JP2008095621A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントロールシャフトが軸線方向に熱膨張したとき、機関バルブのバルブ特性の適正状態からのずれの各気筒間でのばらつきを回避することのできる内燃機関の可変動弁装置を提供する。
【解決手段】各気筒のバルブリフト可変機構14における入力アーム17及び出力アーム18の間にカラー55が介在され、そのカラー55が立壁部45に対しコントロールシャフト16の軸線方向に相対移動可能となっている。このため、コントロールシャフト16がその軸線方向に熱膨張してスライダが同じく軸線方向に変位したとき、同スライダと係合されている入力アーム17及び出力アーム18も上記軸線方向に変位する。従って、上記熱膨張時に各気筒におけるスライダと入力アーム17及び出力アーム18との上記軸線方向についての相対位置が変化することはなく、それらの相対位置の変化に起因する吸気バルブのバルブ特性の適正状態からのずれが生じることもない。
【選択図】図7
【解決手段】各気筒のバルブリフト可変機構14における入力アーム17及び出力アーム18の間にカラー55が介在され、そのカラー55が立壁部45に対しコントロールシャフト16の軸線方向に相対移動可能となっている。このため、コントロールシャフト16がその軸線方向に熱膨張してスライダが同じく軸線方向に変位したとき、同スライダと係合されている入力アーム17及び出力アーム18も上記軸線方向に変位する。従って、上記熱膨張時に各気筒におけるスライダと入力アーム17及び出力アーム18との上記軸線方向についての相対位置が変化することはなく、それらの相対位置の変化に起因する吸気バルブのバルブ特性の適正状態からのずれが生じることもない。
【選択図】図7
Description
本発明は、内燃機関の可変動弁装置に関するものである。
自動車用エンジン等の内燃機関においては、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブのバルブ特性を可変とするバルブリフト可変機構を備えたものが知られている。例えば、特許文献1の内燃機関では、内燃機関の各気筒毎に設けられたバルブリフト可変機構が複数の立壁部の間に設けられるとともに当該立壁部により隣のバルブリフト可変機構と隔てられている。そして、バルブリフト可変機構は、各気筒に亘って延びて各立壁部を貫通するコントロールシャフトに対し係合されて同シャフトの駆動に基づき軸線方向に変位するスライダと、そのスライダに対し係合されて同スライダの前記軸線方向への変位に基づき機関バルブのバルブ特性を可変とすべく駆動される可変駆動部とを備えている。
上記コントロールシャフトの端部には、同シャフトを駆動するアクチュエータが接続されている。そして、このアクチュエータによりコントロールシャフトを駆動してスライダを可変駆動部に対し同シャフトの軸線方向に相対的に変位させることにより、同可変駆動部が駆動されて各気筒の機関バルブのバルブ特性が同時に変更される。なお、スライダがコントロールシャフトの軸線方向に変位する際、そのスライダに対応する可変駆動部の当該軸線方向への変位は立壁部によって規制される。従って、スライダの変位に伴って可変駆動部が同スライダと同方向に変位し、スライダの可変駆動部に対するコントロールシャフトの軸線方向への相対移動が行えなくなることを防止できる。
特開2005−351139公報(段落[0035]、[0037]〜[0040]、図1、図3)
ところで、コントロールシャフトにおいては、その端部がアクチュエータと接続されていることから、同シャフトの軸線方向への熱膨張時には上記端部を基準として当該軸線方向に伸びることになる。このようにコントロールシャフトが熱膨張によって軸線方向に伸びると、同シャフトに対するスライダの係合位置が上記熱膨張の分だけ適正位置から上記軸線方向にずれ、それに伴いスライダも上記軸線方向にずれる。
こうしたコントロールシャフトの熱膨張時には、可変駆動部の上記軸線方向への変位を規制する立壁部も熱膨張し、それによって可変駆動部も上記軸線方向に変位する。ここで、立壁部の熱膨張による可変駆動部の上記軸線方向への変位が、コントロールシャフトの熱膨張によるスライダの上記軸線方向への変位と等しければ、可変駆動部に対する上記軸線方向についてのスライダの相対位置に変化はなく、バルブ特性が適正状態から変化することもない。
しかし、立壁部は内燃機関の軽量化を重視してアルミ合金等で形成され、コントロールシャフトは強度を重視して鉄系材料等で形成されるなど、立壁部とコントロールシャフトとは異なる材料で形成される可能性が高く、両者の熱膨張率は同じにはならない。また、立壁部はシリンダヘッドに固定されているのに対し、コントロールシャフトはその端部をアクチュエータに接続しているだけである。このように両者の熱膨張率、及び設置態様が異なることから、立壁部及びコントロールシャフトの熱膨張時、可変駆動部とスライダとが上記軸線方向に同じだけ変位するとは考えにくい。より詳しくは、立壁部の熱膨張による可変駆動部の上記軸線方向についての変位は僅かであるのに対し、コントロールシャフトの熱膨張によるスライダの上記軸線方向への変位は大きなものとなる可能性が高い。
従って、コントロールシャフトの熱膨張時、同シャフトに係合されるスライダが適正位置から上記軸線方向に変位するときには、スライダと可変駆動部との上記軸線方向についての相対位置が変化し、それに伴いバルブ特性が適正状態からずれることになる。ただし、こうしたバルブ特性の適正状態からのずれが各気筒で均等であれば、そのずれを考慮してコントロールシャフトを駆動することで、バルブ特性を全ての気筒において適正状態とすることが可能になると考えられる。
ところが、コントロールシャフトの上記端部を基準とする軸線方向についての熱膨張量は、当該端部から離れた部分ほど大となる。これは、コントロールシャフトの上記端部から離れるほど、その端部との間にあるコントロールシャフトの材料量が多くなるためである。
このように、コントロールシャフトにおいては上記端部から離れた部分ほど、当該端部を基準とする軸線方向についての熱膨張量が大となることから、上記端部から離れて位置する気筒ほど、コントロールシャフトに対するスライダの係合位置の適正値からの上記軸線方向へのずれが大となる。その結果、上記端部からはなれた気筒ほど、スライダの適正位置からの上記軸方向への変位が大となり、同スライダの可変駆動部に対する上記軸線方向についての相対位置の変化も大となることから、機関バルブのバルブ特性の適正状態からのずれが大となる。従って、コントロールシャフトに軸線方向についての熱膨張が生じると、それに伴うバルブ特性の適正状態からのずれが気筒毎に大きくばらつくことになる。
この場合、いずれかの気筒で上記ずれをなくすようコントロールシャフトを軸線方向に駆動することで、当該気筒のみでバルブ特性を適正状態とすることはできても、その他の気筒ではバルブ特性が適正状態から大きくずれることになり、その気筒での燃焼状態の悪化を招くことは避けられない。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、コントロールシャフトが軸線方向に熱膨張したとき、機関バルブのバルブ特性の適正状態からのずれの各気筒間でのばらつきを回避することのできる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、内燃機関の各気筒毎に設けられたバルブリフト可変機構が複数の立壁部の間に設けられるとともに当該立壁部により隣のバルブリフト可変機構と隔てられており、前記バルブリフト可変機構は、各気筒に亘って延びて各立壁部を貫通するコントロールシャフトに対し係合されて同シャフトの駆動に基づき軸線方向に変位するスライダと、そのスライダに対し係合されて同スライダの前記軸線方向への変位に基づき機関バルブのバルブ特性を可変とすべく駆動される可変駆動部とを備えている内燃機関の可変動弁装置において、前記立壁部を前記コントロールシャフトの軸線方向に貫通して当該軸線方向に移動可能であり、各気筒のバルブリフト可変機構における前記可変駆動部の間に介在する中間部材と、前記立壁部に対する前記中間部材の相対位置を強制的に変更させる位置変更手段とを備えた。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、内燃機関の各気筒毎に設けられたバルブリフト可変機構が複数の立壁部の間に設けられるとともに当該立壁部により隣のバルブリフト可変機構と隔てられており、前記バルブリフト可変機構は、各気筒に亘って延びて各立壁部を貫通するコントロールシャフトに対し係合されて同シャフトの駆動に基づき軸線方向に変位するスライダと、そのスライダに対し係合されて同スライダの前記軸線方向への変位に基づき機関バルブのバルブ特性を可変とすべく駆動される可変駆動部とを備えている内燃機関の可変動弁装置において、前記立壁部を前記コントロールシャフトの軸線方向に貫通して当該軸線方向に移動可能であり、各気筒のバルブリフト可変機構における前記可変駆動部の間に介在する中間部材と、前記立壁部に対する前記中間部材の相対位置を強制的に変更させる位置変更手段とを備えた。
上記構成によれば、コントロールシャフトの軸線方向への熱膨張に伴い、同シャフトに係合する各気筒のスライダが上記軸線方向に変位すると、それらスライダと係合される可変駆動部も同スライダに伴って上記軸線方向に変位する。このように可変駆動部がスライダに伴って変位可能であるのは、各気筒の可変駆動部の間に介在する中間部材が立壁部に対し上記軸線方向に移動可能となっており、その中間部材の移動を通じて上記可変駆動部の立壁部に対する上記軸線方向への相対移動が許容されるためである。そして、各気筒の可変駆動部が対応するスライダの変位に伴って上記軸線方向に変位することから、コントロールシャフトがその軸線方向に熱膨張したとき、各気筒においてスライダと可変駆動部との当該軸線方向についての相対位置が変化し、機関バルブのバルブ特性が適正状態からずれるということはない。従って、それらスライダと可変駆動部との上記軸線方向についての相対位置の変化が各気筒毎に異なり、機関バルブのバルブ特性の適正状態からのずれが各気筒間でばらつくという現象の発生も回避することができる。
ところで、立壁部に対する中間部材の相対位置に関しては、コントロールシャフトの軸線方向への熱膨張時には変化するものの、常に変化しているいるわけではない。このため、立壁部と中間部材との間においては、常に同じ箇所同士が接触した状態になり、当該箇所同士が微小振動等によって擦られて表面損傷(いわゆるフレッティング摩耗)に繋がるおそれがある。しかし、上記構成によれば、位置変更手段によって立壁部に対する中間部材の相対位置が強制的に変更されるため、立壁部と中間部材との間で上述したフレッティング摩耗が生じることを抑制できるようになる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記位置変更手段は、前記中間部材を前記コントロールシャフトの軸線方向に移動させることで、前記立壁部に対する前記中間部材の相対位置を強制的に変更するものとした。
上記構成によれば、位置変更手段による中間部材のコントロールシャフトの軸線方向への移動を通じて、立壁部に対する中間部材の相対位置が強制的に変更され、立壁部と中間部材との間でのフレッティング摩耗の発生が抑制されるようになる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明において、前記位置変更手段は、前記中間部材の移動を内燃機関の運転に悪影響を及ぼさない範囲で行うものとした。
中間部材をコントロールシャフトの軸線方向に強制的に変位させると、それに伴い可変駆動部も上記軸線方向に変位し、スライダと可変駆動部との当該軸線方向についての相対位置に変化が生じ、機関バルブのバルブ特性も変化することとなる。上記構成によれば、こうした機関バルブのバルブ特性の変化が内燃機関の運転に悪影響を及ぼさない範囲で中間部材の上記軸線方向への強制的な移動が行われるため、その移動に伴う内燃機関の運転状態の悪化を問題のないレベルに抑えることができる。
中間部材をコントロールシャフトの軸線方向に強制的に変位させると、それに伴い可変駆動部も上記軸線方向に変位し、スライダと可変駆動部との当該軸線方向についての相対位置に変化が生じ、機関バルブのバルブ特性も変化することとなる。上記構成によれば、こうした機関バルブのバルブ特性の変化が内燃機関の運転に悪影響を及ぼさない範囲で中間部材の上記軸線方向への強制的な移動が行われるため、その移動に伴う内燃機関の運転状態の悪化を問題のないレベルに抑えることができる。
請求項4記載の発明では、請求項2又は3記載の発明において、前記位置変更手段は、前記可変駆動部を前記コントロールシャフトの軸線方向に移動させ、その可変駆動部の移動を通じて前記中間部材の前記軸線方向への移動を行うものとした。
中間部材に関しては、立壁部を貫通した状態にあることから、同立壁部外に露出する部分が少なく、その部分に力を作用させてコントロールシャフトの軸線方向に移動させることは行いにくい。しかし、上記構成によれば、中間部材と隣り合う可変駆動部をコントロールシャフトの軸線方向に移動させることで、その可変駆動部により中間部材が当該軸線方向に押されるため、立壁部を貫通した状態にある上記中間部材の当該軸線方向への移動を的確に行うことができる。
請求項5記載の発明では、請求項2〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記バルブリフト可変機構は、前記機関バルブのバルブ特性として、吸気バルブの最大リフト量及び作動角を可変とするものであって、前記位置変更手段は、前記バルブリフト可変機構が前記機関バルブの最大リフト量及び作動角を最も大とする状態となっているときに限って、前記中間部材を前記軸線方向に移動させるものとした。
中間部材をコントロールシャフトの軸線方向に強制的に変位させると、それに伴い可変駆動部も上記軸線方向に変位し、スライダと可変駆動部との当該軸線方向についての相対位置に変化が生じ、機関バルブのバルブ特性も変化する。その結果、内燃機関の吸入空気量も変化し、同機関の運転状態に影響を及ぼすこととなる。上記構成によれば、バルブリフト可変機構が前記機関バルブの最大リフト量及び作動角を最も大とする状態となっているとき、すなわち内燃機関の吸入空気量が多くなっているときに限って、中間部材のコントロールシャフトの軸線方向への強制的な移動が行われる。こうした中間部材の上記軸線方向への強制的な移動に伴い、内燃機関の吸入空気量が変化することは避けられない。しかし、このときには内燃機関の吸入空気量全体が多いため、その吸入空気量全体に対する上記中間部材の強制的な移動に伴う吸入空気量の変化量の割合は小さくなる。言い換えれば、中間部材の強制的な移動による内燃機関の吸入空気量の変化が同機関の運転状態に影響を及ぼしにくくなる。従って、上述したように中間部材の強制的な移動を行うことで、それに伴う内燃機関の運転状態への影響を小さく抑えることができる。
請求項6記載の発明では、請求項2〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記可変駆動部は、回転するカムにより押されてコントロールシャフトの軸線を中心に揺動する入力アームと、その入力アームの揺動に伴い前記軸線を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる出力アームとを備え、それら入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置の変更を通じて機関バルブのバルブ特性を可変とするものであり、前記入力アーム及び前記出力アームに関しては、それぞれ互いに傾斜方向の異なるスプラインの噛み合わせによって前記スライダと係合し、同スライダの前記軸線方向への変位を通じて揺動方向についての相対位置を変更するものとなっており、前記位置変更手段は、前記機関バルブのリフト時にその際の反力として前記入力アーム及び前記出力アームに対し前記軸線方向に働く力とは逆方向に前記中間部材を移動させるとともに、その移動後の位置での前記中間部材の保持及び当該保持の解除を行うことが可能なものとした。
上記構成によれば、位置変更手段による中間部材の強制的な移動は、機関バルブのリフト時の反力として入力アーム及び出力アームを介して当該中間部材に対しコントロールシャフトの軸線方向に働く力と逆方向に行われる。そして、中間部材は、位置変更手段による強制的な移動後、その位置に同手段によって保持されることとなる。また、位置変更手段による中間部材の保持が解除されると、機関バルブのリフト時の反力として入力アーム及び出力アームを介して当該中間部材に働く力によって、その中間部材が上記反力に基づく力の作用する方向に移動する。従って、位置変更手段による中間部材の強制的な移動が上記反力に基づく力の作用する方向と逆方向という一方向だけですむようになる。
請求項7記載の発明では、請求項6記載の発明において、前記位置変更手段は、内燃機関の低回転時に前記中間部材の前記軸線方向への移動を行うものとした。
機関回転速度が速くなるほど、機関バルブのリフト時の反力に基づく力が入力アーム及び出力アームを介して中間部材に対しコントロールシャフトの軸線方向に働く際、その力が勢いよく加わることになるため、中間部材を上記反力に基づく力に抗して強制的に移動させることが困難になる。上記構成によれば、上記反力に基づく力が中間部材に対し勢いよく加わることのない内燃機関の低回転時に中間部材の強制的な移動が図られるため、その移動を的確に行うことができる。
機関回転速度が速くなるほど、機関バルブのリフト時の反力に基づく力が入力アーム及び出力アームを介して中間部材に対しコントロールシャフトの軸線方向に働く際、その力が勢いよく加わることになるため、中間部材を上記反力に基づく力に抗して強制的に移動させることが困難になる。上記構成によれば、上記反力に基づく力が中間部材に対し勢いよく加わることのない内燃機関の低回転時に中間部材の強制的な移動が図られるため、その移動を的確に行うことができる。
請求項8記載の発明では、請求項6又は7記載の発明において、前記位置変更手段は、内燃機関における潤滑油の温度の高いときに前記中間部材の前記軸線方向への移動を行うものとした。
中間部材をコントロールシャフトの軸線方向に強制的に変位させると、それに伴い入力アーム及び出力アームも上記軸線方向に変位しようとし、その際の入力アーム及び出力アームとスライダとの間で噛み合うスプライン間の摩擦抵抗が上記中間部材等の軸線方向への変位の抵抗となる。互いに噛み合う上記スプライン間は潤滑油によって潤滑されるものの、潤滑油の粘度の高くなる同潤滑油の低温時には当該スプライン間の摩擦抵抗が大きくなり、中間部材の上記軸線方向への強制的な変位を行うために大きな力が必要になる。上記構成によれば、潤滑油の粘度の低くなる同潤滑油の高温時、言い換えれば中間部材の上記軸線方向への強制的な変位を行うために過度に大きな力を必要としないときに同中間部材の変位が行われるため、その変位に要する力を小さく抑えることができる。
以下、本発明を自動車用の直列四気筒エンジンに適用した一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1は、エンジン1の一番〜四番気筒のうちの所定気筒におけるシリンダヘッド2周りの構造を示す拡大断面図である。このエンジン1においては、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、及びピストン5によって燃焼室6が区画され、この燃焼室6には吸気通路7及び排気通路8が各々二つに分岐した状態で接続されている(図1には一方のみ図示)。そして、吸気通路7と燃焼室6との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路8と燃焼室6との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断される。なお、これら吸気バルブ9及び排気バルブ10はそれぞれ各気筒毎に二つずつ設けられている。
図1は、エンジン1の一番〜四番気筒のうちの所定気筒におけるシリンダヘッド2周りの構造を示す拡大断面図である。このエンジン1においては、シリンダヘッド2、シリンダブロック3、及びピストン5によって燃焼室6が区画され、この燃焼室6には吸気通路7及び排気通路8が各々二つに分岐した状態で接続されている(図1には一方のみ図示)。そして、吸気通路7と燃焼室6との間は吸気バルブ9の開閉動作によって連通・遮断され、排気通路8と燃焼室6との間は排気バルブ10の開閉動作によって連通・遮断される。なお、これら吸気バルブ9及び排気バルブ10はそれぞれ各気筒毎に二つずつ設けられている。
シリンダヘッド2には、吸気バルブ9及び排気バルブ10を駆動するための吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12が設けられている。これら吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12は、エンジン1のクランクシャフトからの回転伝達によって回転する。また、吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12には、それぞれ吸気カム11a及び排気カム12aが設けられている。そして、これら吸気カム11a及び排気カム12aの吸気カムシャフト11及び排気カムシャフト12との一体回転を通じて、吸気バルブ9及び排気バルブ10が開閉動作する。
エンジン1には、吸気バルブ9及び排気バルブ10といった機関バルブのバルブ特性を可変とするバルブリフト可変機構として、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角(吸気バルブ9の作動角)を可変とするバルブリフト可変機構14が吸気カム11aと吸気バルブ9との間に設けられている。このバルブリフト可変機構14の駆動を通じて、例えば吸入空気量を多く必要とするエンジン運転状態になるほど、最大リフト量及び作用角が大となるよう制御される。これは最大リフト量及び作用角を大とするほど、吸気通路7から燃焼室6への空気の吸入が効率よく行われ、上述した吸入空気量に関する要求を満たすことが可能なためである。
次に、バルブリフト可変機構14の詳細な構造について説明する。
バルブリフト可変機構14は、回転する吸気カム11aにより押されて上記吸気カムシャフト11と平行に延びるロッカシャフト15及びコントロールシャフト16の軸線を中心に揺動する入力アーム17と、この入力アーム17の揺動に基づき上記軸線を中心に揺動する出力アーム18とを備えている。入力アーム17にはローラ19が回転可能に取り付けられている。そして、そのローラ19が吸気カム11aに押しつけられるよう、入力アーム17がコイルスプリング20によって吸気カム11a側に付勢されている。また、出力アーム18は、その揺動時にロッカアーム21に押しつけられ、同ロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせる。
バルブリフト可変機構14は、回転する吸気カム11aにより押されて上記吸気カムシャフト11と平行に延びるロッカシャフト15及びコントロールシャフト16の軸線を中心に揺動する入力アーム17と、この入力アーム17の揺動に基づき上記軸線を中心に揺動する出力アーム18とを備えている。入力アーム17にはローラ19が回転可能に取り付けられている。そして、そのローラ19が吸気カム11aに押しつけられるよう、入力アーム17がコイルスプリング20によって吸気カム11a側に付勢されている。また、出力アーム18は、その揺動時にロッカアーム21に押しつけられ、同ロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせる。
このロッカアーム21の基端部はラッシュアジャスタ22によって支持され、同ロッカアーム21の先端部は吸気バルブ9に接触している。また、ロッカアーム21は吸気バルブ9のバルブスプリング24によって出力アーム18側に付勢され、これによりロッカアーム21の基端部と先端部との間に回転可能に支持されたローラ23が出力アーム18に押しつけられている。
従って、吸気カム11aの回転に基づき入力アーム17及び出力アーム18が揺動すると、出力アーム18がロッカアーム21を介して吸気バルブ9をリフトさせ、吸気バルブ9の開閉動作が行われる。そして、バルブリフト可変機構14では、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が変更されることで、上記吸気バルブ9の最大リフト量、及び吸気カム11aの吸気バルブ9に対する作用角を可変とする。即ち、入力アーム17と出力アーム18とを揺動方向について互いに接近させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角は小となってゆく。逆に、入力アーム17と出力アーム18とを揺動方向について互いに離間させるほど、吸気バルブ9の最大リフト量及び吸気カム11aの作用角は大となってゆく。
次に、上記バルブリフト可変機構14のシリンダヘッド2への取り付け構造、及びバルブリフト可変機構14の駆動に用いられる上記ロッカシャフト15及びコントロールシャフト16のシリンダヘッド2への取り付け構造について、図2を参照して説明する。
図2は、シリンダヘッド2の上部に形成されたカムキャリア41を上方から見た平面図である。
このカムキャリア41には複数の立壁部45が各気筒に対応して互いに平行となるように設けられている。これら立壁部45は内燃機関の軽量化を図るべくアルミ合金等の軽量な材料によって形成されている。そして、各立壁部45の間には内燃機関の各気筒に対応して上記バルブリフト可変機構14が配設されている。また、隣り合うバルブリフト可変機構14は立壁部45によって隔てられている。バルブリフト可変機構14の駆動に用いられる上記ロッカシャフト15及びコントロールシャフト16は、各バルブリフト可変機構14及び各立壁部45を貫通している。そして、各バルブリフト可変機構14は、ロッカシャフト15を介して上記各立壁部45に支持されている。また、同機構14の入力アーム17及び出力アーム18は立壁部45に挟まれた状態となっている。
このカムキャリア41には複数の立壁部45が各気筒に対応して互いに平行となるように設けられている。これら立壁部45は内燃機関の軽量化を図るべくアルミ合金等の軽量な材料によって形成されている。そして、各立壁部45の間には内燃機関の各気筒に対応して上記バルブリフト可変機構14が配設されている。また、隣り合うバルブリフト可変機構14は立壁部45によって隔てられている。バルブリフト可変機構14の駆動に用いられる上記ロッカシャフト15及びコントロールシャフト16は、各バルブリフト可変機構14及び各立壁部45を貫通している。そして、各バルブリフト可変機構14は、ロッカシャフト15を介して上記各立壁部45に支持されている。また、同機構14の入力アーム17及び出力アーム18は立壁部45に挟まれた状態となっている。
ロッカシャフト15はパイプ状に形成されており、ロッカシャフト15の内部には上記コントロールシャフト16が軸線方向に往復移動可能に支持されている。これらロッカシャフト15とコントロールシャフト16とは共に、必要な強度を確保することを重視して鉄系材料といった強度の高い材料を用いて形成されている。そして、コントロールシャフト16においては、その基端部(図中の左端部)がアクチュエータ47に連結されており、アクチュエータ47の駆動を通じて同シャフト16の軸線方向に移動される。各気筒のバルブリフト可変機構14は、コントロールシャフト16の軸線方向への移動を通じて駆動され、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置を変更させる。
次に、バルブリフト可変機構14の内部構造について、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、バルブリフト可変機構14における入力アーム17及び出力アーム18の内側の構造を示す破断斜視図である。
図3は、バルブリフト可変機構14における入力アーム17及び出力アーム18の内側の構造を示す破断斜視図である。
バルブリフト可変機構14は、入力アーム17及び出力アーム18の内側に配設された円筒状のスライダ26を備えている。このスライダ26の内部には上記ロッカシャフト15が挿入され、ロッカシャフト15の内部には上記コントロールシャフト16が挿入されている。そして、コントロールシャフト16が軸線方向に移動すると、その移動がコントロールシャフト16に取り付けられた係合部材(図3には図示せず)によって、スライダ26に伝達されて同スライダ26も上記軸線方向に変位する。スライダ26の外壁において、長手方向中央部にはヘリカルスプライン27を有する入力ギヤ27aが固定され、長手方向両端部にはヘリカルスプライン29を有する出力ギヤ29aが固定されている。
一方、図4に示されるように、入力アーム17の内壁にはヘリカルスプライン28を有する円環状の内歯ギヤ28aが形成され、出力アーム18の内壁にはヘリカルスプライン30を有する円環状の内歯ギヤ30aが形成されている。そして、入力アーム17の内歯ギヤ28aはスライダ26の入力ギヤ27a(図3)と噛み合わされ、出力アーム18の内歯ギヤ30aはスライダ26の出力ギヤ29a(図3)と噛み合わされている。なお、ヘリカルスプライン27,28とヘリカルスプライン29,30とは、互いに傾斜角が異なっており、例えば互いに歯すじの傾斜方向が逆となっている。
そして、コントロールシャフト16の軸線方向への移動に基づきスライダ26が同軸線方向に変位すると、ヘリカルスプライン27,29とヘリカルスプライン28,30との噛み合いにより、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が変更される。具体的には、スライダ26を図3の矢印L方向に変位させるほど入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が互いに接近するように変更され、スライダ26を矢印H方向に変位させるほど上記相対位置が互いに離間するように変更される。こうした入力アーム17及び出力アーム18の揺動方向についての相対位置の変更を通じて、吸気カム11aの回転により出力アーム18が揺動したときの吸気バルブ9の最大リフト量、及び吸気カム11aの作用角が可変とされる。従って、バルブリフト可変機構14においては、入力アーム17及び出力アーム18が吸気バルブ9のバルブ特性を可変とすべく駆動される可変駆動部となる。
なお、入力アーム17及び出力アーム18の内部にはエンジン1によって駆動されるオイルポンプから油通路を介して潤滑油が供給されており、その潤滑油によって入力アーム17及び出力アーム18とスライダ26との間で互いに噛み合うギヤ(スプライン)間等の潤滑が行われる。
図5は、入力アーム17、出力アーム18、スライダ26及びロッカシャフト15等の内部構造を示す断面図である。
同図に示されるように、バルブリフト可変機構14を駆動するためのロッカシャフト15及びコントロールシャフト16は、シリンダヘッド2に設けられた複数の立壁部45を貫通するとともに、それら立壁部45の間に位置するバルブリフト可変機構14の入力アーム17及び出力アーム18も貫通している。
同図に示されるように、バルブリフト可変機構14を駆動するためのロッカシャフト15及びコントロールシャフト16は、シリンダヘッド2に設けられた複数の立壁部45を貫通するとともに、それら立壁部45の間に位置するバルブリフト可変機構14の入力アーム17及び出力アーム18も貫通している。
コントロールシャフト16に対するスライダ26の係合は、係合部材61を用いて実現されている。そして、スライダ26とコントロールシャフト16とは、上記係合部材61によってコントロールシャフト16の軸線方向に一体移動可能となるように繋がれている。この係合部材61は、スライダ26の内周面に周方向に延びるように形成された溝34に挿入されるブッシュ35と、そのブッシュ35を貫通するとともにロッカシャフト15の長穴33を貫通した状態でコントロールシャフト16に対しその径方向に挿入されるピン51とを備えている。なお、ピン51が貫通する上記長穴33は、ロッカシャフト15の軸線方向(図中の左右方向)に延びている。そして、この長穴33とピン51とは、上記軸線方向についての相対移動のみ可能となっており、ロッカシャフト15の周方向についての相対移動は不能となっている。
従って、コントロールシャフト16が軸線方向に移動すると、それに伴いピン51がロッカシャフト15の長穴33に沿って移動する。その結果、ピン51がブッシュ35の外側面を介して溝34の内側面に押しつけられ、スライダ26がコントロールシャフト16の軸線方向に変位する。そして、このスライダ26の変位を通じて入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が可変とされ、吸気カム11a(図1)の回転により入力アーム17及び出力アーム18が揺動したときの吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角が可変とされる。なお、入力アーム17及び出力アーム18が揺動するときには、それに伴ってスライダ26も周方向に揺動(回動)する。このとき、スライダ26の溝34の内側面がブッシュ35の外側面に対して摺動し、両者の間の摩擦力によってブッシュ35及びピン51も上記周方向に揺動しようとする。しかし、スライダ26の揺動につられてのブッシュ35及びピン51の揺動は、ロッカシャフト15の長穴33の対向する内側面によって規制される。
次に、コントロールシャフト16の熱膨張について図6を参照して説明する。同図において、(a)はコントロールシャフト16の熱膨張前の状態を模式的に示し、(b)はコントロールシャフト16の熱膨張後の状態を模式的に示している。
コントロールシャフト16に熱膨張が生じていないとき、同シャフト16に対する各気筒での係合部材61によるスライダ26の係合位置は、図6(a)に黒三角(▼)で示す位置となる。そして、エンジン1の運転時にコントロールシャフト16がその軸線方向に膨張する際には、同シャフト16が図6(b)に示されるようにアクチュエータ47に連結される側の端部(基端)を基準として上記軸線方向に延びる。これにより、上記係合位置が図6(a)に黒三角で示される位置から図6(b)に黒三角で示される位置へとずれる。こうした係合位置の適正位置からのずれに伴いスライダ26が適正位置から上記軸線方向にずれると、それに起因して入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置がずれ、吸気バルブ9のバルブ特性が適正状態からずれることは[発明が解決しようとする課題]の欄に記載したとおりである。
そして、図中の黒三角で示される係合位置の上記熱膨張に伴う適正位置からのずれ量は、コントロールシャフト16の上記端部から離れた気筒ほど大となる。より詳しくは、一番気筒〜四番気筒の上記ずれ量をそれぞれ「z1」、「z2」、「z3」、「z4」とすると、それらずれ量z1〜z4は「z1<z2<z3<z4」という関係を有する。これは、上記端部を基準位置とする係合位置までの距離が一番気筒、二番気筒、三番気筒、四番気筒の順で大きくなるためである。すなわち、一番気筒〜四番気筒における上記距離をそれぞれ「x1」、「x2」「x3」「x4」とすると、それら距離は「x1<x2<x3<x4」という関係を有し、一番気筒、二番気筒、三番気筒、四番気筒の順で上記端部と上記係合位置との間にあるコントロールシャフト16の材料量が多くなる。その結果、上記端部を基準位置とする上記係合位置でのコントロールシャフト16の軸線方向についての熱膨張量、言い換えれば上記ずれ量z1〜z4が一番気筒、二番気筒、三番気筒、四番気筒の順で多くなる。
このように、上記ずれ量z1〜z4が「z1<z2<z3<z4」という関係を有することから、上記端部から離れて位置する気筒ほど、すなわち一番気筒、二番気筒、三番気筒、四番気筒の順で吸気バルブ9のバルブ特性の適正状態からのずれが大となってゆく。ここで、各気筒の入力アーム17及び出力アーム18におけるコントロールシャフト16の軸線方向についての位置が立壁部45によって規定されているとすると、それら入力アーム17及び出力アーム18は立壁部45の熱膨張によって上記軸線方向に変位することとなる。しかし、コントロールシャフト16と立壁部45との間には、材料の違いによる熱膨張率の違い、及び、設置態様の違いがあるため、コントロールシャフト16及び立壁部45の熱膨張時、各気筒における立壁部45の間に位置する入力アーム17及び出力アーム18が、それに対応するスライダ26と同じだけ上記軸線方向に変位するとは考えにくい。
従って、コントロールシャフト16及び立壁部45に熱膨張が生じるとき、スライダ26と入力アーム17及び出力アーム18との間に上記軸線方向についての相対位置の変化が生じるとともに、その相対位置の変化が各気筒毎に異なるものとなる、その結果、吸気バルブ9のバルブ特性の適正状態からのずれが気筒毎に大きくばらつくことになる。この場合、いずれかの気筒のバルブ特性の適正状態からのずれを考慮してコントロールシャフト16を軸線方向に駆動することにより、当該気筒での上記ずれをなくすことはできても、その他の気筒ではバルブ特性が適正状態からずれることになり、同気筒での燃焼状態の悪化を招くおそれがある。
次に、上述した不具合を回避するための立壁部45周りの構造について、図7を参照して説明する。
立壁部45は、シリンダヘッド2に形成されたアルミ合金等の軽量材料からなる軸受け42の上側に、同じくアルミ合金等の軽量材料からなるカムキャップ43を、ボルト44で取り付けることによって形成されている。これら軸受け42及びカムキャップ43の間には、円筒状のカラー55がコントロールシャフト16の軸線方向に延びるように設けられている。このカラー55は、立壁部45を貫通して同立壁部45に対し上記軸線方向に移動可能になるとともに、同各気筒の入力アーム17及び出力アーム18の間に介在した状態となっている。また、ロッカシャフト15及びコントロールシャフト16は、上記カラー55を貫通した状態となっている。
立壁部45は、シリンダヘッド2に形成されたアルミ合金等の軽量材料からなる軸受け42の上側に、同じくアルミ合金等の軽量材料からなるカムキャップ43を、ボルト44で取り付けることによって形成されている。これら軸受け42及びカムキャップ43の間には、円筒状のカラー55がコントロールシャフト16の軸線方向に延びるように設けられている。このカラー55は、立壁部45を貫通して同立壁部45に対し上記軸線方向に移動可能になるとともに、同各気筒の入力アーム17及び出力アーム18の間に介在した状態となっている。また、ロッカシャフト15及びコントロールシャフト16は、上記カラー55を貫通した状態となっている。
カラー55においては、その中心線方向の長さが立壁部45の上記軸線方向についての幅よりも大となっており、長手方向両端部が立壁部45外に露出している。このカラー55の長手方向両端部には、立壁部45内に位置する部分よりも大径となる露出部56が形成されている。そして、露出部56とバルブリフト可変機構14(出力アーム18)との間には、入力アーム17及び出力アーム18の上記軸線方向についての位置を調整するためのシム57が設けられている。また、露出部56と立壁部45との間にはクリアランスCが形成されており、このクリアランスCの分だけカラー55がコントロールシャフト16の軸線方向に変位可能となっている。このため、各気筒の入力アーム17及び出力アーム18は、少なくとも上記クリアランスCの分だけは、コントロールシャフト16の軸線方向に変位することが可能となっている。
従って、コントロールシャフト16の軸線方向への熱膨張に伴い、同シャフト16に係合する各気筒のスライダ26(図5)が上記軸線方向に変位すると、それらスライダ26とギヤを介して係合される入力アーム17及び出力アーム18も同スライダ26に伴って上記軸線方向に変位する。このように入力アーム17及び出力アーム18がスライダ26に伴って変位可能であるのは、カラー55が上記クリアランスCの分だけ上記軸線方向に移動可能となっており、そのカラー55の移動を通じて入力アーム17及び出力アーム18の立壁部45に対する上記軸線方向への相対移動が許容されるためである。
そして、各気筒の入力アーム17及び出力アーム18が上述したようにスライダ26に伴って上記軸線方向に移動することから、コントロールシャフト16がその軸線方向に熱膨張したとき、各気筒におけるスライダ26と入力アーム17及び出力アーム18との上記軸線方向についての相対位置が変化することはない。更に、それらの相対位置の変化に起因する吸気バルブ9のバルブ特性の適正状態からのずれが生じることもない。このため、それらスライダ26と入力アーム17及び出力アーム18との上記軸線方向についての相対位置の変化が各気筒毎に異なり、吸気バルブ9のバルブ特性の適正状態からのずれが各気筒間でばらつくという現象の発生を回避することができる。
ところで、立壁部45に対するカラー55の相対位置に関しては、コントロールシャフト16の軸線方向への熱膨張時には変化するものの、常に変化しているわけではない。このため、立壁部45とカラー55との間において、常に同じ箇所同士が接触した状態になり、当該箇所同士が微小振動等によって擦られて表面損傷(いわゆるフレッティング摩耗)に繋がるおそれがある。そこで、この実施形態では、カラー55をコントロールシャフト16の軸線方向に強制的に移動させることで、立壁部45に対するカラー55の相対位置を強制的に変更し、上述したフレッティング摩耗の発生を抑制するようにしている。
次に、カラー55をコントロールシャフト16の軸線方向に強制的に移動させる装置(位置変更手段)について説明する。
吸気バルブ9のリフト時には、その際の反力に基づきスライダ26とギヤを介して係合される入力アーム17及び出力アーム18に対しコントロールシャフト16の軸線方向(図中矢印方向)への力が働く。そして、この矢印方向前方側(図中右側)に位置する出力アーム18には同アーム18の揺動方向に延びる突起65が形成され、同突起65を利用してアクチュエータ66により入力アーム17及び出力アーム18がコントロールシャフト16の軸線方向に強制的に移動される。更に、そのように移動する入力アーム17及び出力アーム18によってカラー55が上記軸線方向に押され、同カラー55も上記軸線方向に強制的に移動される。
吸気バルブ9のリフト時には、その際の反力に基づきスライダ26とギヤを介して係合される入力アーム17及び出力アーム18に対しコントロールシャフト16の軸線方向(図中矢印方向)への力が働く。そして、この矢印方向前方側(図中右側)に位置する出力アーム18には同アーム18の揺動方向に延びる突起65が形成され、同突起65を利用してアクチュエータ66により入力アーム17及び出力アーム18がコントロールシャフト16の軸線方向に強制的に移動される。更に、そのように移動する入力アーム17及び出力アーム18によってカラー55が上記軸線方向に押され、同カラー55も上記軸線方向に強制的に移動される。
アクチュエータ66は、上記突起65における矢印方向前方側の面に接するアーム67を備え、そのアーム67を矢印方向とは逆方向に変位させたり、変位後の位置に保持したり、その保持を解除したりするよう駆動されるものである。こうしたアクチュエータ66としては、例えば電動式のものや油圧式のものを採用することができる。また、アクチュエータ66の駆動制御は、バルブリフト可変機構14の駆動制御など各種制御を実施すべく自動車に搭載された電子制御装置69によって行われる。すなわち、電子制御装置69は、エンジン1の回転速度を検出する速度センサ70、及びエンジン1の潤滑油の油温を検出する油温センサ71などの各種センサからの検出信号を入力し、これら検出信号から把握される機関状態に基づき上記アクチュエータ66の駆動制御を行う。
ここで、電子制御装置69によるアクチュエータ66の駆動制御について説明する。
アクチュエータ66は、次の[1]〜[3] の各動作を所定の間隔をおいて繰り返すよう駆動制御される。[1]アーム67をコントロールシャフト16の軸線方向であって矢印と逆方向に移動させ、カラー55を吸気バルブ9のリフト時の反力に基づく力に抗して上記アーム67と同方向に変位させる。[2]上記[1]の動作後、アーム67をその位置に保持することで、カラー55の上記軸線方向についての位置を保持する。[3]上記[2]でのアーム67の保持を解除することで、吸気バルブ9のリフト時の反力に基づく力によりカラー55を矢印方向に移動させる。
アクチュエータ66は、次の[1]〜[3] の各動作を所定の間隔をおいて繰り返すよう駆動制御される。[1]アーム67をコントロールシャフト16の軸線方向であって矢印と逆方向に移動させ、カラー55を吸気バルブ9のリフト時の反力に基づく力に抗して上記アーム67と同方向に変位させる。[2]上記[1]の動作後、アーム67をその位置に保持することで、カラー55の上記軸線方向についての位置を保持する。[3]上記[2]でのアーム67の保持を解除することで、吸気バルブ9のリフト時の反力に基づく力によりカラー55を矢印方向に移動させる。
こうした[1]〜[3]の動作を繰り返すと、カラー55は上記[1]の動作により矢印と逆方向に強制的に移動され、その後に上記[3]の動作により矢印方向に移動される。これにより、立壁部45に対するカラー55の相対位置が強制的に変更され、上述したフレッティング摩耗の発生を抑制することができるようになる。
上記[1]及び[3]の動作に関しては、その動作によるエンジン1の運転状態への影響を小さく抑えるべく、バルブリフト可変機構14が吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角を最も大とする状態となっているときのみ実施される。なお、バルブリフト可変機構14が駆動されると、吸気バルブ9における図8の実線で示されるバルブ特性が矢印Y4で示されるように変化し、同バルブ9の最大リフト量及び作動角が変化するようになる。そして、吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角が大となるほど、エンジン1の吸入空気量が多くなる。この吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角が最大とされているときには、エンジン1の吸入空気量の調整は吸気通路7のスロットルバルブの開度調整を通じて行われる。
上記[1]や[3]の動作において、カラー55をコントロールシャフト16の軸線方向に移動させるとき、それに伴い入力アーム17及び出力アーム18が上記軸線方向に移動すると、それら入力アーム17及び出力アーム18とスライダ26との間の相対位置に変化が生じる。その結果、入力アーム17及び出力アーム18とスライダ26との間のギヤの噛み合いに起因して、入力アーム17と出力アーム18との揺動方向についての相対位置が変化し、吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角も変化する。更に、吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角が変化に伴い、エンジン1の吸入空気量が変化して同エンジン1の運転状態にも影響が及ぶこととなる。
しかし、上記[1]及び[3]の動作をバルブリフト可変機構14が吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角を最も大とする状態となっているとき、すなわちエンジン1の吸入空気量が多くなっているときのみ実施すれば、これらの動作によるエンジン1の吸入空気量の変化がエンジン1の運転状態に影響を及ぼしにくくなる。これは、このときにはエンジン1の吸入空気量全体が多いことから、その吸入空気量全体に対する上記[1]及び[3]の動作による吸入空気量の変化量の割合が小さくなるためである。従って、上記[1]及び[3]の動作に伴うエンジン1の運転状態への影響を小さく抑えることができるようになる。
なお、上記[1]及び[3]の動作によるカラー55のコントロールシャフト16の軸線方向への移動は、電子制御装置69によるアクチュエータ66の駆動制御を通じて、エンジン1の運転に悪影響を及ぼさない範囲内で行われる。すなわち、上記[1]の動作によるカラー55の上記軸線方向への移動量が当該動作によってエンジン1の運転に悪影響を及ぼすことのない値となるよう設定されている。また、このときのカラー55の上記軸線方向への移動量と、上記[3]の動作によるカラー55の上記軸線方向への移動量とは等しくなる。従って、上記[1]の動作によるカラー55の上記軸線方向への移動量を上述したように設定することで、上記[3]の動作によるカラー55の移動量も当該動作によってエンジン1の運転に悪影響を及ぼすことのない値となる。
また、上記[1]の動作に関しては、バルブリフト可変機構14が吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角を最も大とする状態となっているという条件だけでなく、エンジン1が低回転であって、かつエンジン1の潤滑油の温度が高いという条件のときのみ実施される。図9における斜線の領域は、上記[1]の動作が行われるエンジン回転速度領域、及び潤滑油の温度領域を示している。
上記[1]の動作をエンジン1の低回転時に行うのは、カラー55のコントロールシャフト16の軸線方向への強制的な移動を的確に行うためである。ここで、エンジン回転速度が高くなるほど、吸気バルブ9のリフト時の反力に基づく力が入力アーム17及び出力アーム18を介してカラー55に対し矢印方向に働く際、その力が勢いよく加わることになり、カラー55を上記反力に基づく力に抗して強制的に移動させることが困難になる。しかし、上記反力に基づく力がカラー55に対し勢いよく加わることのないエンジン1の低回転時に上記[1]の動作を行うことにより、カラー55の上記軸線方向への強制的な移動を的確に行うことができる。
また、上記[1]の動作をエンジン1における潤滑油の油温が高いときに行うのは、カラー55のコントロールシャフト16の軸線方向への強制的な移動を大きな力を要することなく行うためである。ここで、カラー55を吸気バルブ9のリフト時の反力に基づく力に抗してコントロールシャフト16の軸線方向に強制的に移動させようとすると、それに伴い入力アーム17及び出力アーム18も上記軸線方向に変位しようとする。このとき、入力アーム17と出力アーム18とスライダ26との間で噛み合うギヤ(スプライン)間の摩擦抵抗が、カラー55、入力アーム17、及び出力アーム18等の上記軸線方向への変位の抵抗となる。互いに噛み合う上記スプライン間は潤滑油によって潤滑されるものの、潤滑油の粘度の低くなる同潤滑油の低温時には当該スプライン間の摩擦抵抗が大きくなり、カラー55の上記軸線方向への強制的な変位を行うために大きな力が必要になる。しかし、潤滑油の粘度が低くなって上記変位を行うために大きな力を必要としない同潤滑油の高温時に上記[1]の動作を行うことにより、カラー55の上記軸線方向への強制的な変位に要する力を小さく抑えることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)各気筒のバルブリフト可変機構14における入力アーム17及び出力アーム18の間にカラー55が介在され、そのカラー55が立壁部45に対しコントロールシャフト16の軸線方向に相対移動可能となっている。このため、コントロールシャフト16がその軸線方向に熱膨張してスライダ26が同じく軸線方向に変位したとき、同スライダ26に係合された入力アーム17及び出力アーム18も上記軸線方向に変位する。このため、各気筒におけるスライダ26と入力アーム17及び出力アーム18との上記軸線方向についての相対位置が変化することはなく、それらの相対位置の変化に起因する吸気バルブ9のバルブ特性の適正状態からのずれが生じることもない。従って、それらスライダ26と入力アーム17及び出力アーム18との上記軸線方向についての相対位置の変化が各気筒毎に異なり、吸気バルブ9のバルブ特性の適正状態からのずれが各気筒間でばらつくという現象の発生を回避することができる。
(1)各気筒のバルブリフト可変機構14における入力アーム17及び出力アーム18の間にカラー55が介在され、そのカラー55が立壁部45に対しコントロールシャフト16の軸線方向に相対移動可能となっている。このため、コントロールシャフト16がその軸線方向に熱膨張してスライダ26が同じく軸線方向に変位したとき、同スライダ26に係合された入力アーム17及び出力アーム18も上記軸線方向に変位する。このため、各気筒におけるスライダ26と入力アーム17及び出力アーム18との上記軸線方向についての相対位置が変化することはなく、それらの相対位置の変化に起因する吸気バルブ9のバルブ特性の適正状態からのずれが生じることもない。従って、それらスライダ26と入力アーム17及び出力アーム18との上記軸線方向についての相対位置の変化が各気筒毎に異なり、吸気バルブ9のバルブ特性の適正状態からのずれが各気筒間でばらつくという現象の発生を回避することができる。
(2)カラー55をコントロールシャフト16の軸線方向に定期的に強制移動させているため、カラー55と立壁部45との間でのフレッティング摩耗の発生を抑制することができる。
(3)カラー55のコントロールシャフト16の軸線方向への強制的な移動は、同カラー55と隣り合う入力アーム17及び出力アーム18をコントロールシャフト16の軸線方向に強制的に移動させ、それら入力アーム17及び出力アーム18でカラー55を押すことによって実現される。ここで、カラー55に関しては、立壁部45を貫通した状態にあることから、同立壁部45外に露出する部分が少なく、その部分に力を作用させてコントロールシャフト16の軸線方向に移動させることは行いにくい。しかし、カラー55と隣り合う入力アーム17及び出力アーム18をコントロールシャフト16の軸線方向に移動させ、それら入力アーム17及び出力アーム18によって立壁部45を貫通した状態にあるカラー55を当該軸線方向に押すことで、そのカラー55の当該軸線方向への強制的な移動を的確に行うことができる。
(4)上記[1]及び[3]の動作はバルブリフト可変機構14が吸気バルブ9の最大リフト量及び作動角を最も大とする状態となっているとき、すなわちエンジン1の吸入空気量が多くなっているときのみ実施されるため、これらの動作によるエンジン1の吸入空気量の変化がエンジン1の運転状態に影響を及ぼしにくくなる。従って、上記[1]及び[3]の動作に伴うエンジン1の運転状態への影響を小さく抑えることができる。
(5)上記[1]及び[3]の動作によるカラー55のコントロールシャフト16の軸線方向への移動は、エンジン1の運転に悪影響を及ぼさない範囲内で行われる。このため、上記カラー55の移動に伴うエンジン1の運転状態の悪化を問題のないレベルに抑えることができる。
(6)アクチュエータ66によるカラー55の軸線方向への強制的な移動は、吸気バルブ9のリフト時の反力に基づく力の作用する方向、すなわち図7の矢印方向と逆方向にのみ行われる。そして、カラー55の上記矢印方向への移動は、吸気バルブ9のリフト時の反力に基づく力によって行われる。従って、アクチュエータ66によるカラー55の上記軸線方向についての強制的な移動が、上記矢印方向とは逆方向という一方向だけですむようになる。
(7)上記[1]の動作に関しては、吸気バルブ9の反力に基づく力が勢いよくカラー55に加わることのないエンジン1の低回転時に行われる。従って、上記[1]の動作によるカラー55のコントロールシャフト16の軸線方向への強制的な移動を的確に行うことができる。
(8)また、上記[1]の動作に関しては、エンジン1の潤滑油の粘度が低くなる同潤滑油の高温時、言い換えればカラー55の上記軸線方向への強制的な変位を行うために大きな力を必要としなくなる同潤滑油の高温時に行われる。このため、カラー55の上記軸線方向への強制的な変位に要する力を小さく抑えることができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・上記[1]の動作に関しては、必ずしもエンジン1の低回転時や潤滑油の高温時に限定する必要はない。すなわち、上記[1]の動作は、エンジン1の低回転時以外のときや潤滑油の高温時以外のときにも実施可能である。
・上記[1]の動作に関しては、必ずしもエンジン1の低回転時や潤滑油の高温時に限定する必要はない。すなわち、上記[1]の動作は、エンジン1の低回転時以外のときや潤滑油の高温時以外のときにも実施可能である。
・上記[1]及び[3]の動作に関しては、必ずしもバルブリフト可変機構14が最大リフト量及び作動角を最も大とする状態であるときのみに限定する必要はない。
・カラー55をコントロールシャフト16の軸線方向の一方向と他方向との両方向について強制的に移動させるようにしてもよい。この場合、アクチュエータ66のアーム67の先端に出力アーム18から突出する突起65を上記軸線方向両側から挟む把持部を設け、その把持部によって出力アーム18及びカラー55の上記両方向への移動を可能とすることが考えられる。
・カラー55をコントロールシャフト16の軸線方向の一方向と他方向との両方向について強制的に移動させるようにしてもよい。この場合、アクチュエータ66のアーム67の先端に出力アーム18から突出する突起65を上記軸線方向両側から挟む把持部を設け、その把持部によって出力アーム18及びカラー55の上記両方向への移動を可能とすることが考えられる。
・アクチュエータ66のアーム67をカラー55の露出部56等に直接的に接触させ、そのアクチュエータ66によって直接的に同カラー55をコントロールシャフト16の軸線方向に変位させるようにしてもよい。
・コントロールシャフト16をその軸線回りに回転駆動されるものとし、同シャフト16とスライダ26とを係合する係合部材を上記コントロールシャフト16の回転運動をスライダ26の上記軸線方向についての直線運動に変換するものとしてもよい。具体的には、上記係合部材をコントロールシャフト16の外周面に形成された雄ねじと噛み合うものとし、その係合部材のコントロールシャフト16の回転運動に伴う周方向への変位を禁止する。この場合、コントロールシャフト16が回転すると、同シャフト16の雄ねじと噛み合う係合部材が上記軸線方向に変位してスライダ26を当該軸線方向に押し、そのスライダ26が当該軸線方向に変位することとなる。
・排気バルブのバルブ特性を可変とする可変動弁装置に本発明を適用してもよい。
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…シリンダブロック、5…ピストン、6…燃焼室、7…吸気通路、8…排気通路、9…吸気バルブ、10…排気バルブ、11…吸気カムシャフト、11a…吸気カム、12…排気カムシャフト、12a…排気カム、14…バルブリフト可変機構、15…ロッカシャフト、16…コントロールシャフト、17…入力アーム、18…出力アーム、19…ローラ、20…コイルスプリング、21…ロッカアーム、22…ラッシュアジャスタ、23…ローラ、24…バルブスプリング、26…スライダ、27…ヘリカルスプライン、27a…入力ギヤ、28…ヘリカルスプライン、28a…内歯ギヤ、29…ヘリカルスプライン、29a…出力ギヤ、30…ヘリカルスプライン、30a…内歯ギヤ、33…長穴、34…溝、35…ブッシュ、41…カムキャリア、42…軸受け、43…カムキャップ、44…ボルト、45…立壁部、47…アクチュエータ、51…ピン、55…カラー(中間部材)、56…露出部、57…シム、61…係合部材、65…突起、66…アクチュエータ、67…アーム、69…電子制御装置、70…速度センサ、71…油温センサ。
Claims (8)
- 内燃機関の各気筒毎に設けられたバルブリフト可変機構が複数の立壁部の間に設けられるとともに当該立壁部により隣のバルブリフト可変機構と隔てられており、前記バルブリフト可変機構は、各気筒に亘って延びて各立壁部を貫通するコントロールシャフトに対し係合されて同シャフトの駆動に基づき軸線方向に変位するスライダと、そのスライダに対し係合されて同スライダの前記軸線方向への変位に基づき機関バルブのバルブ特性を可変とすべく駆動される可変駆動部とを備えている内燃機関の可変動弁装置において、
前記立壁部を前記コントロールシャフトの軸線方向に貫通して当該軸線方向に移動可能であり、各気筒のバルブリフト可変機構における前記可変駆動部の間に介在する中間部材と、
前記立壁部に対する前記中間部材の相対位置を強制的に変更させる位置変更手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記位置変更手段は、前記中間部材を前記コントロールシャフトの軸線方向に移動させることで、前記立壁部に対する前記中間部材の相対位置を強制的に変更するものである
請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記位置変更手段は、前記中間部材の移動を内燃機関の運転に悪影響を及ぼさない範囲で行うものである
請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記位置変更手段は、前記可変駆動部を前記コントロールシャフトの軸線方向に移動させ、その可変駆動部の移動を通じて前記中間部材の前記軸線方向への移動を行うものである
請求項2又は3記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記バルブリフト可変機構は、前記機関バルブのバルブ特性として、吸気バルブの最大リフト量及び作動角を可変とするものであって、
前記位置変更手段は、前記バルブリフト可変機構が前記機関バルブの最大リフト量及び作動角を最も大とする状態となっているときに限って、前記中間部材を前記軸線方向に移動させるものである
請求項2〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記可変駆動部は、回転するカムにより押されてコントロールシャフトの軸線を中心に揺動する入力アームと、その入力アームの揺動に伴い前記軸線を中心に揺動して機関バルブをリフトさせる出力アームとを備え、それら入力アームと出力アームとの揺動方向についての相対位置の変更を通じて機関バルブのバルブ特性を可変とするものであり、
前記入力アーム及び前記出力アームに関しては、それぞれ互いに傾斜方向の異なるスプラインの噛み合わせによって前記スライダと係合し、同スライダの前記軸線方向への変位を通じて互いの揺動方向についての相対位置を変更するものとなっており、
前記位置変更手段は、前記機関バルブのリフト時にその際の反力として前記入力アーム及び前記出力アームに対し前記軸線方向に働く力とは逆方向に前記中間部材を移動させるとともに、その移動後の位置での前記中間部材の保持及び当該保持の解除を行うことが可能なものである
請求項2〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記位置変更手段は、内燃機関の低回転時に前記中間部材の前記軸線方向への移動を行うものである
請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記位置変更手段は、内燃機関における潤滑油の温度の高いときに前記中間部材の前記軸線方向への移動を行うものである
請求項6又は7記載の内燃機関の可変動弁装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006279909A JP2008095621A (ja) | 2006-10-13 | 2006-10-13 | 内燃機関の可変動弁装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006279909A JP2008095621A (ja) | 2006-10-13 | 2006-10-13 | 内燃機関の可変動弁装置 |
Publications (1)
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JP2008095621A true JP2008095621A (ja) | 2008-04-24 |
Family
ID=39378722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006279909A Pending JP2008095621A (ja) | 2006-10-13 | 2006-10-13 | 内燃機関の可変動弁装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008095621A (ja) |
-
2006
- 2006-10-13 JP JP2006279909A patent/JP2008095621A/ja active Pending
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