JP2008095566A - 気体圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】気体圧縮機において、振動の発生を実質的に抑制する。
【解決手段】リヤサイドブロック20の、回転軸51を中心とした半径方向の外周部のうち、回転軸51に平行な方向についてロータ40に近い側の部分20aが、ケース11(ハウジングの一部)の内周面11bに嵌合される。
【選択図】図3

Description

本発明は気体圧縮機に関し、詳細には、ハウジング内における圧縮機本体の支持の改良に関する。
従来より、空気調和システム(以下、空調システムという。)には、冷媒ガスなどの気体を圧縮して、空調システムに気体を循環させるための気体圧縮機(コンプレッサ)が用いられている。
ここで、一般的なコンプレッサの1つとして例えばベーンロータリ形式のコンプレッサが知られている。このベーンロータリ形式のコンプレッサは、ハウジングの内部に、圧縮機本体が収容された構成となっている。
圧縮機本体は、回転軸と一体的に回転する略円柱状のロータと、ロータの外周面(円柱周面)の外方を取り囲む、断面輪郭が略楕円状のシリンダと、ロータに埋設されて、突出側の先端がシリンダの略楕円状の内周面に追従するように該ロータの外周面からの突出量が可変とされた板状のベーンと、ロータおよびベーンを、ロータの両端面側から覆うとともに、ロータの両端面からそれぞれ突出した回転軸の部分を軸支する2つのサイドブロックとを備えた構成となっている。
そして、圧縮機本体は、2つのサイドブロックのうち一方のサイドブロックの側で、外方から圧縮機本体を覆うハウジングに固定されているとともに、他方のサイドブロックの半径方向外周部が、環状に形成された弾性材料のOリングを介して、ハウジングの内周面に、全周に亘って支持されていることで、圧縮機本体は、ハウジング内の所定位置に支持されている(特許文献1)。
ところで、圧縮機本体からは、内部で圧縮された気体が周期的に吐出され、この気体の吐出により、圧縮機本体は、回転軸を中心とした半径方向に反力を受ける。
ここで、回転体を両側から覆う2つのサイドブロックのうち一方のサイドブロックがハウジングに固定されて、圧縮機本体はハウジングに固定されているが、他方のサイドブロックはOリングによって弾性支持されているため、圧縮機本体は、この反力によって、固定されているサイドブロック側を基準として他方のサイドブロック側に曲げモーメントが生じ、圧縮気体の吐出周期に応じた周期的な曲げモーメントの発生により圧縮機本体は揺動し、気体圧縮機全体として振動発生の要因となっている。
そこで、他方のサイドブロックの外周部を、ハウジングの内周面に直接当接させる試みが提案されている(特許文献2)。
この提案によれば、他方のサイドブロックの外周部での曲げモーメントは発生せず、両サイドブロック間で生じる曲げモーメントは、非常に小さくなるため、気体圧縮機の振動を大幅に低減することができる。
特開2005−273550号公報(段落[0076]、図1) 特開2001−304158号公報(段落[0011]〜[0012]、図2)
ここで、特許文献2に開示されたものは、リヤケース(ハウジングに相当)に嵌合しているのは、リア側側板(他方のサイドブロックに相当)の後端(回転軸に平行な方向に関して圧縮機本体の外側に相当)外周部である(特許文献2の[特許請求の範囲]、段落[0011]の記載および図2)。
そして、特許文献2の技術を、一方のサイドブロックの側でハウジングに固定された気体圧縮機に適用すると、ハウジングの内周面に当接支持される後端外周部は、ハウジングに固定された側のサイドブロックから、回転軸に沿った距離が最も遠い部分であるため、揺動の振幅が最も大きい部分であり、その後端外周部を当接支持することで、最大変位をゼロにする。
しかし、吐出反力が発生するのは2つのサイドブロックの間の部分であって、単に最大の変位をゼロに押さえ込んでも、他の別の部分にその影響が現れることになり、気体圧縮機の振動を抑制することができない場合もある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、振動の発生を実質的に抑制することができる気体圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係る気体圧縮機は、圧縮機本体が2つのサイドブロックを備え、そのうち一方のサイドブロックの側でハウジングに固定され、他方のサイドブロックの半径方向外周部のうち、反力の発生源である回転体に近い側の部分が、ハウジングの内周面に嵌合されたことで、圧縮機本体への反力の伝達を抑制し、振動の発生を実質的に抑制するものである。
すなわち、本発明に係る気体圧縮機は、回転軸と一体的に回転する回転体と、前記回転軸を中心とした該回転体の半径方向の外方を取り囲むシリンダと、前記回転体および前記シリンダの両端面を覆うとともに、前記回転体の両端面からそれぞれ突出した前記回転軸の部分を軸支する2つのサイドブロックとを有する圧縮機本体と、前記圧縮機本体を内部に収容するとともに、前記2つのサイドブロックのうち一方のサイドブロックの側において前記圧縮機本体が固定されたハウジングと、を備え、前記2つのサイドブロックのうち他方のサイドブロックの、前記回転軸を中心とした半径方向の外周部のうち、前記回転軸に平行な方向について前記回転体に近い側の部分が、前記ハウジングの内周面に嵌合されたことを特徴とする。
ここで、圧縮機本体は、ロータとシリンダと両サイドブロックとで囲まれて画成された圧縮室で圧縮された気体が、シリンダの略肉厚方向すなわちロータの略半径方向に向けて圧縮室から吐出されるように、形成されている。
また、回転体に近い側の部分とは、例えば、少なくとも後端部分(サイドブロックの円板状部分の厚さ(回転軸方向に沿った厚さ)の1/2よりも、回転体から遠い側の部分)を除いた部分、等を意味する。
なお、ハウジングは、圧縮機本体の一方のサイドブロックを直接固定することで、一方のサイドブロックの側において圧縮機本体を固定してもよいし、その一方のサイドブロックを直接的に固定しなくても、例えばサイドブロックを挟んだシリンダの端面側で固定してもよい。
このように構成された本発明に係る気体圧縮機によれば、ハウジングに固定されていない側のサイドブロック(他方のサイドブロック)の、回転軸を中心とした半径方向の外周部のうち、回転軸に平行な方向について回転体に近い側の部分、すなわち反力の発生源である回転体に近い側の部分が、ハウジングの内周面に嵌合されたことで、圧縮気体の吐出で生じる圧縮機本体への反力の伝達を抑制し、振動の発生を実質的に抑制することができる。
本発明に係る気体圧縮機によれば、振動の発生を実質的に抑制することができる。
以下、本発明の気体圧縮機に係る最良の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサ100を示す縦断面図、図2は図1におけるA−A線に沿った断面を示す図である。
図示のコンプレッサ100は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、単に空調システムという。)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する。)とともに、冷却媒体の循環経路上に設けられている。
そして、コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスGを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は、圧縮された冷媒ガスGを液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。
高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
また、コンプレッサ100は、ケース11とフロントヘッド12とからなるハウジング10の内部に収容された圧縮機本体と、フロントヘッド12に取り付けられ、図示しない外部の動力源から圧縮機本体への駆動力の伝達を断接する電磁クラッチ13とを備える。そして、圧縮機本体は、後述するフロントサイドブロック31が複数のボルトによってフロントヘッド12に固定されることで、ハウジング10に締結固定されている。
電磁クラッチ13は、ラジアルボールベアリング14を介して、フロントヘッド12に回転自在に支持され、内部に円環状の空間を有し、円状の外周面に、エンジン等外部の動力源によって循環駆動されるベルト等が掛け回されるプーリと、フロントヘッド12に固定支持され、プーリの上記円環状空間内に収容され、通電により磁気吸引力を発生する円環状の電磁コイルと、圧縮機本体の後述する回転軸51に固定され、所定の間隙を介してプーリの端面に対向して配置された円板状を呈し、電磁コイルが発生する磁気吸引力によってプーリの端面に吸着されるアーマチュアとを備え、電磁コイルへの通電により発生する磁気吸引力に応じて、アーマチュアとプーリの端面との断接が切り替えられる。
ケース11は、一端開放の筒状体を呈し、フロントヘッド12は、このケース11の開放された部分を覆うように組み付けられている。また、フロントヘッド12には、蒸発器から低圧の冷媒ガスGが吸入される吸入ポート12aが形成され、この吸入ポート12aには、冷媒ガスGの逆流を防ぐ逆止弁12bが設けられている。一方、ケース11には、圧縮機本体で圧縮された高圧の冷媒ガスGを凝縮器に吐出する吐出ポート11aが形成されている。
ハウジング10内に収容された圧縮機本体は、電磁クラッチ13のアーマチュアを介して供給された駆動力によって軸回りに回転する回転軸51と、この回転軸51と一体的に回転する円柱状のロータ50(回転体)と、ロータ50の外周面の外方(半径方向の外方)を取り囲む断面輪郭略楕円形状の内周面49aを有するとともに、両端が開放されたシリンダ40と、ロータ50の外方に向けて突出可能にロータ50に埋設され、その突出側の先端がシリンダ40の内周面49aに追従するように突出量が可変とされ、回転軸51回りに等角度間隔で配置された5枚の板状のベーン58と、シリンダ40およびロータ50の両側端面の外側からそれぞれの端面を覆うようにシリンダ40に固定された略円板状のフロントサイドブロック30およびリヤサイドブロック20とからなる。
そして、2つのサイドブロック20,30、ロータ50、シリンダ40、および回転軸51の回転方向(図2において時計回りの矢印方向)に相前後する2つのベーン58,58によって画成された各圧縮室48の容積が、回転軸51の回転にしたがって増減を繰り返すことにより、各圧縮室48に吸入された冷媒ガスGを圧縮して吐出するように構成されている。
なお、ロータ50の両端面50a,50bからそれぞれ突出した回転軸51の部分のうち一方の部分は、フロントサイドブロック30の軸受部32に軸支されるとともに、フロントヘッド12を貫通して外方まで延び、この貫通部分がフロントヘッド12により軸支され、外方に延びた部分が電磁クラッチ13のアーマチュアに連結されている。
同様に回転軸51の突出部分のうち他方の側は、リヤサイドブロック20の軸受部22により軸支されており、これらによって、回転軸51は、リヤサイドブロック20およびフロントサイドブロック30に対して回転自在とされている。
また、回転軸51のうち、フロントサイドブロック30の軸受部32よりも外側部分であってフロントヘッド12よりも内側の部分には、リップシール15が配置されて、冷凍機油Rが、回転軸51とフロントヘッド12との隙間からフロントヘッド12の外部に漏れるのを阻止している。
リヤサイドブロック20は、図1のB部拡大図である図3に示すように、回転軸51を中心とした半径方向の外周部のうち、回転軸51に平行な方向についてロータ50に近い側の部分20aが、全周に亘って、ケース11の内周面11bに嵌合されている。この嵌合は、例えば圧入によるものであり、ロータ50に近い側の部分20aの外周面20bはケースの内周面11bに密接している。
そして、フロントヘッド12による回転軸51の支持と、ボルトによるフロントヘッド12へのフロントサイドブロック30の締結固定と、リヤサイドブロック20の外周部のうちのロータ5に近い部分20aの、ケース11の内周面11bへの当接支持によって、圧縮機本体はハウジング10内の所定位置に保持されている。
また、圧縮機本体がケース11の内部に収容された状態で、リヤサイドブロック20とケース11とにより、圧縮機本体から高圧の冷媒ガスGが吐出される高圧雰囲気の吐出室21が形成され、一方、フロントサイドブロック30とフロントヘッド12とにより、圧縮機本体に低圧の冷媒ガスGを供給する低圧雰囲気の吸入室34が形成され、吐出室21は吐出ポート11aに連通し、吸入室34は吸入ポート12aに連通している。
リヤサイドブロック20には、冷凍機油Rを冷媒ガスGから分離するためのサイクロンブロック60が取り付けられており、このサイクロンブロック60は吐出室21内に配置されており、リヤサイドブロック20とサイクロンブロック60との間には、短円柱状の軸背圧空間66が形成されている。
吐出室21の下部には、このコンプレッサ100の摺動部等を潤滑、冷却、清浄するとともに、ベーン58をシリンダ40の内周面49aに向けて突出させて、その先端を内周面49aに当接させた状態に付勢するように、ベーン58に背圧を作用させる冷凍機油Rが溜められている。
すなわち、ロータ50には、図2に示すように、スリット状のベーン溝56が放射状に、かつロータ50の回転中心回りに等角度間隔で5つ形成され、これらのベーン溝56に、前述のベーン58が挿入され、各ベーン58は、ロータ50の回転によって生じる遠心力と、ベーン溝56およびベーン58の底面によって画成された背圧室59に加えられる冷凍機油Rの油圧とにより、シリンダ40の内周面49aに向けて突出し、このベーン58の突出した先端がシリンダ40の内周面49aに当接した状態に付勢され、回転軸51の回転に伴って、この先端は内周面49aに追従する。
これにより、シリンダ40と、ロータ50と、回転軸51の回転方向について相前後する2つのベーン58,58と、フロントサイドブロック30と、リヤサイドブロック20とにより画成された各圧縮室48は、ロータ50の回転にしたがって容積の変化を繰り返す。
また、フロントサイドブロック30には、吸入室34と圧縮室48とを連通させるフロント側吸入口31が開口しており、吸入ポート12aから吸入室34に導入された冷媒ガスGは、このフロント側吸入口31を介して圧縮室48に吸入される。
一方、シリンダ40の外周の一部には凹部が形成され、この凹部は、両サイドブロック20,30の各内側端面とケース11の内周面とによって囲まれた吐出チャンバ45を形成している。
そして、この吐出チャンバ45が形成されて薄肉化されたシリンダ40のうち、冷媒ガスGの圧縮行程に対応した圧縮室48に臨む部分に、圧縮室48内の冷媒ガスGを圧縮室48の外部、すなわち吐出チャンバ45に吐出させる吐出口42が設けられているとともに、圧縮室48の内部圧力に応じて吐出口42を開閉するリードバルブ43が配設されている。
リードバルブ43は板ばね状であって、圧縮室48の冷媒ガスGから吐出口42を通じて作用する圧力(詳細には、この圧力と吐出チャンバ45の内部の圧力(さらに、リードバルブ43を吐出口42に付勢している場合には、その付勢力に応じた初期負荷圧力も加算した圧力)との差)に応じて吐出チャンバ45の側に撓むように弾性変形し、この弾性変形によって、閉止していた吐出口42を開放する。
また、このリードバルブ43が、過大な撓みにより破損したり、大きな撓みの持続によって永久変形が生じるのを防止するために、リードバルブ43の変形量を規制するバルブサポート44が、リードバルブ43に重ね合わされて、シリンダ40に共締め固定されている。
そして、圧縮室48から吐出口42、リードバルブ43を通って吐出チャンバ45に吐出された高圧の冷媒ガスGは、リヤサイドブロック20に形成された連通孔20a、およびリヤサイドブロック20に固定されたサイクロンブロック60のオイルセパレータ60aを経て、吐出室21に吐出される。
一方、サイクロンブロック60およびオイルセパレータ60aによって、冷媒ガスGから分離された冷凍機油Rは、吐出室21の底部に滴下し、前述したようにこの底部に溜められる。
また、このコンプレッサ100には、回転軸51と軸受部22,32との間の潤滑、ロータ50の各端面と各サイドブロック20,30の内側端面との間の潤滑等する目的と、ベーン58をシリンダ40の内周面49aに付勢すべく背圧空間(背圧室59、後述するサライ溝25および軸背圧空間66)に油圧(背圧)を供給等する目的とにより、吐出室21の下部に貯留した冷凍機油Rを各部位に導く構造を備えている。
すなわち、リヤサイドブロック20に、軸受部22に至る油路23が形成され、また、リヤサイドブロック20の内側端面26(ロータ50の端面50aに向いた面)には、軸受部22における油路23の開口から、軸受部22と回転軸51との間の微小隙間(絞り)を通って、ロータ50の背圧室59に連通する凹部であるサライ溝25(中間圧供給溝)が形成されている。
また、軸受部22まで延びた油路23は、軸受部22と回転軸51との間の微小隙間(絞り)を介して、リヤサイドブロック20とサイクロンブロック60との間に形成された空間である軸背圧空間66にも連通し、この軸背圧空間66は背圧連通路28を介してサライ溝25に、圧力損失なく連通している。
これにより、背圧室59、サライ溝25、背圧連通路28および軸背圧空間66は、略同一の圧力Pvとなり、ベーン58の背圧空間を構成している。
この背圧空間に作用する圧力Pvは、具体的には、低圧雰囲気の吸入室34の圧力Psよりも高い圧力であって、軸受部22と回転軸51の周面部分との間の微小隙間(絞り)を通過した分だけ、高圧雰囲気の吐出室21の圧力Pdよりも低い中間圧(Ps<Pv<Pd)となる。
サライ溝25は、軸受部22の中心回りの所定角度範囲に亘って、略扇形状の輪郭(図2において破線で示す)を有する凹部であり、上述した微小隙間を通過して中間圧Pvまで低下した冷凍機油Rが溜められる。
そして、ロータ50の回転に伴って、ロータ50の端面50aに露呈しているベーン溝56の背圧室59がリヤサイドブロック20のサライ溝25を通過している間だけ、ベーン溝56の背圧空間59とサライ溝25とが連通して、ベーン溝56の背圧空間59にサライ溝25の中間圧Pvの冷凍機油Rが供給され、ベーン58はこの供給された冷凍機油Rの中間圧Pvを受けて、シリンダ40の内周面49aに向かって突出する。
また、シリンダ40の底部側には、リヤサイドブロック20の油路23に接続する貫通孔46が設けられ、フロントサイドブロック30に、この貫通孔46のフロントサイドブロック30側の開口と軸受部32とを連通させる油路33が形成され、冷凍機油Rは、軸受部32と回転軸51との間の微小隙間を通過して中間圧Pvまで降圧され、フロントサイドブロック30の内側端面36に形成された凹部であるサライ溝35等に導かれる。
なお、フロントサイドブロック30のサライ溝35も、リヤサイドブロック20のサライ溝25と同様、ロータ50の回転に伴って、ロータ50の端面50bに露呈しているベーン溝56の背圧室59がフロントサイドブロック30のサライ溝35を通過している間だけ、ロータ50の背圧室59に連通している。
一方、フロントサイドブロック30の端面36には、ベーン58の突出側の先端がシリンダ40の略楕円形状の内周面49aのうち短径位置を通過するときの当該ベーン58に対して、シリンダ40の内周面49aに向けて突出させる、吸入行程における圧縮室48内の圧力よりも高圧の付勢力Pdを供給する高圧孔37が形成されている。
具体的には、ロータ50の回転に伴って、ロータ50の端面50aに露呈しているベーン溝56の背圧室59がフロントサイドブロック30の高圧孔37を通過している間(ベーン58の突出側の先端がシリンダ40の略楕円形状の内周面49aのうち短径位置を通過する間)だけ、ベーン溝56の背圧空間59と高圧孔37とが連通して、ベーン溝56の背圧空間59に高圧孔37の高圧Pdの冷凍機油Rが供給され、当該ベーン溝56に対応したベーン58はこの供給された冷凍機油Rの高圧Pdを受けて、シリンダ40の内周面49aに向かって突出する。
高圧孔37は、軸受部32と回転軸51の周面部分との間の微小隙間(絞り)を通過することなく、油路33に連通しているため、サライ溝35に供給される中間圧Pvよりも高い圧力Pdの冷凍機油Rを、ロータ50のベーン溝58の背圧室59に供給することができ、シリンダ40の内周面49aに向けたベーン58の突出力を高めることができる。
ここで、高圧孔37とサライ溝35とは、ベーン溝58の背圧室59を介して互いに連通しないように配設されている。すなわち、高圧孔37は、ベーン58の突出側の先端がシリンダ40の略楕円形状の内周面49aのうち短径位置を通過する間だけ、ベーン溝56の背圧空間59と連通する位置に形成され、この高圧孔37とベーン溝56の背圧空間59とが連通している期間中は、ベーン溝56の背圧空間59がサライ溝35と連通することはなく、ロータ50の回転が進んで、ベーン58の突出側の先端がシリンダ40の略楕円形状の内周面49aのうち短径位置を通過して、ベーン溝56の背圧空間59が高圧孔37に連通しなくなった状態で、ベーン溝56の背圧空間59はサライ溝35に連通する。
この結果、高圧孔37に供給されている冷凍機油Rの圧力(高圧Pd)が、サライ溝35に供給されている中間圧Pvの冷凍機油Rの合流によって低下したり、これとは反対に、サライ溝35に供給されている冷凍機油Rの圧力(中間圧Pv)が、高圧孔37に供給されている高圧Pdの冷凍機油Rの合流によって高められたりするのを防止している。
サライ溝25,35や高圧孔37に供給された冷凍機油Rは、ロータ50のベーン溝58の背圧室59が連通したときに、この背圧室59に対して、ベーン58の突出力(中間圧Pvまたは高圧Pd)をそれぞれ作用させるが、背圧室59が連通しない角度範囲も含めて、ロータ50の端面50a,50bと各サイドブロック20,30の端面26,36との間などに微小隙間にもそれぞれ浸透して、これらの端面50a,26間、端面50b,36間や、サイドブロック20,30の端面26,36とベーン58の側面との間、ベーン58の先端とシリンダ40の内周面49aとの間など、摺動部分における摺動摩擦力を低減したり、生じた摩擦熱を冷やしたり、摩擦で生じた摩耗粉等を洗い流すなどの作用も為している。
そして、各摺動部分に浸透した冷凍機油Rは、圧縮室48内の冷媒ガスGに混じって、冷媒ガスGとともに圧縮室48から吐出され、サイクロンブロック60を介して吐出室21に吐出される。
冷媒ガスGがサイクロンブロック60を通過する間に、この冷媒ガスGに混入していた冷凍機油Rの一部は冷媒ガスGから分離され、冷媒ガスGは吐出室21に吐出されて、空調システムを循環し、一方、分離された冷凍機油Rは吐出室21の下部に滴下して溜められ、主としてこのコンプレッサ100内で循環する。
このように構成された本実施形態のコンプレッサ100によれば、ハウジング10に固定されていない側のリヤサイドブロックの、回転軸51を中心とした半径方向の外周部のうち、回転軸51に平行な方向についてロータ50に近い側の部分20a、すなわち反力の発生源であるロータ50に近い側の部分20aが、ハウジング10の内周面11bに嵌合されたことで、圧縮室48から圧縮された冷媒ガスGの吐出で生じる圧縮機本体への反力の伝達を抑制し、振動の発生を実質的に抑制することができる。
また、重量の軽量化のためにサイドブロック20,30をアルミ材とし、一方、強度面を重視して回転軸51を鋼材としたコンプレッサ100において、リヤサイドブロック20の外周部を従来の気体圧縮機と同様にOリングで弾性支持した場合、アルミ材の熱膨張率は鋼材の熱膨張率の約2倍であるため、圧縮機本体の温度上昇により、回転軸51の軸径の増大量よりも、リヤサイドブロック20の軸受部22の孔径の増大量の方が大きく、軸受部22の孔と回転軸51との間の遊びが大きくなり、回転軸51の振れやそれに伴うロータ50の振れ等が生じる虞がある。
しかし、本発明が適用された実施形態のコンプレッサ100では、リヤサイドブロック20の外周面20bがケース11の内周面11bに嵌合(圧入)しているため、熱によってリヤサイドブロック20が膨張しようとしても、その外周部はケース11の内周面11bにより膨張を阻まれて、軸受部22の孔径の増大も抑制される。
したがって、回転軸51とリヤサイドブロック20の軸受部22との間で遊びが増大するのを抑制することができ、上述した回転軸51やロータ50の振れ等を抑制または防止することができる。
なお、ケース11は、その熱膨張率がリヤサイドブロック20の熱膨張率よりも小さい材料であることが好ましい。
ケース11が、リヤサイドブロック20の熱膨張率よりも大きい熱膨張率の材料で形成されていると、リヤサイドブロック20の外周部20aの半径方向への増大量よりも、ケース11の半径方向への増大量の方が大きくなり、ケース11の内周面11bによる、リヤサイドブロック20の外周部の半径増大の抑制機能が作用しなくなる。
しかし、ケース11が、リヤサイドブロック20の熱膨張率よりも小さい熱膨張率の材料で形成されていれば、リヤサイドブロック20の外周部の半径方向への増大量よりも、ケース11の半径方向への増大量の方が小さくなり、ケース11の内周面11bによる、リヤサイドブロック20の外周部の半径増大の抑制機能を効果的に発揮させることができる。
上述した実施形態のコンプレッサ100は、リヤサイドブロック20の外周面20b自体が、ケース11の内周面11bに直接嵌合したものであるが、従来のOリングの如き弾性部材ではない、剛性材料であれば、リヤサイドブロック20の外周面20bと、ケース11の内周面11bとの間に介在してもよい。
すなわち、図4に示すように、リヤサイドブロック20の、回転軸51を中心とした半径方向の外周部のうち、回転軸51に平行な方向についてロータ50に近い側の部分20cに、サイドブロック20よりも熱膨張率の小さいスリーブ20d(環状部材)が圧入され、このスリーブ20dの外周面20eが、ケース11の内周面11bに嵌合されたものであってもよい。
このように形成されたコンプレッサによっても、上述した実施形態のコンプレッサ100と同様の効果を得ることができる。
すなわち、スリーブ20dを介してリヤサイドブロック20の外周部がケース11の内周面11bに嵌合しているため、熱によってリヤサイドブロック20が膨張しようとしても、スリーブ20dを介してケース11の内周面11bにより膨張を阻まれ、軸受部22の孔径の増大も抑制される。
したがって、回転軸51とリヤサイドブロック20の軸受部22との間で遊びが増大するのを抑制することができ、上述した回転軸51やロータ50の振れ等を抑制または防止することができる。
なお、スリーブ20dを、サイドブロック20よりも熱膨張率の小さい材料とすることで、ケース11の内周面11bによる、リヤサイドブロック20の外周部の半径増大の抑制機能を、スリーブ20dによって発揮させることができる。
本発明に係る気体圧縮機の第一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサを示す縦断面図である。 図1におけるA−A線に沿った面による断面図である。 図1に示したコンプレッサのB部の詳細を示す拡大図である。 変形例についての、図3相当の詳細拡大図である。
符号の説明
11 ケース
11b 内周面
20 リヤサイドブロック
20a 外周部のうちロータに近い側の部分
40 ロータ

Claims (3)

  1. 回転軸と一体的に回転する回転体と、前記回転軸を中心とした該回転体の半径方向の外方を取り囲むシリンダと、前記回転体および前記シリンダの両端面を覆うとともに、前記回転体の両端面からそれぞれ突出した前記回転軸の部分を軸支する2つのサイドブロックとを有する圧縮機本体と、
    前記圧縮機本体を内部に収容するとともに、前記2つのサイドブロックのうち一方のサイドブロックの側において前記圧縮機本体が固定されたハウジングと、を備え、
    前記2つのサイドブロックのうち他方のサイドブロックの、前記回転軸を中心とした半径方向の外周部のうち、前記回転軸に平行な方向について前記回転体に近い側の部分が、前記ハウジングの内周面に嵌合されたことを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記他方のサイドブロックの熱膨張率は、該回転軸の熱膨張率よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
  3. 前記他方のサイドブロックの、前記回転軸を中心とした半径方向の外周部のうち、前記回転軸に平行な方向について前記回転体に近い側の部分に、該サイドブロックよりも熱膨張率の小さい環状部材が圧入され、該環状部材の外周面が、前記ハウジングの内周面に嵌合されたことを特徴とする請求項1または2に記載の気体圧縮機。
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