JP2008078640A - 積層型圧電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部電極を端面から表面へと角部を渡って形成することのない簡素化された構造を有し、取り扱いやすくかつ信頼性の高い積層型圧電素子を提供すること。
【解決手段】本発明の積層型圧電素子は、圧電材料を介して+側内部電極と−側内部電極とを交互に積層してなる積層型圧電素子であって、一端側に駆動部および他端側に非駆動部を有し;該+側内部電極および該−側内部電極はいずれも、該+側内部電極と該−側内部電極とが積層方向に重ならないように該駆動部の終端から同方向に該非駆動部へ延在し;そして該非駆動部の該+側内部電極および該−側内部電極のそれぞれの少なくとも一部が、該圧電材料表面に露出し、外部電極と接続され;そして該外部電極と該駆動部との間に保持部を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型圧電素子に関する。より詳細には、例えば、単ノズルでの使用に適した、インクジェットヘッド用の積層型圧電素子に関する。
インクジェット技術は、印刷記録用に開発され、家庭用プリンターとして広く用いられている。この技術は、必要な箇所に必要な量の材料を配置できるという特徴が評価され、産業用の製造技術としても注目されている。例えば、超微細インクジェットを用いて、金属の超微粒子を含むインク(導電性インク)を吐出することにより、線幅が30μm程度の配線を描画することも可能である。
このようなインクジェット装置においてインクジェットヘッドに用いられる圧電素子は、その一部がインクジェットヘッドに固定され、その先端が各ノズルに対応する振動板に当接され、さらに外部電極が正確に電気接続される必要がある。したがって、その成形や組み立てには、種々の問題がある。
一般的な縦振動モードの圧電素子を使用したインクジェットヘッドは、圧力発生室および供給口を備えた流路形成基板と、圧電振動子ユニットとの2つの部材を有し、圧電振動子ユニットを構成している各圧電素子により圧力発生室を膨張および収縮させるものである(例えば、特許文献1参照)。この圧電振動子ユニットは、圧電素子の一端を固定基板に固定し、一定のピッチで配列する圧電素子を櫛歯加工により構成するため、固定領域には、振動変位を生じないように内部電極が形成されていない不活性領域が設けられている。櫛歯加工することにより両側の内部電極が露出し、加工による電極ダレや圧電素子表面のマイグレーションなどによって、短絡などの電気的信頼性を損ないやすい。
外部電極との接続については、フレキシブル回路基板との接続の自由度を高めるように構成したものがある(特許文献2)。ここでは、櫛歯状の活性部(自由端側)には圧電プレートの表面に自由端側端面から固定端近傍に達する外部信号電極を、固定端側と一体となっている延長部には圧電プレートの表面に固定端側端面から非活性部の前縁近傍に達する外部共通電極を、それぞれ形成している。また、電気容量の低減を図る目的で、積層型圧電素子の一部を構造物体として用い、必要な部分変化のみを確保した積層型圧電素子を備えたアクチュエータも提案されている(特許文献3)。これらはいずれも、例えば、図5に示すように、外部電極を端面から表面に渡って形成する必要がある。また、外部電極が端面と表面との稜線(角の部分)上にも形成されるため、角部の外部電極膜の厚みが薄くなり易く、電気抵抗が大きくなり、断線の原因となる。さらに、脆性材料である圧電素子は、欠け易いので角部に渡って電極を形成することは好ましくない。
このような外部電極の角部での問題を解決するために、重ならない位置に凸部を有する電極パターンと、それと対照的なパターンを形成して積層することが提案されている(特許文献4および5)。このような構成により、素子同一面から+および−電極を取り出すことができる。この構成においては、端面のみに外部電極を形成できるという利点があるが、例えば、圧電横効果に基づく縦振動モードの圧電素子を使用したインクジェットヘッドのように、非駆動部を構造体として用いて、駆動部から離れた位置に非駆動部と外部電極とを形成する場合には適していない。
また、インクの蒸気や湿気の存在による電流の漏洩やインクの蒸気への曝露によって吐出力発生手段の劣化や耐電圧性が低下して、インク滴の飛翔特性の安定性や信頼性が容易に乏しくなることがある。この問題を解決するために、吐出力発生手段の一部あるいは全面を、電気絶縁性の高分子樹脂によって被覆することが提案されている(特許文献6)。このような特性を得るための被膜形成は難しく、工程も増加する。さらに、駆動部も全体が被覆されてしまうため、駆動特性に影響を与える可能性がある。
上記の問題を考慮して、積層型圧電体の一方の端を活性部および他方を不活性部とし、各内部電極が不活性部で重ならないように上下に配置し、不活性部で外部電極と接続された、圧電縦効果に基づく振動を利用したインクジェットヘッド用の圧電駆動体(特許文献7)または圧電横効果に基づく振動を利用したインクジェットヘッド用の種々の圧電駆動体(特許文献8〜10)がある。これらはいずれも、活性部が大きな割合を占め、不活性部も外部電極との接触の役割があるため、実装の際に基板に対して高い剛性で保持することが難しい。
特開平11−277745号公報 特開平7−195688号公報 特開平3−197049号公報 特開2002−316411号公報 特開2001−244515号公報 特開平5−318745号公報 特開2000−117971号公報 特開平8−64881号公報 特開2005−192388号公報 特開2006−87285号公報
本発明は、外部電極を端面から表面へと角部を渡って形成することのない簡素化された構造を有し、取り扱いやすくかつ信頼性の高い積層型圧電素子を提供することを目的とする。
本発明は、圧電材料を介して+側内部電極と−側内部電極とを交互に積層してなる積層型圧電素子であって、
一端側に駆動部および他端側に非駆動部を有し;
該+側内部電極および該−側内部電極はいずれも、該+側内部電極と該−側内部電極とが積層方向に重ならないように該駆動部の終端から同方向に該非駆動部へ延在し;
該非駆動部の該+側内部電極および該−側内部電極のそれぞれの少なくとも一部が、該圧電材料表面に露出し、外部電極と接続され;そして
該外部電極と該駆動部との間に保持部を備える。
1つの実施態様では、上記駆動部は圧電横効果に基づく変位により振動する。
他の実施態様では、上記駆動部の端面に、上記内部電極の少なくとも片側が露出していない。
さらに他の実施態様では、上記駆動部の少なくとも一方の側面に、上記内部電極の少なくとも片側が露出していない。
さらに他の実施態様では、上記非駆動部の端面に、上記内部電極の少なくとも片側が露出していない。
なおさらに他の実施態様では、上記非駆動部の少なくとも一方の側面に、上記内部電極の少なくとも片側が露出していない。
本発明はまた、上記のいずれかの積層型圧電素子を備えた、インクジェットヘッドを提供する。
本発明の積層型圧電素子は、外部電極を端面から表面へと角部を渡って形成する必要がないため、容易に作成でき、かつ保持部を有するため対象物への取り付け剛性も高い。さらに、角部外部電極の薄膜化やチッピングによる断線を回避することができ、搬送や組み立ての際の取り扱いも容易である。
本発明の積層型圧電素子において、少なくとも片側の内部電極が、駆動部の端面にまたは駆動部の少なくとも一方の側面に露出していない場合、あるいは、非駆動部の端面または非駆動部の少なくとも一方の側面に露出していない場合には、積層型圧電素子の製造工程において、切断工程時の電極ダレによる短絡不良を回避でき、ならびに電極間が狭いことによる圧電素子表面でのマイグレーションを回避することができる。したがって、多数の内部電極パターンを印刷した圧電材料を積層し、これをカットすることにより、短絡不良やマイグレーションのない積層型圧電素子を一度に多数作成することができる。
本発明の積層型圧電素子は、駆動部と外部電極との間に保持部が備えられている。この保持部により、駆動部と外部電極(電気接点)とを完全に分離することができる。保持部に外部電極が存在しないので、保持部に外部電極の凹凸がないため、保持に際して、外部電極の段差に影響されることがない。あるいは、保持部全周を保持(固定)することもできる。したがって、高精度に位置決めして剛性の高い組み立てを行うことが可能であり、本発明の積層型圧電素子による安定した駆動特性を得ることができる。保持部に内部電極が露出していない場合は、積層型圧電素子を保持する相手材が導電材料であってもよい。駆動部および保持部を密閉状態に保つことも可能である。特に、駆動部が圧電横効果に基づく変位により振動する場合には、保持部の長さなどを自由に設計できるため、より保持効率が上昇する。
外部電極領域が保持(固定)されないため、電気的接続に自由度を与えることができる。例えば、フレキシブルケーブルなどでの電気接続も容易である。大容量の素子を用いる場合には、許容電流の大きい被覆付き電線などを直接接続することも可能である。
(積層型圧電素子の材料)
本発明の積層型圧電素子に用いられる圧電材料としては、セラミック、プラスチック(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))などが挙げられる。中でもセラミックが好ましく用いられる。好ましいセラミックとしては、チタン酸ジルコン酸鉛系複合ペロブスカイトセラミック、構造用セラミックMoSiO−Mo、耐熱性セラミック、誘電体セラミックが挙げられる。チタン酸ジルコン酸鉛系複合ペロブスカイトセラミック、誘電体セラミックが、弾性を有する点でより好ましい。
本発明の積層型圧電素子において内部電極として用いられる導電材料は、特に制限されない。導電材料としては、Ag、Pd、Pt、Au、W、Ni、Crなどの金属が挙げられ、これらの金属は合金であってもよく、AgPdが好ましい。
本発明の積層型圧電素子には、圧電素子の印加時に非駆動部の変形を防止するために、必要に応じて、絶縁材料が使用されてもよい。例えば、絶縁材料は、内部電極と同じ平面上に配置される。絶縁材料は、通常は圧電材料と同じ材料である。絶縁材料と圧電材料とが異なる材料である場合、絶縁材料は圧電材料よりも硬い材料であることが好ましい。このような絶縁材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛系複合ペロブスカイトセラミック、構造用セラミックMoSiO−Mo、耐熱性セラミック、誘電体セラミックなどが挙げられる。このような組み合わせとしては、圧電材料を誘電体セラミックとし、絶縁材料をチタン酸ジルコン酸鉛系複合ペロブスカイトセラミック、構造用セラミックMoSiO−Mo、または耐熱性セラミックとする組み合わせである。
本発明の積層型圧電素子において外部電極として用いられる導電材料は、当該技術分野で電極として通常用いられる導電材料であり、Ag、Pd、Pt、Au、W、Ni、Crなどの金属が挙げられ、これらの金属は合金であってもよい。特に、スクリーン印刷で施工される場合には、AgPdなどにガラスフリットなどを複合させることによって、密着強度を向上させてもよい。
(積層型圧電素子の構造)
本発明の積層型圧電素子は、圧電材料を介して+側内部電極と−側内部電極とを交互に積層してなる積層型圧電素子であって、
一端側に駆動部および他端側に非駆動部を有し;
該+側内部電極および該−側内部電極はいずれも、該+側内部電極と該−側内部電極とが積層方向に重ならないように該駆動部の終端から同方向に該非駆動部へ延在し;
該非駆動部の該+側内部電極および該−側内部電極のそれぞれの少なくとも一部が、該圧電材料表面に露出し、外部電極と接続されて;そして
該外部電極と該駆動部との間に保持部を備える。
以下、本発明の積層型圧電素子について、図面を参照して説明する。図1に示すように、本発明の積層型圧電素子は、圧電材料中に+側内部電極と−側内部電極とが交互に積層しており(図1の側面図および立体透過図を参照のこと)、一端側に駆動部および他端側に非駆動部を有する(図1の平面透過図を参照のこと)。
+側内部電極および−側内部電極はいずれも、駆動部から同方向に非駆動部へ延在する部分を有する形状である。図1の側面図に示すように、駆動部においては、それぞれの内部電極が交互に積層している。駆動部における内部電極は、図1の平面透過図および図2に示すように、圧電素子の幅と同じ幅または圧電素子の幅より少し狭い幅を有し得る。本発明の積層圧電素子の駆動部は、好ましくは、圧電横効果に基づく変位により、図1において中抜き矢印で示す方向(d31方向)に振動する。
一方、非駆動部においては、+側内部電極同士および−側内部電極同士はそれぞれ積層しているが、+側内部電極と−側内部電極とは積層されていない。延在する部分の形状は、+側内部電極と−側内部電極とが積層されない限り特に限定されず、図1に示すようにまっすぐに延びた形状であってもよく、図2(a)に示すように凸部を有してもよい。好ましくは、内部電極の延在する部分は、駆動部における内部電極の幅よりも狭い幅を有する。例えば、圧電素子の非駆動部の幅の半分よりも狭い幅を有する。
製造の容易さの点で、好ましくは、+側内部電極同士および−側内部電極同士はそれぞれが同じ形状であり、より好ましくは、+側内部電極と−側内部電極とは、長手方向の中心線に対して対称な形状であり得る(図1および図2を参照のこと)。
内部電極はいずれも、少なくともその一部が、非駆動部の側面および端面の少なくとも一面において圧電材料から露出している。例えば、図1においては、内部電極は、駆動部では両方ともに駆動部端面および両側面に露出し、非駆動部では互いに異なる一方の側面および非駆動部端面に露出している。内部電極の形状および各内部電極が露出する面は、駆動部で+側内部電極および−側内部電極が交互に積層され、かつ非駆動部で+側内部電極と−側内部電極とが積層されない限り、特に限定されない。
少なくとも片側の内部電極は、駆動部の端面に露出していないこと、あるいは、駆動部の少なくとも一方の側面に露出していないことが好ましい。同様に、少なくとも片側の内部電極は、非駆動部の端面に露出していないこと、あるいは、非駆動部の少なくとも一方の側面に露出していないことが好ましい。これは、以下で述べる本発明の積層型圧電素子の製造工程において、切断工程時の電極ダレによる短絡不良を回避でき、ならびに電極間が狭いことによる圧電素子表面でのマイグレーションを回避することができるからである。具体的には、図2(a)に示すように、+側内部電極および−側内部電極は、それぞれ異なる非駆動部側面のみに露出していてもよい。あるいは、図3(a)および(b)に示すように、+側内部電極および−側内部電極は、非駆動部の同一の側面または同一の端面に露出していてもよく、あるいは、図3(c)に示すように、片側の内部電極が非駆動部の端面におよび他方が側面に露出していてもよい。実際の製造における内部電極の積層ズレから生じる素子特性の低下、例えば、変位量や共振点のバラツキなどを考慮すると、図3(d)に示すように、駆動部および非駆動部の側面には内部電極が露出し、そしてそれぞれの側面に外部電極が設けられていることが好ましい。さらに、図3(d)に示すように、積層型圧電素子の駆動部端面および非駆動部端面において、内部電極を露出させないように端面周辺に絶縁部を設けることによって、製造工程中の取り扱い時または積層型圧電素子の組み込み時に生じる端面および角部のカケやキズなどによる積層間の短絡および素子特性の低下を大きく軽減することができる。
本発明の積層型圧電素子は、内部電極が露出した面において、それぞれの内部電極同士を接続する外部電極が形成されている。外部電極の位置は、それぞれの内部電極同士を接続する限り、特に限定されない。駆動部と電気接点とを完全に分離できる点で、外部電極は、好ましくは非駆動部にのみ存在し、より好ましくは非駆動部の端部近傍のみに存在する。このため、図1に示すように、外部電極と駆動部との間に存在する非駆動部を保持部とすることができる。また、内部電極同士の接続は、図2(b)に示すスルーホールのような積層型圧電素子の非駆動部内部に設けられ得る任意の手段によって内部電極露出面以外の部位で行ってもよい。この場合、一部の(または一層の)内部電極露出面のみで外部電極と接続されていてもよく、あるいは、スルーホールの開口表面に、直接外部電極を設けることもできる。
保持部に外部電極が存在しないので、保持部に外部電極の凹凸がないため、保持に際して、外部電極の段差に影響されることがない。あるいは、保持部全周の側面を保持(固定)することもできる。さらに、本発明の積層型圧電素子は、非駆動部の長さを調節することによって、保持部を任意の長さに設定できる。したがって、本発明の積層型圧電素子は、高精度に位置決めして剛性の高い組み立てを行うことが可能であり、安定した駆動(振動)特性を得ることができ、信頼性が向上する。
また、本発明の積層型圧電素子において、保持部は、外部電極から離れた位置にあり得る。そのため、外部電極の厚みや位置の精度が高くなくても、圧電素子の保持の障害になることなく、対象物に組み込まれ得る。さらに、駆動部と電気接点とが完全に分離可能なので、駆動部のみをパッケージして、外部電極のみを外部に露出されることも容易にできる。
上記図3(d)に示す駆動部および非駆動部の側面は、例えば、以下で製造方法に関して詳述するように、カットされた面であり得る。このため、非駆動部の一部である保持部は、機械加工面のみで形成可能である。したがって、本発明の積層型圧電素子は、寸法精度および形状精度が非常に高い保持部を有し、対象物に組み込むときに、高精度な位置決め接合が可能である。
また、外部電極領域が保持(固定)されないため、電気的接続に自由度を与えることができる。すなわち、外部電極領域における振動方向と直角方向の全周を、外部電極との接続スペースとすることができる。例えば、フレキシブルケーブルなどでの電気接続も容易である。大容量の素子を用いる場合には、許容電流の大きい被覆付き電線などを直接接続することも可能である。
例えば、図2に示すように、保持部に内部電極が露出していない場合は、積層型圧電素子を保持する相手材が導電材料であってもよい。あるいは、外部電極形成部以外の部分をシーリングすることにより、駆動部および保持部を密閉状態に保つことも可能である。
このように、本発明の積層型圧電素子は、外部電極が存在しない保持部が設けられているので、保持や電気的信頼性などの観点から、より安定した駆動特性を得ることができ、さらに種々の使用形態にも対応できる。
(積層型圧電素子の製造方法)
以下、本発明の積層型圧電素子の製造方法について説明する。まず、表面が平坦な定盤に、所定の層厚みに成形されたグリーンシート状またはペースト状に調製した圧電材料を配置する。次いで、導電材料(例えば、AgPd)を、+側および−側のいずれか一方の内部電極のパターンで、スクリーン印刷法などの当業者が通常用いる方法を用いて圧電材料上に印刷する。
次に、必要に応じて、絶縁材料(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛系複合ペロブスカイトセラミック)を、導電材料とほぼ同じ厚さになるように、例えば、スクリーン印刷法などで、導電材料と重ならないように、圧電材料上に印刷する。
その後、導電材料層(および絶縁材料層)上に、グリーンシート状またはペースト状の圧電材料を配置する。
次に、圧電材料上に、他方の側の内部電極パターンの導電材料を印刷する。必要に応じて、絶縁材料を、導電材料とほぼ同じ厚さになるように、例えば、スクリーン印刷法などで、導電材料と重ならないように、圧電材料上に印刷する。
その後、導電材料層(および絶縁材料層)上に、グリーンシート状またはペースト状の圧電材料を配置する。このように、導電材料層(および絶縁材料層)が圧電材料を介して交互に積層される。
次いで、得られた積層体の端面または側面に、外部電極を形成する。例えば、Cr、Ni、Auなどを、物理的蒸着(PVD)、鍍金などの方法によって形成する。より簡単に膜厚の外部電極を形成するためには、例えば、AgPd、好ましくはガラスフリットを複合させたものなどをスクリーン印刷法などの方法によって形成する。その他、当業者が通常用いる方法によって形成する。あるいは、必要に応じて、外部電極の付与の前または後に、外部電極が付与される部分を除く駆動部側の全体(駆動部および保持部)を、ディッピング、スプレー、化学的蒸着(CVD)、物理的蒸着(PVD)、スパッタリング、電気析出などの手段によって絶縁保護膜(例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などの電気絶縁性樹脂)でシーリングしてもよい。こうして、本発明の積層型圧電素子が製造される。
上記の本発明の積層型圧電素子の製造方法を、圧電材料として誘電体セラミックを用いて圧電素子を作成する例を挙げて、より具体的に説明する。まず、誘電体セラミックとバインダー(例えば、ポリビニルアルコール:PVA)を混合し、脱水・乾燥して仮焼成する。仮焼成は、セラミックの結晶構造がペロブスカイト構造の前の段階となるように700℃〜800℃で行うことが好ましい。焼成後、粉砕し、さらに脱水・乾燥し、バインダー(PVA)を添加してシートに成形する。シートの厚みは、本焼成後の1.2〜1.3倍にすることが好ましい。シート成形後、パンチングなどにより形を整え、+側および−側のそれぞれの内部電極をスクリーン印刷法により印刷する。
+側および−側のそれぞれの内部電極が印刷された圧電材料を交互に積層し、1100℃〜1500℃で焼成する。焼成後、ダイシング加工などにより形状を整える。次いで、+側および−側のそれぞれの外部電極を、スクリーン印刷により非駆動部端面近傍の側面に付与し、積層型圧電素子が製造される。
図4は、一実施態様における積層型圧電素子の製造工程において、圧電材料上に配置した導電材料の内部電極パターンを示す模式図である。ここでは、+側内部電極と−側内部電極とは長手方向の中心線に対称な形状である。まず、図4に示すように、+側内部電極を多数配置した平面パターンを圧電材料上に印刷する(図4の上図)。また、−側内部電極の平面パターンを圧電材料上に印刷する(図4の下図)。それぞれの内部電極パターンが印刷された圧電材料をA−A’、B−B’などがそれぞれ一致するように1ピッチずらして交互に重ね合わせて積層し、図4に破線で示すような線に沿ってカットすることにより、一度に多数の積層型圧電素子を作成することができる。このようなカットを行う時には、カットマークを予め表面に印刷または刻削しておくことにより、正確にカットできる。
(積層型圧電素子を備えるインクジェットヘッド)
本発明の積層型圧電素子は、インクジェットヘッドなどの液滴吐出手段の吐出力発生手段などとして用いられる。インクジェットヘッドに実装する場合には、例えば、得られた積層型圧電素子の非駆動部、好適には保持部、を基台に接着固定し、駆動部端面を振動膜に接着固定してノズル開口部に対応させて配置する。
このようなインクジェットヘッドは、例えば、DNAマイクロアレイやプロテインマイクロアレイにピコリットルレベルの試料をスポットする場合のように、1ノズルだけの駆動で使用する場合に好適である。また、本発明の積層型圧電素子をマルチノズルインクジェットヘッドに実装する場合は、複数の圧電素子を並べて使用すればよい。いずれの場合も、確実に保持(固定)することができ、かつ電気的接続も容易であるため、組み立て効率がよい。
本発明の積層型圧電素子は、角部外部電極の薄膜化やチッピングによる断線を回避することができるため、搬送や組み立ての際に取り扱いが容易である。また、駆動部と外部電極との間に保持部が備えられているため、高精度に位置決めし、剛性の高い組み立てを行うことが可能である。さらに、保持部を備えることにより駆動部と電気接点とを完全に分離できる。したがって、積層型圧電素子およびインクジェットヘッド製造工程において、歩留まりが改善され、コストが低減されるだけでなく、電気的信頼性が向上し、安定した駆動特性を得ることができる。
このような本発明の積層型圧電素子は、インクジェットヘッドなどの液滴吐出手段の吐出力発生手段などとして用いられる。例えば、DNAマイクロアレイやプロテインマイクロアレイにピコリットルレベルの試料をスポットする場合のように、インクジェットヘッドを1ノズルだけで使用する場合に特に、好適である。本発明の積層型圧電素子を複数並べて、マルチノズルインクジェットヘッドに実装することも可能である。複数個並べることにより、従来の櫛歯加工された圧電素子を用いるよりも、電気的信頼性の高いインクジェットヘッドを提供することができる。
本発明の積層型圧電素子の構成を示す模式図であり、上から順に平面透過図、側面図、および立体透過図である。 本発明の積層型圧電素子の種々の実施態様を示す模式図である。 本発明の積層型圧電素子の種々の実施態様における内部電極および外部電極の配置を示す、模式図である。 本発明の積層型圧電素子の一実施態様における、圧電材料上に配置した導電材料の内部電極パターンを示す模式図である。 従来技術の積層型圧電素子の構成を示す模式図である。

Claims (7)

  1. 圧電材料を介して+側内部電極と−側内部電極とを交互に積層してなる積層型圧電素子であって、
    一端側に駆動部および他端側に非駆動部を有し;
    該+側内部電極および該−側内部電極はいずれも、該+側内部電極と該−側内部電極とが積層方向に重ならないように該駆動部の終端から同方向に該非駆動部へ延在し;
    該非駆動部の該+側内部電極および該−側内部電極のそれぞれの少なくとも一部が、該圧電材料表面に露出し、外部電極と接続され;そして
    該外部電極と該駆動部との間に保持部を備える、
    積層型圧電素子。
  2. 前記駆動部が圧電横効果に基づく変位により振動する、請求項1または2に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記駆動部の端面に、前記内部電極の少なくとも片側が露出していない、請求項1または2のいずれかの項に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記駆動部の少なくとも一方の側面に、前記内部電極の少なくとも片側が露出していない、請求項1から3のいずれかの項に記載の積層型圧電素子。
  5. 前記非駆動部の端面に、前記内部電極の少なくとも片側が露出していない、請求項1から4のいずれかの項に記載の積層型圧電素子。
  6. 前記非駆動部の少なくとも一方の側面に、前記内部電極の少なくとも片側が露出していない、請求項1から5のいずれかの項に記載の積層型圧電素子。
  7. 請求項1から6のいずれかの積層型圧電素子を備えた、インクジェットヘッド。
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