JP2008088148A - ダメージ毛修復剤及び頭髪化粧料 - Google Patents

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弥生 小田
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Abstract

【課題】ダメージ毛の修復効果に優れたダメージ毛修復剤および頭髪化粧料を提供すること。
【解決手段】
下記化合物を配合してなるダメージ毛修復剤。
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylate及び/またはその塩
【選択図】図1

Description

本発明は、ダメージ毛の修復効果に優れることを特徴とするダメージ毛修復剤及びそのダメージ毛修復剤を配合することで毛髪や枝毛の修復効果、保護効果に優れた頭髪化粧料に関する。
従来、特許文献1〜3に示すように各種のシリコーン系化合物が毛髪の摩擦を少なくすることに着目したり、帯電を緩和する機能を利用して毛髪の枝毛予防をする技術が知られている。
特開平4−66518号公報 特開平9−59132号公報 特開平2000−290145号公報
しかしながら、シリコーン系の化合物は枝毛を予防はするものの、できてしまった枝毛を補修する効果はあまり強くなかった。
そこで、本発明人は鋭意検討した結果、フッ素化アクリル樹脂誘導体の一種で、以下の特定の構造を有する化合物が低濃度でも有効に枝毛を修復する機能があることを見いだした。
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylate及び/またはその塩
そして、この化合物を配合した化粧料は、毛髪及び枝毛の修復機能に優れるだけでなく、枝毛の抑制効果にも優れていた。
すなわち、本発明は、下記化合物からなるダメージ毛修復剤。
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylate及び/またはその塩
にある。
第2の本発明は、前記のダメージ毛修復剤を配合することを特徴とする頭髪化粧料にある。
第3の本発明は、前記のダメージ毛修復剤及びシリコーンガムを配合することを特徴とする上記の頭髪化粧料にある。
第4の本発明は、前記のダメージ毛修復剤の製剤中への配合量が、製剤質量の総量に対して0.1〜5質量%の範囲にあることを特徴とする上記の頭髪化粧料にある。
以上説明するように、本発明は、下記化合物からなる毛髪や枝毛の修復効果に優れたダメージ毛修復剤であり、本ダメージ毛修復剤を配合した頭髪化粧料も毛髪や枝毛の修復効果に優れ、かつ毛髪の保護効果にも優れた特性を有していることは明らかである。
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylate及び/またはその塩
以下、上記本発明を詳細に説明する。
本発明のダメージ毛修復剤は下記化合物からなる。
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylate及び/またはその塩
尚、本化合物は下記のようにも表記できる。
Polymer with 2−(diethylamino)ethyl 2−methyl−2−propenoate,2−hydroxyethyl 2−methyl−2−propenoate and 3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−tridecafluorooctyl 2−methyl−2−propenoate 及び/またはその塩
この化合物の代表的なものとしては、旭硝子社から発売されているAG−E067が挙げられる。塩の種類としては、酢酸、クエン酸等の有機酸、アスコルビン酸、塩酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。
本化合物の塩を精製水で希釈し、その有効濃度を評価したところ、0.1質量%以上の領域にてダメージ毛の修復効果が認められ、これはつけっぱなしの時も水洗時の場合も同様に効果があった。本発明で言う修復効果とは、毛髪を電子顕微鏡観察した場合に、ダメージを故意に与えた毛髪表面のダメージが修復またはカバーされていること、ダメージ毛の毛束を感触評価した際に毛髪のコシ、切断強度が向上していることを言う。
本発明では、上記のダメージ毛修復剤を、頭髪化粧料中に配合することができる。本発明の頭髪化粧料では、頭髪化粧料の製剤質量に対して、上記のダメージ毛修復剤をダメージ毛修復剤の固型分換算で、0.1〜5質量%の範囲で配合することが好ましい。配合量が0.1質量%未満であると、頭髪化粧料の他の配合成分の影響を受けて、本ダメージ毛修復剤の効果が得られにくい場合がある。5質量%を超えても毛髪の修復効果は問題がないものの、感触面で悪影響がでることがあり、5質量%以下であると製剤の感触と効果のバランスが良いメリットがある。
本発明のダメージ毛修復剤は、毛髪のダメージが修復またはカバーし、毛髪のコシ、切断強度を向上させるメリットがあるものの、一方で、毛髪の摩擦抵抗を強くする問題がある。そのため、本発明の頭髪化粧料では、毛髪の摩擦抵抗を下げる成分を併用することが好ましい。例えば、シリコーン系化合物、フッ素系油剤、樹脂パウダー等が挙げられるが、特にシリコーンガム系化合物との組み合わせが好ましい。シリコーン系ガムの例としては、ジメチコンガム、ジメチコノールガム、ポリエーテル変性シリコーンガム等が挙げられる。シリコーンガム系化合物はエマルジョンや溶解液などの形態で配合することが好ましい。本発明の頭髪化粧料においてシリコーンガムを配合する場合の配合量としては、シリコーンガム純分の質量として、頭髪化粧料の製剤質量に対して、0.5〜30質量%の範囲にあることが好ましい。0.5質量%未満では本発明のダメージ毛修復剤の感触調整効果が不足する場合があり、30質量%を超えると、本発明のダメージ毛修復剤の毛髪への吸着よりも先にシリコーンガムの吸着が起こる場合があり、ダメージ毛の修復効果が低下する問題がある。
本発明の化粧料は上記の各成分以外に、通常化粧料に用いられる油剤、樹脂、粉体(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、防腐剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤等の成分を使用することができる。例えば、シリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、揮発性シリコーン(環状シリコーン、メチルトリメチコン)等のシリコーン化合物が挙げられる。
界面活性剤の例としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。より詳しくは脂肪酸石鹸、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、ラウリン酸アルカノールアミド、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーン等のノニオン性界面活性剤、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等の両性界面活性剤が挙げられる。また、サポニン、糖系界面活性剤等の天然系界面活性剤を用いることもできる。
本発明の頭髪化粧料で用いられる樹脂、粘剤の例としては、例えば、アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28−1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28−2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、t−ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレアート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、B.F.GOODRICH社製)、架橋型ポリアクリル酸(ペミュレン、BF GOODRICH社製)などのアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリエート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミト/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)などの両性高分子化合物や、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)などのカチオン性高分子化合物や、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクレレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)などのノニオン性高分子化合物などがある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストランなどの天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
本発明の頭髪化粧料で用いる多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1、3−ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラフィノース、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体なども使用可能である。
本発明の頭髪化粧料で用いる油剤としては、通常化粧料に用いられる揮発性および不揮発性の油剤および溶剤および樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト固体であっても構わないが、ハンドリングに優れる液体が好ましい。油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、キョウニン油、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等:グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール等のフッ素化合物などが挙げられる。
本発明の頭髪化粧料としては、例えばシャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアパック、ヘアワックス、ヘアカラー、ヘアトニック、育毛剤、養毛剤、セット剤、枝毛コート剤などが挙げられる。
以下に実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ダメージ毛の作製
中国人由来黒色毛髪束をシュワルツコフヘンケル社製ブリーチ(製品名フレッシュライト メガメガブリーチ)を用いて50分間処理し、良く水洗した後、一昼夜自然乾燥させた。その後ブラシを用いて計600回ブラッシングしてダメージ毛を作製した。ダメージの程度は、走査型電子顕微鏡を用いて画像的に確認した。図1、図2に本試料の走査型電子顕微鏡写真の例を示す。本試料はキューティクルの剥離、脱落など外観上はっきり損傷が分かる状態となっていることが判る。また、本試料は未処理毛と比べて毛髪強度が低下しており、引張ると容易に切断される状態となっていた。
〔実施例1〕
本発明のダメージ毛修復剤である
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylateの酢酸塩水溶液(固型分濃度2質量%)を作成し、その中にダメージ毛を5分間浸漬処理した。その後一昼夜自然乾燥させた。
〔実施例2〕
本発明のダメージ毛修復剤である
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylateの酢酸塩水溶液(固型分濃度2質量%)を作成し、その中にダメージ毛を5分間浸漬処理した後、すぐに用いたダメージ毛の質量の6000倍量の水道水にて洗浄を3回繰り返し行った。その後一昼夜自然乾燥させた。
〔実施例3〕
本発明のダメージ毛修復剤である
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylateの酢酸塩水溶液(固型分濃度0.2質量%)を作成し、その中にダメージ毛を5分間浸漬処理した。その後一昼夜自然乾燥させた。
〔実施例4〕
本発明のダメージ毛修復剤である
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylateの酢酸塩水溶液(固型分濃度0.2質量%)を作成し、その中にダメージ毛を5分間浸漬処理した後、すぐに用いたダメージ毛の質量の6000倍量の水道水にて洗浄を3回繰り返し行った。その後一昼夜自然乾燥させた。
評価結果
実施例1で作製した試料の走査型電子顕微鏡写真の例を図3、図4に示す。
実施例2で作製した試料の走査型電子顕微鏡写真の例を図5、図6に示す。
実施例3で作製した試料の走査型電子顕微鏡写真の例を図7、図8に示す。
実施例4で作製した試料の走査型電子顕微鏡写真の例を図9、図10に示す。
これらの走査型電子顕微鏡写真の比較から、本発明のダメージ毛修復剤で処理した毛髪は、処理していない毛髪と比べて劇的に毛髪の表面状態を改善していることが判る。また、洗い流し、つけっぱなしのいずれの条件においてもその有効性が保たれていることが判る。
実施例1〜4及び処理していないダメージ毛(各10本)の切断強度を評価した。その結果、実施例1〜4の毛髪はいずれも処理していないダメージ毛と比べて切断強度が強くなっていた。
実施例1〜4及び処理していないダメージ毛(各100本)の髪のコシ(折れ曲がり強度)を評価した。その結果、実施例1〜4の毛髪はいずれも処理していないダメージ毛と比べて折れ曲がり強度が強くなっていた。
〔実施例5〕
ダメージ毛修復剤として、
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylateの酢酸塩水溶液(固型分濃度20質量%)を用い、表1の処方に従ってヘアトリートメントを作製した。
Figure 2008088148
常法により上記組成のヘアートリートメントを調製し容器に充填して製品とした。
〔比較例1〕
実施例5のダメージ毛修復剤の代りにジメチルポリシロキサン(500000cSt;25℃)を用い、メチルフェニルポリシロキサンと事前混合して用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
〔実施例6〕
ダメージ毛修復剤として、
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylateの酢酸塩水溶液(固型分濃度20質量%)を用い、シリコーンガム水性乳濁液として東レ・ダウコーニング社製BY22−029を用い、表2の処方に従ってトリートメントシャンプーを作製した。
Figure 2008088148
常法により上記組成のトリートメントシャンプーを調製し容器に充填して製品とした。
〔比較例2〕
実施例6のダメージ毛修復剤の代りに精製水を用いた他は全て実施例6と同様にして製品を得た。
実施例5〜6及び比較例1〜2の評価
パネラー10名にて試験品の使用評価を行った。各試験項目に対して、実施例の方が優れていると回答した人数を以って評価結果とした。実施例5と比較例1の比較試験結果を表3に、実施例6と比較例2の比較試験結果を表4に示す。
Figure 2008088148
Figure 2008088148
表3と表4の結果から、本発明の実施例は比較例と比べて髪の強度を向上させ、枝毛を減少させ、切れ毛を減らしていることから、毛髪のダメージを修復していることが判る。また、さらに髪のまとまりを向上させている効果も認められた。
〔実施例7〕
ダメージ毛修復剤として、
Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylateの酢酸塩水溶液(固型分濃度20質量%)を用い、ジメチコノールガム溶液としてジメチコノールガム20質量%デカメチルシクロペンタシロキサン溶液を用い、表5の処方に従ってキューティクルコート剤を作製した。
Figure 2008088148
常法により上記組成のキューティクルコート剤を調製し容器に充填して製品とした。
実施例7のキューティクルコート剤は染毛後のダメージヘアの髪質改善に高い効果を示し、色落ち防止効果も有していた。
以上を総括すると、本発明のダメージ毛修復剤は毛髪表面に吸着して、毛髪の損傷部位をカバーし、髪質を改善する効果があることが判る。
ブリーチ・ブラッシング処理毛髪表面の走査型電子顕微鏡写真の例 ブリーチ・ブラッシング処理毛髪表面を拡大した走査型電子顕微鏡写真の例 実施例1の処理毛髪表面の走査型電子顕微鏡写真の例 実施例1の処理毛髪表面を拡大した走査型電子顕微鏡写真の例 実施例2の処理毛髪表面の走査型電子顕微鏡写真の例 実施例2の処理毛髪表面を拡大した走査型電子顕微鏡写真の例 実施例3の処理毛髪表面の走査型電子顕微鏡写真の例 実施例3の処理毛髪表面を拡大した走査型電子顕微鏡写真の例 実施例4の処理毛髪表面の走査型電子顕微鏡写真の例 実施例4の処理毛髪表面を拡大した走査型電子顕微鏡写真の例

Claims (4)

  1. 下記化合物からなるダメージ毛修復剤。
    Copolymer of polyfluorooctylmethacrylate,N,N−diethylaminoethylmethacrylate,
    2−hydroxyethylmethacrylate and 2,2’−ethylenedioxydiethyldimethacrylate及び/またはその塩
  2. 請求項1に記載のダメージ毛修復剤を配合することを特徴とする頭髪化粧料。
  3. 請求項1に記載のダメージ毛修復剤及びシリコーンガムを配合することを特徴とする請求項2に記載の頭髪化粧料。
  4. 請求項1に記載のダメージ毛修復剤の製剤中への配合量が、製剤質量の総量に対して0.1〜5質量%の範囲にあることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の頭髪化粧料。
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JP2019516067A (ja) * 2016-03-09 2019-06-13 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ モデリングシステム
JP2019516948A (ja) * 2016-03-09 2019-06-20 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ モデリングシステム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019516067A (ja) * 2016-03-09 2019-06-13 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ モデリングシステム
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