JP2007317554A - コネクタ及びコネクタシステム - Google Patents

コネクタ及びコネクタシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2007317554A
JP2007317554A JP2006147000A JP2006147000A JP2007317554A JP 2007317554 A JP2007317554 A JP 2007317554A JP 2006147000 A JP2006147000 A JP 2006147000A JP 2006147000 A JP2006147000 A JP 2006147000A JP 2007317554 A JP2007317554 A JP 2007317554A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
connector
main body
cable
grounding
ground
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006147000A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Matsuoka
宏行 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Priority to JP2006147000A priority Critical patent/JP2007317554A/ja
Priority to PCT/US2007/068058 priority patent/WO2007140075A1/en
Priority to TW096117065A priority patent/TW200814440A/zh
Publication of JP2007317554A publication Critical patent/JP2007317554A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R13/00Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
    • H01R13/648Protective earth or shield arrangements on coupling devices, e.g. anti-static shielding  
    • H01R13/658High frequency shielding arrangements, e.g. against EMI [Electro-Magnetic Interference] or EMP [Electro-Magnetic Pulse]
    • H01R13/6581Shield structure

Abstract

【課題】ケーブル用のコネクタにおいて、ケーブルのシールド層に接続される接地構造の、ケーブル接地機能の安定性及び信頼性を向上させる。
【解決手段】コネクタ10は、電気絶縁性の本体12と、本体12に支持され、ケーブルCの芯線Wに接続される端子14と、端子14から絶縁して本体12に設けられ、ケーブルCのシールド層に接続される接地構造16とを備える。接地構造16は、本体12に固定される接地部材30を備える。接地部材30は、端子14に芯線Wを接続したケーブルCのシールド層の、本体12に近接する側の表面に沿って配置されて、シールド層に接続される。また接地部材30は、ケーブルCのシールド層に接続されるケーブル接続部32と、ケーブル接続部32から延長され、接続相手コネクタの対応の接地要素に導通接触可能な接地接触部34とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ケーブルに接続されるコネクタに関する。本発明はまた、回路基板に実装されるコネクタに関する。本発明はさらに、ケーブル−基板接続用のコネクタシステムに関する。
ケーブルに接続されるコネクタにおいて、電気絶縁性の本体と、本体に支持され、ケーブルの芯線に接続される端子と、端子から絶縁して本体に設けられ、ケーブルのシールド層に接続される接地構造とを備えたものは知られている。この種のケーブル用コネクタは、例えば、芯線(信号線)を包囲する絶縁材の外側に、編組又は箔状の外部導体(シールド層)を全周に渡って備える同軸ケーブルに、好適に適用できる。同軸ケーブルは、外部ノイズの影響を受け難い特性から、通信機器、情報機器、医療機器、計測機器等の種々の電気電子機器で多用されている。この場合、同軸ケーブルの外部導体は、ケーブル用コネクタの接地構造を介して、機器の接地電位(例えば回路基板の接地部)に電気的に接続される。
また、近年、携帯電話等の小型電子機器においては、信号線の高密度接続の要求レベルが高まっており、その要求に答えるべく、極小径の芯線を有する高屈曲性の同軸ケーブルを複数本、フラット化して使用するとともに、そのようなフラット化した同軸ケーブル集合体を回路基板に接続するための極狭ピッチの端子配列を有するコネクタシステムが開発されている。この種のコネクタシステムでは、小型電子機器における部品の設置スペースや組立作業の制約から、回路基板上での実装面積及び実装高さを効果的に削減可能な小寸化が進められている。例えば特許文献1は、このような信号線の高密度接続に対応可能なケーブル−基板接続用の低背型コネクタシステムを開示する。
特許文献1に開示されるコネクタシステムは、複数の同軸ケーブルに接続されるプラグコネクタと、回路基板に表面実装されるレセプタクルコネクタとを備えて構成される。プラグコネクタは、ハウジング本体に支持される複数の雄コンタクトと、ハウジング本体の上部に固着される金属製のシェルとを備える。複数の同軸ケーブルの外部導体には共通のグランドバーが取り付けられ、このグランドバーが、シェルの内面に接触するようになっている。他方、レセプタクルコネクタは、ハウジング本体に支持される複数の雌コンタクトと、ハウジング本体に装着されて回路基板に固定される金属製のシェルとを備える。同軸ケーブルに接続したプラグコネクタを、回路基板に実装したレセプタクルコネクタに嵌合させると、プラグ側のシェルがレセプタクル側のシェルに接触し、それにより、個々の同軸ケーブルの外部導体が回路基板に接地される。
特開2005−302417号公報
前述した特許文献1に開示されるコネクタシステムでは、複数の同軸ケーブルの外部導体に取り付けたグランドバーが、プラグコネクタのハウジング本体の上部に固着されるシェルの内面に接触することで、個々の同軸ケーブルが両コネクタを介して回路基板に接地されるようになっている。この構成では、プラグコネクタのシェルは、複数の同軸ケーブルを上から覆うようにしてハウジング本体に固着されるから、シェルとハウジング本体との間に、同軸ケーブルを受容するための広い空間が必然的に設けられる。したがって、コネクタ嵌合作業時や嵌合後の基板実装状態で、プラグコネクタのハウジング本体に外力が加わったときに、シェルが撓みや反りを比較的容易に生じる傾向がある。それにより、プラグコネクタにおけるシェルと同軸ケーブルとの相対位置関係が不安定になり、結果として、同軸ケーブルの接地の安定性及び信頼性が損なわれることが懸念される。
また、特に小型電子機器におけるケーブル−基板接続用のコネクタシステムでは、前述したように、回路基板上での実装面積及び実装高さを削減することが要求されているが、そのような要求に答えるべくコネクタシステムの外形寸法を削減したときに、相互嵌合しているケーブル用コネクタと回路基板用コネクタとを、互いに分離することが容易ではなくなる場合がある。例えば、作業者が指や工具でケーブル用コネクタを摘んで回路基板用コネクタから分離しようとする際に、指や工具を挿入するスペースを確保できなかったり、無理な作業でコネクタを損傷したりすることが危惧される。その反面、この種のコネクタシステムでは、ケーブル用コネクタと回路基板用コネクタとが、両者の対応の端子同士を適正な接触状態に安定保持し得る相補的嵌合構造を有することが望まれている。そして、外形寸法を削減したコネクタシステムがそのような相補的嵌合構造を有する場合には、ケーブル用コネクタを回路基板用コネクタから安全に分離することが、一層困難になる傾向がある。
本発明の目的は、ケーブルに接続されるコネクタにおいて、ケーブルのシールド層に接続される接地構造を備えるとともに、接地構造におけるケーブル接地機能の安定性及び信頼性を向上させることができるコネクタを提供することにある。
本発明の他の目的は、回路基板に実装されるコネクタにおいて、外形寸法を削減した場合にも、接続相手コネクタとの端子同士の適正な接触状態を安定保持できるとともに、接続相手コネクタの分離作業を安全かつ容易に遂行できるコネクタを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ケーブル−基板接続用のコネクタシステムにおいて、ケーブル接地機能の安定性及び信頼性を向上させることができるコネクタシステムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ケーブル−基板接続用のコネクタシステムにおいて、外形寸法を削減した場合にも、相互嵌合したコネクタの端子同士の適正な接触状態を安定保持できるとともに、コネクタ同士の分離作業を安全かつ容易に遂行できるコネクタシステムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電気絶縁性の本体と、本体に支持され、ケーブルの芯線に接続される端子と、端子から絶縁して本体に設けられ、ケーブルのシールド層に接続される接地構造とを具備するコネクタにおいて、接地構造は、本体に固定される接地部材を備え、接地部材が、端子に芯線を接続したケーブルのシールド層の、本体に近接する側の表面に沿って配置されて、シールド層に接続されること、を特徴とするコネクタを提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコネクタにおいて、接地部材は、ケーブルのシールド層に接続されるケーブル接続部と、ケーブル接続部から延長され、接続相手コネクタの対応の接地要素に導通接触可能な接地接触部とを有する、コネクタを提供する。
請求項3に記載の発明は、芯線及び芯線を覆うシールド層を個々に有する複数の同軸ケーブルに接続される請求項1に記載のコネクタにおいて、複数の同軸ケーブルの個々のシールド層に共通の接地板が接続され、接地部材は、接地板に固定して接続される、コネクタを提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のコネクタにおいて、接地部材は、接地板と同様の長板形状を有して接地板に接続されるケーブル接続部と、ケーブル接続部の長手方向両端からそれぞれ延長され、接続相手コネクタの対応の接地要素に導通接触可能な一対の接地接触部とを有する、コネクタを提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、接地部材が本体に、インサート成形により一体的に固定される、コネクタを提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタにおいて、端子から絶縁して本体に取り付けられるシールド部材をさらに具備し、シールド部材が、端子に芯線を接続したケーブルのシールド層に対し接地部材とは反対側に配置されて、接地部材に接続される、コネクタを提供する。
請求項7に記載の発明は、接続相手コネクタを着脱可能に受容する受容凹部を有する電気絶縁性の本体と、本体に支持され、回路基板の導体に接続される端子とを具備するコネクタにおいて、本体は、端子を支持する端子支持部と、端子支持部と協働して受容凹部を画定する囲壁部とを有し、受容凹部に連通して開口する複数の空所が、囲壁部に分散的に設けられること、を特徴とするコネクタを提供する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のコネクタにおいて、本体の囲壁部が、互いに対向する一組の壁部分を有し、複数の空所が、一組の壁部分のそれぞれに設けられる、コネクタを提供する。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載のコネクタにおいて、端子から絶縁して本体に取り付けられるシールド部材をさらに具備し、シールド部材は、接続相手コネクタの接地部材に導通接触可能な接地要素を有する、コネクタを提供する。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタと、請求項7〜9のいずれか1項に記載のコネクタとの、互いに着脱可能な組合せを具備するコネクタシステムを提供する。
請求項1に記載の発明においては、ケーブルのシールド層が、それ自体よりも本体に近い位置で本体に固定されている接地部材に接続されることで、ケーブルのシールド層に接地部材の接地電位が付与される。この構成では、本体と接地部材との間にケーブルを受容するための空間を形成することなく、接地部材を本体に直接的かつ強固に固定できる。したがって、コネクタ嵌合作業時や嵌合後の基板実装状態で、本体に外力が加わったときにも、接地部材による本体補強機能が相乗的に作用して、本体及び接地部材に撓みや反りが生じることは確実に防止される。その結果、コネクタ内での接地部材とケーブルとの相対位置関係が安定化して、ケーブル接地機能の安定性及び信頼性が著しく向上する。しかも、ケーブルのシールド層の、本体に近接する側の表面に、接地部材を半田付けすることができるので、本体の外部に突出する半田を実質的に排除できる。このような構成は、コネクタの外面に沿って配置される金属シェルをケーブルのシールド層に半田付けする構成に比べて、コネクタの外形(特に高さ方向)寸法を削減する点で極めて有利であり、結果として、上述したケーブル接地機能の安定性及び信頼性を損なうことなく、コネクタを含むコネクタシステムの一層の低背化を実現することができる。
請求項2に記載の発明によれば、接地部材自体が、ケーブル接続部から延長される接地接触部を有するので、別部材としての導通要素を備えることなく、ケーブルのシールド層を接続相手コネクタの対応の接地要素に安定して接地することができる。このような構成は、コネクタの部品点数の削減及び組立工程の簡略化に寄与する。
請求項3に記載の発明によれば、極小径の芯線を有する高屈曲性の同軸ケーブルを複数本並べてなる同軸ケーブル集合体に対し、接地板を介して、全ての同軸ケーブルのシールド層に接地部材を電気良導的に安定して接続することができる。したがって、そのような多芯フラット化した同軸ケーブル集合体に対する接地機能の安定性及び信頼性を、一層向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、接地部材のケーブル接続部が接地板と同様の長板形状を有するから、ケーブル接続部と接地板との接触抵抗を低減できる。また、接地部材が、ケーブル接続部の長手方向両端に接地接触部を有するから、接地部材と接続相手コネクタの接地要素との接続を一層安定化することができる。
請求項5に記載の発明によれば、接地部材による本体補強機能、並びに接地部材及び本体の変形防止機能が一層向上し、しかも、コネクタの組立作業性が改善される。
請求項6に記載の発明によれば、接地部材とは別に、ケーブルのシールド層を覆う位置にシールド部材を装備して、シールド部材を接地部材に接続する構成としたから、シールド部材を接地電位に接続して、コネクタにおける信号伝達経路に対するシールド構造を確立し、コネクタを含むコネクタシステムの高速伝送特性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、回路基板に実装されているコネクタに対し、その受容凹部に受容されるように接続相手コネクタを安定して嵌合させることができるとともに、本体の囲壁部に設けた複数の空所に作業者が指や工具を円滑に挿入して接続相手コネクタに対し摘み動作及び引き抜き動作させることにより、回路基板上のコネクタから接続相手コネクタを安全に分離することができる。したがって、コネクタの外形寸法を削減した場合にも、接続相手コネクタとの端子同士の適正な接触状態を安定保持できるとともに、接続相手コネクタの分離作業を安全かつ容易に遂行できる。
請求項8に記載の発明によれば、例えばピンセットのような物品挟持型の工具を用いて、接続相手コネクタに対し、挟持による安定した分離力を加えてコネクタから分離することができ、以って、両コネクタの損傷を一層効果的に防止できる。
請求項9に記載の発明によれば、シールド部材の接地要素が、接続相手コネクタの接地部材に導通接触することにより、コネクタ及び接続相手コネクタに共通の接地電位が付与されるので、両コネクタにおける信号伝達経路に対し高水準のシールド構造が確立されて、高速伝送特性が向上する。
請求項10に記載の発明によれば、ケーブル−基板接続用のコネクタシステムにおいて、ケーブル接地機能の安定性及び信頼性を向上させることができる。また、ケーブル−基板接続用のコネクタシステムの外形寸法を削減した場合にも、相互嵌合したコネクタの端子同士の適正な接触状態を安定保持できるとともに、コネクタ同士の分離作業を安全かつ容易に遂行できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の一実施形態によるコネクタ10を組立状態で示す斜視図、図2は、コネクタ10の分解斜視図、図3は、コネクタ10の主要構成要素の斜視図、図4は、半組立状態のコネクタ10の斜視図、図5は、コネクタ10の主要部の断面図である。コネクタ10は、ケーブルの芯線に接続される端子を有するケーブル用コネクタであって、後述するように、極小径の芯線を有する高屈曲性の同軸ケーブルを複数本並べてフラット化したケーブル集合体を回路基板に接続するためのコネクタシステムに有利に適用できるものである。この場合、コネクタ10の接続相手となる他のコネクタ(本出願で接続相手コネクタと称する)は、回路基板に実装される基板用コネクタとして構成される。しかし本発明に係るコネクタは、そのような用途に限定されるものではなく、他の接続用途に適応する種々のコネクタとして実施できる。また、本発明は、内蔵する端子の個数を限定するものではなく、単一の端子を有するコネクタにも適用できる。
コネクタ10は、電気絶縁性の本体12と、本体12に支持される複数の端子14と、それら端子14から絶縁して本体12に設けられる接地構造16とを備える(図1)。本体12は、電気絶縁性の樹脂材料から例えば射出成形工程により一体成形される平面視略矩形の薄板状部材であり、長手方向へ延びる一方の長縁に沿って、複数の端子14を離間並列配置で支持する第1支持部(すなわち端子支持部)18を有するとともに、他方の長縁及び横断方向へ延びる一対の短縁に沿って、接地構造16が設けられる第2支持部20を有する(図1)。
本体12の一方の主面12aには、その横断方向略中央に、複数の端子14に接続される複数のケーブル芯線Wを個別に受容する複数の芯線保持溝22が、本体長手方向へ等間隔に並列配置して形成される(図2、図5)。また、本体12の他方の主面12b(主面12aの反対側)には、その横断方向略中央に、複数の端子14を接続相手コネクタの対応端子(後述する)に接触させるための凹所24が、第1支持部18に隣接して形成される(図1(b)、図5)。
複数の端子14は、いずれも同一の形状及び寸法を有し、本体12の第1支持部18に例えばインサート成形工程により一体的に固定されて、所定の等間隔配置で互いに平行に並置して整列支持される。各端子14は、電気良導性の金属板から例えばプレス工程を経て略C字状に成形され、ケーブルCの芯線Wに接続される芯線接続部26と、接続相手コネクタの対応端子に導通接触する接触部28とを一体に備える(図3(a))。各端子14は、芯線接続部26を本体12の主面12a側に露出させるとともに、接触部28を本体12の主面12b側に露出させて、第1支持部18に固定的に支持される(図5)。
図示実施形態では、本体12の主面12b側に露出する各端子14の接触部28は、一対の接点部分28aを有して膨出する雄型接触部として形成される。後述するように、コネクタ10を接続相手コネクタに嵌合接続すると、個々の端子14の雄型接触部28が、接続相手コネクタの対応端子の雌型接触部に相補的に嵌入されて導通接触する。なお、本体12の第1支持部18に複数の端子14をインサート成形する図示構成に代えて、予め適当な形状に成形した第1支持部に適当な形状の端子を組み付ける構成を採用することもできる。
接地構造16は、本体12の第2支持部20に固定して支持される接地部材30を備える(図1(b)、図2)。接地部材30は、端子14に芯線Wを接続したケーブルCのシールド層Gの、本体12に近接する側の表面Gaに沿って固定的に配置されて、シールド層Gに接続される(図5)。すなわち、接地部材30は、本体12から見て、ケーブルCのシールド層Gよりも近い位置に配置され、本体12との間にケーブルCを受容するための空間を形成することなく、本体12に直接的に固定される。接地部材30は、電気良導性の金属板から例えばプレス工程を経て平面視略U字形に成形されたフレーム状部材であり、ケーブルCのシールド層Gに接続される矩形薄板状のケーブル接続部32と、ケーブル接続部32から延長され、接続相手コネクタの対応の接地要素(後述する)に導通接触可能な接地接触部34とを一体に備える(図3(b))。
ここで、図示実施形態によるコネクタ10を適用可能なケーブルCは、極小径の芯線Wを有する高屈曲性の同軸ケーブルCであって、芯線Wを包囲する絶縁材Dの外側に、編組又は箔状のシールド層(外部導体)Gを全周に渡って備え、さらにシールド層Gの全体を樹脂製の外被Sで被覆した構成を有する(図5)。そして、このような極細の同軸ケーブルCを複数本並べて、例えば先端近傍部分のみをフラット加工してなる同軸ケーブル集合体CAに、コネクタ10が接続される(図1)。
同軸ケーブル集合体CAには、複数の同軸ケーブルCの各々の先端所要長さに渡り、外被S、シールド層G及び絶縁材Dを段階的に除去して芯線Wを露出させる処理が施される(図5)。また、電気良導性の金属薄板からなる一対の接地板Pが用意され、これら接地板Pが、並列する複数の同軸ケーブルCのシールド層Gの露出部分を上下から挟むように配置されて、例えば半田により全てのシールド層Gに一様に固着される。このような端末処理を施した同軸ケーブル集合体CAは、一般にケーブルメーカから市販されている。或いは、コネクタ10の一構成要素として、接地板Pを用意することもできる。
接地部材30は、複数の同軸ケーブルCの個々のシールド層Gに共通して接続される一方(すなわち本体12に近接する方)の接地板Pに、例えば半田付けや溶接により固定して接続される(図5)。さらに詳しくは、接地部材30は、そのケーブル接続部32が、接地板Pと同様の長板形状を有して、本体12に近接する一方の接地板Pの実質的全体に重畳して配置され、ケーブル接続部32の重畳面32aの全体又は所望箇所で、接地板Pに電気良導的に接続される。なお、溶接により接地部材30を接地板Pに固定する場合は、接地部材30の所望位置に貫通孔を形成し、接地部材30を接地板Pに重ねて配置した状態で、当該貫通孔を用いて電気溶接やレーザ溶接を行なうことができる。また、本体12に接地部材30を組み込んだ状態で溶接を行なうためには、本体12の所望位置にも同様の貫通孔を設ければよい。
また接地部材30には、ケーブル接続部32の長手方向両端のそれぞれに、接地接触部34が設けられる。各接地接触部34は、ケーブル接続部32の延長方向に略平行に延びて互いに対向する一対の第1接触片34aと、それら第1接触片34aの間に配置される第2接触片34bとを有し、それら接触片34a、34bの各々の外面に、接続相手コネクタの接地要素(後述する)に導通接触する接点36が形成される(図3(b))。なお、コネクタ10の適用に応じて、上記以外の様々な位置に様々な個数の接地接触部34を設けることができる。
接地部材30は、本体12の第2支持部20に、例えばインサート成形工程により一体的に固定されて支持される。ここで、本体12の第2支持部20には、複数の芯線保持溝22に隣接して、本体長手方向へ延びる平面視略矩形の開口部38が、主面12aと主面12bとの間に貫通形成される(図5)。また、本体12の長手方向両端には、第2支持部20の一部分として、接続相手コネクタの電気絶縁性本体(後述する)に嵌合する嵌合部40が形成される(図2)。
接地部材30は、本体12に適正に固定された状態で、ケーブル接続部32が、第2支持部20の開口部38の全体に渡り、その両面32a、32bの大部分を露出させて配置されるとともに、一対の接地接触部34がそれぞれ、第2支持部20の対応の嵌合部40に、全ての接点36及び第2接触片34bの末端領域34cを露出させて配置される(図1、図2)。またこの状態で、本体12の主面12a側に、端末処理を施した同軸ケーブル集合体CAの、一対の接地板Pを固着した部分の全体を収容する凹所42が、複数の芯線保持溝22に隣接して形成される(図4、図5)。なお、第2支持部20に接地部材30をインサート成形する図示構成に限らず、予め適当な形状に成形した第2支持部に適当な形状の接地部材を組み付ける構成等、本体12に接地部材30を強固に固定できることを条件に種々の取付手法を採用することができる。
後述するように、コネクタ10を接続相手コネクタに嵌合接続すると、接地部材30の個々の接地接触部34が、接続相手コネクタの対応の接地要素(後述する)に導通接触する。それにより、コネクタ10の接地部材30に接地板Pを介して接続された複数の同軸ケーブルCのシールド層Gが、接続相手コネクタの接地電位(例えば接続相手コネクタが実装される回路基板の接地部)に電気的に接続される。
コネクタ10はさらに、複数の端子14から絶縁して本体12に取り付けられるシールド部材44を備える。シールド部材44は、電気良導性の金属板から例えばプレス工程を経て平面視略矩形に成形された平板状部材であり、本体12の主面12aの実質的全体を遮蔽する主部分44aと、主部分44aの長手方向各端から延長され、本体12に嵌着される一対の取付部分44b及びそれら取付部分44bの間の当接部分44cとを、一体に備える(図2)。
本体12の各嵌合部40には、接地部材30の各接地接触部34の第2接触片34bの露出末端領域34cの周辺に、一対の取付溝40aが形成される。シールド部材44は、L字状に曲折された個々の取付部分44bが、嵌合部40の対応の取付溝40aに嵌入されることにより、本体12に取り付けられる(図1(a))。シールド部材44は、取付部分44bにより本体12に適正に取り付けられた状態で、複数の端子14及びそれら端子14に接続された複数のケーブルCの芯線Wから僅かに離隔して、それらケーブルCのシールド層Gに対し接地部材30とは反対側に配置され、本体主面12aに配置される全ての端子14及びケーブルCを電磁遮蔽する(図5)。
また、シールド部材44は、本体12に適正に取り付けられた状態で、個々の当接部分44cが、嵌合部40上で露出する接地部材30の各接地接触部34の第2接触片34bの露出末端領域34cに電気良導的に当接され、それにより接地部材30に電気的に接続される(図1、図2)。後述するように、コネクタ10を接続相手コネクタに嵌合接続すると、接地部材30及び接続相手コネクタの対応接地要素を介して、シールド部材44に接地電位が与えられる。
上記構成を有するコネクタ10では、複数のケーブルCのシールド層Gが、それ自体よりも本体12に近い位置で本体12に固定されている接地部材30に、接地板Pを介して接続されることで、個々のケーブルCのシールド層Gに接地部材30の接地電位を付与することができる。この構成では、記述の特許文献1に記載される構成と異なり、本体12と接地部材30との間にケーブルCを受容するための空間を形成することなく、接地部材30が本体12に直接的かつ強固に固定される。したがって、コネクタ嵌合作業時や嵌合後の基板実装状態で、本体12に外力が加わったときにも、接地部材30による本体補強機能が相乗的に作用して、接地部材30(及び本体12)に撓みや反りが生じることは確実に防止される。その結果、コネクタ10内での接地部材30とケーブルCとの相対位置関係が安定化して、ケーブル接地機能の安定性及び信頼性が著しく向上する。
しかも、コネクタ10においては、複数のケーブルCのシールド層Gの、本体12に近接する側の表面Gaに、接地部材30を半田付けすることができるので、本体12の外部に突出する半田を排除することができる。このような構成は、コネクタの外面に沿って配置される金属シェルをケーブルのシールド層に半田付けする構成に比べて、コネクタ10の外形(特に高さ方向)寸法を削減する点で極めて有利であり、結果として、上述したケーブル接地機能の安定性及び信頼性を損なうことなく、コネクタ10を含むコネクタシステムの一層の低背化を実現することができる。
図示実施形態によるコネクタ10では、接地部材30自体が、ケーブル接続部32から延長される接地接触部34を有するので、別部材としての導通要素を備えることなく、複数のケーブルCのシールド層Gを接続相手コネクタの対応の接地要素に安定して接地することができる。このような構成は、コネクタ10の部品点数の削減及び組立工程の簡略化に寄与する。
また、図示のコネクタ10は、極小径の芯線Wを有する高屈曲性の同軸ケーブルCを複数本並べてなる同軸ケーブル集合体CAに対し、接地板Pを介して、全ての同軸ケーブルCのシールド層Gに接地部材30を電気良導的に安定して接続する構成となっている。したがって、そのような多芯フラット化した同軸ケーブル集合体CAに対する接地機能の安定性及び信頼性を、一層向上させることができる。
特に、接地部材30のケーブル接続部32が接地板Pと同様の長板形状を有するから、ケーブル接続部32と接地板Pとの接触抵抗を低減できる。また、接地部材30が、ケーブル接続部32の長手方向両端に接地接触部34を有するから、接地部材30と接続相手コネクタの接地要素との接続を一層安定化することができる。
接地部材30を本体12に、インサート成形により一体的に固定する構成とすることで、接地部材30による本体補強機能、並びに接地部材30及び本体12の変形防止機能が一層向上し、しかも、コネクタ10の組立作業性が改善される。また、接地部材30とは別に、ケーブルCの露出部分を覆う位置にシールド部材44を装備して、シールド部材44を接地部材30に接続する構成としたから、シールド部材44を接地電位に接続して、コネクタ10における信号伝達経路に対するシールド構造を確立し、コネクタ10を含むコネクタシステムの高速伝送特性を向上させることができる。
上記構成を有するコネクタ10は、優れた安定性及び信頼性を有するケーブル接地構造を採用したことにより、ケーブルCの芯線Wの小径化及び端子14の配列の狭ピッチ化を図った高密度接続構造に対応することができる。コネクタ10において実現可能な高密度接続構造は、例えばケーブル芯線Wの外径が0.09mm以下(AWG(アメリカ電線規格)40以上)、端子14の配列ピッチが0.3mm以下の水準である。さらに、コネクタ10の高さ方向寸法は、約1mm程度まで削減できる。
図6及び図7は、本発明の他の実施形態によるコネクタ50を、それぞれ組立状態及び分解状態で示す。コネクタ50は、回路基板の導体に接続される端子を有する基板用コネクタであって、前述したケーブル用コネクタ10の接続相手コネクタとして構成されるものである。しかし本発明に係るコネクタは、そのような用途に限定されるものではなく、他の接続用途に適応する種々のコネクタとして実施できる。また、本発明は、内蔵する端子の個数を限定するものではなく、単一の端子を有するコネクタにも適用できる。
コネクタ50は、電気絶縁性の本体52と、本体52に支持される複数の端子54と、それら端子54から絶縁して本体52に取り付けられるシールド部材56とを備える。本体52は、電気絶縁性の樹脂材料から例えば射出成形工程により一体成形される平面視略矩形の薄板状部材であり、長手方向へ延びる一方の長縁に沿って、複数の端子54を離間並列配置で支持する第1支持部(すなわち端子支持部)58を有するとともに、横断方向へ延びる一対の短縁に沿って、シールド部材56を支持する第2支持部60を有する。第1支持部58には、複数の端子54を個別に受容する複数の端子保持溝62が、本体長手方向へ等間隔に並列配置して形成される。
本体52の主面52aには、第1支持部58の反対側の長縁に沿って、第1支持部58よりも低い高さに突出する縁壁部64が設けられる。そして、第1支持部58、一対の第2支持部60及び縁壁部64によって包囲される領域に、接続相手コネクタ(すなわちコネクタ10)を着脱可能に受容する受容凹部66が形成される。さらに、本体52の各第2支持部60は、受容凹部66の一部分として、接続相手コネクタ10の本体12の嵌合部40(図1)を相補的に受容する嵌合凹部68を画定する。このような構成において、一対の第2支持部60及び縁壁部64は、第1支持部58と協働して受容凹部66を画定する平面視略C字状の囲壁部として機能する。この囲壁部(第2支持部60及び縁壁部64)は、第1支持部58と共に、受容凹部66に受容される接続相手コネクタ10の本体12の外周面に接触して、接続相手コネクタ10を受容凹部66内の適正位置に案内かつ保持するように作用する。それにより、外形寸法を可及的に削減した場合にも、接続相手コネクタ10がコネクタ50に対し不適当に(例えば斜めに)嵌合することが確実に防止される。
複数の端子54は、互いに略同じ形状で部分的に異なる長手方向寸法を有する二種類の端子群54A、54Bを含んで構成される。各端子54A、54Bは、電気良導性の金属板から例えばプレス工程を経て所定形状に成形されたピン状部材であり、本体52の第1支持部58の端子保持溝62に圧入式に取り付けられる中間の取着部70と、取着部70から延長されて第1支持部58及び受容凹部66の表面に露出する一端側の接触部72と、取着部70から接触部72とは反対側に延長されて本体52の外部に突出する他端側のリード部74とを一体に備える。二種類の端子54A、54Bは、回路基板(後述する)の導体に接続されるそれぞれのリード部74の長さが異なる以外は、互いに同一の寸法及び形状を有する。
各端子54の接触部72は、一対の接点部分72aを有して略U字状に湾曲する雌型接触部として形成される。後述するように、コネクタ50を接続相手コネクタ10に嵌合接続すると、個々の端子54の雌型接触部72に、接続相手コネクタ10の対応端子14の雌型接触部28(図5)が相補的に嵌入されて導通接触する。また、二種類の端子54A、54Bは、本体52の長手方向へ交互に配置され、それら端子54A、54Bのリード部74が、本体52の一方の長縁に沿って千鳥状に突出配置される。このような端子リード部74の千鳥状配置は、前述したコネクタ10の高密度接続構造に対応して、回路基板上の導体パターンの短絡を防止しつつ、端子54の配列の狭ピッチ化を実現可能にするものである。なお、本体52の第1支持部58に複数の端子54を圧入式に組み付ける図示構成に代えて、本体52の成形時に複数の端子54をインサートとして一体に取り付ける構成を採用することもできる。
シールド部材56は、電気良導性の金属板から例えばプレス工程を経て平面視略U字形に成形されたフレーム状部材であり、本体第1支持部58に取着された複数の端子54の取着部70を全体的に遮蔽する端子遮蔽部76と、端子遮蔽部76から延長され、接続相手コネクタ10の接地部材30の接地接触部34(図1)に導通接触可能な接地要素78とを一体に備える。図示実施形態では、長板形状の端子遮蔽部76の長手方向両端のそれぞれに、接地要素78が設けられる。各接地要素78は、端子遮蔽部76の延長方向に略平行に延びて互いに対向する一対の第1接触片78aと、それら第1接触片78aの間に配置される第2接触片78bと、第2接触片78bの反対側で外側へ突出する接地片78cとを有する。第1及び第2接触片78a、78bの各々の外面には、接続相手コネクタ10の接地部材30の各接地接触部34に設けた接点36(図3(b)))の各々に導通接触する接点80が形成される。
シールド部材56は、両接地要素78が本体52の対応の第2支持部60に被さるように固定的に支持されて、本体52に組み付けられる。このとき、接地要素78の第1及び第2接触片78a、78bは、本体第2支持部60の嵌合凹部68の内側に配置され、接地要素78の接地片78cは、本体第2支持部60の外方に張り出して配置される。シールド部材56は、接地要素78を介して本体52に適正に組み付けられた状態で、端子遮蔽部76が、本体第1支持部58に支持される複数の端子54の取着部70の露出面から僅かに離隔して配置され、それら端子54を電磁遮蔽する。
後述するように、コネクタ50を接続相手コネクタ10に嵌合接続すると、シールド部材56の個々の接地要素78が、接続相手コネクタ10の接地部材30の対応の接地接触部34に導通接触する。それにより、コネクタ50の接地電位(例えばコネクタ50が実装される回路基板から接地要素78の接地片78cを介して与えられる接地電位)が、接続相手コネクタ10の接地部材30に接地板Pを介して接続された複数の同軸ケーブルCのシールド層G(図5)に接続される。その結果、ケーブル用コネクタ10と基板用コネクタ50とからなるコネクタシステムにおける信号伝達経路に対し、高水準のシールド構造が確立され、当該コネクタシステムの高速伝送特性が向上する。
図8〜図10は、ケーブル用コネクタ10と基板用コネクタ50とを互いに着脱可能に組み合わせて構成されるコネクタシステム90を示す。コネクタシステム90では、ケーブル用コネクタ10と基板用コネクタ50とを互いに接続したときに、コネクタ10が全体として、コネクタ50の本体52に設けた受容凹部66に相補的に受容され、かつコネクタ本体12の長手方向両端に設けた嵌合部40がコネクタ本体52の長手方向両端に設けた対応の嵌合凹部68に相補的に嵌入されて、両コネクタ10、50が適正な嵌合状態に保持される。
この適正嵌合状態では、両コネクタ10、50の対応の端子14、54同士が、構造的に雄雌の関係を有するそれぞれの接触部28、72で、2点接触により安定して接続される(図9)。さらに、上記適正嵌合状態で、コネクタ10の本体12に組み込んだ接地部材30は、その長手方向両端の接地接触部34が、コネクタ50に組み付けたシールド部材56の対応の接地要素78に、3点接触(接点36、80)によりそれぞれ安定して接続される(図10)。
ここで、回路基板Rに表面実装されるコネクタ50は、個々の端子54がリード部74にて基板R上の対応の信号導体S1に半田等により接続されるとともに、シールド部材56の両接地要素78が接地片78cにて基板R上の対応の接地導体S2に半田等により接続される(図9)。その結果、両コネクタ10、50のシールド部材44、56並びにコネクタ10に接続した複数のケーブルCのシールド層Gに、接地電位が安定して付与され、それにより、ケーブル−基板接続用のコネクタシステム90におけるケーブル接地機能の安定性及び信頼性が向上する。
上記したコネクタシステム90では、両コネクタ10、50が適正嵌合状態にあるときに、基板用コネクタ50は、主として本体52の受容凹部66の底板66aと各端子54の雌型接触部72とが、ケーブル用コネクタ10の高さ方向へ重畳するように構成されている(図9)。高さ方向への重畳部分を可及的に縮小したこのような構成により、コネクタシステム90は、外形(特に高さ方向)寸法を削減可能なケーブル用コネクタ10の構造上の特性に対応して、全体の低背化を促進できるものとなっている。
既述のように、従来のコネクタシステムで低背化を促進すると、相互嵌合しているケーブル用コネクタと基板用コネクタとを互いに分離することが容易ではなくなる場合がある。そのような不都合を排除するために、コネクタシステム90を構成する基板用コネクタ50は、本体52の受容凹部66に連通して開口する複数の空所82を、囲壁部(すなわち第2支持部60及び縁壁部64)に分散的に設けている(図6、図7)。
図10に示すように、相互嵌合しているコネクタ10、50に対し、作業者が指や工具(図示せず)でケーブル用コネクタ10を摘んで基板用コネクタ50から分離しようとする際に、本体52の囲壁部60、64に設けた複数の空所82は、指や工具を円滑に挿入して摘み動作させるためのスペースとして、極めて有効に作用する。したがって、外形寸法を削減したコネクタシステム90において、前述したように両コネクタ10、50の対応の端子14、54同士並びに接地部材30とシールド部材56とを、いずれも適正な接触状態に安定保持し得る相補的嵌合構造(嵌合部40、囲壁部60、64、受容凹部66等)が設けられているにも関わらず、無理な作業でコネクタ10、50を損傷したりすることなく、ケーブル用コネクタ10を基板用コネクタ50から安全に分離することができる。
このように、回路基板Rに実装されるコネクタ50は、その外形寸法を削減した場合にも、接続相手コネクタ10との端子14、54同士の適正な接触状態を安定保持できるとともに、接続相手コネクタ10の分離作業を安全かつ容易に遂行できるものとなる。同様に、ケーブル−基板接続用のコネクタシステム90は、全体の外形寸法を削減した場合にも、相互嵌合した両コネクタ10、50の端子14、54同士の適正な接触状態を安定保持できるとともに、コネクタ10、50同士の分離作業を安全かつ容易に遂行できるものとなる。なお、コネクタ50の本体52の囲壁部60、64に形成した複数の空所82は、回路基板R上でのコネクタ50の実装領域(すなわちコネクタシステム90の占有領域)の内側に位置するから、回路基板Rの高密度実装に影響を及ぼすことはない。
上記構成では、図10に示すように、コネクタ50の本体52の囲壁部60、64に設けられる複数の空所82は、本体52を長手方向へ二分する中心線52cに関して、互いに対称な位置に配置されることが望ましい。また、コネクタ10の本体12から見れば、複数の空所82は、本体12を横断方向へ二分する中心線12cに関して、互いに対称な位置に配置されることが望ましい。このように、複数の空所82を、コネクタ本体52上で規定される所与の中心線に関して互いに対称な位置に形成することにより、例えばピンセットのような物品挟持型の工具(図示せず)を用いて、コネクタ10に対し、平衡した分離力を加えてコネクタ50の受容凹部66から分離することができる。その結果、両コネクタ10、50の損傷を一層効果的に防止できる。
図示実施形態では、コネクタ50の本体52の第1支持部58に隣接する位置に、一対の空所82が設けられている。したがって、シールド部材56の対応箇所にも、それら空所82への工具等の挿入を可能にするための切り欠き84が形成される。このような構造上の工夫を適宜施すことで、コネクタ本体52の所望箇所に所望個数の空所82を設けることが可能になる。なお、図示実施形態のように、本体52の囲壁部60、64が、互いに対向する一組の壁部分(例えば第1支持部58に隣接する第2支持部60の一部分とそれに対向する縁壁部64)を有する場合には、複数の空所82を、上記した対称配置に限らず、それら壁部分のそれぞれに適当な配置で設けることもできる。このような構成によっても、物品挟持型の工具を用いて、接続相手コネクタに対し、3点以上の多点挟持による安定した分離力を加えてコネクタから分離することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態の構成に限定されず、様々な修正を施すことができる。例えば、図11及び図12に示すように、ケーブル用のコネクタ10において、シールド部材44は、本体12に嵌着される両取付部分44bの間の当接部分44cが、取付部分44bと同様に曲折された形状を有することができる。この場合、各当接部分44cは、本体12の嵌合部40上で露出する接地部材30の各接地接触部34の第2接触片34bの内面に電気良導的に当接され、それによりシールド部材44が接地部材30に電気的に接続される(図12(b))。
また、コネクタ10の本体12は、接地部材30のケーブル接続部32が配置される開口部38を横断するように、1個以上の梁部分86を有することができる(図11(b))。このような構成によれば、コネクタ本体12の剛性を向上させるとともに、コネクタ本体12に対する接地部材30の固定強度を向上させることができる。
本発明の一実施形態によるコネクタを組立状態で示す斜視図で、(a)シールド部材側、及び(b)端子接触部側からそれぞれ示す。 図1のコネクタの分解斜視図である。 図1のコネクタの主要構成要素の斜視図で、(a)端子、及び(b)接地部材をそれぞれ示す。 図1のコネクタを半組立状態で示す斜視図である。 図1のコネクタの線V−Vに沿った断面図である。 本発明の他の実施形態によるコネクタを組立状態で示す斜視図である。 図6のコネクタの分解斜視図である。 本発明の一実施形態によるコネクタシステムを組立状態で示す斜視図である。 図8のコネクタシステムの線IX−IXに沿った断面図である。 図8のコネクタシステムの平面図である。 図1のコネクタの変形例を示す斜視図で、(a)シールド部材側、及び(b)端子接触部側からそれぞれ示す。 図11の変形例の部分図で、(a)拡大平面図、及び(b)線XII−XIIに沿った断面図である。
符号の説明
10、50 コネクタ
12、52 本体
14、54 端子
16 接地構造
30 接地部材
32 ケーブル接続部
34 接地接触部
36、80 接点
40 嵌合部
44、56 シールド部材
60、64 囲壁部
66 受容凹部
68 嵌合凹部
76 端子遮蔽部
78 接地要素
82 空所
90 コネクタシステム

Claims (10)

  1. 電気絶縁性の本体と、該本体に支持され、ケーブルの芯線に接続される端子と、該端子から絶縁して該本体に設けられ、ケーブルのシールド層に接続される接地構造とを具備するコネクタにおいて、
    前記接地構造は、前記本体に固定される接地部材を備え、該接地部材が、前記端子に芯線を接続したケーブルのシールド層の、該本体に近接する側の表面に沿って配置されて、該シールド層に接続されること、
    を特徴とするコネクタ。
  2. 前記接地部材は、ケーブルのシールド層に接続されるケーブル接続部と、該ケーブル接続部から延長され、接続相手コネクタの対応の接地要素に導通接触可能な接地接触部とを有する、請求項1に記載のコネクタ。
  3. 芯線及び該芯線を覆うシールド層を個々に有する複数の同軸ケーブルに接続される請求項1に記載のコネクタにおいて、該複数の同軸ケーブルの個々の該シールド層に共通の接地板が接続され、前記接地部材は、該接地板に固定して接続される、請求項1に記載のコネクタ。
  4. 前記接地部材は、前記接地板と同様の長板形状を有して前記接地板に接続されるケーブル接続部と、該ケーブル接続部の長手方向両端からそれぞれ延長され、接続相手コネクタの対応の接地要素に導通接触可能な一対の接地接触部とを有する、請求項3に記載のコネクタ。
  5. 前記接地部材が前記本体に、インサート成形により一体的に固定される、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ。
  6. 前記端子から絶縁して前記本体に取り付けられるシールド部材をさらに具備し、該シールド部材が、該端子に芯線を接続したケーブルのシールド層に対し前記接地部材とは反対側に配置されて、該接地部材に接続される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタ。
  7. 接続相手コネクタを着脱可能に受容する受容凹部を有する電気絶縁性の本体と、該本体に支持され、回路基板の導体に接続される端子とを具備するコネクタにおいて、
    前記本体は、前記端子を支持する端子支持部と、該端子支持部と協働して前記受容凹部を画定する囲壁部とを有し、該受容凹部に連通して開口する複数の空所が、該囲壁部に分散的に設けられること、
    を特徴とするコネクタ。
  8. 前記本体の前記囲壁部が、互いに対向する一組の壁部分を有し、前記複数の空所が、該一組の壁部分のそれぞれに設けられる、請求項7に記載のコネクタ。
  9. 前記端子から絶縁して前記本体に取り付けられるシールド部材をさらに具備し、該シールド部材は、接続相手コネクタの接地部材に導通接触可能な接地要素を有する、請求項7又は8に記載のコネクタ。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタと、請求項7〜9のいずれか1項に記載のコネクタとの、互いに着脱可能な組合せを具備するコネクタシステム。
JP2006147000A 2006-05-26 2006-05-26 コネクタ及びコネクタシステム Pending JP2007317554A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006147000A JP2007317554A (ja) 2006-05-26 2006-05-26 コネクタ及びコネクタシステム
PCT/US2007/068058 WO2007140075A1 (en) 2006-05-26 2007-05-02 Connector and connector system
TW096117065A TW200814440A (en) 2006-05-26 2007-05-14 Connector and connector system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006147000A JP2007317554A (ja) 2006-05-26 2006-05-26 コネクタ及びコネクタシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007317554A true JP2007317554A (ja) 2007-12-06

Family

ID=38778984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006147000A Pending JP2007317554A (ja) 2006-05-26 2006-05-26 コネクタ及びコネクタシステム

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2007317554A (ja)
TW (1) TW200814440A (ja)
WO (1) WO2007140075A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009014010A1 (ja) * 2007-07-25 2009-01-29 Phoeton Corporation ワイヤーハーネス
JP2009032518A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 基板搭載用コネクタ及びその相手方コネクタ並びにそれらを備えた電子機器
JP2009289719A (ja) * 2008-06-02 2009-12-10 Fujikura Ltd グランドバー及びケーブルアセンブリ
JP2011159459A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Panasonic Electric Works Co Ltd コネクタ
JP2012508435A (ja) * 2008-11-10 2012-04-05 エルニ エレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング シールドを有する直角コネクタと直角コネクタのシールドを生成するための方法
US11349260B2 (en) 2020-04-17 2022-05-31 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Connector, harness and connector assembly

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4961490B2 (ja) * 2010-07-06 2012-06-27 日本航空電子工業株式会社 コネクタ
CN106943159A (zh) * 2017-04-20 2017-07-14 深圳开立生物医疗科技股份有限公司 Fpc板、超声换能器及其制作工艺和超声内镜
CN113422255B (zh) * 2021-06-22 2022-04-01 中航光电科技股份有限公司 高速极细同轴连接器组件及公端连接器

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006107992A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Honda Tsushin Kogyo Co Ltd ケーブルコネクタ

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6679734B2 (en) * 1999-09-24 2004-01-20 Array Connector Corporation Subminiature electrical connector multi-pin grounding/discrete circuit bussing module and integral connector backshell
JP2002203645A (ja) * 2000-12-27 2002-07-19 Nagano Fujitsu Component Kk ケーブルコネクタ
TW563950U (en) * 2002-12-25 2003-11-21 Hon Hai Prec Ind Co Ltd Cable connector assembly
TWI286866B (en) * 2003-03-07 2007-09-11 J S T Mfg Co Ltd Plug connector housing with locking mechanism and plug connector with the locking mechanism using the same

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006107992A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Honda Tsushin Kogyo Co Ltd ケーブルコネクタ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009014010A1 (ja) * 2007-07-25 2009-01-29 Phoeton Corporation ワイヤーハーネス
JP2009032518A (ja) * 2007-07-26 2009-02-12 Japan Aviation Electronics Industry Ltd 基板搭載用コネクタ及びその相手方コネクタ並びにそれらを備えた電子機器
US7722387B2 (en) 2007-07-26 2010-05-25 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Board connector, mating connector, and electronic device including the same
JP4522440B2 (ja) * 2007-07-26 2010-08-11 日本航空電子工業株式会社 基板搭載用コネクタ及びその相手方コネクタ並びにそれらを備えた電子機器
JP2009289719A (ja) * 2008-06-02 2009-12-10 Fujikura Ltd グランドバー及びケーブルアセンブリ
JP2012508435A (ja) * 2008-11-10 2012-04-05 エルニ エレクトロニクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング シールドを有する直角コネクタと直角コネクタのシールドを生成するための方法
JP2015057784A (ja) * 2008-11-10 2015-03-26 エルニ プロダクション ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト シールドを有する直角コネクタと直角コネクタのシールドを生成するための方法
JP2011159459A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Panasonic Electric Works Co Ltd コネクタ
US11349260B2 (en) 2020-04-17 2022-05-31 Japan Aviation Electronics Industry, Limited Connector, harness and connector assembly

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007140075A1 (en) 2007-12-06
TW200814440A (en) 2008-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4364265B2 (ja) コネクタ及びそれを備えた電子機器
US6582252B1 (en) Termination connector assembly with tight angle for shielded cable
JP4222617B2 (ja) コネクタ
JP4391975B2 (ja) 電気コネクタ
US6837741B2 (en) Connector and cable positioning member of connector
JP2007317554A (ja) コネクタ及びコネクタシステム
JP7324038B2 (ja) コネクタ
GB2325793A (en) Electrical connector
KR20100068002A (ko) 동축케이블용 커넥터
JP2019140014A (ja) 電気コネクタ
JP2008097875A (ja) コネクタアセンブリ
WO2008001453A1 (fr) Connecteur de câble coaxial
CN113725664A (zh) 可滑动地插入插座连接器的插头连接器
JP4068092B2 (ja) 多極同軸ケーブルコネクタ及びコネクタ組立て方法
CN109755782B (zh) 连接器装置
JP2010157367A (ja) 電気コネクタ
JP2007234490A (ja) 同軸ケーブル用コネクタ
TWI808370B (zh) 包括插孔連接器及插頭連接器之連接器組件
JP2006049211A (ja) 同軸ケーブル接地構造並びにコネクタ及びその結線方法
JP5378051B2 (ja) 外部導体ホルダ付き電気コネクタ及びシールドケーブルハーネス
US8235736B2 (en) Connector
JP2007234491A (ja) コネクタ
JP2007042633A (ja) 同軸ケーブル接地構造並びにコネクタ及びその結線方法
JP2007123104A (ja) 同軸ケーブル用コネクタ
JP7148009B2 (ja) 電気コネクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111004