JP2008090883A - 光ピックアップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 長年使用しても、摺接部の磨耗を防止すること。
【解決手段】 主軸と係合する係合部と、副軸によって摺動可能に支持される断面コ字型の摺接部とを有する光ピックアップは、摺接部に被せられて、副軸と当接するキャップを備える。摺接部は、フォーカシング方向に延在する垂直延在部分と、垂直延在部分の下端からタンジェンシャル方向に突出する下部摺接部分と、垂直延在部分の上端からタンジェンシャル方向に突出する上部摺接部分とから構成される。キャップは上部摺接部分に嵌め込まれる。上部摺接部分は、その先端部が根元部よりも幅が細くなった楔形をしている。キャップは、当該キャップを上部摺接部分に挿入する際に、キャップを案内する一対の案内壁を持つ。上部摺接部分は、その根元部に係合溝を持つ。キャップは、係合溝と係合する係合突起を持つ。
【選択図】 図7

Description

本発明は、光ピックアップに関し、特に、実質的に互いに平行にトラッキング方向に沿って延在する主軸および副軸によってスレッド移動可能に支持される光ピックアップに関する。
光ディスクドライブは、光ディスク(CD、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM、DVD±R/RW、Blu−rayディスク、HD−DVD等)に記録された情報を読み出したり、あるいは情報を書き込んだりするための装置である。この種の光ディスクドライブは、光ディスクからの情報の読み出し、あるいは光ディスクへの情報の書き込みを実現するため、光ディスクに対してレーザビームを照射し、またその反射光を検出するための光ピックアップを備えている。
一方、周知のように、DVD装置においては、ディジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD)とコンパクト・ディスク(CD)とのいずれに対しても記録・再生可能にするために特別の光ピックアップを備えた光ディスクドライブを搭載したものが存在している。そのような特別の光ピックアップは、DVD用の短波長レーザ光(波長約650nm)とCD用の長波長レーザ光(波長約780nm)との2種類のレーザビームを使い分けて記録・再生を行うものであり、「2波長対応光ピックアップ」と呼ばれている。
この種の2波長対応光ピックアップの一種として、DVD用の短波長レーザ光(第1のレーザ光)を出射するためのDVD用の第1のレーザダイオードと、CD用の長波長レーザ光(第2のレーザ光)を出射するためのCD用の第2のレーザダイオードとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、第1のレーザダイオードと第2のレーザダイオードとを別々の部品として構成すると、部品点数が多く大型化してしまうという不都合がある。このような問題に対処するために、第1のレーザダイオードと第2のレーザダイオードとを1部品(1チップ)で構成したもの(以下、「1チップ型レーザダイオード」と呼ぶ。)が開発され提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような1チップ型レーザダイオードは、小型化が可能である。この1チップ型レーザダイオードは、第1のレーザ光を出射する第1の発光点と第2のレーザ光を出射する第2の発光点とは所定距離(例えば、100μm)だけ離れているので、第1のレーザビームと第2のレーザビームとは互いに所定距離だけ離間して平行に出射されることになる。
さらに、最近のDVD装置においては、DVDやCDばかりでなくHD−DVD(High Definition DVD)に対しても記録・再生可能にするために特殊な光ピックアップを備えた光ディスクドライブを搭載したものも開発されている。そのような特殊な光ピックアップは、DVD用の中波長レーザ光(波長約650nm)とCD用の長波長レーザ光(波長約780nm)とHD−DVD用の短波長レーザ光(波長約410nm)との3種類のレーザ光を使い分けて記録・再生を行うものであり、「3波長対応光ピックアップ」と呼ばれている。
このような3波長対応光ピックアップとして、上記特許文献2に開示されているような、CD及びDVD用の1チップ型レーザダイオード(2波長1パッケージレーザダイオード)と、HD−DVD用の青色レーザダイオードとを使用することができる。尚、以下ではHD−DVDを単にHDとも略称する。
一般に、光ピックアップは、レーザビームを出射するレーザ光源と、この出射されたレーザビームを光ディスクへ導くとともに、その反射光を光検出器へ導く光学系とを備えている。そして、この光学系には、光ディスクに対向するように配置される対物レンズが含まれている。レーザ光源および光検出器は、光学ベースの外側壁に取り付けられ、対物レンズを除く光学系は光学ベース内に取り付けられる。
光ピックアップに用いられる対物レンズは、回転駆動される光ディスクの記録面(トラック)に正確にレーザ光を集光するように、光軸に沿ったフォーカス方向及び光ディスクの半径方向に沿ったトラック方向に関して精度良く位置制御される必要がある。また、最近は、記録密度の向上に伴い、光ディスクの反りによる影響を除去又は抑制する必要性が高まっており、対物レンズは、チルティング制御される必要もある。
上記光ピックアップアクチュエータは、フォーカシング制御、トラッキング制御及びチルティング制御を可能にするための装置であり、対物レンズ駆動装置とも呼ばれる。対物レンズ駆動装置は、対物レンズを保持する対物レンズホルダを、複数本のサスペンションワイヤによってダンパベースで弾性支持している(例えば、特許文献3参照)。
ところで、対物レンズ駆動装置は、「対称構造のもの」と「非対称構造のもの」とに分類される。ここで、対称構造の対物レンズ駆動装置とは、対物レンズを中心としてコイルやマグネットを含む磁気回路が対称に配置されるものをいう。一方、非対称構造の対物レンズ駆動装置とは、対物レンズに対してコイルやマグネットを含む磁気回路が非対称に配置されるものをいう。
対称構造の対物レンズ駆動装置では、対物レンズホルダに1つのフォーカシングコイルを巻回し、対物レンズホルダの側面にトラッキングコイル及びチルティングコイルを貼り付け、これらのコイルを磁気回路のギャップ内に部分的に位置させている。このような構成において、各コイルに流れる電流を制御することで、従来の対称構造の対物レンズ駆動装置は、対物レンズの位置及び傾きを微調整することができる(例えば、特許文献4参照。)。尚、トラッキングコイル及びチルティングコイルは、対物レンズホルダの側面に貼り付ける必要上、空芯コイルで構成されている。
対称構造の対物レンズ駆動装置においては、複数本のサスペンションワイヤは、非駆動状態において水平になるように設けられている。詳述すると、対物レンズ駆動装置は、対物レンズを保持する対物レンズホルダを含む可動部分とダンパベースを含む固定部分とに分けられる。可動部分は複数本のサスペンションワイヤによってダンパベースで支持される。複数本のサスペンションワイヤは、ダンパベースと対物レンズホルダとの間で水平面と平行になるように設けられている。
一般に、光ピックアップは、ピックアップ駆動部によって所定のディスク半径方向(トラッキング方向)にスレッド移動させられる。ピックアップ駆動部は、光ピックアップをその両側で所定のディスク半径方向(トラッキング方向)にスレッド移動可能に支持する主軸および副軸を持っている。光ピックアップは、主軸と係合する係合部と、副軸によって摺動可能に支持される、断面コ字形の摺接部とを有している。
ここで、係合部に関しては、多くの光ピックアップにおいて含油メタルが利用されていて、高精度位置決めや駆動時の摺動性・耐磨耗性が図られている。一方、摺接部に関しては、光ピックアップの光学ベース(筐体)の材料そのもので形成される場合が多い。光学ベース(筐体)は、樹脂モールドや金属(亜鉛、アルミニウム、マグネシウムなどの各種合金)ダイカストでできている。
各材料はそれぞれ特徴をもっており、目的に応じて使い分けられている。例えば、光ピックアップに高精度で、信頼性が高く、軽量化が求められるようなときには、筐体(光学ベース)の材質としてマグネシウム合金が採用される場合がある。
しかしながら、マグネシウム合金で摺接部を形成した場合、耐磨耗性に関して問題が発生する場合がある。そこで、従来においては、副軸の設置方法や摺接部の形状を工夫する等して、耐摩耗性の対策を講じている。例えば、光ピックアップのスレッド移動の間中、副軸と摺接部との磨耗の一極集中を防ぐために、副軸を主軸に対して傾けた状態で配置したディスク装置が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2003−173563号公報 特開平11−149652号公報 特開2003−196865号公報 特開2001−93177号公報 特開2002−74865号公報
特許文献5に開示された構成を採用することにより、光ピックアップの摺接部の磨耗をできるだけ少なくして、スキューずれが増大するのを防止することができる。しかしながら、たとえこのような対策を講じたとしても、光ピックアップの摺接部と副軸とは直接接触しているので、長年の使用により摺接部が磨耗してしまう。特に、摺接部がマグネシウム合金で形成されている場合、何らかの理由により一旦、摺接部が磨耗し始めると、その後急激に摺接部の磨耗が進行する傾向がある。
そこで、本発明の課題は、長年使用しても、摺接部の磨耗を防止することができる、光ピックアップを提供することにある。
本発明によれば、実質的に互いに平行にトラッキング方向(Tr)に沿って延在する主軸および副軸によってスレッド移動可能に支持される光ピックアップ(10)であって、前記主軸と係合する係合部(61)と、前記副軸によって摺動可能に支持される断面コ字型の摺接部(62)とを有する光ピックアップにおいて、前記摺接部(62)に被せられて、前記副軸と当接するキャップ(63)を備えたことを特徴とする光ピックアップが得られる。
上記光ピックアップ(10)において、前記摺接部(62)は、フォーカシング方向(F)に延在する垂直延在部分(621)と、該垂直延在部分の下端からタンジェンシャル方向(Tg)に突出する下部摺接部分(622)と、前記垂直延在部分の上端から前記タンジェンシャル方向(Tg)に突出する上部摺接部分(623)とから構成されてよい。この場合、前記キャップ(63)は前記上部摺接部分(623)に嵌め込まれる。前記上部摺接部分(623)は、その先端部が根元部よりも幅が細くなった楔形をしていることが好ましい。この場合、前記キャップ(63)は、当該キャップを前記上部摺接部分に挿入する際に、前記キャップを案内する一対の案内壁(632、633)を持つ。前記上部摺接部分(623)は、その根元部に係合溝(623c)を持つことが望ましい。この場合、前記キャップ(63)は、前記係合溝と係合する係合突起(631b)を持つ。前記光ピックアップは、互いに波長の異なる3種類のレーザビームを使い分けて3種類の光ディスクに対して記録・再生を行うことが可能な3波長対応光ピックアップ(10)から構成されて良い。
なお、上記括弧内の参照符号は、単に本発明の理解を容易にするために付したものであって、何ら本発明を限定するものではない。
摺接部に被せられて、副軸と当接するキャップを備えているので、長年使用しても、摺接部の磨耗を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
前述したように、光ディスクドライブにおいては、DVDやCDばかりでなくHD−DVD(High Definition DVD)に対しても記録・再生可能にするために特殊な光ピックアップを搭載したものが開発されている。そのような特殊な光ピックアップは、DVD用の中波長レーザビーム(波長約650nm)とCD用の長波長レーザビーム(波長約780nm)とHD−DVD(HD)用の短波長レーザビーム(波長約410nm)との3種類のレーザビームを使い分けて記録・再生を行うものであり、「3波長対応光ピックアップ」と呼ばれている。
図1は本発明に係る3波長対応光ピックアップ10の光学系のシステム構成図である。図示の3波長対応光ピックアップ10は、レーザビームを出射するレーザ光源として1チップ型レーザダイオード11と、青色レーザダイオード12とを有する。
1チップ型レーザダイオード11は、第1のレーザダイオード(図示せず)と第2のレーザダイオード(図示せず)とを1部品(1チップ)で構成したものである。第1のレーザダイオード(第1の発光点)と第2のレーザダイオード(第2の発光点)とは所定距離(例えば、100μm)だけ離れている。第1のレーザダイオードは、第1の波長としてCD用の波長約780nmを持つ第1のレーザビームを出射するレーザダイオードであって、「CD−LD」と略称される。第2のレーザダイオードは、第2の波長としてDVD用の波長約650nmを持つ第2のレーザビームを出射するレーザダイオードであって、「DVD−LD」と略称される。青色レーザダイオード12は、第3のレーザダイオードとも呼ばれ、第3の波長としてHD−DVD(HD)用の波長約410nmを持つ第3のレーザビームを出射するレーザダイオードであって、「HD−LD」と略称される。
3波長対応光ピックアップ10は、これら第1乃至第3のレーザビームのいずれか1つを光ディスク(図示せず)へ導くとともに、その反射光を光検出器35(後述する)へ導く光学系とを備えている。そして、この光学系には、光ディスクに対向するように配置される対物レンズ31が含まれている。レーザ光源11、12および光検出器35は、光学ベース(後述する)の外壁に取り付けられ、対物レンズ31を除く光学系は光学ベース内に取り付けられる。
一方、対物レンズ31は、後述する対物レンズ駆動装置(光ピックアップアクチュエータ)に搭載される。後述するように、対物レンズ駆動装置は、対物レンズ31を保持する対物レンズホルダを、複数本のサスペンションワイヤによってダンパベースで弾性支持する。
図示の3波長対応光ピックアップ10は、光学系として、第1および第2の回折格子(グレーティング)16および17と、第1のビームスプリッタ21と、第2のビームスプリッタ23と、フロントモニタ25と、立上げミラー(全反射ミラー)27と、コリメータレンズ29と、上記対物レンズ31と、センサレンズ(検出レンズ)33とを備えている。
第1の回折格子16、第1のビームスプリッタ21、第2のビームスプリッタ23、立上げミラー27、コリメータレンズ29、対物レンズ31、およびセンサレンズ33の組み合わせは、第1または第2のレーザダイオードから出射された第1または第2のレーザビームを光ディスク(CDまたはDVD)側へ導くと共に、この光ディスク側から反射された第1または第2の戻り光を透過して光検出器35へ導く第1または第2の光学系として働く。同様に、第2の回折格子17、第1のビームスプリッタ21、第2のビームスプリッタ23、立上げミラー27、コリメータレンズ29、対物レンズ31、およびセンサレンズ33の組み合わせは、青色レーザダイオード(第3のレーザダイオード)から出射された第3のレーザビームを光ディスク(HD―DVD)側へ導くと共に、この光ディスク側から反射された第3の戻り光を透過して光検出器35へ導く第3の光学系として働く。
ここで、青色レーザダイオード(第3のレーザダイオード)12は、光軸中心に配置され、1チップ型レーザダイオード11内の第2のレーザダイオードは、光軸中心に配置されている。従って、1チップ型レーザダイオード11内の第1のレーザダイオードは、光軸からずれた状態で配置されている。そこで、図示の光検出器35は、CDからの第1の戻り光を光軸からずれたままで受光するように構成されている。
図2に図1に示した3波長対応光ピックアップに使用されるフォトディテクタ35の構成を示す。フォトディテクタ35は、第1の戻り光を受光するための第1の受光部35−1と、第2または第3の戻り光を受光するための第2の受光部35−2とを有する。第1の受光部35−1は、中央の光束(メインビーム)を受光するための4分割フォトダイオードa、b、c、dと、両側の2本の光束(サブビーム)を受光するための4つのフォトダイオードe、f、g、hとから構成される。第2の受光部35−2は、中央の光束(メインビーム)を受光するための4分割フォトダイオードA、B、C、Dと、一方のサブビーム(先行サブビーム)を受光するための4つのフォトダイオードE1、F1、G1、H1と、他方のサブビーム(後行サブビーム)を受光するための4つのフォトダイオードE2、F2、G2、H2とから構成されている。
次に、図1に示した3波長対応光ピックアップの動作について説明する。この技術分野において周知のように、3波長対応光ビップアップは、書込みモードと再生モードとのいずれか一方のモードで動作するが、ここでは、再生モードの場合の動作について説明する。
最初に、光ディスクとしてCDを使用した場合の動作について説明する。この場合、1チップ型レーザダイオード11内の第1のレーザダイオード(CD−LD)のみが動作状態に置かれ、1チップ型レーザダイオード11内の第2のレーザダイオード(DVD−LD)および青色レーザダイオード(第3のレーザダイオード)12(HD−LD)は非動作状態に置かれる。
第1のレーザダイオード(CD−LD)から出射された第1のレーザビームは、第1の回折格子16を通り、ここでトラッキング制御、フォーカス制御、およびチルティング制御を行うために3本のレーザビームに分離される。その後、第1のビームスプリッタ21を透過し、第2のビームスプリッタ23に入射する。この入射光の内、第2のビームスプリッタ23で一部が透過して、その透過光はフロントモニタ25で受光される。とにかく、フロントモニタ25は、第2のビームスプリッタ23を透過した第1のレーザビームの発光量をモニタする。一方、上記入射光の内、第2のビームスプリッタ23で反射された反射光は、立上げミラー27で上方向へ反射される。この立上げミラー27を反射したレーザビームは、コリメータレンズ29を透過すると、発散光であったレーザビームが平行光にされて、対物レンズ30に入射する。この対物レンズ30を透過したレーザビームは、ここで収束されて、光ディスク(CD)の記録面に照射される(集光される)。
この光ディスク(CD)の記録面からの反射光(第1の戻り光)は、対物レンズ31を通過し、コリメータレンズ29を透過した後、収束光になる。この収束光は、立上げミラー27で反射された後、第2のビームスプリッタ23を通り、センサレンズ33を透過した後、光検出器35の第1の受光部35−1(図2)に集光する(で受光される)。
次に、光ディスクとしてDVDを使用した場合の動作について説明する。この場合、1チップ型レーザダイオード11内の第2のレーザダイオード(DVD−LD)のみが動作状態に置かれ、1チップ型レーザダイオード11内の第1のレーザダイオード(CD−LD)および青色レーザダイオード(第3のレーザダイオード)12(HD−LD)は非動作状態に置かれる。
第2のレーザダイオード(DVD−LD)から出射された第2のレーザビームは、第1の回折格子16を通り、その後、第1のビームスプリッタ21を透過し、第2のビームスプリッタ23に入射する。この入射光の内、第2のビームスプリッタ23で一部が透過して、その透過光はフロントモニタ25で受光される。とにかく、フロントモニタ25は、第2のビームスプリッタ23を透過した第2のレーザビームの発光量をモニタする。一方、上記入射光の内、第2のビームスプリッタ23で反射された反射光は、立上げミラー27で上方向へ反射される。この立上げミラー27を反射したレーザビームは、コリメータレンズ29を透過すると、発散光であったレーザビームが平行光にされて、対物レンズ30に入射する。この対物レンズ30を透過したレーザビームは、ここで収束されて、光ディスク(DVD)の記録面に照射される(集光される)。
この光ディスク(DVD)の記録面からの反射光(第2の戻り光)は、対物レンズ31を通過し、コリメータレンズ29を透過した後、収束光になる。この収束光は、立上げミラー27で反射された後、第2のビームスプリッタ23を通り、センサレンズ33を透過した後、光検出器35の第2の受光部35−2(図2)に集光する(で受光される)。
最後に、光ディスクとしてHD−DVDを使用した場合の動作について説明する。この場合、青色レーザダイオード(第3のレーザダイオード)12(HD−LD)のみが動作状態に置かれ、1チップ型レーザダイオード11内の第1のレーザダイオード(CD−LD)および第2のレーザダイオード(DVD−LD)非動作状態に置かれる。
青色レーザダイオード(第3のレーザダイオード)12(HD−LD)から出射された第3のレーザビームは、第2の回折格子17を通り、ここでトラッキング制御、フォーカス制御、およびチルティング制御を行うために3本のレーザビームに分離される。その後、これら3本のレーザビームは第3のビームスプリッタ21で反射され、第2のビームスプリッタ23に入射する。この入射光の内、第2のビームスプリッタ23で一部が透過して、その透過光はフロントモニタ25で受光される。とにかく、フロントモニタ25は、第2のビームスプリッタ23を透過した第3のレーザビームの発光量をモニタする。一方、上記入射光の内、第2のビームスプリッタ23で反射された反射光は、立上げミラー27で上方向へ反射される。この立上げミラー27を反射したレーザビームは、コリメータレンズ29を透過すると、発散光であったレーザビームが平行光にされて、対物レンズ30に入射する。この対物レンズ30を透過したレーザビームは、ここで収束されて、光ディスク(HD−DVD)の記録面に照射される(集光される)。
この光ディスク(HD−DVD)の記録面からの反射光(第3の戻り光)は、対物レンズ31を通過し、コリメータレンズ29を透過した後、収束光になる。この収束光は、立上げミラー27で反射された後、第2のビームスプリッタ23を通り、センサレンズ33を透過した後、光検出器35の第2の受光部35−2(図2)に集光する(で受光される)。
図3および図4を参照して、3波長対応光ピックアップ10について更に説明する。以下では、3波長対応光ピックアップ10を単に光ピックアップと呼ぶことにする。
光ピックアップ10は、光学ベース40を有する。この光学ベース40上には、OPU回路基板71を介して対物レンズ駆動装置50が搭載されている。光学ベース40は、光ディスクドライブに導入された光ディスクの半径方向(トラッキング方向Tr)に移動可能にガイドバー(図示せず)に取り付けられている。換言すれば、光ピックアップ10は、ビップアップ駆動部(図示せず)によって所定のディスク半径方向(トラッキング方向Tr)にスレッド移動させられる。ビップアップ駆動部は、上記ガイドバーとして、光ピックアップ10をその両側で所定のディスク半径方向(トラッキング方向Tr)に対してスレッド移動可能に支持する主軸(図示せず)および副軸(図示せず)を備えている。主軸および副軸の両方とも、ディスク半径方向(トラッキング方向Tr)に対して実質的に平行となるように延在して配置されている。すなわち、主軸と副軸とは、互いに平行に配置されている。
光ピックアップ10は、主軸と係合する係合部(係合孔)61と、副軸によって摺動可能に支持される、断面コ字型の摺接部62とを有する。図示の例では、摺接部62の上部摺接部分にキャップ63が嵌めこまれており、このキャップ63と摺接部62の下部摺接部分との間に副軸が配置され、図示しない押えばねによって副軸は摺接部62の上部摺接部分に近づく方向に付勢される。
係合部(係合孔)61は、含油メタルから構成されている。光学ベース40の材料は、マグネシウム合金から成り、摺接部62の材料もマグネシウム合金から成る。キャップ63は、耐摩耗性と摺動性のある材料から成る。キャップ63は、摺接部62に被せられる。摺接部62とキャップ63の構成については、後で図面を参照して詳細に説明する。
対物レンズ駆動装置50は、略直方体の形状をしている対物レンズホルダ51を備える。対物レンズホルダ51は、中央に対物レンズ31を装着するための貫通孔によるレンズ装着部を有する。図示の対物レンズ駆動装置50は、対称構造をしており、対物レンズ31を中心としてコイル(図示せず)やマグネットを含む磁気回路(図示せず)が対称に配置されている。対称構造の対物レンズ駆動装置50において、対物レンズホルダ51に1つのフォーカシングコイル(図示せず)を巻回し、対物レンズホルダ51の側面にトラッキングコイル(図示せず)及びチルティングコイル(図示せず)を貼り付け、これらのコイルを磁気回路のギャップ内に部分的に位置させている。このような構成において、各コイルに流す電流を制御することで、対称構造の対物レンズ駆動装置50は、対物レンズ31の位置及び傾きを微調整することができる。
詳述すると、対物レンズ駆動装置50は、対物レンズ31を保持する対物レンズホルダ51を、6本のサスペンションワイヤ52によってダンパベース53で弾性支持している。換言すれば、対物レンズホルダ51は、タンジェンシャル方向Tgに延在する6本のサスペンションワイヤ52によりダンパベース53で支持される。これら6本のサスペンションワイヤ52は、上記の各種コイルと外部回路、つまり対物レンズ駆動装置50のための駆動回路とを電気的に接続するための配線としても利用される。対物レンズホルダ51には、前述してように、チルティングコイル、フォーカシングコイル及びトラッキングコイルが巻回されている。これらコイルに流す電流を適切に制御することにより、対物レンズホルダ51は、ヨーク及びマグネットから成る磁気回路が作り出す磁界との関係に基づき、トラッキング方向Trに傾動し(タンジェンシャル方向Tgに平行な軸を回転軸として回動し)、またトラッキング方向Trに沿って移動し、あるいはフォーカシング方向Fに沿って移動する。
光学ベース40の上面にはOPU回路基板71が搭載されている。このOPU用回路基板71上で、隙間を空けて、対物レンズ駆動装置50はそれらの四隅でUV接着剤で光学ベース40に固着されている。
図3および図4に加えて図5も参照して、光検出器35はPD回路基板73上に搭載され、PDホルダ75によって保持された状態で、UV接着剤91によって光学ベース40の外側壁に固着されている。
図2に示したように、光ディスクからの反射光(戻り光)を受光する光検出器35は、多数のフォトダイオードから構成されている。そして、これら多数のフォトタイオードで受光された受光信号は、光検出器35内の処理回路(図示せず)で処理された後、PDフレキシブルプリント基板(FPC)72を介してOPU回路基板71へ送出される。
図6乃至図9を参照して、摺接部62とキャップ63の構成について更に詳細に説明する。図6は摺接部62に嵌め込まれるキャップ63を裏面側から見た斜視図である。図7および図8は、摺接部62とキャップ63とを分離して示す分解斜視図である。図9は摺接部62にキャップ63を嵌め込んだ状態を示す組立斜視図である。
最初に図7および図8を参照して、摺接部62の構成について説明する。摺接部62は、光学ベース40に対して上下方向(フォーカシング方向F)に立設された垂直延在部分621と、この垂直延在部621の下端からタンジェンシャル方向Tgに突出する下部摺接部分622と、この垂直延在部621の上端からタンジェンシャル方向Tgに突出する上部摺接部分623とを有する。
下部摺接部分622は、その内壁から上方へ突出する下部盛上り部622aを持つ。上部摺接部分623は、その内壁から下方へ突出する上部盛上り部623aを持ち、後述するキャップ63が摺動して嵌め込まれる外面(上面)623bを持つ。図7に示されるように、上部摺接部分623は、後述するキャップ63が容易に嵌め込まれるのを可能にするために垂直延在部621から離れるに従ってその幅が細くなる楔形をしている。換言すれば、上部摺接部分623は、その先端部の方が根元部よりも幅が細くなっている。上部摺接部分623の根元部には、後述するキャップ63の係合突起と係合する係合溝623cが形成されている。
次に、図6を参照して、キャップ63の構成について詳細に説明する。キャップ63は、それを上部摺接部分623に挿入する際に、上部摺接部分623の外面(上面)623bと摺接する内面631aを持つ上部カバー部631と、この上部カバー部631の内壁631aから突出して、キャップ63を上部摺接部分623に挿入する際に、キャップ63を案内する第1および第2の案内壁632、633と、断面コ字型の下部カバー部634とを有する。
第1および第2の案内壁632、633は、キャップ63が上部摺接部分623に挿入された際に、上部摺接部分622の両側壁と当接するような形状をしている。すなわち、第1および第2の案内壁632、633の挿入方向の先端部における間隔は、上部摺接部分623の根元部における幅と実質的に等しく広くなっており、第1および第2の案内壁632、633における挿入方向の後端部における間隔は、上部摺接部分623の先端部における幅と実質的に等しく狭くなっている。このような形状をしているので、キャップ63を上部摺接部分623に対して容易に挿入することが可能である。
上部カバー部631は、その挿入方向の先端部に、上部摺接部分623の上記係合溝623cと係合する係合突起631bを有する。これにより、キャップ63が上部摺接部分623が一旦嵌合された後に、キャップ63が上部摺接部分623から抜けるのを防止することができる。
下部カバー部634は、その外面に副軸と摺接する摺接面634aと、その内面に上部摺接部分623の下部盛上り部623aと当接する当接部634bとを持つ。なお、下部カバー部634において、摺接面634aと当接部634bとを形成する部分の肉厚は厚くなっており、その両端からは肉厚の薄い連結部によって下部カバー部634と上部カバー部631とが連結される。したがって、下部カバー部634は可撓性を有している。
このような構成の摺接部62とキャップ63において、図7および図8の矢印で示されるように、キャップ63は上部摺接部分623に挿入される(嵌め込まれる)。この際、上部摺接部分623の外面(上面)623bは、上部カバー部631の内面631aと摺接し、上部摺接部分623の一対の側壁に対して第1および第2の案内壁632、633に案内される。上部摺接部分623に対するキャップ63の挿入が完了する直前に、上部カバー部631の係合突起631bが上部摺接部分623の係合溝623cと係合する。これにより、図9に示されるように、キャップ63が上部摺接部分623に嵌合される。
したがって、ディスク装置の副軸は、摺接部62の下部摺接部分622の下部盛上り部622aとキャップ63の下部カバー部634の摺接面634aとの間に配置されて、副軸は図示しない押えばねによって摺接面634aに押えられる。
これにより、摺接部62における磨耗を防止しながら、光ピックアップ10のシーク動作の耐久性を向上させることができる。また、上述したように下部カバー部634は可撓性を有するので、副軸から下部カバー部634にかかるストレスを軽減することができる。
なお、図4に示されるように、光ピックアップ10は、1チップ型レーザダイオード11と青色レーザダイオード12とを覆うサイドカバー110を備えている。このサイドカバー110の一端はネジ(図示せず)で光学ベース40に固定され、サイドカバー110の他端はUV接着剤114で光学ベース40に固着されている。尚、サイドカバー110と光学ベース40とが互いに近接する隙間には、図示しないシリコーン樹脂が付けられている。このサイドカバー110は、本光ピックアップ10を取り扱う際に、人(製造者)が1チップ型レーザダイオード11や青色レーザダイオード12のLD端子に直接触れるのを防ぐためのものである。これにより、1チップ型レーザダイオード11や青色レーザダイオード12が破壊するのを防止している。尚、このサイドカバー110は、レーザダイオードを保護するだけでなく、不要輻射ノイズが外部へ放射するのを軽減する役目をも担っている。
以上、本発明ついて一実施の形態に即して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、青色レーザビーム対応の光ディスクとしてHD−DVDを使用した場合を例に挙げて説明しているが、HD−DVDの代わりにBlu−rayディスクを用いても良いのは勿論である。また、上述した実施の形態では、光ピックアップとして3波長対応光ピックアップを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、種々の光ピックアップに適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る3波長対応光ピックアップの光学系のシステム構成図(光路図)である。 図1に図示した3波長対応光ピックアップに使用される光検出器の構成を示す概略平面図である。 図1に図示した3波長対応光ピックアップの斜視図である。 図1の図示した3波長対応光ピックアップの斜視図である。 図3及び図4に図示した3波長対応光ピックアップに使用される光検出器とそれをOPU回路基板へ接続するためのPDフレキシブルプリント基板とを含む組立体の分解斜視図である。 図3及び図4に示した3波長対応光ピックアップに使用される摺接部に嵌め込まれるキャップを裏面側から見た斜視図である。 摺接部とキャップとを分離して示す分解斜視図である。 摺接部とキャップとを分離して示す分解斜視図である。 摺接部にキャップを嵌め込んだ状態を示す組立斜視図である。
符号の説明
10 3波長対応光ピックアップ
11 1チップ型レーザダイオード
12 青色レーザダイオード(第3のレーザダイオード)
16 第1の回折格子(グレーティング)
17 第2の回折格子(グレーティング)
21 第1のビームスプリッタ
23 第2のビームスプリッタ
25 フロントモニタ
27 立上げミラー(全反射ミラー)
29 コリメータレンズ
31 対物レンズ
33 センサレンズ
35 光検出器
35−1 第1の受光部
35−2 第2の受光部
40 光学ベース
50 対物レンズ駆動装置
51 対物レンズホルダ
52 サスペンションワイヤ
53 ダンパベース
61 係合部(係合孔)
62 摺接部
621 垂直延在部
622 下部摺接部分
622a 下部盛上り部
623 上部摺接部分
623a 上部盛上り部
623b 外面(上面)
623c 係合溝
63 キャップ
631 上部カバー部
631a 内壁
631b 係合突起
632 第1の案内壁
633 第2の案内壁
634 下部カバー部
634a 摺接面
634b 当接部

Claims (5)

  1. 実質的に互いに平行にトラッキング方向に沿って延在する主軸および副軸によってスレッド移動可能に支持される光ピックアップであって、前記主軸と係合する係合部と、前記副軸によって摺動可能に支持される断面コ字型の摺接部とを有する光ピックアップにおいて、
    前記摺接部に被せられて、前記副軸と当接するキャップを備えたことを特徴とする光ピックアップ。
  2. 前記摺接部は、フォーカシング方向に延在する垂直延在部分と、該垂直延在部分の下端からタンジェンシャル方向に突出する下部摺接部分と、前記垂直延在部分の上端から前記タンジェンシャル方向に突出する上部摺接部分とから構成され、
    前記キャップは前記上部摺接部分に嵌め込まれることを特徴とする、請求項1に記載の光ピックアップ。
  3. 前記上部摺接部分は、その先端部が根元部よりも幅が細くなった楔形をしており、
    前記キャップは、当該キャップを前記上部摺接部分に挿入する際に、前記キャップを案内する一対の案内壁を持つ請求項2に記載の光ピックアップ。
  4. 前記上部摺接部分は、その根元部に係合溝を持ち、前記キャップは、前記係合溝と係合する係合突起を持つ、請求項3に記載の光ピックアップ。
  5. 前記光ピックアップが、互いに波長の異なる3種類のレーザビームを使い分けて3種類の光ディスクに対して記録・再生を行うことが可能な3波長対応光ピックアップから成る、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の光ピックアップ。
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