JP2008082805A - 標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度を算出する方法、およびそれを用いて算出された相対感度データを有する水素炎イオン化形分析計 - Google Patents

標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度を算出する方法、およびそれを用いて算出された相対感度データを有する水素炎イオン化形分析計 Download PDF

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Abstract

【課題】FIDを用いたガス濃度測定器に関し、CHやC等の標準ガスに対するVOCガスの相対感度を簡便に得ることができる相対感度の算出方法を提供する。
【解決手段】VOC液体をエバポレータに注入してVOCガスを発生させ;そのVOCガスを随時、流量制御可能なキャリアガス2aにより、標準ガスによる校正を経たFID5に導入し;FID5により、導入されたVOCガスの濃度を随時測定し;その測定した濃度につき所定期間の相加平均をとって、VOCガスに関する第1の平均濃度を得て;その第1の平均濃度を、それとは別の手段によって得られた上記所定期間に対応する基準平均濃度で除して、相対感度を算出するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素炎イオン化形分析計について、標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度を算出する方法と、それを用いて算出された相対感度データを有する水素炎イオン化形分析計とに関する。
浮遊粒子状物質や光化学オキシダントにかかる大気汚染の状況は未だ深刻であり、現在、これに対処することが急務となっている。
浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの発生原因には様々なものがあるが、大気中で気体となる所謂揮発性有機化合物(以下、VOCと称する)が一因である。そこで、近年、VOCの排出を抑制すべく大気汚染防止法が改正され、塗装関係施設や印刷関係施設等のVOC排出施設については、VOC濃度の測定および記録が義務付けられると共に、その排出基準の遵守が義務付けられている。
VOC濃度の測定については、触媒酸化−非分散形赤外線分析計(以下、NDIRと称する)または水素炎イオン化形分析計(以下、FIDと称する)が使用される。
ここで、FIDのVOCに関する応答は、その分子に含まれる炭素数に比例すると言われているが、VOCの種類および酸素が共存する場合などは、必ずしも比例しない。
したがって、VOCガスの濃度測定に際しては、使用するFIDに関し、CまたはCHなどの標準ガス(ガス濃度計の校正に用いられる濃度既知のガスであって、国家標準に対するトレーサビリティを有するもの)に対するそのVOCガスの相対感度を事前に調べておき、当該標準ガスによって校正したFIDによる濃度測定値に当該相対感度を掛けて、真の濃度測定値を得る必要がある。ここで、被験VOCガスの試験ガス(非標準ガスであって、濃度が既知である被験VOCガス)が市販されている場合は、それを用いて相対感度を求める試験を行えばよいが、沸点の高いVOCガスや吸着性が強いVOCガスは、その不安定性から製造する事が非常に難しく、市販されていない場合が多い。
被験VOCガスの試験ガスが入手できない場合は、例えば特許文献1または2に示すような標準ガス等の調製方法を用いて、被験VOCガスの試験ガスを生成し、それを用いて相対感度を求める試験を行っていた。つまり、液状のVOCを封入したパーミエイションチューブ等を温度一定の恒温槽に入れ、パーミエイションチューブの周囲に一定流量のキャリアガスを流すことで発生させた常に一定濃度であるVOCガスを、CHまたはC等の標準ガスで校正されたFIDに導入し、その指示値から相対感度を算出していた。
なお、VOCガスの濃度は、パーミエイションチューブの透過率(あるいはパーミエイションチューブの重量変化など)とキャリアガス流量とから計算される。
特開2003−315216号公報 特開2005−326272号公報
しかしながら、上記の方法においては、常に一定濃度のVOCガスを発生させるために、恒温槽の温度を精度良く一定に制御する必要がある。また、恒温槽の温度範囲には一般に制限があるため(例えば上限60℃)、高沸点および高濃度のVOCガスを発生させる事が困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、FIDを用いたガス濃度測定器において、試験ガスを入手困難なVOCにつき、CHやC等の標準ガスに対する相対感度を簡便に得ることができる相対感度の算出方法、およびそれを用いて算出された相対感度データを有する水素炎イオン化形分析計を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、(1)水素炎イオン化形分析計に関し、標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度を算出する方法であって、(A)液状の揮発性有機化合物をエバポレータに注入して気化させ、揮発性有機化合物ガスを発生させるステップと、(B)前記エバポレータで発生した揮発性有機化合物ガスを随時、流量制御可能なキャリアガスにより、前記標準ガスによる校正を経た前記水素炎イオン化形分析計に導入するステップと、(C)前記水素炎イオン化形分析計により、導入された前記揮発性有機化合物ガスの濃度を随時測定するステップと、(D)前記ステップ(C)において測定した前記揮発性有機化合物ガスの濃度につき、所定期間の相加平均をとって、前記揮発性有機化合物ガスに関する第1の平均濃度を得るステップと、(E)前記第1の平均濃度を、それとは別の手段によって得られた前記所定期間に対応する基準平均濃度で除して、相対感度を算出するステップと、を含んでいることを特徴とする、標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度を算出する方法を提供するものである。
また本発明は、上記構成(1)において、(2)前記基準平均濃度は、i)前記ステップ(A)において注入された前記液状の揮発性有機化合物の前記所定期間に対応する総体積を、前記ステップ(B)において導入された前記キャリアガスの前記所定期間に対応する総体積で除し、さらに前記揮発性有機化合物の炭素数を掛けて算出した第2の平均濃度、または、ii)触媒酸化−非分散形赤外線分析計により、前記エバポレータで発生した揮発性有機化合物ガスの濃度を随時測定し、その測定した濃度につき、前記所定期間に対応する期間の相加平均をとって得られた第3の平均濃度、であることを特徴とする、標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度を算出する方法を提供するものである。
また本発明は、上記構成(1)および(2)の算出方法により算出された、標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度データを記憶手段に格納している、または、当該相対感度データを記載したシートが添付されていることを特徴とする水素炎イオン化形分析計を提供するものである。
なお、標準ガスとは、ガス濃度計の校正に用いられる濃度が既知のガスであって、国家標準に対するトレーサビリティを有するものを指す。
上記のように構成された本発明は、常に一定濃度のVOCガスを発生させる従来の方法とは異なり、一定量のVOC液体をエバポレータで全て気化させ、そのVOCガスを一定流量のキャリアガスにより希釈して発生させる。したがって、本発明によれば、恒温槽の温度を精度良く一定に制御する必要がなく、標準ガスに対する相対感度を簡便に得ることができる。また、本発明によれば、恒温槽の温度範囲に特に制限がないため、高沸点および高濃度のVOCガスについても簡便に相対感度を得ることができる。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の好ましい一実施形態につき説明する。
まず、本実施形態にかかる相対感度算出システム1について説明する。
相対感度算出システム1は、図1に示す如く、キャリアガス供給手段2と、キャリアガス供給手段2に接続されたVOCエバポレータ3と、VOCエバポレータ3に導管4を介して接続されたTHC計(全炭化水素計)5と、THC計5の濃度測定データを処理するためのデータ処理装置6と、から構成されている。
キャリアガス供給手段2は、炭化水素を含んでいない純空気ガスまたは純窒素ガス等のキャリアガスを封入したボンベ2aと、圧力計2bとからなっており、VOCエバポレータ3に対して、当該キャリアガスを導入し得るように接続されている。
VOCエバポレータ3は、キャリアガス供給手段2に接続された調圧弁3aと、圧力計3bと、マスフローコントローラ3cと、恒温槽3dと、恒温槽3d内に収容されたプレヒーティング部3eと、気化部3fとからなっている。
気化部3fは、外部からVOC液体を注入するための注入口3gを備えており、マイクロシリンダMC等を用いて注入口3gから注入されたVOC液体を気化させ、VOCガスを得るようになっている。
THC計5は、FID(不図示)を備えており、気化部3fで発生したVOCガスに関する濃度を随時測定し得るようになっている。
また、導管4は、VOCガスの吸着損失を防ぐために、テフロン(登録商標)管を用いるのが好ましい。
次に、本実施形態にかかる相対感度算出方法について説明する。
まず、キャリアガス供給手段2より、マスフローコントローラ3cによって流量制御を行いつつ、キャリアガスをVOCエバポレータ3に導入する。なお、マスフローコントローラ3cの流量単位は標準状態、つまり、0℃・1気圧の時の流量表示〔SLM〕となる。また、設定流量はVOCの沸点やVOCガス発生濃度などに応じて適宜設定する。
次に、相対感度を求めるべきVOCの液体をマイクロシリンジMC等によって適量採取し、恒温槽3d内の気化部3fに注入する。気化部3fにおいて生じたVOCガスは、キャリアガスにより希釈されつつ、C等の標準ガスで校正されたTHC計5に随時導入される。
なお、恒温槽3dの設定温度はVOCの沸点などに応じて適宜設定する。
次に、THC計5におけるFIDが随時測定したVOCガスの濃度のデータを、データ処理装置6によって受信する。
そして、データ処理装置6が受信した上記濃度データにつき、所定期間(ここでは、VOCガスをTHC計5へ導入した時の指示値の立ち上がりから下がり終わるまでの期間)の相加平均をとって、VOCガスに関する平均濃度C(第1の平均濃度)〔ppmC〕を算出する。さらに、このC〔ppmC〕を、VOC液体の上記所定期間に対応する注入量(ここでは、全注入量)等から計算されたVOCガスの平均濃度C(第2の平均濃度)〔ppmC〕で除し、相対感度Rを算出する。このときの演算式は次に示す通りである。
なお、〔ppmC〕は、炭素原子数を基準としたppm値であり、具体的には、VOCの濃度〔ppm〕にそのVOC分子に含まれる炭素数を掛けた値である。
R=C〔ppmC〕/C〔ppmC〕・・・(式1)
=1.344×10(n×v×d/m×f×t)・・・(式2)
n:VOC分子に含まれる炭素数〔個〕
v:マイクロシリンジで注入したVOC液体量〔μL〕
d:VOCの比重(at 雰囲気温度)
m:VOCの分子量
f:キャリアガス流量(at 0℃、1atm)〔SLM〕
t:VOCガスをTHC計へ導入した時の、FID指示値の立ち上がりから下が
り終わるまでの時間(すなわち、濃度測定の期間)〔sec〕
※(参考)
=[(v×10−3×d/m)〔mol〕×22.4〔L/mol〕]÷[(f/60)
×t]〔L〕×10×n 〔ppmC〕
=22.4×60×10−3×10×(v×d×n/m×f×t)
=1.344×10×(v×d×n/m×f×t)
以上のように構成した第1実施形態にかかる算出方法は、常に一定濃度のVOCガスを発生させる従来の方法とは異なり、一定量のVOC液体をエバポレータで全て気化させ、そのVOCガスを一定流量のキャリアガスにより希釈して発生させる。したがって、当該算出方法によれば、恒温槽の温度を精度良く一定に制御する必要がなく、標準ガスに対する相対感度を簡便に得ることができる。また、当該算出方法によれば、恒温槽の温度範囲に特に制限がないため、高沸点および高濃度のVOCガスについても簡便に相対感度を得ることができる。
また、THC計の製造者は、出荷前に、当該算出方法を用いてTHC計それぞれの相対感度を予め得ておき、そのデータをそのTHC計に添付しておくことができる。この場合、当該THC計の購入者は、自ら当該算出方法を用いて相対感度を得なくても、添付された相対感度データを用いて、容易に真の測定値を得ることができる。
なお、THC計が記憶手段および計算手段を備えるものである場合、得られた相対感度データを当該記憶手段に予め格納しておき、その相対感度データと計算手段とにより、THC計が自動的に真の値を計算・表示するように構成することもできる。
[実施例1]
次に、一例として、上記相対感度算出方法により、高沸点VOCであるシリコーンオイルの相対感度を求めた例を挙げる。
まず、シリコーンオイルの物性を以下に示す。
分子式 :(CH-Si-O-CH
比 重d:0.96(at 25℃)
分子量m:370.5
炭素数n:10 〔個〕
沸 点 :210 〔℃〕
融 点 :−30 〔℃〕
また、他の試験条件を以下に示す。
キャリアガス流量f :1.5 〔SLM〕
採取したVOC液体量v:50 〔μL〕
恒温槽温度 :約150 〔℃〕
標準ガス :CH
上記条件で、VOCガスをTHC計5へ導入して得られた濃度測定値を図2に示す。なお、再現性を確認するために試験を3回行い、それぞれ試験N1〜N3とした。
また、試験N1〜N3における濃度測定値の相加平均をとった平均濃度Cと、濃度検出信号の立ち上がりから下がり終わるまでの時間tを表1に示す。なお、今回、濃度検出信号の「下がり終わる」タイミングは、検出信号がそのピーク値の0.1〜0.5%以下になったときとした。
Figure 2008082805
以上の値を(式2)に代入し、試験N1〜N3におけるVOCガスの平均濃度Cを算出し、さらに、CおよびCを(式1)に代入して相対感度Rを算出した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2008082805
試験N1〜N3における相対感度の平均値はRAV=0.933となり、試験N1〜N3それぞれに関する偏差は±1%以内であって良好である。このことから、本発明によれば、VOCの注入の仕方、すなわちVOCの気化パターンが異なっても、同様に相対感度を得られることがわかる。
[第2実施形態]
次に、図面を参照して、本発明の相対感度算出方法の別の実施形態について説明する。
まず、本実施形態にかかる相対感度算出システム11について、説明する。なお、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付すと共にその説明を省略する。
相対感度算出システム11は、図3に示す如く、キャリアガス供給手段2と、キャリアガス供給手段2に接続されたVOCエバポレータ3と、VOCエバポレータ3に導管4を介して接続されたTHC計5と、VOCエバポレータ3に酸化触媒7を介して接続されたCO計8と、THC計5およびCO計8の分析データを処理するためのデータ処理装置6と、から構成されている。
CO計8は、NDIR(不図示)を備えており、酸化触媒7によってCOガスに変換されたVOCガスに関する平均濃度(第3の平均濃度)を随時測定し得るようになっている。
次に、本実施形態にかかる相対感度算出方法について説明する。
まず、キャリアガス供給手段2より、マスフローコントローラ3cによって流量制御を行いつつ、キャリアガスをVOCエバポレータ3に導入する。
なお、設定流量はVOCの沸点やVOCガス発生濃度などに応じて適宜設定する。
次に、相対感度を求めるべきVOC液体をマイクロシリンジMC等によって適量採取し、恒温槽3d内の気化部3fに注入する。気化部3fにおいて生じたVOCガスは、キャリアガスにより希釈されつつ、C等の標準ガスで校正されたTHC計5およびCO計8に導入される。
ここで、CO計8には、その上流に配置された酸化触媒7によって完全に酸化された後のVOCガスが導入される。
なお、恒温槽3dの設定温度はVOCの沸点などに応じて適宜設定する。
次に、THC計5およびCO計8が測定したVOCガスの濃度のデータを、データ処理装置6によって受信する。
そして、データ処理装置6が受信したTHC計5に関する濃度データにつき、所定期間(ここでは、VOCガスをTHC計5へ導入した時の指示値の立ち上がりから下がり終わるまでの期間)の相加平均をとり、VOCガスの平均濃度Cm1(第1の平均濃度)〔ppmC〕を算出する。さらに、データ処理装置6が受信したCO計8に関する濃度データにつき、上記所定期間に対応する期間(ここでは、VOCガスをCO計8へ導入した時の指示値の立ち上がりから下がり終わるまでの期間)の相加平均をとり、VOCガスの平均濃度Cm2(第3の平均濃度)〔ppmC〕を算出する。そして、Cm1〔ppmC〕をCm2〔ppmC〕で除し、相対感度R’を算出する。
すなわち、第2実施形態にかかる相対感度算出方法は、第1実施形態における(式1)のCを、CO計8によって測定したCm2に置き換えて、相対感度を算出するものである。
第2実施形態にかかる演算式は、次に示す通りである。
R’=Cm1〔ppmC〕/Cm2〔ppmC〕・・・(式3)
第2実施形態にかかる算出方法によれば、第1実施形態にかかる算出方法と同様に、簡便に相対感度を得ることができる。
また、第1実施形態にかかる算出方法のようにCを算出する必要がないため、(式2)に関するデータをとる必要がなく、より簡便に相対感度を算出することができる。
[実施例2]
次に、一例として、上記相対感度算出方法により、酢酸エチルの相対感度を求めた例を挙げる。
まず、酢酸エチルの物性を以下に示す。
分子式 :CHCOOC
比 重d:0.902(at 25℃)
分子量m:88.11
炭素数n:4 〔個〕
沸 点 :77 〔℃〕
融 点 :−84 〔℃〕
また、他の試験条件を以下に示す。
キャリアガス流量f :2.0 〔SLM〕
採取したVOC液体量v:6 〔μL〕
恒温槽温度 :約25 〔℃〕
標準ガス :C
VOCガスをTHC計5およびCO計8へ3回(試験N4〜N6とする)導入して得られた濃度測定値をそれぞれ図4〜図6に示す。また、試験N4〜N6に関して得られた平均濃度Cm1およびCm2と、THC計5の濃度検出信号の立ち上がりから下がり終わるまでの時間tを表3に示す。
Figure 2008082805
表3のCm1およびCm2の値を(式3)に代入し、N4〜N6における相対感度R’を算出した。また、比較のために、以上の値を(式1)および(式2)に代入し、相対感度Rを算出した(このとき、(式1)のCはCm1と置き換える)。これらの結果を表4に示す。
Figure 2008082805
試験N4〜N6における相対感度R’の平均値はR’AV=0.725となり、試験N4〜N6それぞれに関する偏差は±2%以内であって良好である。
また、試験N4〜N6における相対感度R’は、第1実施形態の算出方法にかかる相対感度Rとほぼ同じ値を示しており、第2実施形態にかかる算出方法が妥当なものであることがわかる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
沸点の高いVOCを対象とする場合や高濃度のVOCガスを発生させる場合等は、上記実施形態における導管4に対して加熱導管を用いるのが好ましい。
また逆に、沸点が低く、吸着性の少ないVOCガスを発生させる場合は、気化速度が速くてFIDからの濃度検出信号のピークが高濃度かつシャープとなり過ぎ、信号処理上問題が生じる時がある。この場合は、流路途中にバッファタンクを設置するのが好ましい。
第1実施形態にかかる相対感度算出システムを示すブロック図である。 第1実施形態にかかるVOCガスの濃度測定結果を示す図である。 第2実施形態にかかる相対感度算出システムを示すブロック図である。 第2実施形態にかかるVOCガスの濃度測定結果を示す図である。 第2実施形態にかかる別のVOCガスの濃度測定結果を示す図である。 第2実施形態にかかるさらに別のVOCガスの濃度測定結果を示す図である。
符号の説明
1 相対感度算出システム
2 キャリアガス供給手段
2a キャリアガス(ボンベ)2a
3 VOCエバポレータ
4 導管
5 THC計(FID)
6 データ処理装置

Claims (3)

  1. 水素炎イオン化形分析計に関し、標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度を算出する方法であって、
    (A)液状の揮発性有機化合物をエバポレータに注入して気化させ、揮発性有機化合物ガスを発生させるステップと、
    (B)前記エバポレータで発生した揮発性有機化合物ガスを随時、流量制御可能なキャリアガスにより、前記標準ガスによる校正を経た前記水素炎イオン化形分析計に導入するステップと、
    (C)前記水素炎イオン化形分析計により、導入された前記揮発性有機化合物ガスの濃度を随時測定するステップと、
    (D)前記ステップ(C)において測定した前記揮発性有機化合物ガスの濃度につき、所定期間の相加平均をとって、前記揮発性有機化合物ガスに関する第1の平均濃度を得るステップと、
    (E)前記第1の平均濃度を、それとは別の手段によって得られた前記所定期間に対応する基準平均濃度で除して、相対感度を算出するステップと、
    を含んでいることを特徴とする、標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度を算出する方法。
  2. 前記基準平均濃度は、
    i)前記ステップ(A)において注入された前記液状の揮発性有機化合物の前記所定期間に対応する総体積を、前記ステップ(B)において導入された前記キャリアガスの前記所定期間に対応する総体積で除し、さらに前記揮発性有機化合物の炭素数を掛けて算出した第2の平均濃度、
    または、
    ii)触媒酸化−非分散形赤外線分析計により、前記エバポレータで発生した揮発性有機化合物ガスの濃度を随時測定し、その測定した濃度につき、前記所定期間に対応する期間の相加平均をとって得られた第3の平均濃度、
    であることを特徴とする請求項1に記載の算出方法。
  3. 請求項1または2に記載の算出方法により算出された、標準ガスに対する揮発性有機化合物ガスの相対感度データを記憶手段に格納している、または、当該相対感度データを記載したシートが添付されていることを特徴とする水素炎イオン化形分析計。
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