JP2008095032A - 黄色系色素組成物及びその製造方法 - Google Patents

黄色系色素組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】黄色系顔料は、一般に無機顔料及び有機顔料に大別される。黄色系の無機顔料は、重金属を含むものが多く、使用時及び廃棄後に毒性が問題となる可能性がある。一方、有機顔料は、毒性の問題は無機顔料と比較して低いものの、その複雑な分子構造の構築に必要な多段の化学反応を経て合成されるため、製造工程が複雑となる。
【解決手段】化学組成において、ニオブを0.5重量%以上含有し、かつ、ニオブ、炭素、及び、酸素の総和が50重量%以上であることを特徴とする黄色系色素組成物。分光反射率が600〜800nmの波長では50%以上であり、かつ、400nmでは60%以下である。ニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物を混合して溶液又はスラリーを生じさせることにより製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、有害元素を含まず、煩雑な合成工程を経ることなく簡便に製造でき、種々の用途に利用できる、黄色系色素組成物に関する。
現在知られている黄色系顔料は、一般に無機顔料及び有機顔料に大別される。黄色系の無機顔料は、カドミウムや鉛などの有害重金属を含むものが多く、使用時及び廃棄後に毒性が問題となる可能性がある。最近では、毒性を低減した複合酸化物系の無機顔料が幾つか開発されている(特許文献1〜3)。これらの複合酸化物系無機顔料を作製するためには、複数の酸化物原料を目的に応じた比率となるよう、十分均一に混合する工程が必要である。また、無機顔料は調製した原料混合物の加熱焼成によって作製されるため、通常、用途に応じた粒子径とするために粉砕の工程が必要である。
一方、有機顔料は、毒性の問題は無機顔料と比較して低いものの、その複雑な分子構造の構築に必要な多段の化学反応を経て合成されるため、製造工程が複雑となる。主要な黄色系有機顔料は、アゾ顔料と多環顔料に大別される。アゾ顔料の場合には、アゾ化工程及びカップリング工程の2工程を含む製造方法となり、一般にこれらの工程は0℃以上室温以下の温度で反応を進行させる。また、これらの反応は、酸又はアルカリを必要とし、さらには、反応による副生塩を除去する工程も必要となる場合がある。不溶性のアゾ顔料は耐溶剤性が不良であるものが多く、縮合反応工程を加えて高分子量化により耐溶剤性を改善して使用されることもある。多環顔料はアゾ顔料より合成反応が複雑となり、一般に複数の原料を1時間以上加熱することにより合成される。さらに合成されたものは粗大な粒子となりやすく、機械的な粉砕工程、あるいは、酸又はアルカリを利用した析出反応の工程などが必要となる。
特開平05−270835号公報 特開2000−203845号公報 特開2003−160742号公報
本発明は、有害元素を含まず、煩雑な合成工程を経ることなく簡便に製造でき、種々の用途に利用できる、黄色系色素組成物を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するために、本発明1の黄色系色素組成物は、化学組成において、ニオブを0.5重量%以上含有し、かつ、ニオブ、炭素、及び、酸素の総和が50重量%以上であることを特徴とする。本発明2の黄色系色素組成物は、発明1において、分光反射率が600〜800nmの波長では50%以上であり、かつ、400nmでは60%以下であることを特徴とする。本発明3の黄色系色素組成物は、発明1又は2において、X線回折スペクトルにおいて非晶質構造を示すことを特徴とする。本発明4の黄色系色素組成物は、発明1から3の何れかにおいて、ニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物との反応生成物からなることを特徴とする。
本発明5の黄色系色素組成物の製造方法は、前記発明1から4のいずれかの黄色系色素組成物の製造方法であって、ニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物を混合して溶液又はスラリーを生じさせることを特徴とする。本発明6の黄色系色素組成物の製造方法は、前記発明5において、前記ニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物の混合を、有機溶媒中で行うことを特徴とする。本発明7の黄色系固体色素組成物の製造方法は、発明5又は6の製造方法において生じた溶液又はスラリーを乾燥させることを特徴とする。
本発明の新規な黄色系色素組成物は有害元素を含まず、種々の用途に利用できる。本発明の製造方法は、原料としてニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物を用いることにより、混合のみで反応が自発的にかつ安定して進行するため、加熱及び冷却の必要がなく、しかも、酸及びアルカリを必要としないので、簡便な製造装置を用いて製造できる。
本発明では、ニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物を原料として用いる。色彩の調整などの目的のために、チタンやジルコニウムなど、他の金属アルコキシドを混合したものであってもよい。また、混合によって生じる反応が混合液全体において均一に進行するために、これらを有機溶媒中で混合することが望ましい。ここで、有機溶媒中で混合する方法として、有機溶媒にニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物を混合する方法はもちろんのこと、有機溶媒に希釈したニオブのアルコキシド、及び、有機溶媒に希釈したフェノール又はフェノール化合物を混合する方法でもよい。
ここで、ニオブのアルコキシドについては、アルコキシル基の種類を問わない。キレート化などの処理を施したアルコキシドであってもよい。色彩に影響を与えない範囲で、あるいは、目的に応じた色彩に調整することを目的として、ニオブのアルコキシド中に他の元素を添加元素又は不純物として含むことができる。また、フェノール化合物としては種類を問わないが、液状のレゾール型フェノール樹脂オリゴマーが好適である。固体のフェノール樹脂、あるいは、他のフェノール化合物であっても、溶媒に可溶なものであれば用いることができる。有機溶媒としては、用いるアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物と均一に混合されるものであれば種類を問わないが、その中でも、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコールが望ましい。
一般に、金属アルコキシドは、当該金属あるいはその塩化物などを原料として、アルコールと反応させることにより製造される。そのため、単体のアルコキシドを得るためには、未反応のアルコール分を分離精製する工程が必要である。しかし、本発明においては、アルコールで希釈したアルコキシドも用いることができるため、未反応のアルコールを分離精製していないアルコキシドを用いることにより、コスト的に有利となる。
本発明におけるニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物の混合による反応は、混合のみで自発的に進行する。この反応は、アルコキシドによるフェノール又はフェノール化合物の縮合と考えられる。混合に際しては十分に撹拌することが望ましい。混合によりただちに有色の溶液となるか有色の生成物がアルコキシドから分解したアルコールとともに生じる。ニオブのアルコキシドとフェノール化合物を有機溶媒中で混合した場合には、生成物が有色の粒子となり、混合液全体が有色のスラリーとなる。このような粒子が混合によって直接析出できるために、混合条件を適切に選択することにより、粉砕の工程を経ることなく、顔料粒子として作製することができる。また、所望の基板上で反応させることにより、あるいは、スラリーを基板上で乾燥、定着させることにより、該基板上に色素皮膜を形成するなどの用途にも用いることができる。
このスラリーをろ過、乾燥など、溶媒を除去する工程を経て顔料粉末として得ることができる。なお、デカンテーションなどにより、未反応の液体成分を取り除き、さらに、アルコールなどで洗浄してから溶媒を除去することがより好ましい。ここで、溶媒を除去する方法は問わない。加熱乾燥、真空乾燥、凍結乾燥などが選択できる。とくに噴霧乾燥法は量産に適している。あるいは、有色スラリーの溶媒を必要に応じて、置換、精製、又は、調製することにより、粉末顔料の状態を経ることなく、塗料やインクなどの液体色素組成物を製造することができる。スラリーの状態あるいは顔料粉末の状態において、分散性や耐候性などの特性向上や光沢感発現のために、色素組成物粒子表面にコーティングや表面改質などを施してもよい。
本発明におけるアルコキシドとフェノール又はフェノール化合物の混合により、速やかに反応が生じて有色の溶液となるか有色の粒子が溶液中に析出するが、混合液中には未反応のアルコキシドあるいはフェノール又はフェノール化合物が残存する可能性がある。そこで、アルコキシドを幾分過剰に混合し、その混合液中に水を添加して、残存しているアルコキシドを加水分解して、化学的に安定な化合物に変化させることができる。この化合物を反応生成物中に適宜混合させることにより目的に応じた色彩に調整することができる、あるいは、反応生成物中に混合したとしても色彩に影響を与えない。
ここで、水は、ニオブのアルコキシド及びフェノール又はフェノール化合物と同時に混合しても、ニオブのアルコキシドとフェノール又はフェノール化合物との反応が速いために、黄色系色素組成物を得ることはできるが、十分な析出反応の後に残留アルコキシドを加水分解するために、ニオブのアルコキシドとフェノール又はフェノール化合物とを混合した後、時間を置いてから水を添加することが好ましい。
また、本発明における色素組成物の生成反応は、自発的にかつ迅速に生じ、溶媒中に他の物質が混在していたとしても、色素組成物が生成するに十分な反応が進行する。そのため、必要に応じて、安定剤、界面活性剤などをあらかじめ溶媒に混合した状態で、混合して反応を生じさせることができ、色素組成物の光学特性及び他の必要な特性を改善することができる。
2.5gの液状フェノール樹脂オリゴマー(大日本インキ化学工業株式会社、J−325:樹脂成分が60%、残りメチルアルコール溶媒)を34gのエタノールに加えて希釈した。一方、25gのペンタエトキシニオブを300gのエタノールに加えて希釈した。このペンタエトキシニオブの希釈液をマグネチックスターラーで撹拌しながら、前述のフェノール樹脂オリゴマーの希釈液を滴下し、混合液を形成した。その結果、滴下とともに直ちに粒子が混合液中に析出し、混合液は黄緑色のスラリーとなった。
このスラリーを静置して析出物を沈降させた後、上澄液を流し去るデカンテーションを行った。さらに、エタノールを加えて撹拌、及び、同様のデカンテーションを2回繰り返すことにより、析出物を洗浄した。もう一度、デカンテーションを行い、析出物を50〜60℃で乾燥させることにより、黄色の粉末が得られた。
この粉末試料の化学分析結果を表1に示す。ニオブ(Nb)、炭素(C)、酸素(O)について分析したが、合計が100wt%に満たない残り11.8wt%は水素(H)と考えられる。
また、この粉末試料のX線回折図形を図1に示す。X線回折図形は、非晶質物質特有のハローパターンを示している。この粉末試料の光学特性を分光光度計を用いて拡散反射法により測定した。得られた分光反射率曲線を図2に示す。600〜800nmの波長では、88%以上の反射率を示し、400nmでは13%の反射率を示した。この特性は、黄色顔料として好適であることを示している。
[比較例]
ケイ素のアルコキシドであるエチルシリケート10gを、10gのエタノールに希釈した。この溶液に実施例1と同じ液状フェノール樹脂オリゴマーを3.4g加え、室温で撹拌を続けたが、48時間経過後も混合溶液に析出物は生じなかった。このことから、本発明のニオブのアルコキシド及びフェノール樹脂オリゴマーを混合することによる生成反応は、任意のアルコキシドにおいてフェノール樹脂との間に生じる一般的なものではなく、ニオブのアルコキシドなど、特定の種類のアルコキシドにおいて生じるものであることがわかる。
本発明の色素は、染料、顔料、着色剤、塗料、インク、トナーなど、黄色系の各種色素組成物に利用できる。本発明の方法により、有害元素を含まないこのような色素組成物を煩雑な合成工程を経ることなく簡便に製造することができる。
実施例1で作製した粉末試料のX線回折図形。 実施例1で作製した粉末試料の分光反射率曲線。

Claims (7)

  1. 化学組成において、ニオブを0.5重量%以上含有し、かつ、ニオブ、炭素、及び、酸素の総和が50重量%以上であることを特徴とする黄色系色素組成物。
  2. 分光反射率が600〜800nmの波長では50%以上であり、かつ、400nmでは60%以下であることを特徴とする請求項1に記載の黄色系色素組成物。
  3. X線回折スペクトルにおいて非晶質構造を示すことを特徴とする請求項1又は2に記載の黄色系色素組成物。
  4. ニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物との反応生成物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の黄色系色素組成物。
  5. ニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物を混合して溶液又はスラリーを生じさせることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの黄色系色素組成物の製造方法。
  6. 請求項5に記載の黄色系色素組成物の製造方法において、前記ニオブのアルコキシド、及び、フェノール又はフェノール化合物の混合を、有機溶媒中で行うことを特徴とする黄色系色素組成物の製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載の製造方法において生じた溶液又はスラリーを乾燥させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの黄色系固体色素組成物の製造方法
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