JP2008089766A - 液浸露光用感放射線性樹脂組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

液浸露光用感放射線性樹脂組成物およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】波長193nmにおける屈折率が空気よりも高い液浸露光用液体を介して放射線照射する、液浸露光時に接触した水などの液浸露光用液体への溶出物の量が少ない。
【解決手段】レンズとフォトレジスト膜との間に液浸露光用液体を介して放射線照射する液浸露光を含むレジストパターン形成方法に用いられ、樹脂(A)および下記式(1)で表される感放射線性酸発生剤(B)を0.5〜3質量部含む。
Figure 2008089766

1〜R3は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を、Xは炭素数2〜6のフッ素化アルキレン基を表す。
【選択図】図1

Description

本発明は液浸露光用感放射線性樹脂組成物に関し、特にレンズとフォトレジスト膜との間に、波長193nmにおける屈折率が空気よりも高い液浸露光用液体を介して放射線照射する液浸露光を含むレジストパターンに適用される感放射線性樹脂組成物に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では100nm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィー技術が必要とされている。
従来のリソグラフィープロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクオーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であるといわれている。そこで、200nm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線としては、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができるが、これらのうち、特にKrFエキシマレーザ(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザ(波長193nm)が注目されている。
このようなエキシマレーザによる照射に適したレジストとして、酸解離性官能基を有する成分と、放射線の照射(以下、「露光」ともいう。)により酸を発生する成分(以下、「酸発生剤」という。)とによる化学増幅効果を利用したレジスト(以下、「化学増幅型レジスト」という。)が数多く提案されている。化学増幅型レジストとしては、例えば、カルボン酸のt−ブチルエステル基またはフェノールのt−ブチルカーボナート基を有する樹脂と酸発生剤とを含有するレジストが提案されている。このレジストは、露光により発生した酸の作用により、樹脂中に存在するt−ブチルエステル基またはt−ブチルカーボナート基が解離して、該樹脂がカルボキシル基または フェノール性水酸基からなる酸性基を有するようになり、その結果、レジスト被膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
このようなリソグラフィープロセスにおいては、今後はさらに微細なパターン形成(例えば、線幅が90nm程度の微細なレジストパターン)が要求される。このような90nmより微細なパターン形成を達成させるためには、上記のように露光装置の光源波長の短波長化や、レンズの開口数(NA)を増大させることが考えられる。しかしながら、光源波長の短波長化には新たな高額の露光装置が必要となる。また、レンズの高NA化では、解像度と焦点深度がトレードオフの関係にあるため、解像度を上げても焦点深度が低下するという問題がある。
最近、このような問題を解決可能とするリソグラフィー技術として、液浸露光(リキッドイマージョンリソグラフィー)法が開発されている。この方法は、露光時に、レンズと基板上のレジスト被膜との間の少なくともレジスト被膜上に所定厚さの純水またはフッ素系不活性液体等の液状屈折率媒体(浸漬液)を介在させるというものである。この方法では、従来は空気や窒素等の不活性ガスであった露光光路空間を屈折率(n)のより大きい液体、例えば純水等で置換することにより、同じ露光波長の光源を用いてもより短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様に、高解像性が達成されると同時に焦点深度の低下もない。このような液浸露光を用いれば、現存の装置に実装されているレンズを用いて、低コストで、より高解像性に優れ、かつ焦点深度にも優れるレジストパターンの形成を実現できるため注目されている。
ところが、この液浸露光プロセスにおいては、露光時にレジスト被膜が直接、水等の高屈折率液体(浸漬液)に接触するため、レジスト被膜から酸発生剤等が溶出してしまう可能性がある。この溶出物の量が多いと、レンズにダメージを与えたり、所定のパターン形状が得られなかったり、十分な解像度が得られないという問題がある。
そこで、液浸露光装置に使用するレジスト用の樹脂として、例えば、特許文献1や特許文献2に記載の樹脂が提案されている。
しかしながら、これらの樹脂を用いて液浸露光装置に使用するレジストでも、酸発生剤の水への溶出物量をさらに低減することが切望されている。
国際公開WO2004/068242号公報 特開2005−173474号公報
本発明の目的は、波長193nmにおける屈折率が空気よりも高い液浸露光用液体を介して放射線照射する、液浸露光時に接触した水などの液浸露光用液体への溶出物の量が少ない液浸露光に用いられる液浸露光用感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の液浸露光用感放射線性樹脂組成物(以下、感放射線性樹脂組成物ともいう)は、レンズとフォトレジスト膜との間に液浸露光用液体を介して放射線照射する液浸露光を含むレジストパターン形成方法に用いられ、酸解離性基含有樹脂(A)および感放射線性酸発生剤(B)を含み、フォトレジスト膜を形成する感放射線性樹脂組成物であって、感放射線性酸発生剤(B)が下記式(1)で表される感放射線性酸発生剤であり、酸解離性基含有樹脂(A)100質量部に対して感放射線性酸発生剤(B)を0.5〜3質量部含むことを特徴とする。
Figure 2008089766
式(1)において、R1〜R3は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表し、R1〜R3のうち少なくとも1つはアリール基を表し、Xは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表す。
また、フォトレジスト膜より感放射線性酸発生剤(B)のアニオン部が純水中へ溶出するアニオン溶出量は100ppb以下であることを特徴とする。アニオン溶出量は後述する酸発生剤溶出量の測定方法により測定される。
また、本発明の感放射線性樹脂組成物を構成する酸解離性基含有樹脂(A)が下記式(2)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする。
Figure 2008089766
式中、R4は水素原子、メチル基、またはトリフルオロメチル基を表し、R5は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシ基、または、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、nは0〜3の整数である。
本発明のレジストパターン形成方法は、レンズと上記本発明のフォトレジスト膜との間に液浸露光用液体を介して放射線照射する液浸露光によるレジストパターン形成方法において、該フォトレジスト膜が直接前記液浸露光用液体と接触して液浸露光する工程を有することを特徴とする。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、酸不安定な樹脂に、撥水性に優れた式(1)で表される感放射線性酸発生剤を用いるので、液浸露光時に接触する水への溶出物の量を低減することができる。そのため、今後さらに微細化が進む半導体デバイス製造に極めて好適に使用することができる。
感放射線性酸発生剤(B)
本発明で使用できる酸発生剤は露光により酸を発生する。酸発生剤は、露光により発生した酸の作用によって、共重合体中に存在する繰り返し単位中の酸解離性基を解離させる。すなわち、酸解離性基の保護基を脱離させる。その結果、レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンを形成する作用を有する。本発明における酸発生剤は上記式(1)で表される化合物である。
式(1)におけるR1〜R3のアリール基としては、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基等が挙げられる。
置換されていてもよいフェニル基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−フルオロフェニル基等のフェニル基または炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基で置換されたフェニル基;これらのフェニル基またはアルキル置換フェニル基を、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等の少なくとも一種の基1個以上で置換した基等を挙げることができる。
フェニル基およびアルキル置換フェニル基に対する置換基のうち、上記アルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシル基等を挙げることができる。
また、上記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素数2〜21の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシアルキル基等を挙げることができる。また、上記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素数2〜21の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
また、上記アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素数2〜21の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
1〜R3における置換されていてもよいフェニル基のなかで好ましいものは、フェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−t−ブトキシフェニル基である。
1〜R3における置換されていてもよいナフチル基としては、例えば、1−ナフチル基、2−メチル−1−ナフチル基、3−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、5−メチル−1−ナフチル基、6−メチル−1−ナフチル基、7−メチル−1−ナフチル基、8−メチル−1−ナフチル基、2,3−ジメチル−1−ナフチル基、2,4−ジメチル−1−ナフチル基、2,5−ジメチル−1−ナフチル基、2,6−ジメチル−1−ナフチル基、2,7−ジメチル−1−ナフチル基、2,8−ジメチル−1−ナフチル基、3,4−ジメチル−1−ナフチル基、3,5−ジメチル−1−ナフチル基、3,6−ジメチル−1−ナフチル基、3,7−ジメチル−1−ナフチル基、3,8−ジメチル−1−ナフチル基、4,5−ジメチル−1−ナフチル基、5,8−ジメチル−1−ナフチル基、4−エチル−1−ナフチル基2−ナフチル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−2−ナフチル基等のナフチル基または炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基で置換されたナフチル基;これらのナフチル基またはアルキル置換ナフチル基を、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等の少なくとも1種の基1個以上で置換した基等を挙げることができる。
上記置換基であるアルコキシル基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基およびアルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、上記フェニル基およびアルキル置換フェニル基について例示した基を挙げることができる。
1〜R3における置換されていてもよいナフチル基としては、1−ナフチル基、1−(4−メトキシナフチル)基、1−(4−エトキシナフチル)基、1−(4−n−プロポキシナフチル)基、1−(4−n−ブトキシナフチル)基、2−(7−メトキシナフチル)基、2−(7−エトキシナフチル)基、2−(7−n−プロポキシナフチル)基、2−(7−n−ブトキシナフチル)基が好ましい。
式(1)におけるR1〜R3のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基が好ましい。
上記R1〜R3のうち少なくとも1つはアリール基である。水への溶出物の量を低減することができため、特にR1〜R3のすべてがアリール基であることが好ましく、4−t−ブチルフェニル基であることがより好ましい。
Xは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基である。レジスト溶媒への溶解性を向上させると共に水への溶出性を抑えるために、該アルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜5、より好ましくは3である。
また、Xのアルキレン基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の放射線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは100%、すなわち全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基である。
炭素数2〜6のパーフルオロあるいは部分的にフッ素化されたアルキル基としては、例えば、テトラフルオロエチレン基、1,2−ヘキサフルオロプロピレン基、1,3−ヘキサフルオロプロピレン基、1,2−オクタフルオロブチレン基、1,3−オクタフルオロブチレン基、1,4−オクタフルオロブチレン基、2−トリフルオロメチル−1,3−ペンタフルオロプロピレン基、1,5−パーフルオロペンチレン基、1,6−パーフルオロへキシレン基、1,7−パーフルオロヘプチレン基、1,8−パーフルオロオクチレン基等を挙げることができる。
式(1)で表される酸発生剤(B)のカチオン部位の好ましいものとして、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2008089766
Figure 2008089766
Figure 2008089766
式(1)で表される酸発生剤(B)のアニオン部位の好ましいものとして、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2008089766
上記カチオン部位およびアニオン部位の全ての組合せを好ましく使用することができる。また、下記式で表されるスルホニウム塩が好ましい。
Figure 2008089766
Figure 2008089766
上記の中で特に好ましいスルホニウム塩は、B1−7〜B1−9である。
本発明の感放射線性樹脂組成物に用いる酸発生剤としては、上記酸発生剤(B)と共に他の感放射線性酸発生剤(以下、「他の酸発生剤」という。)を併用できる。他の酸発生剤としては、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウム2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2'−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
他の酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して、上記酸発生剤(B)と併用できる。
本発明において、酸発生剤(B)の使用量は、レジストとしての感度、現像性並びに組成物からの液浸液への溶出を抑制する観点から、後述する樹脂(A)100質量部に対して、通常、0.5〜3質量部である。使用量が0.5質量部未満では、現像性が低下する傾向があり、一方3質量部をこえると、酸発生剤(B)のアニオン部が純水中へ溶出する傾向が大きくなる。
樹脂(A)
本発明に使用できる酸解離性基含有樹脂は、酸不安定基を含有する樹脂(A)[以下、「樹脂(A)」という]である。樹脂(A)は、特に限定されるものではないが、好ましくは、酸解離性基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」という。)と共に上記式(2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2)」という。)を含有し、酸の作用によりアルカリ可溶性となるアルカリ不溶性またはアルカリ難溶性の樹脂である。ここでいう「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、樹脂(A)を含有する感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件下で、当該レジスト被膜の代わりに樹脂(A)のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。
繰り返し単位(1)の例を式(3)および式(4)に表す。本発明において、繰り返し単位(1)としては、式(3)および式(4)を併用することが解像度とエッチング耐性とのバランスに優れるので好ましい。
Figure 2008089766
式(3)において、R6は水素原子、メチル基、またはトリフルオロメチル基を表し、R7は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。
7の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が好ましい。
好ましい式(3)としては、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−プロピル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−i−プロピル−1−シクロペンチルエステル等が挙げられ、特に好ましくは、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステルが挙げられる。
本明細書中、「(メタ)アクリル酸エステル」とはアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの双方を意味する。
Figure 2008089766
式(4)において、R8は水素原子、メチル基、あるいはトリフルオロメチル基を表し、R9は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。
式(4)におけるR9の炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が好ましい。
好ましい式(4)としては、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ヒドロキシアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチル−3−ヒドロキシアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンチル−2−イルエステルが挙げられる。
また、本発明における樹脂(A)は、繰り返し単位(2)として、上記式(2)で表される繰り返し単位を含有する。この繰り返し単位(2)を含むことにより、疎水性が向上し、レジスト被膜への純水などの液浸液の浸透を抑制することができる。その結果、液浸露光時に接触する水への溶出物の量を低減することができる。
式(2)において、R4は水素原子、メチル基、またはトリフルオロメチル基を表す。また、R5の炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、またはアルコキシ基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基等が挙げられる。
炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のフッ素化アルキル基としては、上記アルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したフッ素化アルキル基が挙げられる。また、nは0〜3の整数であり、好ましくは0である。
また、本発明における樹脂(A)は、その他の繰り返し単位として、下記式(5)および/または式(6)で表される繰り返し単位を含むことができる。
Figure 2008089766
式(5)において、R10は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、またはヒドロキシメチル基を表す。炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
11は2価の有機基を表す。2価の有機基は、好ましくは2価の炭化水素基であり、2価の炭化水素基の中でも好ましくは鎖状または環状の炭化水素基が好ましく、アルキレングリコール基、アルキレンエステル基であってもよい。
好ましいR11としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン等の直鎖状、分岐状の炭化水素に由来する2価の有機基、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、2-メチルビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、8‐メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、9‐メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、1‐メチルトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、2‐メチルトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン等炭素数4〜30の脂環式炭化水素に由来する2価の有機基が挙げられる。
式(5)で表される好ましい繰り返し単位は、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−{[5−(1',1',1'−トリフルオロ−2'−トリフルオロメチル−2'−ヒドロキシ)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル}エステル、(メタ)アクリル酸3−{[8−(1',1',1'−トリフルオロ−2'−トリフルオロメチル−2'−ヒドロキシ)プロピル]テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル}エステル等が挙げられる。
式(6)において、R12は水素原子、メチル基、あるいはトリフルオロメチル基を表し、X’は炭素数7〜20の多環型脂環式炭化水素基であり、この炭素数7〜20の多環型脂環式炭化水素基は、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基で置換されていても、置換されていなくてもよい。
好ましいX’としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン等のシクロアルカン類に由来する脂環族環からなる炭化水素基が挙げられる。
式(6)で表される好ましい繰り返し単位は、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−7−イルエステル、(メタ)アクリル酸−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−2−イルエステル等が挙げられる。
本発明において樹脂(A)は、繰り返し単位(1)と繰り返し単位(2)とで構成することが好ましい。この組み合わせとすることにより、樹脂の疎水性が向上し、レジスト被膜への純水などの液浸液の浸透を抑制することができ、液浸露光時に接触する純水への溶出物の量を低減することができる。
樹脂(A)において、繰り返し単位(1)の割合は、全繰り返し単位に対して、通常、10〜70モル%、好ましくは10〜60モル%である。この場合、繰り返し単位(1)の含有率が10モル%未満では、レジストとしての解像度が低下するおそれがあり、一方70モル%をこえると、露光余裕が悪化するおそれがある。
また、繰り返し単位(2)の割合は、全繰り返し単位に対して、通常20〜80モル%、好ましくは30〜70モル%、さらに好ましくは40〜60モル%である。この場合、繰り返し単位(2)の割合が20モル%未満では、レジストとして、アルカリ現像液に対する溶解性が低下して、現像欠陥の一因となり、露光余裕が悪化するおそれがある。露光余裕とは、露光量の変化に対する線幅の変動を示す。一方80モル%をこえると、レジストの溶剤への溶解性が低くなり、解像度が低下したりするおそれがある。繰り返し単位(2)の割合を20〜80モル%とすることにより、疎水性が向上し、レジスト被膜への純水などの液浸液の浸透を抑制することができる。
なお、繰り返し単位(1)および繰り返し単位(2)以外の他の繰り返し単位を含む場合、その割合は、全繰り返し単位に対して、通常、30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。
樹脂(A)は、例えば、その各繰り返し単位に対応する重合性不飽和単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより製造することができる。重合に使用される溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、重合における反応温度は、通常、40〜150℃、好ましくは50〜120℃であり、反応時間は、通常、1〜48時間、好ましくは1〜24時間である。
樹脂(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算質量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、特に限定されないが、好ましくは1000〜100000、さらに好ましくは1000〜30000、さらに好ましくは1000〜20000である。この場合、樹脂(A)のMwが1000未満では、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向があり、一方100000をこえると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。また、樹脂(A)のMwとゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5、好ましくは1〜3である。
また、本発明における樹脂(A)においては、この樹脂(A)を調製する際に用いられる単量体由来の低分子量成分の含有量が固形分換算にて、この樹脂100質量%に対して0.1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.07質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下である。この含有量が0.1質量%以下である場合には、液浸露光時に接触した水への溶出物の量を少なくすることができる。さらに、レジスト保管時にレジスト中に異物が発生することがなく、レジスト塗布時においても塗布ムラが発生することなく、レジストパターン形成時における欠陥の発生を十分に抑制することができる。
上記単量体由来の低分子量成分としては、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマーが挙げられ、Mw500以下の成分とすることができる。このMw500以下の成分は、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等により除去することができる。また、樹脂の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析することができる。
なお、樹脂(A)は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないほど好ましく、それにより、レジストとしたときの感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等をさらに改善することができる。また、樹脂(A)の精製法としては、例えば、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組み合わせ等を挙げることができる。本発明において、樹脂(A)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の液浸露光に用いられる感放射線性樹脂組成物は、樹脂(A)および感放射線性酸発生剤(B)と共に、以下に記載する窒素含有化合物(C)等他の成分を含有することができる。
窒素含有化合物(C)
本発明で使用される窒素含有化合物(C)は、露光により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する酸拡散制御剤として作用する。このような酸拡散制御剤を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
その酸拡散制御剤としては、「3級アミン化合物」、「アミド基含有化合物」、「4級アンモニウムヒドロキシド化合物」、「その他含窒素複素環化合物」等を挙げることができる。
「3級アミン化合物」としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類;トリエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリンなどのアルカノールアミン類;N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等を挙げることができる。
「アミド基含有化合物」としては、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N'N'−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N'−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等のN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物等を挙げることができる。
「4級アンモニウムヒドロキシド化合物」としては、例えば、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。
「含窒素複素環化合物」としては、例えば、;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ [2.2.2] オクタン、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等を挙げることができる。
上記窒素含有化合物(C)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、窒素含有化合物(C)の合計使用量は、レジストとしての高い感度を確保する観点から、樹脂100質量部に対して、通常、10質量部未満、好ましくは5質量部未満である。この場合、上記合計使用量が10質量部をこえると、レジストとしての感度が著しく低下する傾向にある。なお、窒素含有化合物の使用量が0.001質量部未満では、プロセス条件によってはレジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下するおそれがある。
<添加剤>
本発明の感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、酸拡散制御剤、酸解離性基を有する脂環族添加剤、界面活性剤、増感剤等の各種の添加剤を配合することができる。
上記酸解離性基を有する脂環族添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善する作用を示す成分である。
このような脂環族添加剤としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸α−ブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類や、3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等を挙げることができる。これらの脂環族添加剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。これら脂環族添加剤の配合量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常、50質量部以下、好ましくは30質量部以下である。この場合、脂環族添加剤の配合量が50質量部をこえると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向がある。
また、上記界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。
このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業株式会社製)、ポリフローNo.75、同No.95(共栄社化学株式会社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(トーケムプロダクツ株式会社製)、メガファックスF171、同F173(大日本インキ化学工業株式会社製)、フロラードFC430、同FC431(住友スリーエム株式会社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子株式会社製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。界面活性剤の配合量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常、2質量部以下である。
また、上記増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(B)に伝達し、それにより酸の生成量を増加する作用を示すもので、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する。
このような増感剤としては、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。増感剤の配合量は、樹脂(A)100質量部当り、好ましくは50質量部以下である。
また、染料あるいは顔料を配合することにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和でき、接着助剤を配合することにより、基板との接着性を改善することができる。さらに上記以外の添加剤としては、アルカリ可溶性樹脂、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。
<組成物溶液の調製>
本発明の感放射線性樹脂組成物は、普通、その使用に際して、全固形分濃度が、通常、1〜50質量%、好ましくは1〜25質量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径200nm程度のフィルターでろ過することによって、組成物溶液として調製される。
組成物溶液の調製に使用される溶剤(D)としては、例えば、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類のほか、
n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、トルエン、キシレン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等を挙げることができる。
これらのなかでも、直鎖状もしくは分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
<レジストパターンの形成方法>
本発明の感放射線性樹脂組成物は、特にフォトレジスト膜が直接前記液浸露光用液体と接触して液浸露光する工程を有する液浸用化学増幅型レジストとして有用である。化学増幅型レジストにおいては、露光により酸発生剤から発生した酸の作用によって、樹脂(A)中の酸解離性基が解離して、カルボキシル基を生じ、その結果、レジストの露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該露光部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行なう。該レジスト被膜に液浸媒体、例えば水を用いて、所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射し、次いで現像をすることにより、レジストパターンを形成する。
フォトレジスト膜とレンズとの間に満たされる水はpHを調整することもできる。特に純水が好ましい。
液浸露光に用いられる放射線は、使用されるフォトレジスト膜に応じて、例えば可視光線;g線、i線等の紫外線;エキシマレーザ等の遠紫外線;シンクロトロン放射線等のX線;電子線等の荷電粒子線の如き各種放射線を選択使用することができる。特にArFエキシマレーザ(波長193nm)あるいはKrFエキシマレーザ(波長248nm)が好ましい。
また、レジスト膜の解像度、パターン形状、現像性等を向上させるために、露光後に焼成(以下、「PEB」という。)を行なうことが好ましい。その焼成温度は、使用されるレジスト等によって適宜調節されるが、通常、30〜200℃程度、好ましくは50〜150℃である。
次いで、露光されたレジスト被膜を現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10質量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10質量%をこえると、非露光部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
また、上記アルカリ性水溶液からなる現像液には、例えば有機溶媒を添加することもできる。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。有機溶媒の使用量は、アルカリ性水溶液に対して、100容量%以下が好ましい。この場合、有機溶媒の使用量が100容量%をこえると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。また、アルカリ性水溶液からなる現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ性水溶液からなる現像液で現像したのちは、一般に、水で洗浄して乾燥する。
樹脂合成例
放射線照射時の液浸媒体、例えば水に安定な膜を形成でき、レジストパターン形成後の現像液に溶解する樹脂(A−1)を以下に示す方法により合成した。なお、樹脂(A−1)のMwは、東ソー株式会社製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
Figure 2008089766
化合物(M−2)42.40g(40モル%)、化合物(M−3)12.37g(15モル%)、化合物(M−1)45.24g(45モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、さらにジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)8.33gを投入した単量体溶液を準備し、100gの2−ブタノンを投入した1000mlの三口フラスコを30分窒素パージする。窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、2000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別する。ろ別された白色粉末を2度400gのメタノールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、50℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(73g、収率73%)。この重合体はMwが7200、Mw/Mn=1.8であり、13C-NMR分析の結果、化合物(M−2)、化合物(M−3)、化合物(M−1)に由来する各繰り返し単位の含有率が37.6:13.4:49.0(モル%)の共重合体であった。この重合体を重合体(A−1)とする。
実施例1および比較例1
表1に示す成分からなる感放射線性樹脂組成物を調製した。樹脂(A−1)以外の他の成分は以下の通りであり、表中、「部」は、特記しない限り質量基準である。
<酸発生剤(B)>
(B−1):B1−8
<含窒素化合物(C)>
(C−1):トリオクチルアミン
<溶剤(D)>
(D−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<感放射線性樹脂組成物の評価>
実施例1および比較例1について酸発生剤溶出量の測定を行なった。評価結果を表1に示す。
酸発生剤溶出量:
溶出量測定方法を説明する図を図1に示す。
予めCLEAN TRACK ACT8(東京エレクトロン株式会社製)にてHMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理(100℃、60秒)を行なった処理層1aを有する8インチシリコンウェハ1上の中心部に、中央部が直径(D1)11.3cmの円形状にくり抜かれたシリコーンゴムシート2(クレハエラストマー社製、厚み;1.0mm、形状;1辺30cmの正方形)を載せた。次いで、シリコーンゴムシート2中央のくり抜き部に10mlホールピペットを用いて超純水3を10ml満たした。
その後、上記シリコーンゴムシート上に、予めCLEAN TRACK ACT8により、膜厚77nmの下層反射防止膜4a(「ARC29A」、ブルワー・サイエンス社製)を形成し、次いで、表1のレジスト組成物を上記CLEAN TRACK ACT8にて、上記下層反射防止膜上にスピンコートし、ベーク(115℃、60秒)することにより膜厚205nmのレジスト被膜5を形成した8インチシリコンウェハ4(直径D2)を、レジスト塗膜面が上記超純水と接触するよう合わせ、かつ超純水がシリコンゴムから漏れないように載せた。
そして、合わせた2枚のウェハをウェハ4が下になるように裏返し、その状態のまま10秒間保った。その後、再び合わせた2枚のウェハをウェハ4が上になるように裏返した後、ウェハ1から超純水をガラス注射器にて回収し、これを分析用サンプルとした。なお、実験終了後の超純水の回収率は95%以上であった。
次いで、上記で得られた超純水中の光酸発生剤のアニオン部のピーク強度を、LC−MS(液体クロマトグラフ質量分析計、LC部:AGILENT社製 SERIES1100、MS部:Perseptive Biosystems,Inc.社製 Mariner)を用いて下記の測定条件により測定した。その際、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートの1ppb、10ppb、100ppb水溶液の各ピーク強度を上記測定条件で測定して検量線を作成し、この検量線を用いて上記ピーク強度から溶出量を算出した。
(カラム条件)
使用カラム;「CAPCELL PAK MG」、資生堂株式会社製、1本
流量;0.2ml/分
流出溶剤:水/メタノール(3/7)に0.1質量%のギ酸を添加したもの
測定温度;35℃
Figure 2008089766
表1から明らかなように、本発明の感放射線性樹脂組成物は、液浸露光時に接触した水への溶出物の量が少ないことが分かった。
本発明の液浸露光用感放射線性樹脂組成物は、式(1)で表される感放射線性酸発生剤を0.5〜3質量部含むので、液浸露光時に接触する水への溶出物の量を低減することができ、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
溶出量測定方法を説明する図である。
符号の説明
1 シリコンウェハ
2 シリコンゴムシート
3 超純水
4 シリコンウェハ
5 レジスト被膜

Claims (4)

  1. レンズとフォトレジスト膜との間に液浸露光用液体を介して放射線照射する液浸露光を含むレジストパターン形成方法に用いられ、酸解離性基含有樹脂(A)および感放射線性酸発生剤(B)を含み、前記フォトレジスト膜を形成する液浸露光用感放射線性樹脂組成物であって、
    前記感放射線性酸発生剤(B)が下記式(1)で表される感放射線性酸発生剤を含み、前記酸解離性基含有樹脂(A)100質量部に対して前記感放射線性酸発生剤(B)を0.5〜3質量部含むことを特徴とする液浸露光用感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2008089766
    (式(1)において、R1〜R3は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表し、R1〜R3のうち少なくとも1つはアリール基を表し、Xは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表す。)
  2. 前記フォトレジスト膜より前記感放射線性酸発生剤(B)のアニオン部が純水中へ溶出するアニオン溶出量は100ppb以下であることを特徴とする請求項1記載の液浸露光用感放射線性樹脂組成物。
  3. 前記酸解離性基含有樹脂(A)が下記式(2)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の液浸露光用感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2008089766
    (式中、R4は水素原子、メチル基、またはトリフルオロメチル基を表し、R5は、相互に独立に、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシ基、または、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐状のフッ素化アルキル基を表し、nは0〜3の整数である。)
  4. レンズとフォトレジスト膜との間に液浸露光用液体を介して放射線照射する液浸露光によるレジストパターン形成方法において、前記フォトレジスト膜が請求項1、請求項2または請求項3記載のフォトレジスト膜であり、該フォトレジスト膜が直接前記液浸露光用液体と接触して液浸露光する工程を有することを特徴とするレジストパターン形成方法。
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