JP2008079463A - 電磁小型モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な構成でモータのトルク定数および発生トルク向上が可能な電磁小型モータを提供する。
【解決手段】 円筒状マグネット2とその中心を貫通する回転軸3からなるロータ部4を、略円筒状ハウジング5の両端開口部に位置するフランジ6の軸中心位置で軸受7により回転自在に軸支し、これをハウジング5内壁に固定配置した界磁コイル8に転流通電することにより発生する回転磁界によりロータ部4を回転駆動させるDCブラシレスモータにおいて、前記略円筒状ハウジング5の外周面に反磁性体9を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、主に、産業用小型ロボット等のメカトロニクス製品、または医療機器や精密機器等に利用される電磁小型モータに関するものである。
前記分野に利用される電磁小型モータとして、コアレスモータ、ブラシレスモータ等が知られている。例えば、ブラシレスモータとしては、略円筒状のハウジングの筒内に、マグネットの中心に回転軸を備えたロータを回転自在に配置し、ハウジング内壁に、マグネットと間隙を介して対向させて界磁コイルを配置して構成するインナーロータ型があり、このような構成では、ハウジング(磁性材料)が磁気回路の一部となるものが一般的である。
具体的には、図2に示すように、円筒状マグネット11とその中心を貫通する回転軸12からなるロータ部13を、円筒状ハウジング14の両端開口部に位置するフランジ15の軸中心位置で軸受16により回転自在に軸支し、同円筒状ハウジング14の内壁に固定配置した界磁コイル17に転流通電することにより発生する回転磁界により、ロータ部13を回転駆動させるDCブラシレスモータ10が挙げられる。
通常、同一モータサイズにて、モータ発生トルクを向上させる手段としては、高磁力マグネットの適用、パーミアンス係数の増大により磁気装荷を高める方法、あるいは、投入電流を増やして電気装荷を高める方法等が一般的である。
このパーミアンス係数は、モータ構造を起源とする係数で、モータ発生トルクに寄与する因子である。このパーミアンス係数が大きいほど、モータ発生トルクが大きい。すなわち、マグネットの減磁曲線における動作点が高パーミアンス側へシフトするほど、磁気ギャップ中の磁束密度が増加し、同磁気ギャップ中の磁束密度に比例し、モータ発生トルクが大きくなる。このパーミアンス係数PCは、
(数1)
PC=(Lm・Ag)/(Am・Lg)・(Kf/Kr)
にて表すことができる(Lm:マグネット厚さ、Ag:磁気ギャップ断面積、Am:有効マグネット断面積、Lg:磁気ギャップ長、Kf:漏洩係数、Kr:起磁力損失係数)。
(数1)
PC=(Lm・Ag)/(Am・Lg)・(Kf/Kr)
にて表すことができる(Lm:マグネット厚さ、Ag:磁気ギャップ断面積、Am:有効マグネット断面積、Lg:磁気ギャップ長、Kf:漏洩係数、Kr:起磁力損失係数)。
磁気効率を向上させるために、磁気ギャップはできるだけ小さく設計するのが通常で、磁気ギャップが小さい場合、AgとAmは値が近づくため、(Ag/Am)≒1と考えても差し支えない。また、一般的には、Kf=1.05〜1.2、Kr=1.0〜1.2であり、(Kf/Kr)≒1と考えてよい。ここで、(Ag/Am)=1、(Kf/Kr)=1とすると、このパーミアンス係数PCは、
(数2)
PC=Lm/Lg
と表すことができる。
(数2)
PC=Lm/Lg
と表すことができる。
したがって、パーミアンス係数を高めるためには、よりマグネット厚さLmを大きく、磁気ギャップ長Lgを小さくすれば良い。
一方、視点を変えて、電磁気学的に発生するトルクそのものを向上させるのではなく、各種損失を低減し、有効トルクを引き出すアプローチが考えられる。
例えば、円筒型ブラシレスモータを、界磁コイルの外周部に位置する該モータのハウジングケースが、磁性材料からなり、かつ互いに電気的に絶縁された、少なくとも複数層以上の円筒状薄肉多層構造とすることで、うず電流損を低減し、高効率で発熱の少ないモータとすることが提案されている。(特許文献1)。
特開2002−119030
しかしながら、モータの小型化、特に小径化に伴い内部空間が減少し、マグネット外径確保にも限界が生じる一方、磁気ギャップについては、ロータ回転時に、マグネットと界磁コイルとが干渉しないように十分に確保する必要があるため、(数2)に示すパーミアンス係数PCの低下が避けられない。コアレスモータのように、構造上、マグネットと磁気回路の一部となるハウジングとが相対運動をしない場合には、基本的にうず電流損が発生しないため、ハウジング外周(=モータ外周)から磁束が漏れても、磁気ギャップ中の磁束密度を高めるために、高磁力マグネットを適用する場合もあるが、ハウジングからの漏洩磁束が外部環境に影響するといった問題点があった。
また、投入電流を増加した場合には、コイル発熱に起因したマグネットの減磁等により、運転時、経時的にトルク定数が低下したり、熱そのものが周囲に影響を及ぼすといった問題点があった。
上記問題点を鑑み、本発明は、従来のモータ発生トルク向上手段とは異なる全く新しい手法にて、簡易な構成で磁気ギャップ中の磁束密度を増加せしめるものであり、小型・小径かつ高トルク定数・高トルクなモータを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、略円筒状ハウジング内にマグネット及び界磁コイルを有する電磁小型モータにおいて、当該ハウジングの外周面に、少なくとも厚み方向に反磁性を示す反磁性体を形成したことを特徴とする電磁小型モータとしている。
また、請求項2記載の発明では、前記反磁性体は、熱分解グラファイト(Pyrolytic Graphite)を化学蒸着により形成したことを特徴とする請求項1記載の電磁小型モータとしている。
本発明では、電磁小型モータの略円筒状ハウジング外周面に反磁性体を形成したことにより、同略円筒状ハウジング外部への漏洩磁束を、同反磁性体内部に生じる誘導磁化分だけ、モータ内部へ閉じ込めることが可能となり、磁気ギャップ中の磁束密度が増加するため、電磁小型モータのトルク定数及び発生トルクを向上させることができる。
また、ハウジングからの漏洩磁束が外部環境に与える影響を軽減、あるいは解消することができる。
以下、本発明の最良の形態に係る電磁小型モータ1について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の最良の形態に係る電磁小型モータ1は、円筒状マグネット2とその中心を貫通する回転軸3からなるロータ部4を、略円筒状ハウジング5の両端開口部に位置するフランジ6の軸中心位置で軸受7により回転自在に軸支し、これを同ハウジング5内壁に固定配置した界磁コイル8に転流通電することにより発生する回転磁界によりロータ部4を回転駆動させるDCブラシレスモータである。
同略円筒状ハウジング5の外周面には、少なくとも厚み方向(図中矢印S方向)に反磁性を示す反磁性体9が形成されている。
ここで、反磁性とは、外部からかけた磁場と反対方向に誘導磁化が生じる性質をいい、その誘導磁化の大きさは、同外部磁場に比例する。なお、外部磁場を取り除くと誘導磁化も0となる。反磁性の起源は、古典的には、物質中の電子が外部磁場からローレンツ力を受けて円運動をし、この電子の円運動、すなわち電流に起因して外部磁場と反対方向の磁場が誘起すると説明される。本発明は、まさにこの反磁性という性質を応用したものである。
前記円筒状マグネット2には、Nd−Fe−B、あるいはSm−Coなどの高磁力マグネットが使用され、前記反磁性体9がない状態では、前記略円筒状ハウジング5外部へ磁束が漏洩するよう設計されている。このとき、略円筒状ハウジング5の外周面に、少なくとも厚み方向に反磁性を示す反磁性体9が形成されている。これにより、前記反磁性体9内部に、漏洩磁束に比例し、かつ反対方向の磁化が誘導されるため、前記漏洩磁束は反磁性体9を透過できない。本構成の場合、反磁性体9が、前記略円筒状ハウジング5の全周面にわたり形成されているため、反磁性体9を透過できなかった磁束は反磁性体9内周面で屈曲しモータ内部へ閉じ込められる。磁気回路の一部である略円筒状ハウジング5は、既に磁束が漏洩していることからも明らかなように、磁気飽和に達しているため、前述の反磁性体9内周面で屈曲した磁束は、略円筒状ハウジング5の内側に向かう。その結果、磁気ギャップ中の磁束密度が増加するため、電磁小型モータのトルク定数及びモータ発生トルクを向上させることができる。
また、本発明の反磁性体9は、熱分解グラファイト(Pyrolytic Graphite)がより好適である。
熱分解グラファイト(Pyrolytic Graphite)はメタンガスを原料とし、ガス圧=約1Torr、処理温度=2000℃にて化学蒸着プロセスにて生成される。この時の成膜速度はおよそ25μm/h程度であった。また、熱分解グラファイト(Pyrolytic Graphite)は、六角板状結晶で、同結晶が層状に積層した構造をなしており、常温下で、結晶面に垂直な方向に強い反磁性を示す。
本発明において、反磁性体9は熱分解グラファイト(Pyrolytic Graphite)に限定されるものではなく、常温下で比較的強い反磁性を示すビスマス等であっても何ら差し支えない。しかしながら、常温下で、結晶面に垂直な方向(=本発明においては反磁性体の厚み方向≒漏洩磁場方向)にてビスマスを上回る反磁性を示すこと、化学蒸着プロセスにて生成するため反磁性体厚みの均一化に有利な点を考慮すると、熱分解グラファイト(Pyrolytic Graphite)が好適であると言える。
本説明では、電磁小型モータとしてDCブラシレスモータを例に挙げて説明したが、モータの構成はこれに限定されず、コアレスモータ等でも構わない。
1 電磁小型モータ
2,11 円筒状マグネット
3,12 回転軸
4,13 ロータ部
5,14 略円筒状ハウジング
6,15 フランジ
7,16 軸受
8,17 界磁コイル
9 反磁性体
10 DCブラシレスモータ
2,11 円筒状マグネット
3,12 回転軸
4,13 ロータ部
5,14 略円筒状ハウジング
6,15 フランジ
7,16 軸受
8,17 界磁コイル
9 反磁性体
10 DCブラシレスモータ
Claims (2)
- 略円筒状ハウジング内にマグネット及び界磁コイルを有する電磁小型モータにおいて、当該ハウジングの外周面に、少なくとも厚み方向に反磁性を示す反磁性体を形成したことを特徴とする電磁小型モータ。
- 前記反磁性体は、熱分解グラファイト(Pyrolytic Graphite)を化学蒸着により形成したことを特徴とする請求項1記載の電磁小型モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006257908A JP2008079463A (ja) | 2006-09-22 | 2006-09-22 | 電磁小型モータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006257908A JP2008079463A (ja) | 2006-09-22 | 2006-09-22 | 電磁小型モータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008079463A true JP2008079463A (ja) | 2008-04-03 |
Family
ID=39350950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006257908A Withdrawn JP2008079463A (ja) | 2006-09-22 | 2006-09-22 | 電磁小型モータ |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2008079463A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104518594A (zh) * | 2013-09-27 | 2015-04-15 | 大银微系统股份有限公司 | 棒状马达的动子改良构造 |
JP2016118225A (ja) * | 2014-12-19 | 2016-06-30 | 株式会社Ihi | 磁気軸受及び回転機械 |
-
2006
- 2006-09-22 JP JP2006257908A patent/JP2008079463A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104518594A (zh) * | 2013-09-27 | 2015-04-15 | 大银微系统股份有限公司 | 棒状马达的动子改良构造 |
CN104518594B (zh) * | 2013-09-27 | 2017-04-19 | 大银微系统股份有限公司 | 棒状马达的动子改良构造 |
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