JP2008094785A - メーキャップ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は顔に対してメーキャップ化粧料を施術するメーキャップ方法に関し、表情筋を考慮してメーキャップ化粧料を施すことにより若々しい顔立ちをメーキャップにより実現することを課題とする。
【解決手段】顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、前記顔の表情筋の走行に基づき前記メーキャップ化粧料を施す。具体的には、眼瞼頬溝に前記メーキャップ化粧料を施す。
【選択図】図6
【解決手段】顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、前記顔の表情筋の走行に基づき前記メーキャップ化粧料を施す。具体的には、眼瞼頬溝に前記メーキャップ化粧料を施す。
【選択図】図6
Description
本発明はメーキャップ方法に係り、特に顔に対してメーキャップ化粧料を施術するメーキャップ方法に関する。
「いつまでも若々しく美しくありたい」という望みは万人のものであり、この要望に応えるため従来から種々の美容技術、メーキャップ方法、化粧料等が提案され、また提供されている。また、いわゆる老け顔の原因が肌のたるみに関連していることが知られており、近年ではこのたるみを感じさせないようにするメーキャップや、たるみの発生を防止する手法が各種提案されている。
例えば、特許文献1には、顔を耳の上端と鼻の最下部を結ぶ線と耳の最下端と上唇の最上端を結ぶ線の間に設けた境界で二分割し、上部に下部より明度の高いファンデーションを選択することにより、たるみを感じない若々しいメーキャップを行う化粧料の選定方法が提案されている。また、引用文献2には、チタンマイカを1〜2重量%含有することにより、簡便に生き生きとしてたるみの目立たない仕上がりの下地用ファンデーションを提供することが開示されている。
一方、近年では老け顔の原因となる顔の肌のたるみが、表情筋の衰えに起因していることが注目されている。表情筋とは、眼、鼻、口等の顔の表情を表出するのに用いられる筋肉のことをいい、20種類以上の種類がある。そして、これらの各筋肉が互いに共同的に、または拮抗的に作用することにより顔の複雑な表情を表出する。
引用文献3には、顔面表情筋を電気刺激することにより筋肉の張力増加による顔の引締め効果(スリム化)及び顔全体の血液循環量の増加効果を奏し、これにより顔面の肌あれ、たるみ、弾力性の低下、しわの増加等の予防改善を図ることが開示されている。
更に、引用文献4には、顔にメラニン代謝促進作用を備えたマッサージクリームを塗布したのち、顔の筋肉に対し、その筋肉の筋が延びる方向に手先を動かしながら刺激を与えるようマッサージを行う美容施術方法が開示されている。
特開平09−208428号公報
特開平09−227336号公報
特開2003−339884号公報
特開2005−314329号公報
しかしながら、従来のメーキャップを施すことにより老け顔の原因となるたるみを目立たせないようにする方法では、顔のたるみの原因となる表情筋を考慮しておらず、よって従来のメーキャップ方法ではたるみを目立たせないように有効にメーキャップすることができず、よって老け顔を解消することができないという問題点があった。
また、従来の表情筋に基づきマッサージ等により電気的刺激や血行の改善を図る方法では、老け顔の改善を図るのに長い間にわたりマッサージ等を続ける必要があり、直ちに老け顔を解消することができないという問題点があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、表情筋を考慮してメーキャップ化粧料を施すことにより若々しい顔立ちをメーキャップにより実現しうるメーキャップ方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
前記顔の表情筋の走行に基づき前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
前記顔の表情筋の走行に基づき前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
また、請求項2記載の発明は、
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眼瞼頬溝に前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眼瞼頬溝に前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
また、請求項3記載の発明は、
請求項2記載のメーキャップ方法において、
前記眼瞼頬溝に沿い、白眼の内側位置から下ろした垂線と前記眼瞼頬溝との交点位置から、瞳孔の外側位置から下ろした垂線と前記眼瞼頬溝との交点位置まで前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
請求項2記載のメーキャップ方法において、
前記眼瞼頬溝に沿い、白眼の内側位置から下ろした垂線と前記眼瞼頬溝との交点位置から、瞳孔の外側位置から下ろした垂線と前記眼瞼頬溝との交点位置まで前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
また、請求項4記載の発明は、
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眉山から瞳孔の外側位置に向け、眉毛に掛からないよう前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眉山から瞳孔の外側位置に向け、眉毛に掛からないよう前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
また、請求項5記載の発明は、
請求項4記載のメーキャップ方法において、
前記眉山から前記瞳孔の外側位置に向かう直線上に位置し、前記眉山から額に向け前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
請求項4記載のメーキャップ方法において、
前記眉山から前記瞳孔の外側位置に向かう直線上に位置し、前記眉山から額に向け前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
また、請求項6記載の発明は、
請求項5記載のメーキャップ方法において、
前記眉山から額に向け前記メーキャップ化粧料を施す長さを、前記眉山から瞳孔の外側位置に向けて前記眉毛に掛からないよう前記メーキャップ化粧料を施す長さと略等しい長さとしたことを特徴とするものである。
請求項5記載のメーキャップ方法において、
前記眉山から額に向け前記メーキャップ化粧料を施す長さを、前記眉山から瞳孔の外側位置に向けて前記眉毛に掛からないよう前記メーキャップ化粧料を施す長さと略等しい長さとしたことを特徴とするものである。
また、請求項7記載の発明は、
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眼裂の目尻寄りの略三分の一の部位から、前記眼裂の下側のラインに沿って、前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眼裂の目尻寄りの略三分の一の部位から、前記眼裂の下側のラインに沿って、前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
また、請求項8記載の発明は、
請求項7記載のメーキャップ方法において、
前記メーキャップ化粧料を施す位置の終点を前頭頬骨縫合位置としたことを特徴とするものである。
請求項7記載のメーキャップ方法において、
前記メーキャップ化粧料を施す位置の終点を前頭頬骨縫合位置としたことを特徴とするものである。
また、請求項9記載の発明は、
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
鼻先に引いた水平線より下から、鼻唇溝に沿って口角に向け前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
鼻先に引いた水平線より下から、鼻唇溝に沿って口角に向け前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
また、請求項10記載の発明は、
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
唇の中央位置から口角までの口角寄りの略三分の一の部位から、下唇の輪郭に沿って前記口角を包み込むように、瞳孔の外側位置から下ろした垂線に至る位置まで前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
唇の中央位置から口角までの口角寄りの略三分の一の部位から、下唇の輪郭に沿って前記口角を包み込むように、瞳孔の外側位置から下ろした垂線に至る位置まで前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
また、請求項11記載の発明は、
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眉山から瞳孔の外側位置に向け、眉毛に掛からないよう前記メーキャップ化粧料を施し、
眼裂の目尻寄りの略三分の一の部位から、前記眼裂の下側のラインに沿って、前記メーキャップ化粧料を施し、
鼻先に引いた水平線より下から、鼻唇溝に沿って口角に向け前記メーキャップ化粧料を施し、
唇の中央位置から口角までの口角寄りの略三分の一の部位から、下唇の輪郭に沿って前記口角を包み込むように、瞳孔の外側位置から下ろした垂線に至る位置まで前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眉山から瞳孔の外側位置に向け、眉毛に掛からないよう前記メーキャップ化粧料を施し、
眼裂の目尻寄りの略三分の一の部位から、前記眼裂の下側のラインに沿って、前記メーキャップ化粧料を施し、
鼻先に引いた水平線より下から、鼻唇溝に沿って口角に向け前記メーキャップ化粧料を施し、
唇の中央位置から口角までの口角寄りの略三分の一の部位から、下唇の輪郭に沿って前記口角を包み込むように、瞳孔の外側位置から下ろした垂線に至る位置まで前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするものである。
本発明によれば、表情筋の走行に基づきメーキャップ化粧料を施すことにより、若くはりがあり引き締まった印象の顔になり、これにより若々しくはりのある印象の顔とすることが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
本発明者は、若々しくはりのある顔をメーキャップにより実現するに際し、実年齢よりも若く見える人と、老けて見える人がいることに注目した。このように、見た目の年齢を左右するのは、しわやしみなどの肌状態が主に原因していることは周知であり、これに対する美容施術の方法は種々提案されていることは前述した通りである。
しかしながら、しわやたるみという形状的な加齢変化は、従来では正面顔に対して考慮されたものがほとんどであった。そこで本発明者は、はじめに多数(20代から60代までの100名以上)の女性の対象者について、正面顔(図2(A)参照)、斜め横顔(図2(B)参照)、横顔(図2(C)参照)の写真を撮影した。この際、髪型が年齢判定に影響を与えないよう、各対象者にはグレーのターバンを着用してもらった。それらの顔写真に対して老け顔であるか否かの観察を行った。この際、正面顔ばかりでなく、斜め横顔及び真横顔(以下、単に横顔という)についても観察を行った。
その結果、(1)横顔が正面顔とは別人のように見える人がいること、(2)正面顔と横顔との印象が異なり、横のアングルでは、正面よりも老けて見える人が多い、(3)特に30代を中心とした顔の加齢変化の徴候が現れ始める年代に正面顔と横顔との印象差が多く発生する、等のことが判った。
そこで上記した概略的な観察結果から認められた顔の側面の加齢変化に注目し、見た目の年齢印象は顔の向きによって影響を受けるのか、また横顔は正面よりも何歳老けて見えるのかを調べる実験を行った。この実験を行うに際し、本発明者は事前に2つの仮説を立てた。その一つ目は、「正面顔よりも、斜め、横顔が老けて見えるのは、しわ、たるみの形状要素がより目立つからではないか」という仮説であり、また2つ目は「初期段階のしわやたるみの方が、顔の向きによる影響を強く受けるのではないか」という仮説である。以下、具体的な実験の手法及び結果について説明する。
評価の対象は前記の観察で用いた顔写真とし、年代は加齢変化の段階を考慮し(1)20代前半、(2)30代後半から40代前半、(3)40代後半から50代前半、(4)60代の四年代とした。更に、実験に用いる顔写真の選定には、見た目の年齢情報を考慮した。見た目の年齢を実物で評価し、実年齢±3歳を基準に見た目の年齢条件を統制して顔写真を選んだ。この際、顔のタイプが偏らないように配慮し、各年代で4名分の写真を選定した。
実験には本出願人の所属会社の女性社員を無作為に複数人選定し、各自に上記顔写真を1枚ずつ見てもらい、何歳に見えるかを回答してもらった。また、その評価は、正面顔のセットが終わったら、次は横顔のセットというように、顔の向き別にセットを設けて行った。セット、およびセット内の評価順はカウンターバランスした。尚、回答者の女性社員の人数は34人、その年齢は20〜58歳(平均年齢37.3歳)であった。
図1は、上記の実験により求められた顔向きと印象年齢の関係を示している。同図では縦軸に年齢を示し横軸に顔向きを示すと共に、正面顔の印象年齢に対する斜め顔及び横顔の印象年齢との差を図表化している。得られたデータを統計的に検定(対象者間1要因(年代)、対象者内2要因(顔の向き、写真年代)の分散分析)した結果、以下の事項が判明した。
(1) 20代は正面顔と斜め顔の評価は変わらないが、横顔はやや老けて評価されて1歳ほど年上に見られることが判った。
(2) 30代後半から40代前半の年代は最も顔の向きによる差が大きく、正面顔よりも斜め顔は2.5歳、横顔は3歳年上に評価された。
(3) 40代後半から50代前半では、斜め顔は正面顔よりも2歳老けて見られたが、横顔と正面顔との有意な差はなかった。
(4) 60代では顔の向きによる印象年齢の差はなかった。
(1) 20代は正面顔と斜め顔の評価は変わらないが、横顔はやや老けて評価されて1歳ほど年上に見られることが判った。
(2) 30代後半から40代前半の年代は最も顔の向きによる差が大きく、正面顔よりも斜め顔は2.5歳、横顔は3歳年上に評価された。
(3) 40代後半から50代前半では、斜め顔は正面顔よりも2歳老けて見られたが、横顔と正面顔との有意な差はなかった。
(4) 60代では顔の向きによる印象年齢の差はなかった。
上記の検討結果より、顔の向きによって印象年齢に差があり、年代によって傾向が異なることが判った。続いて、顔を老けて見せたのはどのような要因の影響だったのかを検討した。この検討では、顔の向きによる影響が最も大きかった30代後半から40代前半の対象者に着目し、20代前半の対象者との比較により、更に分析を試みた。
具体的には、30代後半から40代前半で現れる加齢変化の現象が、この年代で顔の向きによる影響が最も大きかった原因であると考え、20代前半の対象者と差のある現象を抽出した。
前記の30代後半から40代前半の対象者に対し、しわやたるみ、くすみの度合い、肌の色、きめの状態等の既定の64の項目について訓練を受けた本出願人の所属会社の社員3人が視感評価を行った。この評価値に対して分析を行い、有意な差が検出された項目から色要因と個の特徴に依存する項目(例えば、顔立ち等)を除くと、5つの項目が抽出された。
この抽出された5つの項目は、図3(A)〜(E)に示すように、「目周りのしわ」、「口周りのしわ」、「ほおのたるみ」、「肌のはり」、「上まぶたのくぼみ」である。図3(A)〜(E)では、上記した各項目に対する評価を、20代前半の対象者と30代後半から40代前半の対象者とを比較しつつ示している。
また、図3の結果は実物評価のため現れないが、顔写真を観察すると、上記の抽出された各要素は、正面顔よりも斜め顔や横顔でより顕著になる場合が多いことも確認できた。例えば、図2に示した対象者の場合、正面顔(図2(A))は実年齢の43歳よりも若い39歳と評価されたが、横顔(図2(C))は46歳と評価されてしまった。
そこで、同図の対象者の横顔に注目したところ、ほおのたるみが目立ち、ちょうど目の下からほお、口元にかけて、平仮名の「し」の字のようなラインが見られることが判った。また、正面から見える状態と、斜めや横から見える状態とのギャップが大きいことが判った。この検討結果から、斜めや横顔が正面顔よりも老けて評価されるのは、しわ、たるみの形状要素が、斜めや横顔でより目立つからである、という一つ目の仮説が支持された。
尚、検討の結果、60代は顔の向きの影響がなかった。その理由としては、60代では正面顔で観察されるしわやたるみの状態から、ほかの向きでの状態を容易に想像できたと推測される。顔の向きによる影響が60代では見られず、30代後半から40代前半で大きかったことから、2つ目の仮説どおり、加齢の初期段階のしわやたるみの方が、顔の向きの影響を強く受けるといえる。
一方、対象者の中には、どの向きでも若く評価された人もいた。この対象者は、しわやたるみ部分が斜め顔や横顔でも、正面顔より目立つことはなかった。また、ほおにもはりが感じられ、またどこから見ても目や眉,唇,フェースラインの形がはっきりとしていた。これらの要因により、当該対象者はどこから見ても若々しいと評価されたものと思われる。
上記検討により抽出された斜め顔や横顔を老けて見せる要因は、「いつもでも若々しく美しくありたい」という願望からはマイナスの要因となる。しかしながら、このマイナス要因をメーキャップを行うことにより低減或いは無くすることができれば、若々しい顔を演出することが可能となる。そこで、先ず上記マイナス要因の低減と、引きあがった顔印象にすることを考慮し、1回目のメーキャップ検証を行った。
先ず、このメーキャップ方法を実現するアイテムとして、図12に示すマーカー1,2を用いた。この各マーカー1,2は、顔に上向きの光の帯とラインを作り、引き上げ効果と引き締まり感を実現する機能を奏するものである。図12(A)に示すマーカー1は、スティックタイプの太いマーカーであり、幅のある光の帯を作り、面を引き上げて見せる効果を持つ。もう一方のマーカー2はペンシルタイプの細いマーカーであり、細いラインを引き、目元と口元のフォルムを光のラインで際立たせる効果を持つ。尚、この各マーカー1の使用方法は、後に詳述するように下から上へ描き、また肌へのばすときも下から上へと方向性をつけることを基本とする。
1回目の検証では、対象者に対して斜め顔や横顔で目立って見える目元と口元のしわやたるみが、引きあがって見えるように上昇をイメージしてメーキャップを行った。具体的には、太いマーカー1を目尻を包み込むようにして目尻から上まぶたまで描き、口元にも口角から鼻唇溝にかけて描き、それぞれを上昇方向にぼかすメーキャップを行った。
次に、目元、口元のフォルムを際立たせるため、細いマーカー2で目の下のフレームラインと、上唇の山と下唇の中央ラインを描き入れてメーキャップを仕上げた。このようなメーキャップ方法を4名の対象者に行ったところ、目元や口元のしわやたるみが引きあがって見える印象の顔とすることができた。
しかしながら、より効果の高い方法があるはずと考え、鋭意、検討を重ねた。より若々しい顔を演出する具体的なメーキャップ方法を創作するに際し、顔の構造のバランスに注目した。
顔は骨格をベースとし、その上に筋肉(表情筋)が、更に皮膚やパーツが上にのって構成されている。骨格、筋肉、表情の構造バランスは、若いときには釣り合っているが、加齢によって崩れる。そのバランスの崩れは、筋肉の衰えが大きな影響を及ぼすと考えられる。そこで、崩れたバランスを取り戻すためには、「若々しく引きあがった筋肉をメーキャップで想像させること」が重要と考え、これに基づき具体的なメーキャップ方法を考案した。
本発明者は考案したメーキャップ方法を顔特徴の異なる7名の対象者に対して実施し、メーキャップ効果を検証する実験を複数回実施する過程で、「引き上げ及び持ち上げを実現するために行うメーキャップ」において、好適なマーカーの描く方向は、顔特長に依存しない共通の法則があることを発見した。即ち、好適なマーカーの描く方向は、「表情筋の流れ方向(走行方向)と略一致する」という共通法則を見出した。つまり、若々しく引きあがった筋肉を想像させるためには、表情筋の走行を考慮し、加齢変化に逆らう方向にマーカーを入れることが重要であることを見出した。
尚、表情筋とは、前記したように眼、鼻、口等の顔の表情を表出するのに用いられる20種類以上の筋肉のことをいい、顔の複雑な表情を表出するのに重要な働きをするものである。この内、代表的な表情筋を図4に示す。
本発明者は更に、「引き上げ及び持ち上げ」の効果を増大させるメーキャップ方法を見出した。人には目の下のくまの少し下に「眼瞼頬溝」という凹みが目立つ人と目立たない人とがいる。この眼瞼頬溝とは、目頭から顔の斜め外側に向かって走る溝で加齢によって現れる(図4参照)。この加齢現象を目立たなくすることに加え、加齢のマイナス要因を逆手にとることを考えた。「眼瞼頬溝」は目の下に位置し、通常の状態、即ち正立した状態において、頭上からの光を反射し易い位置にある。
よって、「眼瞼頬溝」を明るくするメーキャップを施すことにより、加齢現象の低減に加え、この部位が反射板のように光を反射し、目元を引き上げて見せるために効果的ではないかとの仮説を立てた。また、その反射された光は、瞳にも輝きを与え、よりいきいきとした印象を与える効果も期待できると考えた、そこで、上記7名を対象とした検証では、以下のメーキャップも合わせて行った。
即ち、「眼瞼頬溝」の凹みを感じる部分に、「眼瞼頬溝」を明るく感じられるようマーカーを入れるメーキャップを行った。その結果、目元全体における引き上がり感を増大させることができた。また、眼瞼頬溝の凹みが目立たない人に対して上記同様のマーカーを実施したときも、凹みの目立つ人と同様に引き上がり感を増大させることができた。瞳も輝きを増し、いきいきとした印象を与えることも判った。
次に、上記してきた各事項に基づく、若々しくはりのある顔を実現しうるメーキャップ方法の具体的事項について説明する。図5及び図6は、本実施例に係る具体的なメーキャップ方法を説明するための図である。
本実施例に係るメーキャップ方法は、メーキャップ化粧料であるマーカー1を顔の表情筋の走行に基づいて施術することを特徴としている。また、マーカー1の描く方向は下から上へ描くことを基本とし、またこれを肌にのばすときも下から上へと方向性をつけることを基本とする(図5の矢印参照)。更に、使用するメーキャップ化粧料(マーカー1,2)の色は、メーキャップを実施する人の肌の色を考慮し、肌色よりも適度に明るい色を用いることが重要となる。肌の色になじみすぎては効果が得られず、肌の色との対比が強すぎれば不自然になるからである。
本実施例では、図6に示したA〜Fに示す箇所にマーカー1,2(メーキャップ化粧料)を描くことにより、若々しくはりのある顔を実現する。先ず、図6及び図7に符号Aで示す眼瞼頬溝の近傍位置(化粧位置A)においては、眼瞼頬溝に沿ってマーカー1(メーキャップ化粧料)を施す。この際、眼窩、くまよりも下の位置を目安として(横顔で確認したときに感じる目の下の凹み部分)に約1.5〜2cm程度のせるようにすると適切な位置に入れやすい(尚、描くことを、のせると表現する場合もある)。
これについて更に詳述すると、図7に示されるように化粧位置Aでは、眼瞼頬溝に沿って白眼の内側位置から下ろした垂線と眼瞼頬溝との交点位置から、瞳孔の外側位置から下ろした垂線と眼瞼頬溝との交点位置までマーカー1を施す。
このマーカー1を施す位置は、眼瞼頬溝であるため、くまのできる位置よりも下部とする必要がある。また、マーカー1を施す位置の上端は、眼窩よりも下部であることが必要である。また、マーカー1を施した後にこれをのばすことが有効であるが、こののばし方向は、表情筋の一つである眼輪筋を引き上げる方向へ、具体的には目の下の凹み部分から顔の外側に向かって斜め上方向へ、指先を使って丁寧にぼかすことが望ましい。
次に、図6及び図8に符号Bで示す上まぶたから額の位置(化粧位置B)においては、眉山から瞳孔の外側位置に向け、眉毛に掛からないようマーカー1(メーキャップ化粧料)を施す。具体的には、ファンデーションで仕上げた後に、マーカー1を5mm程繰り出し、眉山の位置を確認し、もう片方の手で眉山を持ち上げるように上まぶた全体を引き上げる。次に、図8に示すように、眉山を目安に眉骨から黒目の外側に向けて短い線を描くように直接肌にマーカー1をのせる。これは、表情筋の一つである上眼瞼挙筋の走行にマーカー1を施すことになる。
またこれをのばすには、図中上から下方向に向け軽いタッチで丁寧にのばすことが望ましい。のせたマーカー1をぼかす際には、左右横方向へとぼかすことが望ましい。
次に、図6及び図8に符号Cで示す上まぶたから額の位置(化粧位置C)においては、眉山から瞳孔の外側位置に向かう直線上に位置し、眉山から額に向けマーカー1(メーキャップ化粧料)を施す。これは、表情筋の一つである前頭筋の走行に合わせマーカー1を施すことになる。
この際、眉山から額に向けマーカー1を施す長さは、図8に示すように、前記した化粧位置Bにおいて施す長さと略等しい長さとすることが望ましい。
この際、眉山から額に向けマーカー1を施す長さは、図8に示すように、前記した化粧位置Bにおいて施す長さと略等しい長さとすることが望ましい。
また、この化粧位置Cにおいてマーカー1を描く方向は、前記した化粧位置Bにおいてマーカー1を描く方向の延長線上にあるようにする。また、これをのばすには、眉山の外側から生え際へ向け下から上へのばすことが望ましい。更に、のせたマーカー1をぼかす際には、生え際の方向に向かい、下から上方向へとぼかすことが望ましい。尚、眉山の位置は、図9に示されるように、顔の横幅を「1」としたとき、顎先から眉山までの長さも1となるように決めることが望ましい。
次に、図6及び図10に符号Dで示す下まぶたの位置(化粧位置D)においては、眼裂の目尻寄りの略三分の一の部位から、眼裂の下側のラインに沿ってマーカー1(メーキャップ化粧料)を施す。これも、表情筋の一つである眼輪筋の走行にマーカー1を施すことになる。また、マーカー1を施す位置の終点は、図10に示されるように前頭頬骨縫合位置としている。
具体的なマーカー1をのせる方法としては、下まぶたの目尻寄り三分の一からやや外側を目安にフレームラインの延長線をイメージし、目尻を引き上げるようにのせてゆく。この時、もう片方の手でほおを引き下げると、円滑にマーカー1をのせることができる。また、これをのばすには、目尻から軽いタッチで引き上げるように生え際に向けてぼかしてゆく。
次に、図6及び図11に符号Eで示す鼻唇溝の位置(化粧位置E)においては、鼻先に引いた水平線より下から、鼻唇溝に沿って口角に向けマーカー1(メーキャップ化粧料)を施す。これは、表情筋の一つである口輪筋の走行にマーカー1を施すことになる。
具体的には、図11に示すように、マーカー1を小鼻の脇から下に向けてのせる。また、これをのばすには、鼻唇溝に沿った部分では小鼻から上唇に向けて軽くぼかし、また口元に近い部分については引き上げるようにぼかしを行うことが望ましい。小鼻のわきは顔の動きによって擦れを生じやすく化粧くずれし易いため、小鼻と離し、鼻唇溝はやや短めに入れることが望ましい。また、厚塗りは不自然に見えるので、マーカー1をのせ過ぎないようにすることも重要である。
次に、図6及び図11に符号Fで示す口角の位置(化粧位置F)においては、唇の中央位置から口角までの口角寄りの略三分の一の部位から、下唇の輪郭に沿って前記口角を包み込むように、瞳孔の外側位置から下ろした垂線に至る位置までマーカー1(メーキャップ化粧料)を施す。具体的には、口角を包み込むように鼻唇溝より1〜1.5cm長めに引き上げるようにのせることが望ましい。また、引き上げる角度は、前記した化粧位置Dと略平行な角度となるようにすることが望ましい。
また、これをのばすには、先にのばした鼻唇溝の周りのぼかしと一体化させ、口角を包み込むように下から上に引き上げるようにぼかしを入れる。この際、ぼかしの方向は、化粧位置Dと略平行の角度となるよう行うことが望ましい。また、このぼかしの方向は、表情筋の口輪筋、大頬骨筋、小頬骨筋の走行方向になる。
上記したメーキャップ方法のように、表情筋の走行に基づきメーキャップ化粧料を施すことにより、若く引きあがった表情筋を想像させ、これにより若々しくはりのある印象の顔とすることが可能となる。これにより、若々しくはりのある顔の印象に仕上げることが可能となり、その効果はフルメーキャップをしたときにより顕著となる。
また、上記した化粧位置A〜Fに対して上記したメーキャップを個別に実施することも可能であるが、その全てを実施することにより、完成度の高いメーキャップを実現することができ、より若々しくはりのある顔の印象に仕上げることができる。
1 スティックタイプマーカ
2 ペンシルタイプマーカ
2 ペンシルタイプマーカ
Claims (11)
- 顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
前記顔の表情筋の走行に基づき前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするメーキャップ方法。 - 顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眼瞼頬溝に前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするメーキャップ方法。 - 前記眼瞼頬溝に沿い、白眼の内側位置から下ろした垂線と前記眼瞼頬溝との交点位置から、瞳孔の外側位置から下ろした垂線と前記眼瞼頬溝との交点位置まで前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とする請求項2記載のメーキャップ方法。
- 顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眉山から瞳孔の外側位置に向け、眉毛に掛からないよう前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするメーキャップ方法。 - 前記眉山から前記瞳孔の外側位置に向かう直線上に位置し、前記眉山から額に向け前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とする請求項4記載のメーキャップ方法。
- 前記眉山から額に向け前記メーキャップ化粧料を施す長さを、前記眉山から瞳孔の外側位置に向けて前記眉毛に掛からないよう前記メーキャップ化粧料を施す長さと略等しい長さとしたことを特徴とする請求項5記載のメーキャップ方法。
- 顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眼裂の目尻寄りの略三分の一の部位から、前記眼裂の下側のラインに沿って、前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするメーキャップ方法。 - 前記メーキャップ化粧料を施す位置の終点を前頭頬骨縫合位置としたことを特徴とする請求項7記載のメーキャップ方法。
- 顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
鼻先に引いた水平線より下から、鼻唇溝に沿って口角に向け前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするメーキャップ方法。 - 顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
唇の中央位置から口角までの口角寄りの略三分の一の部位から、下唇の輪郭に沿って前記口角を包み込むように、瞳孔の外側位置から下ろした垂線に至る位置まで前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするメーキャップ方法。 - 顔に対してメーキャップ化粧料を施すメーキャップ方法において、
眉山から瞳孔の外側位置に向け、眉毛に掛からないよう前記メーキャップ化粧料を施し、
眼裂の目尻寄りの略三分の一の部位から、前記眼裂の下側のラインに沿って、前記メーキャップ化粧料を施し、
鼻先に引いた水平線より下から、鼻唇溝に沿って口角に向け前記メーキャップ化粧料を施し、
唇の中央位置から口角までの口角寄りの略三分の一の部位から、下唇の輪郭に沿って前記口角を包み込むように、瞳孔の外側位置から下ろした垂線に至る位置まで前記メーキャップ化粧料を施すことを特徴とするメーキャップ方法。
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