JP2008089123A - 気体燃料充填装置および気体燃料充填方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯蔵容器を大型化させることなく貯蔵容器内に十分に気体燃料を充填することができる気体燃料充填装置および気体燃料充填方法を提供する
【解決手段】
動作開始からの経過時間が経過時間がしきい値T1に達すると、圧縮機モータが動作状態となる。それにより、圧縮機が駆動されて燃料タンク内に気体燃料が充填され、燃料タンク内の圧力(以下、タンク内圧力と呼ぶ)が上昇する。タンク内圧力が上限値P1に達すると、圧縮機モータが停止状態となる。タンク内圧力が下限値P2以下になると、圧縮機モータ22が再度動作状態となる。その後、タンク内圧力が上限値P1に達する毎に圧縮機モータが動作状態から停止状態に移行し、また、タンク内圧力が下限値P2以下になる毎に圧縮機モータが停止状態から動作状態に移行する。
【選択図】図4
【解決手段】
動作開始からの経過時間が経過時間がしきい値T1に達すると、圧縮機モータが動作状態となる。それにより、圧縮機が駆動されて燃料タンク内に気体燃料が充填され、燃料タンク内の圧力(以下、タンク内圧力と呼ぶ)が上昇する。タンク内圧力が上限値P1に達すると、圧縮機モータが停止状態となる。タンク内圧力が下限値P2以下になると、圧縮機モータ22が再度動作状態となる。その後、タンク内圧力が上限値P1に達する毎に圧縮機モータが動作状態から停止状態に移行し、また、タンク内圧力が下限値P2以下になる毎に圧縮機モータが停止状態から動作状態に移行する。
【選択図】図4
Description
本発明は、気体燃料を貯蔵容器に充填するための気体燃料充填装置および気体燃料充填方法に関する。
従来、メタン等の気体燃料を貯蔵するための方法として、貯蔵容器内に吸着材を充填し、その吸着材に気体燃料を吸着させて貯蔵する方法がある。
しかしながら、この方法においては、貯蔵容器内への気体燃料の充填時に、吸着熱によって貯蔵容器内の温度が上昇し、貯蔵容器内の圧力が上昇する。これにより、気体燃料の充填量が実質的に少なくなる。
このような課題に対して、吸着熱による貯蔵容器内の温度上昇を抑制する技術が提案されている。例えば、特許文献1に開示される技術においては、ガス吸着貯蔵タンク内に熱交換流体通路を配置し、その熱交換流体通路に冷却水等の熱交換流体を循環させてガス吸着貯蔵タンク内の冷却を行う。
また、特許文献2に開示される技術においては、貯蔵容器に2つのガス導入口を互いに離間させて設け、ガスの充填途中に、使用するガス導入口を切り換える。この場合、切り換え前に発熱していた部分が、切り換え後に断熱膨張により冷却される。一方、切り換え後に発熱する部分は、切り換え前に断熱膨張により温度が下がっているため、温度上昇が抑制される。
特開2003−336797号公報
特開2001−172654号公報
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2に開示される技術は、貯蔵容器内の構造を複雑化させるものであるため、貯蔵容器の大型化を招く。したがって、小型の車両等に搭載される燃料タンクに上記技術を適用することは困難である。
本発明の目的は、貯蔵容器を大型化させることなく貯蔵容器内に十分に気体燃料を充填することができる気体燃料充填装置および気体燃料充填方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る気体燃料充填装置は、気体燃料を吸着材に吸着させて貯蔵する貯蔵容器に気体燃料を充填するための気体燃料充填装置であって、気体燃料を貯蔵容器に圧縮して充填する圧縮充填手段と、貯蔵容器内の圧力を検出する検出手段と、検出手段により検出される貯蔵容器内の圧力の変化に応じて間欠的に貯蔵容器に気体燃料が充填されるように圧縮充填手段を制御する制御手段とを備えるものである。
この気体燃料充填装置においては、圧縮充填手段により気体燃料が貯蔵容器に圧縮して充填される。貯蔵容器内の圧力は検出手段により検出される。検出手段により検出された貯蔵容器内の圧力の変化に応じて、気体燃料が間欠的に貯蔵容器に充填されるように圧縮充填手段が制御手段により制御される。
この場合、貯蔵容器内の圧力の変化に応じて間欠的に複数回にわたって気体燃料の充填を行うことにより、その充填量を徐々に増加させることができる。それにより、十分な量の気体燃料を貯蔵容器に充填することが可能となる。
また、この気体燃料充填装置によれば、貯蔵容器の構造にかかわらず、任意の構造を有する貯蔵容器に十分に気体燃料を充填することができる。そのため、貯蔵容器を大型化させることなく十分に気体燃料を充填することができる。
さらに、この気体燃料充填装置によれば、使用可能な圧力の範囲が制限されている場合でも、その制限された圧力の範囲内でより多くの気体燃料を貯蔵容器に充填することができる。
(2)制御手段は、貯蔵容器内の圧力が第1の値になると、貯蔵容器内の圧力が第1の値よりも低い第2の値になるまで圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填を停止し、貯蔵容器内の圧力が第2の値になると、圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填を再度開始してもよい。
この場合、貯蔵容器内の圧力が第1の値となり、圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填が停止されると、貯蔵容器内における吸着熱の発生が停止する。貯蔵容器内の熱は時間の経過とともに周囲に拡散するので、貯蔵容器内の温度は徐々に低下する。それにより、貯蔵容器内の圧力も徐々に低下する。
貯蔵容器内の圧力が第2の値まで低下して圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填が再度開始されることにより、より多くの気体燃料が貯蔵容器に充填される。
(3)第2の値は、貯蔵容器に気体燃料が充填される回数に応じて変更されてもよい。
気体燃料の充填が停止される期間に貯蔵容器内の圧力が低下する速度は、貯蔵容器に気体燃料が充填される回数が増加するにつれて低くなる。そのため、気体燃料の充填を再度開始するための第2の値を、気体燃料の充填回数に応じて変更することにより、気体燃料を貯蔵容器に効率よく充填することが可能となる。
(4)第2の値は、貯蔵容器に気体燃料が充填される回数が予め定められた第3の値に達すると増加されてもよい。
この場合、気体燃料の充填回数が増加して貯蔵容器内の圧力の低下速度が低くなっても、第2の値が増加されることにより、気体燃料の充填が停止される期間が長くなることが抑制される。そのため、気体燃料が貯蔵容器に効率よく充填される。
(5)第2の値は、貯蔵容器への気体燃料の充填が停止される状態で貯蔵容器内の圧力が第1の値から所定値低下するまでの時間に応じて変更されてもよい。
上記のように、気体燃料の充填が停止される期間に貯蔵容器内の圧力が低下する速度は、貯蔵容器に気体燃料が充填される回数が増加するにつれて低くなる。そのため、貯蔵容器内の圧力が第1の値から所定値低下するまでの時間は、貯蔵容器に気体燃料が充填される回数が増加するにつれて長くなる。したがって、気体燃料の充填を再度開始するための第2の値を、貯蔵容器内の圧力が第1の値から所定値低下するまでの時間に応じて変更することにより、気体燃料を貯蔵容器に効率よく充填することができる。
(6)第2の値は、貯蔵容器内の圧力が第1の値から所定値低下するまでの時間が予め定められた第4の値よりも長くなると増加されてもよい。
この場合、気体燃料の充填回数が増加して貯蔵容器内の圧力の低下速度が低くなっても、第2の値が増加されることにより、気体燃料の充填が停止される期間が長くなることが抑制される。そのため、気体燃料が貯蔵容器に効率よく充填される。
(7)制御手段は、貯蔵容器内の圧力が第1の値になると、貯蔵容器内の圧力の低下率が予め定められた第5の値になるまで圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填を停止し、貯蔵容器内の圧力の低下率が第5の値になると、圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填を再度開始してもよい。
この場合、貯蔵容器内の圧力が第1の値となり、圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填が停止されると、貯蔵容器内における吸着熱の発生が停止する。貯蔵容器内の熱は時間の経過とともに周囲に拡散するので、貯蔵容器内の温度は徐々に低下する。それにより、貯蔵容器内の圧力も徐々に低下する。
貯蔵容器内の圧力の低下率は、時間の経過とともに徐々に低くなる。貯蔵容器内の圧力の低下率が第5の値まで低下して圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填が再度開始されることにより、より多くの気体燃料が貯蔵容器に充填される。
(8)制御手段は、貯蔵容器内の圧力が第1の値になると、所定時間が経過するまで圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填を停止し、所定時間が経過すると、圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填を再度開始してもよい。
この場合、貯蔵容器内の圧力が第1の値となり、圧縮充填手段による貯蔵容器への気体燃料の充填が停止されると、貯蔵容器内における吸着熱の発生が停止する。貯蔵容器内の熱は時間の経過とともに周囲に拡散するので、貯蔵容器内の温度は徐々に低下する。それにより、貯蔵容器内の圧力も徐々に低下する。
したがって、気体燃料の充填が停止されてから所定時間が経過した後に、再度圧縮充填手段による気体燃料の充填を開始することにより、より多くの気体燃料が貯蔵容器に充填される。
(9)所定時間は、貯蔵容器に気体燃料が充填される回数に応じて変更されてもよい。
気体燃料の充填が停止される期間に貯蔵容器内の圧力が低下する速度は、貯蔵容器に気体燃料が充填される回数が増加するにつれて低くなる。そのため、気体燃料の充填を再度開始するまでの時間を、気体燃料の充填回数に応じて変更することにより、気体燃料を貯蔵容器に効率よく充填することが可能となる。
(10)制御手段は、貯蔵容器に気体燃料が充填される期間の間隔が予め定められた時間よりも長くなると、それ以降は貯蔵容器に気体燃料が充填されないように圧縮充填手段を制御してもよい。
上記のように、気体燃料の充填が停止される期間に貯蔵容器内の圧力が低下する速度は、貯蔵容器に気体燃料が充填される回数が増加するにつれて低くなる。そのため、第1および第2の値が一定であれば、気体燃料の充填回数が増加するにつれて、貯蔵容器に気体燃料が充填される期間の間隔が長くなる。
この場合、貯蔵容器に気体燃料が充填される期間の間隔が予め定められた時間よりも長くなると、気体燃料の充填動作が終了する。このようにして、複数回にわたって貯蔵容器に気体燃料が充填されて十分な量の気体燃料が貯蔵容器に充填された状態で、気体燃料の充填動作を終了することができる。
(11)制御手段は、貯蔵容器に気体燃料が充填される回数が予め定められた第6の値に達すると、それ以降は貯蔵容器に気体燃料が充填されないように圧縮充填手段を制御してもよい。
この場合、気体燃料が貯蔵容器に予め定められた回数充填されると、気体燃料の充填動作が終了する。このようにして、複数回にわたって貯蔵容器に気体燃料が充填されて十分な量の気体燃料が貯蔵容器に充填された状態で、気体燃料の充填動作を終了することができる。
(12)気体燃料充填装置は、圧縮充填手段の周囲を取り囲む筐体と、筐体内の雰囲気を筐体の外部に導く雰囲気導出機構とをさらに備え、制御手段は、貯蔵容器への気体燃料の充填の開始時点よりも所定時間前の時点から貯蔵容器への気体燃料の充填の停止時点よりも所定時間後の時点まで筐体内の雰囲気が筐体の外部に導かれるように雰囲気導出機構を制御してもよい。
この場合、筐体内で圧縮充填手段から漏洩した気体燃料および圧縮充填手段から発生した熱が筐体内に滞留することを確実に防止することができる。
(13)第2の発明に係る気体燃料充填方法は、気体燃料を吸着材に吸着させて貯蔵する貯蔵容器に気体燃料を充填するための気体燃料充填方法であって、圧縮充填手段により気体燃料を貯蔵容器に圧縮して充填する工程と、検出手段により貯蔵容器内の圧力を検出する工程と、制御手段により検出手段により検出される貯蔵容器内の圧力の変化に応じて間欠的に貯蔵容器に気体燃料が充填されるように圧縮充填手段を制御する工程とを備えるものである。
この気体燃料充填装置においては、圧縮充填手段により気体燃料が貯蔵容器に圧縮して充填される。貯蔵容器内の圧力は検出手段により検出される。検出手段により検出された貯蔵容器内の圧力の変化に応じて、気体燃料が間欠的に貯蔵容器に充填されるように圧縮充填手段が制御手段により制御される。
この場合、貯蔵容器内の圧力の変化に応じて間欠的に複数回にわたって気体燃料の充填を行うことにより、その充填量を徐々に増加させることができる。それにより、十分な量の気体燃料を貯蔵容器に充填することが可能となる。
また、この気体燃料充填装置によれば、貯蔵容器の構造にかかわらず、任意の構造を有する貯蔵容器に十分に気体燃料を充填することができる。そのため、貯蔵容器を大型化させることなく十分に気体燃料を充填することができる。
さらに、この気体燃料充填装置によれば、使用可能な圧力の範囲が制限されている場合でも、その制限された圧力の範囲内でより多くの気体燃料を貯蔵容器に充填することができる。
本発明によれば、貯蔵容器内の圧力の変化に応じて間欠的に複数回にわたって気体燃料の充填を行うことにより、その充填量を徐々に増加させることができる。それにより、十分な量の気体燃料を貯蔵容器に充填することが可能となる。
また、本発明によれば、貯蔵容器の構造にかかわらず、任意の構造を有する貯蔵容器に十分に気体燃料を充填することができる。そのため、貯蔵容器を大型化させることなく十分に気体燃料を充填することができる。
さらに、本発明によれば、使用可能な圧力の範囲が制限されている場合でも、その制限された圧力の範囲内でより多くの気体燃料を貯蔵容器に充填することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る気体燃料充填装置および気体燃料充填方法について図面を参照しながら説明する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)気体燃料充填装置の全体構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る気体燃料充填装置の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、気体燃料充填装置100は、筐体10を備える。筐体10内は、圧縮機室11、原動機室12、排気室13および制御室14に区分けされている。
(1−1)気体燃料充填装置の全体構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る気体燃料充填装置の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、気体燃料充填装置100は、筐体10を備える。筐体10内は、圧縮機室11、原動機室12、排気室13および制御室14に区分けされている。
圧縮機室11には圧縮機21が設けられている。圧縮機21と隣接するように原動機室12には圧縮機駆動用モータ(以下、圧縮機モータと呼ぶ)22が設けられている。圧縮機21の駆動軸23は、連結具24を介して圧縮機モータ22の回転軸25に接続されている。圧縮機モータ22が動作すると、回転軸25を介して圧縮機21の駆動軸23が回転される。それにより、圧縮機21が駆動される。
圧縮機21には、筐体10の外部へ延びるガス導入管31およびガス導出管32が接続されている。ガス導入管31およびガス導出管32は、ユーザにより気体燃料供給源GRおよび燃料タンクTAにそれぞれ接続される。燃料タンクTA内には活性炭等の吸着材が充填されている。
圧縮機21が駆動されることにより気体燃料供給源GRからガス導入管31を通して圧縮機21内に気体燃料が導入され、その気体燃料が導出管32を通して燃料タンクTA内に充填される。気体燃料としては、例えばメタンまたは天然ガスが用いられる。ガス導出管32には圧力センサS1が取り付けられている。圧力センサS1によりガス導出管32内の圧力が検出される。なお、ガス導出間32内の圧力は燃料タンクTA内の圧力(以下、タンク内圧力と呼ぶ)に等しい。
原動機室12には換気口33,34が設けられており、筐体10内における熱の滞留等が防止される。また、排気室13には排気ファン36およびファン駆動用モータ(以下、ファンモータと呼ぶ)37が設けられている。ファンモータ37によって排気ファン36が駆動されることにより、圧縮機21から漏洩した気体燃料ならびに圧縮機21および圧縮機モータ22から発生する熱が筐体10の外部に導かれる。制御室14には、制御部40が設けられている。制御部40は、圧縮機モータ22、ファンモータ37および圧力センサS1と電気的に接続されている。
図2を参照して気体燃料充填装置100の制御系について説明する。図2は、気体燃料充填装置100の制御系を示すブロック図である。図2に示すように、圧力センサS1は制御部40にタンク内圧力(ガス導出管32内の圧力)の検出値を出力する。制御部40は、圧縮機モータ22およびファンモータ37に制御信号を出力し、各々の動作を制御する。なお、制御部40は、気体燃料充填装置100の動作時間を計測するためのタイマー41を備える。
(1−2)制御部による制御処理
制御部40による制御処理の詳細について説明する。図3は、制御部40による制御処理を示すフローチャートである。
制御部40による制御処理の詳細について説明する。図3は、制御部40による制御処理を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、制御部40はファンモータ37を起動させる(ステップS1)。次に、制御部40は、ファンモータ37を起動させてからの経過時間(以下、起動経過時間と呼ぶ)が予め設定されたしきい値T1(例えば0.5秒)に達しているか否かを判定する(ステップS2)。
起動経過時間がしきい値T1に達していない場合、制御部40は、ステップS2の判定を繰り返す。起動経過時間がしきい値T1に達している場合、制御部40は、圧縮機モータ22を起動させる(ステップS3)。次に、制御部40は、圧力センサS1からの検出値に基づいてタンク内圧力が上限値P1に達しているか否かを判定する(ステップS4)。上限値P1は、燃料タンクTAの構造、吸着材の種類および量、ならびに気体燃料充填装置100の性能等に応じて、気体燃料を充填可能な燃料タンクTA内の圧力の上限値に設定される。
タンク内圧力が上限値P1に達していない場合、制御部40は、ステップS4の判定を繰り返す。タンク内圧力が上限値P1に達している場合、制御部40は、圧縮機モータ22を停止させるとともに(ステップS5)、回数カウンタに+1を加算する(ステップS6)。なお、回数カウンタは、制御部40が記憶する変数であり、ステップS3〜S5の処理の繰り返し回数を示す。初期状態では回数カウンタは0に設定されている。
次に、制御部40は、回数カウンタが予め設定されたしきい値N1(例えば3〜6)に達しているか否かを判定する(ステップS7)。回数カウンタがしきい値N1に達している場合、制御部40は、圧縮機モータ22を停止してからの経過時間(以下、停止経過時間と呼ぶ)が予め設定したしきい値T2(例えば5〜20秒)に達しているか否かを判定する(ステップS8)。
停止経過時間がしきい値T2に達している場合、制御部40は、ファンモータ37を停止させ、処理を終了する。停止経過時間がしきい値T2に達していない場合、制御部40は、ステップS8の判定を繰り返す。
ステップS7において、回数カウンタがしきい値N1に達していない場合、制御部40は、圧力センサS1からの検出値に基づいて、タンク内圧力が予め設定された下限値P2以下であるか否かを判定する(ステップS10)。下限値P2は、大気圧よりも高く上限値P1よりも低い値に設定される(例えば、上限値P1の0.5倍〜0.9倍)。
タンク内圧力が下限値P2以下である場合、制御部40は、ステップS3の処理に戻る。タンク内圧力が下限値P2より高い場合、制御部40は、ステップS10の判定を繰り返す。
(1−3)気体燃料充填装置の動作および作用
図3のフローチャートに従って制御される気体燃料充填装置100の動作の概要、およびそれによる作用について説明する。図4は、気体燃料充填装置100の動作時における圧縮機モータ22の状態およびタンク内圧力の変化を時系列で示す図である。
図3のフローチャートに従って制御される気体燃料充填装置100の動作の概要、およびそれによる作用について説明する。図4は、気体燃料充填装置100の動作時における圧縮機モータ22の状態およびタンク内圧力の変化を時系列で示す図である。
図4において、横軸は動作開始からの経過時間を示し、縦軸はタンク内圧力を示す。また、圧縮機モータ22が動作している状態(以下、動作状態と呼ぶ)をハイレベルで示し、圧縮機モータ22が停止している状態(以下、停止状態と呼ぶ)をローレベルで示す。なお、後述の図6、図9および図11においても同様とする。
図4に示すように、動作開始からの経過時間がしきい値T1に達するまで、圧縮機モータ22は停止状態である。この期間には、タンク内圧力は変化しない。なお、ファンモータ37は動作開始とともに動作状態となる。経過時間がしきい値T1に達すると、圧縮機モータ22が動作状態となる。それにより、圧縮機21が駆動されて燃料タンクTA内に気体燃料が充填され、タンク内圧力が上昇する。また、気体燃料の充填時には、燃料タンクTA内において吸着熱が発生し、タンク内圧力をさらに上昇させる。
タンク内圧力が上限値P1に達すると、圧縮機モータ22が停止状態となる。圧縮機モータ22が動作状態から停止状態に移行すると、図4の下段に示すように、回数カウンタが1ずつ増加する。圧縮機モータ22が停止している期間には、燃料タンクTA内において吸着熱が発生しない。そのため、燃料タンクTA内の熱が周囲に拡散して温度が徐々に低下する。それにより、タンク内圧力も徐々に低下する。したがって、燃料タンクTA内にさらに気体燃料を充填することが可能な状態となる。
タンク内圧力が下限値P2になると、圧縮機モータ22が再度動作状態となる。それにより、燃料タンクTA内に気体燃料が追加して充填され、タンク内圧力が再び上昇する。その後、タンク内圧力が上限値P1に達する毎に圧縮機モータ22が動作状態から停止状態に移行し、また、タンク内圧力が下限値P2になる毎に圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行する。
なお、圧縮機モータ22が動作および停止を繰り返すと、タンク内圧力の低下速度が低くなり、圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行するまでの所要時間が長くなる。これは、時間の経過とともに燃料タンクTA内の温度がしだいに大気温(室温)に近づき、燃料タンクTA内の温度の低下速度が次第に低くなるためである。圧縮機モータ22が起動するたびに、燃料タンクTA内には気体燃料が充填されて吸着熱が発生するが、その熱量よりも圧縮機モータ22を停止させている期間に周囲に拡散する熱量の方が大きい。そのため、燃料タンクTA内の温度はしだいに低下して大気温に近づく。
回数カウンタがしきい値N1に達すると、圧縮機モータ22が停止状態に維持されるとともにファンモータ37が停止され、気体燃料充填装置100の動作が終了する。
(1−4)第1の実施の形態の効果
第1の実施の形態では、気体燃料が間欠的に繰り返し燃料タンクTAに充填される。1回の充填ではその充填量に限界があるが、複数回にわたって気体燃料の充填を繰り返すことにより、その充填量が徐々に増加する。それにより、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
第1の実施の形態では、気体燃料が間欠的に繰り返し燃料タンクTAに充填される。1回の充填ではその充填量に限界があるが、複数回にわたって気体燃料の充填を繰り返すことにより、その充填量が徐々に増加する。それにより、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
また、燃料タンクTAの構造等にかかわらず、任意の構造を有する燃料タンクTAに十分に気体燃料を充填することができる。すなわち、小型の車両等に搭載される燃料タンクTA等においても、燃料タンクTAを大型化させることなく十分に気体燃料を充填することができる。
また、第1の実施の形態では、気体燃料充填装置100の動作開始時において、ファンモータ37の起動後、所定時間(しきい値T1)が経過してから圧縮モータ22が起動する。また、気体燃料充填装置100の動作終了時において、圧縮機モータ22の停止後、所定時間(しきい値T2)が経過してからファンモータ37が停止する。すなわち、圧縮モータ22の起動前および停止後において、ファンモータ37が動作する状態が確実に確保される。
それにより、圧縮機21から漏洩した気体燃料が筐体10内に滞留することを確実に防止することができる。また、圧縮機21および圧縮機モータ22から発生する熱が筐体10内に滞留することを確実に防止することができる。
なお、高圧気体を用いる場合には、様々な法的規制により、一般家庭等においては、使用可能な圧力の範囲が制限されている。本実施の形態に係る気体燃料充填装置100は、その制限された圧力の範囲内でより多くの気体燃料を燃料タンクTAに充填することができる。したがって、一般家庭等においても効果的に使用することができる。
(2)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態に係る気体燃料充填装置100について、上記第1の実施の形態と異なる点を説明する。第2の実施の形態においては、制御部40により以下の制御処理が行われる。
本発明の第2の実施の形態に係る気体燃料充填装置100について、上記第1の実施の形態と異なる点を説明する。第2の実施の形態においては、制御部40により以下の制御処理が行われる。
(2−1)制御部による制御処理
図5は、第2の実施の形態における制御部40による制御処理を示すフローチャートである。図5を参照して第2の実施の形態における制御部40による制御処理の詳細について説明する。
図5は、第2の実施の形態における制御部40による制御処理を示すフローチャートである。図5を参照して第2の実施の形態における制御部40による制御処理の詳細について説明する。
まず、制御部40は、第1の実施の形態と同様にステップS1〜S6の処理を行う。次に、制御部40は、回数カウンタが予め設定されたしきい値N2に達しているか否かを判定する(ステップS21)。しきい値N2は、しきい値N1と同様かまたはしきい値N1よりも小さく設定される。
回数カウンタがしきい値N2に達している場合、制御部40は、回数カウンタが予め設定されたしきい値N3に達しているか否かを判定する(ステップS22)。しきい値N3は、しきい値N2よりも大きく設定される。回数カウンタがしきい値N3に達している場合、制御部40は、第1の実施の形態と同様のステップS8,S9の処理を行い、処理を終了する。
ステップS21において、回数カウンタがしきい値N2に達していない場合、制御部40は、圧力センサS1からの検出値に基づいてタンク内圧力が予め設定された下限値P2以下であるか否かを判定する(ステップS23)。タンク内圧力が下限値P2より高い場合、制御部40は、ステップS23の処理を繰り返し行う。タンク内圧力が下限値P2以下である場合、制御部40は、ステップS3の処理に戻る。
ステップS22において、回数カウンタがしきい値N3に達していない場合、制御部40は、圧力センサS1からの検出値に基づいてタンク内圧力が予め設定された下限値P3以下であるか否かの判定を行う(ステップS24)。下限値P3は、下限値P2よりも高く設定される(例えば上限値の0.8倍〜0.9倍)。
タンク内圧力が下限値P3より高い場合、制御部40は、ステップS24の処理を繰り返し行う。タンク内圧力が下限値P3以下である場合、制御部40は、ステップS3の処理に戻る。
(2−2)気体燃料充填装置の動作および作用
図5のフローチャートに従って制御される気体燃料充填装置100の動作の概要、およびそれによる作用について、第1の実施の形態と異なる点を説明する。図6は、気体燃料充填装置100の動作時における圧縮機モータ22の状態およびタンク内圧力の変化を時系列で示す図である。
図5のフローチャートに従って制御される気体燃料充填装置100の動作の概要、およびそれによる作用について、第1の実施の形態と異なる点を説明する。図6は、気体燃料充填装置100の動作時における圧縮機モータ22の状態およびタンク内圧力の変化を時系列で示す図である。
図6に示すように、回数カウンタがしきい値N2に達するまでは、タンク内圧力が下限値P2になると圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行し、タンク内圧力が上限値P1に達すると圧縮機モータ22が動作状態から停止状態に移行する。
回数カウンタがしきい値N2に達した後には、タンク内圧力が下限値P3(>下限値P2)以下になると、圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行し、タンク内圧力が上限値P1に達すると圧縮機モータ22が動作状態から停止状態に移行する。回数カウンタがしきい値N3に達すると、圧縮機モータ22が停止状態に維持されたまま気体燃料充填装置100の動作が終了する。なお、図6の例において、しきい値N3はしきい値N2に1を加えた値に設定している。
(2−3)第2の実施の形態の効果
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、気体燃料が間欠的に繰り返し燃料タンクTAに充填されるので、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、気体燃料が間欠的に繰り返し燃料タンクTAに充填されるので、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
また、第2の実施の形態では、回数カウンタがしきい値N2に達すると、圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行する際のタンク内圧力の下限値が上昇する。上記のように、圧縮機モータ22が動作および停止を繰り返すと、タンク内圧力の低下速度が低くなり、圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行するまでの時間が長くなる。そこで、下限値を上昇させることにより、比較的迅速に圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行することができる。その結果、比較的短時間で効率よく気体燃料を充填することが可能となる。
なお、第2の実施形態においては、タンク内圧力の下限値を下限値P2および下限値P3の2段階で設定しているが、3段階以上の多段階で設定してもよい。
(2−4)第2の実施の形態の変形例
上記第2の実施の形態においては、回数カウンタがしきい値N2に達することによりタンク内圧力の下限値が上昇するが、他の条件に基づいてタンク内圧力の下限値が上昇してもよい。
上記第2の実施の形態においては、回数カウンタがしきい値N2に達することによりタンク内圧力の下限値が上昇するが、他の条件に基づいてタンク内圧力の下限値が上昇してもよい。
図7は、第2の実施の形態の変形例について説明するための図である。図7に示すように、この例においては、タンク内圧力が上限値P1から下限値P2に低下するまでの経過時間(以下、低下経過時間と呼ぶ。)STが計測される。
上記のように、圧縮機モータ22が動作および停止を繰り返すと、タンク内圧力の低下速度が低くなる。それにより、低下経過時間STは、圧縮機モータ22が動作および停止を繰り返すにつれて長くなる。
低下経過時間STが予め設定されたしきい値T10よりも短い場合は、次に圧縮機モータ22が停止された際のタンク内圧力の下限値が下限値P2に維持される。低下経過時間STがしきい値T10よりも長い場合は、次に圧縮機モータ22が停止された際のタンク内圧力の下限値が、下限値P2から下限値P3に上昇する。
その後、回数カウンタがしきい値N1に達すると、圧縮機モータ22が停止状態に維持されたまま気体燃料充填装置100の動作が終了する。
なお、この例では、タンク内圧力が上限値P1から下限値P2まで低下するまでの経過時間を低下経過時間STとして計測したが、タンク内圧力が上限値P1から下限値P2よりも高い他の所定値まで低下するまでの経過時間を低下経過時間STとして計測してもよい。
(3)第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態に係る気体燃料充填装置100について、上記第1の実施の形態と異なる点を説明する。第3の実施の形態においては、制御部40により以下の制御処理が行われる。
本発明の第3の実施の形態に係る気体燃料充填装置100について、上記第1の実施の形態と異なる点を説明する。第3の実施の形態においては、制御部40により以下の制御処理が行われる。
(3−1)制御部による制御処理
図8は、第3の実施の形態における制御部40による制御処理を示すフローチャートである。図8を参照して第3の実施の形態における制御部40による制御処理の詳細について説明する。
図8は、第3の実施の形態における制御部40による制御処理を示すフローチャートである。図8を参照して第3の実施の形態における制御部40による制御処理の詳細について説明する。
まず、制御部40は、第1の実施の形態と同様にステップS1〜S5の処理を行う。次に、制御部40は、圧力センサS1からの検出値に基づいて、タンク内圧力が下限値P2以下であるか否かの判定を行う(ステップS31)。
タンク内圧力が下限値P2より高い場合、制御部40は、ステップS31の判定を繰り返す。タンク内圧力が下限値P2以下である場合、制御部40は、低下経過時間STが予め設定されたしきい値T3よりも長いか否かを判定する(ステップS32)。
低下経過時間STがしきい値T3よりも長い場合、制御部40は、ステップS8,S9の処理を行い、処理を終了する。低下経過時間STがしきい値T3以下の場合、制御部40は、ステップS3の処理に戻る。
(3−2)気体燃料充填装置の動作および作用
図8のフローチャートに従って制御される気体燃料充填装置100の動作の概要、およびそれによる作用について、第1の実施の形態と異なる点を説明する。図9は、気体燃料充填装置100の動作時における圧縮機モータ22の状態およびタンク内圧力の変化を時系列で示す図である。
図8のフローチャートに従って制御される気体燃料充填装置100の動作の概要、およびそれによる作用について、第1の実施の形態と異なる点を説明する。図9は、気体燃料充填装置100の動作時における圧縮機モータ22の状態およびタンク内圧力の変化を時系列で示す図である。
図9に示すように、低下経過時間STがしきい値T3より短い場合には、圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行する。低下経過時間STがしきい値T3より長くなると、圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行することなく気体燃料充填装置100の動作が終了する。
(3−3)第3の実施の形態の効果
第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、気体燃料が間欠的に繰り返し燃料タンクTAに充填されるので、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、気体燃料が間欠的に繰り返し燃料タンクTAに充填されるので、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
なお、上記第2の実施の形態の変形例と同様に、タンク内圧力が上限値P1から下限値P2よりも高い他の所定値まで低下するまでの経過時間を低下経過時間STとして計測してもよい。また、上記第1の実施の形態または上記第2の実施の形態の変形例と同様に、圧縮機モータ22の動作回数(回数カウンタの値)または圧縮機モータ22の停止期間(低下経過時間)の長さに応じて、タンク内圧力の下限値を上昇させてもよい。
(4)第4の実施の形態
本発明の第4の実施の形態に係る気体燃料充填装置100について、上記第1の実施の形態と異なる点を説明する。第4の実施の形態においては、制御部40により以下の制御処理が行われる。
本発明の第4の実施の形態に係る気体燃料充填装置100について、上記第1の実施の形態と異なる点を説明する。第4の実施の形態においては、制御部40により以下の制御処理が行われる。
(4−1)制御部による制御処理
図10は、第4の実施の形態における制御部40による制御処理を示すフローチャートである。図10を参照して第4の実施の形態における制御部40による制御処理の詳細について第1の実施の形態と異なる点を説明する。
図10は、第4の実施の形態における制御部40による制御処理を示すフローチャートである。図10を参照して第4の実施の形態における制御部40による制御処理の詳細について第1の実施の形態と異なる点を説明する。
第4の実施の形態では、ステップS7において回数カウンタがしきい値N1に達していない場合、制御部40は、圧力センサS1からの検出値およびタイマー41による計測時間に基づいて、単位時間当たりのタンク内圧力の変化量(以下、圧力低下率と呼ぶ)を算出するとともに、その圧力低下率が予め設定したしきい値R1よりも小さいか否かを判定する(ステップS41)。
ステップS41において、圧力低下率がしきい値R1以上の場合、制御部40は、ステップS41の判定を繰り返す。圧力低下率がしきい値R1より小さい場合、制御部40は、ステップS3の処理に戻る。
(4−2)気体燃料充填装置の動作および作用
図10のフローチャートに従って制御される気体燃料充填装置100の動作の概要、およびそれによる作用について、第1の実施の形態と異なる点を説明する。図11は、気体燃料充填装置100の動作時における圧縮機モータ22の状態およびタンク内圧力の変化を時系列で示す図である。なお、図11において、圧力低下率は、タンク内圧力を示す曲線の傾きに相当する。
図10のフローチャートに従って制御される気体燃料充填装置100の動作の概要、およびそれによる作用について、第1の実施の形態と異なる点を説明する。図11は、気体燃料充填装置100の動作時における圧縮機モータ22の状態およびタンク内圧力の変化を時系列で示す図である。なお、図11において、圧力低下率は、タンク内圧力を示す曲線の傾きに相当する。
図11に示すように、圧縮機モータ22が動作状態から停止状態に移行した直後は、タンク内圧力の低下速度が比較的高く、圧力低下率が大きい(図中の接線PR1〜PR3参照)。時間の経過とともに、タンク内圧力の低下速度が低くなり、圧力低下率PRが小さくなる。圧力低下率がしきい値R1(図中の接線R1a参照)よりも小さくなると、圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行する。
なお、上記のように、圧縮機モータ22が動作および停止を繰り返すと、タンク内圧力の低下速度が低くなる。そのため、圧縮機モータ22の動作回数および停止回数が増えるほど、動作状態から停止状態に移行した直後の圧縮低下率が小さくなる。それに伴い、タンク内圧力がより高い状態で圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行する。
(4−3)第4の実施の形態の効果
第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、気体燃料が間欠的に繰り返し燃料タンクTAに充填されるので、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、気体燃料が間欠的に繰り返し燃料タンクTAに充填されるので、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
また、第4の実施の形態では、圧縮機モータ22の動作回数および停止回数が増えるほどタンク内圧力が高い状態で圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行する。そのため、第2の実施の形態と同様に比較的迅速に圧縮機モータ22が停止状態から動作状態に移行し、比較的短時間で効率よく気体燃料を充填することが可能となる。
なお、上記第3の実施の形態と同様に、圧縮機モータ22の停止期間(低下経過時間)の長さに応じて気体燃料充填装置100の動作の終了時期を決定してもよい。
(5)第5の実施の形態
本発明の第5の実施の形態に係る気体燃料充填装置100について、上記第1の実施の形態と異なる点を説明する。図12は、第5の実施の形態について説明するための図である。
本発明の第5の実施の形態に係る気体燃料充填装置100について、上記第1の実施の形態と異なる点を説明する。図12は、第5の実施の形態について説明するための図である。
図12に示すように、第5の実施の形態においては、タンク内圧力が上限値P1に達したときに、圧縮機モータ22が、予め設定された所定時間(以下、モータ停止時間と呼ぶ)経過するまで停止される。モータ停止時間は、回数カウンタの値に応じて設定される。図12に示す例では、回数カウンタが“1”、“2”、“3”、・・・“N1−2”および“N1−1”である場合のモータ停止時間が、それぞれ時間T11、時間T12、時間T13、・・・時間TX−1および時間TXに設定されている。なお、この例では、回数カウンタがしきい値N1に達すると、気体燃料充填装置100の動作が終了する。
モータ停止時間は、回数カウンタの値が増加するにつれて長くなるように設定される。ただし、時間効率を向上させるために、圧縮機モータ22が複数回動作した後にはモータ停止時間がその前回のモータ停止時間よりも短く設定されてもよい。
図12に示す例においては、時間T11よりも時間T12が長く設定され、時間T12よりも時間T13が長く設定されている。一方、時間TXは時間TX−1よりも短く設定されている。
第5の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、気体燃料が間欠的に繰り返し燃料タンクTAに充填されるので、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
また、第5の実施の形態においては、気体燃料の充填回数および圧縮機モータ22の停止時間が予め設定されるので、所望の時間内で効率よく気体燃料を充填することが可能となる。
(6)他の実施の形態
上記実施の形態では、圧縮機モータ22の動作回数または圧縮機モータ22の停止期間の長さに応じて気体燃料充填装置100の動作の終了時期を決定しているが、これに限らず、他の方法を用いてもよい。例えば、気体燃料充填装置100の動作が開始した時点からの経過時間に応じて動作の終了時期を決定してもよい。
上記実施の形態では、圧縮機モータ22の動作回数または圧縮機モータ22の停止期間の長さに応じて気体燃料充填装置100の動作の終了時期を決定しているが、これに限らず、他の方法を用いてもよい。例えば、気体燃料充填装置100の動作が開始した時点からの経過時間に応じて動作の終了時期を決定してもよい。
上記実施の形態では、上限値P1は気体燃料を充填可能な燃料タンクTA内の圧力の上限値に設定しているが、これに限らず、種々の目的に応じた他の値に設定してもよい。例えば法的規制により使用可能な圧力範囲が制限される場合、その圧力範囲の上限値に設定してもよい。
タンク内圧力の下限値P2,P3、ならびに種々のしきい値は、燃料タンクTAの構造、吸着材の種類および量、ならびに気体燃料充填装置100の性能等により適宜変更してもよい。
(6−1)制御部の構成例
上記第1〜第5の実施の形態において、制御部40は、電気回路等のハードウェアにより実現してもよく、あるいはCPU(中央演算処理装置)等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアにより実現してもよい。
上記第1〜第5の実施の形態において、制御部40は、電気回路等のハードウェアにより実現してもよく、あるいはCPU(中央演算処理装置)等のハードウェアとプログラム等のソフトウェアにより実現してもよい。
以下、制御部40を構成する電気回路の一例について説明する。図13は、制御部40を構成する電気回路の一例を示す図である。図13に示すように、圧縮機モータ22に線路L1,L2を介して電源プラグ51が接続されている。電源プラグは、図示しない電源(コンセント)に差し込まれる。線路L1には電源プラグ51側から順に電源スイッチSW1およびヒューズF1が介挿されており、線路L2には電源プラグ51側から順に電源スイッチSW2およびヒューズF2が介挿されている。
電源スイッチSW1,SW2は連動しており、電源スイッチSW1,SW2がオンの状態では電源プラグ51からの電力が後述の各部に供給され、オフの状態では電源プラグ51からの電力の供給が停止される。ヒューズF1,F2は過大な電流が流れると回路を遮断する。
線路L1,L2間には、電源表示灯52が接続されている。電源スイッチSW1,SW2がオンの状態では電源表示灯52に電流が供給され、電源表示灯52が点灯状態となる。
線路L1,L2には、AC/DC電源回路50の一対の入力端子が接続されている。また、線路L2には接点MRが介挿されている。接点MRは、後述するモータリレーMRaにより開閉される。
AC/DC電源回路50の一方の出力端子はダイオードDIのアノードに接続されている。AC/DC電源回路50の他方の出力端子は接地端子に接続されている。ダイオードDIのカソードと接地端子との間にバックアップ電源53が接続されている。バックアップ電源53は、例えば電気二重層キャパシタからなる。また、AC/DC電源回路50の一方の出力端子は、後述する制御回路SEに含まれるディレイタイマ回路に接続されている。
ダイオードDIのカソードは、昇圧型DC−DCコンバータ54の入力端子および制御回路SEのディレイタイマ回路以外の回路に接続されている。昇圧型DC−DCコンバータ54の出力端子と接地端子との間にファンモータ37が接続されている。
また、昇圧型DC−DCコンバータ54の出力端子と接地端子との間にモータリレーMRaおよび接点SW3が接続されている。接点SW3は、制御回路SEにより開閉される。接点SW3が閉じると、モータリレーMRaに電流が供給される。それにより、接点MRが閉じられる。
続いて、制御回路SEの詳細について説明する。図14は、制御回路SEの詳細な構成を示す図である。図14に示すように、制御回路SEは、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62、カウント回路63およびANDゲート回路67を含む。
ディレイタイマ回路61は、電源スイッチSW1,SW2がオンした時点からの経過時間を計測し、その経過時間に応じて論理“1”の成立信号または論理“0”の不成立信号をANDゲート回路67に出力する。
第1の比較回路62は、圧力センサS1からの検出値(以下、圧力検出値と呼ぶ)を上限値P1および下限値P2と比較し。その比較結果に応じて、論理“1”の成立信号または論理“0”の不成立信号をANDゲート回路67およびカウント回路63に出力する。詳細は後述する。
カウント回路63は、第1の比較回路62の出力信号の立ち下がり回数(成立信号から不成立信号に切り替わる回数)をカウントする。カウント値がしきい値N1以下の場合には論理“1”の成立信号をANDゲート回路67に出力し、カウント値がしきい値N1より大きい場合には論理“0”の不成立信号をANDゲート回路67に出力する。
ANDゲート回路67は、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62およびカウント回路63の全てから成立信号が出力された場合に接点SW3を閉じ、それ以外の場合に接点SW3を開く。
(6−2)気体燃料充填装置の動作
図13および図14に示した電気回路を備える気体燃料充填装置100の動作について説明する。
図13および図14に示した電気回路を備える気体燃料充填装置100の動作について説明する。
電源スイッチSW1,SW2がオンすると、電源表示灯52が点灯状態となるとともに、AC/DC電源回路50に交流電圧が与えられる。AC/DC電源回路50は、交流電圧を直流電圧に変換する。AC/DC電源回路50から出力される交流電圧は、ダイオードDIを通してバックアップ電源53に印加される。また、ダイオードDIのアノードの電圧が制御回路SEのディレイタイマ回路61に与えられ、ダイオードDEのカソードの電圧が制御回路SEの他の回路に与えられる。
昇圧型DC−DCコンバータ54は、ダイオードDIのカソードの電圧を昇圧する。昇圧型DC−DCコンバータ54から出力される電圧はファンモータ37に印加される。それにより、ファンモータ37が動作する。
制御回路SEにおいて、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62およびカウント回路63の全てから成立信号が出力された場合には、ANDゲート回路67の出力信号が論理“1”となり、接点SW3が閉じる。その結果、図13のモータリレーMRaに電流が供給され、接点MRが閉じる。それにより、圧縮機モータ22に交流電流が供給され、圧縮機モータ22が動作状態となる。
一方、図14のディレイタイマ回路61、第1の比較回路62およびカウント回路63の少なくとも1つから不成立信号が出力されれば、ANDゲート回路67の出力信号は論理“0”となり、接点SW3が開く。その結果、モータリレーMRaに電流が供給されず、接点MRが開く。それにより、圧縮機モータ22に電流が供給されず、圧縮機モータ22が停止状態となる。
このように、電源スイッチSW1,SW2がオンの状態では、ファンモータ37は動作状態に維持される。一方、圧縮機モータ22は、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62およびカウント回路63の出力信号に応じて動作状態と停止状態との間で切り換わる。
ここで、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62およびカウント回路63の出力信号、ならびに圧縮機モータ22の状態について説明する。図15は、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62およびカウント回路63の出力信号ならびに圧縮機モータ22の状態を示すタイミング図である。なお、図15において、成立信号をハイレベルで示し、不成立信号をローレベルで示す。後述の図17においても同様とする。また、圧縮機モータ22の動作状態をハイレベルで示し、停止状態をローレベルで示す。
図15に示すように、ディレイタイマ回路61は、電源スイッチSW1,SW2がオンした時点からの経過時間が、しきい値T1に達するまで、不成立信号を出力する。この場合、圧縮機モータ22は停止状態となっている。経過時間がしきい値T1に達すると、ディレイタイマ回路61は成立信号を出力する。
第1の比較回路62は、電源スイッチSW1,SW2がオンした時点からタンク内圧力が上限値P1に達するまでの期間は成立信号を出力する。第1の比較回路62は、タンク内圧力がタンク内圧力が上限値P1に達すると不成立信号を出力し、タンク内圧力が下限値P2になるまで不成立信号を維持する。その後、第1の比較回路62は、タンク内圧力が下限値P2になると成立信号を出力し、タンク内圧力が上限値P1に達するまで成立信号を維持する。すなわち、第1の比較回路62は、タンク内圧力の変動に応じて、成立信号および不成立信号を交互に出力する。
カウント回路63は、第1の比較回路62の立下り回数をカウントする。カウント値がしきい値N1以下の場合には、カウント回路63は成立信号を出力する。カウント値がしきい値N1より大きくなると、カウント回路63は不成立信号を出力する。
圧縮機モータ22は、上記のように、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62およびカウント回路63の全てから成立信号が出力されているときに動作状態となり、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62およびカウント回路63の少なくとも1つから不成立信号が出力されると停止状態となる。
そのため、圧縮機モータ22は、電源スイッチSW1,SW2がオンされた時点からの経過時間がしきい値T1に達した後、動作状態と停止状態とを繰り返し、第1の比較回路62の立下り回数がしきい値N1に達すると、それ以降は動作状態に移行しなくなる。
このように、図13および図14に示した電気回路を備える気体燃料充填装置100においては、上記第1の実施の形態とほぼ同様の動作が実現される。したがって、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
(5−2−a)電源の遮断
電源スイッチSW1,SW2がオフした場合、圧縮機モータ22には電流が供給されないが、ファンモータ37にはバックアップ電源53からの電流が供給される。そのため、圧縮機モータ22が動作状態であるときに電源スイッチSW1,SW2がオフした場合、圧縮機モータ22は即座に停止するが、ファンモータ37は所定時間動作する。
電源スイッチSW1,SW2がオフした場合、圧縮機モータ22には電流が供給されないが、ファンモータ37にはバックアップ電源53からの電流が供給される。そのため、圧縮機モータ22が動作状態であるときに電源スイッチSW1,SW2がオフした場合、圧縮機モータ22は即座に停止するが、ファンモータ37は所定時間動作する。
したがって、任意のタイミングで電源スイッチSW1,SW2がオフしても、筐体10内で圧縮機21から漏洩した気体燃料ならびに圧縮機21および圧縮機モータ22から発生した熱が筐体10内に滞留することが確実に防止される。なお、停電等の不測の事象により電源プラグ51からの交流電流の供給が停止したとしても、同様に、筐体10内に気体燃料および熱が滞留することが確実に防止される。
(6−3)電気回路の他の構成例
制御部40を構成する電気回路の他の例について説明する。制御部40を構成する電気回路の他の例では、図14に示した制御回路SEの代わりに、図16に示す制御回路SEaが設けられる。図16は、制御回路SEaの詳細な構成を示す図である。以下、制御回路SEaについて、制御回路SEと異なる点を説明する。
制御部40を構成する電気回路の他の例について説明する。制御部40を構成する電気回路の他の例では、図14に示した制御回路SEの代わりに、図16に示す制御回路SEaが設けられる。図16は、制御回路SEaの詳細な構成を示す図である。以下、制御回路SEaについて、制御回路SEと異なる点を説明する。
図16に示すように、制御回路SEaは、カウント回路63の代わりに、時間計測回路64および第2の比較回路66を含む。時間計測回路64は、第1の比較回路62の出力信号の不成立継続時間を計測し、第2の比較回路66に出力する。ここで、不成立継続時間とは、第1の比較回路62から不成立信号が継続して出力される時間のことをいう。
第2の比較回路66は、時間計測回路64からの不成立継続時間としきい値T3とを比較する。不成立継続時間がしきい値T3を超えていない場合には、第2の比較回路66は、論理“1”の成立信号をANDゲート回路67に出力する。不成立継続時間がしきい値T3を超えた場合には、第2の比較回路66は、論理“0”の不成立信号をANDゲート回路67に出力する。
ANDゲート回路67は、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62および第2の比較回路66の全てから成立信号が出力された場合に接点SW3を閉じ、それ以外の場合に接点SW3を開く。
(6−4)気体燃料充填装置の動作
図15の制御回路SEaを含む電気回路を備えた気体燃料充填装置100の動作について、図13の制御回路SEを含む電気回路を備えた気体燃料充填装置100の動作を異なる点を説明する。
図15の制御回路SEaを含む電気回路を備えた気体燃料充填装置100の動作について、図13の制御回路SEを含む電気回路を備えた気体燃料充填装置100の動作を異なる点を説明する。
電源スイッチSW1,SW2がオンの状態では、圧縮機モータ22は、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62および第2の比較回路66の出力信号に応じて動作状態と停止状態との間で切り換わる。
ここで、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62および第2の比較回路66の出力信号、ならびに圧縮機モータ22の状態について説明する。図17は、ディレイタイマ回路61、第1の比較回路62および第2の比較回路66の出力信号ならびに圧縮機モータ22の状態を示すタイミング図である。
図17に示すように、ディレイタイマ回路61および第1の比較回路62からの出力信号は、図15に示した例と同様である。第2の比較回路66は、不成立継続時間CTが予め定められたしきい値T3を超えるまで成立信号を出力する。上記のように、圧縮機モータ22が動作および停止を繰り返すと、タンク内圧力の低下速度が徐々に低くなる。すなわち、圧縮機モータ22が動作および停止を繰り返すと、不成立信号継続時間CTが長くなる。不成立継続時間CTが予め定められたしきい値T3を超えると、第2の比較回路66は不成立信号を出力する。
圧縮機モータ22は、不成立信号継続時間CTが予め定められたしきい値T3を超えるまで、図15に示した例と同様に動作および停止を繰り返し、不成立信号継続時間CTが予め定められたしきい値T3を超えると、それ以降は動作状態に移行しなくなる。
このように、図16に示した制御回路SEaを含む電気回路を備えた気体燃料充填装置100においては、上記第3の実施の形態とほぼ同様の動作が実現される。したがって、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することが可能となる。
(7)実施例
上記実施の形態に係る気体燃料充填装置100を用いた場合の燃料タンクTA内への気体燃料の充填量を調べた。
上記実施の形態に係る気体燃料充填装置100を用いた場合の燃料タンクTA内への気体燃料の充填量を調べた。
(7−1)第1の実施例
第1の実施例では、上限値P1を1MPa、下限値P2を0.5MPa、下限値P3を0.85MPa、回数カウンタのしきい値N2を“2”、しきい値N3を“3”に設定して上記第2の実施の形態と同様の制御処理を行い、燃料タンクTA内への気体燃料の充填を行った。なお、気体燃料としては純粋メタンを用い、燃料タンクTA内の吸着材としては活性炭を用いた。
第1の実施例では、上限値P1を1MPa、下限値P2を0.5MPa、下限値P3を0.85MPa、回数カウンタのしきい値N2を“2”、しきい値N3を“3”に設定して上記第2の実施の形態と同様の制御処理を行い、燃料タンクTA内への気体燃料の充填を行った。なお、気体燃料としては純粋メタンを用い、燃料タンクTA内の吸着材としては活性炭を用いた。
図18は、第1の実施例におけるタンク内圧力の変化および燃料タンクTAの温度の変化を示す図である。図18において、横軸は時間を示し、縦軸はタンク内圧力および温度を示す。また、点線は燃料タンクTAの中心部における温度を示し、破線は燃料タンクTAの表面における温度を示し、一点差線は室温を示し、実線はタンク内圧力を示す。なお、後述の図19および図20においても同様である。
図18に示すように、燃料タンクTAへの気体燃料の充填は3回行われる。1回目の充填は、タンク内圧力が大気圧から1.0MPaとなるまで行われ、2回目の充填は、タンク内圧力が0.5MPaから1.0MPaとなるまで行われ、3回目の充填は、タンク内圧力が0.85MPaから1.0MPaとなるまで行われる。なお、燃料タンクTAの温度は、1回目の気体燃料の充填時に最も高くなり、その後、時間の経過とともに室温付近まで低下した。
(7−2)第1の実施例の評価
表1には、第1の実施例における気体燃料の充填量および充填率が示される。なお、気体燃料の充填量とは、燃料タンク内に充填した気体燃料の室温における容積を示し、気体燃料の充填率とは、室温において1.0MPaの圧力で燃料タンクTAに貯蔵可能な気体燃料の理論上の容積に対する実際の充填量の割合を示す。
表1に示すように、1回目の充填時には、充填率が67%となるまでしか気体燃料を充填することができなかったが、2回目の充填時には、充填率が89%となり、3回目の充填時(動作終了時)には、充填率が95%となるまで気体燃料を充填することができた。
(7−3)第2の実施例
第2の実施例では、上限値P1を1MPa、下限値P2を0.7MPa、下限値P3を0.85MPa、回数カウンタのしきい値N2を“3”、しきい値N3を“4”に設定して上記第2の実施の形態と同様の制御処理を行い、燃料タンクTA内への気体燃料の充填を行った。なお、気体燃料としては純粋メタンを用い、また、燃料タンクTA内の吸着材としては活性炭を用いた。
第2の実施例では、上限値P1を1MPa、下限値P2を0.7MPa、下限値P3を0.85MPa、回数カウンタのしきい値N2を“3”、しきい値N3を“4”に設定して上記第2の実施の形態と同様の制御処理を行い、燃料タンクTA内への気体燃料の充填を行った。なお、気体燃料としては純粋メタンを用い、また、燃料タンクTA内の吸着材としては活性炭を用いた。
図19は、第2の実施例におけるタンク内圧力の変化および燃料タンクTAの温度の変化を示す図である。
図19に示すように、燃料タンクTAへの気体燃料の充填は4回行われる。1回目の充填は、タンク内圧力が大気圧から1.0MPaとなるまで行われ、2回目および3回目の充填は、タンク内圧力が0.7MPaから1.0MPaとなるまで行われ、4回目の充填は、タンク内圧力が0.85MPaから1.0MPaとなるまで行われる。なお、第1の実施例と同様に、燃料タンクTAの温度は1回目の気体燃料の充填時に最も高くなり、その後、時間の経過とともに室温付近まで低下した。
(7−4)第2の実施例の評価
表2には、第2の実施例における気体燃料の充填量および充填率が示される。
表2に示すように、1回目の充填時には、充填率が67%となるまでしか気体燃料を充填することができなかったが、4回目の充填時(動作終了時)には、充填率が96%となるまで気体燃料を充填することができた。
(7−5)第3の実施例
第3の実施例では、上限値P1を1MPa、下限値P2を0.75MPa、下限値P3を0.93MPa、回数カウンタのしきい値N2を“4”、しきい値N3を“5”に設定して上記第2の実施の形態と同様の制御処理を行い、燃料タンクTA内への気体燃料の充填を行った。なお、気体燃料としては純粋メタンを用い、また、燃料タンクTA内の吸着材としては活性炭を用いた。
第3の実施例では、上限値P1を1MPa、下限値P2を0.75MPa、下限値P3を0.93MPa、回数カウンタのしきい値N2を“4”、しきい値N3を“5”に設定して上記第2の実施の形態と同様の制御処理を行い、燃料タンクTA内への気体燃料の充填を行った。なお、気体燃料としては純粋メタンを用い、また、燃料タンクTA内の吸着材としては活性炭を用いた。
図20は、第3の実施例におけるタンク内圧力の変化および燃料タンクTAの温度の変化を示す図である。
図20に示すように、燃料タンクTAへの気体燃料の充填は5回行われる。1回目の充填は、タンク内圧力が大気圧から1.0MPaとなるまで行われ、2回目〜4回目の充填は、タンク内圧力が0.75MPaから1.0MPaとなるまで行われ、5回目の充填は、タンク内圧力が0.93MPaから1.0MPaとなるまで行われる。なお、第1の実施例と同様に、燃料タンクTAの温度は1回目の気体燃料の充填時に最も高くなり、その後、時間の経過とともに室温付近まで低下した。
(7−6)第3の実施例の評価
表3には、第3の実施例における気体燃料の充填量および充填率が示される。表3に示すように、1回目の充填時には、充填率が62%となるまでしか気体燃料を充填することができなかったが、5回目の充填時(動作終了時)には、充填率が97%となるまで気体燃料を充填することができた。
(7−7)総合評価
複数回にわたって間欠的に繰り返し気体燃料の充填を行うことにより、その充填量が徐々に増加し、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することができた。
複数回にわたって間欠的に繰り返し気体燃料の充填を行うことにより、その充填量が徐々に増加し、十分な量の気体燃料を燃料タンクTAに充填することができた。
(8)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、燃料タンクTAが貯蔵容器の例であり、圧縮機21および圧縮機モータ22が圧縮機圧縮充填手段の例であり、圧力センサS1が検出手段の例であり、制御部40が制御手段の例であり、上限値P1が第1の値の例であり、下限値P2,P3が第2の値の例であり、しきい値N2が第3の値の例であり、上限値P1と下限値P2との差が請求項5および6における所定値の例であり、しきい値T10が第4の値の例であり、しきい値R1が第5の値の例であり、モータ停止時間(時間T11,T12,T13・・・)が請求項8および9における所定時間の例であり、しきい値N1,N3が第6の値の例であり、しきい値T3が請求項11における予め定められた時間の例であり、排気ファン36およびファン駆動用モータ37が雰囲気導出機構の例であり、しきい値T1またはしきい値T2が請求項12における所定時間の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、気体燃料を種々の容器に充填する際に利用することができる。
10 筐体
21 圧縮機
22 圧縮機モータ
36 排気ファン
37 ファンモータ
40 制御部
41 タイマー
51 電源プラグ
53 バックアップ電源
61 ディレイタイマ回路
62 第1の比較回路
63 カウント回路
64 時間計測回路
66 第2の比較回路
67 ANDゲート回路
100 気体燃料充填装置
GR 気体燃料供給源
MR,SW3 接点
MRa モータリレー
S1 圧力センサ
SW1,SW2 電源スイッチ
SE 制御回路
TA 燃料タンク
21 圧縮機
22 圧縮機モータ
36 排気ファン
37 ファンモータ
40 制御部
41 タイマー
51 電源プラグ
53 バックアップ電源
61 ディレイタイマ回路
62 第1の比較回路
63 カウント回路
64 時間計測回路
66 第2の比較回路
67 ANDゲート回路
100 気体燃料充填装置
GR 気体燃料供給源
MR,SW3 接点
MRa モータリレー
S1 圧力センサ
SW1,SW2 電源スイッチ
SE 制御回路
TA 燃料タンク
Claims (13)
- 気体燃料を吸着材に吸着させて貯蔵する貯蔵容器に気体燃料を充填するための気体燃料充填装置であって、
気体燃料を前記貯蔵容器に圧縮して充填する圧縮充填手段と、
前記貯蔵容器内の圧力を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出される前記貯蔵容器内の圧力の変化に応じて間欠的に前記貯蔵容器に気体燃料が充填されるように前記圧縮充填手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする気体燃料充填装置。 - 前記制御手段は、前記貯蔵容器内の圧力が第1の値になると、前記貯蔵容器内の圧力が前記第1の値よりも低い第2の値になるまで前記圧縮充填手段による前記貯蔵容器への気体燃料の充填を停止し、前記貯蔵容器内の圧力が前記第2の値になると、前記圧縮充填手段による前記貯蔵容器への気体燃料の充填を再度開始することを特徴とする請求項1記載の気体燃料充填装置。
- 前記第2の値は、前記貯蔵容器に気体燃料が充填される回数に応じて変更されることを特徴とする請求項2記載の気体燃料充填装置。
- 前記第2の値は、前記貯蔵容器に気体燃料が充填される回数が予め定められた第3の値に達すると増加されることを特徴とする請求項3記載の気体燃料充填装置。
- 前記第2の値は、前記貯蔵容器への気体燃料の充填が停止される状態で前記貯蔵容器内の圧力が前記第1の値から所定値低下するまでの時間に応じて変更されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の気体燃料充填装置。
- 前記第2の値は、前記貯蔵容器内の圧力が前記第1の値から前記所定値低下するまでの時間が予め定められた第4の値よりも長くなると増加されることを特徴とする請求項5記載の気体燃料充填装置。
- 前記制御手段は、前記貯蔵容器内の圧力が第1の値になると、前記貯蔵容器内の圧力の低下率が予め定められた第5の値になるまで前記圧縮充填手段による前記貯蔵容器への気体燃料の充填を停止し、前記貯蔵容器内の圧力の低下率が前記第5の値になると、前記圧縮充填手段による前記貯蔵容器への気体燃料の充填を再度開始することを特徴とする請求項1記載の気体燃料充填装置。
- 前記制御手段は、前記貯蔵容器内の圧力が第1の値になると、所定時間が経過するまで前記圧縮充填手段による前記貯蔵容器への気体燃料の充填を停止し、前記所定時間が経過すると、前記圧縮充填手段による前記貯蔵容器への気体燃料の充填を再度開始することを特徴とする請求項1記載の気体燃料充填装置。
- 前記所定時間は、前記貯蔵容器に気体燃料が充填される回数に応じて変更されることを特徴とする請求項8記載の気体燃料充填装置。
- 前記制御手段は、前記貯蔵容器に気体燃料が充填される期間の間隔が予め定められた時間よりも長くなると、それ以降は前記貯蔵容器に気体燃料が充填されないように前記圧縮充填手段を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の気体燃料充填装置。
- 前記制御手段は、前記貯蔵容器に気体燃料が充填される回数が予め定められた第6の値に達すると、それ以降は前記貯蔵容器に気体燃料が充填されないように前記圧縮充填手段を制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の気体燃料充填装置。
- 前記圧縮充填手段の周囲を取り囲む筐体と、
前記筐体内の雰囲気を前記筐体の外部に導く雰囲気導出機構とをさらに備え、
前記制御手段は、前記貯蔵容器への気体燃料の充填の開始時点よりも所定時間前の時点から前記貯蔵容器への気体燃料の充填の停止時点よりも所定時間後の時点まで前記筐体内の雰囲気が前記筐体の外部に導かれるように前記雰囲気導出機構を制御することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の気体燃料充填装置。 - 気体燃料を吸着材に吸着させて貯蔵する貯蔵容器に気体燃料を充填するための気体燃料充填方法であって、
圧縮充填手段により気体燃料を前記貯蔵容器に圧縮して充填する工程と、
検出手段により前記貯蔵容器内の圧力を検出する工程と、
前記検出手段により検出される前記貯蔵容器内の圧力の変化に応じて間欠的に前記貯蔵容器に気体燃料が充填されるように前記圧縮充填手段を制御手段により制御する工程とを備えることを特徴とする気体燃料充填方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006272022A JP2008089123A (ja) | 2006-10-03 | 2006-10-03 | 気体燃料充填装置および気体燃料充填方法 |
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ID=39373476
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104121474A (zh) * | 2014-06-30 | 2014-10-29 | 潍柴动力股份有限公司 | 车辆及其充气系统、充气方法 |
DE102014216416A1 (de) | 2013-08-27 | 2015-03-05 | Suzuki Motor Corporation | Brenngas-einfüllvorrichtung |
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JP2022179284A (ja) * | 2021-05-20 | 2022-12-02 | 烟台創為新能源科技股▲ふん▼有限公司 | 電池パックの充電システムおよびその充電方法 |
-
2006
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