JP2008096487A - エンジン音加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 収音したエンジン音に対し、運転操作を反映させる加工を施して放音する。
【解決手段】 運転状態パラメータ取得部10は、運転状態検出手段によって検出される運転状態を運転状態パラメータとして出力する。スイッチ部20、パラメータ加工部31〜34および合成部40からなる制御パラメータ生成手段は、運転状態パラメータの時間微分値を算出し、時間微分値に基づいてエンジン音加工制御パラメータを生成する。収音部50は、車両において発生したエンジン音を収音し、エンジン音信号を出力する。エンジン音加工部60は、エンジン音加工制御パラメータに基づいて、エンジン音信号の音圧制御を行う。エンジン音出力部70は、音圧制御を経たエンジン音信号を音として車両内に出力する。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両において収音されたエンジン音等を加工して車両内に出力するエンジン音加工装置に関する。
近年、騒音防止の観点からエンジン音の外部への放射の少ない車両が求められているが、その一方、車両内において迫力のあるエンジン音を楽しみたいという要求もある。そこで、このような要求に応えるための技術的手段として、車両においてマイクによりエンジン音を収音し、これに加工を施して車室内に放音するエンジン音加工装置が各種提案されている。この種のエンジン音加工装置として、エンジン音を収音して、2倍または3倍などの固定の利得で増幅して車室内に放音するものがあった(以下、「第1の従来技術」という)。また、別の態様のエンジン音加工装置として、エンジン音を収音し、アクセル開度に比例した利得で増幅して車室内に放音するものがあった(以下、「第2の従来技術」という)。
ところで、運転者が例えばアクセルを踏み込んで車両の速度を上昇させるという運転操作を行うと、これにより車両が発生するエンジン音が変化する。この意味において、エンジン音は、運転操作に対する車両側からのレスポンスであるといえる。運転者は、自分の耳に聞こえるエンジン音の変化(すなわち、レスポンス)から、アクセルの踏み込みという運転操作のいわば手応えを感じ取ることができる。従って、運転者に快適な運転を行わせる上で、運転者にとって適確なレスポンスとなるエンジン音を発生させることが極めて重要である。上述した第1の従来技術では、収音したエンジン音を固定の利得で増幅して放音する。ここで、車両において収音されるエンジン音は、運転操作を反映したものであるため、このエンジン音を固定の利得で増幅して車室内に放音したとしても、その放音されるエンジン音はレスポンスとしての役割を果たす。しかし、本来の車両のエンジン音よりも例えばアクセル開度や車速の変化に対して敏感に音量等が変化する等、エンジン音のレスポンスとしての程度を車両本来のエンジン音より強調することができない。上述した第2の従来技術は、エンジン音の音量をアクセル開度に比例させる点において、車両本来のエンジン音に対して、運転操作に応じたレスポンスを付加するものである、といえる。しかし、この第2の従来技術により得られるエンジン音の音量の変化の態様は、アクセルの踏み込みに対するレスポンスとして相応しいものではなく、人工的で不自然な印象を運転者に与える。また、アクセル開度は、急峻に変化することが多いため、このアクセル開度に応じて車室内に放音するエンジン音の音量を変化させると、エンジン音がぎこちないものになるという問題があった。
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、収音したエンジン音または再生したエンジン音に対し、運転操作を反映させる加工を施して放音することができるエンジン音加工装置を提供することを目的とする。
この発明は、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段によって検出される運転状態を運転状態パラメータとして出力する運転状態パラメータ取得手段と、前記運転状態パラメータの時間微分値を算出し、前記時間微分値に基づいてエンジン音加工制御パラメータを生成する制御パラメータ生成手段と、車両において発生したエンジン音を収音し、または前記車両のエンジンの回転に同期した速度で記憶媒体からエンジン音波形を再生することにより、エンジン音信号を取得するエンジン音信号取得手段と、前記エンジン音加工制御パラメータに基づいて、前記エンジン音信号を加工するエンジン音加工手段と、前記エンジン音信号加工手段によって加工されたエンジン音信号を音として車両内に出力するエンジン音出力手段とを具備することを特徴とするエンジン音加工装置を提供する。
かかる発明によれば、運転状態パラメータの時間微分値に基づいてエンジン音加工制御パラメータが算出され、このエンジン音加工制御パラメータに基づく加工がエンジン音信号に施されるので、運転操作を反映させたエンジン音信号が得られる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の一実施形態であるエンジン音加工装置の構成を示すブロック図である。このエンジン音加工装置は、車両において収音されたエンジン音に加工を施して車室内に出力する装置である。図1において、運転状態パラメータ取得部10は、LAN(Local Area Network)などの車内ネットワーク11を介してエンジン回転数センサ、アクセル開度センサ、車速センサ(いずれも図示略)等の運転状態検出手段に接続されている。運転状態パラメータ取得部10は、車内ネットワーク11を介してこの運転状態検出手段からエンジン回転数、アクセル開度、車速等を取得し、エンジン回転数データD1、アクセル開度データD2、車速データD3等の運転状態パラメータとして出力する。
スイッチ部20と、パラメータ加工部31〜34と、合成部40は、制御部100による制御の下、エンジン音の加工の制御に用いるエンジン音加工制御パラメータをエンジン回転数データD1、アクセル開度データD2、車速データD3等の運転状態パラメータから生成する制御パラメータ生成手段を構成している。
さらに詳述すると、スイッチ部20には、制御部100からスイッチ制御情報が与えられる。このスイッチ制御情報は、各種の運転状態パラメータの中からエンジン音加工制御パラメータの合成に用いるために選択するものを指定するとともに、その選択した運転状態パラメータをパラメータ加工部31〜34のいずれに供給すべきかを指定する情報である。スイッチ部20は、エンジン回転数データD1、アクセル開度データD2、車速データD3等の運転状態パラメータの中からスイッチ制御情報により指定された運転状態パラメータを選択し、パラメータ加工部31〜34のうちスイッチ制御情報により指定されたパラメータ加工部に供給する。本実施形態において、スイッチ制御情報により選択が指示される運転状態パラメータは1種類であるとは限らず、複数種類の運転状態パラメータの選択が指示される場合もある。また、選択した運転状態パラメータの供給先は1箇所に限らず、例えばパラメータ加工部31および33という具合に複数のパラメータ加工部が1種類の運転状態パラメータの供給先としてスイッチ制御情報により指定される場合もある。
パラメータ加工部31および32は、スイッチ部20を介して与えられた運転状態パラメータの時間微分演算を行い、運転状態パラメータの時間微分値を出力する装置である。また、パラメータ加工部33および34は、スイッチ部20を介して与えられる運転状態パラメータの時間微分演算を行って時間微分値を算出し、さらに算出した時間微分値列に所定の時定数を持ったローパスフィルタ処理を施し、あるいは算出した時間微分値列の移動平均を算出することにより、時間微分値列のエンベロープを示すエンベロープデータを生成して出力する装置である。ここで、エンベロープデータの生成を行うパラメータ加工部33または34には、エンベロープ生成制御情報が制御部100から与えられる。このエンベロープ生成制御情報は、次の3種類の方法のうちいずれによりエンベロープデータの生成を行うべきかを指定する情報である。
a.正負両方の時間微分値を用いてエンベロープデータを生成する方法
b.正の時間微分値のみを用いてエンベロープデータを生成する方法
c.負の時間微分値のみを用いてエンベロープデータを生成する方法
エンベロープデータの生成を行うパラメータ加工部33または34は、このエンベロープ生成制御情報により指定された方法によりエンベロープデータの生成を行う。
合成部40には、制御部100から合成制御情報が与えられる。この合成制御情報は、パラメータ加工部31〜34から出力される運転状態パラメータの時間微分値または運転状態パラメータの時間微分値のエンベロープデータに対し、どのような合成演算を行ってエンジン音加工制御パラメータを合成するのかを指定する情報である。合成部40は、パラメータ加工部31〜34から出力される各データに対し、この合成制御情報により指定された合成演算を施し、エンジン音加工制御パラメータを合成する。合成制御情報により指定される合成演算の態様には次の3類型がある。
a.1種類の時間微分値またはエンベロープデータをそのままエンジン音加工制御パラメータとして出力する。
b.複数種類の時間微分値またはエンベロープデータを重み付け加算してエンジン音加工制御パラメータを合成する。
c.複数種類の時間微分値またはエンベロープデータを重み付け乗算してエンジン音加工制御パラメータを合成する。
本実施形態では、運転状態パラメータから最終的なエンジン音加工制御パラメータを生成するための方法として多くの種類の方法が用意されているが、それらの方法は次のように類型化することができる。
<方法1>
この方法では、1種類の運転状態パラメータ(例えばエンジン回転数データD1)をスイッチ部20を介してパラメータ加工部31に与える。そして、合成部40には、パラメータ加工部31から出力される運転状態パラメータの時間微分値をそのままエンジン音加工制御パラメータとして出力させる。
<方法2>
この方法では、1種類の運転状態パラメータをスイッチ部20を介してパラメータ加工部33に与える。そして、合成部40には、パラメータ加工部33から出力される運転状態パラメータの時間微分値(正負両方/正のみ/負のみ)のエンベロープデータをそのままエンジン音加工制御パラメータとして出力させる。
<方法3>
この方法では、1種類の運転状態パラメータをスイッチ部20を介してパラメータ加工部31および33に与える。そして、合成部40には、パラメータ加工部31から出力される運転状態パラメータの時間微分値とパラメータ加工部33から出力される運転状態パラメータの時間微分値(正負両方/正のみ/負のみ)のエンベロープデータとを合成させ、エンジン音加工制御パラメータとして出力させる。合成の方法としては、運転状態パラメータの時間微分値と運転状態パラメータの時間微分値のエンベロープデータとに所定の重みを付けて加算する方法、運転状態パラメータの時間微分値と運転状態パラメータの時間微分値のエンベロープデータとに所定の重みを付けて乗算する方法が用意されている。いずれの方法により合成を行うかは制御部100から合成部40に与えられる合成制御情報により定まる。
<方法4>
この方法では、異種の運転状態パラメータ(例えばエンジン回転数データD1とアクセル開度データD2)をスイッチ部20を介してパラメータ加工部31および33に与える。そして、合成部40には、パラメータ加工部31から出力される運転状態パラメータ(例えばエンジン回転数データD1)の時間微分値とパラメータ加工部33から出力される運転状態パラメータ(例えばアクセル開度データD2)の時間微分値のエンベロープデータとを合成させ、エンジン音加工制御パラメータとして出力させる。合成の方法には、重み付け加算と重み付け乗算がある。
<方法5>
この方法では、異種の運転状態パラメータ(例えばエンジン回転数データD1とアクセル開度データD2)をスイッチ部20を介してパラメータ加工部33および34に与える。そして、合成部40には、パラメータ加工部33から出力される運転状態パラメータ(例えばエンジン回転数データD1)の時間微分値のエンベロープデータとパラメータ加工部34から出力される運転状態パラメータ(例えばアクセル開度データD2)の時間微分値のエンベロープデータとを合成させ、エンジン音加工制御パラメータとして出力させる。合成の方法には、重み付け加算と重み付け乗算がある。
図1において、収音部50は、車両において発生するエンジン音をマイクにより収音し、エンジン音信号を出力する装置である。好ましい態様では、吸気音、エンジン爆発音、排気音、メカ音およびその他の音がエンジン音の成分として選択され、複数のマイクがこれらの各エンジン音成分を収音するのに適した各箇所に設置され、各マイクの出力信号をミキシングすることによりエンジン音信号が生成される。エンジン音加工部60は、収音部50から得られたエンジン音信号に対し、合成部40から出力されるエンジン音加工制御パラメータに基づく加工、具体的にはエンジン音加工制御パラメータに基づく音圧制御を施して出力する装置である。エンジン音出力部70は、エンジン音加工部60の処理を経たエンジン音信号を音として車室内に放音する装置であり、アンプとスピーカなどにより構成されている。なお、このエンジン音出力部70は、カーステレオ等の車載オーディオ装置を利用してもよい。
制御部100は、エンジン音加工装置全体の制御を行う装置である。制御部100には、メモリ110と、操作表示部120とが接続されている。操作表示部120は、車室内において運転者の前方の位置に配置されており、運転者に各種の表示情報を提供する液晶表示パネル等の表示部と運転者からコマンドや情報を受け取るための押しボタン等の操作子により構成されている。メモリ110には、エンジン音加工装置の制御に用いる制御プログラムや各種の制御データが記憶されている。既に述べたように、本実施形態では、運転状態パラメータからエンジン音加工制御パラメータを生成するための方法が複数種類用意されている。メモリ110には、これらの各方法毎に用意された制御情報セットが記憶されている。ここで、個々の制御情報セットは、スイッチ制御情報、エンベロープ生成制御情報および合成制御情報を含む。なお、エンベロープ生成制御情報は、パラメータ加工部33または34にエンベロープデータの生成を行わせる場合に限り、制御情報セットに含まれる。制御部100は、これらの制御情報セットを参照して、スイッチ部20、パラメータ加工部31〜34および合成部40の制御を行う。
次に本実施形態の動作を説明する。操作表示部120の操作により運転状態パラメータからエンジン音加工制御パラメータを生成するための方法が指定されると、制御部100は、メモリ110に記憶された各制御情報セットの中から指定された方法に対応した制御情報セットを選択して読み出す。そして、読み出した制御情報セットにおけるスイッチ制御情報をスイッチ部20へ、合成制御情報を合成部40へ供給する。また、制御部100は、読み出した制御情報セットがエンベロープ生成制御情報を含む場合には、そのエンベロープ生成制御情報をパラメータ加工部33または34のうちエンベロープデータの生成を行うものへ供給する。
車両の運転が開始されると、運転状態パラメータ取得部10は、車内ネットワーク11を介してエンジン回転数、アクセル開度、車速等を取得し、エンジン回転数データD1、アクセル開度データD2、車速データD3等の運転状態パラメータとして出力する。
スイッチ部20は、これらの運転状態パラメータの中からスイッチ制御情報により指定された運転状態パラメータを選択し、パラメータ加工部31〜34のうちスイッチ制御情報により指定されたパラメータ加工部に供給する。
ここで、パラメータ加工部31または32に運転状態パラメータが与えられた場合には、運転状態パラメータの与えられたパラメータ加工部31または32は、運転状態パラメータの時間微分演算を行い、時間微分値を出力する。また、パラメータ加工部33または34に運転状態パラメータが与えられた場合には、運転状態パラメータの与えられたパラメータ加工部33または34は、運転状態パラメータの時間微分演算を行って時間微分値を算出し、さらに時間微分値列のエンベロープデータを生成して出力する。その際、エンベロープ生成制御情報に従い、正負両方の時間微分値、正の時間微分値または負の時間微分値からエンベロープデータを生成する。
合成部40は、パラメータ加工部31〜34から出力される各データに対し、制御部100から与えられた合成制御情報により指定された合成演算を施し、エンジン音加工制御パラメータを合成する。エンジン音加工部60は、収音部50から得られるエンジン音信号に対し、エンジン音加工制御パラメータに基づく音圧制御を施す。エンジン音出力部70は、この音圧制御を経たエンジン音信号を音として車室内に出力する。
次に図2〜図11を参照し、本実施形態の効果を説明する。図2〜図4は、ある区間を車両が走行したときに収音部50により収音されたエンジン音の音圧、運転状態検出手段により検出された同車両のアクセル開度およびエンジン回転数を各々示すグラフである。
ここで、仮にアクセル開度をそのままエンジン音加工制御パラメータとして使用してエンジン音信号の加工(この例では音圧制御)を行うと、加工前後のエンジン音信号の音圧は図5に示すものとなる。また、仮にエンジン回転数をそのままエンジン音加工制御パラメータとして使用してエンジン音信号の加工(この例では音圧制御)を行うと、加工前後のエンジン音信号の音圧は図6に示すものとなる。これらの図に示すように、アクセル開度やエンジン回転数をそのままエンジン音信号の加工に用いると、加工によりエンジン音信号の音圧は全体的に増加するだけであり、これでは運転操作に対する車両のレスポンスが強調されたエンジン音信号になったとは言えない。
図7は図4におけるエンジン回転数の時間微分演算を行うことにより得られた時間微分値を示すグラフである。この図7からも読み取れるように、エンジン回転数の時間微分値は、エンジン回転数を増減させるアクセル操作を反映した時系列データとなる。また、図8は図7に示すエンジン回転数の正負両方の時間微分値から生成されたエンベロープデータを示すグラフである。このエンベロープデータは、エンジン回転数の時間微分値の急激な変化が均され、比較的緩やかな起伏を持った時系列データとなる。この図8のエンベロープデータをエンジン加工制御パラメータとして使用してエンジン音信号の加工(この例では音圧制御)を行うと、加工前後のエンジン音信号の音圧は図9に示すものとなる。この場合、加工後のエンジン音信号の音圧変化はアクセル操作を反映したものとなる。ただし、エンジン回転数の正負両方の時間微分値から生成されたエンベロープデータを用いているため、加工後のエンジン音信号の音圧が元の音圧に対して正負両方向に振れ、山谷の多い音圧変化になる難点がある。
図10は図7に示すエンジン回転数の時間微分値のうち正の時間微分値のみから生成されたエンベロープデータを示すグラフである。そして、図11はこの図10のエンベロープデータをエンジン加工制御パラメータとして使用してエンジン音信号の加工(この例では音圧制御)を行った場合の加工前後のエンジン音信号の音圧を示すグラフである。この場合、加工により得られるエンジン音信号の音圧変化はアクセル操作を非常によく反映したものとなる。なお、エンジン回転数の代わりにアクセル開度を使用し、このアクセル開度の正の時間微分値のみから生成されたエンベロープデータをエンジン音加工制御パラメータとして使用しても、エンジン回転数を使用した場合と同様に、アクセル操作を非常によく反映した音圧変化を持ったエンジン音信号が得られる。また、正の時間微分値ではなく負の時間微分値からエンベロープデータを生成する場合も同様である。
このように、エンジン回転数等の正または負の時間微分値のエンベロープデータをエンジン音加工制御パラメータとして使用してエンジン音信号の音圧制御を行うと、アクセル操作に対するレスポンスが強調されたエンジン音信号が得られる。しかし、レスポンス強調の程度や態様に関しては多種多様な嗜好があり、例えば図11に示すものよりもアクセル操作に対して敏感なレスポンスを良しとするユーザもいれば、図11に示すものよりもアクセル操作に対して鈍感なレスポンスを良しとするユーザもいると考えられる。本実施形態によれば、運転状態パラメータからエンジン音加工制御パラメータを得るための方法が各種用意されており、ユーザはそれらの中から所望のものを選択することが可能であるので、レスポンス強調に関する多様な要求に応えることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明にはこれ以外にも他の実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
(1)上記実施形態では、エンジン音を収音して、これに加工を施してエンジン音出力部70から再生した。しかし、このように実際にエンジン音を収音する代わりに、エンジン音の波形データを予めメモリに記憶させ、このメモリからエンジン回転数に応じた読み出し速度で波形データを読み出して、エンジン音信号を再生し、このエンジン音信号に対し、上記実施形態と同様な加工を施してもよい。
(2)上記実施形態では、エンジン音加工部60においてエンジン音加工制御パラメータに基づくエンジン音信号の音圧制御を行ったが、音圧制御以外の加工、例えばエンジン音信号に雑音を付加し、その際の雑音レベルをエンジン音加工制御パラメータにより制御する、といった加工を行ってもよい。
(3)上記実施形態では、エンジン音加工装置を上記方法1〜5のいずれも実行可能な構成としたが、上記方法1〜5のうち1種類の方法あるいは限られた種類の方法のみを実行可能な構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、運転状態パラメータの一部を使ってエンジン音加工制御パラメータを生成したが、パラメータ加工部31〜34の数を増やし、全部の運転状態パラメータを使ってエンジン音加工制御パラメータを生成してもよい。
この発明の一実施形態であるエンジン音加工装置の構成を示すブロック図である。 ある区間を車両が走行したときに収音されたエンジン音の音圧を示すグラフである。 同区間を走行する同車両のアクセル開度を示すグラフである。 同区間を走行する同車両のエンジン回転数を示すグラフである。 同アクセル開度をそのままエンジン音加工制御パラメータとして使用してエンジン音信号の加工を行った場合の加工前後のエンジン音信号の音圧を示すグラフである。 同エンジン回転数をそのままエンジン音加工制御パラメータとして使用してエンジン音信号の加工を行った場合の加工前後のエンジン音信号の音圧を示すグラフである。 図4におけるエンジン回転数の時間微分演算を行うことにより得られた時間微分値を示すグラフである。 図7に示すエンジン回転数の正負両方の時間微分値から生成されたエンベロープデータを示すグラフである。 図8に示すエンベロープデータをエンジン加工制御パラメータとして使用してエンジン音信号の加工を行った場合の加工前後のエンジン音信号の音圧を示すグラフである。 図7に示すエンジン回転数の時間微分値のうち正の時間微分値のみから生成されたエンベロープデータを示すグラフである。 図10に示すエンベロープデータをエンジン加工制御パラメータとして使用してエンジン音信号の加工を行った場合の加工前後のエンジン音信号の音圧を示すグラフである。
符号の説明
100……制御部、110……メモリ、120……操作表示部、10……運転状態パラメータ取得部、11……車内ネットワーク、20……スイッチ部、31〜34……パラメータ加工部、40……合成部、50……収音部、60……エンジン音加工部、70……エンジン音出力部。

Claims (6)

  1. 車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段によって検出される運転状態を運転状態パラメータとして出力する運転状態パラメータ取得手段と、
    前記運転状態パラメータの時間微分値を算出し、前記時間微分値に基づいてエンジン音加工制御パラメータを生成する制御パラメータ生成手段と、
    車両において発生したエンジン音を収音し、または前記車両のエンジンの回転に同期した速度で記憶媒体からエンジン音波形を再生することにより、エンジン音信号を取得するエンジン音信号取得手段と、
    前記エンジン音加工制御パラメータに基づいて、前記エンジン音信号を加工するエンジン音加工手段と、
    前記エンジン音信号加工手段によって加工されたエンジン音信号を音として車両内に出力するエンジン音出力手段と
    を具備することを特徴とするエンジン音加工装置。
  2. 前記制御パラメータ生成手段は、前記運転状態パラメータの時間微分値を算出する第1のパラメータ加工手段を含み、前記第1のパラメータ加工手段により算出された時間微分値に基づいてエンジン音加工制御パラメータを生成することを特徴とする請求項1に記載のエンジン音加工装置。
  3. 前記第1のパラメータ加工手段は、複数種類の運転状態パラメータから時間微分値を算出し、前記制御パラメータ生成手段は、複数種類の運転状態パラメータの時間微分値を合成してエンジン音加工制御パラメータを生成することを特徴とする請求項2に記載のエンジン音加工装置。
  4. 前記制御パラメータ生成手段は、前記運転状態パラメータの時間微分値のエンベロープを示すエンベロープデータを算出する第2のパラメータ加工手段を含み、前記第2のパラメータ加工手段により算出されたエンベロープデータに基づいて前記エンジン音加工制御パラメータを生成することを特徴とする請求項1に記載のエンジン音加工装置。
  5. 前記第2のパラメータ加工手段は、複数種類の運転状態パラメータから時間微分値のエンベロープデータを算出し、前記制御パラメータ生成手段は、複数種類の運転状態パラメータの時間微分値のエンベロープデータを合成して前記エンジン音加工制御パラメータを生成することを特徴とする請求項4に記載のエンジン音加工装置。
  6. 前記制御パラメータ生成手段は、前記運転状態パラメータの時間微分値のエンベロープを示すエンベロープデータを生成する第2のパラメータ加工手段を含み、前記第1のパラメータ加工手段により算出された時間微分値および前記第2のパラメータ加工手段により算出されたエンベロープデータを合成して前記エンジン音加工制御パラメータを生成することを特徴とする請求項2に記載のエンジン音加工装置。
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