JP2008082682A - 冷媒配管用フィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有底筒状の網部材(31)には、螺旋バネ(33)が内嵌される。螺旋バネ(33)と網部材(31)との間には、網部材(31)の底部を覆うようにしてカバー部(35)が設けられる。その結果、網部材(31)の底部における冷媒の通過が、カバー部(35)によって阻止される。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態1に係る冷媒配管用フィルタ(10)について説明する。冷媒配管用フィルタ(10)は、冷媒中に含まれる不純物を捕捉するためのものである。この冷媒配管用フィルタ(10)は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷凍装置に適用されるものである。具体的には、冷媒配管用フィルタ(10)は、室内の冷房と暖房とを切り換えて行う空気調和装置の冷媒回路の冷媒配管に接続されている。この冷媒配管用フィルタ(10)の接続箇所としては、例えば金属摩耗粉等の不純物が発生し易いレシーバーや油分離器の下流側であって、不純物の付着/目詰まりに起因して動作不良となり易い電磁弁や膨張弁等の上流側が挙げられる。
図1に示すように、冷媒配管用フィルタ(10)は、フィルタ収納配管(20)とフィルタ本体(30)とを備えている。
この冷媒配管用フィルタ(10)の組立て時には、一端側のみを縮径したフィルタ収納配管(20)内にフィルタ本体(30)を取り付ける。具体的には、まず、補強部材(32)が内嵌された状態の網部材(31)をフィルタ収納部(23)内に挿入する。その後、螺旋バネ(33)の下端部をフォルダ(38)で支持するようにしながら、網部材(31)の下端部をフォルダ本体部(38a)と外側筒部(38c)との間の筒状の空間に挿入する。このような状態で、フォルダ(38)を内側から拡径することで、外側筒部(38c)がフィルタ収納部(23)に圧着され、フィルタ収納配管(20)にフォルダ(38)が固定される。同時に、フォルダ本体部(38a)と外側筒部(38c)との間に網部材(31)の下端部が狭持され、網部材(31)及び補強部材(32)がフォルダ(38)に保持されることになる。その後、フィルタ収納配管(20)の他端側を縮径することで、図1に示すような冷媒配管用フィルタ(10)を得ることができる。
空気調和装置等の冷媒回路で冷凍サイクルが行われると、冷媒が図2又は図3に示すようにして冷媒配管用フィルタを通過する。
上記実施形態1では、有底筒状の網部材(31)の底部における冷媒の流通をカバー部(35)によって阻止するようにしている。このため、上記実施形態1によれば、冷媒の通過に起因して網部材(31)の底部が上下に撓んでしまうことを阻止でき、この網部材(31)の底部が破れてしまうのを未然に防止できる。従って、この冷媒配管用フィルタ(10)を長期に亘って継続して使用することができる。
実施形態1の変形例1に係る冷媒配管用フィルタ(10)は、上記実施形態1と網部材(31)の構成が異なるものである。具体的には、図4に示すように、この変形例1の網部材(31)は、両端に開口が形成されている。つまり、上記実施形態1の網部材(31)は、一端側のみに開口を有する有底筒状であったのに対し、この変形例1の網部材(31)は、両端に開口を有する筒状に形成されている。
図5に示すように、実施形態1の変形例2に係る冷媒配管用フィルタ(10)は、上記実施形態1と異なり、網部材(31)の底部が球面状となっている。また、補強部材(32)の縦バネ(34,34)は、その中間部(34a,34a)が網部材(31)の底部に沿うようにして湾曲している。同様に、カバー部(35)は、網部材(31)の底部に沿うようにして球面状に膨出しており、その内側の凹部に螺旋バネ(33)の上端部及び縦バネ(34,34)の中間部(34a,34a)が嵌り込んでいる。
上記実施形態1において、図1に示すような縦バネ(34)を設けないようにしても良い。この場合には、螺旋バネ(33)の線径を大きくすることで、網部材(31)を内部から充分補強することができる。
本発明の実施形態2に係る冷媒配管用フィルタ(10)は、上記実施形態1と補強部材(32)の構成が異なるものである。図6に示すように、実施形態2の網部材(31)は、上記実施形態1と同様、有底筒状に形成されている。一方、補強部材(32)は、カバー部(35)と、筒状の補強部材本体(33)とが一体に形成されて構成されている。具体的には、上記カバー部(35)は、円形の板状に形成され、このカバー部(35)が網部材(31)の底部全域を覆っている。また、カバー部(35)は、網部材(31)の底部に沿うように形成されている。一方、補強部材本体(33)は、網部材(31)の内周面に沿って形成された複数の長片部(36,36,…)で構成されている。各長片部(36,36,…)は、カバー部(35)の外周縁から網部材(31)の内周面に沿って同図の開放へ伸長している。そして、複数の長片部(36,36,…)は、カバー部(35)の周方向に互いに所定の間隔を置いて設けられている。そして、各長片部(36,36,…)の間の隙間が、冷媒が流通可能な複数の冷媒流通口(36a,36a,…)を構成している。また、補強部材(32)は、各長片部(36,36,…)の下端部がフォルダ(38)の環状板部(38b)の上面側に支持されることで、フォルダ(38)に保持されている。
上記実施形態2では、上記実施形態1と同様、カバー部(35)が網部材(31)の底部を覆うことで、この底部における冷媒の通過が阻止されている。このため、上記実施形態2においても、冷媒の通過に起因して網部材(31)の底部が破れてしまうのを防止できる。
実施形態2の変形例1の冷媒配管用フィルタ(10)には、図6に示す実施形態2のカバー部(35)について、図7に示すような複数の開口(35a,35a,…)が形成されている。このため、この変形例1では、上記実施形態2と異なり、冷媒が網部材(31)の底部の網を通過することになる。一方、実施形態2の変形例1においても、カバー部(35)が網部材(31)の底部に沿うように形成されている。このため、網部材(31)の底部はカバー部(35)によって内側から補強されるので、この底部が破れてしまうのを防止できる。
実施形態2の変形例2の冷媒配管用フィルタ(10)は、上記実施形態2と補強部材(32)の構成が異なるものである。具体的に、この補強部材(32)の補強部材本体(33)は、実施形態2と同様、網部材(31)の内周面に沿うような筒状に形成される一方、その周壁部が格子状となっている。そして、補強部材本体(33)には、その周壁の全域に亘って複数の冷媒流通口(36a,36a,…)が形成されている。
本発明の実施形態3に係る冷媒配管用フィルタ(10)は、上述した各実施形態と補強部材(32)の構成が異なるものである。具体的には、実施形態3の網部材(31)は、上記実施形態1の変形例2と同様、その底部が球面状に形成されている。一方、補強部材(32)は、網部材(31)の底部に沿うように形成されたカバー部(35)と、網部材(31)の内周面に沿うように形成せれた筒状の補強部材本体(33)を備えている。上記カバー部(35)は、網部材(31)の底部全域を覆っており、この底部における冷媒の通過を阻止している。上記補強部材本体(33)は、その側壁の全域に亘って複数の冷媒流通口(36a,36a,…)が形成されている。
上記実施形態3においても、網部材(31)の底部をカバー部(35)で覆うようにしたので、網部材(31)の底部における撓みを抑制でき、この底部が破れてしまうのを防止できる。また、実施形態3では、補強部材本体(33)とフォルダ(38)とが一体となっている。このため、実施形態3によれば、補強部材本体(33)とフォルダ(38)とを絞り加工によって容易に一体に成形でき、この冷媒配管用フィルタ(10)の製造コストを更に低減することができる。
上記実施形態3においては、上記網部材(31)をフォルダ(38)のフォルダ本体部(38a)と外側筒部(38c)との間に狭持させるのではなく、例えば図10に示すように、網部材(31)をフォルダ本体部(38a)に溶接して取り付けるようにしても良い。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
この例では、フィルタ収納配管(20)が、第1配管部(24)と第2配管部(25)の2つの分割体から構成されている。第1配管部(24)には、上端側の小径部(21)及びフィルタ収納部(23)が形成されている。一方、第2配管部(25)には、下端側の小径部(22)が形成されている。また、第2配管部(25)の上端には、フィルタ収納部(23)よりも大径の筒状の支持部(25a)が形成されている。更に、図11や図12の例では、フォルダ(38)の外側に外側筒部(38c)が形成されておらず、フォルダ本体部(38a)の下端部には、円板状のプレート(38d)が一体に形成されている。
31 網部材
32 補強部材
33 補強部材本体
35 カバー部
36 長片部
38 保持部
Claims (9)
- 冷媒中の不純物を捕捉するための冷媒配管用フィルタであって、
筒状の網部材(31)と、
上記網部材(31)に内嵌されて該網部材(31)を補強する補強部材(32)とを備え、
上記補強部材(32)は、網部材(31)の一端部を覆うことで該網部材(31)の一端部における冷媒の通過を阻止するカバー部(35)を有することを特徴とする冷媒配管用フィルタ。 - 請求項1において、
上記網部材(31)は、一端が開口する有底筒状に形成され、
上記カバー部(35)は、網部材(31)の底部を覆っていることを特徴とする冷媒配管用フィルタ。 - 請求項1において、
上記網部材(31)は、両端が開口する筒状に形成され、
上記カバー部(35)は、網部材(31)の一端側の開口部を塞いでいることを特徴とする冷媒配管用フィルタ。 - 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
上記補強部材(32)は、網部材(31)の内周面に沿って形成される螺旋状の補強部材本体(33)を有し、
上記補強部材本体(33)の一端に上記カバー部(35)が保持されていることを特徴とする冷媒配管用フィルタ。 - 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
上記補強部材(32)は、上記網部材(31)の内周面に沿うような筒状に形成されると共に複数の冷媒流通口(36a)が開口する補強部材本体(33)を有し、
上記カバー部(35)と上記補強部材本体(33)とが、一体に形成されていることを特徴とする冷媒配管用フィルタ。 - 冷媒中の不純物を捕捉するための冷媒配管用フィルタであって、
一端が開口する有底筒状の網部材(31)と、
上記網部材(31)に内嵌されて該網部材(31)を補強する補強部材(32)とを備え、
上記補強部材(32)は、網部材(31)の内周面に沿うような筒状に形成されると共に複数の冷媒流通口(36a)が開口する補強部材本体(33)と、該補強部材本体(33)と一体に形成され、且つ上記網部材(31)の底部に沿って形成されるカバー部(35)とを有していることを特徴とする冷媒配管用フィルタ。 - 請求項5又は6において、
上記補強部材本体(33)は、上記カバー部(35)から軸方向に延びる複数の長片部(36)が周方向に配列されて構成され、各長片部(36)の隙間が上記冷媒流通口(36a)を構成していることを特徴とする冷媒配管用フィルタ。 - 請求項5又は6において、
上記補強部材本体(33)の端部側開口部には、該補強部材本体(33)よりも大径の筒状の保持部(38)が該補強部材本体(33)と一体に形成され、
上記保持部(38)が冷媒配管(20)の内壁に圧着されることを特徴とする冷媒配管用フィルタ。 - 請求項2又は6において、
上記網部材(31)の底部は球面状に形成され、
上記カバー部(35)は、上記網部材(31)の底部に沿うように形成されていることを特徴とする冷媒配管用フィルタ。
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