JP2008089358A - 生体試料中のプロトポルフィリン類の免疫学的検出方法及び装置 - Google Patents

生体試料中のプロトポルフィリン類の免疫学的検出方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】消化器系腫瘍を非侵襲的に診断できる方法及び装置を提供する。
【解決手段】プロトポルフィリン類からなる群より選ばれた1つの化合物に対する抗体を用いて生体試料中のプロトポルフィリン類を検出する免疫測定法からなることを特徴とする、生体試料中のプロトポルフィリン類の検出方法及び装置。抗体を膜担体の所定位置に固定して捕捉部位を形成し、生体試料中のプロトポルフィリン類を、標識されたプロトポルフィリン類と競合的に捕捉部位に結合させるイムノクロマトグラフィー測定法で検出してもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体試料中のプロトポルフィリン類の免疫学的検出方法及び装置に関し、詳しくは、自然糞便などの生体試料中に含まれる特定のプロトポルフィリン類を消化器系腫瘍マーカーとして免疫学的に測定する方法及び装置に関する。
近年、食生活の欧米化に伴い日本でも大腸がんの患者が増加している。大腸がんは、他の臓器の癌に比べて転移の傾向が遅く早期発見、早期治療すれば完治する確率が高い。したがって初期段階に発見することが重要である。
現状の診断法としては、便潜血検査や確定診断として内視鏡検査などがある。しかし、便潜血検査は早期発見が不可能、痔との鑑別が困難などの欠点がある。また、確定診断である内視鏡検査は下剤で便を全部排出しないと精度の高い検査はできず患者に負担がかかる。したがって、患者に負担をかけることのない、特異性の高い早期診断法が求められている。
近年、ポルフィリン類が悪性腫瘍に特異的に集積することが知られ、これらの化合物が光照射により蛍光を発することからこの性質を利用した悪性腫瘍の診断方法や治療法が開発されている。
光化学療法として、蓄積したポルフィリンに対してレーザー照射を行うことでがん細胞を破壊する治療法がある。また、診断法として蛍光内視鏡装置を用いた蛍光診断が行われている。
例えば、特開平11-12197号公報には、ポルフィリンの前駆体の5-アミノレブリン酸(ALA)を投与し誘導されたプロトポルフィリンIX (PPIX)を核磁気共鳴法で検出する診断剤が記載されている。
しかし、この診断剤は、ALAを投与することを必須とするものであり、内因性のプロトポルフィリンIXを検出するものではない。
特開平11-12197号公報 Vincent Sol et.al., Bioorganic & Medicinal Chemistry, 14 (2006) 1364-1377
本発明は、消化器系腫瘍を非侵襲的に診断できる方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的の下に鋭意研究した結果、ALAを投与しなくても、消化器系腫瘍組織からプロトポルフィリン類が検出されることを見出し、さらに、該プロトポルフィリン類に対する抗体を作成することにより、がん患者より非侵襲的に採取された検体に含まれるプロトポルフィリン類を免疫学的に検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
プロトポルフィリン類が腫瘍組織に特異的に集積する理由としては、プロトポルフィリン類はタンパク質に非常に高い親和性を有し、水にも油にも溶けるという特異な性質のために水に溶解する形をとりながらリポ蛋白に強い親和性を示すため、腫瘍組織は、プロトポルフィリン類と結合した蛋白を能動的に細胞内に取り込む作用が強いことが考えられる。さらに、腫瘍組織にはリンパ系組織が未発達ないし欠如しており、脂溶性蛋白と結合したプロトポルフィリン類を排除できない状態にある。したがって、腫瘍組織は「プロトポルフィリン類の取り込み過ぎと排泄不全」を示すためにポルフィリンは特異的な腫瘍集積性を示すと考えられる。
かくして、本発明の一局面によれば、下記式(1)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体を用いて生体試料中のプロトポルフィリン類を検出する免疫測定法からなることを特徴とする、生体試料中のプロトポルフィリン類の検出方法が提供される。
Figure 2008089358
本発明の方法の好ましい実施形態によれば、前記抗体を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、標識されたプロトポルフィリン類と所定量の前記生体試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記生体試料中に含まれるプロトポルフィリン類を標識されたプロトポルフィリン類と競合的に前記捕捉部位に捕捉させる競合法イムノクロマトグラフィー測定法によって本発明の検出方法を実施することができる。
本発明の他の局面によれば、上記式(1)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体と、該抗体を固定した担体とを少なくとも備えてなる、生体試料中のプロトポルフィリン類の免疫学的検出装置が提供される。すなわち、前記抗体は公知の方法に従って固相化抗体として用いることができる。
本発明の装置の好ましい実施形態によれば、前記担体は膜担体であり、前記抗体は予め前記膜担体の所定位置に固定されてプロトポルフィリン類の捕捉部位を形成し、さらに、適当な標識物質で標識されたプロトポルフィリン類を備え、この標識されたプロトポルフィリン類は、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なよう配置されて、前記生体試料の含有液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめた時に、前記生体試料中に含まれるプロトポルフィリン類を前記標識されたプロトポルフィリン類と競合的に前記捕捉部位に捕捉させるようされる。
本発明のさらに他の局面によれば、上記式(1)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体が提供される。
本発明によれば、大腸腫瘍、胃腫瘍などの消化器系腫瘍組織に特定のプロトポルフィリン類が集積することに着目し、生体試料中に含まれるこれらの特定のプロトポルフィリン類を、該プロトポルフィリン類に対する抗体を用いて免疫学的に特異的且つ高感度で検出できるようにしたので、大腸腫瘍、胃腫瘍などの消化器系腫瘍を非浸襲的に検出することができ、消化器系腫瘍の診断に有用である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明で検出するプロトポルフィリン類は、下記式(1)乃至(4)に示される化合物である。
Figure 2008089358
式(1)の化合物は、プロトポルフィリンIX (PPIX)であり、消化器系腫瘍患者、特に、大腸癌患者において発現されるものであり、大腸癌マーカーとして有用である。式(2)乃至(4)の化合物は、プロトポルフィリンIX (PPIX)の類似体であり、消化器系腫瘍患者、特に、胃癌患者において発現されるものであり、胃癌マーカーとして有用である。
本発明で使用する抗体は、上記式(1)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対して特異的に反応する抗体であり、ヘムと交差反応しないものである。該抗体は、モノクローナル抗体であってもポリクローナル抗体であってもよい。モノクローナル抗体は、たとえば、上記式(1)乃至(4)に示される化合物の少なくとも1種を含有するプロトポルフィリン類を免疫原として用い、ケラー−ミルシュタインの方法によって得られる。また、ポリクローナル抗体は、上記式(1)乃至(4)に示される化合物の少なくとも1種を含有するプロトポルフィリン類を免疫原として用い、例えば、マウスやウサギを免疫して得た抗血清から精製して得られる。
消化器系腫瘍を全般的に検出するためには、抗体は、上記式(1)と、上記式(2)乃至(4)の1以上と交差反応するものであってもよい。しかし、大腸癌を胃癌と鑑別して検出するためには、上記式(1)の化合物に反応するが、上記(2)乃至(4)の化合物とは反応しないモノクローナル抗体(大腸癌検出モノクローナル抗体)を使用することが必要である。また、胃癌を大腸癌と鑑別して検出するためには、上記(2)乃至(4)の化合物の少なくとも1つに反応するが、上記式(1)とは反応しないモノクローナル抗体(胃癌検出モノクローナル抗体)を使用することが必要であり、上記(2)の化合物に反応するが、上記式(1)とは反応しないモノクローナル抗体を使用することが特に好ましい。上記大腸癌検出モノクローナル抗体を用いた検出と、上記胃癌検出モノクローナル抗体を用いた検出とを併用することで、大腸癌と胃癌の鑑別が行える。本発明のイムノクロマトグラフィー測定法の場合、単一の膜担体に大腸癌検出モノクローナル抗体及び胃癌検出モノクローナル抗体の両者を固定するか、または、一対の膜担体のそれぞれに大腸癌検出モノクローナル抗体及び胃癌検出モノクローナル抗体のぞれぞれを固定しておけば、簡便に大腸癌と胃癌の鑑別が行える。
抗体を固定化するために使用する担体としては、免疫測定法において一般的に用いられているポリスチレンプレートやチューブ、ビーズ、グラス、メンブレンおよびフィルター紙などが挙げられ、それぞれの担体に応じて公知の方法で抗体を固定することができる。抗体が固定化された担体と生体試料の含有液とを接触させることにより、担体にプロトポルフィリン類を捕捉することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、担体として膜担体が使用され、抗体は該膜担体の所定位置に固定され、プロトポルフィリン類の捕捉部位を形成する。膜担体は、抗体を適当な手段で固定化し得るものであって、生体試料の含有液のクロマト展開がそれ自体の毛細管現象で自動的に行なわれる程度の溶液浸透性を持つ膜担体であればよい。かかる膜担体としては、例えば、セルロース類膜(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ナイロン膜、ガラス繊維膜などの膜担体が挙げられ、なかでもニトロセルロース膜が好ましい。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記抗体が固定された膜担体を用いた競合法イムノクロマトグラフィー測定法によって生体試料の含有液中のプロトポリフィリン類を検出できる。この場合、イムノクロマトグラフィー測定用テストストリップとして、上記膜担体に、さらに、適当な標識物質で標識されたプロトポルフィリン類を、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なよう配置してなるものが使用される。
このテストストリップを構成する膜担体としては、上記と同様のものを用いることができ、捕捉部位も上記と同様に形成することができる。
ここで使用するプロトポルフィリン類としては、上記式(1)乃至(4)で示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物であってもよいが、これらの化合物は低分子化合物であってハプテンとして機能するので、これらの化合物と免疫原性物質との結合物(conjugate)であってもよい。ここにおいて、結合物には、これらの化合物と免疫原性物質とが共有結合したものや、両者が単に物理的に結合したものも含まれる。免疫原性物質としては、蛋白質などの高分子物質、特に、表面に親水基の多い蛋白質を用いることが好ましい。かかる蛋白質としては、ヒト血清アルブミンやウシ血清アルブミン等の血清アルブミン及び卵アルブミンなどのアルブミン類の他、キーホールリムペットヘモシアニン、ウシガンマグロブリン等が挙げられる。
標識に用いられる標識物質としては、特に制限はなく、例えば、呈色標識物質、酵素標識物質、放射線標識物質などが挙げられるが、迅速に検査結果が得られることから、呈色標識物質であることが好ましい。呈色標識物質としては、コロイド金属および着色ラテックスなどが挙げられる。コロイド金属の代表例としては、白金コロイド、金コロイドなどが挙げられる。コロイド金属の粒子の大きさは、通常は、直径3〜100nm程度とされる。着色ラテックスの代表例としては、赤色および青色などのそれぞれの顔料で着色されたポリスチレンラテックスなどの合成ラテックスが挙げられる。ラテックスとして天然ゴムラテックスのような天然ラテックスも使用できる。着色ラテックスの大きさは、直径数拾nm乃至数百nm程度から選択することができる。これらの呈色標識物質は、市販品をそのまま使用できるが、場合によりさらに加工し、または、それ自体公知の方法で製造することもできる。また、呈色標識としては、蛍光標識なども使用することができる。
呈色標識されたプロトポルフィリン類の調製は、各呈色標識物質に応じた常法に従って行なわれる。たとえば、呈色標識物質が金コロイド粒子の場合には、通常は、プロトポルフィリン類又はこれと免疫原性物質との結合物と金コロイド溶液とを室温乃至常温下で数分間、長くても10分間、混合することによって両者を物理的に結合せしめることが可能である。
標識されたプロトポルフィリン類は、膜担体にクロマト展開可能に配置されていればよいが、適当な溶液透過性の含浸部材に含浸させて膜担体に連接させておくと好都合である。含浸部材としては、標識されたプロトポルフィリン類の溶液をすみやかに吸収・保持・乾燥し得るものであって、かつ、クロマト展開される被験試料の水分により、標識プロトポルフィリン類が容易に再溶解され、それ以降のクロマト展開がスムーズに進行するものであればよく、特にその材質を選ばない。かかる含浸部材として、例えば、ガラス繊維布、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類が挙げられるが、特にガラス繊維布が好ましい。
また、被験試料注入部として、上記含浸部材に、溶液浸透性部材を連接させてもよい。かかる注入部を構成する部材としては、たとえば、多孔質ポリエチレンおよび多孔質ポリプロピレンなどのような多孔質合成樹脂のシートまたはフィルム、ならびに、濾紙および綿布などのようなセルロース製の紙または織布もしくは不織布を用いることができる。
なお、膜担体のクロマト展開下流側には、膜担体の毛細管現象によるクロマト展開を補助するとともに、クロマト展開において捕捉部位でトラップされなかったものを吸収、保持するために、吸収用部材を連接してもよい。吸収用部材の材料としては、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。この吸収用部材は、そのクロマト展開上流側領域をクロマト展開用膜担体の上面に載置させた状態で、その下流側領域において粘着シートに貼着するとよい。
しかして、被験試料を被験試料注入部に灌注すると、標識プロトポルフィリン類の含浸部に浸透し、被験試料中にプロトポルフィリン類が含まれている場合は、当該プロトポルフィリン類は標識プロトポルフィリン類と競合的に捕捉部位の抗体と抗原抗体反応する。したがって、被験試料中に含まれるプロトポルフィリン類が少ないほど、捕捉部位における標識プロトポルフィリン類の集積量は増大し、被験試料中に含まれるプロトポルフィリン類が多いほど、捕捉部位における標識プロトポルフィリン類の集積量は減少する。標識プロトポルフィリン類の標識物質として呈色標識物質を用いた場合には、捕捉部位における呈色の度合いを判定することにより、被験試料中のプロトポルフィリン類の存否および含有量を判定できる。
なお、膜担体の捕捉部位のクロマト展開下流側に、被験試料のクロマト展開が終了したかどうかを判定するための判定部を設けても良い。かかる判定部は、イムノクロマトグラフィー測定用テストストリップにおいて公知の方法で形成することができ、例えば、膜担体の捕捉部位のクロマト展開下流側に、抗ヤギイムノグロブリン抗体をスポット状またはライン状に固定化し、含浸部材に標識されたヤギIgG抗体をクロマト展開可能なように含浸させておくことで構成できる。
本発明の検出方法は、上記のようなイムノクロマトグラフィー測定用テストストリップを用いて簡便に実施できる。かかるテストストリップは、代表的には、前記捕捉部位を備えるとともに、標識プロトポルフィリン類が前記捕捉部位に向けてクロマト展開可能なように配置されてなる帯状の膜担体からなる。具体的には、例えば、図1に示されるイムノクロマトグラフィー測定用テストストリップが挙げられる。
図1において、数字1は粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、31は捕捉部位、32はコントロールライン、4は吸収用部材、5は試料添加用部材を示している。図示の例では、膜担体3は、幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンフィールターで作成されている。該膜担体3には、そのクロマト展開始点側の末端から6.0mmの位置に、プロトポルフィリン類に対する抗体が前述の方法により固定され、捕捉部位31が形成されている。また、該膜担体3には、捕捉部位31からクロマト展開開始点とは逆の側に8.5mmの間隔をおいて、抗ヤギイムノグロブリン抗体が固定され、反応終了を判定するための判定部としてのコントロールライン32として形成されている。
含浸部材2は、金コロイド等で標識されたプロトポルフィリン類及び同様に標識されたヤギIgG抗体を非固定状態で含浸せしめた部材である。なお、含浸部材2は、前記捕捉部位31から離隔した位置にて膜担体3に接続配置される。図示の例では、含浸部材2として、5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布を用いている。当該含浸部材2は、標識されたプロトポルフィリン類及びヤギIgG抗体の懸濁液をガラス繊維不織布に含浸せしめ、これを乾燥させることなどによって作製できる。
図1に示されるように、膜担体3を粘着シート1の中程に貼着し、該膜担体3のクロマト展開の開始点側、すなわち、図1における左側(以下「上流側」と記す。なお、その逆の側、すなわち、図1の右側は、以下「下流側」と記す)の末端の上に、含浸部材2の下流側末端を重ね合わせて連接するとともに、この含浸部材2の上流側部分を粘着シート1に貼着して本発明のイムノクロマトグラフィー測定用テストストリップを作成できる。さらに、必要に応じて、含浸部材2の上面に試料添加用部材5の下流側部分を載置するとともに、該試料添加用部材5の上流側部分を粘着シート1に貼着して被験試料注入部としてもよく、また、膜担体3の下流側部分の上面に吸収用部材4の上流側部分を載置するとともに、該吸収用部材4の下流側部分を粘着シート1に貼着せしめることもできる。
さらに、市販品の場合、図1のイムノクロマトグラフィーテストストリップは、図2に示されるように、該イムノクロマトグラフィーテストストリップが載置される本体61と、試料添加用部材5および両捕捉部位31,32のそれぞれ上方に被験試料注入部621と判定部622が開口された蓋体62とからなるプラスチック製ケース6内に収容されて提供されてもよい。
かくして、所定量の生体試料を適当な展開溶媒と混合して調製した混合液を被験試料液として得た後、当該被験試料液を図1に示されるイムノクロマトグラフィーテストストリップの試料添加用部材5上に注入すると、該被験試料液は、該試料添加用部材5を通過して含浸部材2において、標識プロトポルフィリン類及び標識ヤギIgG抗体と混合して混合液となり、膜担体3中をクロマト展開されて捕捉部位31及びコントロールライン32を通過する。該被験試料中にプロトポルフィリン類が存在する場合、該プロトポルフィリン類と標識プロトポルフィリン類が競合的に捕捉部位31の抗体と抗原抗体反応して結合するので、標識プロトポルフィリン類の集積量が減少する。該被験試料中にプロトポルフィリン類が存在しない場合、標識プロトポルフィリン類が捕捉部位31の抗体と抗原抗体反応して結合するので、標識プロトポルフィリン類の集積量が増加する。標識プロトポルフィリン類が金コロイドなどによって呈色標識されているならば、前者の場合は捕捉部位31の発色が弱くなり、後者の場合は捕捉部位31の発色が強くなるので、被験試料中のプロトポルフィリン類の存否または含有量を肉眼で容易に判定できる。なお、被験試料中に含まれるプロトポルフィリン類の量にかかわらず、コントロールライン32では、そこに固定された抗ヤギイムノグロブリン抗体に標識ヤギIgG抗体が常に集積するので、反応の終了を確認できる。
本発明で使用する生体試料は、プロトポルフィリン類を含有するものであれば特に限定されず、代表的には、糞便などが挙げられる。プロトポルフィリン類を大腸腫瘍や胃腫瘍などの消化器系腫瘍のマーカーとして検出する場合は、生体試料として自然糞便を使用することが好ましい。ここで、自然糞便とは、ヒト由来の糞便であり、ヒトがポルフィリン関連化合物や生体での前記化合物の生合成に関与する5−アミノレブリン酸やポルホビリノーゲンなどの前駆体で処置を受けていないヒトに由来する糞便であることを意味する。
自然糞便は、水分を含んでも含まなくてもよく、固体形態であっても液体形態であっても良い。自然糞便は、採取後、直ぐに検出に用いることが好ましいが、直ぐに用いない場合にはプロトポルフィリン類が光や温度で分解するのを防止するために、遮光条件下にて1〜30℃、好ましくは3〜19℃、特に好ましくは3〜5℃で保存する。
自然糞便は、生理食塩水、りん酸緩衝液などの展開溶剤と混合し、イムノクロマト法テストストリップの被験試料として用いてもよいが、適当な抽出手段でプロトポルフィリン類を抽出する工程により被験試料を調整してもよい。かかる抽出は、自然糞便を水非混和性極性有機溶媒で直接抽出することができるが、水分を含む自然糞便中のプロトポルフィリン類の水非混和性極性有機溶媒による抽出効率を高めるために、自然糞便のpHを塩基性に調整後、抽出することが好ましい。本発明で使用する塩基性または塩基性条件とは、pH10〜12、好ましくはpH10.2〜11.0、特に好ましくはpH10.6〜10.7である。塩基性条件を与えるためには、自然糞便に塩基性液を添加すればよい。かかる塩基性液としては、例えば、塩酸―炭酸ナトリウム緩衝液、0.2M〜0.5M炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。
水非混和性極性有機溶媒極性有機溶剤は、水と混合しても静置すると水相と有機相とに分離する極性有機溶媒を意味し、酢酸エチル:酢酸(2:1/容量:容量)、クロロホルム:酢酸(2:1/容量:容量)、n−ヘキサン:酢酸(2:1/容量:容量)などが挙げられ、好ましくは、酢酸エチル:酢酸(2:1/容量:容量)、クロロホルム:酢酸(2:1/容量:容量)、特に好ましくは、酢酸エチル:酢酸(2:1/容量:容量)である。
なお、予め適当なpHに調整された展開溶媒を抽出チューブに入れた状態で、上記テストストリップと組み合わせたキットとして市販することもできる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1(糞便試料の蛍光強度測定方法)
患者より採取された糞便を水に溶解し糞便水溶液を作製した。糞便水溶液2mlに対し0.25M炭酸ナトリウム水溶液1mlを添加する。pHをアルカリ性に調製した糞便水溶液に対し酢酸エチル2容に対し酢酸1容を添加した溶液を2ml添加し攪拌した。有機溶媒にてポルフィリン化合物を抽出し、有機溶媒層の蛍光強度を測定した。測定波長はEx.409nmおよびEm.673nmにて測定を行った。本波長はプロトポルフィリンIXの有する波長である。
Figure 2008089358
表1の結果より、胃癌や肝癌に由来した検体において、高い蛍光強度を示すことが明らかとなり、糞便中にプロトポルフィリンIXが排出されていることが明らかとなった。
参考例2(HPLCによる分析)
参考例1にて抽出した有機溶媒相を被検試料とした。HPLCの分析条件は、保持相としてODSを用い(COSMOSIL 5C18-AR-II)、溶出溶媒としてアセトニトリル:酢酸:50mM酢酸アンモニウム(80:7:3)(A液)、アセトニトリル:酢酸:50mM酢酸アンモニウム(10:4:86)(B液)を用い、A液:B液(20:80)からA液:B液(90:10)へ30分間の直接グラジエントにより溶出させた。その後、A液にて20分間保持させる条件にて分析を行った。標品としてPPIXを分析した場合、1日目の分析時ではPPIXは保持時間11.50分に検出され、2日目の分析時ではPPIXは保持時間12.62分に検出された。
Figure 2008089358
表2の結果より、大腸腫瘍由来検体ではPPIXと同等の保持時間に溶出されるピークを検出した。また高い蛍光強度を有していることから、大腸腫瘍患部より糞便中にPPIXが排出されていることが強く示唆された。また胃癌などの消化器癌においては保持時間16分に特異的なピークを検出した。本ピークはPPIXよりも疎水性が高くなっていることが示唆され、PPIXからカルボキシル基が外れたPPIX代謝産物であることが示唆された。また出血性胃潰瘍など癌以外の疾患ではポルフィリンは検出されないことが明らかとなり、腫瘍に特異的に排出されることが明らかとなった。
参考例3(糞便のMS分析)
参考例2の結果より、高い蛍光強度が観測された胃癌などの消化器癌患者の糞便試料を用い、MS分析を行った。MS分析は、SHIMADZU LCMS-2010Aを用い、分析条件は、プローブとしてESI(electrospray ionization)を用い、ネブライザガス流量1.5L/mlインターフェイス電圧4.50kV、インターフェイス電流0.4μA、CDL電圧−5.0V、CDL温度250℃、ヒートブロック温度200℃の条件下で行った。
移動相としてアセトニトリル:酢酸:50mM酢酸アンモニウム(10:4:86)(B液)を用い、流速0.5ml/min、カラムオーブン40℃にて行った。その結果を図3に示す。
図3から、上記式(2)乃至(4)の3種類の化合物に相当するピークが検出された。したがって、胃癌の腫瘍マーカーとして上記式(2)乃至(4)の化合物が有用であることが示された。なお、図3のピークのうち、メインピークの537m/zの構造はイオン化の際に二重結合が開裂したものと考えられ、この構造は、試料中では、二重結合を有する533m/zの構造、すなわち、PPIXよりカルボキシル基が1つ脱離した式(3)の化合物として存在する割合が多いと考えられる。553m/zの構造は、溶媒に由来したメタンフラグメントによりイオン化したものであり、実質的に、537m/zの構造と同じと考えられる。
実施例1(抗体を用いる方法)
(1)PPIX誘導体の合成
PPIXを結合させたハプテンをBioorg. Med. Chem., 14 (2006), 1364-1377, Vincentらの方法にしたがって作製した。
Spermine中の2つのアミノ基は2-(tert-butoxycarbonyloxymino)-2-phenylacetonitrile (Boc-ON) などのアミノ基保護剤により、THFなどの溶媒中で反応させ保護した。上記で得られたSpermine-BocはN-(4-bromobutyl)phthalimideを、炭酸カリウム存在下にアセトニトリルなどの溶媒中にてモノアルキル化(フタルイミド化合物)し、ヒドラジン1水和物を添加することによりN4-(4-aminobutyl)-N1, N8, N12-tris-tert-butoxycarbonylspermineを調製した。プロトポルフィリンIX(アルドリッチ)とN4-(4-aminobutyl)-N1, N8, N12-tris-tert-butoxy carbonylspermineをdicyclohexylcarbodiimide (DCC)などの酸化剤および1-hydroxybenzotoriazole (HOBt)の存在下にDMF中で反応させることにより、Boc基で保護されたポリアミンPPIXコンジュゲートを作製した。その後、trifluoroacetic acid (TFA)を添加することにより脱保護しポリアミンPPIXコンジュゲートを作製した。
(2)PPIX結合ヘモシアニン(PPIX-KLH)およびサイロシン結合ウシ血清アルブミン(PPIX-BSA)の調製
ヘモシアニン(以下、「KLH」と記す)およびウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と記す)のそれぞれへのPPIX-COOHの結合を、混合無水物法を若干改変して行った。すなわち、上記で得られたPPIX-COOHに等モル数のイソブチルクロロホルメートおよびトリブチルアミンを加え20℃以下にて30分間攪拌し、反応終了後、KLHまたはBSAを加え、pH8.5に調整した後、4℃で攪拌しながら4時間反応させて行った。この反応溶液を、水に対して透析した後凍結乾燥してPPIX-KLHならびにPPIX-BSAの粉末を得た。得られたPPIX−KLHはKLH1分子に対してPPIX-COOH10分子程度が結合していた。
(3)抗PPIX抗体の作製
上記で得られたPPIX−KLHをリン酸緩衝液(PBS)で溶解し、Freundの完全アジュバンドと等量で充分に混合しマウスに2週間間隔で5回免疫した。感作前、感作後(5回目)のマウスの血清を採取し、100倍希釈した血清をPPIX−KLH抗原固相化プレートを用いたELISAにて抗体価を測定した。感作前のPPIXに対する抗体価は0.149、感作後の抗体価は3.375であり、PPIXに対する抗体価の上昇が確認された。
6回目の免疫後、脾臓細胞を調製し、ミエローマ細胞とポリエチレングリコール法により融合させた。PPIXに対するマウスモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞はPPIX−BSAに対する反応性で選択した。
抗体を含む溶液を20mMリン酸緩衝液(pH7.0)にて平衡化したProteinG-Sepharoseカラム(Protein G Sepharose 4FF,ファルマシアバイオテク株式会社)に供した。20mMリン酸緩衝液(pH7.0)溶液にて十分に洗浄した後、0.1Mグリシン緩衝液(pH2.7)にて溶出させた。
溶出画分には1Mトリス塩酸緩衝液(pH9.0)を添加し、直ちに中和した。溶出されたIgG抗体を含むタンパク質画分を集め20mMリン酸緩衝液(pH7.0)にて透析し、PPIXに対するマウスモノクローナル抗体を精製した。
(4)競合的イムノクロマト法
(4−1)競合的イムノクロマト法テストストリップ
図1に示される競合的イムノクロマト法テストストリップを作成し、糞便中のPPIXを測定した。
本テストストリップは、試料添加用部材と、金コロイド標識PPIX結合BSA抗原及び金コロイド標識ヤギIgG抗体を含む含浸部材と、抗PPIXモノクローナル抗体(捕捉部位31)及び抗ヤギIgG抗体(コントロールライン32)を固相化した膜担体とから構成される短冊状のテストストリップである。
本テストストリップは、含浸部材に含浸された金コロイド標識PPIX結合BSA抗原と、試料中のPPIXとが、膜担体に固定された抗PPIXモノクローナル抗体と競合反応する仕組みとなっている。
陽性の場合、金コロイド標識PPIX結合BSA抗原と被検試料である糞便中のPPIXとの競合反応により、試料中のPPIXは捕捉部位上に固相化された抗PPIXモノクローナル抗体に捕捉される。よって捕捉部位における呈色は見られないか又は弱くなる。また、被検試料中のPPIX量が減少するにともない、捕捉部位における金コロイド標識PPIX結合BSA抗原の捕捉量が増加し呈色強度が上昇する。金コロイド標識ヤギIgG抗体はコントロールライン上の抗ヤギIgG抗体に捕捉される。コントロールラインにおける反応はテストラインとの反応と関与しないため必ず呈色する。また陰性の場合、金コロイド標識PPIX結合BSA抗原が捕捉部位上に固相化された抗PPIXモノクローナル抗体に捕捉され、金コロイド標識抗体はコントロールライン上の抗ヤギIgG抗体に捕捉される。従って、2本の明確なラインが形成される。
(4−2)金コロイド溶液の調製
加熱によって沸騰させた超純水99mlに、1%(v/w)塩化金酸水溶液1mlを加え、さらに、その1分後に1%(v/w)クエン酸ナトリウム水溶液1.5mlを加えて加熱し5分間沸騰させた後、室温に放置して冷却した。次いで、この溶液に200mM炭酸カリウム水溶液を加えてpH9.0に調製し、これに超純水を加えて全量を100mlとして金コロイド溶液を得た。
(4−3)金コロイド標識BSA結合PPIXの調製
金コロイド3.5mlと0.25mg/mlのPPIX結合BSA140μlを混合し室温で2分間放置して、このPPIX結合BSAを金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が1%になるように10%BSA水溶液を加え、この金コロイド粒子の残余の表面のことごとくこのBSAでブロックして、金コロイド標識BSA結合PPIX抗原を調製した。この溶液を遠心分離(7000rpm、25℃、25分間)して金コロイド標識BSA結合PPIX抗原を沈殿させ、上清液を除いて金コロイド標識BSA結合PPIX抗原を得た。この金コロイド標識BSA結合PPIX抗原を10%サッカロース・1%BSA・0.5%トリトン(Triton)-X100を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁して金コロイド標識BSA結合PPIX抗原溶液を得た。
(4−4)金コロイド標識ヤギIgG抗体の調製
0.25mg/mlのヤギIgG抗体14μlと上記の金コロイド溶液3.5mlとを混合し、室温で2分間放置してこの抗体のことごとくを金コロイド粒子表面に結合させた後、金コロイド溶液における最終濃度が1%になるように10%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を加え、この金コロイド粒子の残余の表面のことごとくこのBSAでブロックして、金コロイド標識ヤギIgG抗体(以下、「金コロイド標識抗体」と記す)溶液を調製した。この溶液を遠心分離(7000rpm、25℃、25分間)して金コロイド標識抗体を沈殿させ、上清液を除いて金コロイド標識抗体を得た。この金コロイド標識抗体を10%サッカロース・1%BSA・0.5%トリトン(Triton)-X100を含有する50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁して金コロイド標識抗体溶液を得た。
(4−5)試験
上記で得られたPPIX−BSAをリン酸緩衝液で希釈し、各種濃度(1.0、12.5、25.0、50.0mg/ml)になるように調製し、被検試料とした。そして被検試料100μlを上記で得られたテストストリップの被検試料注入部にマイクロピペットで滴下してクロマト滴下してクロマト展開し、室温で15分放置後、第一の捕捉部位の赤紫色の呈色度合いを肉眼で観察した。その結果を表3に示す。なおブランクとしてリン酸緩衝液のみからなる被検試料を100μl滴下したものを示した。呈色度合いは、−(着色なし)、+(微弱な着色)、++(明確な着色)、+++(強力な着色)の4段階に区分して判定した。
Figure 2008089358
表3より試料中の抗原濃度が上昇するほどテストラインにおける呈色が弱くなり、PPIXの量を判定できることが示された。
本発明は、生体試料中に含まれる特定のプロトポルフィリン類を、該プロトポルフィリン類に対する抗体を用いて免疫学的に特異的且つ高感度で検出できるようにしたので、大腸腫瘍、胃腫瘍などの消化器系腫瘍を非浸襲的に検出することができ、消化器系腫瘍の診断に有用である。
aはイムノクロマトグラフィーテストストリップの平面図、bはaで示されたイムノクロマトグラフィーテストストリップの縦断面図。 aは図1のイムノクロマトグラフィーテストストリップを収容するためのプラスチックケースを示す平面図、bはaで示されたケースの縦断面図。 参考例3の質量分析の結果を示すチャートである。
符号の説明
1 粘着シート
2 含浸部材
3 膜担体
31 捕捉部位
32 コントロールライン
4 吸収用部材
5 試料添加用部材
6 プラスチック製ケース
61 ケース本体
62 蓋体
621 被験試料注入部
622 判定部

Claims (24)

  1. 下記式(1)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体を用いて生体試料中のプロトポルフィリン類を検出する免疫測定法からなることを特徴とする、生体試料中のプロトポルフィリン類の検出方法。
    Figure 2008089358
  2. 前記抗体を担体に固定し、該抗体に前記生体試料中のプロトポルフィリン類を結合させて捕捉することを含む、請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記抗体を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、標識されたプロトポルフィリン類と所定量の前記生体試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記生体試料中に含まれるプロトポルフィリン類を標識されたプロトポルフィリン類と競合的に前記捕捉部位に捕捉させる競合法イムノクロマトグラフィー測定法からなる請求項2に記載の検出方法。
  4. 前記標識されたプロトポルフィリン類は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項3に記載の検出方法。
  5. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項4に記載の検出方法。
  6. 前記生体試料からプロトポルフィリン類を抽出する工程を含む請求項1乃至5の何れか1項に記載の検出方法。
  7. 前記生体試料からのプロトポルフィリン類の抽出を、水非混和性極性有機溶剤を用いて行う、請求項6に記載の検出方法。
  8. 前記生体試料からのプロトポルフィリン類の抽出を、塩基性条件下で行う、請求項6又は7に記載の検出方法。
  9. 上記式(1)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体を消化器系腫瘍マーカーとして用いる請求項1に記載の検出方法。
  10. 上記式(1)に示される化合物に対する抗体を大腸腫瘍マーカーとして用いる請求項9に記載の検出方法。
  11. 上記式(2)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体を胃腫瘍マーカーとして用いる請求項9に記載の検出方法。
  12. 上記式(1)に示される化合物に対する抗体を大腸腫瘍マーカーとして用い、かつ、上記式(2)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体を胃腫瘍マーカーとして用いる請求項9に記載の検出方法。
  13. 下記式(1)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体と、該抗体を固定した担体とを少なくとも備えてなる、生体試料中のプロトポルフィリン類の免疫学的検出装置。
    Figure 2008089358
  14. 前記担体は膜担体であり、前記抗体は予め前記膜担体の所定位置に固定されてプロトポルフィリン類の捕捉部位を形成し、さらに、適当な標識物質で標識されたプロトポルフィリン類を備え、この標識されたプロトポルフィリン類は、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されて、前記生体試料の含有液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめた時に、前記生体試料中に含まれるプロトポルフィリン類を前記標識されたプロトポルフィリン類と競合的に前記捕捉部位に捕捉させるようにした、請求項13に記載の検出装置。
  15. 前記標識されたプロトポルフィリン類は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項14に記載の検出装置。
  16. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項15に記載の検出装置。
  17. 前記生体試料からプロトポルフィリン類を抽出する手段を含む請求項13乃至16の何れか1項に記載の検出装置。
  18. 前記生体試料からプロトポルフィリン類を抽出する手段として、水非混和性極性有機溶剤を備える、請求項17に記載の検出装置。
  19. 前記生体試料からプロトポルフィリン類を抽出する手段として、塩基性条件を提供する手段を備える、請求項17又は18に記載の検出装置。
  20. 上記式(1)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体を消化器系腫瘍マーカーとして用いる請求項13に記載の検出装置。
  21. 上記式(1)に示される化合物に対する抗体を大腸腫瘍マーカーとして用いる請求項20に記載の検出装置。
  22. 上記式(2)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体を胃腫瘍マーカーとして用いる請求項20に記載の検出装置。
  23. 上記式(1)に示される化合物に対する抗体を大腸腫瘍マーカーとして用い、かつ、上記式(2)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体を胃腫瘍マーカーとして用いる請求項20に記載の検出装置。
  24. 下記式(1)乃至(4)に示されるプロトポルフィリン類からなる群より選ばれた少なくとも1つの化合物に対する抗体。
    Figure 2008089358
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