JP2008095670A - ゴムインペラ交換工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポンプケーシング内のゴムインペラを抜き出し、再び装着をする為の交換工具であって、短時間でゴムインペラを傷付ける事無く容易に交換する事ができるゴムインペラ交換工具を提供する事。
【解決手段】ポンプケーシング内面とゴムインペラの間に挿入する薄板状円筒部とその上部に取り付けられた取っ手部から成るゴムインペラ交換工具の薄板状円筒部をポンプケーシング内面10とゴムインペラ8の間に、薄板状円筒6を挿入し、薄板状円筒を抜くだけの操作によりゴムインペラ8は簡単に抜き出す事ができ、又逆の手順によりポンプ本体にゴムインペラ8を装着することができる。
【選択図】図6

Description

この発明はゴムインペラ式ポンプのゴムインペラを交換するために使用する交換工具に関するものである。
ゴムインペラについて図7で説明するとゴムインペラは真鍮製のボス13を中心にその周りに溶着された複数のゴムインペラフィン8−1から成りポンプケーシング12に収納されている。ポンプケーシング内中心部にはスプライン溝加工された駆動軸11がありこの駆動軸によってゴムインペラが駆動される。
ゴムインペラはポンプケーシング内面10に自らのゴムの弾力によって押し付けられながら回転する為に、ゴムインペラフィン先端8−2の磨耗や、ゴムの経年劣化によりゴムインペラフィン部分8−1の亀裂や弾力の低下によるポンプ性能の低下につながるため消耗部品として、定期的にゴムインペラの点検又は交換が必要である。
そのためインペラを交換する時や点検時にゴムインペラの磨耗や亀裂の点検をするためにポンプケーシングからゴムインペラを抜き出す必要があるが、ペンチやプライヤで抜き出すのは容易では無く又ポンプケーシングに傷を付ける恐れがあるため現在はゴムインペラ抜き出し専用工具により実施を行っている。
このようなゴムインペラ抜き出し専用工具については、例えば特開2004−108305に記載している。そこに記載されているゴムインペラ抜き出し専用工具を図8と図9で説明すると、センターボルト15及びセンターナット部16−1を挟んで両側に金属製の鋭いツメ18が付いたアーム19があり、そのアームをゴムインペラのフィンの間に両側から挟み込むように差込む。その後、左右の固定用押しボルト14によりアーム先端のツメを左右からゴムインペラ本体に押し付け、ツメを突き刺して工具をゴムインペラに固定する。後はセンターボルトを回転させてセンターナット16−1下部より突き出させセンターボルト先端で駆動軸を押す事により反作用でゴムインペラを抜き出す事ができる。
特開2004−108305
しかしこのようなゴムインペラ抜き出し専用工具には次のような問題がある。
ゴムインペラ抜き出し専用工具をポンプケーシング内に装着するためには図8で説明するとセンターボルトの上端よりアーム先端ツメ18の下端までのスペースが必要である。しかし実際にはこのスペースを確保できない場合があり、そのためポンプの取り付けボルトを外しポンプ本体を移動してスペースを確保してから作業を行う。この方法が不可能な場合はこのようなゴムインペラ抜き出し専用工具を使用することが出来ない為ペンチやプライヤ等で時間をかけて抜く以外に方法が無かった。
またポンプケーシング内面とゴムインペラフィンの接触による摩擦抵抗が大きく、ゴムインペラを引き出す為には、ゴムインペラ抜き出し専用工具のツメをしっかりと食い込ませる必要がある。しかし、図8に見られる通り力点16から支点17の寸法と支点17から作用点18の寸法の比率からも分かる様に18のツメをゴムインペラに食い込ませる為には固定用押しボルト14をスパナ等によって相当のトルクで締め付けなければならない。作業スペースの狭い所や設置場所によっては操作が困難な場合があり作業時間が長引く事がある。
またゴムインペラ交換時はゴムインペラを再使用しない為、問題ないが、点検時に抜き出す場合、このようなゴムインペラ抜き出し専用工具ではツメをゴムに突き刺して抜き出す為ゴムインペラ本体に大きな傷がついてしまい再使用する事ができない場合がある。
またこのようなゴムインペラ抜き出し専用工具は作業スペースが十分あり又ポンプケーシング内を目視しながら作業出来る場合は良いが、作業スペースが狭い場合やポンプの設置場所によってはポンプケーシング内を目視することが出来ずゴムインペラ抜き出し専用工具の装着及び操作がしづらい場合がある。
またこのようなゴムインペラ抜き出し専用工具はゴムインペラを抜く為だけの工具であり、再びゴムインペラをポンプケーシング内に装着する場合は手で押し込み、必要に応じてプラスチックハンマー等で叩き込み装着する必要があった。しかしスペースの関係でプラスチックハンマー等を使用出来ず装着が困難な場合がある。
この発明は上記問題を解消し、安全にまた短時間でゴムインペラの交換作業を実施できるようにすることを課題とする。
課題を解決する為の手段
上記課題を解決するため円筒状のポンプケーシング内に収納されているボスを中心にゴム製のフィンを複数枚有する水車形状のゴムインペラを抜き出し再び装着を行う工具であって、ポンプケーシング内面とゴムインペラの間に挿入する薄板状円筒部と、その上部に設けられた取っ手から成る事を特徴とする交換工具を考えた。
まず、本発明のゴムインペラ交換工具を使用したゴムインペラの抜き出し方法を説明すると、薄板状円筒部をポンプケーシング内面とゴムインペラ間に手で回転させながら押し込む。ゴムインペラの先端部分はゴムインペラ交換工具の薄板状円筒の回転方向に沿って倒れながらゴムインペラ交換工具の薄板状円筒内へ入って行くため抵抗は少なく簡単に底まで押し込む事ができる。
抜き出し時はゴムインペラ交換工具の薄板状円筒部を回転させずそのまま引く事により、ゴムインペラの先端部分は自らのゴムの弾性によって、このゴムインペラ交換工具の薄板状円筒内へ押し付けられるため薄板状円筒内面とゴムインペラの摩擦抵抗によりゴムインペラはゴムインペラ交換工具の薄板状円筒内に保持される。
この時、薄板状円筒の外径とポンプケーシング内面及びゴムインペラ駆動軸とゴムインペラボス部間には適度の隙間が設けられており各相互間の抵抗はほとんど無く、したがって短時間にゴムインペラを傷付けることなく、ゴムインペラ交換工具と共にゴムインペラを抜き出す事ができる。
次にこのゴムインペラ交換工具を使用したゴムインペラの装着方法を説明するとあらかじめゴムインペラ交換工具の薄板状円筒内にゴムインペラを装着しておく。薄板状円筒内に装着されたゴムインペラのボス部をポンプケーシング内のゴムインペラ駆動軸にあてがいスプラインを合わせながらゴムインペラ交換工具を回転させず、まっすぐにポンプケーシング内の底まで押し込む。
その後ゴムインペラ交換工具だけを抜き出すために再び手でゴムインペラ交換工具を回転させる。ゴムインペラ駆動軸はモータ又はエンジンに直結され回転しない。ゴムインペラ交換工具を回転させることによりゴムインペラの先端部分は回転方向に沿って倒れ込みゴムインペラ交換工具の薄板状円筒内面とゴムインペラの相互間の摩擦抵抗は減少する。
しかしゴムインペラ駆動軸とゴムインペラボス部の相互間の摩擦抵抗は手でゴムインペラ交換工具を回転する事により増加する。ゴムインペラ交換工具の薄板状円筒内面とゴムインペラ相互間の摩擦抵抗よりゴムインペラ駆動軸とゴムインペラボス部の摩擦抵抗の方が勝るためゴムインペラ交換工具だけ抜き出すことができる。
またゴムインペラ交換工具の薄板状円筒部下端に突起状のガイドを設けた事を特徴とするゴムインペラ交換工具を考えた。
このゴムインペラ交換工具の薄板状円筒部下端の突起状のガイドの作用を説明すると、このガイドをポンプケーシング内のゴムインペラのフィンの間に挿入しゴムインペラ交換工具を手で回転させながら押し込むと突起状のガイドがポンプケーシング内面に沿って滑りながらゴムインペラ交換工具の薄板状円筒部を挿入することができるので作業スペースが小さくて目視出来ない場合でもゴムインペラ交換工具の薄板状円筒部とポンプケーシング内面がずれる事無く容易に操作ができる。
さらに、ゴムインペラ交換工具の取っ手部を交換出来るようにしてスペースの狭い所でも作業できる事を特徴とするゴムインペラ交換工具を考えた。
発明の効果
本発明は薄板状円筒部とその上部に取り付けられた取っ手部から成る構成としたので操作が簡単な為、スペースが小さい場所でも短時間でゴムインペラに傷を付けずに抜き出し及び装着ができ又ハンマー等でたたく必要が無い為安全に作業が出来る。
又本発明は薄板状円筒部の下端に突起状のガイドを設けたので、作業スペースが小さく目視出来ない場合でもゴムインペラ交換工具がずれる事無く容易に操作できる
さらに本発明は取っ手部を交換出来るようにしたので、ゴムインペラ交換工具をポンプ周りのスペース等に合わせて使用出来る為、多彩な作業スペースに対応する事が出来る。
本発明ゴムインペラ交換工具の具体的な実施例を図1で説明すると、形状は薄板状円筒6である。この薄板状円筒部をゴムインペラとポンプケーシングとの間にあてがい挿入する場合ゴムインペラの弾力のために挿入しにくく、ずれる可能性があるため薄板状円筒部下端に挿入時の補助を行う為の突起状のガイド7を付けた。このガイドをポンプケーシング内のゴムインペラのフィンの間に差し込む事により薄板状円筒とポンプケーシングがずれる事無く操作できる。
又このゴムインペラ交換工具の取っ手について図1で説明すると作業スペース等によって最適な工具形態にするため薄板状円筒上端に各種取っ手を取り付ける為の金具1を付けた。薄板状円筒上端の金具1にはネジが2箇所1−1が切ってありボルトをねじ込み締め付ける事が出来る。又図2図3の各取っ手にも2箇所ボルト穴3がありこの穴を使い薄板状円筒上端の金具に取っ手をボルトで固定して使用する。
取っ手の選定について図2図3図4図5で説明すると、ゴムインペラ抜き出し側を正面にして十分なスペースがある場合薄板状円筒上端部の金具のネジ穴を使用して図2の取っ手を使用すれば、図4の状態になり、両手を使える為より容易に作業する事が出来る。
又ポンプの取り付け方向や取り付け場所等によりスペースが狭く、図2の取っ手が使用出来ない場合は図3の取っ手を使用すれば、図5の状態になり、狭い場所でも片手で操作する事が出来る。
又図1の薄板状円筒上端の金具1には1箇所ラチェットレンチ差込穴2があいておりゴムインペラを抜き出すスペースが小さく取っ手を付けると操作出来ない場合ラチェットレンチにより補助することができる。
薄板状円筒上端から下端のガイド先端迄の高さはおおよそゴムインペラの厚みと同じ寸法であり薄板状円筒の外形寸法は図6のポンプケーシング内面10の最小内径より若干小さい寸法6となる。尚ポンプの容量によりゴムインペラの大きさも変わるためポンプの大きさに合ったゴムインペラ交換工具が必要である。
上端に取っ手金具、下端にガイドが付いた薄板状円筒の側面図。 取っ手の一実施例 取っ手の他の実施例 薄板状円筒に図2の取っ手を取り付けた一例。 薄板状円筒に図3の取っ手を取り付けた一例。 本発明のゴムインペラ交換工具を使用中の図。 ポンプケーシング内部図。 従来のゴムインペラ抜き出し専用工具使用中の図9B−Bの断面図。 従来のゴムインペラ抜き出し専用工具使用中の図8A−Aの断面図。
符号の説明
1 取り付け用金具
1−1 取り付け用ネジ穴
2 ラチェットハンドル取り付け用穴
3 取り付けボルト穴
4 握り部分
5 取り付けボルト
6 本発明のゴムインペラ交換工具の薄板状円筒部
7 突起状のガイド
8 ゴムインペラ
8−1 ゴムインペラフィン
8−2 ゴムインペラフィン先端
10 ポンプケーシング内面
11 ゴムインペラ駆動軸
12 ポンプケーシング
13 ゴムインペラボス部
14 固定用押しボルト
15 センターボルト
16 力点
17 支点
18 作用点ツメ部
19 アーム

Claims (3)

  1. 円筒状のポンプケーシング内に収納されているボスを中心にゴム製のフィンを複数枚有する水車形状のゴムインペラを抜き出し再び装着を行う工具であって、ポンプケーシング内面とゴムインペラの間に挿入する薄板状円筒部とその上部に取り付けられた取っ手部から成る事を特徴とするゴムインペラ交換工具。
  2. 薄板状円筒部の下端に突起状のガイドを設けた事を特徴とする請求項1に記載のゴムインペラ交換工具。
  3. 取っ手部を交換出来るようにした事を特徴とする請求項1に記載のゴムインペラ交換工具。
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