JP2008085460A - 電力クリッピング回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリッピングおける変調誤差を抑制する。
【解決手段】16角形クリッピング手段101は、無線通信システムとしてあらかじめ定められているクリッピングを行う必要がある信号レベル(クリップレベル=RL)とI,Q信号の振幅値とを比較し、RLよりも大なる場合はクリップ処理を行うとともに、クリップ処理を行ったか否かを示す信号をアンドゲート104へ出力する。アンドゲート104は、16角形クリッピング手段101からクリップ処理を行ったことを示す信号を受けたときには、16角形クリッピング手段101から出力されるI/Q信号を選択して出力し、クリップ処理を行わなかったことを示す信号を受けたときには、タイミング調整器102を介して出力されるI/Q信号を選択して出力するように、セレクタ103を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は電力クリッピング回路に関し、特に無線伝送システムにおける電力増幅器へ供給される直交ベースバンド信号の振幅制限を行うクリッピング方式に関する。
ディジタル携帯電話のような無線通信システムにおいて、無線系ディジタル変調回路で用いる電力増幅器は、送信する信号の全ての振幅値に対して良好な線形性と高効率特性を有することが求められる。しかし、全ての振幅値に対して良好な線形性を有する電力増幅器を使用することは、価格、回路規模や消費電力の増加などにより実現が困難である。そこで、ある一定振幅までは線形性を有しているが、ある一定のレベル以上では非線形な特性を有する一般的な電力増幅器を使用することが多い。
CDMA(Code Division Multiple Access )方式などのマルチキャリア方式では、複数のキャリアに重畳された送信信号が時間軸上で加算されるため、多重後の信号のピーク電力が大きくなる。このようなピーク電力の大きな信号を、上述のような一般的な電力増幅器を用いて増幅した場合、RF出力信号に歪みが生じ、隣接するチャネルの妨害波となり、かつ変調精度(EVM: Error Vector Magnitude)が劣化してしまい、その結果伝送路のBER(Bit Error Rate)が劣化する。
そのため、電力増幅器における非線形性出力信号の発生を回避するために様々な方式が提案されている。その中の一つに、送信データのベースバンド信号処理部での同相信号(I)と直交信号(Q)のクリッピング処理がある。クリッピング処理の代表的な例としては、方形クリッピング処理と円形クリッピング処理とがある。
方形クリッピング処理を行う回路は比較的小さな回路規模で実現できるが、処理後のデータに位相誤差が発生してしまうという欠点がある。すなわち方形クリッピング回路では、ベースバンド信号のI信号とQ信号それぞれに対して独立にクリッピング処理を行うため、I信号とQ信号の内、片方の信号のみがクリップレベルを超えている場合、片方の信号だけがクリッピング処理され他方の信号はクリッピング処理されないために、処理後のデータに位相誤差が生じてしまう。この位相誤差により変調波のEVMが劣化してしまうという欠点がある。
一方、円形クリッピング処理は、I信号とQ信号の両方を位相に沿ってクリッピング処理するため、上記方形クリッピング処理において問題となる位相誤差は発生しない。しかし、円形クリッピング処理では、演算処理やデータの読み出しなどの処理が増えてしまうので、回路規模や消費電力が大きくなる欠点がある。
このような問題を解消するために、特許文献1では、方形クリップ手段と位相回転手段との直列構成を複数段縦続接続した多角形クリッピング手段を採用することにより、演算処理やデータの読み出しなどの処理量を抑えて、円形クリッピング処理に近いクリッピング特性を得る技術が提案されており、また特許文献2では、CORDIC(座標回転デジタルコンピュータ)計算技術を用いたクリッピング技術が提案されている。
また特許文献3では、多角形クリッピング手段を採用したクリップ回路において、ベースバンド信号の振幅値が所定のレベル以下のときには、クリップ回路を通さない信号をそのまま出力し、クリッピング処理が必要な信号に対して選択的にクリッピング処理を施した信号を出力することにより、演算処理やデータの読み出しなどの処理量を抑えて、円形クリッピング処理に近いクリッピング特性を得るとともに、予め設定した所定レベル以下のベースバンド信号についてはクリップ回路を通さないようにして、クリッピング手段を通ることにより発生する変調誤差の発生を抑制する技術が提案されている。
図10は、特許文献3で提案されている多角形クリッピング手段を採用した電力クリッピング回路を示す機能ブロック図であり、ベースバンド信号処理を行った後の直交成分であるRI、RQは、タイミング調整器205、16角形クリッピング手段201、および絶対値化回路202へそれぞれ入力される。
絶対値化回路202において、I成分およびQ成分はそれぞれ絶対値化処理され、加算器203へ入力されて加算処理される。そして、無線通信システムとしてあらかじめ定められているクリッピングを行う必要がある信号レベル(クリップレベル=RL)と、加算器203の出力である絶対値化したベースバンド信号の振幅値の加算値(|RI|+|RQ|)が、比較器204により比較される。
この比較の結果、加算値(|RI|+|RQ|)がクリップレベルRL以上の場合には、アンドゲート207を介してセレクタ206を制御し、16角形クリッピング手段201を経たクリップ処理後の信号が出力される。一方、加算値(|RI|+|RQ|)がクリップレベルRLより小の場合には、アンドゲート207を介してセレクタ206を制御し、タイミング調整器205を経たタイミング調整後の信号が出力される。
これは全ての信号に対して16角形クリッピング処理を行うと、電力制限する必要のないような小レベルの信号に対してもクリッピング手段201を通すことになり、それに伴う変調誤差が発生するので、これを避けるためにクリッピング処理が必要な可能性のある信号に対してのみ選択的にクリッピング処理を施すためのものである。
なお、タイミング調整器205は、16角形クリップ手段201を経たクリッピング処理後の信号と、16角形クリップ手段201を経ない信号との出力タイミングを調整するものである。このタイミング調整器205は、16角形クリップ手段201のクリッピング処理に必要な時間分に相当する段数のバッファにより構成されている。アンドゲート207はクリッピング処理のオンオフを、外部指令により制御するためのものである。
特開2004−072626号公報 特表2004−516716号公報 WO 2005/046154 A1
図11は、図10に示すクリッピング回路のIQ座標上におけるクリッピングレベルRLとクリップ処理との関係を示しており、内側に描かれている正方形121は、座標中心から各頂点までの距離がクリップレベルRLに等しく、その一辺が、
|RI|+|RQ|=RL
で表される正方形である。この正方形121の各頂点が内接しているその外側の16角形122は、図10の16角形クリップ手段201のクリップレベルの境界を示している。
従って図10に示すクリッピング回路においては、この正方形121の内側部分(123)の信号レベルでは、タイミング調整器205からの信号(16角形クリッピング手段201を通さない信号)が選択されて出力され、この正方形121の外側部分の信号レベルでは、16角形クリッピング手段201からの信号が選択されて出力されるので、この正方形121の内側部分の信号は、クリッピング手段201を通すことに伴う変調誤差の発生を抑えることができる。
しかし、図10に示すクリッピング回路において実際に16角形クリッピング手段201で振幅制限を受ける信号レベルは、16角形122の外側となる125で示される領域の信号レベルの場合であり、信号レベルが正方形121と16角形122との間の領域(124)内にある場合には、本来16角形クリッピング手段201による振幅制限処理を行う必要がない領域であるが、16角形クリッピング手段201を通る信号経路が選択されることになる。
このように、図10に示す電力クリッピング回路では、クリッピングレベル以下の振幅であって本来はクリッピングされる必要がなく、クリッピングの影響を受けないはずの信号点の一部(領域124内の信号)がクリッピング処理回路を通ってしまい、振幅制限は受けないものの16角形クリッピング手段201での演算処理は受けるので、16角形クリッピング手段201に入力された信号と出力される信号の間に演算処理に伴うズレが生じ、結果として変調誤差を招くという問題がある。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、電力制限される必要のある信号だけをクリッピング処理回路で処理して出力し、クリッピングする必要がないレベルの信号は全てこのクリッピング処理回路をバイパスさせることにより、回路規模を抑えつつ変調誤差の発生を抑制することが可能な手段を提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するために、図10に示された、直交ベースバンド信号の振幅制限をなす多角形クリッピングにおいて、絶対値化回路202、I/Q加算器203、比較器204の替わりに、16角形クリッピング手段201からクリップ処理を実行したか否かをあらわす信号を出力し、クリップ処理を実行されなかった直交ベースバンド信号については、全てこのクリッピング処理手段をバイパスして出力させるようにしたことを特徴としている。
具体的には、本発明は、入力された直交信号の振幅を制限して出力するクリッピング処理手段を備えた電力クリッピング回路において、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピング処理手段に設定されたクリッピングレベルよりも大きいか否かを判定するレベル比較判定手段と、前記レベル比較判定手段により、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベルよりも大きいと判定されたとき、前記クリッピング処理手段により処理された前記直交信号を選択して出力し、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベル以下と判定されたとき、前記クリッピング処理手段を通さない前記直交信号を選択して出力する出力信号選択手段を備えていることを特徴としている。
前記クリッピング処理手段は、方形クリップ手段と位相回転手段との直列構成を複数段縦続接続した多角形クリッピング手段として構成されており、前記出力信号選択手段は、全ての段において前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベル以下と判定されたときのみ、前記クリッピング処理手段を通さない前記直交信号を選択して出力する。
前記レベル比較判定手段は、前記多角形クリッピング手段を構成する前記複数の方形クリップ手段の前段にそれぞれ接続されてそれぞれの方形クリップ手段に入力される前記直交信号のレベルをそれぞれの方形クリップ手段に設定されたクリッピングレベルと比較する複数のレベル比較手段と、該複数のレベル比較手段による比較結果を入力してその論理和を出力するオアゲートを備えた構成により実現することができる。
また、前記クリッピング処理手段を通さない信号経路には、前記直交信号を前記クリッピング処理手段の処理時間に相当する時間だけ調整して出力するタイミング調整手段を設けることができる。
本発明の電力クリッピング方法は、入力された直交信号をクリッピング処理して電力制限された直交信号を出力するにあたって、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピング処理のために予め設定されたクリッピングレベルよりも大きいか否かを判定し、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベルよりも大きいときには、前記クリッピング処理した前記直交信号を選択して出力し、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベル以下のときには、前記クリッピング処理経路を通さない前記直交信号を選択して出力することを特徴としている。
前記クリッピング処理方法は、方形クリップ処理と位相回転処理を複数回繰り返すことにより多角形クリッピングを実行する処理により実現でき、前記入力された直交信号のレベルと前記クリッピング処理のために予め設定されたクリッピングレベルの前記複数回の比較の結果、前記複数回の比較において入力された直交信号のレベルが全て前記クリッピングレベル以下と判定されたときのみ、前記クリッピング処理経路を通さない前記直交信号を選択して出力する。
また、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベル以下のときには、前記クリッピング処理の時間に相当する時間だけ遅延調整した前記直交信号を出力するようにして、前記クリッピング処理された信号と、クリッピング処理経路を通さない前記直交信号のタイミング調整を行うことができる。
本発明によれば、直交ベースバンド信号をクリッピング処理回路に通すかどうかの選択を実際にクリッピング処理したか否かで判断することができ、これにより本来電力制限される必要のある信号だけがクリッピング処理回路を経由して出力され、電力制限される必要のない信号は全てクリッピング処理回路をバイパスして出力することができるので、電力制限される必要のない信号がクリッピング処理回路を経由することにより歪まされるような状況がなくなる。
本発明によれば、クリッピング手段に入力される必要のない振幅レベルの信号はクリッピング手段を通さずに出力しているので、クリッピング回路システムにおける変調誤差の発生を最小限に抑えることができる。
図1は、本発明の実施形態を示すクリッピング回路の機能ブロック図であり、図2は、本実施形態のクリッピング回路のIQ座標上におけるクリッピングレベルとクリップ処理との関係を示す図である。
図1において、ベースバンド信号処理を行った後の直交成分であるRI、RQは、タイミング調整器102、および16角形クリッピング手段101へそれぞれ入力される。16角形クリッピング手段101は、無線通信システムとしてあらかじめ定められているクリッピングを行う必要がある信号レベル(クリップレベル=RL)とI,Q信号の振幅値とを比較し、I,Q信号の少なくとも一方がRLよりも大なる場合はクリップ処理を行うとともに、クリップ処理を行ったか否かを示す信号をアンドゲート104へ出力する。
タイミング調整器102は、16角形クリップ手段101を経たクリッピング処理後のI/Q信号と、16角形クリップ手段101を経ないI/Q信号との出力タイミングを調整するものである。このタイミングの調整器102は、16角形クリップ手段101のクリッピング処理に必要な時間分に相当する段数のバッファにより構成されている。
16角形クリッピング手段101から出力されたI/Q信号とタイミングの調整器102から出力されたI/Q信号はセレクタ103に入力される。セレクタ103は、アンドゲート104からの切替制御信号に従って、16角形クリッピング手段101から入力されたI/Q信号とタイミングの調整器102から入力されたI/Q信号のいずれか一方を選択して出力する。
アンドゲート104は、16角形クリッピング手段101からのクリップ処理を行ったか否かを示す信号と外部からのクリッピング処理のオンオフ指令信号を受けて、セレクタ103に対して上記出力信号選択のための切替制御信号を出力する。
図3は、図1に示す本実施形態のクリッピング回路における16角形クリップ手段101の機能ブロック図である。
この16角形クリップ手段101は、入力段から順に、振幅比較部301、方形クリップ回路302、+π/4位相回転部303、振幅比較部304、方形クリップ回路305、−π/8位相回転部306、振幅比較部307、方形クリップ回路308、−π/4位相回転部309、振幅比較部310、方形クリップ回路311、+π/8位相回転部312、振幅調整部(振幅スケーリング部)313からなり、また、振幅比較部301、304、307および310からの信号の論理和を出力するオアゲート314を備えている。
方形クリップ回路302,305,308,311は全て同一回路構成であり、周知の構成(例えば、特許文献1などの回路)が用いられ、クリップレベルを入力することにより、入力信号I,Q成分(Ich,Qchとして示す)を、互いに独立して、すなわち、I信号はI軸方向に、Q信号はQ軸方向に個別にクリップする機能を有している。
位相回転部303は入力信号の位相を+π/4回転させ、位相回転部306は入力信号の位相を−π/8回転させ、位相回転部309は入力信号の位相を−π/4だけ回転させ、位相回転部312は入力信号の位相を+π/8だけ回転させるものであり、振幅調整部(振幅スケーリング部)313は、方形クリップや位相回転によって実際の値より小さくなってしまった信号の振幅値を、元の入力信号の振幅値(レベル)に戻すため(補償調整するため)のものである。
図4〜図7は、それぞれこれ等の各位相回転部303,306,309,312の具体例を示すブロック回路図であり、図8は、振幅調整部(振幅スケーリング部)313の具体例を示すブロック回路図である。また図9は、各位相回転部における位相回転に伴い信号レベルが変化する様子を示す図である。
各方形クリップ回路302,305,308,311の前段にそれぞれ設けられた振幅比較部301,304,307,310は、各段での方形クリップ回路302,305,308,311においてI,Q各成分がクリップ処理されるのかどうかを判断し、クリップ処理される場合はHighの信号を、されない場合にはLowの信号をオアゲート314に対して出力する。これによりオアゲート314からは、4段の方形クリップ回路全てでクリッピング処理が行われなかった場合にはlowの信号が出力され、1回でもクリッピング処理が行われた場合にはHighの信号が出力される。オアゲート314の出力は図1のアンドゲート104に入力される。
次に、本実施形態の動作について、図1〜図9を参照して詳細に説明する。
ベースバンド信号の直交成分であるI信号及びQ信号が、図示せぬベースバンド信号処理部より、図1のクリッピング回路部へ入力されると、I/Q信号は16角形クリップ手段101へ供給されて16角形クリッピング処理され、クリッピング処理された信号はセレクタ103へ入力される。また、このI/Q信号はタイミング調整器102へも入力され、16角形クリッピング手段101によるクリッピング処理に必要な時間に相当するタイミング調整が行われてセレクタ103へ入力される。
16角形クリッピング手段101からは、この16角形クリッピング手段101に入力されたI,Q信号に対してクリッピング処理が施されたか否かを示す信号がアンドゲート104を介してセレクタ103へ出力される。セレクタ103は、アンドゲート104から入力された信号が、入力I,Q信号をクリッピング処理したことを示している場合には、16角形クリップ手段101を経た信号を選択して出力し、クリッピング処理しなかったことを示している場合には、タイミング調整器102を経た信号を選択して出力する。
このセレクタ103による選択は、全ての信号に対して16角形クリッピング処理を行うと、電力制限する必要のない信号に対してもクリッピング処理を行うことになるので、これを避けるために、クリッピング処理が必要な信号に対してのみ選択的にクリッピング処理を施すためのものである。なお、アンドゲート104により、クリッピング処理のマスク制御を外部指令により簡単に行うことができるようになっている。
16角形クリッピング手段101では、入力されたI,Q信号を、先ず振幅比較部301においてI,Q信号それぞれとクリップレベルRL0との比較を行う。このときクリップレベルRL0は、
RL0=RL
であり、外部設定される。振幅比較部301は、I,Q信号の振幅値がRL0よりも大なる場合は次段の方形クリップ回路302においてクリップされることになるので、オアゲート314に対してHighの信号を出力し、RL0以下の場合にはLowの信号を出力する。次に、方形クリップ回路302において方形クリップ処理が行われる。このときクリップレベルは振幅比較部301における比較レベルと同じ値RL0に設定される。
方形クリップ回路302にて方形クリップ処理された信号は、位相回転部303で+π/4だけ位相回転される。この位相回転部303は図4に示す如く、加算器401,402及び符号反転器403よりなる周知の構成であり、I信号とQ信号とが加算器402で加算されてQ信号となり、I信号とQ信号の符号反転信号とが加算器401で加算されてI信号となる。なお、この+π/4位相回転により、信号振幅は√2倍に変化する。
この位相反転部303の出力は振幅比較部304、方形クリップ回路305へ入力されるが、このときのクリップレベルRL1は、
RL1=RL0×√2=RL×√2
であり、外部設定される。これは、位相回転部303で信号位相を+π/4回転させているために、振幅が√2倍に変化したために、クリップレベルもそれだけ大とする必要があるからである。なお図9(1)は、π/4位相回転した場合に、√2だけレベル変化することを示している。この関係は三平方の定理により求めることができる。
振幅比較部304は、位相回転部303から出力されるI,Q信号の振幅値がRL1よりも大なる場合は次段の方形クリップ回路305においてクリップされることになるので、オアゲート314に対してHighの信号を出力し、RL1より小なる場合はLowの信号を出力する。次に方形クリップ回路305において方形クリップ処理が行われる。このときクリップレベルは振幅比較部304における比較レベルと同じ値RL1に設定される。
方形クリップ回路305にて方形クリップ処理された信号は、次に、位相回転部306により信号位相が−π/8回転される。この位相回転部306は、図5に示す如く、加算器501,502、乗算器503,504、符号反転器505よりなる周知の構成である。I信号と係数(nビット)とが乗算器503で乗算され、その乗算出力の下位nビットが切捨てられて符号反転され、加算器503にてQ信号と加算され、Q信号となる。また、Q信号と係数とが乗算器504で乗算され、その乗算出力の下位nビットが切捨てられて、加算器501でI信号と加算され、I信号となる。この−π/8位相回転により、信号振幅は√{2×(2−√2)}倍に変化する。
この位相回転部306の出力は振幅比較部307、方形クリップ回路308へ入力されるが、このときのクリップレベルRL2は、位相回転部306の上記振幅変化を考慮して、
RL2=RL1×√{2×(2−√2)}
=RL0×√2×√{2×(2−√2)}
=RL×2×√(2−√2)
となり、外部設定される。なお、図9(2)は、π/8位相回転した場合に、√2×√(2−√2)、すなわち√{2×(2−√2)}だけレベル変化することを示している。
振幅比較部307は、位相回転部306から出力されるI,Q信号の振幅値がRL2よりも大なる場合は次段の方形クリップ回路308においてクリップされることになるので、オアゲート314に対してHighの信号を出力し、RL2より小なる場合はLowの信号を出力する。次に方形クリップ回路308において方形クリップ処理が行われる。このときクリップレベルは振幅比較部307における比較レベルと同じ値RL2に設定される。
方形クリップ回路308にて方形クリップ処理された信号は、次に、位相回転部309により信号位相が−π/4回転される。この位相回転部309は、図6に示す如く、加算器601,602及び符号反転器603からなる周知の構成である。I信号とQ信号とは加算器601で加算されてI信号となり、I信号の符号反転信号とQ信号が加算器602で加算されてQ信号となる。この−π/4位相回転により、信号振幅は√2倍に変化することは、先の位相回転部303と同様である。
この位相回転部309の出力は振幅比較部310、方形クリップ回路311へ入力されるが、このときのクリップレベルRL3は、位相回転部309の振幅変化を考慮して、
RL3=RL2×√2
=RL×2√2×√(2−√2)
となり、外部設定される。
振幅比較部310は、位相回転部309から出力されるI,Q信号の振幅値がRL3よりも大なる場合は次段の方形クリップ回路311においてクリップされることになるので、オアゲート314に対してHighの信号を出力し、RL3より小なる場合はLowの信号を出力する。次に方形クリップ回路311において方形クリップ処理が行われる。このときクリップレベルは振幅比較部310と同じ値RL3に設定される。
方形クリップ回路311にて方形クリップ処理された信号は、次に、位相回転部312へ入力されて+π/8だけ位相回転される。この位相回転部312は、図7に示す如く、加算器701,702、乗算器703,704、符号反転器705によりなる周知の構成である。I信号は乗算器703により係数(nビット)を乗算され、その乗算出力の下位nビットが切捨てられて、加算器702でQ信号と加算されQ信号となる。また、Q信号は乗算器704により係数と乗算されその乗算出力の下位nビットが切捨てられて符号反転され、加算器701にてI信号と加算されI信号となる。
この+π/8位相回転により振幅は、√{2×(2−√2)}倍に変化する。なお、この図7及び先の図5における係数nの値を制御することにより、位相回転量の制御が可能であるが、本例では、±π/8であるので、それに対応する固定の係数値が入力される。
最後に、この位相回転部312の出力は振幅調整部313に入力され、振幅調整部313において、方形クリッピングや位相回転により、実際の振幅値より小となった振幅値が元の入力信号レベルに戻される。図8はこの振幅調整部313の構成例であり、乗算器801,802よりなっている。I信号は係数(nビット)と乗算器801で乗算されI信号となり、Q信号は係数と乗算器802で乗算されQ信号となる。このときの振幅調整は、(2+√2)/8倍となる。
また、4段の振幅比較器301、304、307、311からの出力が入力されるオアゲート314は、4段の振幅比較器の全てからクリッピング処理が行われないことを示す判定信号(Low信号)が入力されたときには、アンドゲート104に対してLowの信号を出力し、4段の振幅比較器の1つ以上からクリッピング処理が行われることを示す判定信号(High信号)が入力されたときには、アンドゲート104に対してHighの信号を出力する。
アンドゲート104は、オアゲート314からHighの信号が入力されたときには、セレクタ103に対してHighの信号を出力し、オアゲート314からLowの信号が入力されたときには、セレクタ103に対してLowの信号を出力する。セレクタ103は、アンドゲート104からHighの信号を受けたときには、16角形クリッピング手段101を経たクリッピング処理後のI/Q信号を選択して出力し、アンドゲート104からLowの信号を受けたときには、クリッピング処理回路を経由しないI/Q信号、即ちタイミング調整器102によりタイミングのみ調整された入力I/Q信号を選択して出力する。
以上が本実施形態のクリッピング処理動作である。本実施形態におけるI/Q座標上のクリップレベルRLとクリップ処理との関係を示すと図2のようになる。図2において、16角形111が、図1の16角形クリップ手段101のクリップレベルの境界を示し、その外側の113で示す領域が16角形クリップ手段101により振幅制限を受けたI/Q信号が出力される部分であり、その内側の112で示す領域は、クリップ処理を通らない部分、すなわち図1におけるタイミング調整器102を経由したI/Q信号が出力される部分である。
図2に示す本実施形態におけるI/Q座標上のクリップレベルRLとクリップ処理との関係を、図11に示す従来例におけるI/Q座標上のクリップレベルRLとクリップ処理との関係と比較すれば明らかなように、本実施形態では、図10に示す従来のクリッピング回路のような、|RI|+|RQ|=RLを基準にクリップ処理手段からの出力を用いるか否かを決める場合と比較して、振幅処理される必要がないのにクリップ処理手段を通る領域125(図11参照)がなくなり、振幅処理される必要があるものだけがクリップ処理手段を通ることになる。
この様に、本実施形態によれば多角形クリッピングにより円形クリッピングとほぼ同等の特性を得ることができるとともに、クリッピングする必要がないレベルの信号は全てこのクリッピング処理回路をバイパスさせることができるので、回路規模を抑え、位相誤差を極力抑制して変調波のEVMの劣化を防止できる。なお、図3の方形クリップ回路の段数及び位相回転部の段数を増減させて、最終段の振幅調整部(振幅スケーリング部)の調整値をそれに応じて変更することにより、16角形以外の多角形クリッピングも実現することができる。
本発明の実施の形態を示すブロック図である。 本実施形態の16角形クリッピング回路のIQ座標上でのクリップレベルを示す図である。 図1の16角形クリップ手段101の機能ブロック図である。 図3の位相回転部403の回路図である。 図3の位相回転部406の回路図である。 図3の位相回転部409の回路図である。 図3の位相回転部412の回路図である。 図3の振幅調整部413の回路図である。 位相回転時におけるクリップレベル(RL)の変化を説明する図である。 従来の16角形クリッピング回路の機能ブロック図である。 従来の16角形クリッピング回路のIQ座標上でのクリップレベルを示す図である。
符号の説明
101 16角形クリップ手段
102 タイミング調整器
103 セレクタ
104 アンドゲート
301,304,307,310 振幅比較部
302,305,308,311 方形クリップ回路
303,306,309,312 位相回転部
313 振幅調整部
314 オアゲート
401,402,501,502,601,602,701,702 加算器
403,505,603,705 符号反転器
503,504,703,704,801,802 乗算器

Claims (8)

  1. 入力された直交信号の振幅を制限して出力するクリッピング処理手段を備えた電力クリッピング回路において、
    前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピング処理手段に設定されたクリッピングレベルよりも大きいか否かを判定するレベル比較判定手段と、
    前記レベル比較判定手段により、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベルよりも大きいと判定されたとき、前記クリッピング処理手段により処理された前記直交信号を選択して出力し、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベル以下と判定されたとき、前記クリッピング処理手段を通さない前記直交信号を選択して出力する出力信号選択手段を備えていることを特徴とする電力クリッピング回路。
  2. 前記クリッピング処理手段は、方形クリップ手段と位相回転手段との直列構成を複数段縦続接続した多角形クリッピング手段として構成され、前記出力信号選択手段は、全ての段において前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベル以下と判定されたときのみ前記クリッピング処理手段を通さない前記直交信号を選択することを特徴とする請求項1に記載の電力クリッピング回路。
  3. 前記レベル比較判定手段は、前記多角形クリッピング手段を構成する前記複数の方形クリップ手段に入力される前記直交信号のレベルをそれぞれの方形クリップ手段に設定されたクリッピングレベルと比較する複数のレベル比較手段と、該複数のレベル比較手段による比較結果を入力してその論理和を出力するオアゲートを備えていることを特徴とする請求項2に記載の電力クリッピング回路。
  4. 前記クリッピング処理手段を通さない信号経路には、前記直交信号を前記クリッピング処理手段の処理時間に相当する時間だけ調整して出力するタイミング調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力クリッピング回路。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の電力クリッピング回路を備えていることを特徴とする無線送信装置。
  6. 入力された直交信号のクリッピング処理を行って振幅制限された直交信号を出力する電力クリッピング方法において、
    前記入力された直交信号のレベルと前記クリッピング処理のために予め設定されたクリッピングレベルを比較し、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベルよりも大きいと判定されたときには、前記クリッピング処理した前記直交信号を選択して出力し、前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベル以下と判定されたときには、前記クリッピング処理経路を通さない前記直交信号を選択して出力することを特徴とする電力クリッピング方法。
  7. 前記入力された直交信号に対して方形クリッピング処理と位相回転処理を複数回繰り返すことにより多角形クリッピングを実行するとともに、前記入力された直交信号のレベルと前記クリッピング処理のために予め設定されたクリッピングレベルの前記複数回の比較の結果、前記複数回の比較において前記入力された直交信号のレベルが全て前記クリッピングレベル以下と判定されたときのみ、前記クリッピング処理経路を通さない前記直交信号を選択して出力することを特徴とする請求項6に記載の電力クリッピング方法。
  8. 前記入力された直交信号のレベルが前記クリッピングレベル以下のときには、前記クリッピング処理の時間に相当する時間だけ遅延調整した前記直交信号を出力すること特徴とする請求項6または7に記載の電力クリッピング方法。
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