外している間等は閉として、インクの漏洩を防止するのに用いられる。
インクタンク82をインクカートリッジ10より高い位置に設置することにより、インクの密度をγ、インクタンク82とインクカートリッジ10との高さの差をHとすると、γHの位置水頭によりインクカートリッジ10におけるインクの圧力(ゲージ圧)が生ずる。なお厳密には、インクタンク82内のインクの液面とインクカートリッジ10内のインクの液面との差がHとなる。本実施の形態においては、高さの差Hは、0.2m〜10mとする。高さの差Hが0.2mよりも小さいと、インクカートリッジ10におけるインクの圧力が小さく、逆止弁である第2の弁部60(図2参照)を逆流して漏れ流れるインクの量が少なくなりすぎる。ただし、図5で説明したように、第2の弁部60、すなわちインクカートリッジ10を弁体64の移動方向に振動させる場合には、高さの差Hを0.05mと小さくしてもインクは漏れ流れる。また、10mよりも大きいとインクカートリッジ10におけるインクの圧力が大きくなりすぎ、インクカートリッジ10、特にインクバッグ20(図1参照)に損傷を生ずる可能性が高まる。また、ある程度高さの差Hを大きく取ると、インクタンク82内のインク液面の低下あるいは、インクカートリッジ10内の液面上昇による高さの差Hの減少も無視できる程度に小さくなる。すなわち、所定の圧力でインクを供給し続けることができる。なお、適切な高さHが、インクカートリッジ10の構造、インクの性質(粘性、密度、等)、チューブ84、接続管86、コック88、供給針72の形状等により影響を受けることは明らかである。
また、インクタンク82の容量が大きければ、複数のインクカートリッジ10にインクを供給し続けることが可能である。また、多数のインクカートリッジ10を接続することにより、同時に所定の圧力で複数のインクカートリッジ10にインクを再充填することができ、インクカートリッジ10一つにインクを再充填するのに時間が掛かっても同時に多数のインクカートリッジ10にインクを再充填できるので、大量のインクカートリッジ10にインクを再充填でき、工業的に適した方法となる。大量のインクカートリッジ10にインクを再充填するには、コック88を閉として、接続する供給針72からのインクの流出を止めた状態で、該供給針72にインクカートリッジ10を装着する。インクカートリッジ10装着後にコック88を開としてインクをインクカートリッジ10に再充填し、再充填終了後、コック88を閉としてインクカートリッジ10を取り外す。このように、コック88の開閉を調整することで、他のインクカートリッジ10にインクを供給し続けながら、インクカートリッジ10の着脱が可能となる。
次に、図7を参照して、加圧装置104により加圧することで、インクカートリッジ10に供給されるインクに圧力をかけてインクを再充填する方法について説明する。図7は、加圧装置104でインクを加圧してインクをインクカートリッジ10に再充填する方法を説明する模式図で、(a)は加圧装置104でインクを吸引し加圧する例、(b)は(a)の方法の空気抜きをし易くするように改良した例、(c)はインクボトル102を加圧してインクカートリッジ10に供給されるインクを加圧する例を説明する。なお、図7では加圧装置104として注射器のようなシリンダとピストンの構造を示しているが、加圧装置104としては、周知の他の装置であってもよい。また、ピストンを人手で操作せず、バネあるいは錘で加圧してもよく、加圧の方法は限定されない。
図7(a)は、インクボトル102中のインクを加圧装置104で吸引し、加圧してインクカートリッジ10に供給するインク供給装置110を用いた例を説明する図である。インクボトル102は補充するインクを収容する容器である。加圧装置104は、ここでは注射器のようなシリンダとピストンの構成として説明する。加圧装置104のノズルにチューブ113を接続する。チューブ113は供給針72を介してインクカートリッジ10のノズル40(図1参照)に接続する。チューブ113には、開閉弁あるいはコック115が配設され、さらに、供給針72の近くに逆止弁114が配設される。逆止弁114は、加圧装置104からインクカートリッジ10へのインクの流れを許容し、その逆流を阻止する。チューブ113からは、インクボトル102内の底近くと接続する供給チューブ111が、コック115と逆止弁114との間から分岐する。供給チューブ111には、逆止弁112が配設され、インクボトル102からチューブ113へのインクの流れを許容し、その逆流を阻止する。チューブ113の加圧装置104とコック115の間から、回収チューブ117が分岐し、インクボトル102の上部に接続する。回収チューブ117には開閉弁すなわちコック118が配設される。
インク供給装置110を用いてインクカートリッジ10にインクを補充するには、図7(a)に示すようにセットした後に、コック115を開としコック118を閉として加圧装置104にて吸引する。すると、逆止弁114のためにインクカートリッジ10側からは吸引されないので、供給チューブ111およびチューブ113を通じてインクボトル102からインクが加圧装置104内に吸引される。しかし、供給チューブ111およびチューブ113内に残留していた空気も合わせて吸引される。インクカートリッジ10すなわちインクバッグ20(図1参照)中に空気が混入すると、インクジェットプリンタ(不図示)での印刷に支障をきたすことがあるので、空気の混入をできるだけ抑えることが要求される。そこで、コック115を閉としコック118を開として加圧装置104にて加圧(排出)する。すると、空気の混入したインクは、回収チューブ117を通じて、インクボトル102に戻される。そこで、再度コック115を開としコック118を閉として加圧装置104にて吸引する。このときには、供給チューブ111およびチューブ113内に空気が残留していないので加圧装置104内にはインクだけが吸引される。次に、コック115、118を切り替えることなく、加圧装置104にて加圧する。すると、逆止弁112のためにインクはインクボトル102へは流れないので、インクカートリッジ10へ流れようとする。
しかし、インクカートリッジ10内には逆止弁である第2の弁部60(図2参照)が設置されているので、スムースに流れ込むことはなく、加圧装置104のピストンを押す力に見合う圧力が生ずる。インクに生ずる圧力が所定の圧力となると、前述のように、漏れるように第2の弁部60を僅かに逆流する。したがって、その状態で時間が経過すると、インクがインクカートリッジ10に再充填される。このとき、逆止弁112からも漏れを生じうるので、かかる漏れを抑制するために供給チューブ111に開閉弁あるいはコックを配設してもよい。加圧装置104の容量が小さく、1回の吸引・加圧ではインクカートリッジ10内がインクで満杯とならないときには、コック115、118を切り替えることなく、加圧装置104にて吸引・加圧を繰り返す。このように、インク供給装置110は、簡単な構成で、最初の吸引時だけコック115、118を切り替えることにより、加圧装置104で吸引・加圧を繰り返すことにより、容易にインクカートリッジ10にインクを再充填することができる。
なお、インク供給装置110に用いる加圧装置104において、インクカートリッジ10に供給するインクの圧力を1.96〜98.1kPaとする場合、人手で注射器に掛けることができる平均的な力である49Nをピストンに掛けるとすると、シリンダの直径を17.8〜1.1cmとすることになる。直径が17.8〜0.8cmのシリンダで、10mlのインクを再充填するためには、シリンダ長で0.04〜20cm分のインクを供給することになる。ここで、直径0.8cmのシリンダとは市販の1ml用注射器程度であり、市販の50ml用注射器が直径2.8cm程度である。
図7(b)は、インク供給装置110を改良して、空気を抜き易くしたインク供給装置120を用いた例を説明する図である。インク供給装置120では、インクボトル102から供給チューブ121を通じ逆止弁122を経て、分岐にてチューブ125に接続し、逆止弁126、供給針72を介してインクカートリッジ10に至るのは、インク供給装置110と同様である。しかし、チューブ125との分岐と逆止弁122との間の供給チューブ121から、加圧装置104に至る加圧チューブ123が分岐する。加圧チューブ123には開閉弁あるいはコック124が配設される。加圧装置104は、上向きに吸入したインクを排出するように設置される。また、インクカートリッジ10に接続するチューブ125には、開閉弁あるいはコック127が供給チューブ121との分岐を挟んでインクカートリッジ10と反対側に配設され、コック127の先から回収チューブ129が分岐し、回収チューブ129はインクボトルの上部に接続する。回収チューブ129が分岐した先のチューブ125は、ベントとして大気開放される。なお、チューブ125は、ベント側を鉛直上方として配置される。ここで、インク供給装置120の加圧装置104は、インク供給装置110の加圧装置104と同様であり、重複した説明は省略する。
インク供給装置120を用いてインクカートリッジ10にインクを再充填するには、図7(b)に示すようにセットした後に、コック124を開としコック127を閉として加圧装置104にて吸引する。すると、逆止弁126のためにインクカートリッジ10側からは吸引されないので、供給チューブ121および加圧チューブ123を通じてインクボトル102からインクが加圧装置104内に吸引される。しかし、供給チューブ121および加圧チューブ123内に残留していた空気も合わせて吸引される。また、供給チューブ121の全範囲がインクで充満されず、さらにインクカートリッジ10に至るチューブ125にも空気が残留する。そこで、コック127を開として加圧装置104にて加圧(排出)する。すると、逆止弁122のためにインクボトル102側には流れないので、空気の混入したインクがチューブ125に流れる。インクがチューブ125に流れると、上方がベントで開放されているので、徐々に空気は上昇し、ベントから大気開放される。インクがチューブ125を上昇すると、インクは回収チューブ129側に流れ、インクボトル102に回収されるので、急激にインクがチューブ125を上昇しない限り、インクがベントから放出されることはない。すなわち、インクが急激にチューブ125を上昇しない程度に、加圧装置104での加圧を調整すればよい。そこで、空気が抜けたならば、再度コック127を閉として、加圧装置104にて吸引・加圧を行うことにより、インクカートリッジ10へのインクを加圧し、再充填する。加圧装置104からインクボトル102への流れは逆止弁122により阻止されるだけであるので、開閉弁(不図示)を配設し、インクボトル102へのインクの逆流を抑制してもよい。インク供給装置120では、チューブ125の空気を確実に抜けると共に、空気を圧縮することがなく、圧縮性流体である空気の圧縮・膨張によるインクの飛散を防止することができる。
次に、図7(c)は、加圧装置104で、インクを吸引することなく、インクボトル102を加圧することによりインクカートリッジ10に供給されるインクを加圧するインク供給装置130を用いた例を説明する図である。インク供給装置130では、加圧装置104のノズルに接続する空気チューブ131は、逆止弁132を介してインクボトル102の上部に接続する。逆止弁132は、加圧装置104からインクボトル102への流れを許容し、その逆流を阻止する。加圧装置104と逆止弁132との間には、空気吸引チューブ133が分岐し、空気吸引チューブ133は逆止弁134を介して大気と連通する。逆止弁134は大気からの流れを許容し、その逆流を阻止する。供給チューブ135が、インクボトル102内の底近くから供給針72を介してインクカートリッジ10に接続する。供給チューブ135からはベントチューブ137が分岐し、大気開放されている。ベントチューブ137には、開閉弁あるいはコック138が配設される。
インク供給装置130を用いてインクカートリッジ10にインクを再充填するには、図7(c)に示すようにセットした後に、加圧装置104にて吸引する。すると、逆止弁132のためにインクボトル102側からは吸引されないので、空気吸引チューブ133を通じて大気から空気が加圧装置104内に吸引される。次に、加圧装置104にて加圧(排出)すると、逆止弁134のために空気吸引チューブ133側には空気が流れないので、インクボトル102内に空気が送られ、インクボトル102内が加圧される。インクボトル102内が加圧されると、インクは供給チューブ135に押し出される。押し出されたインクには、初期のうちは供給チューブ135内の空気が混入するので、コック138を開として、空気をベントチューブ137から大気に放出する。空気が抜けたならば、コック138を閉とする。コック138を閉とした後に、加圧装置104でインクボトル102内に空気を送ることにより、インクカートリッジ10に供給されるインクが加圧され、インクカートリッジ10にインクが再充填される。加圧された空気が空気吸引チューブ133を逆流しないのは、逆止弁134によっているが、開閉弁を配設し、より確実に逆流を阻止してもよい。このように、インク供給装置130では、加圧装置104にインクが吸引されることがなく、例えば色の異なるインクに対しても、一つの加圧装置104を共用することができる。また、加圧装置104として、汎用のコンプレッサやブロワを用いることも可能であり、その場合には、空気吸引チューブ133および逆止弁132、134を省略することも可能である。
次に、図8を参照して、インクカートリッジ10内を減圧することにより、インクを再充填する方法について説明する。図8は、インクカートリッジ10内を減圧してインクを再充填する方法について説明する模式図である。インクボトル142を、供給針72を介してインクカートリッジ10のノズル40(図2参照)に接続する。インクボトル142は、供給針72と直結されてもよく、インクボトル142に供給針72が予め設置されていてもよい。インクカートリッジ10の空気孔38(図1参照)には、真空チューブ144が接続される。真空チューブ144は真空装置146に接続し、インクカートリッジ10内の閉じた空間36(図1参照)を減圧する。真空装置146は、加圧装置104と同様の注射器でもよいし、真空ポンプであってもよい。
インクカートリッジ10内の閉じた空間36(図1参照)が減圧されると、内部が常圧であるインクバッグ20(図1参照)が膨らもうとして、第2の弁部60(図2参照)に差圧が生ずる。すなわち、インクに所定の圧力をかけて供給するのと同じ状態となり、「所定の圧力でインクを供給する」の概念に含まれる。ここで、所定の圧力は、閉じた空間36の真空度で表され、本実施の形態では−13.3〜−101kPaとする。真空度が−13.3kPaよりも小さいと、逆止弁である第2の弁部60を逆流して漏れ流れるインクの量が少なくなりすぎる。また、−101kPaよりも大きいと、弁体64(図2参照)と弁座68(図2参照)との密着が増して第2の弁部60を逆流して漏れ流れるインクの量が少なくなり、あるいは、インクカートリッジ10、特にインクバッグ20(図1参照)に損傷を生ずる可能性が高まる。このように、インクカートリッジ10内を減圧してインクを供給すると、真空装置146および真空チューブ144は、空気しか吸引しないので、例えば色の異なるインクに対しても、一つの真空装置146および真空チューブ144を共用できる。また、インクが加圧されないので、何らかの理由でインクが外部に漏れても、インクが飛散することを防止できる。
次に、図9を参照して、第2の弁部60にバイパス流路90が形成されたインクカートリッジ12のバイパス流路90を利用してインクカートリッジ12にインクを再充填する方法について説明する。図9は、インクカートリッジ12のノズル40付近の断面図(図2と同様な平面における断面図)である。以降、図2で説明したインクカートリッジ10との差異を中心に説明する。第1の弁部50の内部(弁体58より第2の弁部60側)の筒部52に貫通孔であるバイパス流路90が形成されている。バイパス流路90の外側には、シール92に貼付され、バイパス流路90は閉塞されている。なお、バイパス流路90は、インクカートリッジ12の製造時にインクを注入するのに用いられ、インク注入後シール92を例えば加熱接着して、バイパス流路90を閉塞する。バイパス流路90を経由して、インクバッグ20にインクを注入するので、インクバッグ20はバイパス流路90を包み込む範囲にまで及ぶ。
インクバッグ20にインクを再充填するには、前述のように逆止弁である第2の弁部60を通じてインクを再充填する方法だけではなく、バイパス流路90の閉塞を解除して再充填してもよい。すなわち、バイパス流路90を閉塞するシール92を剥がせばよい。シール92を剥がすためには、供給するインクの圧力を高める。本実施の形態では、98.1から981kPaとする。このような圧力とすることにより、シール92が剥がれ、バイパス流路90を経由して、第2の弁部60を通らずに、インクバッグ20にインクを再充填することができる。インクの圧力が低いとシール92が剥がれず、インクの圧力を981kPaより大きくし、高くしすぎるとインクバッグ20に損傷を引き起こしインク漏れを生ずる恐れがある。なお、シール92が剥がれることにより、以降は第2の弁部60の機能は使われなくなるが、通常の使用ではインクカートリッジ12内に空気が混入し支障をきたすことは稀であり、実質的に問題はない。
これまで説明した通り、インク供給装置とは、図7に示したインク供給装置110、120、130のように、インクボトル102(図6の例では、インクタンク82)、供給針72、それらを繋ぐチューブ、各チューブに配設された弁類を含み、インクカートリッジ10にインクを再充填するための全ての装置(インクカートリッジ10は含まない。)を指す。なお、図7の例では加圧装置104等を含み、図8の例では真空装置146等を含む。また、図7に示したインク供給装置110、120、130を、あるいは、インク供給装置110、120、130からインクボトル102を除外したものを、リフィルキットと称することもある。
なお、図6〜図8の例では、インクカートリッジ10で必ずしも第2の弁60(図2参照)で鉛直上方にインクが流れるようには図示されていないが、鉛直上方にインクが流れるようにするのが弁体64の比重がインクより大きいときには好適であり、また、インクカートリッジ10を弁体64が動く方向に振動させながらインクを再充填するのが好適である。
これまでの実施の形態では逆止弁である第2の弁60(図2、図9参照)の弁体64は、薄い板でインクの流れの方向に自由に動けるものとして説明したが、弁体の一端が弁座に固定され、該固定を中心として弁体が揺動することにより開と閉とが切り替わる構造でもよく、弁体は薄い板ではなく、例えば球状のような塊でもよい。また、第1の弁部50が備えられていなくてもよい。
使用済みインクカートリッジ(メーカー:エプソン、型式:ICLM35)を準備し、その重量を測定した。重量は19gだった。インクボトル(メーカー:ELECOM、品名:「エプソン用詰め替えインクキット」のLM)を準備した。このインクボトルのインク取り出し口に予め取り付けられたノズル付の栓をはずした。外形6mm、内径4mm、全長0.7mの透明な塩化ビニル製チューブの一方の端に、インクカートリッジのインク取り出し口に密封して嵌合させ得る治具(供給針)を、他方の端に、前記インクボトルのインク取り出し口に(予め取り付けられたノズル付の栓をはずした後に)嵌合させ得る治具をそれぞれ装着し、それぞれの両端近傍に開閉弁を装着した。そして、チューブをインクカートリッジとインクが満たされたインクボトルに接続した。次にインクカートリッジのインク取り出し口を下方にし、インクカートリッジ側の開閉弁を閉、インクボトル側の開閉弁を開として前記インクボトルを逆さ(インク取り出し口を下)にし、インクボトルをインクカートリッジの上方0.7mの位置に固定し、上部(インクボトルの底部)に空気吸入穴を開けた。その後インクカートリッジ側の開閉弁を開としインク注入を開始した。120分後にインクボトルの液面が低下しなくなったのでインクカートリッジをとりはずしてその重量を測定した。インクカートリッジの重量は31gだった。すなわち、12gのインクが再充填された。ちなみに、同種の新品のインクカートリッジの重量は約32gであり、ほぼインクが満杯となった。
インクの比重を約1とすれば0.7mの液柱の位置水頭による圧力は約0.07kPaとなるので、圧力約0.07kPaでインクを供給することにより、2時間の時間を掛ければ逆止弁を逆流させてインクカートリッジにインクを再充填できることが確認された。
実施例2では、実施例1のインクカートリッジの形式を変更し(メーカー:エプソン、型式:ICBK35)、チューブの全長を2.3mとして、インクボトルをインクカートリッジの上方2.3mの位置に固定した。これら以外は、インクカートリッジ側の開閉弁を開としインク注入を開始するまで実施例1と同様にした。インク注入開始前のインクカートリッジ重量は20gであった。インク注入開始120分後にインクボトルの液面が低下しなくなったのでインクカートリッジをとりはずしてその重量を測定したところ、インクカートリッジの重量は32gだった。すなわち、12gのインクが再充填された。ちなみに、同種の新品のインクカートリッジの重量は約32gであり、ほぼインクが満杯となった。
実施例1と同じくインクの比重は約1であり2.3mの液柱の位置水頭による圧力は約0.23kPaとなるので、圧力約0.23kPaでインクを供給することにより、2時間の時間を掛ければ逆止弁を逆流させてインクカートリッジにインクを再充填できることが確認された。
実施例3では、実施例1のチューブの全長を0.4mとして、インクボトルをインクカートリッジの上方0.4mの位置に固定し、インクを注入している間インクカートリッジを上下に振動(振幅0.1m、振動数100回/分)させた。これら以外は、インクカートリッジ側の開閉弁を開としインク注入を開始するまでを実施例1と同様にした。インク注入開始前のインクカートリッジ重量は19.5g、インク注入開始5.5分後にインクボトルの液面が低下しなくなったのでインクカートリッジをとりはずしてその重量を測定した。インクカートリッジの重量は32gだった。すなわち、12.5gのインクが再充填され、ほぼインクが満杯となった。
実施例1と比較し、圧力は約0.004kPaと低くなっているが、20分の1以下の時間でほぼ同量のインクを再充填することができることから、インクバッグを振動させることにより、すなわち逆止弁を弁体の移動方向に振動させることにより、逆止弁を逆流させてインクカートリッジにインクを再充填する速さを速めることができることが確認された。
実施例1と同様に、使用済みインクカートリッジ(メーカー:エプソン、型式:ICLM35)とインクボトル(メーカー:ELECOM、品名:「エプソン用詰め替えインクキット」のLM)を外形6mm、内径4mm、開閉弁付の透明な塩化ビニル製チューブで接続した。なお、チューブには一つだけ開閉弁を装着した。なお、インクカートリッジの重量は19gだった。次にインクカートリッジのインク取り出し口を下方にし、透明な塩化ビニル製チューブの開閉弁を開として前記インクボトルを逆さ(インク取り出し口を下)にし、インクボトルをインクカートリッジと同じ水平面に固定し、上部(インクボトルの底部)に空気吸入穴を開けた。そして、インクカートリッジのカートリッジケースの空気孔から注射器にて空気を吸引し、閉じた空間を−66.7kPaに減圧すると、インクボトルの液面が低下しインクバッグにインクの供給が開始された。その後120分後にインクボトルの液面が低下しなくなったのでインクカートリッジをとりはずしてその重量を測定した。インクカートリッジの重量は28gだった。すなわち、9gのインクが再充填された。
インクカートリッジのカートリッジケース内を減圧しても、2時間の時間を掛ければ逆止弁を逆流させてインクカートリッジにインクを再充填できることが確認された。
実施例1と同様に、使用済みインクカートリッジ(メーカー:エプソン、型式:ICLM35)を準備し、その重量を測定した。重量は19.7gだった。インクボトル(メーカー:ELECOM、品名:「エプソン用詰め替えインクキット」のLM)を準備した。注射器(筒内径5mm、筒長さ50mm)にてインクボトルからインクを吸引し、注射器の先端をインクカートリッジのインク取り出し口に治具(供給針)を介して密封嵌合させた後、注射筒を押し込んでインクカートリッジにインクを注入した。注射器によるインク注入は11回行い、4分かかった。その後インクカートリッジをとりはずしてインクカートリッジの重量を測定した。重量は32gだった。すなわち、12.3gのインクが再充填され、ほぼインクが満杯となった。なお、その後インクカートリッジをカッターで切断して内部をみたところ、逆止弁(第2の弁部)のバイパス流路を閉塞するシールが剥がれ、バイパス流路が通じていた。
供給するインクの圧力を高めると、バイパス流路を閉塞するシールが剥がれ、バイパス流路が通じてインクカートリッジにインクを再充填できることが確認された。
これまでの説明では、インクカートリッジ10にインクを再充填する方法について説明したが、本発明に係る液体再充填方法は、インクカートリッジ以外の容器に用いてもよく、また、インク以外の液体に用いてもよい。
実施の形態として用いる容器の例としてのインクカートリッジを説明する図で、(a)は上蓋を撤去した状態の斜視図で、(b)は(a)のb−b断面図を示す。 インクカートリッジのノズル廻りの部分断面図である。 インクを注入する供給針が挿入されたノズル廻りの部分断面図である。 インクの流れと重力の方向を示している第2の弁部の拡大断面図である。 振動する方向を示している第2の弁部の拡大断面図である。 インクの位置水頭により圧力を得るインクの再充填方法を説明する模式図である。 加圧装置でインクを加圧してインクをインクカートリッジに再充填する方法を説明する模式図で、(a)は加圧装置でインクを吸引し加圧する例、(b)は(a)の方法の空気を抜き易くするように改良した例、(c)はインクボトルを加圧してインクカートリッジに供給されるインクを加圧する例を説明する。 インクカートリッジ内を減圧してインクを再充填する方法について説明する模式図である。 バイパス流路を利用してインクカートリッジにインクを再充填するインクカートリッジのノズル付近の断面図である。
符号の説明
10、12 インクカートリッジ
20 インクバッグ
30 カートリッジケース(筐体)
32 カートリッジケース本体
34 上蓋
36 閉じた空間
38 空気孔
40 ノズル
50 第1の弁部
52 筒部
53、54 シール押え
56 ゴムシール
58 弁体
59 スプリング
60 第2の弁部(逆止弁)
62 ボディ
63、69 貫通孔
64 弁体
66 ガイド
68 弁座
72 供給針
82 インクタンク
84 チューブ
86 接続管
88、115、118、124、127、138 開閉弁(コック)
90 バイパス流路
92 シール
102、142 インクボトル
104 加圧装置
110、120、130 インク供給装置
111、121、135 供給チューブ
112、114、122、126、132、134 逆止弁
113、125 チューブ
117、129 回収チューブ
123 加圧チューブ
131 空気チューブ
133 空気吸引チューブ
137 ベントチューブ
144 真空チューブ
146 真空装置
H 高さの差
g 重力
i インクの流れ
v 振動方向
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、再充填する液体への加圧を適切な範囲にすることによってインク導出路を経由して液体を注入できることを見出した。そこで、請求項1に記載の発明に係る液体再充填方法は、例えば図1および図3に示すように、筐体30に収容され、液体を収容し、収容した液体を導出路40から導出する袋状の容器20であって、該導出路40には外部から容器20内への液体の流れにより移動する弁体64の動きにより弁体64が弁座68と接触する逆止弁60が配設されている容器20の液体再充填方法において:外部から導出路40に、所定の圧力で液体を供給し、該液体の流れにより弁体64が弁座68と接触した状態で容器20に液体を再充填する工程を備える。
また、請求項2に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図4に示すように、請求項1に記載の液体再充填方法において、弁体64は、液体より比重の大きな素材で形成され;外部から容器20への液体が、鉛直上方に流れるように容器を配置して液体を再充填してもよい。
このように構成すると、弁体が液体より比重の大きな素材で形成され、逆止弁を通過する液体が鉛直上方に流れるように容器を配置して、すなわち、弁体が逆止弁の弁座から離間し易いように配置して、液体を再充填するので、液体を再充填しやすくなる。
また、請求項3に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図5に示すように、請求項1または請求項2に記載の液体再充填方法において、容器を逆止弁60の弁体64の移動方向に振動させ、弁体64に慣性力を付与して、液体を再充填してもよい。
このように構成すると、逆止弁の弁体が移動方向に振動し、その結果弁体と弁座との間の閉塞する力が弱くなり漏れ易くなり、液体が流れ易くなる。
また、請求項4に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図6に示すように、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液体再充填方法において、所定の圧力が液体の位置水頭により達成されてもよい。
このように構成すると、液体の位置水頭により所定の圧力が得られるので、容易な液体の再充填方法となる。
また、請求項5に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図7に示すように、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液体再充填方法において、所定の圧力が液体を加圧装置104により加圧することにより達成されてもよい。
このように構成すると、加圧装置を調整することで所定の圧力を容易に得られる。なおここで、加圧装置とは、各種のポンプであってもよいし、注射器(シリンジ)のようにピストンを手動で押すことにより加圧する装置でもよいし、ピストンを手動で押す代わりにバネ等で押す機構を備えてもよいし、他の所定の圧力を達成できる加圧装置であってもよい。なお、加圧装置として注射器のようなピストンを用いる場合、ピストンに作用する力が同じならば加圧された液体の圧力はシリンダの断面積に逆比例するので、シリンダの断面積が小さいほど圧力が大きくなる、よって、ピストンへの作用力は適正な範囲となるように留意する必要がある。
また、請求項6に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図8に示すように、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の液体再充填方法において、所定の圧力が筐体30内を減圧することで容器20が膨らもうとすることにより達成されてもよい。
このように構成すると、筐体内を減圧することで容器が膨らもうとすることにより所定の圧力が達成されるので、液体の流路に加圧される部分が存在せず、たとえ流路に損傷が生じたとしても、液体が飛散することを防止できる。
また、請求項7に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図1に示すように、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の液体再充填方法において、容器が、インクカートリッジ10のインクバッグ20であり;液体が、インクであり;所定の圧力が、1.96〜98.1kPaであってもよい。
このように構成すると、インクカートリッジにインクを再充填するのにインクを入れ易く好適である。
また、請求項8に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図1、図3および図9に示すように、インクを収容するインクバッグ20と、インクバッグ20に接続してインクバッグ20からインクを導出し、第1の弁部50と第2の弁部60と第2の弁部60をバイパスするバイパス流路90とを有するノズル40とを備え、第1の弁部50は、針で弁体58を押すことで開いた状態となり、プリンタに装着しない状態では閉塞している弁であり、第2の弁部60は、外部からインクバッグ20内へのインクの流れにより移動する弁体64の動きにより弁体64が弁座68と接触する逆止弁であり、バイパス流路90はシール92が貼付されて閉塞されている、インクカートリッジ12にインクを再充填する方法であって:第1の弁部50をインク注入針72で開いた状態とする工程と;インク注入針72から前記インクを98.1〜981kPaの圧力で供給して、バイパス流路90のシール92を剥がす工程と;インク注入針72からバイパス流路90を通じてインクバッグ20内にインクを注入する工程とを備える。
このように構成すると、バイパス流路の閉塞を解除してバイパス流路を介してインクバッグ内インクを再充填するので、迅速にインクインクバッグ内に再充填することができる。
本発明に係る液体再充填方法によれば、筐体に収容され液体を収容し収容した液体を導出路から導出する袋状の容器であって、該導出路には外部から容器内への液体の流れにより移動する弁体の動きにより弁体が弁座と接触する逆止弁が配設されている容器の液体再充填方法において、外部から導出路に所定の圧力で液体を供給し液体の流れにより弁体が弁座と接触した状態で容器に液体を再充填する工程を備えるので、所定の圧力で液体を供給することにより液体を再充填することができ、液体の再充填を容易に行うことができる。また、容器が筐体に収容されているので、容器を自由な方向に保持しつつ液体を再充填することができる。
インクカートリッジ10内の閉じた空間36(図1参照)が減圧されると、内部が常圧であるインクバッグ20(図1参照)が膨らもうとして、第2の弁部60(図参照)に差圧が生ずる。すなわち、インクに所定の圧力をかけて供給するのと同じ状態となり、「所定の圧力でインクを供給する」の概念に含まれる。ここで、所定の圧力は、閉じた空間36の真空度で表され、本実施の形態では−13.3〜−101kPaとする。真空度が−13.3kPaよりも小さいと、逆止弁である第2の弁部60を逆流して漏れ流れるインクの量が少なくなりすぎる。また、−101kPaよりも大きいと、弁体64(図2参照)と弁座68(図2参照)との密着が増して第2の弁部60を逆流して漏れ流れるインクの量が少なくなり、あるいは、インクカートリッジ10、特にインクバッグ20(図1参照)に損傷を生ずる可能性が高まる。このように、インクカートリッジ10内を減圧してインクを供給すると、真空装置146および真空チューブ144は、空気しか吸引しないので、例えば色の異なるインクに対しても、一つの真空装置146および真空チューブ144を共用できる。また、インクが加圧されないので、何らかの理由でインクが外部に漏れても、インクが飛散することを防止できる。
次に、図9を参照して、第2の弁部60にバイパス流路90が形成されたインクカートリッジ12のバイパス流路90を利用してインクカートリッジ12にインクを再充填する方法について説明する。図9は、インクカートリッジ12のノズル40付近の断面図(図2と同様な平面における断面図)である。以降、図2で説明したインクカートリッジ10との差異を中心に説明する。第1の弁部50の内部(弁体58より第2の弁部60側)の筒部52に貫通孔であるバイパス流路90が形成されている。バイパス流路90の外側には、シール92貼付され、バイパス流路90は閉塞されている。なお、バイパス流路90は、インクカートリッジ12の製造時にインクを注入するのに用いられ、インク注入後シール92を例えば加熱接着して、バイパス流路90を閉塞する。バイパス流路90を経由して、インクバッグ20にインクを注入するので、インクバッグ20はバイパス流路90を包み込む範囲にまで及ぶ。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、再充填する液体への加圧を適切な範囲にすることによってインク導出路を経由して液体を注入できることを見出した。そこで、請求項1に記載の発明に係る液体再充填方法は、例えば図1および図3に示すように、 筐体30に収容されており、液体を収容し、収容した液体を導出路40から導出する袋状の容器20であって、該導出路40には外部から容器20内への液体の流れにより自由に移動する高分子のフィルム状の弁体64の動きにより該弁体64がプラスチックで形成された弁座68と接触する逆止弁60が配設されており、かつ、前記弁体64の外径が前記弁座68の外径より大きい、容器20の液体再充填方法において、外部から前記導出路40に所定の圧力をかけ続けて、前記所定の圧力で前記液体を供給し、該液体の流れにより前記弁体64が前記弁座68と接触した状態で前記逆止弁60を逆流させ、前記容器20に液体を再充填する工程を備え、前記所定の圧力が、1.96kPa以上、98.1kPa以下である。
また、請求項に記載の発明に係る液体再充填方法では、例えば図6に示すように、請求項に記載の液体再充填方法において、所定の圧力が7kPa以上であって、液体の位置水頭により達成されてもよい。
本発明に係る液体再充填方法によれば、筐体30に収容されており、液体を収容し、収容した液体を導出路40から導出する袋状の容器20であって、該導出路40には外部から容器20内への液体の流れにより自由に移動する高分子のフィルム状の弁体64の動きにより該弁体64がプラスチックで形成された弁座68と接触する逆止弁60が配設されており、かつ、前記弁体64の外径が前記弁座68の外径より大きい、容器20の液体再充填方法において、外部から前記導出路40に1.96kPa以上、98.1kPa以下の所定の圧力をかけ続けて、前記所定の圧力で前記液体を供給し、該液体の流れにより前記弁体64が前記弁座68と接触した状態で前記逆止弁60を逆流させ、前記容器20に液体を再充填する工程を備えるので、所定の圧力で液体を供給することにより、液体を再充填することができ液体の再充填を容易に行うことができる。また、容器が筐体に収容されているので、容器を自由な方向に保持しつつ液体を再充填することができる。
そこで、図3に本発明の実施の形態例として、インクカートリッジ10にインクを注入する様子を表す。図3は、インクを注入する供給針72が挿入されたノズル40廻りの部分断面図である。供給針72は、後述のインク供給装置(図6〜図参照)におけるインクカートリッジ10へインクを注入する器具で、先端にインクを流出する孔が形成された剛性の高い中空の管である。ここで、剛性が高いとは、供給針72の先端で第1の弁部50の弁体58を押すことにより、スプリング59の付勢力に抗して弁体58をゴムシール56から離間させることができるような剛性を有することをいう。
インク供給装置130を用いてインクカートリッジ10にインクを再充填するには、図7(c)に示すようにセットした後に、加圧装置104にて吸引する。すると、逆止弁132のためにインクボトル102側からは吸引されないので、空気吸引チューブ133を通じて大気から空気が加圧装置104内に吸引される。次に、加圧装置104にて加圧(排出)すると、逆止弁134のために空気吸引チューブ133側には空気が流れないので、インクボトル102内に空気が送られ、インクボトル102内が加圧される。インクボトル102内が加圧されると、インクは供給チューブ135に押し出される。押し出されたインクには、初期のうちは供給チューブ135内の空気が混入するので、コック138を開として、空気をベントチューブ137から大気に放出する。空気が抜けたならば、コック138を閉とする。コック138を閉とした後に、加圧装置104でインクボトル102内に空気を送ることにより、インクカートリッジ10に供給されるインクが加圧され、インクカートリッジ10にインクが再充填される。加圧された空気が空気吸引チューブ133を逆流しないのは、逆止弁134によっているが、開閉弁を配設し、より確実に逆流を阻止してもよい。このように、インク供給装置130では、加圧装置104にインクが吸引されることがなく、例えば色の異なるインクに対しても、一つの加圧装置104を共用することができる。また、加圧装置104として、汎用のコンプレッサやブロワを用いることも可能であり、その場合には、空気吸引チューブ133および逆止弁132、134を省略することも可能である。
このように構成すると、加圧装置を調整することで所定の圧力を容易に得られる。なおここで、加圧装置とは、各種のポンプであってもよいし、注射器(シリンジ)のようにピストンを手動で押すことにより加圧する装置でもよいし、ピストンを手動で押す代わりにバネ等で押す機構を備えてもよいし、他の所定の圧力を達成できる加圧装置であってもよい。なお、加圧装置として注射器のようなピストンを用いる場合、ピストンに作用する力が同じならば加圧された液体の圧力はシリンダの断面積に逆比例するので、シリンダの断面積が小さいほど圧力が大きくなる、よって、ピストンへの作用力は適正な範囲となるように留意する必要がある。
これまで説明した通り、インク供給装置とは、図7に示したインク供給装置110、120、130のように、インクボトル102(図6の例では、インクタンク82)、供給針72、それらを繋ぐチューブ、各チューブに配設された弁類を含み、インクカートリッジ10にインクを再充填するための全ての装置(インクカートリッジ10は含まない。)を指す。なお、図7の例では加圧装置104等を含む。また、図7に示したインク供給装置110、120、130を、あるいは、インク供給装置110、120、130からインクボトル102を除外したものを、リフィルキットと称することもある。
これまでの実施の形態では逆止弁である第2の弁60(図2参照)の弁体64は、図示されるように高分子のフィルム状で、前記弁座68よりも大きな外径であり、薄い板でインクの流れの方向に自由に動けるものとして説明した。また、第1の弁部50が備えられていなくてもよい。
インクの比重を約1とすれば0.7mの液柱の位置水頭による圧力は約kPaとなるので、圧力約kPaでインクを供給することにより、2時間の時間を掛ければ逆止弁を逆流させてインクカートリッジにインクを再充填できることが確認された。
実施例1と同じくインクの比重は約1であり2.3mの液柱の位置水頭による圧力は約23kPaとなるので、圧力約23kPaでインクを供給することにより、2時間の時間を掛ければ逆止弁を逆流させてインクカートリッジにインクを再充填できることが確認された。
実施の形態として用いる容器の例としてのインクカートリッジを説明する図で、(a)は上蓋を撤去した状態の斜視図で、(b)は(a)のb−b断面図を示す。 インクカートリッジのノズル廻りの部分断面図である。 インクを注入する供給針が挿入されたノズル廻りの部分断面図である。 インクの流れと重力の方向を示している第2の弁部の拡大断面図である。 振動する方向を示している第2の弁部の拡大断面図である。 インクの位置水頭により圧力を得るインクの再充填方法を説明する模式図である。 加圧装置でインクを加圧してインクをインクカートリッジに再充填する方法を説明する模式図で、(a)は加圧装置でインクを吸引し加圧する例、(b)は(a)の方法の空気を抜き易くするように改良した例、(c)はインクボトルを加圧してインクカートリッジに供給されるインクを加圧する例を説明する。
10、12 インクカートリッジ
20 インクバッグ
30 カートリッジケース(筐体)
32 カートリッジケース本体
34 上蓋
36 閉じた空間
38 空気孔
40 ノズル
50 第1の弁部
52 筒部
53、54 シール押え
56 ゴムシール
58 弁体
59 スプリング
60 第2の弁部(逆止弁)
62 ボディ
63、69 貫通孔
64 弁体
66 ガイド
68 弁座
72 供給針
82 インクタンク
84 チューブ
86 接続管
88、115、118、124、127、138 開閉弁(コック)
90 バイパス流路
92 シール
102、142 インクボトル
104 加圧装置
110、120、130 インク供給装置
111、121、135 供給チューブ
112、114、122、126、132、134 逆止弁
113、125 チューブ
117、129 回収チューブ
123 加圧チューブ
131 空気チューブ
133 空気吸引チューブ
137 ベントチューブ
H 高さの差
g 重力
i インクの流れ
v 振動方向

Claims (8)

  1. 筐体に収容され、液体を収容し、収容した液体を導出路から導出する袋状の容器であって、該導出路には外部から容器内への液体の流れにより移動する弁体の動きにより液体の流路を閉鎖する逆止弁が配設されている容器の液体再充填方法において:
    前記導出路に、所定の圧力で液体を供給し、前記容器に液体を再充填する工程を備える;
    液体再充填方法。
  2. 前記液体を、前記逆止弁を通過させて容器に再充填する;
    請求項1に記載の液体再充填方法。
  3. 前記弁体は、前記液体より比重の大きな素材で形成され;
    前記逆止弁を通過する液体が鉛直上方に流れるように前記容器を配置して液体を再充填する;
    請求項2に記載の液体再充填方法。
  4. 前記容器を前記逆止弁の弁体の移動方向に振動させながら、液体を再充填する;
    請求項2または請求項3に記載の液体再充填方法。
  5. 前記所定の圧力が前記液体の位置水頭により達成される;
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体再充填方法。
  6. 前記所定の圧力が前記液体を加圧装置により加圧することにより達成される;
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体再充填方法。
  7. 前記所定の圧力が前記筐体内を減圧することにより達成される;
    請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の液体再充填方法。
  8. 前記導出路には、前記逆止弁をバイパスする流路が形成され、該バイパス流路は閉塞されているが、該閉塞を前記液体の圧力により解除して、前記容器に液体を再充填する;
    請求項1に記載の液体再充填方法。
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