JP2008094382A - 車両用超臨界冷凍サイクル - Google Patents

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Abstract

【課題】予備タンクを用いることなくサイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制する。
【解決手段】冷媒を吸入圧縮する圧縮機10と、圧縮機10の吐出冷媒を冷却する放熱器12と、放熱器12の出口側冷媒を減圧する減圧手段13と、減圧手段13により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器14と、圧縮機10の吸入側に配置されて蒸発器14から流出した冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜める気液分離器15とを備え、気液分離器15の内容積Vaccと蒸発器14の内容積Vevaとの和Vacc+Vevaを低圧側内容積VLとし、気液分離器15の内容積Vaccと低圧側内容積VLとの比Vacc/VLを気液分離器内容積比Raccとしたとき、気液分離器内容積比Raccを0.18以上の範囲に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、気液分離器を備える車両用超臨界冷凍サイクルに関するもので、エンジンを搭載する車両に用いて好適である。
従来、冷媒として二酸化炭素を採用し、高圧側圧力が臨界圧力以上(超臨界状態)となる超臨界冷凍サイクルが知られている。
この超臨界冷凍サイクルにおいては、冷媒である二酸化炭素の臨界温度が約31℃と低いので、例えば、夏季のように外気温度が高いときに冷凍サイクルあるいはエンジンの運転を停止すると、高温の外気によってサイクル内機器が加熱され、サイクル内冷媒温度が臨界温度以上に上昇する。
サイクル内冷媒温度が臨界温度以上になっているとき、すなわち、冷媒(二酸化炭素)が超臨界状態になっているときには圧縮による冷媒の液化が起こらない。このため、冷凍サイクルの冷媒封入密度が大きいほどサイクル内冷媒温度の上昇に伴ってサイクル内冷媒圧力が著しく上昇してしまう。
そして、サイクル内冷媒圧力が低圧側機器の耐圧強度に上昇すると低圧側機器を破損させるに至ってしまう。特に、エンジンを搭載する車両においては、高温の外気のみならずエンジンの排熱や余熱によっても低圧側機器が加熱されてサイクル内冷媒温度がさらに上昇するので、より一層、サイクル内冷媒圧力が低圧側機器の耐圧強度以上に上昇しやすい。
そこで、特許文献1に記載の超臨界冷凍サイクルでは、特別の予備タンクをバルブを介して低圧側回路に接続し、サイクル内冷媒圧力が所定圧力を越えるとバルブを開くようになっている。これにより、冷媒の一部を予備タンクが引き取り、一時的に冷媒封入密度を減少させるのでサイクル内冷媒圧力の過度の上昇を防止できる。
なお、この従来技術では、通常運転時にはバルブが閉じられて、予備タンクが低圧側回路から切り離されるようになっている。
特表平8−504501号公報
しかしながら、この従来技術では、特別の予備タンクおよびバルブを用いているのでコスト高を招いてしまうという問題がある。
また、この従来技術では、通常運転時には予備タンクが低圧側回路から切り離されるので、予備タンクによって冷媒の気液分離機能を発揮することができない。このため、予備タンクとは別に気液分離機構を設ける必要がある。このため、冷凍サイクル全体として必要搭載スペースが大きくなり、冷凍サイクルの搭載性が悪化する。
特に、車両用の冷凍サイクルでは、搭載スペースに関する制約が強いので、搭載性悪化は実用上大きな問題となる。
本発明は、上記点に鑑み、予備タンクを用いることなくサイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、
圧縮機(10)の吐出冷媒を冷却する放熱器(12)と、
放熱器(12)の出口側冷媒を減圧する減圧手段(13)と、
減圧手段(13)により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、
圧縮機(10)の吸入側に配置されて蒸発器(14)から流出した冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜める気液分離器(15)とを備え、
気液分離器(15)の内容積(Vacc)と蒸発器(14)の内容積(Veva)との和(Vacc+Veva)を低圧側内容積(VL)とし、
気液分離器(15)の内容積(Vacc)と低圧側内容積(VL)との比(Vacc/VL)を気液分離器内容積比(Racc)としたとき、
気液分離器内容積比(Racc)が0.18以上の範囲に設定されていることを第1の特徴とする。
これによると、気液分離器内容積比(Racc)が0.18以上の範囲に設定すれば、冷凍サイクルの冷媒封入密度(ρa)が目標上限密度(ρmax)以下になるので、予備タンクを用いることなくサイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制できることがわかった。
さらに、気液分離器内容積比(Racc)を0.44以上の範囲に設定すれば、サイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇をより抑制できることがわかった。
ところで、気液分離器内容積比(Racc)を大きく設定するほど冷凍サイクルの冷媒封入密度(ρa)を小さくでき、サイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇をより抑制できるのであるが、冷媒封入密度(ρa)が小さすぎるとサイクル起動時に低圧側圧力が下がりすぎて高圧側圧力の立ち上がりが悪くなってしまうため、サイクル起動時間が長くなってしまうという問題がある。
この点に鑑み、本発明は、気液分離器内容積比(Racc)が0.87以下の範囲に設定されている。
これにより、冷媒封入密度(ρa)が目標下限密度(ρmin)以上になるので、サイクル起動時に低圧側圧力が下がりすぎることを抑制できることがわかった。
また、本発明は、冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、
圧縮機(10)の吐出冷媒を冷却する放熱器(12)と、
放熱器(12)の出口側冷媒を減圧する減圧手段(13)と、
減圧手段(13)により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、
圧縮機(10)の吸入側に配置されて冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜める気液分離器(15)と、
圧縮機(10)の吸入側の低圧冷媒と、減圧手段(13)の上流側の高圧冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器(17)とを備え、
気液分離器(15)の内容積(Vacc)と蒸発器(14)の内容積(Veva)との和(Vacc+Veva)を低圧側内容積(VL)とし、
気液分離器(15)の内容積(Vacc)と低圧側内容積(VL)との比(Vacc/VL)を気液分離器内容積比(Racc)とし、
内部熱交換器(17)のうち高圧冷媒が流れる高圧側冷媒通路(17a)の体積(Vihe)と放熱器(12)の内容積(Vgc)との比(Vihe/Vgc)を高圧側通路容積比(Z)としたとき、
気液分離器内容積比(Racc)が、
Racc≧0.39Z+0.18の範囲に設定されていることを第2の特徴とする。
これにより、内部熱交換器(17)を備えていても冷媒封入密度(ρa)が目標上限密度(ρmax)以下になるので、予備タンクを用いることなくサイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制できることがわかった。
さらに、気液分離器内容積比(Racc)を、
Racc≧0.45Z+0.44の範囲に設定すれば、サイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇をより抑制できることがわかった。
本発明は、気液分離器内容積比(Racc)が、
Racc≦0.22Z+0.87の範囲に設定されている。
これにより、冷媒封入密度(ρa)が目標下限密度(ρmin)以上になるので、サイクル起動時に低圧側圧力が下がりすぎることを抑制できることがわかった。
また、本発明は、高圧側通路容積比(Z)が0.05以上、0.40以下の範囲に設定されている。
これにより、サイクル効率(COP)の向上と内部熱交換器(17)の体格の大型化の抑制とを両立できることがわかった。
また、本発明は、冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、
圧縮機(10)の吐出冷媒を冷却する放熱器(12)と、
放熱器(12)の出口側冷媒を減圧する減圧手段(13)と、
減圧手段(13)により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、
圧縮機(10)の吸入側に配置されて蒸発器(14)から流出した冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜める気液分離器(15)とを備え、
気液分離器(15)の内容積(Vacc)が、
Vacc≧((ρgc−ρmax)・Vgc+(ρeva−ρmax)・Veva)/(ρmax−ρacc)の範囲に設定されていることを第3の特徴とする。
ただし、
Vgcは放熱器(12)の内容積、
Vevaは蒸発器(14)の内容積、
ρgcはサイクル高負荷運転時における放熱器(12)での平均冷媒密度、
ρevaはサイクル高負荷運転時における蒸発器(14)での平均冷媒密度、
ρaccはサイクル高負荷運転時における気液分離器(15)での平均冷媒密度、
ρmaxは目標上限冷媒密度である。
これによると、気液分離器(15)の内容積(Vacc)を上記範囲に設定すれば、冷媒封入密度(ρa)が目標上限密度(ρmax)以下になるので、予備タンクを用いることなくサイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制できることがわかった。
なお、本発明における「サイクル高負荷運転時」とは、高圧側圧力が最高運転圧力になっているときのことを意味するものである。
また、本発明は、冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、
圧縮機(10)の吐出冷媒を冷却する放熱器(12)と、
放熱器(12)の出口側冷媒を減圧する減圧手段(13)と、
減圧手段(13)により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、
圧縮機(10)の吸入側に配置されて蒸発器(14)から流出した冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜める気液分離器(15)と、
圧縮機(10)の吸入側の低圧冷媒が流れる低圧側冷媒通路(17b)と、減圧手段(13)の上流側の高圧冷媒が流れる高圧側冷媒通路(17a)とを有し、低圧側冷媒通路(17b)を流れる低圧冷媒と高圧側冷媒通路(17a)を流れる高圧冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器(17)とを備え、
気液分離器(15)の内容積(Vacc)が、
Vacc≧((ρgc−ρmax)・Vgc+(ρihe−ρmax)・Vihe+(ρeva−ρmax)・Veva)/(ρmax−ρacc)の範囲に設定されていることを第4の特徴とする。
ただし、
Vgcは放熱器(12)の内容積、
Viheは高圧側冷媒通路(17a)の内容積、
Vevaは蒸発器(14)の内容積、
ρgcはサイクル高負荷運転時における放熱器(12)での平均冷媒密度、
ρiheはサイクル高負荷運転時における高圧側冷媒通路(17a)での平均冷媒密度、
ρevaはサイクル高負荷運転時における蒸発器(14)での平均冷媒密度、
ρaccはサイクル高負荷運転時における気液分離器(15)での平均冷媒密度、
ρmaxは目標上限冷媒密度である。
これにより、内部熱交換器(17)を備えていても冷媒封入密度(ρa)が目標上限密度(ρmax)以下になるので、予備タンクを用いることなくサイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制できることがわかった。
本発明は、具体的には、圧縮機(10)吐出側と放熱器(12)入口側との間に配置された第1冷媒配管(21)と、
放熱器(12)出口側と高圧側通路(17a)入口側との間に配置された第2冷媒配管(22)と、
高圧側通路(17a)出口側と減圧手段(13)入口側との間に配置された第3冷媒配管(23)と、
減圧手段(13)出口側と蒸発器(14)入口側との間に配置された第4冷媒配管(24)と、
蒸発器(14)出口側と気液分離器(15)入口側との間、および、気液分離器(15)出口側と低圧側通路(17b)入口側との間に配置された第5冷媒配管(25)と、
低圧側通路(17b)出口側と圧縮機(10)吸入側との間に配置された第6冷媒配管(26)とを備え、
気液分離器(15)の内容積(Vacc)の設定範囲の算出が、
放熱器(12)の内容積(Vgc)および平均冷媒密度(ρgc)の代わりに、以下の数式で補正された放熱器(12)の内容積(V’gc)および平均冷媒密度(ρ’gc)を用い、
高圧側冷媒通路(17a)の内容積(Vihe)および平均冷媒密度(ρihe)の代わりに、以下の数式で補正された高圧側冷媒通路(17a)の内容積(V’ihe)および平均冷媒密度(ρ’ihe)を用い、
蒸発器(14)の内容積(Veva)および平均冷媒密度(ρeva)の代わりに、下記の数式で補正された蒸発器(14)の内容積(V’eva)および平均冷媒密度(ρ’eva)を用いて行われている。
V’gc=Vgc+Vdpipe+Vhpipe
ρ’gc=(ρgc・Vgc+ρdpipe・Vdpipe+
ρhpipe・Vhpipe)/V’gc
V’ihe=Vihe+Vcpipe
ρ’ihe=(ρihe・Vihe+ρcpipe・Vcpipe/V’ihe
V’eva=Vevain+Veva+Vlpipe+Vihel+Vspipe+
Vcomp
ρ’eva=(ρevain・Vevain+ρeva・Veva+
ρlpipe・Vlpipe+ρihel・Vihel+
ρspipe・Vspipe+ρcomp・Vcomp)/V’eva
ただし、
Vdpipeは第1冷媒配管(21)の内容積、
Vhpipeは第2冷媒配管(22)の内容積、
Vcpipeは第3冷媒配管(23)の内容積、
Vevainは第4冷媒配管(24)の内容積、
Vlpipeは第5冷媒配管(25)の内容積、
Vihelは低圧側通路(17b)の内容積、
Vspipeは第6冷媒配管(26)の内容積、
Vcompは圧縮機(10)の内容積、
ρdpipeはサイクル高負荷運転時における第1冷媒配管(21)での平均冷媒密度、
ρhpipeはサイクル高負荷運転時における第2冷媒配管(22)での平均冷媒密度、
ρcpipeはサイクル高負荷運転時における第3冷媒配管(23)での平均冷媒密度、
ρevainはサイクル高負荷運転時における第4冷媒配管(24)での平均冷媒密度、
ρlpipeはサイクル高負荷運転時における第5冷媒配管(25)での平均冷媒密度、
ρihelはサイクル高負荷運転時における低圧側通路(17b)での平均冷媒密度、
ρspipeはサイクル高負荷運転時における第6冷媒配管(26)での平均冷媒密度、
ρcompはサイクル高負荷運転時における圧縮機(10)の平均冷媒密度である。
これによると、放熱器(12)、蒸発器(14)および高圧側通路(17a)の内容積および平均冷媒密度のみならず、圧縮機(10)、各冷媒配管(21〜26)および低圧側通路(17b)の内容積および平均冷媒密度をも考慮して気液分離器(15)の内容積(Vacc)を設定するので、気液分離器(15)の内容積(Vacc)をより適切に設定できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態は、本発明による超臨界冷凍サイクルを車両用空調装置に適用したものであって、図1は車両用空調装置の全体構成図であり、図2は車両用空調装置の車両搭載状態を示す模式図である。
圧縮機10は電磁クラッチ、ベルト(いずれも図示せず)等を介して車両エンジン11(図2)から駆動力を得て、冷媒(本例では二酸化炭素)を吸入して臨界圧力以上まで圧縮するものである。
本実施形態では、圧縮機10として容量制御弁が設置された外部可変制御型圧縮機を採用している。なお、容量制御弁は、空調用制御装置(図示せず)から出力される制御信号によって制御電流を変化させて圧縮機の吐出量を調整している。
また、圧縮機10は電磁クラッチを備えており、電磁クラッチは空調用制御装置から出力される要求信号に応じて圧縮機の運転/停止を制御する。
圧縮機10の冷媒吐出側には放熱器12が接続されている。放熱器12は、圧縮機10から吐出された超臨界状態の高温高圧冷媒と電動式の送風ファン12aによって送風された外気(室外空気)とを熱交換させて冷媒を冷却するものである。
放熱器12は車両エンジン11の前方であって、車両最前部に配置されている。図示を省略しているが、放熱器12の前方には走行風を取り入れるラジエータグリルが配置されており、電動ファン12aはラジエータグリルから取り入れた外気を放熱器12へ送風するようになっている。放熱器12の空気流れ下流側には、車両エンジン冷却水を放熱させるラジエータ(図示せず)が配置されている。
放熱器12の出口側には減圧手段をなす膨張弁13が設けられている。この膨張弁13はサイクルの高圧側圧力が目標高圧圧力となるように開度が調整される圧力制御弁としての役割も果たす。膨張弁13としては、開度が機械的機構にて調整される機械式膨張弁、、開度が固定された固定絞り、または、電気的に開度が制御される電気式膨張弁を用いることができる。
膨張弁13の出口側には、蒸発器14が接続されている。蒸発器14は、膨張弁13にて減圧された低温低圧冷媒が電動式の送風ファン14aによって送風された外気(室外空気)または内気(室内空気)から蒸発潜熱を吸熱することにより送風空気を冷却するものである。
蒸発器14は車室内前部の計器盤(図示せず)の内側に、車両用空調装置の室内ユニットケース(図示せず)内に収納された状態で配置されている。電動式の送風ファン14aは室内空調ユニット内における蒸発器14の空気流れ上流側に配置され、図示しない内外気切替箱を通して導入される内気または外気を蒸発器14に向けて送風するようになっている。
蒸発器14の出口側には気液分離器(アキュムレータ)15が接続されている。この気液分離器15は、蒸発器14から流出した冷媒を液相冷媒と気相冷媒に分離するとともに、サイクル内の余剰冷媒を蓄える気液分離器である。
気液分離器15は上下方向に延びる縦長の円筒状に成形されたタンク本体部15aを有している。このタンク本体部15aは、本例ではアルミニュウム等の金属により成形された上側タンクと下側タンクとを溶接等の接合手段により一体に接合して構成されている。
タンク本体部15aの上面部を貫通するように冷媒入口管15bを配置している。冷媒入口管15bは、蒸発器14出口からの冷媒をタンク本体部15a内に流入させる冷媒流入部を構成する。また、タンク本体部15aの内部に、U字状に曲げ形成された冷媒出口管15cを配置するとともに、冷媒出口管15cの一端部をタンク本体部15aの上面部を貫通してタンク外部へ取り出すように配置している。冷媒出口管15cの一端部側は圧縮機10の吸入側に接続される。
また、冷媒出口管15cの他端部は、タンク本体部15a内の上部にて気液分離板15dの下側空間に直接開口し、この上端開口部によりタンク本体部15a内上部のガス冷媒を吸入するガス冷媒吸入部を構成している。
気液分離板15dは、冷媒入口管15bの下端開口部に対して所定間隔を介在してタンク本体部15a内の上部に配置されている。この気液分離板15dは、中央部が高く、外周縁部が垂下する椀状の形状に成形されている。気液分離板15dは金属又は樹脂にて成形され、冷媒出口管15cが貫通する貫通穴を有し、この貫通穴部分にて気液分離板15dが冷媒出口管15cに固定されている。また、気液分離板15dの外周縁部とタンク本体部15aの内壁面との間には冷媒を通過させる隙間が形成されている。
冷媒入口管15bおよび冷媒出口管15cはともにアルミニュウム等の金属により成形される。冷媒入口管15bはタンク本体部15aの上面部の貫通穴に挿入され、この貫通穴部に溶接等の接合手段により固定される。また、冷媒出口管15cの一端部がタンク本体部15aの上面部の貫通穴に挿入され、この貫通穴部に溶接等の接合手段により固定される。
U字状の冷媒出口管15cの底部には径1mm程度の微小な円形穴からなるオイル戻し穴15eが開けてある。従って、タンク本体部15a内の下部に溜まる潤滑オイルをオイル戻し穴15eから冷媒出口管15c内に吸入できるので、圧縮機10へのオイル戻り不足を防止できる。
また、冷媒出口管15cの上部には径1.5mm程度の微小な円形穴からなるガス抜き穴15fが設けてあり、システム停止時に圧縮機10の温度低下による圧縮機10への液冷媒流入を防止できるようになっている。
冷媒出口管15cは熱伝導率の高いアルミ材で形成されている。このため、冷媒出口管15cを樹脂材で形成した場合に比べて蒸発器14の負荷が変動したときの応答性が良くなっている。
本例では、気液分離器15を、車両エンジン11の排熱や余熱を受けにくい車両最前部のヘッドランプ(図示せず)の下方に配置している。これにより、エンジンの排熱や余熱によって気液分離器15内の冷媒の温度が上昇してしまうことを抑制している。
気液分離器15の冷媒出口側と圧縮機10の吸入側との間には、サイクルの低圧側圧力が異常上昇したときに冷媒を大気中に放出することにより低圧側機器を保護するリリーフ弁16が配置されている。
このリリーフ弁16は通常時は閉弁状態を維持する常閉式の弁機構であり、本例では周知の機械式圧力応動弁を用いている。
サイクル内冷媒圧力が低圧側機器保護のために設定した所定値以上に異常上昇すると、リリーフ弁16が開弁して冷媒を大気中に放出するようになっている。これにより、サイクル内冷媒圧力が異常上昇して低圧側機器を損傷させてしまうことを回避できる。
なお、本例では、サイクル内冷媒圧力が11MPaに達するとリリーフ弁16が開弁するように設定している。
また、図示を省略しているが、圧縮機10の吐出側にはサイクルの高圧側圧力が異常上昇したときに冷媒を大気中に放出することにより高圧側機器を保護するリリーフ弁が配置されている。
なお、本実施形態では、高圧側圧力の最高運転圧力が12MPa〜15.5MPaの範囲に設定されている。具体的には、高圧側圧力が最高運転圧力を超えないように圧縮機10が制御される。
図3は、放熱器12出口の冷媒温度と最適性能高圧側圧力との関係を示す周知のグラフである。すなわち、放熱器12出口の冷媒温度と高圧側圧力とが図3の実線に示す関係にあるとき、サイクル効率(COP)が最高となることを示している。図3の破線は、サイクル効率(COP)が最高値から5%低下するラインを示している。
車両用超臨界冷凍サイクルにおいては、車両が停止して走行風が無風状態になると車両エンジン11の熱風が放熱器12に吸い込まれてしまい、放熱器12出口の冷媒温度が50℃を超えてしまうことが頻繁にある。
このような場合には、図3からわかるように、高圧側圧力が12MPa程度になるように圧縮機10を制御すれば高いサイクル効率(COP)を引き出すことができる。このため、高圧側圧力の最高運転圧力は最低でも12MPaに設定される。
一方、放熱器12出口の冷媒温度が最も高くなる場合であっても、放熱器12出口の冷媒温度が定常的に70℃を超えることはないので、高圧側圧力の最高運転圧力は最高でも15.5MPaに設定される。
ところで、冷媒である二酸化炭素の臨界温度は約31℃と低いので、例えば、夏季のように外気温度が高いときに冷凍サイクルの運転を停止すると、高温の外気によってサイクル内機器が加熱され、サイクル内冷媒温度が臨界温度以上に上昇してしまう。さらに、低圧側機器は高温の外気のみならず、車両エンジン11の排熱や余熱によっても加熱されるので、より一層、サイクル内冷媒温度が臨界温度以上に上昇しやすい。
具体的には、サイクル内冷媒の平均温度が最高で60℃程度にまで達してしまう。なお、以下では、サイクル内冷媒の最高到達平均温度を最高サイクル内冷媒温度Tと言う。
サイクル内冷媒温度が臨界温度以上になっているとき、すなわち、冷媒(二酸化炭素)が超臨界状態になっているときには圧縮による冷媒の液化が起こらない。このため、冷凍サイクルの冷媒封入密度が大きいほどサイクル内冷媒温度の上昇に伴ってサイクル内冷媒圧力が著しく上昇してしまう。
そして、サイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上(本例では11MPa以上)に達してしまい、リリーフ弁16が開弁して冷媒を大気中に放出するに至ってしまう。
そこで、本実施形態では、気液分離器15の内容積Vaccを適切に設定して、冷媒封入密度を適切な密度にすることによって、サイクル内冷媒圧力の過度の上昇を抑制し、サイクル運転停止時にサイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上に達してしまうことを抑制している。
以下に、気液分離器15の内容積Vaccについて具体的に述べる。まず、冷凍サイクルの運転に必要な冷媒量が最大となるのは、高圧側圧力が最高運転圧力になるとき(以下、サイクル高負荷運転時と言う。)であるので、冷凍サイクルの必要最低限の冷媒封入量W(kg)は次の数式1で近似的に求められる。
W=ρgc・Vgc+ρeva・Veva+ρacc・Vacc…(数式1)
ここで、ρgcはサイクル高負荷運転時における放熱器12での平均冷媒密度(kg/m3)、ρevaはサイクル高負荷運転時における蒸発器14での平均冷媒密度(kg/m3)、ρaccはサイクル高負荷運転時における気液分離器15での平均冷媒密度(kg/m3)、Vgcは放熱器12の内容積(m3)、Vevaは蒸発器14の内容積(m3)、Vaccは気液分離器15の内容積(m3)である。
また、冷凍サイクルに冷媒封入量Wだけ冷媒を封入したときにおける冷媒封入密度ρaは次の数式2で近似的に求められる。
ρa=W/(Vgc+Veva+Vacc)…(数式2)
ここで、数式1、2では、放熱器12、蒸発器14および気液分離器15の内容積のみを考慮し、圧縮機10および冷媒配管の内容積を考慮していないが、この理由は次のとおりである。
すなわち、高圧側機器である放熱器12は高圧側機器であり、運転中の冷媒密度が大きいので、放熱器12の内容積は冷媒封入量、冷媒封入密度に大きく影響する。蒸発器14は低圧側機器であるものの、運転中の冷媒密度が比較的高いため、蒸発器14の内容積は冷媒封入量、冷媒封入密度に大きく影響する。気液分離器15は低圧側機器であるため運転中の冷媒密度が小さいものの内容積が大きいため、気液分離器15の内容積は冷媒封入量、冷媒封入密度に大きく影響する。これらの理由から、数式1、2では、放熱器12、蒸発器14および気液分離器15の内容積を考慮している。
一方、圧縮機10は内容積が比較的大きいものの内容積の大部分はほぼ低圧圧力の空間が占めており、さらに、運転中は内部の冷媒が100℃以上に加熱されて密度が極めて小さく、冷媒重量として少ないことから、圧縮機10の内容積と冷媒はサイクル停止時の内圧上昇への影響は少ない。逆に、圧縮機10は、内圧を下げる作用をもつ部分である。
これらの事情から、この圧縮機10の内容積と冷媒量は考慮しない方が、アキュムレ−タの必要容積を求める場合には、安全側の結論を得ることができる。
低圧側冷媒配管も同様に安全側に働くものであり、計算には考慮しなくて良い。また高圧側冷媒配管の内容積は冷凍サイクルの総内容積と比較して微小である(本例では、内径が5mm程度の冷媒配管を用いており、高圧側冷媒配管の内容積の合計が5cc程度にすぎない)ので冷媒封入量、冷媒封入密度にほとんど影響しない。これらの理由から、数式1、2では、圧縮機10および冷媒配管の内容積を考慮していない。
なお、数式1、2において、圧縮機10および冷媒配管の内容積を考慮してもよいのはもちろんである。
そして、冷媒封入密度ρaが次の数式3を満たすように(冷媒封入密度ρaが目標上限密度ρmax以下になるように)気液分離器15の内容積Vaccを設定する。
ρa≦ρmax…(数式3)
ここで、目標上限密度ρmaxは最高サイクル内冷媒温度T、サイクル内冷媒圧力の目標上限値(以下、目標上限圧力と言う。)Pにおける冷媒密度である。
上述の数式1、2を用いて数式3を変形すると、以下の数式4を得ることができる。
Vacc≧((ρgc−ρmax)・Vgc+(ρeva−ρmax)・Veva)/(ρmax−ρacc)…(数式4)
したがって、気液分離器15の内容積Vaccを上記数式4の範囲に設定すれば、冷媒封入密度を目標上限密度ρmax以下に抑えることができることがわかった。
ここで、蒸発器14の内容積Vevaと気液分離器15の内容積Vaccとの和(Veva+Vacc)を低圧側内容積VLとし、気液分離器15の内容積Vaccと低圧側内容積VLとの比(Vacc/VL)を気液分離器容積比Raccとし、放熱器12の内容積Vgcと低圧側内容積VLとの比(Vgc/VL)を放熱器容積比Rgcとする。
そして、気液分離器容積比Raccおよび放熱器容積比Rgcを用いて数式4を変形すると、以下の数式5を得ることができる。
Racc≧((ρgc−ρmax)・Rgc+ρeva−ρmax)/(ρeva−ρacc)…(数式5)
つまり、気液分離器容積比Raccを上記数式5の範囲に設定すれば、冷媒封入密度を目標上限密度ρmax以下に抑えることができる。
以下に、この数式5に基づく気液分離器容積比Raccの具体的な計算例を示す。まず、本計算例では、目標上限密度ρmaxに関しては、最高サイクル内冷媒温度Tを60℃と近似し、目標上限圧力Pをリリーフ弁16の開弁圧力である11MPaに設定する。すなわち、目標上限密度ρmaxに60℃、11MPaにおける二酸化炭素の密度である358.4kg/m3を代入する。
また、本計算例では、各平均冷媒密度ρgc、ρeva、ρaccとして、サイクル高負荷運転時における実測値を用いている。ここで、上述のように、高圧側圧力の最高運転圧力は12MPa〜15.5MPaの範囲に設定されうるが、本計算例では、ワーストケースとして、高圧側圧力が15.5MPaのときの各平均冷媒密度ρgc、ρeva、ρaccを用いている。
具体的には、放熱器12での平均冷媒密度ρgcに439kg/m3、蒸発器14での平均冷媒密度ρevaに366kg/m3、気液分離器15での平均冷媒密度ρaccに192kg/m3を代入する。
また、放熱器12の内容積Vgcは、通常、車両側搭載空間の制約から、低圧側内容積VLの3.5倍以上、9倍以下に設定されるので、放熱器容積比Rgcとしては1/9以上、1/3.5以下の範囲の値を用いうるが、本計算例では、ワーストケースとして、放熱器容積比Rgcに最大値を代入する(Rgc=1/3.5)。
この結果、Racc≧0.18が得られる。したがって、気液分離器容積比RaccをRacc≧0.18の範囲に設定すれば、サイクル内冷媒の平均温度が60℃に達したときにサイクル内冷媒圧力が11MPa以上に達することを抑制できるので、サイクル運転停止時にサイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上に達することを抑制できることがわかった。
このように、本例では、気液分離器15の内容積Vaccを適切に設定することによって、上述の従来技術のような特別な予備タンクを用いることなくサイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制できる。
ところで、気液分離器15の内容積Vaccではなく、蒸発器14の内容積Vevaを適切に設定することによってもサイクル運転停止時におけるサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制可能である。
しかし、上述のように、サイクル運転時における気液分離器15での平均冷媒密度は、サイクル運転時における蒸発器14での平均冷媒密度よりも小さい。換言すれば、サイクル運転時における気液分離器15での平均冷媒密度とサイクル運転停止時の気液分離器15での平均冷媒密度との密度差は、蒸発器14での同密度差よりも大きい。
さらに、蒸発器14は車室内前部の計器盤(図示せず)の内側に、車両用空調装置の室内ユニットケース(図示せず)内に収納された状態で配置されているので、夏季には車室内温度が80℃程度まで上昇するのに伴い蒸発器14内部の冷媒温度も80℃程度まで上昇してしまう。
これに対して、気液分離器15は車両エンジン11の排熱や余熱を受けにくい車両最前部のヘッドランプ(図示せず)の下方等に配置されているので、サイクル運転停止時における気液分離器15内の冷媒温度を蒸発器14内の冷媒温度よりも低く抑えることができる。
このため、蒸発器14の内容積Vevaの設定によってサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制するよりも、気液分離器15の内容積Vaccの設定によってサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制する方が効果的である。
ところで、リリーフ弁16は機構上、開弁圧力に対していくらかの誤差を有しているので、実際には開弁圧力以下(本例では11MPa以下)で作動してしまう場合がある。このような開弁圧力以下でのリリーフ弁16の作動を抑制するためには、高精度なリリーフ弁16を用いなければならず、コスト高を招いてしまう。
そこで、上述の計算例において、目標上限密度ρmaxを最高サイクル内冷媒温度T=60℃、目標上限圧力P=10.5MPaにおける二酸化炭素の密度である322.6kg/m3に置き換えれば、サイクル運転停止時のサイクル内冷媒圧力の上昇をより抑制可能な気液分離器15の内容積Vaccの設定範囲を得ることができる。
具体的には、気液分離器容積比RaccをRacc≧0.44の範囲に設定すれば、低圧側冷媒の平均温度が60℃に達したときにサイクル内冷媒圧力が10.5MPa以上に達することを抑制できるので、サイクル運転停止時のサイクル内冷媒圧力の上昇をより抑制できることがわかった。
このように気液分離器15の内容積Vaccを設定することにより、高精度なリリーフ弁16を用いることなくリリーフ弁16の作動を抑制できるので、コスト低減を図ることができる。
さらに、上述の計算例において、目標上限密度ρmaxを最高サイクル内冷媒温度T=60℃、目標上限圧力P=9.7MPaにおける二酸化炭素の密度である269.9kg/m3に置き換えれば、サイクル運転停止時のサイクル内冷媒圧力をより一層抑制可能な気液分離器15の内容積Vaccの設定範囲を得ることができる。
具体的には、気液分離器容積比RaccをRacc≧0.83の範囲に設定すれば、低圧側冷媒の平均温度が60℃に達したときにサイクル内冷媒圧力が9.7MPa以上に達することを抑制できるので、サイクル運転停止時のサイクル内冷媒圧力の上昇をより一層抑制でき、リリーフ弁16のコストをより低減することができる。
以上の説明からわかるように、目標上限圧力Pを小さく設定するほどサイクル運転停止時のサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制できるのであるが、目標上限圧力Pをわずかに小さくするだけであっても気液分離器容積比Raccの設定範囲が大きく変化する。このことは、サイクル運転停止時のサイクル内冷媒圧力の上昇を抑制するためには、気液分離器容積比Raccの設定値が非常に重要であることを意味している。
ところで、冷媒封入密度ρaが220kg/m3以下であると、サイクル起動時に低圧側圧力が下がりすぎ、高圧側圧力の立ち上がりが悪くなってしまうので、サイクル起動時間が長くなってしまうという問題がある。
本例では、圧縮機10が車両エンジン11から駆動力を得ているので、圧縮機10が低回転で起動される場合が多い。このため、圧縮機10が低回転で起動される場合にはサイクル起動時間がより長くなってしまう。
そこで、本実施形態では、以下のように気液分離器15の内容積Vaccを設定することによって、冷媒封入密度ρaを220kg/m3以上確保し、サイクル起動時に低圧が下がりすぎることを抑制している。
すなわち、220kg/m3を冷媒封入密度ρaの目標下限密度ρminとしたとき、冷媒封入密度ρaが次の数式6を満たすように(冷媒封入密度ρaが目標下限密度ρmin以上になるように)気液分離器15の内容積Vaccを設定する。
ρa≧ρmin…(数式6)
この数式6を上述の数式1、2を用いて変形すると、以下の数式7を得ることができる。
Vacc≦((ρgc−ρmin)・Vgc+(ρeva−ρmin)・Veva)/(ρmin−ρacc)…(数式7)
そして、数式7を上述の気液分離器容積比Raccおよび放熱器容積比Rgcを用いて変形すると、以下の数式8を得ることができる。
Racc≦((ρgc−ρmin)・Rgc+ρeva−ρmin)/(ρeva−ρacc)…(数式8)
したがって、気液分離器容積比Raccを上記数式8の範囲に設定すれば、冷媒封入密度ρaを220kg/m3以上確保できるので、サイクル起動時に低圧が下がりすぎることを抑制できる。
以下に、この数式8に基づく気液分離器容積比Raccの具体的な計算例を示す。まず、目標下限密度ρminに220kg/m3を代入する。
また、各平均冷媒密度ρgc、ρeva、ρaccにはサイクル高負荷運転時における各平均冷媒密度ρgc、ρeva、ρaccの実測値を用いるのであるが、ここでは高圧側圧力が12MPaのときの各平均冷媒密度ρgc、ρeva、ρaccの実測値を用いる。
この理由は、上述のように、高圧側圧力の最高運転圧力は12MPa〜15.5MPaの範囲に設定されるのであるが、気液分離器容積比Raccの上限値を考えるときのワーストケースは必要冷媒量が最も少ない場合、すなわち、高圧側圧力の最高運転圧力が最も小さい場合だからである。
具体的には、放熱器12での平均冷媒密度ρgcに433kg/m3、蒸発器14での平均冷媒密度ρevaに377.3kg/m3、気液分離器15での平均冷媒密度ρaccに171kg/m3を代入する。
また、上述のように、放熱器容積比Rgcとしては1/9以上、1/3.5以下の範囲の値を用いうるが、本計算例では、ワーストケースとして、放熱器容積比Rgcに最小値を代入する(Rgc=1/9)。
この結果、Racc≦0.87が得られる。したがって、気液分離器容積比RaccをRacc≦0.87の範囲に設定すれば、冷媒封入密度ρaを220kg/m3以上確保できるので、サイクル起動時に低圧が下がりすぎることを抑制できることがわかった。
なお、本実施形態による車両用超臨界冷凍サイクルの一設計例を示すと、圧縮機10の内容積Vcを200cc、放熱器12の内容積Vgcを130cc、蒸発器14の内容積Vevaを160cc、気液分離器15の内容積Vaccを790ccとすれば、上述の効果を発揮する車両用超臨界冷凍サイクルを構成することができる。
(第2実施形態)
本第2実施形態では、図4に示すように、上記第1実施形態に対して内部熱交換器17を追加している。
内部熱交換器17は、高圧側通路17aを通過する放熱器12流出冷媒と低圧側通路17bを通過する圧縮機10吸入冷媒と熱交換させて、放熱器12流出冷媒を放熱させるものである。これにより、蒸発器14における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差を増大させて、サイクル効率(COP)を向上させることができる。
また、本実施形態では、リリーフ弁16が蒸発器14の冷媒出口側と気液分離器15の冷媒入口側との間に配置されている。
ところで、本実施形態のように車両用超臨界冷凍サイクルに内部熱交換器17を配置すると、高圧冷媒が内部熱交換器17の高圧側通路17aにて冷却されて高密度になるため、内部熱交換器17を配置しない第1実施形態と比較してサイクル運転に必要な冷媒封入量Wが増加する。
このため、第1実施形態と同様に気液分離器15の内容積Vaccを設定すると冷媒封入密度が大きくなりすぎてしまうので、サイクル運転停止時にサイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上に達してしまう。
このため、本実施形態では、以下のように、内部熱交換器17を考慮して気液分離器15の内容積Vaccを設定することによって、冷媒封入密度を適切な密度にして、サイクル運転停止時にサイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上に達してしまうことを抑制している。
まず、冷凍サイクルの必要最低限の冷媒封入量W(kg)を次の数式9で近似的に求める。
W=ρgc・Vgc+ρihe・Vihe+ρeva・Veva+ρacc・Vacc…(数式9)
ここで、ρiheはサイクル高負荷運転時における高圧側通路17aでの平均冷媒密度(kg/m3)、Viheは高圧側通路17aの内容積(m3)である。その他については第1実施形態と同様である。
また、冷凍サイクルに冷媒封入量Wだけ冷媒を封入したときにおける冷媒封入密度ρaを次の数式10で近似的に求める。
ρa=W/(Vgc+Vihe+Veva+Vacc)…(数式10)
ここで、数式9、10では、内部熱交換器17のうち高圧側通路17aの内容積のみを考慮し、低圧側通路17bの内容積を考慮していないが、この理由は次のとおりである。
すなわち、高圧側機器である高圧側通路17aは運転中の冷媒密度が大きいので、内容積が小さくても冷媒封入量W、冷媒封入密度ρaへの寄与度が大きい。このため、高圧側通路17aの内容積を考慮している。
一方、低圧側通路17bの内容積は冷凍サイクルの総内容積と比較して微小であるとともに、低圧側通路17bでは冷媒が高圧側冷媒によって加熱されることによって運転中の冷媒密度が小さくなるので、低圧配管以上に低圧側通路17bの冷媒封入量W、冷媒封入密度ρaへの寄与度は小さい。このため、低圧側通路17bの内容積を考慮していない。なお、数式9、10において、低圧側通路17bの内容積を考慮してもよいのはもちろんである。
そして、第1実施形態と同様に、冷媒封入密度ρaが上述の数式3を満たすように、気液分離器15の内容積Vaccを設定すればよい。つまり、上述の数式9、10を用いて数式3を変形すれば、次の数式11を得ることができる。
Vacc≧((ρgc−ρmax)・Vgc+(ρihe−ρmax)・Vihe+(ρeva−ρmax)・Veva)/(ρmax−ρacc)…(数式11)
したがって、気液分離器15の内容積Vaccを上記数式11の範囲に設定すれば、内部熱交換器17を備えていても冷媒封入密度を目標上限密度ρmax以下に抑えることができることがわかった。
ここで、高圧側通路17aの内容積Viheと放熱器12の内容積Vgcと比(Vihe/Vgc)を高圧側通路容積比Zとする。上述の気液分離器容積比Racc、放熱器容積比Rgcおよび高圧側通路容積比Zを用いて数式11を変形すると、次の数式12を得ることができる。
Racc≧((ρihe−ρmax)・Rgc・Z+(ρgc−ρmax)・Rgc+ρeva−ρmax)/(ρeva−ρacc)…(数式12)
したがって、気液分離器容積比Raccを上記数式12の範囲に設定すれば、内部熱交換器17を備えていても冷媒封入密度を目標上限密度ρmax以下に抑えることができる。
以下に、この数式12に基づく気液分離器容積比Raccの具体的な計算例を示す。まず、目標上限密度ρmaxには最高サイクル内冷媒温度T=60℃、目標上限圧力P=11MPaにおける二酸化炭素の密度である358.4kg/m3を代入する。
また、各平均冷媒密度ρgc、ρihe、ρeva、ρaccには高圧側圧力が15.5Mpaのときの各平均冷媒密度ρgc、ρihe、ρeva、ρaccの実測値を用いる。なお、高圧側圧力が15.5Mpaのときの各平均冷媒密度ρgc、ρihe、ρeva、ρaccを用いる理由は第1実施形態と同様である。
具体的には、放熱器12での平均冷媒密度ρgcに439kg/m3、内部熱交換器17の高圧側通路17aでの平均冷媒密度ρiheに599kg/m3、蒸発器14での平均冷媒密度ρevaに366kg/m3、気液分離器15での平均冷媒密度ρaccに192kg/m3を代入する。
また、第1実施形態と同様に、ワーストケースとして放熱器容積比Rgcに最大値を代入する(Rgc=1/3.5)。この結果、Racc≧0.39Z+0.18が得られる。
したがって、気液分離器容積比RaccをRacc≧0.39Z+0.18の範囲に設定すれば、内部熱交換器17を備えていても低圧側冷媒の平均温度が60℃に達したときにサイクル内冷媒圧力が11MPa以上に達することを抑制でき、サイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上に達することを抑制できることがわかった。
図5のグラフ中、実線AはRacc=0.39Z+0.18を示すものであり、この実線Aよりも上方の範囲に気液分離器容積比Raccを設定すればサイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上に達することを抑制できることを示している。
また、上述の計算例において、目標上限密度ρmaxを最高サイクル内冷媒温度T=60℃、目標上限圧力P=10.5MPaにおける二酸化炭素の密度である322.6kg/m3に置き換えれば、サイクル運転停止時のサイクル内冷媒圧力の上昇をより抑制可能な気液分離器15の内容積Vaccの設定範囲を得ることができる。
具体的には、気液分離器容積比RaccをRacc≧0.45Z+0.44の範囲に設定すれば、低圧側冷媒の平均温度が60℃に達したときにサイクル内冷媒圧力が10.5MPa以上に達することを抑制できるので、サイクル運転停止時のサイクル内冷媒圧力の上昇をより抑制できることがわかった。図5のグラフ中、実線BはRacc=0.45Z+0.44を示すものであり、この実線Bよりも上方の範囲に気液分離器容積比Raccを設定すればサイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上に達することをより抑制できることを示している。
さらに、上述の計算例において、目標上限密度ρmaxを最高サイクル内冷媒温度T=60℃、目標上限圧力P=9.7MPaにおける二酸化炭素の密度である269.9kg/m3に置き換えれば、運転停止時のサイクル内冷媒圧力をより一層抑制可能な気液分離器15の内容積Vaccの設定範囲を得ることができる。
具体的には、気液分離器容積比RaccをRacc≧0.54Z+0.83の範囲に設定すれば、低圧側冷媒の平均温度が60℃に達したときにサイクル内冷媒圧力が9.7MPa以上に達することを抑制できるので、運転停止時のサイクル内冷媒圧力をより一層抑制できることがわかった。
ところで、第1実施形態と同様に、冷媒封入密度ρaが220kg/m3以下であると、サイクル起動時に低圧側圧力が下がりすぎ、高圧側圧力の立ち上がりが悪くなってしまうので、サイクル起動時間が長くなってしまうという問題があるのであるが、本実施形態では、以下のように気液分離器15の内容積Vaccを設定することによって、冷媒封入密度ρaを220kg/m3以上確保し、サイクル起動時に低圧が下がりすぎることを抑制している。
すなわち、第1実施形態で述べた数式6を数式9、10を用いて変形すると、以下の数式13を得ることができる。
Vacc≦((ρgc−ρmin)・Vgc+(ρihe−ρmin)・Vihe+(ρeva−ρmin)・Veva)/(ρmin−ρacc)…(数式13)
そして、数式13を上述の気液分離器容積比Racc、放熱器容積比Rgcおよび高圧側通路容積比Zを用いて変形すると、以下の数式14を得ることができる。
Racc≦((ρihe−ρmin)・Rgc・Z+(ρgc−ρmin)・Rgc+ρeva−ρmin)/(ρeva−ρacc)…(数式14)
したがって、気液分離器容積比Raccを上記数式14の範囲に設定すれば、冷媒封入密度ρaを220kg/m3以上確保できるので、サイクル起動時に低圧が下がりすぎることを抑制できる。
以下に、この数式14に基づく気液分離器容積比Raccの具体的な計算例を示す。まず、目標下限密度ρminに220kg/m3を代入する。
また、各平均冷媒密度ρgc、ρihe、ρeva、ρaccには高圧側圧力が12Mpaのときの各平均冷媒密度ρgc、ρihe、ρeva、ρaccの実測値を用いる。なお、高圧側圧力が12Mpaのときの各平均冷媒密度ρgc、ρeva、ρaccを用いる理由は第1実施形態と同様である。
具体的には、放熱器12での平均冷媒密度ρgcに433kg/m3、内部熱交換器17の高圧側通路17aでの平均冷媒密度ρiheに625kg/m3、蒸発器14での平均冷媒密度ρevaに377.3kg/m3、気液分離器15での平均冷媒密度ρaccに171kg/m3を代入する。また、第1実施形態と同様に、ワーストケースとして放熱器容積比Rgcに最小値を代入する(Rgc=1/9)。
この結果、Racc≦0.22Z+0.87が得られる。したがって、気液分離器容積比RaccをRacc≦0.22Z+0.87の範囲に設定すれば、冷媒封入密度ρaを220kg/m3以上確保できるので、サイクル起動時に低圧が下がりすぎることを抑制できることがわかった。
図5のグラフ中、実線CはRacc=0.22Z+0.87を示すものであり、この実線Cよりも下方の範囲に気液分離器容積比Raccを設定すればサイクル起動時に低圧が下がりすぎることを抑制できることを示している。
なお、本実施形態による車両用超臨界冷凍サイクルの一設計例を示すと、圧縮機10の内容積Vcを200cc、放熱器12の内容積Vgcを130cc、内部熱交換器17の高圧側通路17aの内容積Viheを20cc、内部熱交換器17の低圧側通路17bの内容積を6.4cc、蒸発器14の内容積Vevaを160cc、気液分離器15の内容積Vaccを790ccとすれば、上述の効果を発揮する車両用超臨界冷凍サイクルを構成することができる。
なお、内部熱交換器17についてより具体的に述べておくと、図6は内部熱交換器17の長さLとサイクル効率(COP)との関係を示すグラフである。図6からわかるように、内部熱交換器17の長さLが2000mm以下の場合には内部熱交換器17の長さLが長いほどサイクル効率(COP)は向上する。
しかし、内部熱交換器17の長さLが2000mmを越えると、内部熱交換器17の長さLが長くなってもサイクル効率(COP)サイクル効率(COP)はほぼ一定である。一方、内部熱交換器17の長さLが長くなるほど、内部熱交換器17の体格が大型化して車両への搭載性が悪化する。
このため、内部熱交換器17の長さLを500mm〜2000mmの範囲に設定することにより、サイクル効率(COP)の向上と内部熱交換器17の体格の大型化の抑制とを両立するのが好ましい。
本例では、内部熱交換器の高圧側通路の内径を5mmに設定している。このため、図7に示すように、内部熱交換器17の長さLを500mm〜2000mmの範囲に設定すると、内部熱交換器17の高圧側通路17aの内容積Viheは10cc〜40ccの範囲に設定されることになる。
一方、車両用超臨界冷凍サイクルとしては、通常、放熱器12の内容積Vgcを車両側搭載空間の制約から100cc〜210ccに設定する。すなわち、内部熱交換器17の高圧側通路17aの内容積Viheと放熱器12の内容積Vgcは図7のハッチング領域に示す関係を有することとなり、高圧側通路容積比Z(Z=Vihe/Vgc)は0.05〜0.40の範囲に設定されることとなる。
換言すれば、高圧側通路容積比Z(Z=Vihe/Vgc)を0.05〜0.40の範囲に設定すれば、サイクル効率(COP)の向上と内部熱交換器17の体格の大型化の抑制とを両立できることがわかった。
(第3実施形態)
上記第2実施形態では、蒸発器14を1つの蒸発器のみで構成しているが、本第3実施形態では、図4に示すように、蒸発器14を前席用蒸発器141および後席用蒸発器142の2つの蒸発器で構成している。
前席用蒸発器141は、前席用膨張弁131にて減圧された低温低圧冷媒が電動式の送風ファン141aによって送風された外気(室外空気)または内気(室内空気)から蒸発潜熱を吸熱することにより送風空気を冷却するものである。
また、前席用蒸発器141は車室内前部の計器盤(図示せず)の内側に、車両用空調装置の室内ユニットケース(図示せず)内に収納された状態で配置されている。電動式の送風ファン141aは室内空調ユニット内における前席用蒸発器141の空気流れ上流側に配置され、図示しない内外気切替箱を通して導入される内気または外気を前席用蒸発器141に向けて送風するようになっている。
前席用蒸発器141の出口側に気液分離器15が接続され、リリーフ弁16が前席用蒸発器141の冷媒出口側と気液分離器15の冷媒入口側との間に配置されている。
後席用膨張弁132は、圧縮機10からの冷媒流れに対して前席用膨張弁131と並列に配置され、後席用膨張弁132の出口側に後席用蒸発器142が接続されている。後席用蒸発器142は圧縮機10からの冷媒流れに対して前席用蒸発器141に並列に配置され、後席用膨張弁132にて減圧された低温低圧冷媒が電動式の送風ファン142aによって送風された外気(室外空気)または内気(室内空気)から蒸発潜熱を吸熱することにより送風空気を冷却する。
後席用蒸発器142から流出した冷媒は、本例では一例として、気液分離器15の下流側の合流点18にて気液分離器15から流出した冷媒と合流し、内部熱交換器17の低圧側通路17bに流入するようになっている。
後席用蒸発器142から流出した冷媒に液相冷媒が存在する場合があるが、この液相冷媒は内部熱交換器17の低圧側通路17bにおいて高圧側通路17aを通過する放熱器12流出冷媒と熱交換して蒸発する。このため、後席用蒸発器142から流出した冷媒を気液分離器15に流入させる必要がない。
後席用蒸発器142は車室内後部に、車両用空調装置の室内ユニットケース(図示せず)内に収納された状態で配置されている。電動式の送風ファン142aは室内空調ユニット内における後席用蒸発器142の空気流れ上流側に配置され、図示しない内外気切替箱を通して導入される内気または外気を蒸発器14に向けて送風するようになっている。
また、放熱器12出口側と内部熱交換器17の高圧側通路17a入口側との間の冷媒配管19として、内径d1=5mm、肉厚t1=2mmの配管を用いている。後席用蒸発器142出口側と合流点18との間の冷媒配管20として、内径d2=8mm、肉厚t2=1.5mmの配管を用いている。
本実施形態では、蒸発器14を前席用蒸発器141および後席用蒸発器142の2つの蒸発器で構成しているが、以下のように気液分離器15の内容積Vaccを設定することによって、冷媒封入密度を適切な密度にして、サイクル運転停止時にサイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上に達してしまうことを抑制している。
すなわち、本実施形態では、サイクル高負荷運転時において前席用蒸発器141での平均冷媒密度ρeva1と後席用蒸発器142における平均冷媒密度ρeva2とがほぼ同一であると近似して、数式9においてρeva=ρeva1またはρeva=ρeva2とする。
なお、サイクル高負荷運転時において前席用蒸発器141における平均冷媒密度ρeva1と後席用蒸発器142における平均冷媒密度ρeva2とがほぼ同一であると近似できる理由は、冷媒配管20によって前席用蒸発器141と後席用蒸発器142が接続されているため、両蒸発器141、142内部はほぼ同じ蒸発圧力になるためである。
そして、数式9、10においてVevaを前席用蒸発器141の内容積Veva1と後席用蒸発器142の内容積Veva2との和(Veva=Veva1+Veva2)とすれば、上記第2実施形態と同様に数式11、12を得ることができる。
したがって、本実施形態においても、気液分離器15の内容積Vaccを数式11の範囲に設定し、または、気液分離器容積比Raccを数式12の範囲に設定すれば、冷媒封入密度を目標上限密度ρmax以下に抑えることができる。この結果、サイクル運転停止時にサイクル内冷媒圧力がリリーフ弁16の開弁圧力以上に達してしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、上記第2実施形態に対して後席用蒸発器142を追加しているが、以下のように気液分離器15の内容積Vaccを設定することによって、サイクル起動時に低圧が下がりすぎることを抑制できる。
すなわち、数式9においてρeva=ρeva1またはρeva=ρeva2とし、数式9、10においてVeva=Veva1+Veva2とすれば、上記第2実施形態と同様に数式13、14を得ることができる。
したがって、本実施形態においても、気液分離器容積比Raccを数式14の範囲に設定すれば、冷媒封入密度ρaを220kg/m3以上確保できるので、サイクル起動時に低圧が下がりすぎることを抑制できる。
(第4実施形態)
上記第2実施形態では、気液分離器15の内容積Vaccの設定範囲(上記の数式13)の算出が、放熱器12、蒸発器14および内部熱交換器17の高圧側通路17aの内容積Vgc、Vihe、Vevaおよび平均冷媒密度ρgc、ρihe、ρevaのみを考慮して行われているが、本実施形態では、これに加えて、圧縮機10、各冷媒配管および内部熱交換器17の低圧側通路17bの内容積および平均冷媒密度をも考慮して行われている。
図9は本実施形態による車両用空調装置の全体構成を示すものであり、図4に対して第1〜第6冷媒配管21〜26の符号を追加した以外は図4と同じである。
ここで、第1冷媒配管21は圧縮機10吐出側と放熱器12入口側との間の冷媒配管である。第2冷媒配管22は放熱器12出口側と内部熱交換器17の高圧側通路17a入口側との間の冷媒配管である。第3冷媒配管23は高圧側通路17a出口側と膨張弁13入口側との間の冷媒配管である。
第4冷媒配管24は膨張弁13出口側と蒸発器14入口側との間の冷媒配管である。第5冷媒配管25は蒸発器14出口側と気液分離器15入口側との間の冷媒配管および気液分離器15出口側と低圧側通路17b入口側との間の冷媒配管である。第6冷媒配管26は低圧側通路17b出口側と圧縮機10吸入側との間の冷媒配管である。
本実施形態では、上記第2実施形態の数式13において、放熱器12の内容積Vgcおよび平均冷媒密度ρgcの代わりに、下記の数式15、16で補正された放熱器12の内容積V’gcおよび平均冷媒密度ρ’gcを用い、高圧側冷媒通路17aの内容積Viheおよび平均冷媒密度ρiheの代わりに、下記の数式17、18で補正された高圧側冷媒通路17aの内容積V’iheおよび平均冷媒密度ρ’iheを用い、蒸発器14の内容積Vevaおよび平均冷媒密度ρevaの代わりに、下記の数式19、20で補正された蒸発器14の内容積V’evaおよび平均冷媒密度ρ’evaを用いる。
V’gc=Vgc+Vdpipe+Vhpipe …(数式15)
ρ’gc=(ρgc・Vgc+ρdpipe・Vdpipe+
ρhpipe・Vhpipe)/V’gc …(数式16)
V’ihe=Vihe+Vcpipe …(数式17)
ρ’ihe=(ρihe・Vihe+ρcpipe・Vcpipe/V’ihe
…(数式18)
V’eva=Vevain+Veva+Vlpipe+Vihel+Vspipe+
Vcomp …(数式19)
ρ’eva=(ρevain・Vevain+ρeva・Veva+
ρlpipe・Vlpipe+ρihel・Vihel+
ρspipe・Vspipe+ρcomp・Vcomp)/V’eva
…(数式20)
ここで、数式15において、Vdpipeは第1冷媒配管21の内容積(m3)であり、Vhpipeは第2冷媒配管22の内容積(m3)である。数式16において、ρdpipeはサイクル高負荷運転時における第1冷媒配管21での平均冷媒密度(kg/m3)であり、ρhpipeはサイクル高負荷運転時における第2冷媒配管22での平均冷媒密度(kg/m3)である。
数式17において、Vcpipeは第3冷媒配管23の内容積(m3)である。数式18において、ρcpipeはサイクル高負荷運転時における第3冷媒配管23での平均冷媒密度(kg/m3)である。
数式19において、Vevainは第4冷媒配管24の内容積(m3)であり、Vlpipeは第5冷媒配管25の内容積(m3)であり、Vihelは低圧側通路17bの内容積(m3)であり、Vspipeは第6冷媒配管26の内容積(m3)であり、Vcompは圧縮機10の内容積(m3)である。本例では、圧縮機10の内容積として圧縮機10のクランクケースの内容積を用いている。
数式20において、ρevainはサイクル高負荷運転時における第4冷媒配管24での平均冷媒密度(kg/m3)であり、ρlpipeはサイクル高負荷運転時における第5冷媒配管25での平均冷媒密度(kg/m3)であり、ρihelはサイクル高負荷運転時における低圧側通路17bでの平均冷媒密度(kg/m3)であり、ρspipeはサイクル高負荷運転時における第6冷媒配管26での平均冷媒密度(kg/m3)であり、ρcompはサイクル高負荷運転時における圧縮機10の平均冷媒密度(kg/m3)である。本例では、圧縮機10の平均冷媒密度として圧縮機10のクランクケースでの平均冷媒密度を用いている。
つまり、数式15の内容積V’gcは、放熱器12、第1冷媒配管21および第2冷媒配管22の合計内容積であり、数式16の平均冷媒密度ρ’gcは、放熱器12、第1冷媒配管21および第2冷媒配管22の平均冷媒密度である。
数式17の内容積V’iheは、高圧側通路17aおよび第3冷媒配管23の合計内容積であり、数式18の平均冷媒密度ρ’iheは、高圧側通路17aおよび第3冷媒配管23の合計平均冷媒密度である。
数式19の内容積V’evaは、第4冷媒配管24、蒸発器14、第5冷媒配管25、低圧側通路17b、第6冷媒配管26および圧縮機10の合計内容積であり、数式20の平均冷媒密度ρ’evaは、第4冷媒配管24、蒸発器14、第5冷媒配管25、低圧側通路17b、第6冷媒配管26および圧縮機10の合計平均冷媒密度である。
これにより、上記の数式13で算出される気液分離器15の内容積Vaccの設定範囲は、放熱器12、蒸発器14、および高圧側通路17aの内容積および平均冷媒密度のみならず、圧縮機10、各冷媒配管21〜26および低圧側通路17bの内容積および平均冷媒密度をも考慮したものになる。そのため、気液分離器15の内容積Vaccをより適切に設定できる。
ちなみに、上記の数式16、18、20における平均冷媒密度ρdpipe、ρhpipe、ρcpipe、ρevain、ρlpipe、ρihel、ρspipe、ρcompには、上記第2実施形態と同様に、高圧側圧力が12Mpaのときの各平均冷媒密度の実測値を用いればよい。
例えば、第1冷媒配管21での平均冷媒密度ρdpipeに251kg/m3を用い、第2冷媒配管22での平均冷媒密度ρhpipeに524kg/m3を用い、第3冷媒配管23での平均冷媒密度ρcpipeに720kg/m3を用い、第4冷媒配管24での平均冷媒密度ρevainに453kg/m3を用い、第5冷媒配管25での平均冷媒密度ρlpipeに192kg/m3を用い、低圧側通路17bでの平均冷媒密度ρihelに170kg/m3を用い、第6冷媒配管26での平均冷媒密度ρspipeに132kg/m3を用い、圧縮機10での平均冷媒密度ρcompに192kg/m3を用いればよい。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、冷媒として二酸化炭素を用いる超臨界冷凍サイクルに対して本発明を適用した例を示したが、二酸化炭素以外の冷媒、例えば、エチレン、エタン、酸化窒素等の冷媒を用いる超臨界冷凍サイクルの冷媒に対しても本発明を適用可能であることはもちろんである。
また、上記各実施形態では、車両エンジン11による駆動力を電磁クラッチを介して圧縮機10に伝達しているが、電磁クラッチではなく、介する動力が所定値以上になると、機械的に破断することで圧縮機10と車両エンジン11の動力伝達を遮断するプーリを介してもよい。
また、上記各実施形態では、圧縮機10として外部可変制御型圧縮機を採用しているが、圧縮機10として固定容量式圧縮機、または、内部可変式圧縮機を採用してもよいことはもちろんである。
また、上記各実施形態では、車両エンジン11を搭載する車両に対して本発明を適用した例を示したが、車両エンジン11とモータを合わせて搭載するハイブリッド車、または、車両エンジン11を搭載せず燃料電池を搭載するいわゆる燃料電池車に対しても本発明を適用可能である。
なお、ハイブリッド車や燃料電池車に本発明を適用する場合においては、圧縮機10として電動型圧縮機を採用することができる。例えば、電動型圧縮機は、空調用制御装置によって回転数が制御される電動機によって駆動され、電動機の回転数によって吐出容量が調節される。
本発明の第1実施形態による車両用空調装置の全体構成の概要図である。 本発明の第1実施形態による車両用空調装置の車両搭載状態を説明する斜視図である。 放熱器出口の冷媒温度と最適性能高圧側圧力との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態による車両用空調装置の全体構成の概要図である。 高圧側通路容積比と気液分離器容積比の設定範囲との関係を示すグラフである。 内部熱交換器の長さとサイクル効率(COP)との関係を示すグラフである。 高圧側通路容積比の設定範囲を説明するグラフである。 本発明の第3実施形態による車両用空調装置の全体構成の概要図である。 本発明の第4実施形態による車両用空調装置の全体構成の概要図である。
符号の説明
10…圧縮機、12…放熱器、13…減圧手段、14…蒸発器、15…気液分離器。

Claims (12)

  1. 冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、
    前記圧縮機(10)の吐出冷媒を冷却する放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)の出口側冷媒を減圧する減圧手段(13)と、
    前記減圧手段(13)により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、
    前記圧縮機(10)の吸入側に配置されて前記蒸発器(14)から流出した冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜める気液分離器(15)とを備え、
    前記気液分離器(15)の内容積(Vacc)と前記蒸発器(14)の内容積(Veva)との和(Vacc+Veva)を低圧側内容積(VL)とし、
    前記気液分離器(15)の内容積(Vacc)と前記低圧側内容積(VL)との比(Vacc/VL)を気液分離器内容積比(Racc)としたとき、
    前記気液分離器内容積比(Racc)が0.18以上の範囲に設定されていることを特徴とする車両用超臨界冷凍サイクル。
  2. 前記気液分離器内容積比(Racc)が0.44以上の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用超臨界冷凍サイクル。
  3. 前記気液分離器内容積比(Racc)が0.87以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用超臨界冷凍サイクル。
  4. 冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、
    前記圧縮機(10)の吐出冷媒を冷却する放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)の出口側冷媒を減圧する減圧手段(13)と、
    前記減圧手段(13)により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、
    前記圧縮機(10)の吸入側に配置されて冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜める気液分離器(15)と、
    前記圧縮機(10)の吸入側の低圧冷媒と、前記減圧手段(13)の上流側の高圧冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器(17)とを備え、
    前記気液分離器(15)の内容積(Vacc)と前記蒸発器(14)の内容積(Veva)との和(Vacc+Veva)を低圧側内容積(VL)とし、
    前記気液分離器(15)の内容積(Vacc)と前記低圧側内容積(VL)との比(Vacc/VL)を気液分離器内容積比(Racc)とし、
    前記内部熱交換器(17)のうち前記高圧冷媒が流れる高圧側冷媒通路(17a)の体積(Vihe)と前記放熱器(12)の内容積(Vgc)との比(Vihe/Vgc)を高圧側通路容積比(Z)としたとき、
    前記気液分離器内容積比(Racc)が、
    Racc≧0.39Z+0.18の範囲に設定されていることを特徴とする車両用超臨界冷凍サイクル。
  5. 前記気液分離器内容積比(Racc)が、
    Racc≧0.45Z+0.44の範囲に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用超臨界冷凍サイクル。
  6. 前記気液分離器内容積比(Racc)が、
    Racc≦0.22Z+0.87の範囲に設定されていることを特徴とする請求項4または5に記載の車両用超臨界冷凍サイクル。
  7. 前記高圧側通路容積比(Z)が0.05以上、0.40以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載の車両用超臨界冷凍サイクル。
  8. 冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、
    前記圧縮機(10)の吐出冷媒を冷却する放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)の出口側冷媒を減圧する減圧手段(13)と、
    前記減圧手段(13)により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、
    前記圧縮機(10)の吸入側に配置されて前記蒸発器(14)から流出した冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜める気液分離器(15)とを備え、
    前記気液分離器(15)の内容積(Vacc)が、
    Vacc≧((ρgc−ρmax)・Vgc+(ρeva−ρmax)・Veva)/(ρmax−ρacc)の範囲に設定されていることを特徴とする車両用超臨界冷凍サイクル。
    ただし、
    Vgcは前記放熱器(12)の内容積、
    Vevaは前記蒸発器(14)の内容積、
    ρgcはサイクル高負荷運転時における前記放熱器(12)での平均冷媒密度、
    ρevaはサイクル高負荷運転時における前記蒸発器(14)での平均冷媒密度、
    ρaccはサイクル高負荷運転時における前記気液分離器(15)での平均冷媒密度、
    ρmaxは目標上限冷媒密度である。
  9. 冷媒を吸入圧縮する圧縮機(10)と、
    前記圧縮機(10)の吐出冷媒を冷却する放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)の出口側冷媒を減圧する減圧手段(13)と、
    前記減圧手段(13)により減圧された低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)と、
    前記圧縮機(10)の吸入側に配置されて前記蒸発器(14)から流出した冷媒の気液を分離し、液冷媒を溜める気液分離器(15)と、
    前記圧縮機(10)の吸入側の低圧冷媒が流れる低圧側冷媒通路(17b)と、前記減圧手段(13)の上流側の高圧冷媒が流れる高圧側冷媒通路(17a)とを有し、前記低圧側冷媒通路(17b)を流れる低圧冷媒と前記高圧側冷媒通路(17a)を流れる高圧冷媒との間で熱交換を行う内部熱交換器(17)とを備え、
    前記気液分離器(15)の内容積(Vacc)が、
    Vacc≧((ρgc−ρmax)・Vgc+(ρihe−ρmax)・Vihe+(ρeva−ρmax)・Veva)/(ρmax−ρacc)の範囲に設定されていることを特徴とする車両用超臨界冷凍サイクル。
    ただし、
    Vgcは前記放熱器(12)の内容積、
    Viheは前記高圧側冷媒通路(17a)の内容積、
    Vevaは前記蒸発器(14)の内容積、
    ρgcはサイクル高負荷運転時における前記放熱器(12)での平均冷媒密度、
    ρiheはサイクル高負荷運転時における前記高圧側冷媒通路(17a)での平均冷媒密度、
    ρevaはサイクル高負荷運転時における前記蒸発器(14)での平均冷媒密度、
    ρaccはサイクル高負荷運転時における前記気液分離器(15)での平均冷媒密度、
    ρmaxは目標上限冷媒密度である。
  10. 前記圧縮機(10)吐出側と前記放熱器(12)入口側との間に配置された第1冷媒配管(21)と、
    前記放熱器(12)出口側と前記高圧側通路(17a)入口側との間に配置された第2冷媒配管(22)と、
    前記高圧側通路(17a)出口側と前記減圧手段(13)入口側との間に配置された第3冷媒配管(23)と、
    前記減圧手段(13)出口側と前記蒸発器(14)入口側との間に配置された第4冷媒配管(24)と、
    前記蒸発器(14)出口側と前記気液分離器(15)入口側との間、および、前記気液分離器(15)出口側と前記低圧側通路(17b)入口側との間に配置された第5冷媒配管(25)と、
    前記低圧側通路(17b)出口側と前記圧縮機(10)吸入側との間に配置された第6冷媒配管(26)とを備え、
    前記気液分離器(15)の内容積(Vacc)の設定範囲の算出が、
    前記放熱器(12)の内容積(Vgc)および平均冷媒密度(ρgc)の代わりに、下記の数式で補正された前記放熱器(12)の内容積(V’gc)および平均冷媒密度(ρ’gc)を用い、
    前記高圧側冷媒通路(17a)の内容積(Vihe)および平均冷媒密度(ρihe)の代わりに、下記の数式で補正された前記高圧側冷媒通路(17a)の内容積(V’ihe)および平均冷媒密度(ρ’ihe)を用い、
    前記蒸発器(14)の内容積(Veva)および平均冷媒密度(ρeva)の代わりに、下記の数式で補正された前記蒸発器(14)の内容積(V’eva)および平均冷媒密度(ρ’eva)を用いて行われていることを特徴とする請求項9に記載の車両用超臨界冷凍サイクル。
    V’gc=Vgc+Vdpipe+Vhpipe
    ρ’gc=(ρgc・Vgc+ρdpipe・Vdpipe+
    ρhpipe・Vhpipe)/V’gc
    V’ihe=Vihe+Vcpipe
    ρ’ihe=(ρihe・Vihe+ρcpipe・Vcpipe/V’ihe
    V’eva=Vevain+Veva+Vlpipe+Vihel+Vspipe+
    Vcomp
    ρ’eva=(ρevain・Vevain+ρeva・Veva+
    ρlpipe・Vlpipe+ρihel・Vihel+
    ρspipe・Vspipe+ρcomp・Vcomp)/V’eva
    ただし、
    Vdpipeは前記第1冷媒配管(21)の内容積、
    Vhpipeは前記第2冷媒配管(22)の内容積、
    Vcpipeは前記第3冷媒配管(23)の内容積、
    Vevainは前記第4冷媒配管(24)の内容積、
    Vlpipeは前記第5冷媒配管(25)の内容積、
    Vihelは前記低圧側通路(17b)の内容積、
    Vspipeは前記第6冷媒配管(26)の内容積、
    Vcompは前記圧縮機(10)の内容積、
    ρdpipeはサイクル高負荷運転時における前記第1冷媒配管(21)での平均冷媒密度、
    ρhpipeはサイクル高負荷運転時における前記第2冷媒配管(22)での平均冷媒密度、
    ρcpipeはサイクル高負荷運転時における前記第3冷媒配管(23)での平均冷媒密度、
    ρevainはサイクル高負荷運転時における前記第4冷媒配管(24)での平均冷媒密度、
    ρlpipeはサイクル高負荷運転時における前記第5冷媒配管(25)での平均冷媒密度、
    ρihelはサイクル高負荷運転時における前記低圧側通路(17b)での平均冷媒密度、
    ρspipeはサイクル高負荷運転時における前記第6冷媒配管(26)での平均冷媒密度、
    ρcompはサイクル高負荷運転時における前記圧縮機(10)の平均冷媒密度である。
  11. 前記目標上限冷媒密度ρmaxは60℃、11MPaでの冷媒密度であることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1つに記載の車両用超臨界冷凍サイクル。
  12. 前記目標上限冷媒密度ρmaxは60℃、10.5MPaでの冷媒密度であることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1つに記載の車両用超臨界冷凍サイクル。
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