JP2008087429A - ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置とラインヘッドの制御方法 - Google Patents

ラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置とラインヘッドの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光素子に対するデータ転送を簡略化したラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置とラインヘッドの制御方法を提供すること。
【解決手段】印刷データDaの文字列やコマンド列は、プリンタコントローラ53でラインヘッドの各画素に対応した階調データDbに展開される。予めラインヘッド56のシリアルEEPROM58からヘッド制御基板54に読みこまれた画素ごとの光量補正データDdも、階調値と合わせたデータDcとしてエンコーダ55によりエンコードして、ラインヘッド56に転送する。データDcは階調値と光量補正値が1つのグループのデータ線で所定のビットで転送される。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子に対するデータ転送を簡略化したラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置とラインヘッドの制御方法に関する。
一般に、電子写真方式のトナー像形成手段は、外周面に感光層を有する像担持体としての感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段とを有している。このような露光手段として、ヘッドアレイに多数の光源を配列したラインヘッドが用いられる場合がある。
ラインヘッドの各画素(発光素子)の光量は、どのような光源を用いても均一にすることは困難である。一方、画素の光量の僅かな差が、画像においては縦筋状の濃度ムラとなって表れるので、光量を均一にする必要がある。例えば、各画素の光量の誤差が±2%程度であっても、印刷画像には濃度ムラが表れる。このような光量のばらつきは、光源の製造方法に起因するものが多いが、SLA(セルフォックレンズアレイ、日本板硝子株式会社の商標)のような結像光学系の不均一に起因するものもある。従って、光量を補正するための光量測定は、結像光学系の取り付け(あるいは調整)を行ってからなされている。
ラインヘッドの出荷時には、このように均一な画像を得るために必要な光量測定が行われ、各画素の光量補正値が計算される。光量補正値は、ラインヘッド内の不揮発メモリに書き込まれるか、または、ラインヘッドの外にあるヘッド制御基板などに保存されている。決定された補正値は、ラインヘッドに設けられたEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)内に書き込まれる。
このような用途には、12C(フィリップス社の提唱した規格)インターフェースを持つシリアルEEPROMが用いられる。これは、ROMへの書き込み/読み出しをシリアルポートで行うものであり、チップのピン数が少なくパッケージのサイズも小さいので、ラインヘッドに内蔵するのに適している。しかしながら、シリアルEEPROMは読み出し速度が遅いので、ラインごとの露光時に毎回全画素の補正値を読みだすことはできない。
光量補正値は、プリンタ本体の起動時などに上記のメモリなどからヘッド制御基板に読みこまれ、感光体に1つのラインを書き込むたびに毎回ラインヘッドに転送される。ラインヘッド内にメモリやレジスタなどの形で光量補正値を一時保存できるようにすれば、毎回転送する必要はない。しかしながら、現在のラインヘッドでは、全画素を同時に点灯するのではなく、1ラインの中で複数のブロックに区切って、順次データの転送と点灯を繰り返す時分割駆動を行っており、1画素に対して1つの駆動回路が対応するわけではない。したがって、このようなメモリやレジスタをラインヘッド内に設けたドライバ内に持つことは困難である。
一方、光量補正値を一時保存するためにラインヘッド内に不揮発メモリを設ける場合でも、通常は低速のシリアルポートしか持たないEEPROMなどを用いるので、ラインごとに毎回補正値を読みだすことは速度的に困難であった。従って、光量補正データを全画素分ラインごとに毎回転送する必要がある。さらに、階調データと、光量補正情報を画素毎に独立して転送していた。
例えば、特許文献1には、階調4ビット、光量補正データ6ビットを転送する例が記載されている。また、特許文献2では、4ビットの階調値に光量補正値を演算して、6ビットの制御値としてラインヘッドに出力する例が記載されている。ラインヘッド側の発光素子はPWMで制御している。さらに、特許文献3では、階調データと補正値を同一のデータ線で時分割して転送する例が記載されている。
特開2003−72134号公報 特表平5−501684号公報 特開平9−109459号公報
前記特許文献1〜特許文献3に記載されているようなラインヘッドにおいては、階調データが0、すなわち非点灯時は、画素の光量補正データは不要であるにもかかわらず、光量補正データを転送している。このため、データ転送のための帯域が十分に活用できていないという問題があった。特に階調値が2値の場合は、そのような無駄が顕著であった。
本発明は、従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発光素子に対するデータ転送を簡略化したラインヘッドおよびそれを用いた画像形成装置とラインヘッドの制御方法を提供することにある。
本発明のラインヘッドは、主走査方向にライン状に複数の発光素子が配列され、前記複数の発光素子により主走査方向のライン単位に露光を行うラインヘッドであって、前記主走査方向のそれぞれのラインについて露光を行なう際に、前記発光素子毎に階調値と光量補正値を供給するデータ転送回路を設け、前記発光素子毎の階調値と光量補正値をエンコードして、1つのグループのデータ転送線で転送することを特徴とする、ラインヘッド。
また、本発明のラインヘッドは、前記複数の発光素子は、所定の順序に応じて、複数回に分けて時分割で点灯することを特徴とする。
また、本発明のラインヘッドは、前記階調値は2値制御であることを特徴とする。
また、本発明のラインヘッドは、前記階調値で制御される物理量と、前記光量補正値で制御される物理量が異なることを特徴とする。
また、本発明のラインヘッドは、前記1つのグループのデータ転送線は、1対の差動シリアル伝送線であって、前記発光素子毎にエンコードされた多ビットの画素データをシリアル化して転送することを特徴とする。
また、本発明のラインヘッドは、前記発光素子は有機EL発光素子であることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段と、前記いずれかのラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、前記いずれかのラインヘッドとを有し、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする。
本発明のラインヘッドの制御方法は、主走査方向にライン状に複数の発光素子が配列され、前記複数の発光素子により主走査方向のライン単位に露光を行うラインヘッドであって、前記主走査方向のそれぞれのラインについて露光を行なう際に、前記発光素子毎に階調値と光量補正値を供給するデータ転送回路が設けられており、印刷データを形成する段階と、前記印刷データから画像データの階調値を形成する段階と、前記発光素子毎の階調値と発光素子毎の光量補正値をエンコードする段階と、前記エンコードされたデータを1つのグループのデータ転送線で転送する段階と、前記エンコードされたデータをデコードする段階と、前記デコードされたデータを前記各発光素子に供給する段階と、からなることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、データ転送帯域(容量)を有効に使用することができる。また、データ転送のための転送線のビット数を減少することができる。
以下、本発明の実施形態について、階調データおよび光量補正データの作成、メモリへの保持、転送を説明する。従来技術において説明したように、ラインヘッドでは光源の種類にかかわらず、何らかの原因で光源の光量の不均一が発生する。LEDのように複数の光源を1つのチップに設け、そのチップを複数個基板上に実装するようなラインヘッドにおいては、チップごとの光量差も発生する。また、有機EL光源のように材料を塗布して光源を形成するラインヘッドでは、塗布のムラによって光源の光量差が発生する。
像担持体(感光体)を副走査方向に移動させながら、主走査方向のライン毎に画像を形成する際に、画像に縦筋が生ずる原因は、発光部の光量の不均一だけではなく、種々の要因が考えられる。例えば、SLAなどの結像光学系の結像性能の不均一によるものや、光源の画素毎の波長の差によるもの、光源を駆動するドライバの特性ばらつきによるものがある。また、画素毎の配線長の差によるもの、LEDのように複数の光源を搭載したチップを複数個基板に搭載する場合のチップ間の位置誤差によるものなどがある。このように、発光部の光量以外の誤差要因も含めて、画素の光量を補正するとより均一な画像が得られる。
特に有機EL素子を光源に用いたラインヘッドでは、塗布のムラなどによって部分的な波長差が生じやすく、その特性と感光体の分光感度特性とが組み合わされて濃度ムラが発生することがある。従って、ラインヘッドの出荷時には、発光部の光量の測定のみならず、必要に応じて各画素の結像状態や、波長、画素の位置なども測定し光量補正値を決定する。
決定された光量補正値は、従来技術の説明で述べたように、ラインヘッド出荷時にラインヘッドに内蔵されたシリアルEEPROMに書き込まれる。あるいは、別途記憶媒体で補正値データを送り、プリンタ組立時に組立に用いるラインヘッドの補正値データをプリンタ本体のヘッド制御基板に書き込んでもよい。また、プリンタコントローラあるいはエンジンコントローラに補正値データを保持して、ヘッド制御基板に転送しても良い。
次に、本発明の実施形態にかかる制御部の構成について説明する。図1は、プリンタ内部の回路構成を示すブロック図である。図1において、プリンタの制御部51には、種々の画像処理などを行うエンジンコントローラ52と、プリンタコントローラ53、エンコーダ55を有するヘッド制御基板54と、デコーダ57、EEPROM58を有するラインヘッド56が設けられている。また、また、パーソナルコンピュータ(PC)を用いたホストコンピュータ70がプリンタの制御部51に接続されている。
このように、プリンタのような画像形成装置に対して印字動作を行わせる場合には、外部に接続されたホストコンピュータ70からプリンタの制御部51に印刷データDaを転送することがなされている。印刷データDaは、画像データ、コード化された文字データ、描画コマンドの集まりなどで形成されている。
印刷データDaの文字列やコマンド列は、プリンタコントローラ53で解釈されて画像データに展開される。さらに展開されたデータの色変換、色補正、スクリーン処理などを行って、ラインヘッドの各画素に対応した階調データDbに展開される。展開された階調データDbは、1ライン(走査線)ごとに順次ヘッド制御基板54に転送される。ヘッド制御基板54では、転送されて来た画素毎の階調データDbを、ラインヘッドの各画素の階調データに変換してラインヘッド56に転送する。
この際に、予めラインヘッド56のシリアルEEPROM58からヘッド制御基板54に読みこまれた画素ごとの光量補正データDdも、階調値と合わせたデータDcとしてラインヘッド56に転送する。このときに、本発明の実施形態においては、階調値と光量補正値は別個のデータ線を割り付けるのはなく、エンコーダ55によりエンコードして、3ビットのデータ線Aaで転送される(図2参照)。このため、ヘッド制御基板54とラインヘッド56間のデータ線の構成を簡略化できる。ラインヘッド56に転送されたデータDcはデコーダ57によりデコードされる。
図2は、ラインヘッド内部の回路構成を示す回路図である。図2に示されているように、ラインヘッド56の内部には、シフトレジスタ71、デコーダ57、光量補正回路72、階調補正回路77、トランジスタのような制御素子73、有機EL素子のような発光部74、セレクタ75、ストローブ信号発生回路76が設けられている。
ヘッド制御基板54からラインヘッド56に転送されたデータは、シフトレジスタ71で1画素ずつデコーダ57に転送される。必要な画素数のデータがデコーダ57に転送された時点で、各画素の対応データがデコードされて、階調値1ビットと光量補正値3ビットに分離され、それぞれデータ線Ab、Acで転送される。このような階調値と光量補正値との分離は、ラインヘッド内部で行なうので、データ線Ab、Acの配線は容易である。この実施形態では階調値は2値であるので、階調補正回路77から制御素子73に出力される制御信号は、オン/オフの制御だけであるが、多値の階調値を有する場合には、パルス幅制御で露光エネルギーを制御する。
一方、光量補正回路72で形成される光量補正値は、制御素子73を用いた定電流回路に送られて、各発光部74の駆動電流を制御する。なお、本実施形態では、デコーダ57はシフトレジスタ71の後段で各画素のドライバ(制御素子73)の前段に置かれているが、デコーダ57はシフトレジスタ71の入り口側に設けてもよい。その場合は、デコーダ57は1個でよいが、シフトレジスタ71に必要なビット数が1ビット増えることになる。
本実形態では、時分割駆動を行うので、上記のような各画素(発光部)を点灯する回路は、総画素数だけ設けられるのではなく、その数分の1しか設けられていない。例えば、全画素を8回に分けて時分割点灯を行う場合は、各画素の駆動回路は全画素の数の1/8である。このように各画素の駆動回路は複数の発光部に接続されている。すなわちマトリックス配線がされているため、点灯画素を選択するために、LEDのカソード側にセレクタ75が設けられている。セレクタ75は、上記の例では全体の画素を8回に分けて点灯するために、8つの入力を有し、順次切り替えて点灯を行う。
このような時分割駆動でない場合においても、例えば、全画素に駆動回路が設けられたスタティック駆動型のラインヘッドにおいても適用可能である。また、ラインごとに毎回階調値と補正値を転送するようなラインヘッドに対しても、本発明は適用可能である。エンジンコントローラ52は、プリンタ内部の機構部の制御を司るものであり、ヘッド制御基板54に対しては露光タイミングを信号として与える。
次に、データの階調値と補正値との割付方法について説明する。表1は、本実施形態における光量補正値と階調値を割り付けたデータ構造の例を示している。
Figure 2008087429
表1の例では、3ビットで階調値の制御と7段階の光量補正が可能である。すなわち、階調値は発光素子のオン、オフの2値であり、光量補正は1〜7段階(基準光量を0としたときに、−30%〜+30%までの10%きざみの光量補正)である。このように、階調値と光量補正値とは、発光素子に対する補正の物理量が相違している。階調値が0の場合(非点灯時)には、光量補正を行わない。従来の方法では、光量補正値は3ビットで8段階の補正が可能であるが、それとは別に階調値を表すために1ビット必要としていた。すなわち、表1の例では、従来の構成よりも補正段数は1段減るが、データのビット数を1ビット減ずることができる。
表2は、本発明の他の実施形態にかかるデータ構造の例を示している。
Figure 2008087429
表2の例では、階調値を0、1、2の3値として、階調値1と2について光量補正値を7段階に割り付けており、階調値0、すなわち非点灯時には表1の場合と同様に光量補正値を割り付けない。この場合、従来技術では、階調値に2bit、補正値に3bitが必要になるが、表2に示した本発明では階調値、補正値合わせて4bitで足りることになる。
表3は、本発明の他の実施形態にかかるデータ構造の例を示している。
Figure 2008087429
表3の例では、階調値3段階(1,2,3)、光量補正値の15段階を4ビットで表現できる。従来技術では、光量補正値は8段階になるものの3ビットが必要で、階調値は2ビットが必要なので計5ビットが必要となる。既に背景技術の項で説明したように、実際には光量補正値の変化量はもっと細かくする必要がある。以上で述べた表1から表3に示した例では、光量補正値は10%刻みであったが、これは説明のために簡略化したもので、実際には例えば表1においては、階調値は2値のまま、データビット数を6bitとすることで、31段階の光量補正が可能となる。例えば、補正値が2%刻みであっても±15段階、すなわち±30%の補正が可能となる。このように、以上で説明した例に対して適宜ビット数を増やすことで、光量補正の精度を向上させることが可能で、そのような場合でも、従来技術に比較して必ず信号線を1ビット減らすことができる。以上の実施形態では、階調値はパルス幅で制御し、光量補正値は電流で制御しているが、逆に階調値を電流で制御し、光量補正値をパルス幅で制御しても良い。
本発明の制御回路は、タンデム方式のカラー電子写真プリンタだけでなく、ラインヘッドを用いた順次色重ね方式(4サイクル方式)のカラー電子写真プリンタや、モノクロプリンタに対しても適用可能である。また、本発明の制御回路は、光書き込みを行う光源の種類を問わないので、LEDを始め、有機EL、無機ELなどあらゆる光源を用いたラインヘッドに適用可能である。
さらに、近年では多ビットのパラレルデータをシリアル化して、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)などの高速の差動シリアル伝送線で転送する技術が開発されており、このような技術を適用することも可能である。このようなLVDSの転送方法を従来技術に適用した場合でも、多ビットの階調データと光量補正データを1対のシリアル伝送線で行うことが可能になるので、伝送線の線数は少なくなる。しかしながら、LVDSの転送方法に本発明を適用することで、無駄なビットを削除してデータの転送量を減ずるという特有の効果が得られる。特に、LVDSは低電圧であることから、信号線に対して外部からの電磁ノイズにも強く、かつそれ自身が輻射する電磁ノイズも少なくて済むので、本発明と組み合わせてラインヘッドのデータ転送に用いるのに好適である。
図1で説明した実施形態では、プリンタ内部の回路構成として、プリンタコントローラ53、エンジンコントローラ52、ヘッド制御基板54の3つブロックに分かれた構成であったが、本発明の実施形態は他の構成であっても適用可能である。例えば、ヘッド制御基板54とプリンタコントローラ53とを一体に構成してもよい。その場合、プリンタで行う画像処理と、ラインヘッド56に転送するデータへの変換を、1つのIC(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)で行わせることができるので、効率的な回路構成が可能である。あるいは、ヘッド制御基板54とエンジンコントローラ52とを一体化することも効率的である。また、プリンタコントローラ53とエンジンコントローラ52とを一体化することも可能である。
図3は、本発明が適用されるタンデム型の画像形成装置の例を示す縦断側面図である。本実施形態の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。
前記第1の開閉部材3は、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3'を備えている。ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設される。また、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が設けられている。
転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設されており図示を省略した駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて、前記駆動ローラ14と従動ローラ15により、矢視方向(図の例では一次転写部材21の当接面が下方向)へ循環駆動される中間転写ベルト16とを備えている。クリーニング手段17は、中間転写ベルト16の表面に離間、当接される。
画像形成ユニット6は、複数(本実施形態では4色)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備えている。各画像形成ステーションY、M、C、Kには、それぞれ、感光体ドラムからなる感光体20、感光体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段であるラインヘッド23及び現像手段24を有している。各色に対応する画像形成ステーションY、M、C、Kの感光体20に対向して、板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。駆動ローラ14に近接した位置には、テストパターンセンサ18が設置されている。
感光体20は、矢視方向(時計回り方向)に回転駆動される。帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体20に対して逆方向(反時計回り方向)で、かつ、感光体20の2〜3倍の周速度で感光体20に当接回転して、感光体20の表面を一様に帯電させる。ラインヘッド23は、複数の有機EL発光素子を感光体20の軸方向(主走査方向)にライン状に複数列、例えば2列配列した、有機EL発光素子ラインを用いている。有機EL発光素子ラインを用いたラインヘッド23は、レーザ走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、しかも、感光体20に対して近接配置が可能であるので、装置全体を小型化できるという利点を有する。また、レーザ走査光学系のように部品点数が多くないので、構成が簡略化される。本実施形態においては、各画像形成ステーションY、M、C、Kの感光体20、帯電手段22及びラインヘッド23を1つの感光体ユニット25としてユニット化している。
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを例として説明する。現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とが設けられている。
次に、記録媒体PPの搬送経路に設けられている部材について説明する。給紙ユニット10は、記録媒体PPが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体PPを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体PPの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送路13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。記録媒体に両面プリントする場合には、片面に画像データを転写、定着した記録媒体を排紙ローラ対39の位置から逆送して両面プリント用搬送路40を搬送し、レジストローラ対37から再度記録媒体搬送路13で搬送する。
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。
図4は、図3で示した本発明のラインヘッド23を拡大して示す概略の斜視図である。図4において、発光部63は、ガラス基板62上に有機EL発光素子61を主走査方向にライン状に配列した有機EL発光素子ラインを有している。この発光部63は、主走査方向に長尺状に設けられているハウジング60中に保持されている。本実施形態では、主走査方向に2ラインの発光素子ラインを設けているが、有機EL発光素子ラインは3列以上の複数ラインとすることが可能である。
図4に示す実施形態においては、感光体ユニット25に取り付けられた各感光体20に対して、ラインヘッド23を正確に位置決めするために、位置決めピン69とねじ挿入孔68を設けている。位置決めピン69を、図示を省略したラインヘッド23のケースの対向する位置決め穴に嵌入させる。位置決めピン69と位置決め穴とは主走査方向に若干の隙間を持って嵌入され、ラインヘッド23の主走査方向への位置調整が可能に設定されている。また、長尺の不透明なハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して、固定ねじを前記ラインヘッド23のケースのねじ穴にねじ込んで固定することにより、各ラインヘッド23が所定位置に固定される。
屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ66を俵積みしている。本実施形態においては、結像光学系として屈折率分布型ロッドレンズ66を採用しているが、結像光学系としてマイクロレンズを採用しても良い。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、感光体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ66から感光体(像担持体)20に光線Rを射出する。
図3、図4の例では、前記発光素子として有機EL発光素子を用いている。有機EL発光素子は、像担持体に形成される画素のドットに対応させて配置することができるので、ドット単位で光量のばらつきを補正することにより、精度よく画像品質の劣化を抑制することができる。
次に、本発明に係る画像形成装置に係る他の実施の形態について説明する。図5は、画像形成装置の縦断側面図である。図5において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機ELアレイが設けられている像書込手段(ラインヘッド)167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機ELアレイが設けられている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。
中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。印字される記録紙の枚数は、給紙トレイ近傍など、給紙搬送路の適宜の位置に設けられるセンサによりカウントされる。用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータは、例えば低速のブラシレスモータが用いられる。また、中間転写ベルト169は色ずれ補正などが必要となるのでステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略している制御手段からの信号により制御される。
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ62aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢視A方向に90度回転する。中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレイ178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態を示すブロック図である。 本発明の実施形態を示す回路図である。 本発明に係る画像形成装置を示す縦断側面図である。 図3のラインヘッドを示す斜視図である。 本発明の他の画像形成装置を示す縦断側面図である。
符号の説明
1・・・画像形成装置、2・・・ハウジング本体、3・・・第1の開閉部材、6・・・画像形成ユニット、10・・・給紙ユニット、11・・・二次転写ユニット、12・・・定着ユニット、13・・・記録媒体搬送路、16・・・中間転写ベルト、20・・・感光体(像担持体)、21・・・一次転写部材、22・・・帯電手段、23・・・ラインヘッド、24・・・現像手段、25・・・感光体ユニット、33・・・現像ローラ、51・・・制御部、52・・・エンジンコントローラ、53・・・プリンタコントローラ、54・・・ヘッド制御基板、55・・・エンコーダ、56・・・ラインヘッド、57・・・デコーダ、58・・・EEPROM、70・・・本体コントローラ、71・・・シフトレジスタ、72・・・光量補正回路、73・・・制御素子、74・・・発光部、75・・・セレクタ、76・・・ストローブ信号発生回路、161・・・現像装置、165・・・感光体ドラム、167・・・露光ヘッド(ラインヘッド)、169・・・中間転写ベルト、171・・・二次転写ローラ、La・・・有機EL発光素子、

Claims (9)

  1. 主走査方向にライン状に複数の発光素子が配列され、前記複数の発光素子により主走査方向のライン単位に露光を行うラインヘッドであって、前記主走査方向のそれぞれのラインについて露光を行なう際に、前記発光素子毎に階調値と光量補正値を供給するデータ転送回路を設け、前記発光素子毎の階調値と光量補正値をエンコードして、1つのグループのデータ転送線で転送することを特徴とする、ラインヘッド。
  2. 前記複数の発光素子は、所定の順序に応じて、複数回に分けて時分割で点灯することを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
  3. 前記階調値は2値制御であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のラインヘッド。
  4. 前記階調値で制御される物理量と、前記光量補正値で制御される物理量が異なることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のラインヘッド。
  5. 前記1つのグループのデータ転送線は、1対の差動シリアル伝送線であって、前記発光素子毎にエンコードされた多ビットの画素データをシリアル化して転送することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のラインヘッド。
  6. 前記発光素子は有機EL発光素子であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のラインヘッド。
  7. 前記像担持体の周囲に帯電手段と、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする、画像形成装置。
  8. 静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のラインヘッドとを有し、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  9. 主走査方向にライン状に複数の発光素子が配列され、前記複数の発光素子により主走査方向のライン単位に露光を行うラインヘッドであって、前記主走査方向のそれぞれのラインについて露光を行なう際に、前記発光素子毎に階調値と光量補正値を供給するデータ転送回路が設けられており、印刷データを形成する段階と、前記印刷データから画像データの階調値を形成する段階と、前記発光素子毎の階調値と発光素子毎の光量補正値をエンコードする段階と、前記エンコードされたデータを1つのグループのデータ転送線で転送する段階と、前記エンコードされたデータをデコードする段階と、前記デコードされたデータを前記各発光素子に供給する段階と、からなることを特徴とする、ラインヘッドの制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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