JP2008091974A - アンテナおよびそれを用いたrfidタグ - Google Patents

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幸一 近藤
Tomoji Arai
智次 荒井
Yoshitaka Saito
義孝 斉藤
Eikichi Yoshida
栄吉 吉田
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Abstract


【課題】 アンテナの対向角度が大きくなっても必要な起電力を確保することが可能なアンテナを提供し、それを用いることにより、小型で、かつリーダライタのアンテナとの対向角度が大きくなっても通信が可能なRFIDタグを提供することである。
【解決手段】 コイル8と、コイル8のループ面に近接して配置された磁性膜9、およびコイル8と磁性膜9を収納する樹脂製のケース17とから構成され、磁性膜9はフェライト膜からなり、コイル8の底面と内周面の両方に直接成膜されて配置されている。さらに、磁性膜9のフェライト膜はフェライトめっき法により成膜されたフェライトめっき膜であり、磁性膜9は13.56MHzにおける初透磁率の実部μ’と平均膜厚tの積μ’・tが40μm以上であり、かつ13.56MHzにおける初透磁率の虚部μ”と実部μ’の比μ”/μ’が0.2以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、おもにRFIDタグや非接触ICカードなどの非接触による近接距離での通信に用いるRFID用のアンテナおよびそのアンテナを用いたRFIDタグに関する。
外部装置(リーダライタ)から無線信号を送り、タグやICカードなどのメモリの記録情報などを読み取るRFID(Radio Frequency Identification)は、ユビキタス社会に向けた根幹技術として注目されている。日本国内においては、電波法で規定された13.56MHzや2.45GHzなどを搬送波周波数とする無線通信技術が開発されており、RFIDタグや非接触ICカードなどに代表される、RFIDアンテナを用いた近接距離での通信システムが広く普及している。
更に近年では、電子情報通信分野の発達に伴い、この分野における通信機器に対する小型化・軽量化の要求は止まることなく、その部品の一つである通信用のアンテナにおいても、近接距離での通信システムを利用した携帯電話端末などの小型電子機器に搭載する小型のアンテナの開発要求が高まっている。
このようなRFIDシステムでは、リーダライタとRFIDタグが非接触で通信する。即ち、リーダライタのトランスから放射された電磁波がコイル状のアンテナを貫通し、コイル状のアンテナに起電力が生じる。起電力は直流に変換され、RFIDタグに付随した半導体チップを駆動させる。半導体チップでは、予めプログラムされた手順の処理を行い、IDをはじめとする情報をコイル状アンテナを経てリーダライタへ返信する。リーダライタはサーバなどの大規模演算ストレージ装置に接続されており、例えば、乗車券の精算、農作物の生産および流通の情報管理などを行う。非接触での通信は、磁気カードよりもセキュリティの高いシステムであり、有価証券として用いた場合の偽造防止にも期待される。また、磁気カードやバーコードと比較してそのデータ容量は桁違いに大きく、汚れや遮蔽物の影響も受けにくい利点ももつ。
これらRFIDタグを、紙をはじめとするあらゆる物体に内蔵するには、RFIDタグ自体の小形化が必須である。半導体チップについては、集積度の飛躍的な向上により、メモリやRF回路などをはじめとするRFIDに必要な機能に要するサイズは小さくなっている。加えて、制御部をも単一チップに盛り込んだシステムオンチップも登場しており、RFID用半導体チップは今後とも小形化、多機能化が進むと考えられる。
一方、半導体チップの駆動に必要な電力供給およびコマンド送信と、半導体チップからリーダライタへの返信は、いわゆる電磁結合型の通信により行う。
図5は、上記RFIDタグとリーダライタのアンテナ間の電磁結合を説明するための模式図である。タグ側に設置されるコイル状のアンテナ2に対向して、このアンテナと信号を送受信するリーダライタのアンテナ3が配置される。符号1は比透磁率μr、ループ面積Stagを有するアンテナ2のループ部分を示す。アンテナ2には電圧計4が接続され、アンテナ3には交流電源5が接続されている。リーダライタのアンテナ3に、交流電源5から共振周波数の交流電流を流すことで、磁束6が発生する。磁束6の一部である磁束6aが、タグのアンテナ2のループ部分1に鎖交し、アンテナ2に起電力が生じる。
ここで、アンテナ3に流す交流電流をIrw、磁束6および6aの大きさをそれぞれΦrw、Φtag、アンテナ2に生ずる起電力をVtagとすると、以下の式(1)と式(2)が成立する。
Vtag=−∂(Φtag)/∂t ・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
Φtag=(Btag)(Stag)=(μrμ0Htag)(Stag)・・・・・・(2)
なお、Btagはループ部分1の磁束密度、Htagは同じくループ部分1の磁場強度を示す。
これらの式(1)と式(2)は、比透磁率μrが高い磁性体により向上させた磁束密度Btagがタグの大きなループ面積Stagを通過することにより、高い起電力Vtagを得ることができることを示している。
又、アンテナ2および3のインダクタンスをそれぞれLtag、Lrwとすると、起電力はアンテナ2とアンテナ3の間の距離や構造に起因する結合係数kを用いて、式(3)と式(4)によっても表すことができる。
Vtag=M・d(Irw)/dt=(k・(LrwLtag)1/2)・d(Irw)/dt ・・・(3)
Ltag=μrμ0Stag/ltag・N2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
ここで、Mはタグのアンテナ2とリーダライタのアンテナ3との相互インダクタンス、ltagはアンテナ2のコイルの磁路長、Nはアンテナ2のコイルターン数である。アンテナ2が小型形状の場合では、小さなループ面積Stagを貫通する磁束Φtagも小さく、半導体チップの駆動に必要な起電力Vtagを得ることは困難となり、返信時の通信効率も低下する。
インダクタンスLtag、Lrwの他にVtagの変数としては、結合係数k(0<k≦1) と電流値Irwがある。大きなVtagを得るには、アンテナ2とリーダライタのアンテナ3との間の距離、即ち、通信距離を短くすることで結合係数kを1に近づける方法や交流電流Irwを増加する方法がある。しかし、前者はRFIDの使用環境を大きく制限し、後者はチップからの返信がリーダライタからの信号にかき消され、読み取れなくなる。
従来はタグのアンテナ2を貫通する十分な磁束を得るため、ループ面積StagをメモリやRF回路などに必要な半導体チップサイズよりも遙かに大きく設計したり、磁性体シートをタグのアンテナの底面部もしくは上面部に貼り付けてインダクタンスLtagを増加させる方法が一般的に用いられている。
また、特許文献1には、コイル状アンテナと回路面を有し、無線で外部装置と送受信する半導体チップが記されており、コイル状アンテナと外部装置との電磁結合係数を増加させる構成を具備する半導体チップについて記載されている。その具体的な例としては、磁性体を半導体チップ上に塗布や接着などにより配置すること、導体層と絶縁層が複数重なってなる積層体によりコイル状アンテナを形成したこと、或いは半導体チップの回路の外形よりも外側の領域にコイル状アンテナを配置することなどである。
特開2005−228785号公報
特許文献1記載のアンテナは、半導体チップ上にアンテナ、磁性体を一体で形成するものであり、さまざまな目的に応じた半導体チップとアンテナを別々に組み合わせて使用する場合や目的が異なる半導体チップを搭載したタグにアンテナを共通に使用する場合などには適用できない。このような場合には前述のように磁性体シートを用いてタグのアンテナの磁束密度を高める方法が有効である。
しかしながら、磁性体シートをそのままコイル状のアンテナの底面部もしくは上面部に配置しているため、タグのアンテナ2とリーダライタのアンテナ3とが斜めに対向しているような場合においては、その傾斜角度が大きくなると磁束は磁性体の内部を通るようになり、コイル状アンテナに鎖交する十分な磁束を得ることができなくなる問題がある。
図6に、上記のようにタグのアンテナとリーダライタのアンテナが傾いて電磁結合した場合の模式図を示す。符合は図5に用いたものと同様である。コイル状のアンテナ2は図中不記載のリーダライタのアンテナ3と角度θを以って対向しており、アンテナ2のループ面18に沿うように近接して配置した磁性体シート7を有する。アンテナ3に共振周波数の交流電流Irwを流すことで、大きさΦrwの磁束6が発生するが、角度θが大きくなると磁性体シート7の形状異方性により磁性体シート7の内部を磁束がとおりやすくなるため、磁性体シート7の中を通る磁束の成分が増え、結果として、インダクタンスLtagのタグのアンテナ2のループ部分1に鎖交する磁束6bの大きさΦtagが減少し、十分な起電力Vtagが得られなくなる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、アンテナの対向角度が大きくなっても必要な起電力Vtagを確保することが可能なアンテナを提供し、それを用いることにより小型でかつリーダライタのアンテナとの対向角度が大きくなっても通信が可能なRFIDタグを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明によるアンテナは、コイルと、該コイルのループ面に近接して配置された磁性膜とから構成されるアンテナであって、前記磁性膜は平均膜厚tが500μm以下であり、13.56MHzにおける初透磁率の実部μ’と平均膜厚tの積μ’・tが40μm以上であり、かつ13.56MHzにおける初透磁率の虚部μ”と実部μ’の比μ”/μ’が0.2以下であり、前記磁性膜は少なくとも前記コイルの底面または内周面の少なくとも一方に近接して配置されていることを特徴とする。
前記磁性膜は前記コイルに直接成膜されているか、または、前記コイルに近接して配置された支持体に成膜されていることが望ましい。
また、前記磁性膜が絶縁層を介して多層化されていてもよい。
また、前記磁性膜がフェライト膜であってもよく、この場合、そのフェライト膜がフェライトめっき法によって成膜されていることが望ましい。
また、本発明によるRFIDタグは上記のいずれかに記載のアンテナを用いたことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、前記コイルの底面または内周面の少なくとも一方に近接して所定の性質を有する磁性膜を配置することにより、アンテナの対向角度が大きくなっても必要な起電力Vtagを確保することが可能なアンテナが得られ、それを用いた小型でかつリーダライタのアンテナとの対向角度が大きくなっても通信が可能なRFIDタグが得られる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1に、本発明によるアンテナの第一の実施例を示す。図1(a)はアンテナの全体構成を示す断面図であり、図1(b)はアンテナの全体構成を示す上面図である。なお、図1においてはアンテナから信号を取り出す引き出し線の部分は示されていない。
本実施例のアンテナは、図1に示すように、コイル8と、コイル8のループ面に近接して配置された磁性膜9、およびコイル8と磁性膜9を収納する樹脂製のケース17とから構成され、磁性膜9はフェライト膜からなり、コイル8の底面と内周面の両方に直接成膜されて配置されている。さらに、磁性膜9のフェライト膜はフェライトめっき法により成膜されたフェライトめっき膜である。
図2は、本実施例の磁性膜9(図1)の成膜に用いたフェライトめっき膜製造装置の概略図である。図2において、その上にフェライト膜を形成する基体13が回転台12の上に設置される。14、15はメッキに必要な溶液を貯蔵するためのタンクである。14、15に貯蔵された溶液は、窒素ガスとともに基体13の上方に配置されたノズル10、11を介して基体13に供給される。基体13にはノズル10を介してタンク15の溶液が供給されると同時にノズル11を介してタンク14の溶液が供給されて基体13上でめっき反応が行われ、残った溶液は回転台12の回転による遠心力で除去され、次の新しい溶液が供給され、これを繰り返す。
本実施例においては、回転台12の上に基体13として内径2cmのコイル状のアンテナおよび厚さ25μmのポリイミド製シートを設置して150rpmで回転させ、脱酸素イオン交換水を供給しながら90℃まで加熱した。次に、装置内にN2ガスを導入して脱酸素雰囲気を形成した。次に、反応液として脱酸素イオン交換水中にFeCl2・4H2O、NiCl2・6H2O、ZnCl2をそれぞれ所望の量溶かした溶液をタンク14に入れ、酸化液として脱酸素イオン交換水中にNaNO2とCH3COONH4をそれぞれ0.3g/l、5.0g/l溶かした溶液をタンク15に入れ、その反応液と酸化液をノズル11と10により、それぞれ約40ml/minの流量で供給した。
その後、取り出したコイル状のアンテナには、図1に示したように、その底面および内周面にフェライト膜が成膜され、ポリイミド製シートにはその片面にフェライト膜が形成された。なお、処理時間を変えることによりめっき膜厚の異なる3種類のアンテナを各4個ずつ作製し、それぞれの種類に対応して特性評価用のポリイミド製シートにも成膜した。また、本実施例に使用可能な磁性膜の特性との比較のため、反応液のモル比を変えてフェライト膜を成膜した比較用のコイル状アンテナも作製した。
ポリイミド製シート上に成膜したフェライト膜の透磁率をシールディドループコイル法を用いた透磁率計により測定した。一方、フェライト膜を成膜したコイル状のアンテナを、図5、図6に示したような配置で13.56MHzのリーダライタのアンテナ3とのなす角θで設置し、起電力を電圧計4で読みとった。このときアンテナ2とアンテナ3の両コイルの中心間の距離は4cmで一定に保った。比較のため、磁性膜すなわちフェライト膜を成膜しない場合も評価した。
表1に、後に述べる他の結果とあわせて測定結果を示す。表1において上述の3種類の本実施例のコイル状アンテナはそれぞれ実施例1〜実施例4、実施例5〜実施例8、実施例9〜実施例12であり、磁性膜を成膜しないコイル状アンテナは比較例1〜比較例4である。また上述の反応液のモル比を変えてフェライト膜を成膜した比較用コイル状アンテナは比較例5〜比較例8である。
Figure 2008091974
表1のコイル状アンテナの起電力の結果を同一の角度θで比較すると、比較例1〜比較例4の磁性膜を配置しない場合よりも起電力が増加しているのは、フェライト膜の13.56MHzにおける初透磁率の実部μ’と平均膜厚tの積μ’・tが40μm以上であり、かつ13.56MHzにおける初透磁率の虚部と実部の比μ”/μ’が0.2以下である実施例1〜実施例12であり、比較例5〜比較8では効果が無いことが分かる。
次に、本発明によるアンテナの第二の実施例について説明する。図3は、本発明によるアンテナの第二の実施例を示す図であり、図3(a)はアンテナの全体構成を示す断面図であり、図3(b)はアンテナの全体構成を示す上面図である。なお、図3においてはアンテナから信号を取り出す引き出し線の部分は示されていない。図3において、コイル8と、コイル8のループ面に近接して配置された磁性膜19、およびコイル8と磁性膜19を収納する樹脂製のケース17とから構成され、磁性膜19はフェライト膜からなり、ケース17のコイル8に近接する面に直接成膜されて配置されている。さらに、磁性膜19のフェライト膜はフェライトめっき法により成膜されたフェライトめっき膜である。
本実施例においてもフェライトめっき膜からなる磁性膜19は第一の実施例と同様の方法を用いて樹脂製のケース17に成膜されている。また、第一の実施例と同様に、処理時間を変えることにより成膜しためっき膜厚の異なる3種類のケースからなるアンテナを各4個ずつ作製し、また、本実施例に使用可能な磁性膜の特性との比較のため、反応液のモル比を変えてフェライト膜を成膜した比較用のケースからなるコイル状アンテナも作製した。
本実施例によるアンテナの測定評価も第一の実施例と同様に行い、その結果は表1に示されている。表1において、上述の3種類の本実施例のコイル状アンテナはそれぞれ実施例13〜実施例16、実施例17〜実施例20、実施例21〜実施例24であり、上述の反応液のモル比を変えてフェライト膜を成膜した同一の構造の比較用コイル状アンテナは比較例9〜比較例12である。
表1よりコイル状アンテナの起電力の結果を同一の角度θで比較すると、比較例1〜比較例4の磁性膜を配置しない場合よりも起電力が増加しているのは、第一の実施例と同様にフェライト膜の13.56MHzにおける初透磁率の実部μ’と平均膜厚tの積μ’・tが40μm以上であり、かつ13.56MHzにおける初透磁率の虚部と実部の比μ”/μ’が0.2以下である実施例13〜実施例24であり、比較例9〜比較例12では効果が無い、すなわちアンテナ2に鎖交する磁束量が十分に得られないことが分かる。
以上のように、本発明によれば、従来のアンテナに比べてアンテナの対向角度が大きくなっても起電力を大きくすることができる。
なお、表1にはフェライトめっき膜で磁性膜を構成した場合の一部の例のみについて特性の比較を示したが、13.56MHzにおける初透磁率の実部μ’と平均膜厚tの積μ’・tが40μm以上でありかつ13.56MHzにおける初透磁率の虚部と実部の比μ”/μ’が0.2以下であれば同様の効果が得られることが確認されている。これは、μ”/μ’が0.2以上になるとフェライト膜の損失が増加するためであり、これにより送受信の通信効率が制限されてしまう。
また、上記実施例では、特に90℃程度の比較的低い温度で成膜できるフェライトめっき膜についてのみ示したが、他のフェライト膜およびフェライト以外の他の磁性膜でも13.56MHzにおける初透磁率の実部μ’と平均膜厚tの積μ’・tが40μm以上でありかつ13.56MHzにおける初透磁率の虚部と実部の比μ”/μ’が0.2以下であれば同様の効果が得られる。
また、本発明における磁性膜は13.56MHzにおける初透磁率の虚部と実部の比μ”/μ’が0.2以下であれば、13.56MHzにおける初透磁率の実部μ’と平均膜厚tの積μ’・tが大きいほど高い効果が得られる。同じμ’をもつ材料でμ’・t積を高めるためには磁性膜の厚さtを大きくすることが必要であるが、厚さtを大きくすることによる膜内のひずみの蓄積等が原因となり膜が基体から剥離する場合が生ずる。この場合には、剥離を防止するために磁性膜を絶縁層を介して多層化しても良い。磁性膜各層の厚さの合計が等価的にtとなるからである。但し、本発明における磁性膜の厚さは、あまり厚くしてもコイルから離れてしまうと磁束は通らなくなるので、実際上は500μm以上の厚さは必要ない。
図4は、本発明によるRFIDタグの一実施例を示す断面図である。半導体チップなどからなる情報記録・処理部20に一体としてアンテナ21が設けられている。ここでアンテナ21は上記の第二の実施例と同様な構成の本発明によるアンテナであり、これを用いることにより小型で、かつリーダライタのアンテナとの対向角度が大きくなっても通信が可能なRFIDタグが得られる。
本発明により得られるアンテナは非接触ICタグ、ICカードなどの非接触による近接距離通信用のアンテナに限定されず、TV、ラジオ、携帯端末などの移動体通信装置に用いるアンテナについても、設置環境によりアンテナの対向角度が一定でない状態が考えられる場合には有効である。
本発明によるアンテナの第一の実施例を示す図、図1(a)はアンテナの全体構成を示す断面図、図1(b)はアンテナの全体構成を示す上面図。 本発明の実施例の磁性膜の成膜に用いたフェライトめっき膜製造装置の概略図。 本発明によるアンテナの第二の実施例を示す図、図3(a)はアンテナの全体構成を示す断面図、図3(b)はアンテナの全体構成を示す上面図。 本発明によるRFIDタグの一実施例を示す断面図。 RFIDタグとリーダライタのアンテナ間の電磁結合を説明するための模式図。 RFIDタグのアンテナとリーダライタのアンテナが傾いて電磁結合した場合の模式図。
符号の説明
1 ループ部分
2、3、21 アンテナ
4 電圧計
5 交流電源
6、6a 磁束
7 磁性体シート
8 コイル
9、19 磁性膜
17 ケース
10、11 ノズル
12 回転台
13 基体
14、15 タンク
18 ループ面
21 情報記録・処理部

Claims (7)

  1. コイルと、該コイルのループ面に近接して配置された磁性膜とから構成されるアンテナであって、前記磁性膜は平均膜厚tが500μm以下であり、13.56MHzにおける初透磁率の実部μ’と平均膜厚tの積μ’・tが40μm以上であり、かつ13.56MHzにおける初透磁率の虚部μ”と実部μ’の比μ”/μ’が0.2以下であり、前記磁性膜は少なくとも前記コイルの底面または内周面の少なくとも一方に近接して配置されていることを特徴とするアンテナ。
  2. 前記磁性膜が前記コイルに直接成膜されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ。
  3. 前記磁性膜が前記コイルに近接して配置された支持体に成膜されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ。
  4. 前記磁性膜が絶縁層を介して多層化されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアンテナ。
  5. 前記磁性膜がフェライト膜であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のアンテナ。
  6. 前記フェライト膜がフェライトめっき法によって成膜されていることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のアンテナを用いたことを特徴とするRFIDタグ。
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