JP2008087024A - スプリングバック対策位置特定方法、その装置、及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレス成形品の成形条件を数値解析して、プレス成形品の成形データを算出するプレス成形解析ステップと、プレス成形品の成形データのうち、プレス成形品の少なくとも一部の領域を選定し、当該選定領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを所定のデータで置換した置換成形データを算出する置換成形データ生成ステップと、置換成形データを数値解析して、スプリングバック量を算出するスプリングバック量算出ステップとを有してスプリングバック対策位置特定方法を構成する。
【選択図】図3
Description
しかしながら、鋼板の高強度化に伴い、プレス成形による製品形状の確保には厳しい管理が必要となっており、その管理において重要な項目の一つは、プレス成形時に鋼板に生じた残留応力を駆動力として、鋼板の弾性変形分が弾性回復する変形であるスプリングバックである。
図2は、スプリングバックによる変形の発生原因となる部位を探る従来の方法を例示する斜視図である。(a)は、成形製品の形状を示し、(b)は、製品の一部1を切断除去した場合を示し、(c)は、製品に孔2を開けた場合を示し、(d)は、製品の一部にスリット3を付与する場合を示す。このような対策を講じることによってスプリングバックの挙動を観察すると共に、スプリングバックを少なくする対策が試みられている。
また、所定値以下のスプリングバック量を与える1又は複数の領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを、その置換した所定のデータで置換し、更に選定領域の位置又は数を変えて、前記置換成形データ生成ステップ(手順)及び前記スプリングバック量算出ステップ(手順)を繰り返しても良い。
また、所定値以下のスプリングバック量を与える1又は複数の領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを、その置換した所定のデータで置換し、更に選定領域の位置又は数を変えて、置換成形データ生成部は、前記置換成形データを算出し、及び、前記スプリングバック解析部は、スプリングバック量算出を繰り返しても良い。
本発明のプログラムは、上記に説明したプログラムの他に、プレス成形の成形条件を数値解析してプレス成形品の成形データを算出するプレス成形解析プログラム、及び、該成形データを数値解析してスプリングバック量を算出するスプリングバック解析プログラムは市販のプログラムを使用し、これらプレス成形解析プログラム及びスプリングバック解析プログラムと、データ入出力が可能であるスプリングバック対策位置特定プログラムであって、プレス成形解析プログラムから、成形データを取得する手順と、プレス成形品の成形データのうち、プレス成形品の少なくとも一部の領域を選定し、当該選定領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを所定のデータで置換した置換成形データを算出する置換成形データ生成手順と、前記スプリングバック解析プログラムに、前記置換成形データを出力する手順をコンピュータに実行させるものでも良い。市販のスプリングバック解析プログラムは、本発明のプログラムから出力された置換成形データに基づいてスプリングバック量を算出する。
スプリングバック対策位置特定装置10Aは、プレス成形解析部11、スプリングバック解析部12、置換成形データ生成部14、ファイル格納部16、成形条件入力部18、及びスプリングバック量出力画面19を有する。
また、プレス成形解析部11は、有限要素法による応力分布や曲率等の解析結果を、ポスト処理ソフトを用いて、スプリングバック量出力画面19にコンタ表示することが可能である。
また、置換成形データ生成部は、所定値以下のスプリングバック量を与える1又は複数の領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを、その置換した所定のデータで置換した上で(第1のスプリングバック量低減の対策)、更に前記選定領域の位置又は数を変えて、置換成形データを算出しても良い。この置換成形データに基づいて、スプリングバック解析部により、スプリングバック量算出を繰り返すことにより、第1のスプリングバック量低減の対策に加え、第2のスプリングバック量低減の対策も取ることができるので、さらにスプリングバック量を低減することが可能になる。
また、上述した分割領域も、選択される形状や応力分布データにしたがって、分割領域の大きさも変化させ、スプリングバック量を所定値以内にするために、あらゆるケースの置換成形データが生成される。
このように、本発明によるスプリングバック対策位置特定装置は、従来は、実際の装置を用いてスプリングバックの検討を行っていたが、数値解析によりスプリングバック対策位置を特定できるので、成形部材の設計段階でのテスト工数及び費用を極めて減少させるものである。また、このようなスプリングバック対策位置特定装置は、被加工物全般に適用されることが期待されることから、産業界において多大な利益をもたらす。
11 プレス成形解析部
12 スプリングバック解析部
14 置換成形データ生成部
16 ファイル格納部
18 成形条件入力部
19 スプリングバック量出力画面
Claims (20)
- プレス成形品の成形条件を数値解析して、プレス成形品の成形データを算出するプレス成形解析ステップと、
プレス成形品の成形データのうち、プレス成形品の少なくとも一部の領域を選定し、当該選定領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを所定のデータで置換した置換成形データを算出する置換成形データ生成ステップと、
前記置換成形データを数値解析して、スプリングバック量を算出するスプリングバック量算出ステップと、
を有することを特徴とするスプリングバック対策位置特定方法。 - 前記選定領域の位置又は数を変えて、前記置換成形データ生成ステップ及び前記スプリングバック量算出ステップを繰り返す請求項1に記載のスプリングバック対策位置特定方法。
- 前記スプリングバック量が、所定値以下となるか判断するステップをさらに有する請求項1又は2に記載のスプリングバック対策位置特定方法。
- 前記置換成形データ生成ステップは、所定値以下のスプリングバック量を与える1又は複数の領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを、その置換した所定のデータで置換し、更に前記選定領域の位置又は数を変えて、前記置換成形データ生成ステップ及び前記スプリングバック量算出ステップを繰り返す請求項3記載のスプリングバック対策位置特定方法。
- 前記プレス成形品の成形データを、所定の領域で分割するステップをさらに有し、
前記置換成形データ生成ステップは、前記所定の領域で分割した領域の全てについて、前記置換成形データを算出する請求項1〜4のいずれか一項に記載のスプリングバック対策位置特定方法。 - 前記所定のデータは、前記選択領域毎に、形状および応力分布の少なくとも1つが異なる請求項1〜5のいずれか一項に記載のスプリングバック対策位置特定方法。
- プレス成形品の成形条件を数値解析して、プレス成形品の成形データを算出するプレス成形解析部と、
プレス成形品の成形データのうち、プレス成形品の少なくとも一部の領域を選定し、当該選定領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを所定のデータで置換した置換成形データを生成する置換成形データ生成部と、
前記置換成形データを数値解析して、スプリングバック量を算出するスプリングバック解析部と、
を有することを特徴とするスプリングバック対策位置特定装置。 - 前記選定領域の位置又は数を変えて、前記置換成形データ生成部は、前記置換成形データを算出し、及び、前記スプリングバック解析部は、スプリングバック量算出を繰り返す請求項7に記載のスプリングバック対策位置特定装置。
- 前記置換成形データ生成部は、前記スプリングバック量が、所定値以下となるかを判断する請求項7又は8に記載のスプリングバック対策位置特定装置。
- 前記置換成形データ生成部は、所定値以下のスプリングバック量を与える1又は複数の領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを、その置換した所定のデータで置換し、更に前記選定領域の位置又は数を変えて、前記置換成形データ生成部は、前記置換成形データを算出し、及び、前記スプリングバック解析部は、スプリングバック量算出を繰り返す請求項9記載のスプリングバック対策位置特定装置。
- 前記置換成形データ生成部は、前記プレス成形品の成形データを、所定の領域で分割し、かつ、前記所定の領域で分割した領域の全てについて、前記置換成形データを生成する請求項7〜10のいずれか一項に記載のスプリングバック対策位置特定装置。
- 前記所定のデータは、前記選択領域毎に、形状および応力分布の少なくとも1つが異なる請求項7〜11のいずれか一項に記載のスプリングバック対策位置特定装置。
- プレス成形品の成形条件を数値解析して、プレス成形品の成形データを算出するプレス成形解析手順と、
プレス成形品の成形データのうち、プレス成形品の少なくとも一部の領域を選定し、当該選定領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを所定のデータで置換した置換成形データを算出する置換成形データ生成手順と、
前記置換成形データを数値解析して、スプリングバック量を算出するスプリングバック量算出手順と、
をコンピュータに実行させるスプリングバック対策位置特定プログラム。 - 前記選定領域の位置と数を変えて、前記置換成形データ生成手順及び前記スプリングバック量算出手順を繰り返す請求項11に記載のスプリングバック対策位置特定プログラム。
- 前記スプリングバック量が、所定値以下となるか判断する手順をさらに有する請求項11又は12に記載のスプリングバック対策位置特定プログラム。
- 前記置換成形データ生成手順は、所定値以下のスプリングバック量を与える1又は複数の領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを、その置換した所定のデータで置換し、更に前記選定領域の位置又は数を変えて、前記置換成形データ生成手順及び前記スプリングバック量算出手順を繰り返す請求項15記載のスプリングバック対策位置特定プログラム。
- 前記プレス成形品の成形データを、所定の領域で分割する手順をさらに有し、
前記置換成形データ生成手順は、前記所定の領域で分割した領域の全てについて、前記置換成形データを生成する請求項13〜16のいずれか一項に記載のスプリングバック対策位置特定プログラム。 - 前記所定のデータは、前記選択領域毎に、形状および応力分布の少なくとも1つが異なる請求項13〜17のいずれか一項に記載のスプリングバック対策位置特定プログラム。
- プレス成形の成形条件を数値解析してプレス成形品の成形データを算出するプレス成形解析プログラム、及び、該成形データを数値解析してスプリングバック量を算出するスプリングバック解析プログラムと、データ入出力が可能であるスプリングバック対策位置特定プログラムであって、
前記プレス成形解析プログラムから、成形データを取得する手順と、
プレス成形品の成形データのうち、プレス成形品の少なくとも一部の領域を選定し、当該選定領域の形状と、当該選定領域の応力分布との少なくとも1つを所定のデータで置換した置換成形データを算出する置換成形データ生成手順と、
前記スプリングバック解析プログラムに、前記置換成形データを出力する手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とするスプリングバック対策位置特定プログラム。 - 請求項13〜19の何れか1項に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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