JP2008091413A - 高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材およびその製造方法 - Google Patents

高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度、高磁束密度および高抵抗を有する複合軟磁性焼結材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と鉄粉末との界面領域に鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有するMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末が酸化バナジウム系低融点ガラス相で結合されてなる高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない高強度複合軟磁性材であって、前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有し、前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、その最表面が実質的にMgOで構成されている。
【選択図】 なし

Description

この発明は、少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されてなるMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を酸化バナジウム系低融点ガラス相で結合してなる高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材およびその製造方法に関するものであり、この高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材で作製した複合軟磁性材は、低鉄損を必要とする各種電磁気回路部品、例えば、モータ、アクチュエータ、ヨーク、コア、リアクトルなどの各種電磁気部品の素材として使用されるものである。
一般に、各種電磁気回路部品に使用される軟磁性材は、鉄損が小さいことが要求されるため、電気抵抗を高くして渦電流損を低減させ、保磁力を小さくしてヒステリシス損を低減させることは一般に知られている。さらに、近年、電磁気回路の小型化、高応答化が求められているところから、磁束密度がより高いことも重要視されている。
かかる高比抵抗を有する軟磁性材料を製造するための原料粉末の一例として鉄粉末の表面に化学的な方法によりMg含有フェライト膜を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末が知られており(特許文献1参照)、この化学的な方法によりMg含有フェライト膜を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を酸化バナジウム系低融点ガラス粉末と共に混合して混合粉末を作製し、この混合粉末を圧縮成形し熱処理して圧粉磁性材料などを製造する方法も知られている(特許文献2または3参照)。
特開平11−1702号公報 特開2004−253787号公報 特開2004−297036号公報
しかし、従来のMg含有フェライト膜を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末は、鉄粉末の表面にMg含有フェライト膜を化学的方法により被覆するために、プレス成形した圧粉体に高温歪取り焼成を行って得られた複合軟磁性材は、Mg含有フェライト膜が化学的に不安定となり変化して絶縁性が低下すると共に、鉄粉末の表面に対するMg含有フェライト膜の密着性が十分でなく、従来のMg含有フェライト膜を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を低融点ガラス粉末と混合して得られた混合粉末をプレス成形し熱処理することにより作製した複合軟磁性材はプレス成形中にMg含有フェライト膜が剥離したり破れるなどして十分な絶縁効果が発揮できず、したがって、十分な高比抵抗が得られないという問題点があった。
本発明者らは、かかる問題点を解決するために、先に、
(a)少なくともMgウスタイト(以下、(Mg,Fe)Oと記す)を含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されているMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末、
(b)少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されているMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末であって、前記鉄粉末と前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜との界面領域に、鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有するMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末、
(c)前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有する前記(a)または(b)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末、
(d)前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、その最表面が実質的にMgOで構成されている前記(a)、(b)または(c)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末、などを発明した。
かかる先に発明した前記(a)、(b)、(c)または(d)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末は、鉄粉末を予め酸化雰囲気中で加熱するなどして酸化処理を施すことにより鉄粉末の表面に酸化鉄膜を形成した鉄粉末(以下、酸化処理鉄粉末という)を作製し、この酸化処理鉄粉末にMg粉末を添加し混合して得られた混合粉末を不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で加熱するなどした後さらに酸化性雰囲気中で加熱する酸化処理を施すことにより得られるものであり、これら先に発明したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末は、
(イ)一般に知られているMgO−FeO−Fe系で代表される(Mg,Fe)O、(Mg,Fe)などのMg−Fe−O三元系各種酸化物のうちで、少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に形成され、この少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されたMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末は、従来の鉄粉末の表面にMg含有フェライト膜を形成したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末に比べてMg含有酸化鉄膜の鉄粉末に対する密着性が格段に優れることから、プレス成形中に絶縁皮膜である酸化鉄膜が破壊されて鉄粉末同士が接触することが少なく、プレス成形後に高温歪取り焼成を行ってもMg含有酸化鉄膜の絶縁性が低下することなく高抵抗を維持することができるところから渦電流損失が低くなり、さらに歪取り焼成を行った場合に、より保磁力が低減できることからヒステリシス損失を低く抑えることができ、したがって、低鉄損を有する複合軟磁性材料が得られること、
(ロ)前記鉄粉末と少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜との界面領域には、鉄粉末の中心部に不可避不純物として含まれている硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層が形成されること、
(ハ)前記前記鉄粉末の表面に形成されている少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有すること、
(ニ)前記鉄粉末の表面に形成されている少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、その最表面に含まれるMgOの量が多いほど好ましく、その最表面は実質的にMgOで構成されていることが最も好ましい、ことなどの知見に基づいて成されたものである。
これら先に発明した前記(a)〜(c)のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の製造方法を一層具体的に説明すると、まず、鉄粉末を予め酸化雰囲気中、温度:50〜500℃に加熱して酸化処理することにより鉄粉末の表面に酸化鉄膜を形成した酸化処理鉄粉末を作製し、これらの粉末にMg粉末を添加し混合して得られた混合粉末を温度:150〜1100℃、圧力:1×10−12〜1×10−1MPaの不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で加熱した後、必要によりさらに酸化性雰囲気中、温度:50〜350℃で加熱したのち酸化処理を施すことにより作製する。
また、先に発明した前記(d)記載の少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の最表面が実質的にMgOで構成されているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、鉄粉末を予め酸化雰囲気中、温度:50〜500℃に加熱して酸化処理することにより鉄粉末の表面に酸化鉄膜を形成した酸化処理鉄粉末を作製し、これらの粉末にMg粉末を一層多く添加し混合して得られた混合粉末を温度:150〜1100℃、圧力:1×10−12〜1×10−1MPaの不活性ガス雰囲気または真空雰囲気中で加熱した後、さらに酸化性雰囲気中で一層長時間加熱したのち酸化処理を施すことにより得られる。
前述の先に発明した前記(a)〜(d)のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末について、さらに詳細に説明する。前記(a)〜(d)のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に形成されているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、一般に知られているMgウスタイト((Mg,Fe)O)、(Mg,Fe)などのMg−Fe−O系酸化物の内でもMgウスタイト(Mg,Fe)O酸化物を含むことが好ましいことから、少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜であることが好ましく、この少なくとも(Mg,Fe)Oを含む堆積膜の最表面はMgOで構成さていることが最も好ましい。このMgウスタイトは(Mg,Fe):O=1:1のものだけではなくOが固溶幅を有していても良い。
「堆積膜」という用語は、通常、真空蒸発やスパッタされた皮膜構成原子が例えば基板上に堆積した皮膜を示すが、前記鉄粉末の表面に形成されている少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、酸化鉄膜を有する鉄粉末表面の酸化鉄(Fe−O)とMgが反応を伴って当該鉄粉末表面に堆積した皮膜を示す。そして、この鉄粉末の表面に形成されている少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の膜厚は、圧粉成形した複合軟磁性材の高磁束密度と高比抵抗を得るために、5nm〜500nmの範囲内にあることが好ましい。膜厚が5nmより薄いと圧粉成形した複合軟磁性材の比抵抗が充分でなく渦電流損が増加するので好ましくなく、一方、膜厚が500nmより厚いと圧粉成形した複合軟磁性材の磁束密度が低下して好ましくないからである。さらに好ましい膜厚は5nm〜200nmの範囲内である。
先に発明した前記(a)〜(d)のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に形成されている少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と鉄粉末との界面領域に、鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有する。この硫黄濃化層を有することはオージェ電子分光法により硫黄濃度を測定し、これをグラフに表すと、硫黄濃度ピークを示すことから確認することができる。界面領域にこの様な硫黄濃化層を有することにより少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の鉄粉末表面に対する密着性がより一層優れるようになり、圧粉成形時の粉末の変形に堆積膜が追従して被覆の破れを防止することができ、焼成時にも鉄粉末同士の接触結合を防止することができて高抵抗を維持することができ、したがって渦電流損失が低くなる。硫黄濃化層の硫黄は、鉄粉末には不可避不純物として硫黄が含まれており、大部分はこの鉄粉末の表面部分に含まれる硫黄から供給されると考えられる。
前記(a)〜(d)のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に形成されている少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、その結晶粒が微細であるほど好ましく、結晶粒径が200nm以下の微細結晶組織を有する事が好ましい。この様な微細結晶組織を有することにより、圧粉成形時の粉末の変形に微結晶Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が追従して被覆の破れを防止することができ、焼成時にも鉄粉末同士の接触結合を防止することができ、また、高温歪取り焼成を行っても酸化物が安定で絶縁性低下が防止でき高抵抗で渦電流損失が低くなる。結晶粒径が200nmより大きいと、圧縮成形時に被膜が破れて絶縁性が低下したり、Mg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の膜厚が500nmよりも厚くなったりして圧粉成形した複合軟磁性材の磁束密度が低下するようになるので好ましくない。
また、前記(d)のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に形成されている少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、その最表面におけるMgOの含有量が多くなるほど好ましく、実質的にMgOで構成されていることが最も好ましい。最表面が実質的にMgOであると、プレス成形した圧粉体の焼成時にもFeの拡散が防止され鉄粉末同士の接触結合を防止することができ絶縁性低下が防止でき高抵抗で渦電流損失が低くなるからである。
この発明は、先に発明した(a)〜(d)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を使用して一層高強度、高磁束密度および高比抵抗を有する複合軟磁性材およびその製造方法を提供することを目的とするものであって、先に発明した前記(a)〜(d)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を酸化バナジウム系低融点ガラス相で結合してなる高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材およびその製造方法に関するものであり、前記酸化バナジウム系低融点ガラスは、V−B系低融点ガラス、V−B−SiO系低融点ガラス、V−P系低融点ガラスまたはV−B−P系低融点ガラスなどVを主体とした低融点ガラスである。すなわち、この発明は、
(1)少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されているMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を酸化バナジウム系低融点ガラス相で結合してなる高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材、
(2)少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されておりかつ前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と鉄粉末との界面領域に鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有するMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末が、酸化バナジウム系低融点ガラス相で結合されてなる高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材、
(3)前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有する前記(1)または(2)記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材、
(4)前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、その最表面が実質的にMgOで構成されている前記(1)、(2)または(3)記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材、
(5)前記酸化バナジウム系低融点ガラスは、V−B系低融点ガラス、V−B−SiO系低融点ガラス、V−P系低融点ガラスまたはV−B−P系低融点ガラスである前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材、
(6)前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末に酸化バナジウム系低融点ガラス粉末を混合して混合粉末を作製し、この混合粉末を圧縮成形したのち熱処理する高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法、に特徴を有するものである。
前記酸化バナジウム系低融点ガラス粉末は、融点が低くても常温では硬い粉末であり、前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末に酸化バナジウム系低融点ガラス粉末を混合して作製した混合粉末を圧縮成形する際にMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に形成されているMg含有酸化鉄膜を傷つけたり破損したりする可能性がある。
これを避けるために、前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に酸化バナジウム系低融点ガラスを構成する元素の錯体またはアルコキシドを有機溶媒に溶かした溶液を塗布し乾燥することにより酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製し、この酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末における酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体の有機成分を加熱分解することによりMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に酸化バナジウム系低融点ガラスを被覆した酸化バナジウム系低融点ガラスを被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製し、この酸化バナジウム系低融点ガラスを被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を圧縮成形したのち温度:300〜1000℃で熱処理するか、または前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に、酸化バナジウム系低融点ガラスを構成する元素の錯体またはアルコキシドを有機溶媒に溶かした溶液を塗布し乾燥することにより酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製し、この酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を圧縮成形したのち温度:300〜1000℃で熱処理し、前記熱処理する際に酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体の有機成分を加熱分解させることにより作製することが一層好ましい。したがって、この発明は、
(7)前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に、酸化バナジウム系低融点ガラスを構成する元素の錯体またはアルコキシドを有機溶媒に溶かした溶液を塗布し乾燥することにより酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製し、この酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末における酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体の有機成分を加熱分解することによりMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に酸化バナジウム系低融点ガラスを被覆した酸化バナジウム系低融点ガラスを被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製し、この酸化バナジウム系低融点ガラスを被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を圧縮成形したのち熱処理する高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法、
(8)前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に、酸化バナジウム系低融点ガラスを構成する元素の錯体またはアルコキシドを有機溶媒に溶かした溶液を塗布し乾燥することにより酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製し、この酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を圧縮成形したのち熱処理し、前記熱処理する際に酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体の有機成分を加熱分解させる高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法、
(9)前記熱処理の温度は300〜1000℃の範囲内である前記(6)、(7)または(8)記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法、
(10)前記酸化バナジウム系低融点ガラスは、V−B系低融点ガラス、V−B−SiO系低融点ガラス、V−P系低融点ガラスまたはV−B−P系低融点ガラスである前記(6)、(7)、(8)または(9)記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法、
に特徴を有するものである。
この発明の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性焼結材およびその製造方法において、先に発明した前記(a)〜(d)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に形成する前記V−B系低融点ガラスはB:10〜40質量%、残部がVからなる成分組成を有し、
前記V−B−SiO系低融点ガラスはB:10〜40質量%、SiO:1〜10質量%、残部がVからなる成分組成を有し、
前記V−P系低融点ガラスはP:15〜40質量%、残部がVからなる成分組成を有し、
前記V−B−P系低融点ガラスは、B:10〜30質量%、P:10〜30質量%を含有し、残部がVからなる成分組成を有しており、この成分組成はいずれもすでに知られているものである。そして、これら酸化バナジウム系低融点ガラスはいずれも軟化温度が300〜800℃の低軟化温度を有する。
これら酸化バナジウム系低融点ガラスを形成するための酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体である酸化バナジウム系低融点ガラスを構成する元素の錯体としては、ヒドリド錯体、カルボニル錯体、メタロセン錯体、アルキル錯体、シリル錯体、ポルフィリン錯体、アリル錯体、芳香環錯体、オレフィン錯体、ジエン錯体、カルベン錯体、カルビン錯体、アレーン錯体、ホスフィン錯体、アルキン錯体、ジケトン錯体(ジケトナート化合物)を使用することができ、また、酸化バナジウム系低融点ガラスを構成する元素のアルコキシドとしては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、アミロキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基などのうちの1種または2種以上を官能基として有するアルコキシドを使用することができる。
その他の有機金属、例えばカルボン酸などの有機酸の金属塩なども使用することができるが、有機成分が分解する際に、分解生成物である炭素が粉末表面に残留し易く、圧粉磁心の機械的強度を低下させるので好ましくない。
この発明の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する複合軟磁性焼結材の製造方法において、先に発明した前記(a)〜(d)記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体または酸化バナジウム系低融点ガラスを被覆した粉末を焼結する温度は、300〜1000℃(一層好ましくは400〜800℃)の範囲内であることが好ましい。その理由は、焼結温度が300℃未満ではガラス前駆体またはガラスが溶融せず、したがって、ガラスとの接合が十分行われないので得られた複合軟磁性焼結材の強度が不足するので好ましくなく、一方、1000℃を越えた温度で焼結すると比抵抗の低下が起こるので好ましくないからである。この時の焼結雰囲気は、大気、水素、不活性ガス、窒素ガス、炭酸ガスまたは真空の内のいずれでも良いが、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気が最も好ましい。
この発明によると、少量の酸化バナジウム系低融点ガラスの添加により高強度および高抵抗を有し、さらに高磁束密度の複合軟磁性焼結材を提供することができ、電気および電子産業において優れた効果をもたらすものである。
原料粉末として、平均粒径:70μmを有し不可避不純物として硫黄を極微量含む純鉄粉末を用意し、さらに、平均粒径:50μmのMg粉末を用意した。
まず、前記純鉄粉末を大気中、温度:220℃、2時間保持の条件で酸化処理することにより表面に酸化鉄膜を有する酸化処理鉄粉末を作製し、この酸化処理鉄粉末に対し先に用意したMg粉末を、酸化処理鉄粉末:Mg粉末=99.7質量%:0.3質量%の割合で添加し混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を温度:650℃、圧力:2.7×10−4MPa、1時間保持したのち、さらに大気中、温度:200℃、1時間保持することにより鉄粉末の表面に堆積膜が被覆されているMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製した。このMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末に形成された堆積膜をX線光電子分光装置により分析を行い、結合エネルギーを解析したところ、少なくとも(Mg,Fe)Oが含まれているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜であることが解った。このMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末における鉄粉末とMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜との界面領域をオージェ電子分光装置を用いた方法により調べた結果、少なくとも(Mg,Fe)Oが含まれているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と鉄粉末との界面領域に、鉄粉末の中心部に含まれる不純物硫黄(バックグラウンド)よりも明らかにオージェ電子分光法でピークをもって硫黄が検出されていることから鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有することが解った。さらに、Mg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末における少なくとも(Mg,Fe)Oが含まれているMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜の組織を電子顕微鏡で観察した結果、その堆積膜の平均厚さは60nm、最大結晶粒径は40nmであることがわかった。
さらに、平均粒径:1.4μmでV:80質量%、B23:20質量%の組成を有する酸化バナジウム系低融点ガラス粉末(以下、V系低融点ガラス粉末という)を用意し、さらに酸化バナジウム系低融点ガラスを構成する元素の錯体またはアルコキシドとしてV25原料となるバナジウムブトキシオキシド、SiO2原料となるテトラエトキシシラン、P25原料となるリン酸トリエチル、B23原料となるトリエトキシボロンなどの金属アルコキシドおよび金属錯体を用意した。さらにこれら金属アルコキシドおよび金属錯体を溶かす有機溶媒としてヘキサンを用意した。
実施例1
金属アルコキシドおよび金属錯体を酸化物換算で表1に示される酸化バナジウム系低融点ガラス組成となるように有機溶媒に溶かして溶液を作製し、得られた溶液を先に用意したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末に表1に示される割合となるように添加して浸漬し、撹拌しながら乾燥することによりMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆した被覆鉄粉末(以下、前駆体被覆粉末という)A1〜A4を作製した。
Figure 2008091413
これら表1に示される前駆体被覆鉄粉末A1〜A4をそれぞれ内壁に潤滑剤を塗布した金型に充填し、980MPaの成形圧力で成形することにより外径:35mm、内径:25mm、厚さ:5mmの寸法を有するリング状成形体と長さ:60mm、幅:10mm、厚さ:5mmの寸法を有するバー状成形体を作製し、これらリング状成形体およびバー状成形体を窒素雰囲気中、温度:600℃、1時間保持の熱処理を施すことにより本発明複合軟磁性材1〜4からなるリング試験片およびバー状試験片を作製した。
本発明複合軟磁性材1〜4からなるリング状試験片の水中密度を測定したのち、巻線を施し、B−Hアナライザにより最大比透磁率、励磁磁束密度、1.5T、周波数50Hzおよび1.0T、周波数400Hzにおける鉄損W15/50、W10/400をそれぞれ測定し、表2に示した。
また、バー状試験片において四端子法により比抵抗を、スパン45mmの三点曲げにより抗折強度をそれぞれ測定し、それらの結果を表2に示した。
実施例2
実施例1で作製した表1に示される酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体をMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に被覆した前駆体被覆鉄粉末A1〜A4を大気雰囲気中、温度:550℃に1時間保持することによりMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に酸化バナジウム系低融点ガラスを被覆した被覆鉄粉末(以下、V系低融点ガラス被覆粉末という)a1〜a4を作製した。
これらV系低融点ガラス被覆鉄粉末a1〜a4をそれぞれ内壁に潤滑剤を塗布した金型に充填し、980MPaの成形圧力で成形することにより外径:35mm、内径:25mm、厚さ:5mmの寸法を有するリング状成形体と長さ:60mm、幅:10mm、厚さ:5mmの寸法を有するバー状成形体を作製し、これらリング状成形体およびバー状成形体を窒素雰囲気中、温度:600℃、1時間保持の熱処理を施すことにより本発明複合軟磁性材5〜8からなるリング試験片およびバー状試験片を作製した。得られたリング状試験片の水中密度を測定したのち、巻線を施し、B−Hアナライザにより最大比透磁率、励磁磁束密度、1.5T、周波数50Hzおよび1.0T、周波数400Hzにおける鉄損W15/50、W10/400をそれぞれ測定し、表2に示した。
また、バー状試験片において四端子法により比抵抗を、スパン45mmの三点曲げにより抗折強度をそれぞれ測定し、それらの結果を表2に示した。
実施例3
先に用意したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末に、先に用意した平均粒径:1.4μmでV:80質量%、B23:20質量%の組成を有するV系低融点ガラス粉末を、Mg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末:V系低融点ガラス粉末=99.3質量%:0.7質量%の割合となるように配合し、混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:60mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有するバー状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結を行い、本発明複合軟磁性材9からなるリング試験片およびバー状試験片を作製した。得られたリング状試験片の水中密度を測定したのち、巻線を施し、B−Hアナライザにより最大比透磁率、励磁磁束密度、1.5T、周波数50Hzおよび1.0T、周波数400Hzにおける鉄損W15/50、W10/400をそれぞれ測定し、表2に示した。
また、バー状試験片において四端子法により比抵抗を、スパン45mmの三点曲げにより抗折強度をそれぞれ測定し、それらの結果を表2に示した。
従来例1
純鉄粉末の表面にMg含有フェライト層を化学的方法で形成した従来Mg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を用意し、この従来Mg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末に先に用意した平均粒径:1.4μmでSiO:80質量%、B23:20質量%の組成を有するSiO 系低融点ガラス粉末を、Mg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末:SiO系低融点ガラス粉末=99.3質量%:0.7質量%の割合となるように配合し、混合して混合粉末を作製し、得られた混合粉末を金型に入れ、プレス成形して縦:60mm、横:10mm、厚さ:5mmの寸法を有するバー状圧粉体および外径:35mm、内径:25mm、高さ:5mmの寸法を有するリング形状圧粉体を成形し、得られた圧粉体を窒素雰囲気中、温度:600℃、30分保持の条件で焼結を行い、従来複合軟磁性材からなるリング試験片およびバー状試験片を作製した。
得られたリング状試験片の水中密度を測定したのち、巻線を施し、B−Hアナライザにより最大比透磁率、励磁磁束密度、1.5T、周波数50Hzおよび1.0T、周波数400Hzにおける鉄損W15/50、W10/400をそれぞれ測定し、表2に示した。
また、バー状試験片において四端子法により比抵抗を、スパン45mmの三点曲げにより抗折強度をそれぞれ測定し、それらの結果を表2に示した。
Figure 2008091413
表1〜2に示される結果から、本発明複合軟磁性材1〜9で作製した試験片は、表2の従来複合軟磁性材で作製した試験片に比べて直流磁気特性、交流磁気特性、機械的強度のいずれも優れた値を示しことから、本発明複合軟磁性焼結材1〜9は、従来複合軟磁性材に比べて優れた特性を示すことが分かる。
特に本発明複合軟磁性材9と従来複合軟磁性材を比較すると、本発明複合軟磁性材9で作製した試験片は、従来複合軟磁性材と同様に酸化バナジウム系低融点ガラス粉末を使用して作製していても、先に発明した少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が被覆されているMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末は鉄粉末に対する密着性が優れているために、従来の化学的方法で形成したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末に比べて鉄損が極めて少ないことが分かる。

Claims (10)

  1. 少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されているMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を酸化バナジウム系低融点ガラス相で結合してなることを特徴とする高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材。
  2. 少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜が鉄粉末の表面に被覆されておりかつ前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜と鉄粉末との界面領域に鉄粉末の中心部に含まれる硫黄よりも高濃度の硫黄を含む硫黄濃化層を有するMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末が、酸化バナジウム系低融点ガラス相で結合されてなることを特徴とする高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材。
  3. 前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、結晶粒径:200nm以下の微細結晶組織を有することを特徴とする請求項1または2記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材。
  4. 前記少なくとも(Mg,Fe)Oを含むMg−Fe−O三元系酸化物堆積膜は、その最表面が実質的にMgOで構成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材。
  5. 前記酸化バナジウム系低融点ガラスは、V−B系低融点ガラス、V−B−SiO系低融点ガラス、V−P系低融点ガラスまたはV−B−P系低融点ガラスであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材。
  6. 請求項1、2、3、4または5記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末に酸化バナジウム系低融点ガラス粉末を混合して混合粉末を作製し、この混合粉末を圧縮成形したのち熱処理することを特徴とする高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法。
  7. 請求項1、2、3、4または5記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に、酸化バナジウム系低融点ガラスを構成する元素の錯体またはアルコキシドを有機溶媒に溶かした溶液を塗布し乾燥することにより酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製し、この酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末における酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体の有機成分を加熱分解することによりMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に酸化バナジウム系低融点ガラスを被覆した酸化バナジウム系低融点ガラス−Mg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製し、この酸化バナジウム系低融点ガラス−Mg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を圧縮成形したのち熱処理することを特徴とする高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法。
  8. 請求項1、2、3、4または5記載のMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末の表面に、酸化バナジウム系低融点ガラスを構成する元素の錯体またはアルコキシドを有機溶媒に溶かした溶液を塗布し乾燥することにより酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を作製し、この酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体を被覆したMg含有酸化鉄膜被覆鉄粉末を圧縮成形したのち熱処理し、前記熱処理する際に酸化バナジウム系低融点ガラス前駆体の有機成分を加熱分解させることを特徴とする高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法。
  9. 前記熱処理の温度は300〜1000℃の範囲内であることを特徴とする請求項6、7または8記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法。
  10. 前記酸化バナジウム系低融点ガラスは、V−B系低融点ガラス、V−B−SiO系低融点ガラス、V−P系低融点ガラスまたはV−B−P系低融点ガラスであることを特徴とする請求項6、7、8または9記載の高強度、高磁束密度および高抵抗を有する鉄損の少ない複合軟磁性材の製造方法。
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