JP2008083325A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】配向膜表面の耐湿性を向上させ、配向不良、配向むらの発生を抑制して、高い表示品質を得ることができるようにする。
【解決手段】互いに対向する一対の基板10,20の対向面に形成されている無機配向膜16,22の表面に疎水性処理被膜24,25を形成し、この疎水性処理被膜24,25にて無機配向膜16,22の表面の耐湿性を向上させる。
【選択図】図2
【解決手段】互いに対向する一対の基板10,20の対向面に形成されている無機配向膜16,22の表面に疎水性処理被膜24,25を形成し、この疎水性処理被膜24,25にて無機配向膜16,22の表面の耐湿性を向上させる。
【選択図】図2
Description
本発明は、配向膜上に疎水性処理が施されている電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。
従来、液晶装置を代表とする電気光学装置が、投射型表示装置のライトバルブや携帯電話等の表示装置として広く採用されている。液晶装置は、互いに対向する2枚の基板間に液晶を保持しており、又、両基板の対向面には液晶分子の配列を制御する配向膜が形成されている。
この配向膜として、ポリイミド等の有機膜をラビング処理した有機配向膜が多く採用されているが、この有機配向膜は配向力に優れる反面、熱や光に弱く、長期間の使用によって、その配向力が次第に低下してしまうという問題がある。そのため、最近では配向膜として、SiOx(酸化シリコン)等の無機材料からなる無機配向膜を採用し、この無機配向膜の形状効果によって液晶を配向させる技術が提案されている。この無機配向膜は、ポリイミド等からなる有機配向膜に比し、耐光性や耐溶剤性に優れている。
しかし、このような無機配向膜は、ポリイミド等からなる配向膜に比し、耐光性、耐熱性に優れているが、アンカリング力が弱いため、僅かな外乱の影響を受けても配向規制力が低下しやすい。
そのため、例えば特許文献1(特開2000−47211号公報)では、無機配向膜の表面を高級アルコールで処理することで、当該無機配向膜の表面と液晶との相互作用が変化するように改質させ、低駆動電圧に対応した低しきい値化を可能とする技術が開示されている。
特開2000−47211号公報
しかし、無機配向膜の表面は吸湿し易く、上述した文献に開示されているように、無機配向膜の表面を改質しても、この表面に湿気が吸湿されてしまうと配向規制力が低下し、配向不良や配向むらが発生し、表示品質の低下を招いてしまう不都合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、配向膜の表面の耐湿性を向上し、配向不良、配向むらの発生を抑制して、高い表示品質を得ることのできる電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明による第1の電気光学装置は、互いに対向する一対の基板がシール材を介して貼り合わされ、該両基板の対向面に配向膜が形成されていると共に、該両基板と該シール材とで囲まれた領域に電気光学物質が保持されている電気光学装置において、前記両基板の内の少なくとも一方の基板に形成されている前記配向膜の表面に疎水性処理が施されていることを特徴とする。
このような構成では、互いに対向する一対の基板の内の少なくとも一方の基板に形成されている配向膜の表面に疎水性処理が施されているので、当該配向膜の表面の耐湿性が向上し、配向不良、配向むらの発生が抑制されて、高い表示品質を得ることができる。
第2の電気光学装置は、第1の電気光学装置において、前記疎水性処理は、前記配向膜の全面に施されていることを特徴とする。
このような構成では、アンカリングを向上させ、かつ疎水性を有するような表面処理を配向膜の全面に施すことにより、配向膜のアンカリング力が補強されると共に外部からの水分の浸入を防ぐことが出来る。そのため、より高い表示品質を得ることができる。
第3の電気光学装置は、第1の電気光学装置において、前記疎水性処理は、前記シール材に接合される前記配向膜の領域に施されていることを特徴とする。
このような構成では、疎水性を付与できる表面処理材料に特化して材料を選択することができ、又、疎水性処理を、シール材に接合される配向膜の領域に施したので、表示領域には疎水性処理が施されておらず、従って、配向膜に疎水性処理を施しても表示品質の悪化を招くことがない。
第4の電気光学装置は、第1の電気光学装置において、前記疎水性処理は、前記シール材の外周縁に接合される前記配向膜の領域に施されていることを特徴とする。
このような構成では、シール材の外周縁に接合される配向膜の領域に疎水性処理を施し、シール材の内周縁を配向膜に直接接着させるようにしたので、外部からの湿気の浸入は疎水性処理が施された外周縁により阻止することができる。更に、シール材と配向膜とが直接接着される部位には疎水性処理が施されていないので、密着性が向上し良好な接着性を得ることができる。
第5の電気光学装置は、第1〜第4の電気光学装置において、前記疎水性処理は、疎水性を有する表面処理剤を用いて行われることを特徴とする。
このような構成では、疎水性を有する表面処理剤を用いて疎水性処理を行うようにしたので、製造が容易となり良好な作業性を得ることができる。
第6の電気光学装置は、第5の電気光学装置において、前記疎水性を有する表面処理剤はシランカップリング剤であることを特徴とする。
このような構成では、表面処理剤をシランカップリング剤としたので、無機配向膜面を効率的に表面処理することが可能であり、良好な疎水性処理面を得ることが可能である。
本発明による第1の電気光学装置の製造方法は、互いに対向する一対の基板の対向面に配向膜を形成した後、該両基板を、シール材を介して貼り合わせて、該両基板と該シール材とで囲まれた領域に電気光学物質を保持する電気光学装置の製造方法において、前記両基板の内の少なくとも一方の基板に形成されている前記配向膜の表面に疎水性を有する表面処理剤を付着させる付着工程と、付着された前記表面処理剤を乾燥させて前記配向膜の表面に疎水性処理被膜を形成する被膜形成工程とを備えることを特徴とする。
このような構成では、互いに対向する一対の基板の内の少なくとも一方の基板に形成されている配向膜の表面に、疎水性を有する表面処理剤を付着させた後、この表面処理剤を乾燥させて疎水性処理被膜を形成するようにしたので、疎水性処理被膜を比較的容易に形成することができる。又、配向膜に疎水性処理被膜を形成することで、配向膜の表面の耐湿性が向上し、配向不良、配向むらの発生が抑制されて、高い表示品質を得ることができる。
第2の電気光学装置の製造方法は、第1の電気光学装置の製造方法において、前記疎水性処理被膜は、前記配向膜の全面に形成されることを特徴とする。
このような構成では、疎水性処理被膜を配向膜の全面に形成したので、配向膜のアンカリング力が補強されて、より高い表示品質を得ることができる。
第3の電気光学装置の製造方法は、第1の電気光学装置の製造方法において、前記疎水性処理被膜は、少なくとも前記シール材に接合される前記配向膜の領域に形成されることを特徴とする。
このような構成では、疎水性処理被膜を、シール材に接合される配向膜の領域に形成したので、表示領域には疎水性処理被膜が形成されておらず、従って、配向膜に疎水性処理を形成しても表示品質の悪化を招くことがない。
第4の電気光学装置の製造方法は、第1の電気光学装置の製造方法において、前記疎水性処理被膜は、前記シール材の外周縁に接合される前記配向膜の領域に形成されていることを特徴とする。
このような構成では、シール材の外周縁に接合される配向膜の領域に疎水性処理被膜を形成し、シール材の内周縁を配向膜に対して接着させるようにしたので、外部からの湿気の浸入は疎水性処理被膜が形成された外周縁により阻止することができる。更に、シール材と配向膜とが直接接着される部位には疎水性処理被膜が形成されていないので、密着性が向上し良好な接着性を得ることができる。
第5の電気光学装置の製造方法は、第4の電気光学装置の製造方法において、前記疎水性を有する表面処理剤は、シランカップリング剤であることを特徴とする。
このような構成では、表面処理剤をシランカップリング剤としたので、例えば無機配向膜面を効率的に表面処理することが可能であり、良好な疎水性処理面を得ることが可能である。
本発明による第1の電気光学装置は、第1〜第6の電気光学装置の何れか1つを備えて構成されていることを特徴とする。このような構成では、本発明による電子機器が第1〜第6の電気光学装置の何れか1つを備えているので、この電子機器に組み込まれている電気光学装置は、その配向膜の表面の耐湿性が向上し、配向不良、配向むらの発生が抑制されて、高い表示品質を得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1、図2に本発明の第1実施形態を示す。図1は液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図2はTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を保持する組立工程終了後の液晶装置であって、図1のH−H'断面図である。
図1、図2に本発明の第1実施形態を示す。図1は液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図2はTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を保持する組立工程終了後の液晶装置であって、図1のH−H'断面図である。
図1、図2には、電気光学装置の代表である液晶装置が示されている。この液晶装置は、TFT基板10と、これに対向配置される対向基板20とを有している。TFT基板10の対向基板20に対する対向面には、画像表示領域10a、及びこの画像表示領域10aを囲むようにシール領域10bが設けられている。
更に、このTFT基板10上のシール領域10bに沿ってシール材52が配設されている。又、対向基板20には、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して画像表示領域10aを規定する遮光性の周辺遮光膜53が設けられている。このシール材52の一辺に、電気光学物質としての液晶50をセル注入方式で注入するための液晶注入口108が形成されており、この液晶注入口108が、シール材52と同一又は異なる材料からなる封止材109により閉塞されている。尚、液晶50を注入する方式としては、セル注入方式以外に液晶滴下方式がある。この液晶滴下方式では、両基板10,20を貼り合わせる前に、液晶50を予め滴下しておくので、シール材52に液晶注入口108を形成する必要はない。
又、画像表示領域10aには、データ線及び走査線(図示せず)が縦横に交差するように配置されていると共に、これらの配線により囲まれる各領域にマトリクス状に複数形成された例えばITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明導電性薄膜からなる画素電極9aと、この画素電極9aを制御するためのTFT(図示せず)とが配置されている。このTFTやこれらの電極等の上層には絶縁膜(図示せず)を介して無機配向膜16が形成されている。又、画像表示領域の周辺に広がる周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側部分には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFT基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更に、TFT基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間を電気的に接続するための複数の配線105が設けられている。尚、走査線駆動回路104、及び配線105は、シール材52の内側の周辺遮光膜53に対向する位置に配設されている。
又、対向基板20の4隅には、上下導通材106が設けられており、TFT基板10に設けられた上下導通端子107と対向基板20に設けられた対向電極21との間で電気的に導通されている。外部回路接続端子102には、図示しないフレキシブル配線基板(FPC)が接続されており、このフレキシブル基板から外部回路接続端子102を介して供給される画像信号に基づいて画像表示領域10aに画像が表示される。
一方、TFT基板10に対向配置されている対向基板20はシール材52とほぼ同じ輪郭を有しており、このTFT基板10と対向基板20との間のシール材52により囲まれた領域に液晶50が封入されて保持されている。液晶50は、画素電極9aからの電界が印加されていない状態で無機配向膜16,22により所定の配向状態が設定される。又、シール材52は、TFT基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、この接着剤には、両基板10,20の間隔を一定に保持するためのスペーサが混入されている。
対向基板20には、その全面に渡って、ITO膜等の透明導電性薄膜からなる対向電極21が設けられており、その上層(TFT基板10との対向面)に無機配向膜22が形成されている。又、TFT基板10の画像表示領域10a及びシール材52が接着されるシール領域10bには無機配向膜16が形成され、これら領域以外の領域、具体的にはシール領域10bより外側は無機配向膜16が除去されている。
本実施形態で採用する無機配向膜16,22は、蒸着、スパッタ、塗布法などによって形成された無機化合物の膜である。無機化合物としてはSiO,SiO2,MgF,A1203,TiO2等がある。又、液晶50の動作モードとしては傾斜垂直配向、TN(Twisted Nematic)型の水平配向等がある。
又、図2に示すように、両無機配向膜16,22の表面に疎水性処理が施されている。この疎水性処理は、具体的には、各無機配向膜16,22の表面に疎水性処理被膜24,25を形成することで実施される。すなわち、疎水性を有する表面処理剤(以下、「疎水性処理剤」と称する)を両無機配向膜16,22に付着させて、乾燥させることで、配向膜16,22の表面に疎水性処理被膜24,25を形成する。
本実施形態で採用する疎水性処理剤は、オクタデシルトリエトキシシラン(ODS)等のシランカップリング剤を主成分として構成されている。シランカップリング剤は無機材料と強固に結合するため、無機配向膜16,22に対する密着性が良い。又、無機材料からなる無機配向膜16,22の表面をシランカップリング剤で処理することで、この無機配向膜16,22の表面は有機基が配向し疎水性が高められる。従って、シランカップリング剤を用いた疎水性処理により無機配向膜16,22の表面の耐湿性が向上する。
次に、各基板10,20の無機配向膜16,22上に疎水性処理被膜24,25を形成するプロセスについて説明する。
表面処理工程は、TFT基板10、及び対向基板20がそれぞれ多数配列されているTFT基板用大型基板と対向基板用大型基板の各製造プロセス(いわゆる前工程)において行われる。
すなわち、各大型基板に無機配向膜16,22を、斜方蒸着或いは指向性スパッタリング等により所定に形成した後、この無機配向膜16,22の表面に、シランカップリング剤を主成分とする疎水性処理剤を、周知のスピンコート方式、ディプコート方式、印刷方式、或いは吹き付け方式により表面に付着させる(付着工程)。
次いで、TFT基板用大型基板と対向基板用大型基板とをそれぞれ所定加熱処理により乾燥させて、無機配向膜16,22上に、膜厚が数nm程度の疎水性処理被膜24,25を各々形成する(被膜形成工程)。
その後、両大型基板を貼り合わせ工程へ搬送し、TFT基板10と対向基板20とをシール材52を介して貼り合わせる。尚、この貼り合わせ工程は従来通りであるため、説明を省略する。
このように、本実施形態では、TFT基板10及び対向基板20に形成されている無機配向膜16,22の表面に疎水性処理被膜24,25を形成したので、この無機配向膜16,22の表面の疎水性が向上し、耐湿性を向上させることができる。又、無機配向膜16,22の全面に疎水性処理被膜24,25を形成したので、無機配向膜16,22のアンカリング力が補強され、更に、外部からの水分の侵入を防止することもできる。その結果、配向不良、配向むらの発生が抑制されて、より高い表示品質を得ることができる。又、製造に際しては、無機配向膜16,22上に疎水性処理剤を付着させて乾燥させるだけであるため、製造が容易で作業性がよい。
[第2実施形態]
図3、図4に本発明の第2実施形態を示す。図3は液晶装置の分解斜視図、図4は図3のIV-IV断面図である。尚、第1実施形態と同一構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図3、図4に本発明の第2実施形態を示す。図3は液晶装置の分解斜視図、図4は図3のIV-IV断面図である。尚、第1実施形態と同一構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
上述した第1実施形態では、各基板10,20の無機配向膜16,22の全面に渡って疎水性処理被膜24,25を形成したが、本実施形態では、各無機配向膜16,22のシール材52が接着される領域、具体的には、TFT基板10ではシール領域10b、対向基板20では外周縁部にのみ疎水性処理被膜24a,25aを形成するようにしたものである。湿気はシール材52と無機配向膜16,22との接合面から、シール材52の内側に浸入するため、当該接合面にのみ疎水性処理被膜24a,25aを形成すれば、耐湿性を確保することができる。尚、疎水性処理被膜24a,25aを形成する際に用いる疎水性処理剤は第1実施形態と同一のものである。
次に、各基板10,20の無機配向膜16,22上に疎水性処理被膜24a,25aを形成するプロセスについて説明する。尚、この表面処理工程は、上述した第1実施形態と同様、TFT基板用大型基板と対向基板用大型基板の各製造プロセス(いわゆる前工程)において行われる。
先ず、各大型基板に無機配向膜16,22を所定に形成する。次いで、TFT基板用大型基板に配設されている各TFT基板10の無機配向膜16が形成されている面のシール領域10bに、シランカップリング剤を主成分とする疎水性処理剤を、周知のディスペンス方式、或いは印刷方式により付着させる。同様に、対向基板用大型基板に配設されている各対向基板20の無機配向膜22が形成されている面の外周縁、すなわち、シール材52が接合される面に、シランカップリング剤を主成分とする疎水性処理剤を、周知のディスペンス方式、或いは印刷方式により付着させる(付着工程)。
次いで、TFT基板用大型基板と対向基板用大型基板とをそれぞれ所定加熱処理により乾燥させて、疎水性処理剤による疎水性処理被膜24a,25aを無機配向膜16,22上に形成する(被膜形成工程)。
その後、両大型基板を貼り合わせ工程へ搬送し、貼り合わせ工程において、TFT基板10と対向基板20との疎水性処理被膜24a,25bが形成されている面上の一方に、接着剤から成るシール材52を塗布し、このシール材52を介してTFT基板10と対向基板20とを貼り合わせる。
ところで、疎水性処理被膜24a,25bの材料であるシランカップリング剤は有機化合物との相溶性が良好であるため、有機材料からなるシール材52に対して疎水性処理被膜24a,25bを良好に密着させることができる。
このように、本実施形態では、外部の湿気が浸入するシール材52と両基板10,20との接合面に疎水性処理被膜24a,25aを形成したので、シール材52との間の接合面における疎水性が確保され、画像表示領域10a側への湿気の浸入を阻止することができる。その結果、無機配向膜16,22の耐湿性を向上させることができる。又、シール材52の内側、すなわち、画像表示領域10a側には疎水性処理被膜24a,25bが形成されていないので、表示品質の悪化を招くことがない。
更に、画像表示領域10aには疎水性処理被膜24a,25bを形成しないので、シール材52との間で疎水性を付与できる表面処理剤に特化して材料を選択することができる。この場合、疎水性処理剤として用いるシランカップリング剤はシール材52との間での相溶性が良好であるため、疎水性を長期的に保持することができる。
[第3実施形態]
図5、図6に本発明の第3実施形態を示す。図5は液晶装置の分解斜視図、図6は図5のVI-VI断面図である。尚、第1実施形態と同一構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図5、図6に本発明の第3実施形態を示す。図5は液晶装置の分解斜視図、図6は図5のVI-VI断面図である。尚、第1実施形態と同一構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、上述した第2実施形態の変形例である。第2実施形態では、シール材52との接合面全体に疎水性処理被膜24a,25aを形成したが、本実施形態では、シール材52の接合面の外周縁に対応する部位にのみに疎水性処理被膜24b,25bを形成し、当該接合面の内周縁に対応する部位に接着領域26,27を確保するようにしたものである。
この場合、外周縁に対応する部位に形成する疎水性処理被膜24b,25bの被膜形成領域幅W2は、シール材52の断面幅W1等に応じて適宜設定する。尚、本実施形態では、被膜形成領域幅W2を断面幅W1の50%(W2=(W1)/2)に設定している。
このように、本実施形態では、シール材52の断面幅W1に対し、その外周縁側の被膜形成領域幅W2に疎水性処理被膜24b,25bを形成したので、外部からの湿気の浸入は疎水性処理被膜24b,25bにて阻止することができる。そのため、無機配向膜16,22の耐湿性を保証することができる。又、シール材52と各無機配向膜16,22とが疎水性処理被膜24b,25bを介することなく、接着領域26,27において直接接着されるようにしたので、シール材52の内周縁側は無機配向膜16,22とシール材52との密着性が向上し、良好な接着性を得ることができる。尚、図6においては、疎水性処理被膜24b,25bの膜厚をデフォルメして記載しているが、実際の膜厚は数nm程度と極めて薄い。従って、疎水性処理被膜24b,25bと接着領域26,27との境界に、図6に示すような大きな段差が生じることはない。
尚、疎水性処理被膜24b,25bを形成するプロセスは、上述した第2実施形態の疎水性処理被膜24a,25aを、疎水性処理被膜24b,25bと読み換えることで適用できるため、説明を省略する。又、シール材52と配向膜16,22とを接着させて硬化させるプロセスについても従来の技術を用いて行われるため説明を省略する。
[電子機器の実施形態]
次に、図7に示す投射型カラー表示装置の図式的断面図を参照して、上述した液晶装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例である投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。
次に、図7に示す投射型カラー表示装置の図式的断面図を参照して、上述した液晶装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例である投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。
本実施形態における投射型カラー表示装置の一例である液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFT基板10上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。
液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。その際、特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
尚、本発明は上述した各実施形態に限るものではなく、例えば配向膜は、有機配向膜であっても良く、又、配向膜の成形方法も斜方蒸着処理以外に、ラビング処理、イオンビーム処理によって形成されたものであっても良く、更に、斜方蒸着処理とラビング処理とイオンビーム処理とを適宜組み合わせて2回以上の処理で形成したものであっても良い。
又、疎水性処理被膜は、必ずしもTFT基板10と対向基板20との双方の対向面に形成する必要はなく、一方の基板10(或いは20)に対してのみ疎水性処理被膜を形成するようにしても良い。
本発明における電気光学装置は、TFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置以外に、パッシブマトリックス型の液晶装置、TFD(薄型ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶装置であっても良い。
又、電子機器は、本発明による電気光学装置を備えて実現できるものであれば、上述した液晶プロジェクタ1100に限らず、テレビジョン受像機、ビューファインダ型或いはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の各種の電子機器に適用することができる。
9a…画素電極、10…TFT基板、10a…画像表示領域、10b…シール領域、16…無機配向膜、20,22…対向基板、24,24a,24b,25,25a,25b…疎水性処理被膜、26,27…接着領域、50…液晶、52…シール材、1100…液晶プロジェクタ、W1…断面幅、W2…被膜形成領域幅
Claims (12)
- 互いに対向する一対の基板がシール材を介して貼り合わされ、該両基板の対向面に配向膜が形成されていると共に、該両基板と該シール材とで囲まれた領域に電気光学物質が保持されている電気光学装置において、
前記両基板の内の少なくとも一方の基板に形成されている前記配向膜の表面に疎水性処理が施されている
ことを特徴とする電気光学装置。 - 前記疎水性処理は、前記配向膜の全面に施されている
ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。 - 前記疎水性処理は、前記シール材に接合される前記配向膜の領域に施されている
ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。 - 前記疎水性処理は、前記シール材の外周縁に接合される前記配向膜の領域に施されている
ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。 - 前記疎水性処理は、疎水性を有する表面処理剤を用いて行われる
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電気光学装置。 - 前記疎水性を有する表面処理剤はシランカップリング剤である
ことを特徴とする請求項5記載の電気光学装置。 - 互いに対向する一対の基板の対向面に配向膜を形成した後、該両基板をシール材を介して貼り合わせて、該両基板と該シール材とで囲まれた領域に電気光学物質を保持する電気光学装置の製造方法において、
前記両基板の内の少なくとも一方の基板に形成されている前記配向膜の表面に疎水性を有する表面処理剤を付着させる付着工程と、
付着された前記表面処理剤を乾燥させて前記配向膜の表面に疎水性処理被膜を形成する被膜形成工程と
を備えることを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記疎水性処理被膜は、前記配向膜の全面に形成される
ことを特徴とする請求項7記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記疎水性処理被膜は、前記シール材に接合される前記配向膜の領域に形成される
ことを特徴とする請求項7記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記疎水性処理被膜は、前記シール材の外周縁に接合される前記配向膜の領域に形成されている
ことを特徴とする請求項7記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記疎水性を有する表面処理剤は、シランカップリング剤である
ことを特徴とする請求項10記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記請求項1〜6の何れか1項に記載の電気光学装置を備えて構成されている
ことを特徴とする電子機器。
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