JP2008080759A - プリンタヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源アレイ4とスペーサ部材6、及び、スペーサ部材6とレンズアレイ5とがそれぞれ光透過性を有する接着剤13,14により接合され、これら接着剤13,14は、光源アレイ4とスペーサ部材6、及び、スペーサ部材6とレンズアレイ5との間の距離を規定する第一接着剤13a,14aから成り、接着剤13,14のうち第一接着剤13a,14a以外の第二接着剤13b,14bは、第一接着剤13a,14aと比較して弾性率が低く設定されていることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
しかしながら、この構成においては光源アレイ、スペーサ部材及びレンズアレイの熱膨張率(熱膨張係数)がそれぞれ異なるため、有機EL素子の発熱や周辺機器の発熱等によって温度上昇した場合に、それぞれ部品(光源アレイ、スペーサ、レンズアレイ)毎の形状変化(膨張の度合い)の違いによって歪みが生じ、プリンタヘッドが変形してしまう場合がある。
結像の光学特性が低下してしまうと光源アレイからの出射光を忠実に像担持体に結像させる性能が低下し、結果的に出力画像の品位を低下させる原因となり得る。特に、像担持体に対するレンズアレイの位置が所定の位置よりも離れれば離れるほど、結像の光学特性は悪くなる。
このような構成とすることで、固定用接着剤によって光源アレイとスペーサ部材との間を所定の間隔に保ちつつ接合すると共に、光源アレイとスペーサ部材の熱膨張率の違いによる伸縮変化(形状変化)の歪みを他の接着剤によって吸収することができる。このため、プリンタヘッドの温度が変化した場合であってもプリンタヘッドが反ってしまうことがなく、像担持体に形成する結像の光学特性の低下を防止することができる。
このような構成とすることで、光源アレイとスペーサ部材との伸縮変化の歪みを他の接着剤によって吸収するのに加え、スペーサ部材とレンズアレイとの伸縮変化の歪みを他の接着剤によって吸収することができる。このため、温度変化によるプリンタヘッドの形状変化(反り)をより効果的に防止することが可能になる。
このような構成とすることで、固定用接着剤によって光源アレイとレンズアレイとの間を所定の間隔に保ちつつ接合すると共に、光源アレイとレンズアレイの熱膨張率の違いによる部品(光源アレイ、レンズアレイ)毎の伸縮変化を他の接着剤によって吸収することができる。このため、プリンタヘッドの温度が変化した場合であってもプリンタヘッドが反ってしまうことがなく、像担持体に形成する結像の光学特性の低下を防止することができる。
この場合、前記他の接着剤は、ゲル状組成物又はゴム状組成物から成るようにしてもよい。
このような構成とすることで、それぞれ熱膨張率の違いによる各部品の形状変化をより効果的に吸収することが可能になる。
このような構成とすることで、光源アレイ、レンズアレイ及びスペーサ部材の一部のみに固定用接着剤が塗布された場合であっても、それぞれの間の距離をより確実に維持すると共に、安定した接合状態を保つことが可能になる。
このような構成とすることで、熱膨張率の違いによる部品毎の伸縮変化を他の接着剤と比較してより効果的に吸収することが可能になる。このため、像担持体に形成する結像の光学特性の低下をより確実に防止することができる。
また、光源アレイとレンズアレイとの間を固定用接着剤によって所定の間隔に保ちつつ接合した後、その光源アレイとレンズアレイとの間隙に液体を注入すれば、その液体自体の表面張力によって光源アレイとレンズアレイとの間に液体を介在させることができる。このようにすることで、プリンタヘッドの製造を容易化することが可能となり、製造時間を短縮することができる。さらに、液体を注入することによって光源アレイとレンズアレイとの間に空気を介在させず、光源アレイからの出射光のうちレンズアレイに入射する光量の割合を増加させることができる。
まず、この発明に係るプリンタヘッド2の具体的な形態を説明する。
図1は、この第一実施形態に係るプリンタヘッド2を適用した電子写真方式のプリンタ1(画像形成装置)の部分的な構成を示す斜視図である。
同図に示すように、プリンタ1は、プリンタヘッド2と像担持体である感光体ドラム3とを備えている。感光体ドラム3は、プリンタヘッド2の長手方向に平行に延在する回転軸に支持され、外周面をプリンタヘッド2に対向させた状態で回転する。プリンタヘッド2は、プリンタ1における露光装置として使用されるものである。
プリンタヘッド2は、複数の発光素子が基板上に配列された略長方形状の光源アレイ4と、光源アレイ4からの出射光を感光体ドラム3に正立等倍結像させるレンズ素子を整列配置して成るレンズアレイ5と、光源アレイ4とレンズアレイ5との間に配置されたスペーサ部材6とを備えている。
図2は、光源アレイ4を模式的に示した図である。
光源アレイ4は、主要構成部材である略長方形状の純度の高い硝子から成る素子基板7上に、発光素子である複数の有機EL(エレクトロルミネセンス)素子8を配列して成る発光素子列8Aと、有機EL素子8を駆動させる駆動素子9から成る駆動素子群と、これら駆動素子9(駆動素子群)の駆動を制御する制御回路9aとを一体形成したものである。尚、図2では有機EL素子8が1列に配置されているが、千鳥状に2列に配置してもよい。この場合には、光源アレイ4の長手方向における有機EL素子8のピッチを小さくすることが可能になり、プリンタの解像度を向上させることができる。
このように構成されている光源アレイ4はボトムエミッション方式であり、素子基板7を下側に向けて配置されている(図1参照)。因みに、光源アレイ4の主要構成部材である素子基板7の線膨張係数は、例えば、3.8×10−6/℃程度である。
ここで、熱膨張率(熱膨張係数)とは、温度の変化によって物体の長さ・体積が膨張する割合を、1℃当たりで示したものをいう。線膨張係数とは、温度の変化に対応して長さが変化する割合のことをいう。
図3は、レンズアレイ5の斜視図である。このレンズアレイ5は、日本板硝子株式会社製のセルフォック(登録商標)レンズ素子51aを配列したものである。このレンズ素子51aは、直径0.28mm程度のファイバー状に形成されている。また、各レンズ素子51aは千鳥状に配置され、各レンズ素子51aの隙間には黒色のシリコン樹脂52が充填されている。さらに、その周囲にフレーム54が配置されて、レンズアレイ5が形成されている。
図1に戻り、スペーサ部材6は、硝子やプラスチックといった光透過性の材料によって形成されたものである。スペーサ部材6は、長手方向に垂直な断面が略矩形に形成されており、その長手方向の長さが光源アレイ4の長手方向の長さよりも短く、レンズアレイ5の長手方向の長さよりも長く設定されている。また、スペーサ部材6の短手方向(幅方向)の長さは、光源アレイ4の短手方向の長さよりも短く、レンズアレイ5の短手方向の長さよりも長く設定されている。さらに、スペーサ部材6は、長手方向に垂直な断面において、幅方向の長さよりも厚さ方向(高さ方向、図1における上下方向)の長さが短く設定されている。
因みに、スペーサ部材6の線膨張係数は、例えば、9.4×10−6/℃程度である。
図4は、プリンタヘッド2の側面図である。
同図に示すように、接着剤13は、第一接着剤13aと第二接着剤13bの二種類の接着剤で構成されている。同様に、接着剤14も第一接着剤14aと第二接着剤14bの二種類の接着剤で構成されている。
各第一接着剤13a,14aは、光源アレイ4の素子基板7、レンズアレイ5及びスペーサ部材6のそれぞれ対応する一端部(図4における右側)にプリンタヘッド2の幅方向(短手方向)の略全体に渡って塗布されている。
第二接着剤13b,14bには、第一接着剤13a,14aよりも弾性率の小さいゲル状組成物又はゴム状組成物から成り、且つ第一接着剤13a,14aと同様の屈折率、光透過性を有する接着剤が用いられる。
図5は、プリンタ1の部分的な構成を示す側面図である。
図5に示すように、プリンタヘッド2は、例えば、有機EL素子8や周辺機器(不図示)の発熱等によって温度上昇すると、それぞれ光源アレイ4、レンズアレイ5及びスペーサ部材6が膨張する。このとき、それぞれの熱膨張率(熱膨張係数)が異なる(以下には、この第一実施形態と同様に、スペーサ部材6の線膨張係数が光源アレイ4の線膨張係数よりも大きい場合について述べる。)ため、形状変化(膨張の度合い、例えば、図5における温度変化時の矢印A方向の伸縮率に違いがある)の違いによって歪みが生じ、プリンタヘッド2の長手方向両端が感光体ドラム3に対して離反する方向に円弧状に反り上がろうとする(図5における二点鎖線)。このようにプリンタヘッド2が円弧状に反り上がってしまうと、感光体ドラム3とレンズアレイ5との間の所定距離L1に対して、プリンタヘッド2の長手方向中央から両端側に向かうにしたがって感光体ドラム3とレンズアレイ5との間の距離が徐々に長くなる(レンズアレイの位置ずれ)。これにより、標準の結像位置(基準位置)である感光体ドラム3の表面の位置Pに対して現実の結像位置が光軸方向にずれることになり、基準位置における光学特性が低下する(像がぼやける)。
このような構成すると、第一接着剤13a,14aを光源アレイ4の素子基板7、レンズアレイ5及びスペーサ部材6の一端部に塗布する場合と比較して、それぞれの間の距離d1,d2をより確実に維持できると共に、安定した接合状態を保つことが可能になる。
尚、この場合も第二接着剤13b,14bと同様に、第二接着剤130b,131b,140b,141bは、それぞれ第一接着剤13a,14aより軟らかい弾性率の小さいゲル状組成物又はゴム状組成物から成るものであって、且つ第一接着剤13a,14aと同様の屈折率、光透過性を有するものが用いられる。
このように、第二接着剤13b,14b,130b,131b,140b,141bに代えて液体を用いれば、熱膨張率の違いによる部品毎の伸縮変化を第二接着剤13b,14b,130b,131b,140b,141bと比較してより効果的に吸収することが可能になる。このため、感光ドラム3に形成する結像の光学特性の低下をより確実に防止することができる。
また、素子基板7、スペーサ部材6及びレンズアレイ5を互いに第一接着剤13a,14aのみで接合した後、これらの間隙に液体を注入するだけで製造作業が終了するので、作業時間を短縮することが可能になる。
次に、この発明の第二実施形態を図2、図3を援用し、図7、図8に基づいて説明する。尚、第一実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
この第二実施形態において、プリンタ30がプリンタヘッド31と感光体ドラム3とを備えている点等の基本的構成は、前記第一実施形態と同様である。
図7に示すように、この第二実施形態と前記第一実施形態との相違点は、前記第一実施形態のプリンタヘッド2が光源アレイ4と、レンズアレイ5と、これら光源アレイ4とレンズアレイ5との間に設けられたスペーサ部材6とを備え、それぞれ接着剤13,14によって接合されているのに対し、この第二実施形態のプリンタヘッド31は、光源アレイ4と、レンズアレイ5とを備え、これら光源アレイ4とレンズアレイ5との間にスペーサ部材6が介在せずに、直接光源アレイ4とレンズアレイ5とが接着剤13によって接続されていることにある。
接着剤13は、第一接着剤13aと第二接着剤13bの二種類の接着剤で構成されている。第一接着剤13a,14aは、光源アレイ4とレンズアレイ5のそれぞれ対応する一端部(図8における右側)にプリンタヘッド31の幅方向(短手方向)に渡って塗布されている。
一方、第二接着剤13bは、第一接着剤13aが塗布されている部分以外の光源アレイ4及びレンズアレイ5の接着面に塗布されている。つまり、第二接着剤13bは、接着面においてその占有面積が第一接着剤13aの占有面積よりも大きく設定されるようになっている。
尚、上述の第二実施形態では、第一接着剤13aが光源アレイ4の素子基板7及びレンズアレイ5のそれぞれ対応する一端部に塗布されている場合について説明したが(図8参照)、図9に示すように、第一接着剤13aを光源アレイ4の素子基板7及びレンズアレイ5の長手方向中央部にプリンタヘッド31の幅方向(短手方向)に渡って塗布し、その第一接着剤13a以外の接着面に第二接着剤130b,131bを塗布してもよい。
このような構成すると、第一接着剤13a,14aを光源アレイ4の素子基板7及びレンズアレイ5の一端部に塗布する場合と比較して、光源アレイ4の素子基板7とレンズアレイ5との間の距離をより確実に維持できると共に、安定した接合状態を保つことが可能になる。
次に、本実施形態のプリンタヘッドの使用形態について説明する。
(タンデム方式のプリンタ)
まず、タンデム方式のプリンタにつき、図10を用いて説明する。
図10は、タンデム方式のプリンタの概略構成図である。このプリンタ380の中央には画像転写ユニットが配置されている。画像転写ユニットは、主に、ブラック画像転写ユニットKと、シアン画像転写ユニットCと、マゼンタ画像転写ユニットMと、イエロー画像転写ユニットYと、中間転写ベルト390とを備えている。そのイエロー画像転写ユニットYは、主に、感光体ドラム(像担持体)341と、帯電手段342と、本発明のプリンタヘッド101と、現像装置344とを備えている。
次に、4サイクル方式のプリンタについて説明する。
図11は、4サイクル方式のプリンタの概略構成図である。このプリンタ160は、感光体ドラム165の周囲に、帯電器168と、プリンタヘッド167と、ロータリ構成の現像装置161とを備えて構成されている。尚、感光体ドラム165、帯電器168及びプリンタヘッド167の構成は、上述したタンデム方式のプリンタと同様である。
定着器の下流側には、排紙ローラ対176が配置されている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176を逆方向に回転させると、用紙の進行方向が反転して、用紙は両面プリント用搬送路175を矢印G方向に進行する。この搬送路175で用紙を待機させている間に、裏面プリント用のイエロー画像を中間転写ベルト169に一次転写する。そして、適当なタイミングで用紙を二次転写位置に供給し、中間転写ベルト169からイエロー画像を用紙に二次転写する。
また、上述の実施形態では、発光素子が有機EL素子8である場合について説明したが、発光素子はこれに限らず、LED(Light Emitting Diode)等であってもよい。
そして、上述の第一実施形態では、各第一接着剤13a,14aが、光源アレイ4の素子基板7、レンズアレイ5及びスペーサ部材6のそれぞれ対応する一端部(図4における右側)にプリンタヘッド2の幅方向(短手方向)の略全体に渡って塗布されたり、第一接着剤13a,14aを光源アレイ4の素子基板7、レンズアレイ5及びスペーサ部材6の長手方向中央部にプリンタヘッド2の幅方向(短手方向)の略全体に渡って塗布されたりする場合について説明したが、第一接着剤13a,14aを塗布する箇所はこれらに限られるものではなく、各接着面上であればどこでもよい。
Claims (7)
- 複数の発光素子が基板上に配列された光源アレイと、前記発光素子からの出射光を像担持体に結像させるレンズ素子が配列されたレンズアレイと、これら光源アレイとレンズアレイとの間に介在する光透過性のスペーサ部材とを備えたプリンタヘッドにおいて、
前記光源アレイに前記スペーサ部材が光透過性を有する複数種類の接着剤により接合され、
前記複数種類の接着剤のうちの少なくとも一つは、前記光源アレイと前記スペーサ部材との間の距離を規定する固定用接着剤から成り、
前記複数種類の接着剤のうち前記固定用接着剤以外の他の前記接着剤は、前記固定用接着剤と比較して弾性率が低く設定されていることを特徴とするプリンタヘッド。 - 前記スペーサ部材に前記レンズアレイが光透過性を有する前記複数種類の接着剤により接合され、
前記複数種類の接着剤のうちの少なくとも一つは、前記固定用接着剤から成ることを特徴とする請求項1に記載のプリンタヘッド。 - 複数の発光素子が基板上に配列された光源アレイと、前記発光素子からの出射光を像担持体に結像させるレンズ素子が配列されたレンズアレイとを備えたプリンタヘッドにおいて、
前記光源アレイに前記レンズアレイが光透過性を有する複数種類の接着剤により接合され、
前記複数種類の接着剤のうちの少なくとも一つは、前記光源アレイと前記レンズアレイとの間の距離を規定する固定用接着剤から成り、
前記複数種類の接着剤のうち前記固定用接着剤以外の他の前記接着剤は、前記固定用接着剤と比較して弾性率が低く設定されていることを特徴とするプリンタヘッド。 - 前記他の接着剤が塗布される面積は、前記固定用接着剤が塗布される面積よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のプリンタヘッド。
- 前記他の接着剤は、ゲル状組成物又はゴム状組成物から成ることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のプリンタヘッド。
- 前記光源アレイ、前記レンズアレイ又は前記スペーサ部材の接着面の長手方向中央に前記固定用接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1から請求項5に記載のプリンタヘッド。
- 前記他の接着剤のうちの少なくとも一つに代えて、液体を配置することを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載のプリンタヘッド。
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