JP2008091532A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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直哉 曽谷
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Abstract

【課題】水分が浸入しても、安定した高い発電力を維持することができる太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】薄膜系太陽電池モジュールは、透明基板11上に、透明導電膜12と光電変換層13、14と裏面電極15とが順次積層されてなる光起電力素子が複数個直列接続されてなる光起電力層と、裏面フィルム17を接着する接着層16とが順に配置される。又、隣接する光起電力素子の裏面電極15を電気的に分離する開口部において、当該開口部の表面は、接着層16よりも水蒸気透過率の低い保護層18、19によって覆われている。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明基板上に、第1電極と光電変換層と第2電極とが順次積層されてなる光起電力素子が複数個直列接続されてなる光起電力層と、接着層と、裏面保護材とが順に配置される太陽電池モジュールに関する。
近年、太陽電池の低コスト化、高効率化を両立するために原材料の使用量が少ない薄膜系太陽電池モジュールの開発が精力的に行われている。このような薄膜系太陽電池モジュールの断面図の一例を、図3及び図4に示す。
一般的に、薄膜系太陽電池モジュール50の光起電力素子は、ガラス等の遮水性の透明基板51上に透明導電膜52/光電変換層53/裏面電極54を順次基板側あるいは膜面側からのレーザ照射によりパターニングしながら積層して形成される。また、薄膜系太陽電池モジュールは、当該光起電力素子上にPET(Poly Ethylene Terephtalate)等の裏面フィルム56をEVA(Ethylene Vinyl Acetate)等の接着層55によって接着して形成される(例えば、特許文献1参照)。
尚、接着層55は、裏面フィルム56と光起電力素子との接着剤及び緩衝剤としての機能を有し、裏面フィルム56は外部からの水分の浸入を防止する機能を有している。
特開平8−204217号公報
一般的に、太陽電池モジュールは屋外で使用される場合が多く、厳しい気候条件においても安定した高い発電力を維持するための充分な耐候性を備えている必要がある。
特に、薄膜系太陽電池モジュールは、外部からの水分の浸入等により容易に薄膜材料が劣化するおそれがあるため、たとえ水分が浸入したとしても、安定した高い発電力を維持することができる構造を有していなければならない。
しかしながら、外部からの水分の浸入を防止するためのPET等の裏面フィルム56の材質や構造によっては、水分の浸入を完全には防止することができず、接着層55中を浸潤してきた水分が透明導電膜52にまで到達すれば、透明導電膜52は容易に劣化し、安定した高い発電力を維持することができないという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、水分が浸入しても、安定した高い発電力を維持することができる太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明の特徴は、透明基板上に、第1電極と光電変換層と第2電極とが順次積層されてなる光起電力素子が複数個直列接続されてなる光起電力層と、接着層と、裏面保護材とが順に配置される太陽電池モジュールであって、隣接する光起電力素子の第2電極を電気的に分離する開口部において、当該開口部の表面は、裏面保護材よりも水蒸気透過率の低い保護層によって覆われている太陽電池モジュールであることを要旨とする。
本発明の特徴に係る太陽電池モジュールによると、水分が浸入しても、保護層によって水分を遮断し、第1電極が劣化することを防止するため、第1電極と第2電極との接続部分の電気接続を良好に保つことができ、安定した高い発電力を維持することができる。
又、本発明の特徴に係る太陽電池モジュールにおいて、保護層は、絶縁膜上に導電膜又は半導体膜を配置した構造であってもよい。
この太陽電池モジュールによると、水蒸気透過率の低い導電膜によって水分を遮断し、絶縁膜によって隣接する第2電極同士が導通することを防止することができる。
又、本発明の特徴に係る太陽電池モジュールにおいて、保護層は、半導体膜であってもよい。
この太陽電池モジュールによると、水蒸気透過率の低い半導体膜によって水分を遮断することができる。
又、上記の太陽電池モジュールにおいて、半導体膜は、非晶質半導体膜であることが好ましい。
この太陽電池モジュールによると、非晶質であるため、結晶粒界が存在せず、水分遮断性に更に貢献することができる。
又、本発明の特徴に係る太陽電池モジュールにおいて、保護層は、開口部の表面を覆うとともに、少なくとも当該開口部付近の第2電極の表面をも覆うように配置されてもよい。
この太陽電池モジュールによると、第1電極へ侵入する水分を遮断することに加え、第2電極と接着層との界面から侵入する水分を遮断することができる。
又、本発明の特徴に係る太陽電池モジュールにおいて、第1電極は、ZnOを含んでいてもよい。ZnOは、水に溶けやすい性質を有するため、本発明を適用することにより、特に効果が得られやすい。
本発明によると、水分が浸入しても、安定した高い発電力を維持することができる太陽電池モジュールを提供することができる。
次に、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
<従来の太陽電池モジュールの信頼性評価>
まず、発明者らは、従来の太陽電池モジュールの信頼性低下の原因を調査するため、以下の実験を行った。
(従来の太陽電池モジュールの作製方法)
従来の薄膜系太陽電池モジュールを以下のように作製した。
図4に示すように、4mm厚のガラス基板51上に、スパッタにより600nm厚のZnO電極52を形成した。ZnO電極52は、ガラス基板51のZnO電極52側からYAGレーザを照射して短冊状にパターニングし、電気的に分離した。当該レーザ分離加工には、波長約1.06μm、エネルギー密度13J/cm3、パルス周波数3kHzのNd:YAGレーザを使用した。
次に、プラズマCVD法により、微結晶シリコン系半導体層53を形成した。具体的に、微結晶シリコン系半導体層53は、プラズマCVD法により、SiH4とH2とB26との混合ガスから膜厚10nmのp型微結晶シリコン系半導体層を、SiH4とH2との混合ガスから膜厚2000nmのi型微結晶シリコン系半導体層を、SiH4とH2とPH3との混合ガスから膜厚20nmのn型微結晶シリコン系半導体層を形成し順次積層した。プラズマCVD法の諸条件の詳細は表1に示すとおりである。
Figure 2008091532
又、微結晶シリコン系半導体層53を、ZnO電極52のパターニング位置から50μm横の位置に微結晶シリコン系半導体層53側からYAGレーザを照射することにより短冊状にパターニングした。当該レーザ分離加工には、エネルギー密度0.7J/cm3、パルス周波数3kHzのNd:YAGレーザを使用した。
次に、200nm厚のAg電極54を、微結晶シリコン系半導体層53上にスパッタにより形成した。Ag電極54は、微結晶シリコン系半導体層53がパターニングにより除去された領域にも形成した。
又、Ag電極54及び微結晶シリコン系半導体層53を、微結晶シリコン系半導体層53のパターニング位置から50μm横の位置に、光入射側からYAGレーザを照射することにより短冊状にパターニングした。当該レーザ分離加工には、エネルギー密度0.7J/cm3、パルス周波数3kHzのNd:YAGレーザを使用した。このようにして、Ag電極を電気的に分離する領域において、ZnO電極12の裏面側の表面から、微結晶シリコン系半導体層53は除去された。以上により、ガラス基板11上に複数の光起電力素子を直列接続したサブモジュールが形成された。
次に、取り出し電極を、超音波半田と銅箔リードにより取付けた。
次に、光起電力素子上にEVA55とPETフィルム56とを順次配置して、ラミネート装置により、150℃で30分加熱処理することで、EVAを架橋、安定化して、真空圧着した。ここで、Ag電極を電気的に分離する領域にもEVA55が充填され、ZnO電極52とEVA55とが接している。又、PETフィルム56の水蒸気透過率は、0.5g/m2・dayであり、Ag電極の水蒸気透過率は、0.05g/m2・day以下であった。
最後に、端子ボックスを取付けて取り出し電極を接続して従来の薄膜系太陽電池モジュールを完成した。
(信頼性評価)
従来の薄膜系太陽電池モジュールの信頼性を評価するため、耐候信頼性評価を行った。具体的には、温度85℃、湿度85%の環境における各モジュールの出力特性の変化率を測定する耐湿試験を行った。
(結果)
従来の薄膜系太陽電池モジュールでは、試験開始から約1000時間が経過すると出力が不安定になり、約1500時間が経過すると急激に出力が低くなった。さらに、約1800時間が経過すると出力が得られなくなった。このような結果となった原因を確認するため、試験後の薄膜系太陽電池モジュールについて、光起電力素子毎に出力特性を測定したところ、一部の光起電力素子において電圧が得られない状態にあること、即ち、導通不良を生じていることが確認された。
そこで、導通不良が生じた光起電力素子の内部を顕微鏡観察したところ、EVA55と接しているZnOの外観が明らかに変化しており、当該部分のZnOが水分により劣化したことが確認された。このように、太陽電池モジュールの出力が得られなくなった理由は、隣接する各光起電力素子のAg電極54を電気的に分離する領域において、EVA55中を浸潤してきた水分がZnO電極52を劣化させ、一部の光起電力素子において導通不良が生じたためであると推測される。
又、透明電極52とガラス基板51との界面、及び透明電極52と半導体層53との界面には、ガラス基板51/透明電極52/半導体層53とを積層することにより生じるせん断応力が働きやすい。このため、これらの界面に水分が侵入する等の理由により、信頼性が低下しやすいため、このような問題が生じやすいと考えられる。更に、このような問題は、透明電極としてZnO電極を用いた場合に特に顕著になる。
太陽電池モジュールでは、裏面保護フィルムが最初に水分の浸入を防止している。ここで、実験に用いたPETフィルム56の水蒸気透過率は、0.5g/m2・dayであった。しかし、これだけでは、水分の遮断性は不十分である。太陽電池モジュールでは、裏面電極に金属幕が用いられており、実験に用いたAg電極の水蒸気透過率は、0.05g/m2・day以下であった。したがって、この裏面電極が水分遮断に大きな役割を果たしており、裏面保護フィルム、EVAを透過してきた水分からZnO電極を実質的に保護している。
しかし、レーザスクライブにより、裏面電極が分離された部分では、水分の遮断が裏面保護フィルムのみとなり、その遮断性が不十分であるため、水分は裏面保護フィルム、及びEVAを透過し、第1電極であるZnOを侵食すると考えられる。
<水蒸気透過率の検討>
上記の実験結果を踏まえ、発明者らは、代表的な有機材料フィルム及び無機材料コーティング皮膜の水蒸気透過率(Water Vapor Transmission Rate, WVTR)について、調査を行った。水蒸気透過率は、モコン法によって測定することができる。表2にその結果を示す。
Figure 2008091532
表2に示すように、有機材料フィルムは、フィルムが厚くとも水分の遮断性は劣っていることが分かる。一方、無機材料皮膜は、薄い膜でも優れた水分遮断性を示している。特に、Alやa-Si膜は遮断性に優れ、金属などの導電膜や半導体膜などが遮断性に効果があることが分かる。一方、SiNx膜も遮断性に優れているが、一般にSiNxは、成膜条件による組成・応力等にばらつきが大きく、成膜条件を慎重に選ぶ必要があり、その使用が限られる。又、SiO2膜やITO膜は遮断性があまりよくない。特に後者は、結晶粒界を水分が透過するためであると考えられる。
上記の検討を踏まえ、以下の実施形態において、金属や半導体のような導電膜を遮断膜として、裏面電極の開口部において、透明導電膜と接着層との間に設けることとする。
<第1の実施形態>
(太陽電池モジュール)
第1の実施形態に係る薄膜系太陽電池モジュール10は、図1に示すように、透明基板11上に、複数の光起電力素子と接着層16と裏面フィルム17とが順に配置される。複数の光起電力素子は、透明導電膜12と光電変換層13及び14と裏面電極15とを順次積層して形成される。又、図1では、透明基板11の光入射側と反対の裏面側に、複数の光起電力素子と接着層16と裏面フィルム17とが順に配置されている。
透明基板11は、太陽電池モジュールの単一基板であり、透明基板11の光入射側と反対の裏面側には、複数の光起電力素子が形成される。透明基板11は、ガラス等の光透過性の部材により構成される。
透明導電膜12(第1電極)は、透明基板11上を平面視したときに短冊状に形成される。透明導電膜12は、ZnO,In23,SnO2,CdO,TiO2,CdIn24,Cd2SnO4,Zn2SnO4にSn,Sb,F,Alをドープした金属酸化物の一群より選択された一種類あるいは複数種類の積層体により構成される。なお、ZnOは、高い光透過性、低抵抗性、可塑性を有し、低価格であるため透明導電膜材料として好適である。本実施形態に係る透明導電膜としてZnOを用いる。
光電変換層13及び14は、透明導電膜12上に短冊状に形成される。光電変換層13及び14は、非結晶シリコン系半導体により構成される。本実施形態に係る光電変換層13及び14は、それぞれ非晶質シリコン系半導体及び微結晶シリコン系半導体により構成される。尚、本明細書において、「微結晶」の用語は、多数の微小な結晶粒を有する状態を意味し、部分的に非晶質状態を含む状態をも意味するものとする。
ここで、本実施形態に係る光電変換層13は、p-i-n型の非晶質シリコン系半導体を順次積層して形成され、光電変換層14は、p-i-n型の微結晶シリコン系半導体を順次積層して形成される。このような非晶質シリコンと微結晶シリコンを用いたタンデム型太陽電池モジュールは、光吸収波長が異なる二種類の半導体を積層した構造を有し、太陽光スペクトルを有効に利用することができる。
裏面電極15(第2電極)は、光電変換層13及び14上に短冊状に形成される。裏面電極15は、Ag等の導電性部材により構成される。
このように、透明基板11上に、透明導電膜12と光電変換層13及び14と裏面電極15とを順次積層することにより、光起電力素子が形成される。
裏面フィルム17は、接着層16上に配置される。裏面フィルム17は、PET、PEN、ETFE、PVDF、PCTFE、PVF、PC等の樹脂フィルムにより構成される。その他、裏面フィルム17は、樹脂フィルムなどが金属箔を挟んだ構造及び単体やSUS、ガルバリウムなどの金属(鋼板)でもよい。
裏面フィルム17は、接着層16によって、光起電力素子上に接着される。接着層16は、EVA、EEA、PVB、シリコン、ウレタン、アクリル、エポキシ等の樹脂により構成される。接着層16は、裏面フィルム17と光起電力素子との接着剤及び緩衝剤としての機能を有する。
以下、説明を簡単にするため、図1における2つの光起電力素子の左側を第1光起電力素子、右側を第2光起電力素子として説明する。
第1光起電力素子と第2光起電力素子の透明導電膜12は、互いに電気的に分離されている。第1光起電力素子と第2光起電力素子の裏面電極15は、互いに電気的に分離されている。第1光起電力素子と第2光起電力素子の光電変換層13及び14は、互いに電気的に分離されている。第1光起電力素子の裏面電極15は、光電変換層13及び14が分離された領域を介して、第2光起電力素子の透明導電膜12に電気的に接続されている。このように、第1光起電力素子と第2光起電力素子とを電気的に直列接続することにより、電流は一方向に流れる。
ここで、第1の実施形態に係る太陽電池モジュールにおいて、隣接する光起電力素子の裏面電極15を電気的に分離する開口部において、当該開口部の表面は、裏面フィルム17よりも水蒸気透過率の低い保護層によって覆われている。又、保護層は、絶縁膜18上に導電膜19を配置した構造である。
導電膜19は、前述のとおり、水蒸気透過率が低く遮断性に優れるが、導電膜19を開口部に直接形成した場合、隣接する裏面電極15同士の間が導通状態となり、太陽電池モジュールから電荷を取り出すことはできない。そこで、開口部表面と導電膜19の間に、SiO2、SiNなどの絶縁膜18を形成することにより、裏面電極15同士を電気的に分離でき、太陽電池モジュールから電荷を取り出すことができる。
SiO2、SiNなどの絶縁膜18は、プラズマCVD法の他、スパッタ法、スピンコート、塗布などによっても形成でき、更に、絶縁性を保てるのであれば、樹脂などの無機物を形成してもよい。
又、保護層は、図1に示すように、開口部の表面を覆うとともに、少なくとも当該開口部付近の裏面電極15の表面をも覆うように配置されてもよい。更に、保護層は、裏面電極15の表面全体を覆ってもかまわないが、導電膜19は、途中で分離する必要がある。導電膜19は、必ずしもセルごと(開口部ごと)に分離する必要はないが、まったく分離をしない場合、裏面電極15と導電膜19間に最高でモジュール電圧に相当する電圧(例えば、100V)が印される。そのため、絶縁破壊などにより、太陽電池モジュールとしての出力が得られなくなる可能性があり、信頼性に影響する。又、保護導電皮膜を介したショートの発生確率が高くなり、出力低下や歩留まり低下につながるため、必要部分のみに形成することが望ましい。
(作用及び効果)
図4に示すように、従来の薄膜系太陽電池モジュールにあっては、製造効率の向上等を目的として、透明基板51側からのレーザ照射により裏面電極54が半導体層53とともに除去されてパターニングされたため、透明導電膜52上に接着層55が配置されていた。
これに対し、第の実施形態に係る薄膜系太陽電池モジュールにあっては、図1に示すように、隣接する光起電力素子の裏面電極15を電気的に分離する開口部において、当該開口部の表面は、裏面フィルム17よりも水蒸気透過率の低い保護層によって覆われている。このため、水分が浸入しても、保護層によって水分を遮断し、透明導電膜12が劣化することを防止するため、透明導電膜12と裏面電極15との接続部分の電気接続を良好に保つことができ、安定した高い発電力を維持することができる。
又、保護層は、透明基板11上に、光起電力素子を形成した後に、プラズマCVD法などにより形成すればよく、太陽電池モジュールの製造工程に導入することが容易である。
又、保護層は、絶縁膜18上に導電膜19を配置した構造である。このため、水蒸気透過率の低い導電膜19によって水分を遮断し、絶縁膜18によって隣接する裏面電極15同士が導通することを防止することができる。
又、保護層は、開口部の表面を覆うとともに、当該開口部付近の裏面電極15の表面をも覆うように配置されている。このため、透明導電膜12へ侵入する水分を遮断することに加え、裏面電極15と接着層16との界面から侵入する水分を遮断することができる。
又、第1の実施形態のように、透明導電膜12が、ZnOである場合には、他の金属酸化物に比べて水分により容易に劣化するおそれがある。即ち、ZnOは、透明導電膜材料として、光学的、電気的特性及びコスト面において他の金属酸化物に比べて有利であるものの、水分により容易に劣化する特性を有する。従って、第1の実施形態のように、保護層を配置することにより、水分の浸入を防ぐことができるため、透明導電膜12の材料としてメリットの大きいZnOを使用することができる。
<第2の実施形態>
(太陽電池モジュール)
第2の実施形態に係る薄膜系太陽電池モジュール10は、図2に示すように、透明基板11上に、複数の光起電力素子と接着層16と裏面フィルム17とが順に配置される。複数の光起電力素子は、透明導電膜12と光電変換層13及び14と裏面電極15とを順次積層して形成される。又、図1では、透明基板11の光入射側と反対の裏面側に、複数の光起電力素子と接着層16と裏面フィルム17とが順に配置されている。
透明基板11、光起電力素子、接着層16、裏面フィルム17の詳細については、第1の実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
ここで、第2の実施形態に係る太陽電池モジュールにおいて、隣接する光起電力素子の裏面電極15を電気的に分離する開口部において、当該開口部の表面は、裏面フィルム17よりも水蒸気透過率の低い保護層によって覆われている。又、保護層は、半導体膜20である。
半導体膜20としては、特に、アモルファスシリコン(a-Si)が好適である。a-Si膜は、真性i型の状態が抵抗率も高いので好ましいが、ハイドープ状態(n+でも、p+でもかまわない)でも太陽電池モジュールの特性に大きな悪影響を与えないと考えられる。即ち、図4に示すように、従来から透明導電膜12(第1電極)の分離部をp+a-Siが直接接する形で、Si積層膜が分離されずに使用されており、分離部の間隔を調整することで、a-Si膜のリーク電流はほとんど無視することができる。
更に、表2に示すように、a-Si膜は、20nmの薄い膜でも、水蒸気透過率は測定限界である0.05g/m2・day以下の良好な値を示しており、十分な水分遮断性が期待できる。これは、非晶質であるため、結晶粒界が存在しないことによるものである。
a-Si膜は、本実験で用いたスパッタ法の他、PE-CVD法など、薄膜太陽伝モジュールの形成に用いられており、製造工程での導入が容易である。
又、上述のように十分な抵抗性を示すため、ショートなどの原因となる心配もない。従って、図2に示すように、半導体膜20は、開口部だけでなく、裏面電極15の表面全体に渡って形成することが可能である。
尚、第2の実施形態において、保護層を絶縁膜上に半導体膜20を配置した構造にしてもかまわない。
(作用及び効果)
第1の実施形態では、開口部に導電性保護皮膜を形成する方法について述べた。上述したように、第1の実施形態では、絶縁膜の形成が必要であり、メタルマスク等を利用し導電膜を分離することが必要である。
一方、保護層を絶縁膜のみで形成する場合には、SiO2等では十分な水分遮断性は得られない。又、SiNx膜は遮断性に優れるが、応力が少なく、クラックの生じにくい膜の形成には条件が限定的となるため、裏面電極15の形成後に、このような良質のSiNx膜を形成することは困難である。
そこで、第2の実施形態では、より容易な形成方法で作製でき、コストを抑えられる保護層として、半導体膜20を用いている。半導体膜20は、従来から太陽電池モジュールの形成に用いられており、製造工程での導入が容易である。又、半導体膜20は、水蒸気透過率が低いため、水分遮断性を向上させることができる。特に、非晶質半導体膜を用いることにより、非晶質であるため、結晶粒界が存在せず、水分遮断性に更に貢献することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記の実施形態では、透明導電膜12として、ZnOを用いたが、本発明はこれに限らず、In23,SnO2,CdO,TiO2,CdIn24,Cd2SnO4,Zn2SnO4にSn,Sb,F,Alをドープした金属酸化物の一群より選択された一種類あるいは複数種類の積層体を用いてもよい。
又、例えば、上記の実施形態では、非晶質シリコン系半導体と微結晶シリコン系半導体とが順次積層された光電変換層13及び14を用いたが、微結晶又は非晶質シリコン系半導体の単層又は3層以上の積層体を用いても同様の効果を得ることができる。
又、裏面電極15の分離加工は、ドライエッチングを使用してもよく、その他、ウェットエッチング等を使用してもよい。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
第1の実施形態に係る薄膜系太陽電池モジュールの構成を示す拡大断面図である。 第2の実施形態に係る薄膜系太陽電池モジュールの構成を示す拡大断面図である。 従来の薄膜系太陽電池モジュールの構成を示す断面図である。 従来の薄膜系太陽電池モジュールの構成を示す拡大断面図である。
符号の説明
10、50…薄膜系太陽電池モジュール
11、51…透明基板
12、52…透明導電膜
13、14、53…光電変換層
15、54…裏面電極
16、55…接着層
17、56…裏面フィルム
18…絶縁膜
19…導電膜
20…半導体膜

Claims (6)

  1. 透明基板上に、第1電極と光電変換層と第2電極とが順次積層されてなる光起電力素子が複数個直列接続されてなる光起電力層と、接着層と、裏面保護材とが順に配置される太陽電池モジュールであって、
    隣接する前記光起電力素子の前記第2電極を電気的に分離する開口部において、当該開口部の表面は、前記裏面保護材よりも水蒸気透過率の低い保護層によって覆われていることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記保護層は、絶縁膜上に導電膜又は半導体膜を配置した構造であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記保護層は、半導体膜であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記半導体膜は、非晶質半導体膜であることを特徴とする請求項2又は3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記保護層は、前記開口部の表面を覆うとともに、少なくとも当該開口部付近の前記第2電極の表面をも覆うように配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記第1電極は、ZnOを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
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