JP2008092061A - 無線通信装置およびキャリブレーション方法 - Google Patents

無線通信装置およびキャリブレーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】キャリブレーション測定時と実際の通信時において、送受回路を共用することを図る。
【解決手段】高周波部10aの送信系の信号を、該アンテナ素子に供給するか、若しくは、全てのアンテナ素子の受信系に分配するかを切り替える第1のスイッチ手段(2-to-2スイッチ12a)と、第1のスイッチ手段から供給された信号を全てのアンテナ素子の受信系に分配する分配手段(合成・分配器18)と、全てのアンテナ素子の送信系の信号を合成する合成手段(合成・分配器18)と、高周波部10aの受信系に、該アンテナ素子の受信信号を供給するか、若しくは、合成手段により合成された信号を供給するかを切り替える第2のスイッチ手段(2-to-2スイッチ12a)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、無線通信装置およびキャリブレーション方法に関する。
従来、時分割複信(Time Division Duplex:TDD)方式の移動通信システムにおいて、複数のアンテナ素子を有するアレーアンテナを備えた無線通信装置を対象にしたキャリブレーション技術が、例えば特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の従来技術では、実際の通信用の送受回路を有する基地局送受信部とは別に、実際の通信には使用されない、キャリブレーション専用の送受回路を有するキャリブレーション部を設ける(特許文献1の図3参照)。そして、そのキャリブレーション部を用いてアレーアンテナの受信系及び送信系の測定を行い、キャリブレーションウェイトを算出している。
特開2006−19991号公報
しかし、上述した特許文献1に記載の従来技術では、実際の通信には使用されない送受回路を設けるので、装置のコスト面や小型化の面でよろしくない。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、キャリブレーション測定時と実際の通信時において、送受回路を共用することのできる無線通信装置およびキャリブレーション方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る無線通信装置は、アンテナ素子の各々に対応して設けられる送信系と受信系の伝送特性を測定し、該送信系と受信系の伝送特性の差を補正する無線通信装置において、第1の前記アンテナ素子の送信系の信号を、該第1のアンテナ素子に供給するか、若しくは、全ての前記アンテナ素子の受信系に分配するかを切り替える第1のスイッチ手段と、前記第1のスイッチ手段から供給された信号を全ての前記アンテナ素子の受信系に分配する分配手段と、全ての前記アンテナ素子の送信系の信号を合成する合成手段と、前記第1のアンテナ素子の受信系に、該第1のアンテナ素子の受信信号を供給するか、若しくは、前記合成手段により合成された信号を供給するかを切り替える第2のスイッチ手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、第1のアンテナ素子に対応して設けられる送信系と受信系は、実際の通信時には第1のアンテナ素子を介して信号を送信、受信するとともに、キャリブレーション測定時には受信系特性の測定用の信号経路、送信系特性の測定用の信号経路として利用することができる。
本発明に係る無線通信装置においては、前記第1および第2のスイッチ手段の両方を一つの2-to-2スイッチで構成したことを特徴とする。
本発明に係る無線通信装置においては、前記第1および第2のスイッチ手段を、全ての前記アンテナ素子に対して設け、前記分配手段により分配される信号を供給する送信系、および、前記合成手段により合成された信号が供給される受信系を選択する第3のスイッチ手段をさらに備えたことを特徴とする。
この構成によれば、キャリブレーション測定に利用する送信系と受信系を第3のスイッチ手段の切り替えによって任意に変更可能である。
本発明に係るキャリブレーション方法は、アンテナ素子の各々に対応して設けられる送信系と受信系の伝送特性を測定し、該送信系と受信系の伝送特性の差を補正するキャリブレーション方法であって、受信系特性の測定の場合には、第1の前記アンテナ素子の送信系の信号を、該第1のアンテナ素子への供給から、全ての前記アンテナ素子の受信系に分配するように切り替える過程と、前記第1のアンテナ素子の送信系の信号を全ての前記アンテナ素子の受信系に分配する過程と、を有し、送信系特性の測定の場合には、全ての前記アンテナ素子の送信系の信号を合成する過程と、前記第1のアンテナ素子の受信系に供給する信号を、該第1のアンテナ素子の受信信号から、前記合成手段により合成された信号に切り替える過程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、キャリブレーション測定時と実際の通信時において、送受回路を共用することができる。
以下、図面を参照し、本発明の各実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。図1に示される無線通信装置は、TDD方式の移動通信システムにおいて、基地局に用いられる。
図1において、無線通信装置は、アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子ANTと、アンテナ素子ANTの各々に対応して設けられる高周波部10a,10bと、通信用ベースバンド信号処理部20と、キャリブレーション用ベースバンド信号処理部30を備える。高周波部10aは、一つのアンテナ素子ANTのみに対して設けられている。その他のアンテナ素子ANTに対しては、高周波部10bが設けられている。
高周波部10aは、カプラ11、2-to-2スイッチ12a、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier:LNA)13、ダウンコンバータ14、アップコンバータ15、大電力増幅器(High Power Amplifier:HPA)16、減衰器(Attenuator:ATT)17および合成・分配器18を有する。高周波部10bは、カプラ11、2-to-1スイッチ12b、LNA13、ダウンコンバータ14、アップコンバータ15およびHPA16を有する。
高周波部10aにおいて、カプラ11は、2-to-2スイッチ12aとアンテナ素子ANTを接続する信号線に対して、合成・分配器18からの信号線を電気的に結合し、両信号線間で相互に信号を分岐および合成する。これにより、2-to-2スイッチ12aからアンテナ素子ANTに供給された信号は、合成・分配器18にも供給される。また、合成・分配器18からカプラ11に供給された信号は、2-to-2スイッチ12aにも供給される。
2-to-2スイッチ12aは、二つの入出力端子、一つの出力端子および一つの入力端子を有し、端子間の接続を切り替えることができる。その一つの入出力端子はカプラ11に接続され、もう一つの入出力端子はATT17に接続され、一つの出力端子はLNA13に接続され、一つの入力端子はHPA16に接続されている。実際の通信時には、2-to-2スイッチ12aは、TDD方式の送受切替タイミングで、カプラ11からの入力信号をLNA13に出力するか(受信状態)、又は、HPA16からの入力信号をカプラ11に出力するか(送信状態)、を切り替える。キャリブレーション測定時の2-to-2スイッチ12aの設定については、後述する。
LNA13は、2-to-2スイッチ12aの出力信号を増幅する。ダウンコンバータ14は、LNA13の出力信号(無線周波数帯の信号)をベースバンド信号に周波数変換する。アップコンバータ15は、ベースバンド信号を無線周波数帯の信号に周波数変換する。HPA16は、アップコンバータ15の出力信号を増幅し、2-to-2スイッチ12aに出力する。ATT17は、2-to-2スイッチ12aと合成・分配器18の間で送受される信号のレベルを減衰させる。合成・分配器18は、ATT17の出力信号を入力し、該入力信号を複数に分配して出力する。その分配先は、自高周波部10a内のカプラ11と、他の高周波部10b内のカプラ11である。また、合成・分配器18は、それら分配先の複数のカプラ11の出力信号を入力し、該入力信号を合成してATT17に出力する。
一方、高周波部10bにおいては、2-to-2スイッチ12aの代わりに2-to-1スイッチ12bを設ける。実際の通信時には、2-to-1スイッチ12bは、TDD方式の送受切替タイミングで、カプラ11からの入力信号をLNA13に出力するか(受信状態)、又は、HPA16からの入力信号をカプラ11に出力するか(送信状態)、を切り替える。キャリブレーション測定時の2-to-1スイッチ12bの設定については、後述する。高周波部10bのその他の各部11,13,14,15,16については高周波部10aと同様であり、その説明を省略する。
通信用ベースバンド信号処理部20は、ADコンバータ(Analog-to-Digital Converter)21、DAコンバータ(Digital-to-Analog Converter)22、受信ビーム形成部23、受信ビーム制御部24、送信ビーム制御部25、送信ビーム形成部26、受信部27および送信部28を備える。
通信用ベースバンド信号処理部において、ADコンバータ21は、各高周波部10a,10bのダウンコンバータ14の出力信号をデジタル信号に変換し、受信ビーム形成部23に出力する。DAコンバータ22は、送信ビーム形成部26から入力される各アンテナ素子ANTに対応した送信データをそれぞれアナログ信号に変換し、それぞれ対応する高周波部10a,10bのアップコンバータ15に出力する。受信ビーム形成部23は、ADコンバータ21から入力されるアンテナ素子数分のベースバンド信号を復調し、各復調信号間の相関値を算出する。受信ビーム制御部24は、受信ビーム形成部23により算出された相関値に基づいて受信アレー重みを算出する。送信ビーム制御部25は、受信ビーム制御部24により算出された受信アレー重みにキャリブレーション補正係数を乗じて、送信アレー重みを算出する。キャリブレーション補正係数は、キャリブレーション用ベースバンド信号処理部30で算出される。送信ビーム形成部26は、送信部28から受け取った送信信号をアンテナ素子数分だけコピーし、その各送信信号を変調し、その各変調信号に送信アレー重みを乗じてDAコンバータ22に出力する。受信部27は、受信ビーム形成部23による受信ビームパターンにより、所望の端末局から送信された信号を受信する受信処理を行う。
キャリブレーション用ベースバンド信号処理部30は、キャリブレーション用信号生成部31、送受信系キャリブレーション基礎補正係数算出部32およびキャリブレーション補正係数算出部33を備える。
キャリブレーション用ベースバンド信号処理部30において、キャリブレーション用信号生成部31は、キャリブレーション用信号(以下、Cal信号と称する)を生成する。送受信系キャリブレーション基礎補正係数算出部32は、キャリブレーション測定時に、受信ビーム形成部23によりCal信号について復調された復調信号に基づいて、送受信系のキャリブレーション基礎補正係数を算出する。なお、送信系のキャリブレーション基礎補正係数をTxCal基礎補正係数と称し、受信系のキャリブレーション基礎補正係数をRxCal基礎補正係数と称する。キャリブレーション補正係数算出部33は、RxCal基礎補正係数およびTxCal基礎補正係数に基づいて、キャリブレーション補正係数(以下、Cal補正係数と称する)を算出する。
図1に示す無線通信装置は、上述の構成により、送信ビーム制御を行う。具体的には、アンテナ素子ANTから送信する各々の送信信号に対して送信アレー重みを乗じることにより、各送信信号の振幅および位相を操作する。これにより、所望の端末局方向には高利得の指向性(ビーム)を形成し、また、非所望の端末局方向には送信信号を打ち消すヌルを形成するような、任意な送信ビームパターンを形成することができる。同様に、受信ビーム制御によって受信ビームパターンを形成することができる。その送信ビーム制御および受信ビーム制御により、移動通信システムにおいて、時間および周波数とは独立した空間(ビームパターン)を用いた空間分割多元接続(Space Division Multiple Access:SDMA)を実現することができる。SDMAによれば、周波数利用効率の改善を図ることが可能になる。
ここで、TDD方式の移動通信システムでは、無線伝搬路の伝送特性の変動速度に対して、十分高速に、送信時と受信時の時間スロットを切り替えることができるならば、送信時と受信時で同一伝搬路であるとみなすことができる。この場合、上述の図1の構成により、受信ビーム制御で用いた受信アレー重みを送信アレー重みに利用することが可能である。ただし、図1に示されるように、アンテナ素子は送信系と受信系で共通であるが、その他の回路は送信系と受信系で異なるために、送信系と受信系で伝送特性の差が生じる。このため、その伝送特性の差を補正するためのキャリブレーションが必要になる。
以下、そのキャリブレーションについて詳細に説明する。
本実施形態に係るキャリブレーション方法では、まずRxCal基礎補正係数およびTxCal基礎補正係数をそれぞれ算出する。次いで、そのRxCal基礎補正係数およびTxCal基礎補正係数からCal補正係数を算出する。そして、Cal補正係数を受信アレー重みに乗じて送信アレー重みを算出することで、キャリブレーションが行われる。
まず、図2を参照して、本実施形態に係るRxCal基礎補正係数の算出時の動作を説明する。図2には、RxCal基礎補正係数算出用のキャリブレーション測定時におけるCal信号の伝送経路(図中の太い矢印線)が示されている。
RxCal基礎補正係数算出用のキャリブレーション測定時には、高周波部10aの2-to-2スイッチ12aを、「カプラ11からの入力信号をLNA13に出力し、且つ、HPA16からの入力信号をATT17に出力する」ように設定する。また、各高周波部10bの2-to-1スイッチ12bを、「カプラ11からの入力信号をLNA13に出力する」ように設定する。
キャリブレーション用信号生成部31はCal信号を生成し出力する。送信ビーム形成部26は、そのCal信号を「高周波部10aに対応する要素を1、その他の高周波部10bに対応する要素を0とした送信アレー重み」で重み付けして、高周波部10a向けのポートのみからDAコンバータ22に出力する。そのCal信号は、DAコンバータ22から高周波部10aに出力され、その後、高周波部10a内のアップコンバータ15、HPA16、2-to-2スイッチ12a、ATT17を経由して合成・分配器18に入力される。合成・分配器18から分配出力された各Cal信号は、各高周波部10a,10bのカプラ11に入力され、それぞれの高周波部10a,10bにおいて、カプラ11からスイッチ12a,12b、LNA13、ダウンコンバータ14を経由してADコンバータ21に入力され、デジタル信号に変換されて受信ビーム形成部23に入力される。なお、高周波部10aのHPA16と各高周波部10bのLNA13によって、信号レベルが2段階で増幅されてしまうので、その分をATT17で減衰し、信号レベルを調整する。
ここで、複素信号表記の変数を用いて以降の説明を行う。
キャリブレーション用信号生成部31で生成されるCal信号をcRx (t)とする。第kアンテナ素子に対応する高周波部10a,10bに関し、その送信系(DAコンバータ22の出力からアップコンバータ15およびHPA16次いでスイッチ12a,12bまで)の伝送特性をhTx (k) (t)、受信系(スイッチ12a,12bからLNA13およびダウンコンバータ14次いでADコンバータ21の入力まで)の伝送特性をhRx (k) (t)とする。高周波部10aにおいて2-to-2スイッチ12aからATT17を経由して合成・分配器18までの伝送特性をaRxとする。合成・分配器18の出力からカプラ11を経由してスイッチ12a,12bまでの伝送特性をdRx (k)とする。
すると、第kアンテナ素子に対応する高周波部10a,10bから受信ビーム形成部23に入力されるCal信号y Rx (k) (t)は、(1)式で表される。
y Rx (k) (t) = cRx (t)・hTx (l) (t)・aRx・dRx (k)・hRx (k) (t) ・・・(1)
但し、高周波部10aに対応するアンテナ素子は第lアンテナ素子(k=l)である。
受信ビーム形成部23は、Cal信号cRx (t)を基準信号として、各Cal信号y Rx (k) (t)を復調する。送受信系キャリブレーション基礎補正係数算出部32は、その各復調信号から、Cal信号cRx (t)を参照信号とした相関値CR Rx (k)を(2)式により算出する。
CR Rx (k) (t) = E[y Rx (k) (t)・cRx (t)*]
= hTx (l) (t)・aRx・dRx (k)・hRx (k) (t) ・・・(2)
但し、E[]は時間平均を表す。*は複素共役を表す。
キャリブレーション補正係数算出部33は、アンテナ素子毎の相関値CR Rx (k)をRxCal基礎補正係数として保持する。
次に、図3を参照して、本実施形態に係るTxCal基礎補正係数の算出時の動作を説明する。図3には、TxCal基礎補正係数算出用のキャリブレーション測定時におけるCal信号の伝送経路(図中の太い矢印線)が示されている。
TxCal基礎補正係数算出用のキャリブレーション測定時には、高周波部10aの2-to-2スイッチ12aを、「HPA16からの入力信号をカプラ11に出力し、且つ、ATT17からの入力信号をLNA13に出力する」ように設定する。また、各高周波部10bの2-to-1スイッチ12bを、「HPA16からの入力信号をカプラ11に出力する」ように設定する。
キャリブレーション用信号生成部31はCal信号を生成し出力する。送信ビーム形成部26は、そのCal信号を「送信アレー重み=Cal補正係数」で重み付けして、全ての高周波部10a,10b向けのポートからDAコンバータ22に出力する。このとき、まだCal補正係数が算出されていない場合には、全ての高周波部10a,10bに対応する送信アレー重みの要素にCal補正係数の初期値「1」を使用する。また、送信ビーム形成部26は、どの高周波部10a,10b向けに出力したCal信号であるのかを識別することができるようにしておく。例えば、時分割多重または符号分割多重を用いることにより、各高周波部10a,10b向けに出力したCal信号をそれぞれ判別することができる。
送信ビーム形成部26から出力されたCal信号は、DAコンバータ22から各高周波部10a,10bに出力され、その後、各高周波部10a,10bにおいて、アップコンバータ15、HPA16、スイッチ12a,12b、カプラ11を経由して合成・分配器18に入力される。合成・分配器18は、それら入力信号を合成して、高周波部10aのATT17に出力する。ATT17から出力された信号は、高周波部10aの2-to-2スイッチ12a、LNA13、ダウンコンバータ14を経由してADコンバータ21に入力され、デジタル信号に変換されて受信ビーム形成部23に入力される。なお、各高周波部10bのHPA16と高周波部10aのLNA13によって、信号レベルが2段階で増幅されてしまうので、その分をATT17で減衰し、信号レベルを調整する。
ここで、複素信号表記の変数を用いて以降の説明を行う。
第kアンテナ素子に対応する高周波部10a,10b向けに送信ビーム形成部26から出力されるCal信号をcTx (k) (t)とする。第kアンテナ素子に対応するCal補正係数をα (k) (t)とする。2-to-1スイッチ12bの出力からカプラ11を経由して合成・分配器18までの伝送特性の伝送特性をdTx (k)とする。合成・分配器18からATT17を経由して2-to-2スイッチ12aまでの伝送路特性をaTxとする。第kアンテナ素子に対応する高周波部10a,10bの送信系の伝送特性をhTx (k) (t)、および、受信系の伝送特性をhRx (k) (t)については、上述のRxCal基礎補正係数の算出時と同じである。
すると、第kアンテナ素子に対応する高周波部10a,10bから受信ビーム形成部23に入力されるCal信号y Tx (k) (t)は、(3)式で表される。
y Tx (k) (t) = cTx (k) (t)・α (k) (t)・hTx (k) (t)・dTx (k)・aTx・hRx (l) (t) ・・・(3)
但し、高周波部10aに対応するアンテナ素子は第lアンテナ素子(k=l)である。
受信ビーム形成部23は、Cal信号cTx (k) (t)を基準信号として、各Cal信号y Tx (k) (t)を復調する。送受信系キャリブレーション基礎補正係数算出部32は、その各復調信号から、Cal信号cTx (k) (t)を参照信号とした相関値CR Tx (k)を(4)式により算出する。
CR Tx (k) (t) = E[y Tx (k) (t)・cTx (k) (t)*]
(k) (t)・hTx (k) (t)・dTx (k)・aTx・hRx (l) (t) ・・・(4)
キャリブレーション補正係数算出部33は、アンテナ素子毎の相関値CR Tx (k)をTxCal基礎補正係数として保持する。
次に、RxCal基礎補正係数およびTxCal基礎補正係数からCal補正係数を算出する方法を説明する。
RxCal基礎補正係数CR Rx (k)およびTxCal基礎補正係数CR Tx (k)を用いると、受信系の伝送特性hRx (k) (t)と送信系の伝送特性hTx (k) (t)の比「hRx (k) (t)/hTx (k) (t)」は、(5)式で表される。
hRx (k) (t)/hTx (k) (t)={CR Rx (k) (t)/(hTx (l) (t)・a Rx・d Rx (k))}/{CR Tx (k) (t) /(α(k) (t)・d Tx (k)・a Tx・hRx (l) (t))} ・・・(5)
ここで、TDD方式の場合、「a Rx = a Tx」及び「d Rx (k) = d Tx (k)」が成り立つとみなせることから、(5)式は(6)式に変形することができる。
hRx (k) (t)/hTx (k) (t)=(CR Rx (k) (t)/CR Tx (k) (t))・(hRx (l) (t)/hTx (l) (t))・α(k) (t) ・・・(6)
また、「hRx (l) (t)/hTx (l) (t)」については、全アンテナ素子に共通の係数であるので、送信ビーム制御に対して影響を与えない。これにより、「hRx (l) (t)/hTx (l) (t)」の影響を無視して、「hRx (k) (t)/hTx (k) (t)」が1になるように補正するためのCal補正係数α(k) (t)を求めればよい。従って、キャリブレーション補正係数算出部33は、(7)式が成り立つように、Cal補正係数α(k) (t)を算出する。
α(k) (t) = 1/(CR Rx (k) (t)/CR Tx (k) (t))
= CR Tx (k) (t))/CR Rx (k) (t) ・・・(7)
そのCal補正係数α(k) (t)の算出方法としては、最小二乗誤差法による最適化制御技術を利用することができる。具体的には、TxCal基礎補正係数CR Tx (k)とRxCal基礎補正係数CR Rx (k)の比「CR Tx (k) (t)/CR Rx (k) (t)」とCal補正係数α(k) (t)の差を誤差関数e(t)として定義する。そして、(8)式により、その期待値の二乗を最小化するように制御を行う。
E[|e(t)| 2] = E[|(CR Tx (k) (t)/CR Rx (k) (t)) − α(k) (t)|2] ・・・(8)
上述した第1実施形態によれば、高周波部10a内の送受回路を、キャリブレーション測定時と実際の通信時において共用することができる。これにより、
移動通信システムの基地局の装置コストや小型化に寄与することが可能になる。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。図2において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
第2実施形態では、図4に示されるように、全てのアンテナ素子ANTに対して、2-to-2スイッチ12aを有する高周波部10cを設ける。高周波部10cにおいて、2-to-1スイッチ12bの代わりに2-to-2スイッチ12aを設ける点以外の構成は、図1に示す高周波部10bと同じである。また、図1に示す高周波部10aに設けられていたATT17および合成・分配器18については、高周波部10cの外部に設ける。また、n-to-1スイッチ41(nは高周波部10cの個数)を設ける。
n-to-1スイッチ41の多端子側の各入出力端子は、各高周波部10cの2-to-2スイッチ12aの一つの入出力端子(図1中のATT17に接続されていた入出力端子に相当)と接続される。n-to-1スイッチ41の一端子側の入出力端子は、ATT17と接続される。
n-to-1スイッチ41は、キャリブレーション測定時と実際の通信時において共用する高周波部10cを選択するために使用するものである。つまり、n-to-1スイッチ41によってATT17に接続される高周波部10cが、図1に示す高周波部10aに対応するものとなり、キャリブレーション測定時と実際の通信時において共用される。なお、実際のキャリブレーション測定時の動作は、図1に示す第1実施形態と同様である。また、n-to-1スイッチ41は、全ての高周波部10cに対して共通の信号経路上にあるので、Cal補正係数の算出には影響しない。
上述した第2実施形態によれば、全ての高周波部10cがいずれもキャリブレーション測定に対応することができる。従って、キャリブレーション測定に対応可能な高周波部10cが固定されず、キャリブレーション測定に利用する高周波部10cをn-to-1スイッチ41の切り替えによって任意に変更可能である。これにより、キャリブレーション測定に利用していた高周波部10cが故障したとしても、n-to-1スイッチ41の切り替えを行うだけで他の高周波部10cに変更することができ、第1実施形態と同様にキャリブレーション測定を行うことができる。このため、送信ビーム制御機能の稼動を保障することができるとともに、装置保守に必要となる労力を削減することができる。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の第1実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。 同実施形態に係るキャリブレーション測定時の動作を説明するための信号の伝送経路を示す図である。 同実施形態に係るキャリブレーション測定時の動作を説明するための信号の伝送経路を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10a,10b,10c…高周波部、11…カプラ、12a…2-to-2スイッチ、12b…2-to-1スイッチ、13…低雑音増幅器(LNA)、14…ダウンコンバータ、15…アップコンバータ、16…大電力増幅器(HPA)、17…減衰器(ATT)、18…合成・分配器、20…通信用ベースバンド信号処理部、21…ADコンバータ、22…DAコンバータ、23…受信ビーム形成部、24…受信ビーム制御部、25…送信ビーム制御部、26…送信ビーム形成部、27…受信部、28…送信部、30…キャリブレーション用ベースバンド信号処理部、31…キャリブレーション用信号生成部、32…送受信系キャリブレーション基礎補正係数算出部、33…キャリブレーション補正係数算出部、41…n-to-1スイッチ、ANT…アンテナ素子

Claims (4)

  1. アンテナ素子の各々に対応して設けられる送信系と受信系の伝送特性を測定し、該送信系と受信系の伝送特性の差を補正する無線通信装置において、
    第1の前記アンテナ素子の送信系の信号を、該第1のアンテナ素子に供給するか、若しくは、全ての前記アンテナ素子の受信系に分配するかを切り替える第1のスイッチ手段と、
    前記第1のスイッチ手段から供給された信号を全ての前記アンテナ素子の受信系に分配する分配手段と、
    全ての前記アンテナ素子の送信系の信号を合成する合成手段と、
    前記第1のアンテナ素子の受信系に、該第1のアンテナ素子の受信信号を供給するか、若しくは、前記合成手段により合成された信号を供給するかを切り替える第2のスイッチ手段と、
    を備えたことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記第1および第2のスイッチ手段の両方を一つの2-to-2スイッチで構成したことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記第1および第2のスイッチ手段を、全ての前記アンテナ素子に対して設け、
    前記分配手段により分配される信号を供給する送信系、および、前記合成手段により合成された信号が供給される受信系を選択する第3のスイッチ手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置。
  4. アンテナ素子の各々に対応して設けられる送信系と受信系の伝送特性を測定し、該送信系と受信系の伝送特性の差を補正するキャリブレーション方法であって、
    受信系特性の測定の場合には、
    第1の前記アンテナ素子の送信系の信号を、該第1のアンテナ素子への供給から、全ての前記アンテナ素子の受信系に分配するように切り替える過程と、
    前記第1のアンテナ素子の送信系の信号を全ての前記アンテナ素子の受信系に分配する過程と、を有し、
    送信系特性の測定の場合には、
    全ての前記アンテナ素子の送信系の信号を合成する過程と、
    前記第1のアンテナ素子の受信系に供給する信号を、該第1のアンテナ素子の受信信号から、前記合成手段により合成された信号に切り替える過程と、を有する、
    ことを特徴とするキャリブレーション方法。
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