JP2008088539A - 高炉の操業方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】転炉装入原料の銑配率を下げることができるような高炭素含有溶銑を製造するための高炉操業方法を提案すること、特に、溶銑中の炭素含有量を0.3mass%程度以上に増加させることができる操業方法を提案する。
【解決手段】炉頂から鉄鉱石、焼結鉱等およびコークスを装入するとともに、羽口からは熱風等を吹き込んで製銑を行う高炉の操業方法において、高炉の軸芯部に、低灰分のコークスを所定量以上装入して溶銑中のC含有量を増加させる操業を行う高炉の操業方法。
【選択図】図1
【解決手段】炉頂から鉄鉱石、焼結鉱等およびコークスを装入するとともに、羽口からは熱風等を吹き込んで製銑を行う高炉の操業方法において、高炉の軸芯部に、低灰分のコークスを所定量以上装入して溶銑中のC含有量を増加させる操業を行う高炉の操業方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、高炉の操業方法に関し、とくに、通常操業時に比べて、炭素[C]含有量の高い溶銑を得るのに有効な高炉の操業方法を提案する。
鋼を溶製する好適な方法は、高炉で生産した溶銑にスクラップや還元鉄等の加えて転炉で精錬を行う方法である。この転炉での精錬において、溶銑の配合比率(即ち、「銑配率」という)をどの程度にするかは、鋼を生産する上で極めて重要な管理項目の1つである。
ただし、近年、地球温暖化が懸念されていることから、製鉄業界においては、二酸化炭素発生量の削減が求められている。その二酸化炭素削減のためには、転炉内にスクラップや還元鉄を装入して前記銑配率を低下させることが、有効と考えられる。しかし、この方法は、溶銑量が減って熱容量が小さくなる分だけ、転炉内の溶鋼温度が低下するため、同じ精錬効果を上げるには、どうしても熱補償が必要になる。即ち、転炉の精錬における脱炭工程は、酸素吹込みによる発熱反応であり、銑配率の高い溶銑を使う場合は、十分な熱補償が期待できるが、銑配率が低くなってくると、十分な精錬温度の確保ができなくなってしまう。そのため、銑配率を低下することには自ずから下限がある。とくに、転炉精錬における脱炭工程での発熱量は、溶銑中の炭素量に比例するため、銑配率を下げても十分な熱量を確保するためには、溶銑中の炭素含有量を上昇させることが有効であると考えられる。
従来、上述した銑配率を低下させても転炉の操業ができるように、特許文献1では、「スクラップを高炉溶銑に配合して、転炉で酸素水錬する方法において、購入スクラップの如き一般スクラップを予め加炭溶解して、C含有量が3%以上のスクラップ溶解物を得て、高炉溶銑への配合量を調節」する方法を提案している。
特開平4−57725号公報
しかし、特許文献1に開示の方法は、新らたに加炭工程を採用することを意味しており、時間的な制約やコストの面での障害が大きく、実用的な解決手段を提供することになっていないのが実情である。
従って、銑配率の低い溶銑を、上述した加炭処理を行うことなく、直接、転炉で使用するには、その溶銑自身の改質、とりわけ溶銑成分のうち炭素含有量(以下、単に「C含有量」という)を増大することができるような高炉操業を行うことが要であると考えられる。しかしながら、溶銑中のC含有量のみを選択的に増大させるような高炉操業を行うには、次のような解決すべき課題が残されていた。
一般に、高炉の炉下部の軸芯部は、炭素質固体還元剤(通常、これを「炉芯コークス」という)が充填された構造になっている。そして、溶銑はこの炉芯コークス粒の間を抜けて滴下しながら炉底部の湯溜り部に達し、しかるのち出銑口より炉外に排出される。従って、溶銑というのは、その液滴が炉芯コークスの間を通り抜けて落下生成したものであるから、この溶銑中に含まれる炭素濃度は、当然のことながら飽和状態(略5.0〜5.1mass%)となり、制御不能な成分であると考えられていた。そのために、従来、特許文献1に開示されているような加炭工程を伴う転炉製鋼法が考えられていたのである。
そこで、本発明の目的は、転炉装入原料の銑配率を下げることができるような高炭素含有溶銑に、簡便に改質できるような高炉の操業方法を提案すること、特に、溶銑中の炭素含有量が4.8mass%程度以上になるように改質することができる高炉の操業方法を提案することにある。
従来技術が直面している上述した課題に対し、鋭意検討した結果、発明者らは、炉頂装入用炭素質固体還元剤(以下、これを「炉頂装入コークス」という)として、低灰分のコークスを適所を選んで供給した場合には、以外にも、従来は飽和していると考えられていた溶銑中の炭素濃度を、増加させることができるという知見を得て、本発明を開発するに到った。
即ち、本発明は、炉頂から鉄鉱石、焼結鉱等およびコークスを装入するとともに、羽口からは熱風等を吹き込んで製銑を行う高炉の操業方法において、高炉軸芯部に低灰分コークスを装入して溶銑中のC含有量を増加させる操業を行うことを特徴とする高炉の操業方法を提案する。
本発明においては、前記軸芯部は、無次元半径で0.20以内、好ましくは0.15以内、より好ましくは0.12以内の領域であること、前記低灰分コークスは、灰分含有量が11mass%以下のコークスであること、軸芯部に装入する前記低灰分コークスは、炉頂総装入コークス量の4〜20mass%に相当する量であることが、より有効な解決手段となり得るものと考えられる。
以上説明した構成の採用により、本発明によれば、溶銑中への炭素の溶解(浸炭)を促進して、炭素濃度の高い溶銑を出銑することができる他、同じ溶銑量から相対的により多くの鋼を生産することが可能になる。
また、本発明によれば、転炉装入原料の銑配率を、熱容量の低下を招くことなく下げることができるから、二酸化炭素の総排出量を抑えることができ、ひいては地球温暖化阻止に寄与する環境にやさしい製鉄技術を提案することができるという効果がある。
また、本発明によれば、転炉装入原料の銑配率を、熱容量の低下を招くことなく下げることができるから、二酸化炭素の総排出量を抑えることができ、ひいては地球温暖化阻止に寄与する環境にやさしい製鉄技術を提案することができるという効果がある。
発明者らの研究によれば、溶銑中に、より多くの炭素を溶解させるには、
(a)溶銑の飽和濃度を上昇させる、
(b)炉内滞留時間を長くして浸炭反応の時間を延長する、
(c)浸炭速度を加速する、
という手段が考えられる。
(a)溶銑の飽和濃度を上昇させる、
(b)炉内滞留時間を長くして浸炭反応の時間を延長する、
(c)浸炭速度を加速する、
という手段が考えられる。
上掲の各手段のうち、(a)の溶銑の飽和炭素濃度については、溶銑温度と溶銑成分(燐、硫黄、珪素など)によって決定されており、これらは厳密に管理されているため、この飽和炭素濃度を増加(変える)させるのは困難である。次に、(b)の炉内滞留時間は、炉床湯溜り容積と生産速度で決定されるが、前者は炉体設計、後者は指定生産量で規定されるため、やはり制御が困難である。但し、(c)の浸炭速度を上昇させることについては、検討の余地がある。
浸炭は、一般に、溶銑と還元剤(コークス等)との接触界面で進行するため、この還元剤(以下、単に「炭材」という)成分の影響が大きいと考えられる。とりわけ、この炭材中に含まれる不純物(灰分)の影響は大きく、この灰分が接触(反応)界面に析出すると、浸炭の阻害要因となることがわかった。
図1は、発明者らが行った実験における炉頂装入コークスの灰分量と溶銑中の[C]量との関係を示すものであるが、コークス中の灰分量が増加すればする程、溶銑中の[C]量が低下することがわかった。従って、溶銑中により多くの炭素を溶解(浸炭)させるには、少なくとも低灰分コークスを炉頂より装入することが有効であると考えられる。但し、低灰分のコークスは高価であり、これを全て、従来の通常の高炉用コークスに代替させることは現実的でない。
そこで、発明者らは、低灰分コークスについての分別装入について検討した。図2は、炉頂装入コークスの高炉内における流下の状態を模式的に示したものである。炉頂から装入されたコークスは、一般に、その大半(炉周側寄りのコークスCp)は、羽口から吹き込まれる熱風によって燃焼(鉄鉱石の還元反応のために)消費されることとなるが、図示したように、炉芯コークスCcは還元反応に使われることなく、そのまま降下して炉下部に達して炉芯コークス層Cfを形造る。そして、鉄鉱石の還元によって生成した鉄の溶滴(溶銑)は、その炉芯コークス層Cfのコークス粒の隙間を抜けて炉底の湯溜り部Mに溜まる。
このことから、溶銑への浸炭反応に寄与する炭材とは、正に、炉軸芯部に装入された炉芯コークスCcということができる。従って、本発明の目的のために使われる上述した低灰分コークスは、この炉芯コークスCcのみに使用することが、銑鉄製造コストを下げる意味において望ましいことである。
また、図1は、低灰分コークスを、炉の半径(R)に対する炉中心からの距離で示される無次元半径(r)の値が0.15以内の高炉の軸芯部のみに集中して分別装入した場合と、炉半径方向の全体に亘って均一装入した場合とを対比して示したが、全体に均一に装入する場合よりも軸芯部に限って分別装入した場合でも十分に効果があることが、この図から読みとれる。従って、本発明において、低灰分コークスを炉頂に装入する場合、炉軸芯部位置に特定して装入することが、費用的(低灰分コークスを使用することによるコスト増を考えても)に効果があることがわかる。
また、発明者らの研究によれば、炉頂の軸芯部に装入するコークスは、炉頂の無次元半径(r)が0.20以内、好ましくは0.15以内、より好ましくは0.12以内の範囲内に、ベルレス装入シュートなどを使って装入する。低灰分コークスの装入位置を上記の無次元半径(r)以内に限定した理由は、これらの範囲、とくにr=0.20を超える位置まで拡大して装入すると、装入量が多くなり、低灰分コークスを使用する費用がかさみ、費用対効果が薄くなるからである。
本発明で用いる低灰分コークスとは、灰分の量が無水ベースで9〜11mass%程度のものである。これは通常の高炉用コークスの11.5〜12.5mass%に比べて、低灰分と言えるコークスであり、このようなコークスは、原料炭の灰分が少ないもの、例えば、カラー炭やケストレル炭などを多く含む、あるいは選炭を強化して低灰分化した配合炭を、コークス炉で乾留することによって得られる他、廃カーボン材(カーボンレンガ、カーボン電極など)の混入使用により、低灰分化する処理によっても得られるものである。
次に、本発明において、前記低灰分コークスは、炉頂総装入コークス量の4mass%以上の量、好ましくは4〜20mass%程度を、炉軸芯部装入コークスとして用いる。この量は、前記炉無次元半径r:0.20に装入堆積させ得る量を考慮し、かつ費用対効果を考慮して決定したものであり、4mass%未満の使用量では装入の効果がなく、一方、20mass%を超えても、溶銑中C含有量の増加をあまり見込むことができないからである。
本発明に従い、4つの高炉(内容積A:2800m3、B:3200m3、C:5000m3、D:5500m3)にて、コークス中の灰分を低下させる操業を行った。コークスの灰分は、当初12mass%のものを用いていたが、10mass%未満のものを、全量装入した結果、溶銑中の[C]mass%は、平均約4.6mass%から平均約4.9mass%に上昇し、図1に示した結果(その差:約0.3mass%)と符合する[C]mass%増加の効果が得られることが確かめられた。また、コークスの灰分10mass%未満のものを炉無次元半径(r)の0.20以内の位置に限定して、コークス装入量の9mass%量の使用量として、装入した結果もほぼ同様に図1と符合する[C]mass%増加の効果を得ることができた。
本発明は、転炉装入用高炭素含有溶銑を生産するための高炉操業技術の他、高[C]%銑鉄(鋳鉄)などの製造技術の分野などにおいても適用が可能である。
Cc 炉芯コークス
Cf 炉芯コークス層
Cp 炉周側寄りのコークス
Cf 炉芯コークス層
Cp 炉周側寄りのコークス
Claims (4)
- 炉頂から鉄鉱石、焼結鉱等およびコークスを装入するとともに、羽口からは熱風等を吹き込んで製銑を行う高炉の操業方法において、高炉軸芯部に低灰分コークスを装入して溶銑中のC含有量を増加させる操業を行うことを特徴とする高炉の操業方法。
- 前記軸芯部は、無次元半径で0.20以内の領域であることを特徴とする請求項1に記載の高炉の操業方法。
- 前記低灰分コークスは、灰分含有量が11mass%以下のコークスであることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉の操業方法。
- 軸芯部に装入する前記低灰分コークスは、炉頂総装入コークス量の4〜20mass%に相当する量であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炉の操業方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006273765A JP2008088539A (ja) | 2006-10-05 | 2006-10-05 | 高炉の操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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