JP2008099609A - 飲料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】消泡剤として油脂・アルコール系消泡剤を用いた場合に、均質化工程を伴う飲料の製造において消泡効果を十分に発揮し、不活性ガス充填時の泡立ちの抑制に優れる、飲料の製造方法を提供する。
【解決手段】飲料の主原料を混合し、均質機により均質化を行う均質化工程と、均質化後の主原料に消泡剤を添加する消泡剤添加工程とを有し、前記消泡剤が下記(A)と(B)を含む、製造方法1に従う飲料の製造方法。(A):炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライド。(B):エタノール及びプロピレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種。
【選択図】図1
【解決手段】飲料の主原料を混合し、均質機により均質化を行う均質化工程と、均質化後の主原料に消泡剤を添加する消泡剤添加工程とを有し、前記消泡剤が下記(A)と(B)を含む、製造方法1に従う飲料の製造方法。(A):炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライド。(B):エタノール及びプロピレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種。
【選択図】図1
Description
本発明は、消泡剤を用いた飲料の製造方法に関する。
食品、特に飲料を製造する際に発生する泡は、生産性の低下や美的外観の損失など様々な問題の原因となっている。特に、蛋白質や微細粒子などを原料に含む飲料の製造においては、泡立ちは深刻な問題であった。また、最近では、風味や保存性の向上などのために、飲料に窒素などの不活性ガスを充填することもある(非特許文献1のp.391参照。)。しかし、泡立ちの激しい飲料の場合は、不活性ガスの充填が困難であった。
一般的に、飲料などの泡立ちを抑制するための消泡剤として、モノグリセリドやシリコーンなどが含まれる乳化剤を有効成分とした乳化剤系の消泡剤が知られている(非特許文献2のp.11,24参照。)。また、乳化剤系の消泡剤は市販もされている(非特許文献3のp.477,479,483参照。)。
なお、このような消泡剤は、通常、飲料の主原料と共に混合することが多い。また、上述した蛋白質や微細粒子などを主原料に含む飲料の製造は、均質化工程を伴うので、このような飲料の場合は、飲料の主原料と消泡剤を混合した後に均質化を行うのが常法である(非特許文献1のp.486−493、非特許文献4のp.383,458参照。)。
なお、このような消泡剤は、通常、飲料の主原料と共に混合することが多い。また、上述した蛋白質や微細粒子などを主原料に含む飲料の製造は、均質化工程を伴うので、このような飲料の場合は、飲料の主原料と消泡剤を混合した後に均質化を行うのが常法である(非特許文献1のp.486−493、非特許文献4のp.383,458参照。)。
しかし、乳化剤系の消泡剤は、油脂特有の風味が出るなどといった風味上の問題があった。また、分離や脂質酸化臭の発生などの品質劣化が比較的早く、使用期限が限られていた。さらに、粘度が高い、計量がし難い、配管内に残存する可能性があるなどの技術的問題もあった。
そこで、油脂とアルコールからなる消泡剤が開示されている(特許文献1参照。)。特許文献1に記載の消泡剤は、食品に油脂などの風味を付加することなく消泡ができ、粘度が低く、1年以上にわたって品質が劣化しないなどといった優れた特性を持つ。
特公平5−7968号公報
「最新果汁・果実飲料事典」、株式会社朝倉書店、1997年10月1日、p.391,486−493
戸田、門田、加藤、「食品用乳化剤―基礎と応用―」、株式会社光琳、平成9年4月1日、p.11,24
「<指定品目>食品添加物便覧1999年版」、株式会社食品と科学社、平成12年4月10日、p.477,479,483
「最新・ソフトドリンクス」、株式会社光琳、平成15年9月30日、p.383,458
しかしながら、特許文献1に記載の消泡剤(油脂・アルコール系消泡剤)は、均質化工程を伴う飲料の製造では十分な消泡効果が得られなかった。特に、製造後の飲料に不活性ガスを充填する場合は、泡立ちの抑制が不十分であった。そのため、油脂・アルコール系消泡剤は優れた特性を有するものの、広く利用されるには至らなかった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、消泡剤として油脂・アルコール系消泡剤を用いた場合に、均質化工程を伴う飲料の製造において消泡効果を十分に発揮し、不活性ガス充填時の泡立ちの抑制に優れる飲料の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の飲料の製造方法は、飲料の主原料を混合し、均質機により均質化を行う均質化工程と、均質化後の主原料に消泡剤を添加する消泡剤添加工程とを有し、前記消泡剤が下記(A)と(B)を含むことを特徴とする。
(A):炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライド。
(B):エタノール及びプロピレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種。
また、前記飲料の主原料が、蛋白質、ペプチド、繊維質、多糖類、微細粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、前記消泡剤添加工程より後に、さらに不活性ガスを混合する不活性ガス混合工程を有することが好ましい。
(A):炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライド。
(B):エタノール及びプロピレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種。
また、前記飲料の主原料が、蛋白質、ペプチド、繊維質、多糖類、微細粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、前記消泡剤添加工程より後に、さらに不活性ガスを混合する不活性ガス混合工程を有することが好ましい。
本発明においては、消泡剤として油脂・アルコール系消泡剤を用いた場合に、均質化工程を伴う飲料の製造において消泡効果を十分に発揮し、不活性ガス充填時の泡立ちの抑制に優れる飲料の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の飲料の製造方法に使用する消泡剤は、油脂・アルコール系の消泡剤であり、油脂として下記(A)に示す成分を含み、アルコールとして下記(B)に示す成分を含む。
(A):炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライド。
(B):エタノール及びプロピレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種。
本発明の飲料の製造方法に使用する消泡剤は、油脂・アルコール系の消泡剤であり、油脂として下記(A)に示す成分を含み、アルコールとして下記(B)に示す成分を含む。
(A):炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライド。
(B):エタノール及びプロピレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種。
前記炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライドとしては、例えば、カプロン酸トリグリセライド、カプリル酸トリグリセライド、カプリン酸トリグリセライド、ラウリン酸トリグリセライドなどが挙げられる。中でもカプリル酸トリグリセライド、カプリン酸トリグリセライドが好ましい。
炭素数が6より少ないと、経時的に分解しやすく不安定である。一方炭素数が12よりも多いと、後述するアルコール(エタノールまたはプロピレングリコール)に対する溶解性が低く、結果、水に対する分散性や消泡効果が低下する。
これらの飽和脂肪酸トリグリセライドは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライドとしては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸の混合脂肪酸トリグリセライドでもよく、特にカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸トリグリセライドが好ましい。
炭素数が6より少ないと、経時的に分解しやすく不安定である。一方炭素数が12よりも多いと、後述するアルコール(エタノールまたはプロピレングリコール)に対する溶解性が低く、結果、水に対する分散性や消泡効果が低下する。
これらの飽和脂肪酸トリグリセライドは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライドとしては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸の混合脂肪酸トリグリセライドでもよく、特にカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸トリグリセライドが好ましい。
前記アルコールは、エタノールまたはプロピレングリコールであり、1種単独で用いてもよく、2種を併用してもよい。これらアルコールは、上述した炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライドの溶解性に優れる。
炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライドの含有量は、アルコールとの合計質量に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライドの含有量は、アルコールとの合計質量に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
本発明においては、分散性を向上させる目的で消泡剤に乳化剤を適宜添加してもよい。
乳化剤としては、食品添加物として認可されているものであれば特に制限されないが、例えば、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
これら乳化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
乳化剤としては、食品添加物として認可されているものであれば特に制限されないが、例えば、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
これら乳化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、その他の消泡剤を併用してもよい。
その他の消泡剤としては、例えば、シリコーンKM−72F(信越化学工業(株)製)、アワブレークG−109(太陽化学(株)製)などが挙げられる。
これらその他の消泡剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の消泡剤としては、例えば、シリコーンKM−72F(信越化学工業(株)製)、アワブレークG−109(太陽化学(株)製)などが挙げられる。
これらその他の消泡剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に使用する消泡剤の添加量は、飲料100質量%中、0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%がさらに好ましい。
なお、糖度が高い水溶液中に消泡剤を直接添加する場合は、消泡剤が水溶液中で分散せずに油浮きなどが生じることもあるため、予め水または比重が水に近い水溶液で希釈してから添加するのが望ましい。この場合、消泡剤は10〜100倍に希釈するのが好ましく、50〜100倍に希釈するのがより好ましい。
なお、糖度が高い水溶液中に消泡剤を直接添加する場合は、消泡剤が水溶液中で分散せずに油浮きなどが生じることもあるため、予め水または比重が水に近い水溶液で希釈してから添加するのが望ましい。この場合、消泡剤は10〜100倍に希釈するのが好ましく、50〜100倍に希釈するのがより好ましい。
飲料の主原料には、食品への添加が許容されている蛋白質、ペプチド、繊維質、多糖類、微細粒子が含まれるのが好ましい。なお、これら蛋白質などの一部は、必要に応じて、均質化工程の後に加えてもよい。
蛋白質を含むものとしては、例えば、脱脂乳、脱脂粉乳、全乳蛋白質濃縮物、清乳蛋白質濃縮物、ラクトフェリン、ラクトパーオキシダーゼ、ラクトアルブミン、ラクトグロブリンなどの乳蛋白質;豆乳、分離大豆蛋白質などの大豆蛋白質;卵蛋白質、魚蛋白質、肉蛋白質、小麦蛋白質、とうもろこし蛋白質などの蛋白質またはその分解物;ペプチドアミノ酸などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ペプチドを含むものとしては、例えば、W−800、C−800、CPOP(森永乳業(株)製)などの乳蛋白分解物;ハイニュートDC6、ハイニュートDC7(不二製油(株)製)などの大豆蛋白分解物などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
繊維質を含むものとしては、例えば、パルプ;パイナップルなどの果実およびその繊維質を含む搾汁;ニンジン、トマトなどの野菜およびその繊維質を含む搾汁;カルボキシルメチルセルロース、メチルセルロース、セルロース、ヘミセルロース、キチン、キトサン、リグニンなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多糖類を含むものとしては、例えば、アロエ汁、ナタデココピューレ、植物性多糖類(ガラクトマンナン、サイリウムシードガム、グルコマンナン、タマリンド種子ガム、ペクチンなど)、植物性樹液由来多糖類(アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ガッティガム、アラビノガラクタンなど)、海藻由来多糖類(カラギーナン、寒天、アルギン酸など)、微生物産生多糖類(キサンタンガム、ジェランガム、カードラン、プルランなど)などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
微細粒子を含むものとしては、例えば、紅茶、緑茶、ウーロン茶、抹茶などの茶類;コーヒー;ココア;チョコレート;ミルクカルシウム、炭酸カルシウムなどのカルシウム原料などを微細化した粒子が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の効果に影響を及ぼさない限りにおいて、飲料の原料には、乳化剤、甘味料、有機酸、香料などの消泡剤以外の他の添加物を適宜含有することができる。他の添加物の総量は、飲料に対して0〜40質量%が好ましく、0〜20質量%がより好ましい。
他の添加物は主原料の一部として、予め上記蛋白質などと混合しておくことが好ましいが、必要に応じて、その一部または全部を均質化工程の後に加えてもよい。例えば、他の添加剤としての乳化剤は、主原料と消泡剤の双方に含有させてよい。
他の添加物は主原料の一部として、予め上記蛋白質などと混合しておくことが好ましいが、必要に応じて、その一部または全部を均質化工程の後に加えてもよい。例えば、他の添加剤としての乳化剤は、主原料と消泡剤の双方に含有させてよい。
本発明の方法により飲料を製造するには、以下のようにして行う。
まず、飲料の主原料を混合し、ホモジナイザーなどの均質機を用いて均質化を行う(均質化工程)。
次いで、均質化後の主原料に消泡剤を添加し(消泡剤添加工程)、消泡剤が均質に分散しない程度に撹拌する。
その後、消泡剤を含む主原料を殺菌、冷却して、飲料を調製する。
なお、均質化、殺菌などの方法は、飲料の種類に対応する常法を適宜用いることができる。
まず、飲料の主原料を混合し、ホモジナイザーなどの均質機を用いて均質化を行う(均質化工程)。
次いで、均質化後の主原料に消泡剤を添加し(消泡剤添加工程)、消泡剤が均質に分散しない程度に撹拌する。
その後、消泡剤を含む主原料を殺菌、冷却して、飲料を調製する。
なお、均質化、殺菌などの方法は、飲料の種類に対応する常法を適宜用いることができる。
また、前記消泡剤添加工程より後に、さらに不活性ガスを混合してもよい(不活性ガス混合工程)。不活性ガスは、製造ラインの配管の中で混合してもよく、また、均質化した主原料に消泡剤を添加したものを容器などに充填した後に混合してもよい。
不活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどが挙げられる。中でも窒素ガスが好ましい。
なお、不活性ガスの混合方法は、飲料の種類に対応する常法を適宜用いることができる。
不活性ガスとしては、窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどが挙げられる。中でも窒素ガスが好ましい。
なお、不活性ガスの混合方法は、飲料の種類に対応する常法を適宜用いることができる。
このように、本発明の飲料の製造方法は、均質化工程を伴う飲料の製造であっても消泡剤の消泡効果を十分に発揮できる。また、不活性ガスの充填の際に発生する泡立ちの抑制にも優れる。これは、均質化工程の後に消泡剤を添加することで、消泡剤が飲料中で不均一に分散し、特に飲料の表面に溜まりやすくなり、飲料の表面に発現しやすい泡を効率よく消泡できるためと考えられる。一方、従来の方法では、飲料の主原料と消泡剤を混合した後に均質化を行うので、消泡剤は飲料中に均質に分散され、飲料の表面には溜まりにくくなるため、結果、飲料の表面に発現しやすい泡は消泡されにくくなり、消泡剤の消泡効果が十分に発揮できないと考えられる。
以下、具体的な実施例を示して本発明の効果を明らかにするが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[例1:コーヒー入り乳飲料の製造]
<実施例1>
図1に示す製造方法1に従い、表1の処方に基づいてコーヒー入り乳飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザー(三丸機械工業(株)製、以下同じ)にて150kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤0.005kgを水で100倍に希釈した消泡剤溶液0.5kgを添加し、殺菌した。殺菌は、湯浴にて80℃で10分保持する殺菌条件で行った。殺菌後、液温を10℃まで冷却し、コーヒー入り乳飲料を製造した。
なお、表1に示す乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル(HLB=12)とグリセリン脂肪酸(HLB=12)からなる乳化剤を用いた。
また、消泡剤としては、カプリル酸(炭素数8)75質量%と、カプリン酸(炭素数10)25質量%との混合脂肪酸トリグリセライド(日清オイリオグループ(株)製、「ODO」)100gを95%のエタノール900gに加え、30℃に加温して均一に溶解し1000gとした消泡剤を用いた。
<実施例1>
図1に示す製造方法1に従い、表1の処方に基づいてコーヒー入り乳飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザー(三丸機械工業(株)製、以下同じ)にて150kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤0.005kgを水で100倍に希釈した消泡剤溶液0.5kgを添加し、殺菌した。殺菌は、湯浴にて80℃で10分保持する殺菌条件で行った。殺菌後、液温を10℃まで冷却し、コーヒー入り乳飲料を製造した。
なお、表1に示す乳化剤としては、ショ糖脂肪酸エステル(HLB=12)とグリセリン脂肪酸(HLB=12)からなる乳化剤を用いた。
また、消泡剤としては、カプリル酸(炭素数8)75質量%と、カプリン酸(炭素数10)25質量%との混合脂肪酸トリグリセライド(日清オイリオグループ(株)製、「ODO」)100gを95%のエタノール900gに加え、30℃に加温して均一に溶解し1000gとした消泡剤を用いた。
<比較例1>
図1に示す製造方法2に従い、表1の処方に基づいてコーヒー入り乳飲料を製造した。
本例は、消泡剤溶液を含む全ての原料を混合した後、50℃に加熱し、ホモゲナイザーにて150kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例1と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、コーヒー入り乳飲料を製造した。
図1に示す製造方法2に従い、表1の処方に基づいてコーヒー入り乳飲料を製造した。
本例は、消泡剤溶液を含む全ての原料を混合した後、50℃に加熱し、ホモゲナイザーにて150kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例1と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、コーヒー入り乳飲料を製造した。
<比較例2>
図1に示す製造方法3に従い、表1の処方に基づいてコーヒー入り乳飲料を製造した。
本例は消泡剤無添加の例であり、原料を混合し50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて150kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例1と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、コーヒー入り乳飲料を製造した。
図1に示す製造方法3に従い、表1の処方に基づいてコーヒー入り乳飲料を製造した。
本例は消泡剤無添加の例であり、原料を混合し50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて150kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例1と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、コーヒー入り乳飲料を製造した。
<試験例1>
上記実施例1及び比較例1、2の各例で得られたコーヒー入り乳飲料について各試験を行った。各結果を表2に示す。
(抑泡性の確認)
100mLメスシリンダーに50mLのサンプルを採取し、パラフィンフィルムにて上部に封をし、手で強く上下に50回振り、直後の泡面最上部の位置をメスシリンダーの目盛りを用いて読み取った。泡の体積(泡面最上部の目盛り−50mL)を算出し、抑泡率(%)を下記式にて求めた。なお、抑泡率は数値が高いほど、消泡効果がある。
抑泡率(%)=100−(サンプルの泡の体積÷消泡剤無添加の場合の泡の体積×100)
試験例1において、消泡剤無添加の場合の泡の体積とは、比較例2の泡の体積のことである。
(窒素吹き込みによる抑泡性の確認)
また、200mLメスシリンダーに50mLのサンプルを採取し、窒素ガスを0.5L/分で吹き込み、泡面がメスシリンダーの200mLの目盛りに到達するまでの時間を計測した。なお、到達時間が長いほど、消泡効果がある。
上記実施例1及び比較例1、2の各例で得られたコーヒー入り乳飲料について各試験を行った。各結果を表2に示す。
(抑泡性の確認)
100mLメスシリンダーに50mLのサンプルを採取し、パラフィンフィルムにて上部に封をし、手で強く上下に50回振り、直後の泡面最上部の位置をメスシリンダーの目盛りを用いて読み取った。泡の体積(泡面最上部の目盛り−50mL)を算出し、抑泡率(%)を下記式にて求めた。なお、抑泡率は数値が高いほど、消泡効果がある。
抑泡率(%)=100−(サンプルの泡の体積÷消泡剤無添加の場合の泡の体積×100)
試験例1において、消泡剤無添加の場合の泡の体積とは、比較例2の泡の体積のことである。
(窒素吹き込みによる抑泡性の確認)
また、200mLメスシリンダーに50mLのサンプルを採取し、窒素ガスを0.5L/分で吹き込み、泡面がメスシリンダーの200mLの目盛りに到達するまでの時間を計測した。なお、到達時間が長いほど、消泡効果がある。
表2から明らかなように、本発明の飲料の製造方法にて製造した実施例1のコーヒー入り乳飲料は、抑泡率が高かった。また、窒素ガスを吹き込んだ場合でも、比較例1、2のコーヒー入り乳飲料に比べて泡の到達時間が長く、消泡剤の効果を十分に発揮した。
一方、比較例1のコーヒー入り乳飲料は、抑泡率が0%であり、比較例2(消泡剤無添加)のコーヒー入り乳飲料と同体積の泡が発生した。また、窒素ガスを吹き込んだ場合も泡の到達時間が短く、消泡剤の効果を発揮できなかった。
また、比較例2のコーヒー入り乳飲料は、消泡剤を含んでいないため、窒素ガスを吹き込んだ場合、泡の到達時間が最も短かった。
一方、比較例1のコーヒー入り乳飲料は、抑泡率が0%であり、比較例2(消泡剤無添加)のコーヒー入り乳飲料と同体積の泡が発生した。また、窒素ガスを吹き込んだ場合も泡の到達時間が短く、消泡剤の効果を発揮できなかった。
また、比較例2のコーヒー入り乳飲料は、消泡剤を含んでいないため、窒素ガスを吹き込んだ場合、泡の到達時間が最も短かった。
[例2:酸乳飲料の製造]
<実施例2>
図1に示す製造方法1に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤0.05kgを水で100倍に希釈した消泡剤溶液5kgを添加し、殺菌した。殺菌は、プレート式殺菌機(森永エンジニアリング社製、以下同じ)を用いて110℃で2秒保持する殺菌条件で行った。殺菌後、液温を10℃まで冷却し、酸乳飲料を製造した。
なお、表3に示す消泡剤としては、カプリル酸(炭素数8)85質量%と、カプリン酸(炭素数10)15質量%との混合脂肪酸トリグリセライド(日本油脂(株)製、「パナセート」)5gを、95%のエタノール900g及びプロピレングリコール95gに加え、均一に溶解し1000gとした消泡剤を用いた。
<実施例2>
図1に示す製造方法1に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤0.05kgを水で100倍に希釈した消泡剤溶液5kgを添加し、殺菌した。殺菌は、プレート式殺菌機(森永エンジニアリング社製、以下同じ)を用いて110℃で2秒保持する殺菌条件で行った。殺菌後、液温を10℃まで冷却し、酸乳飲料を製造した。
なお、表3に示す消泡剤としては、カプリル酸(炭素数8)85質量%と、カプリン酸(炭素数10)15質量%との混合脂肪酸トリグリセライド(日本油脂(株)製、「パナセート」)5gを、95%のエタノール900g及びプロピレングリコール95gに加え、均一に溶解し1000gとした消泡剤を用いた。
<比較例3>
図1に示す製造方法2に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
本例は、消泡剤溶液を含む全ての原料を混合した後、50℃に加熱し、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例2と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、酸乳飲料を製造した。
図1に示す製造方法2に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
本例は、消泡剤溶液を含む全ての原料を混合した後、50℃に加熱し、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例2と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、酸乳飲料を製造した。
<比較例4>
図1に示す製造方法3に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
本例は消泡剤無添加の例であり、原料を混合し50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例2と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、酸乳飲料を製造した。
図1に示す製造方法3に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
本例は消泡剤無添加の例であり、原料を混合し50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例2と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、酸乳飲料を製造した。
<試験例2>
上記実施例2及び比較例3、4の各例で得られた酸乳飲料について、試験1と同様にして各試験を行った。各結果を表4に示す。
なお、試験例2において抑泡率を求めるに際し、消泡剤無添加の場合の泡の体積とは、比較例4の泡の体積のことである。
上記実施例2及び比較例3、4の各例で得られた酸乳飲料について、試験1と同様にして各試験を行った。各結果を表4に示す。
なお、試験例2において抑泡率を求めるに際し、消泡剤無添加の場合の泡の体積とは、比較例4の泡の体積のことである。
表4から明らかなように、本発明の飲料の製造方法にて製造した実施例2の酸乳飲料は、抑泡率が高く、また、窒素ガスを吹き込んだ場合でも到達時間が5分以上かかり、消泡剤の効果を十分に発揮した。
一方、比較例3の酸乳飲料は、抑泡率が0%であり、比較例4(消泡剤無添加)の酸乳飲料と同体積の泡が発生した。また、窒素ガスを吹き込んだ場合、実施例2に比べて泡の到達時間が短く、消泡剤の効果を発揮できなかった。
また、比較例4の酸乳飲料は、消泡剤を含んでいないため、窒素ガスを吹き込んだ場合、泡の到達時間が最も短かった。
一方、比較例3の酸乳飲料は、抑泡率が0%であり、比較例4(消泡剤無添加)の酸乳飲料と同体積の泡が発生した。また、窒素ガスを吹き込んだ場合、実施例2に比べて泡の到達時間が短く、消泡剤の効果を発揮できなかった。
また、比較例4の酸乳飲料は、消泡剤を含んでいないため、窒素ガスを吹き込んだ場合、泡の到達時間が最も短かった。
[例3:ペプチド入り果汁飲料の製造]
<実施例3>
図1に示す製造方法1に従い、表5の処方に基づいてペプチド入り果汁飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて100kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤0.03kgを水で10倍に希釈した消泡剤溶液0.3kgを添加し、殺菌した。殺菌は、湯浴にて90℃に到達するまで加熱する殺菌条件で行った。殺菌後、液温を10℃まで冷却し、ペプチド入り果汁飲料を製造した。
なお、表5に示す消泡剤としては、カプロン酸(炭素数6)0.3質量%と、カプリル酸(炭素数8)81.6質量%と、カプリン酸(炭素数10)17.4質量%との混合脂肪酸トリグリセライド(花王(株)製、「ココナートMT」)20gを、95%のエタノール980gに加え、均一に溶解し1000gとした消泡剤を用いた。
<実施例3>
図1に示す製造方法1に従い、表5の処方に基づいてペプチド入り果汁飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて100kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤0.03kgを水で10倍に希釈した消泡剤溶液0.3kgを添加し、殺菌した。殺菌は、湯浴にて90℃に到達するまで加熱する殺菌条件で行った。殺菌後、液温を10℃まで冷却し、ペプチド入り果汁飲料を製造した。
なお、表5に示す消泡剤としては、カプロン酸(炭素数6)0.3質量%と、カプリル酸(炭素数8)81.6質量%と、カプリン酸(炭素数10)17.4質量%との混合脂肪酸トリグリセライド(花王(株)製、「ココナートMT」)20gを、95%のエタノール980gに加え、均一に溶解し1000gとした消泡剤を用いた。
<比較例5>
図1に示す製造方法2に従い、表5の処方に基づいてペプチド入り果汁飲料を製造した。
本例は、消泡剤溶液を含む全ての原料を混合した後、50℃に加熱し、ホモゲナイザーにて100kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例3と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、ペプチド入り果汁飲料を製造した。
図1に示す製造方法2に従い、表5の処方に基づいてペプチド入り果汁飲料を製造した。
本例は、消泡剤溶液を含む全ての原料を混合した後、50℃に加熱し、ホモゲナイザーにて100kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例3と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、ペプチド入り果汁飲料を製造した。
<比較例6>
図1に示す製造方法3に従い、表5の処方に基づいてペプチド入り果汁飲料を製造した。
本例は消泡剤無添加の例であり、原料を混合し50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて100kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例3と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、ペプチド入り果汁飲料を製造した。
図1に示す製造方法3に従い、表5の処方に基づいてペプチド入り果汁飲料を製造した。
本例は消泡剤無添加の例であり、原料を混合し50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて100kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例3と同様の条件にて殺菌、冷却を行い、ペプチド入り果汁飲料を製造した。
<試験例3>
上記実施例3及び比較例5、6の各例で得られたペプチド入り果汁飲料について、試験1と同様にして抑泡性の確認試験を行った。結果を表6に示す。
なお、試験例3において抑泡率を求めるに際し、消泡剤無添加の場合の泡の体積とは、比較例6の泡の体積のことである。
上記実施例3及び比較例5、6の各例で得られたペプチド入り果汁飲料について、試験1と同様にして抑泡性の確認試験を行った。結果を表6に示す。
なお、試験例3において抑泡率を求めるに際し、消泡剤無添加の場合の泡の体積とは、比較例6の泡の体積のことである。
表6から明らかなように、本発明の飲料の製造方法にて製造した実施例3のペプチド入り果汁飲料は、抑泡率が高く、消泡剤の効果を十分に発揮した。
一方、比較例5のペプチド入り果汁飲料は、抑泡率が低く、消泡剤の効果を発揮できなかった。
一方、比較例5のペプチド入り果汁飲料は、抑泡率が低く、消泡剤の効果を発揮できなかった。
[例4:酸乳飲料の製造(消泡剤の希釈倍率の変化による消泡性の確認)]
<実施例4>
図1に示す製造方法1に従い、表7の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤(希釈なし)を添加し、殺菌した。殺菌は、プレート式殺菌機を用いて110℃で2秒保持する殺菌条件で行った。殺菌後、液温を10℃まで冷却し、酸乳飲料を製造した。
なお、表7に示す消泡剤としては、混合脂肪酸トリグリセライド(日本油脂(株)製、「パナセート」)5gを、95%のエタノール900g及びプロピレングリコール95gに加え、均一に溶解し1000gとした消泡剤を用いた。
<実施例4>
図1に示す製造方法1に従い、表7の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤(希釈なし)を添加し、殺菌した。殺菌は、プレート式殺菌機を用いて110℃で2秒保持する殺菌条件で行った。殺菌後、液温を10℃まで冷却し、酸乳飲料を製造した。
なお、表7に示す消泡剤としては、混合脂肪酸トリグリセライド(日本油脂(株)製、「パナセート」)5gを、95%のエタノール900g及びプロピレングリコール95gに加え、均一に溶解し1000gとした消泡剤を用いた。
<実施例5>
表7の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
酸乳飲料の製造は、消泡剤0.2kgを水で10倍に希釈した消泡剤溶液2kgを用いた以外は、実施例4と同様にして行った。
表7の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
酸乳飲料の製造は、消泡剤0.2kgを水で10倍に希釈した消泡剤溶液2kgを用いた以外は、実施例4と同様にして行った。
<実施例6>
表7の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
酸乳飲料の製造は、消泡剤0.2kgを水で100倍に希釈した消泡剤溶液20kgを用いた以外は、実施例4と同様にして行った。
表7の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
酸乳飲料の製造は、消泡剤0.2kgを水で100倍に希釈した消泡剤溶液20kgを用いた以外は、実施例4と同様にして行った。
<試験例4>
上記実施例4〜6の各例で得られた酸乳飲料について、試験1と同様にして窒素吹き込みによる抑泡性の確認試験を行った。
その結果、各実施例の酸乳飲料は、泡の到達時間がいずれも5分以上であり、高い消泡性を示すことができた。ただし、消泡剤を希釈せずに用いた実施例4の酸乳飲料は、表面に油浮きが見られた。一方、消泡剤を10倍に希釈した実施例5及び100倍に希釈した実施例6の酸乳飲料では、油浮きは見られず、製品としてもよりよいものであった。
上記実施例4〜6の各例で得られた酸乳飲料について、試験1と同様にして窒素吹き込みによる抑泡性の確認試験を行った。
その結果、各実施例の酸乳飲料は、泡の到達時間がいずれも5分以上であり、高い消泡性を示すことができた。ただし、消泡剤を希釈せずに用いた実施例4の酸乳飲料は、表面に油浮きが見られた。一方、消泡剤を10倍に希釈した実施例5及び100倍に希釈した実施例6の酸乳飲料では、油浮きは見られず、製品としてもよりよいものであった。
[例5:酸乳飲料の製造(窒素吹き込みの可否確認)]
<実施例7>
図2に示す製造方法4に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤0.05kgを水で100倍に希釈した消泡剤溶液5kgを添加し、湯浴にて90℃に到達するまで加熱し、500mLのペットボトルに詰めた。
さらに、窒素ガスを無菌的に0.5L/分で30秒充填した後、ボトルを密栓し、冷却し、酸乳飲料を製造した。
なお、例5で用いる消泡剤としては、混合脂肪酸トリグリセライド(日本油脂(株)製、「パナセート」)5gと、ショ糖脂肪酸エステル(菱糖(株)製、「S−1570」)0.05gとを、95%のエタノール90g及びプロピレングリコール5gに加え、均一に溶解したものを用いた。
<実施例7>
図2に示す製造方法4に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
まず、消泡剤以外の原料を混合し、50℃に加熱した後、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、消泡剤0.05kgを水で100倍に希釈した消泡剤溶液5kgを添加し、湯浴にて90℃に到達するまで加熱し、500mLのペットボトルに詰めた。
さらに、窒素ガスを無菌的に0.5L/分で30秒充填した後、ボトルを密栓し、冷却し、酸乳飲料を製造した。
なお、例5で用いる消泡剤としては、混合脂肪酸トリグリセライド(日本油脂(株)製、「パナセート」)5gと、ショ糖脂肪酸エステル(菱糖(株)製、「S−1570」)0.05gとを、95%のエタノール90g及びプロピレングリコール5gに加え、均一に溶解したものを用いた。
<比較例7>
図2に示す製造方法5に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
本例は、消泡剤溶液を含む全ての原料を混合した後、50℃に加熱し、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例7と同様の条件にてペットボトルに詰め、窒素ガスを充填し、密栓、冷却を行い、酸乳飲料を製造した。
図2に示す製造方法5に従い、表3の処方に基づいて酸乳飲料を製造した。
本例は、消泡剤溶液を含む全ての原料を混合した後、50℃に加熱し、ホモゲナイザーにて200kg/cm2の圧力で均質化を行った。
次いで、実施例7と同様の条件にてペットボトルに詰め、窒素ガスを充填し、密栓、冷却を行い、酸乳飲料を製造した。
<製造結果>
実施例7の酸乳飲料は、窒素ガスを充填しても泡立ちが抑制され、良好な製品が得られた。
一方、比較例7の酸乳飲料は、窒素ガスを充填する際に、泡がボトルの口から溢れ出し、泡立ちを抑制することはできなかった。
実施例7の酸乳飲料は、窒素ガスを充填しても泡立ちが抑制され、良好な製品が得られた。
一方、比較例7の酸乳飲料は、窒素ガスを充填する際に、泡がボトルの口から溢れ出し、泡立ちを抑制することはできなかった。
[例6:各種消泡剤の粘度測定]
表8に示す各消泡剤の粘度を、振動粘度計(太平洋セメント(株)製、「CJV5000」)にて測定した。なお、消泡剤を25℃に恒温化し、測定開始30秒後の値を読み取り、粘度とした。結果を表8に示す。
また、表8中、検体Aとは、混合脂肪酸トリグリセライド(ODO)2質量%と、95%のエタノール98質量%とからなる消泡剤である。
さらに、検体Bとは、混合脂肪酸トリグリセライド(パナセート)0.5質量%と、95%のエタノール90質量%と、プロピレングリコール9.5質量%とからなる消泡剤である。
なお、検体A及び検体Bは本発明の飲料の製造方法に用いられる消泡剤に相当する。
表8に示す各消泡剤の粘度を、振動粘度計(太平洋セメント(株)製、「CJV5000」)にて測定した。なお、消泡剤を25℃に恒温化し、測定開始30秒後の値を読み取り、粘度とした。結果を表8に示す。
また、表8中、検体Aとは、混合脂肪酸トリグリセライド(ODO)2質量%と、95%のエタノール98質量%とからなる消泡剤である。
さらに、検体Bとは、混合脂肪酸トリグリセライド(パナセート)0.5質量%と、95%のエタノール90質量%と、プロピレングリコール9.5質量%とからなる消泡剤である。
なお、検体A及び検体Bは本発明の飲料の製造方法に用いられる消泡剤に相当する。
表8より明らかなように、本発明に使用される消泡剤は、既存の消泡剤に比べて非常に粘度が低かった。そのため、計量などの取り扱いが容易であり、また、配管内に消泡剤が残存する可能性も低く、技術的問題も回避できる。
以上の例1〜6の結果から明らかなように、本発明に係る実施例においては、消泡剤として油脂・アルコール系消泡剤を用いて均質化工程を伴う飲料を製造する場合、従来技術ではなし得なかった消泡効果を十分に発揮し、不活性ガス充填時の泡立ちの抑制に優れる飲料の製造方法を提供することができる。
Claims (3)
- 飲料の主原料を混合し、均質機により均質化を行う均質化工程と、均質化後の主原料に消泡剤を添加する消泡剤添加工程とを有し、前記消泡剤が下記(A)と(B)を含むことを特徴とする飲料の製造方法。
(A):炭素数が6〜12の飽和脂肪酸トリグリセライド。
(B):エタノール及びプロピレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種。 - 前記飲料の主原料が、蛋白質、ペプチド、繊維質、多糖類、微細粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の飲料の製造方法。
- 前記消泡剤添加工程より後に、さらに不活性ガスを混合する不活性ガス混合工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料の製造方法。
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- 2006-10-19 JP JP2006285003A patent/JP2008099609A/ja active Pending
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