JP2008097875A - コネクタアセンブリ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、構造を複雑化することなく、EMI特性を低下させずに、信号伝送の信頼性を高めることができるコネクタアセンブリを提供する。
【解決手段】プラグコネクタ8のグランドフレーム12とレセプタクルコネクタ14のシュラウド16は所定の間隔を開けて互いに平行に配置され、グランドフレーム12には、このグランドフレーム12の長手方向の中間にシュラウド16と電気的に接触する雄型突出片26が設けられ、シュラウド16には、雄型突出片26に接触する雌型突出片39と、雌型突出片39の近傍で回路基板と電気的に接触する脚部43とが設けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、シールド電線に接続された電線側コネクタと、回路基板に直付けされた基板側コネクタとがコネクタ嵌合してなるコネクタアセンブリに関する。
一般に、電線側コネクタと基板側コネクタとが嵌合してなるコネクタアセンブリとして、特許文献1に開示されているものが知られている。この種のコネクタアセンブリは、高密度化・小型化が可能であり、例えば、折り畳み式で液晶表示部と本体部とが分離されたノート型パソコンや携帯電話などに適用されて、液晶表示部と本体部とを電気的に相互接続するために用いられている。コネクタサイズの一例としては、高さ1mm、幅20mm、奥行き6mm程度のものがある。携帯電話などに適用されるものには、コネクタサイズがさらに小さいものもある。シールド電線には、電線径が0.2mm程度のものが使用されることもある。
特許文献1で開示されているコネクタアセンブリは、複数のシールド電線が接続されている電線側コネクタとしてのプラグコネクタと、回路基板に表面実装される基板側コネクタとしてのレセプタクルコネクタとから構成されている。プラグコネクタは、ハウジングに収容される多数の雄接触子と、ハウジングの上部に設けられた金属製の上カバーとを備えている。複数のシールド電線のシールド部は、シールド電線を伝わるノイズ電流を基板側へ流すための共通のグランド接続用の部材を介して上カバーに接続されている。
レセプタクルコネクタは、ハウジングに収容される複数の雌接触子と、ハウジングに装着されて回路基板に固定される下カバーとを備える。プラグコネクタを、回路基板に固定されたレセプタクルコネクタに嵌合させると、プラグコネクタの上カバーがレセプタクルコネクタの下カバーに接触し、それにより、シールド電線のシールド部が回路基板にグランド接続されるようになっている。
特開2005−302417号公報
しかしながら、上記従来例のプラグコネクタとレセプタクルコネクタは、長手方向両側の2箇所のグランド用接続部でしか電気的に接触していないため、コネクタの端子数が増えてコネクタのサイズが長手方向に大きくなった場合には、コネクタの長手方向内側からグランド用接続部まで流れるノイズ電流の経路が長くなり、すなわち、グランドループが長くなり、EMI(Electric Magnetic Interference)特性が低下するという心配があった。また、信号の伝送速度が高速化するに従い、信号はノイズの影響を受け易くなり、これによってもEMI特性が低下するという心配があった。伝送される情報量の増加に伴って、伝送速度は今後も増加する傾向にあることから、コネクタが外部から拾う高周波ノイズによる影響は殊に懸念されている。
上記問題点に鑑み、本発明は、コネクタ構造を複雑化することなく、EMI特性を低下させずに、信号伝送の信頼性を高めることができるコネクタアセンブリを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、請求項1に記載のコネクタアセンブリは、多数本のシールド電線が接続している多極の電線側コネクタと、回路基板に直付けされた基板側コネクタとがコネクタ嵌合してなるコネクタアセンブリにおいて、前記電線側コネクタは、一端から挿入された前記シールド電線の先端側を挿入された状態に保持すると共に該シールド電線にそれぞれ接続する多数の雄接触子を収容する雄ハウジングと、前記多数本のシールド電線のシールド部に接続し、前記基板側コネクタを介して前記電線側コネクタから前記回路基板へノイズ電流を流すためのグランド部材とを備え、前記基板側コネクタは、個々の前記雄接触子にそれぞれに接続する多数の雌接触子を収容する雌ハウジングと、前記グランド部材の長手方向の両側部分と前記回路基板の導体部の双方に電気的に接触して前記回路基板へ前記ノイズ電流を流すシュラウドとを備え、前記グランド部材と前記シュラウドは所定の間隔を開けて配置され、前記グランド部材には、該グランド部材の長手方向の中間に前記シュラウドと電気的に接触する一方の中間接触部が設けられ、前記シュラウドには、前記一方の中間接触部に接触する他方の中間接触部と、該他方の中間接触部の近傍で前記回路基板と電気的に接触する脚部とが設けられたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のコネクタアセンブリにおいて、前記多数本のシールド電線は、該多数本のシールド電線が一列に整列された状態で、全ての前記シールド部が導電性のクランプ部材により径方向両側から狭持されることにより一体化されて、前記グランド部材に設けられた一方の中間接触部に対応する部分で空所を有する多芯のフラット回路体として構成され、前記グランド部材が、前記クランプ部材のコネクタ嵌合面側に設けられ、該クランプ部材と電気的に相互接続することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のコネクタアセンブリにおいて、前記一方の中間接触部は、前記グランド部材に支持され、基端から先端にかけて該グランド部材の長手方向に交差する方向で前記シュラウドに向かって突出する一方の突出片であり、前記他方の中間接触部は、前記シュラウドに支持され、基端から先端にかけて該シュラウドの長手方向に交差する方向で前記グランド部材に向かって突出する他方の突出片である。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のコネクタアセンブリにおいて、前記一方の中間接触部が複数設けられたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載のコネクタアセンブリにおいて、前記グランド部材が前記ハウジングにインサート成形されたことを特徴とする。
本願の請求項1記載の発明によれば、電線側コネクタのグランド部材の長手方向の中間にシュラウドと電気的に接触する一方の中間接触部が設けられ、シュラウドには、一方の中間接触部に接触する他方の中間接触部が設けられているから、電線側コネクタから基板側コネクタへ流れるノイズ電流のグランドループを小さく形成することができる。基板側コネクタへ流れたノイズ電流は、他方の中間接触部の近傍でシュラウドに設けられた脚部を通じて回路基板へと流れるから、シールド電線を介してコネクタに流入したノイズ電流がコネクタ内を流れる時間が相対的に減少し、ノイズ電流を回路基板へ速やかに流すことができる。したがって、コネクタ構造を複雑化することなく、また、EMI特性を低下させずに、信号伝送の信頼性を高めることができる。
請求項2記載の発明によれば、多数本のシールド電線は、クランプ部材により一体的にサブアセンブリされて、多芯のフラット回路体として構成されるから、電線側コネクタに多数本の電線を同時に組付けることができ、コネクタの組立作業性が向上する。このフラット回路体には、グランド部材に設けられた一方の中間接触部に対応する部分で空所が存しているから、一方の中間接触部とフラット回路体との相互干渉を避けることができる。グランド部材は、クランプ部材のコネクタ嵌合面側に設けられているから、電線側コネクタのコネクタ嵌合面側に存する空きスペースにクランプ部材を配設することができ、電線側コネクタの高さ寸法が大きくなることを防止することができる。グランド部材は、クランプ部材と電気的に相互接続するから、クランプ部材を介して全てのシールド電線のシールド部とグランド部材とが同時に相互接続し、グランド接続の信頼性が向上する。
請求項3記載の発明によれば、双方の突出片は、グランド部材及びシュラウドをプレスによる打ち抜き及び折曲加工することにより容易に形成することができる。しかも、双方の突出片を雄接触子及び雌接触子と同程度に小さく形成することもでき、コネクタサイズが大きくなることを回避することができる。
請求項4記載の発明によれば、一方の中間接触部がグランド部材の長手方向の両側部分の間で複数設けられているから、グランド部材の長手方向の両側部分を通るグランドループの内側で小さいグランドループを複数作ることができる。これにより、ノイズ電流が流れ易くなり、EMI特性がより一層高まる。
請求項5記載の発明によれば、グランド部材が雄ハウジングにインサート成形されているから、特に長手方向で変形し易い雄ハウジングの剛性を高めることができる。このため、グランド部材とシュラウド間でのグランド接続の接続信頼性を高めることができる。
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。図1は本発明に係るコネクタアセンブリの一実施形態を示すコネクタ嵌合前の斜視図である。
本実施形態のコネクタアセンブリ1は、電線セット(フラット回路体)2として一体化された多数本のシールド電線3が接続している多極のプラグコネクタ(電線側コネクタ)8と、回路基板50(図6参照)に直付けされたレセプタクルコネクタ(基板側コネクタ)14とから構成されている。両コネクタ8,14は、図3に示すように、上下方向からコネクタ嵌合して相互に合体されるようになっている。
電線セット2(図4参照)は、多数本のシールド電線3が横一列に整列された状態で並べられ、連結部材としての上下一対のグランドバー(クランプ部材)4でシールド電線3のシールド部5cが狭持され、一体的にサブアセンブリされたものである。グランドバー4は、例えば銅などの導電性材料から作られたものであり、このグランドバー4を介して全てのシールド電線3のシールド部5cと後述するグランドフレーム(グランド部材)12とが電気的に相互接続する。
シールド電線3には、電線径が0.2mm程度の同軸ケーブルが用いられている。シールド電線3は、中心に導電性の芯線5aが配置され、芯線5aの外側に絶縁性の内部被覆5bが形成され、内部被覆5bの外側にシールド部5cとしてのシールド層が形成され、シールド部5cの外側に絶縁性の外部被覆5dが形成されている。このようにシールド電線3は多層構造をなしており、芯線5aとシールド部5cは内部被覆5bにより相互に絶縁され、芯線5aを流れる信号電流がシールド部5cによってノイズから保護されるようになっている。なお、本発明は、シールド電線3を本実施形態の態様に限定するものではなく、電線径やシールド層の形態を種々変更して実施することができる。
シールド電線3は、予め先端側の外部被覆5d及び内部被覆5bが所定の長さに皮剥ぎされ、芯線5a及びシールド部5cが露出した状態にされている。シールド部5cを流れるノイズ電流は、グランドバー4及びグランドフレーム12を介して後述するレセプタクルコネクタ14のシュラウド16に伝わり、回路基板50の導体部に流れるようになっている。
本発明に係るプラグコネクタ8では、電線セット2の中間部分が間引きされて空所6(図4参照)が形成されている。間引きは、外部被覆5dが除去された境界部分より先端側が切除されることにより行われている。本実施形態では、一例としてシールド電線3が2本分間引きされているが、間引きする本数は任意である。また、電線セット2がシールド部5cを有しない信号線などの電線を含む場合には、シールド部5cを有しない電線を間引きして、空所6を形成することもできる。間引きされた空所6には、後述するグランドフレーム(グランド部材)12に突出して形成され、シュラウド16に電気的に接続するグランド用の雄型突出片(一方の中間接触部)26が位置するようになっている。これにより、電線セット2と雄型突出片26との干渉が防止され、コストをかけずに、しかもコネクタサイズを大きくすることなく、本発明の効果が得られるようになっている。
なお、例えば、信号線1本に対して一つのグランドを設ける場合には、信号線の本数に対応する数のグランドを設ける必要があり、この場合、電線セット2の中間部分に形成される空所6を容易に複数設けることができる。すなわち、コネクタのバリエーションにより必要とされるグランドの数に応じて、電線セット2の複数個所にグランド用の空所6を容易に作ることができる。このため、コネクタの設計変更に柔軟に対応することができ、各種製品への応用範囲が拡大する。
図1、図2及び図4に示すように、コネクタアセンブリ1の一方のコネクタであるプラグコネクタ8は、上述した多数本のシールド電線3が一体化された電線セット2と、この電線セット2の外部被覆5dが除去された先端側を挿入された状態に保持すると共に個々のシールド電線3の芯線5aにそれぞれ接続する多数の雄接触子11を長手方向に一列に並べた状態で収容する雄ハウジング9と、雄ハウジング9の上面側に覆設されるシールド部材としてのシールドカバー10と、雄ハウジング9の下面側の凹所20に設けられ、シールド電線3のシールド部5cに電気的に接続するグランドフレーム12とから構成されている。グランドフレーム12には、長手方向の中間でレセプタクルコネクタ14のシュラウド16に電気的に接続する雄型突出片26が形成されている。
図1及び図5に示すように、コネクタアセンブリ1の他方のコネクタであるレセプタクルコネクタ14は、個々の雄接触子11にそれぞれに接続する多数の雌接触子35と、雌接触子35を収容する雌ハウジング15と、グランドフレーム12の長手方向の両側部分と回路基板50の導体部の双方に電気的に接触して電線側から基板側へノイズ電流を流すシュラウド16とから構成されている。シュラウド16には、長手方向の中間でプラグコネクタ8のグランドフレーム12に電気的に接続する雌型突出片(他方の中間接触部)39が形成されている。また、シュラウド16には、雌型突出片39の反対側にノイズ電流をシュラウド16から回路基板50に流す脚部43が形成されている。
図4及び図5に示すように、プラグコネクタ8のグランドフレーム12とレセプタクルコネクタ14のシュラウド16は所定の間隔を開けて互いに平行に配置されているが、グランドフレーム12とシュラウド16は、相手方向に向かってそれぞれに突出し、相互に接続する雄型突出片26と雌型突出片39(他方の中間接触部)とが形成されているから、シールド電線3を流れるノイズ電流は、グランドフレーム12とシュラウド16が相互接続する長手方向両側の接触部分に加えて、雄型突出片26と雌型突出片39の接触部分を通過して、シュラウド16に形成された脚部43から回路基板50へ流れるようになっている。すなわち、プラグコネクタ8からレセプタククルコネクタ14に流れるノイズ電流の経路であるグランドループが、雄型突出片26、雌型突出片39、脚部43によって二分されることとなり、ノイズ電流を速やかに回路基板50側へ流すことが可能になる。特に、電線セット2の内側に位置するシールド電線3のノイズ電流の流れが改善され、EMI特性が向上する。
次に、コネクタアセンブリ1の構造をさらに詳細に説明する。図2及び図4に示すように、プラグコネクタ8の雄ハウジング9は絶縁性の樹脂材料で射出形成され、グランドフレーム12は導電性金属をプレスにて打ち抜き、折り曲げることに形成されたものである。図4では、雄ハウジング9とグランドフレーム12の分離した状態が示されているが、両者は雄ハウジング9を樹脂成形する際に一体化されるようになっている。このため、雄ハウジング9は金属製のグランドフレーム12により補強され、特に、長手方向の剛性が向上し、成形後の収縮によりそりなどの変形が抑制されるようになっている。これにより、プラグコネクタ8とレセプタクルコネクタ14間の電気的接続の信頼性が高められるようになっている。
樹脂成形された雄ハウジング9は、金属製のシールドカバー10が覆設される上面18側で電線セット2の個々のシールド電線3を保持する電線溝21が形成されている。隣接するシールド電線3は溝壁により互いに接触できないようになっている。雄ハウジング9の下面19側には、グランドフレーム12が位置する凹所20を有している。下面19側は、レセプタクルコネクタ14に対するコネクタ嵌合部に相当し、両コネクタ8,14が上下方向からコネクタ嵌合することで、雄接触子11と雌接触子35とが電気的に相互接続するようになっている。
グランドフレーム12が取り付けられた雄ハウジング9に電線セット2が挿入されると、グランドフレーム12とグランドバー4が軽く電気的に接触する。さらに、グランドフレーム12は、4箇所に設けられた半田付け用の孔27を利用してグランドバー4に半田付けされる。半田は、凹所20内で行われるため、半田の肉盛り部分は雄ハウジング9の外側に膨出することが防止され、コネクタ8がサイズアップしないようになっている。
雄ハウジング9の前面側には、リング状の雄接触子11が所定のピッチ間隔で一列に並んだ状態にインサート成形される。隣接する雄接触子11のピッチ間隔は0.3mm程度である。雄接触子11の外面は、雌接触子35に対する電気接触部29となっている(図6参照)。一列に並んでいる雄接触子11の中間で間隔の広い部分には、グランドフレーム12の雄型突出片26が位置するようになっている。
また、雄ハウジング9の両側では、グランドフレーム12の側部25が露出し、シュラウド16の側部41と電気的に接触するようになっている。雄ハウジング9の両側部分は、レセプタクルコネクタ14に対する係合部として機能している。
グランドフレーム12は、導電性金属から一体的に形成されたものであり、長尺の基部24と、基部24の両側で側部25とを備えている。基部24には、4箇所の位置で半田用の孔27が貫通形成されている。また、基部24の長手方向の中間位置には、雄型突出片26が突出形成されている。雄型突出片26は、基部24に接続する基端から先端にかけてクランク状に形成されている。先端側のコ字状部分が雄ハウジング9の前面側で露出し、シュラウド16の雌型突出片39に電気的に接触するようになっている(図7参照)。
側部25には、対応するシュラウド16の側部41に電気的に接触する接触部28が3箇所に設けられている。グランドフレーム12とシュラウド16が両側部分で接触し、さらに、シュラウド16に設けられた脚部44を通じて回路基板50へノイズ電流が流れることにより、ノイズ電流が流れる最も大きなグランドループが形成される。
一方、図5に示すように、レセプタクルコネクタ14の雌ハウジング15は、絶縁性の樹脂材料から射出成形されたものである。雌ハウジング15の上面32側は、プラグコネクタ8に対するコネクタ嵌合部として形成されており、プラグコネクタ8の雄接触子11と対応する位置に多数の雌接触子35が組み込まれている。個々の雌接触子35は、端子収容溝33内に収容され、隣接する雌接触子35同士が接触しないようになっている。
雌接触子35は、導電性の金属材料から一体形成されたものであり、2種類の接触子35a,35bが用いられている。各接触子35a,35bは、一方に回路基板50の導体部に接触する接触部36が形成され、他方に雄接触子11に弾性的に接触する接触部37が形成され、両接触部36,37の間に雌ハウジング15の壁部に圧入固定される固定部38が形成されている。2種類の雌接触子35a,35bは、回路基板50の配線導体51に接触する接触部36の長さが異なっており、その他の構成部分は同一である。
シュラウド16は、導電性金属をプレスにて打ち抜き、折り曲げることに形成されたものである。図5では、シュラウド16が雌ハウジング15と分離した状態で示されているが、両者は雌ハウジング15を樹脂成形する際に一体化されるようになっている。雌ハウジング15が金属製のシュラウド16により補強される点は、雄ハウジング9がグランドフレームに12より補強される点と同じである。
シュラウド16は、長尺の基部40と、基部40の両側で側部41とを備えている。基部40の長手方向の中間位置には、雌型突出片39が突出形成されている。雌型突出片39は、基部40に接続する基端から先端にかけてコ字状に形成され、先端部分が雄型接触子26に対する弾性接触部42となっている。雌型突出片39の反対側の面には、雌型突出片39の近傍で回路基板50の導体部に接触するグランド用の脚部43が形成されている。この脚部43を通じて、ノイズ電流が基板側に流れるようになっている。
シュラウド16の側部41には、対応するグランドフレーム12の側部25に電気的に接触する接触部41が3箇所に設けられている。また、各側部には、回路基板50の導体部に接触するグランド用の脚部44が2箇所に形成されている。この脚部44を通じて、ノイズ電流が基板側に流れるようになっている。シュラウド16と回路基板50は、長手方向の中間に位置する一つの脚部43と、長手方向の両側に位置する各二つの脚部44により接触しているから、ノイズ電流が流れるグランドループが小さく形成され、EMI特性が向上するようになっている。
図6及び図7には、両コネクタの嵌合した状態の断面図が示されている。図6において、一端から雄ハウジング9に挿入されたシールド電線3の芯線部5aは雄接触子11に半田付けされている。シールド電線3の芯線部5aは、上下一対のグランドバー4,4のうちコネクタ嵌合面側(下側)のグランドバー4を介して雄ハウジング9の空所20に設けられたグランドフレーム12に接触している。雌ハウジング15の雌接触子35は、固定部38がハウジング15の壁部に圧入されることにより固定され、一方の接触部36が回路基板50の導体部51に接触している。雌接触子35の他方の接触部37は、雄接触子11に対して弾性的に接触した状態に保たれている。接触部37の端部は、内向きに湾曲して形成されているから、この湾曲部分の弾性復元力により挿入された雄接触子11の接触部29と接触部37の先端とが接触するようになっている。
図7には、コネクタ嵌合状態における雄型突出片26と雌型突出片39の接触した状態が最も良く示されている。雄型突出片26は、下側のグランドバー4に接触しているグランドフレーム12からシュラウド16の方に延出し、先端がコの字状に湾曲して形成されている。一方、雌型突出片39は、シュラウド16の一方の側から略直角に折曲形成され、グランドフレーム12の方に向かって延出し、先端が内向きに湾曲形成されている。湾曲部分は、弾性変形可能な弾性接触部42として機能している。雄型突出片26と雌型突出片39とは、雄接触子11と雌接触子35の接触方法と同様の方法によって接触する。すなわち、弾性接触部42の弾性復元力によって、挿入された雄型突出片26のコ字状部分が弾性接触部42の先端と接触するようになっている。また、雌型突出片39と反対側に位置するシュラウド16の他方の側からは、ノイズ電流をシュラウド16から回路基板50に流す脚部43が延出して形成されている。
以上のように、本実施形態によれば、グランドフレーム12の長手方向の中間にシュラウド16と電気的に接触する雄型突出片26が設けられ、シュラウド16には、一方の側で雄型突出片26に接触する雌型突出片39が設けられ、他方の側でノイズ電流を回路基板50に流す脚部43が設けられているから、電線側から基板側へ流れるノイズ電流がコネクタアセンブリ1の長手方向の中間で二分された小さいグランドループを流れることができる。これにより、コネクタアセンブリ1の多極化により長手方向のサイズが大きくなったり、信号の伝送速度が高速化したりした場合であっても、電線側から基板側でノイズ電流を速やかに流すことができ、信号伝送の信頼性を向上することができる。
なお、本発明は上記実施形態に制限するものではなく、他の形態で実施することもできる。本実施形態では、プラグコネクタ8のグランドフレーム12に雄型突出片26が形成されているが、グランドフレーム12を有しないプラグコネクタ8において、シールドカバー10に同様の雄型突出片26を形成することも可能である。この場合も、グランドフレーム12に雄型突出片26を形成した場合と同様の効果を得ることができる。
本発明に係るコネクタアセンブリの一実施形態を示すコネクタ嵌合前の斜視図である。 図1に示すコネクタアセンブリのプラグコネクタを裏面側から見た斜視図である。 同じくコネクタアセンブリのコネクタ嵌合後の斜視図である。 プラグコネクタの分解斜視図である。 レセプタクルコネクタの分解斜視図である。 図3に示すコネクタアセンブリのA−A線に沿って切断した断面図である。 同じくコネクタアセンブリのB−B線に沿って切断した断面図である。
符号の説明
1 コネクタアセンブリ
2 電線セット
4 グランドバー(クランプ部材)
8 プラグコネクタ
9 雄ハウジング
12 グランドフレーム(グランド部材)
14 レセプタクルコネクタ
15 雌ハウジング
26 雄型突出片(中間接触部)
39 雌型突出片(中間接触部)
43 脚部

Claims (5)

  1. 多数本のシールド電線が接続している多極の電線側コネクタと、回路基板に直付けされた基板側コネクタとがコネクタ嵌合してなるコネクタアセンブリにおいて、
    前記電線側コネクタは、一端から挿入された前記シールド電線の先端側を挿入された状態に保持すると共に該シールド電線にそれぞれ接続する多数の雄接触子を収容する雄ハウジングと、前記多数本のシールド電線のシールド部に接続し、前記基板側コネクタを介して前記電線側コネクタから前記回路基板へノイズ電流を流すためのグランド部材とを備え、
    前記基板側コネクタは、個々の前記雄接触子にそれぞれに接続する多数の雌接触子を収容する雌ハウジングと、前記グランド部材の長手方向の両側部分と前記回路基板の導体部の双方に電気的に接触して前記回路基板へ前記ノイズ電流を流すシュラウドとを備え、
    前記グランド部材と前記シュラウドは所定の間隔を開けて配置され、前記グランド部材には、該グランド部材の長手方向の中間に前記シュラウドと電気的に接触する一方の中間接触部が設けられ、前記シュラウドには、前記一方の中間接触部に接触する他方の中間接触部と、該他方の中間接触部の近傍で前記回路基板と電気的に接触する脚部とが設けられたコネクタアセンブリ。
  2. 前記多数本のシールド電線は、該多数本のシールド電線が一列に整列された状態で、全ての前記シールド部が導電性のクランプ部材により径方向両側から狭持されることにより一体化されて、前記グランド部材に設けられた一方の中間接触部に対応する部分で空所を有する多芯のフラット回路体として構成され、
    前記グランド部材が、前記クランプ部材のコネクタ嵌合面側に設けられ、該クランプ部材と電気的に相互接続する請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
  3. 前記一方の中間接触部は、前記グランド部材に支持され、基端から先端にかけて該グランド部材の長手方向に交差する方向で前記シュラウドに向かって突出する一方の突出片であり、前記他方の中間接触部は、前記シュラウドに支持され、基端から先端にかけて該シュラウドの長手方向に交差する方向で前記グランド部材に向かって突出する他方の突出片である請求項1又は2に記載のコネクタアセンブリ。
  4. 前記一方の中間接触部が複数設けられた請求項1〜3の何れか1項に記載のコネクタアセンブリ。
  5. 前記グランド部材が前記雄ハウジングにインサート成形された請求項1〜4の何れか1項に記載のコネクタアセンブリ。
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