JP2008078339A - 有機半導体層の成膜方法、有機薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

有機半導体層の成膜方法、有機薄膜トランジスタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】精度良くパターニングした有機半導体層を簡単な工程で形成する有機半導体層の成膜方法、有機薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【解決手段】基板の上に所望のパターンの帯電領域を形成する帯電領域形成工程と、形成された所望のパターンの帯電領域を有機半導体材料の溶液に接触させて、該有機半導体材料を該所望のパターンの帯電領域に吸着させる工程と、を含むことを特徴とする有機半導体層の成膜方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機半導体層の成膜方法、有機薄膜トランジスタの製造方法に関する。
薄膜トランジスタの半導体層を形成する方法としては、真空蒸着、スパッタリングなどのドライ法が代表的な手法として知られている。これらの成膜方法は、膜厚の制御性に優れているが、製造工程では高温、高真空を必要とするため、工程が複雑であり、また工程管理も難しい。
これに対して、溶媒に溶かした有機半導体材料を用い、インクジェット法やスピンコート法などの塗布法により半導体層を形成する方法がある。これらの方法を用いると簡単な工程で製造できるが、特にインクジェット法では均一な薄膜を形成することが難しい。また、塗布法を用いることのできる可溶性の有機半導体材料は限られているため、十分な性能の薄膜トランジスタが得られない場合がある。
近年、クーロン力を利用した交互吸着法が注目されている。交互吸着法では、基板表面に正又は負の初期表面電荷を与えた基板を、第1の高分子の水溶液が入れられた第1の槽に入れ、クーロン力により第1の高分子を基板の表面に吸着する。続いて、第1の高分子が吸着した基板を第2の高分子の水溶液が入れられた第2の槽に入れると、第1の高分子の表面に第2の高分子がクーロン力により吸着する。同様の工程を繰り返すことにより、1つの層が1nmから数nmの超薄膜を交互に積層することができる。
交互吸着法は、高温を用いないため、ドライ法に比べて有機材料の薄膜化に適している。また、真空設備が不要であり簡単なプロセスで膜厚均一性が良い薄膜を成膜できるという特徴がある。
例えば、基板全体に初期表面電荷を与えた基板に、交互吸着法を用いてカチオン高分子から成る薄膜層とアニオン高分子からなる薄膜層を交互に形成して光電変換素子を作成する方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、光照射により濡れ性が変化する光触媒含有層を形成した基板に、パターン露光を行って親水部と、撥水部をパターニングした後、交互吸着法を用いて親水部に薄膜層を形成し、エレクトロルミネッセンス素子の発光層とする方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−356626号公報 特開2004−55177号公報
しかしながら、特許文献1では所望のパターンの薄膜層を形成する方法は開示されておらず、薄膜層を形成した後フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングする必要がある。
特許文献2の方法では、露光部と非露光部の撥水性の差を大きくできないので、薄膜トランジスタの半導体層をパターニングする精度としては不十分である。また、露光することにより光触媒含有層やその下地が劣化するため、その上に有機半導体層を形成すると薄膜トランジスタとして十分な性能がでない場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、精度良くパターニングした有機半導体層を簡単な工程で形成する有機半導体層の成膜方法、有機薄膜トランジスタの製造方法を提供することを課題とする。
1.
基板の上に所望のパターンの帯電領域を形成する帯電領域形成工程と、
前記形成された所望のパターンの帯電領域を有機半導体材料の溶液に接触させて、該有機半導体材料を該所望のパターンの帯電領域に吸着させる工程と、
を含むことを特徴とする有機半導体層の成膜方法。
2.
前記所望のパターンの帯電領域は、
オゾンを遮蔽する前記所望のパターンのマスクを介して前記基板にオゾンを照射することにより形成されることを特徴とする1に記載の有機半導体層の成膜方法。
3.
導電層と導電層を覆うように形成された絶縁層を有する基板と、透明基板の上に導電層と光導電層をこの順で有する感光体を準備する工程と、
前記絶縁層と前記光導電層が対向するように、前記基板と前記感光体を配置する工程と、
前記基板の導電層と前記感光体の導電層の間に電圧を印加し、前記光導電層に所望のパターンの光を照射し、基板の上に所望のパターンの帯電領域を形成する帯電領域形成工程と、
前記光導電層の前記所望のパターンの光が照射された領域と対向する前記絶縁層の領域を有機半導体の溶液に接触させて、該有機半導体を前記絶縁層に吸着させる工程と、を含むことを特徴とする有機半導体層の成膜方法。
4.
基板の上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極を覆うように前記基板の上にゲート絶縁層を形成する工程と、
有機半導体層を形成する工程と、
ソース電極とゲート電極を形成する工程と、を含む有機薄膜トランジスタの製造方法において、
前記有機半導体層を形成する工程は、
前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層が形成された基板の上に所望のパターンの帯電領域を形成する帯電領域形成工程と、
前記形成された所望のパターンの帯電領域を有機半導体材料の溶液に接触させて、該有機半導体材料を該所望のパターンの帯電領域に吸着させる工程と、
を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
5.
基板の上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極を覆うように前記基板の上にゲート絶縁層を形成する工程と、
有機半導体層を形成する工程と、
ソース電極とゲート電極を形成する工程と、を含む有機薄膜トランジスタの製造方法において、
前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層が形成された基板と、透明基板の上に導電層と光導電層をこの順で有する感光体を準備する工程と、
前記ゲート絶縁層と前記光導電層が対向するように、前記基板と前記感光体を配置する工程と、
前記ゲート電極と前記導電層の間に電圧を印加し、前記光導電層に所望のパターンの光を照射する工程と、
前記光導電層の前記所望のパターンの光が照射された領域と対向する前記絶縁層の領域を有機半導体の溶液に接触させて、該有機半導体を前記絶縁層に吸着させる工程と、を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
6.
基板の上にゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート電極を覆うように前記基板の上にゲート絶縁層を形成する工程と、
有機半導体層を形成する工程と、
ソース電極とゲート電極を形成する工程と、を含む有機薄膜トランジスタの製造方法において、
前記有機半導体層を形成する工程は、
前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層が形成された基板を有機半導体材料の溶液に浸漬する工程と、
対向電極を前記有機半導体材料の溶液中に前記基板と対向配置して、前記ゲート電極と前記対向電極の間に電圧を印加し、前記ゲート絶縁層に前記有機半導体材料を吸着させる工程と、
を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
本発明によれば、所望のパターンの帯電領域を形成し、溶媒に溶かした有機半導体材料を帯電領域に吸着するので、精度良くパターニングした有機半導体層を簡単な工程で形成する有機半導体層の成膜方法、有機薄膜トランジスタの製造方法を提供できる。
以下、実施形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明において、有機半導体層の成膜は次の工程T1、T2により行われる。
T1・・・・・帯電領域形成工程。
T2・・・・・有機半導体材料の溶液を帯電領域に吸着させる工程。
最初に帯電領域形成工程T1の第1の実施形態について説明する。
T1・・・・・帯電領域形成工程。
図1は本発明に係わる帯電領域形成工程の第1の実施形態を説明する説明図である。
図1(a)は基板1の上に遮蔽マスク40を置いた状態の平面図である。図1(b)は図1(a)のX−X’で切断した断面図とUVオゾン照射装置80を図示している。遮蔽マスク40を置いた基板1の上方に配置したUVオゾン照射装置80から図1(b)の矢印のように基板1のマスクされない部分1aにオゾンを照射する。
図1(c)はオゾン照射後基板1からマスク40を取り外した状態を説明する平面図である。図1の基板1のマスクされない部分1aはオゾンが照射されるので負に帯電し、オゾンが照射されない部分1bは帯電しない。
このようにして、基板1上に所望のパターンの帯電領域1aを形成することができる。
T2・・・・・有機半導体材料の溶液を帯電領域に吸着させる工程。
図2は一般的な交互吸着膜の製造原理を示す原理図である。図2を用いて工程T2を説明する。
図2(a)は帯電領域形成工程で形成された帯電領域1aの表面が負に帯電している状態を示す概念図である。この基板1を第1の高分子材料4の溶液が入れられた図示せぬ第1の槽に入れると、図2(b)のように帯電領域1aの表面に第1の高分子材料4がクーロン力により吸着する。第1の高分子材料4には、官能基が電子を自らの側から押し出そうとする(供与する)性質を示す電子供与性基5が導入されている。
このように帯電領域1aを形成した基板1を、有機半導体材料など第1の高分子材料4の溶液が入れられた第1の槽に浸漬すると帯電領域1aの表面に第1の高分子材料4がクーロン力により吸着する。第1の槽に浸漬する方法以外にも、第1の高分子材料4の溶液をインクジェット法、スピンコート法などを用いて帯電領域1aの表面に塗布または滴下することにより帯電領域1aの表面に第1の高分子材料4を吸着させることができる。
なお、帯電領域1aの表面が負に帯電している例について説明したが、負に帯電する場合に限定されるものではなく、正に帯電している場合も同じ方法で成膜することができる。
2層以上の多層膜を成膜する場合は、続いて、図2(b)の状態の基板を第2の高分子材料6の溶液が入れられた図示せぬ第2の槽に入れる。すると、図2(c)のように第1の高分子材料4の表面に第2の高分子材料6がクーロン力により吸着する。
このように、帯電領域1aを形成した基板1を第1の槽、第2の槽に交互に浸漬させていけば、第1の高分子材料4の層と第2の高分子材料6の層とが交互に吸着して成膜される。
工程T2に用いることのできる有機半導体材料として例えば下記のような材料が上げられる。
A:光吸収基としてルテニウム錯体を側鎖に持つカチオン性ポリマー。コリンメタクリレートとの共重合体。
Figure 2008078339
B:レドックス活性で電子供与性のフェロセンを側鎖に持つ共重合体。
Figure 2008078339
C:電子受容性であり、また電子輸送材料として働くフラーレンにアニオン性基を修飾したもの。
Figure 2008078339
D:ホール輸送性高分子であるPEDOT<ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)>をPSS<ポリ(4−スチレンスルフォネート)>と複合させたもの。ドーピングにより導電性が向上し、同時にアニオン性高分子として交互吸着が可能となる。
Figure 2008078339
E:PPV(Phenylenevinylene)の前駆体イオン性ポリマー。光吸収性とホール輸送性を兼ね備えている。
Figure 2008078339
変換後のPPVの化学記号を下記に示す。
Figure 2008078339
F:ホール輸送性に優れたポリチオフェン系ポリマー。
Figure 2008078339
Figure 2008078339
G:イオン性フタロシアニン色素。低分子でありながら高分子電解質と共用することにより、交互吸着層となりえる。
Figure 2008078339
次に、帯電領域形成工程T1の第2の実施形態について説明する。
図3は本発明に係わる帯電領域形成工程の第2の実施形態を説明する説明図である。
第2の実施形態では感光体21を用いて、第1の導電層32と絶縁層31が形成された基板1の表面に帯電領域を形成する。図3は基板1を側面から見た側面図であり、基板1と対向する位置に感光体21が配置されている。
第2の実施形態に用いる第1の導電層32と絶縁層31が形成された基板1は例えば下記のようにして製造できる。
基板1としては特に材料を限定されないが、PEN、PES、PC、TACなどのフィルム基板が望ましい。これらの基板の上に、第1の導電層32となる導電性薄膜を形成する。導電性薄膜は、例えば、蒸着やスパッタリング、CVD法等の方法を用いて、基板1上に導電性薄膜としてAl、Cr、Ta、Mo、Agなどの低抵抗金属材料やこれら金属の積層構造を用いることができる。また、金属薄膜の耐熱性向上、支持基板1への密着性向上、欠陥防止のために他の材料のドーピングしたものを用いることができる。また、ITO、IZO、SnO、ZnOなどの透明電極を用いることもできる。
なお、第1の導電層32は基板1の全面に形成されている必要はなく、一部分だけでも良い。
絶縁層31を、例えばスピンコート法を用いて形成する。絶縁層31としては、特に材料を限定されないが、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、ポリイミド系などの樹脂を用いることができる。樹脂には、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂があるが、いずれも用いることができる。また、絶縁層31は例えば蒸着やスパッタリング、CVD法等の方法を用いて、無機材料の絶縁膜を成膜しても良い。
次に、帯電領域形成工程T1の第2の実施形態に用いる感光体21の構成について説明する。
図3に示すように、感光体21は、透明基板213の上に透明な第2の導電層212を形成し、その上に光導電層211を形成したものである。透明基板213の表面両端部には、樹脂製のスペーサ214及びスペーサ215が設けられており、光導電層211と基板1を構成する絶縁層31との間が常時所定距離Gに保たれるように構成されている。スペーサ214及びスペーサ215の材料は、樹脂に限定されるものではなく、絶縁層31との摩擦係数が十分に小さく、傷のつきにくいものであれば良い。このように感光体21と基板1は常時所定距離Gを保って対向配置されている。
次に、第1の導電層32と第2の導電層212の間に電源220を接続する。図2に示すよう第1の導電層32は接地されており、電源220によって第2の導電層212に負の電圧Eを与える。
発光部22は光導電層211に所望のパターンの露光を与える発光素子と光学系を有している。例えば発光素子はLEDであり、図2に点線で示す矢印LのようにLEDから発光した光束が光導電層211を露光する。23は制御部であり、露光パターンに応じて発光部22を駆動する駆動機構(図示せず)と発光部22の発光を制御する。図3の実線の矢印Mは発光部22の移動方向の例を示している。紙面垂直方向の露光は、LEDが紙面垂直方向にアレイ状に配列された発光部22を用いても良いし、紙面垂直方向に発光部22駆動しても良い。制御部22はこのようにして光導電層211上を順次露光するように発光部22を制御する。
感光体21を構成する第2の導電層212には、所定の電圧Eが印加されている。光導電層211の発光部22により露光された部分が導電性となり、露光部分において絶縁層31との間で放電が生じることにより絶縁層31上表面に静電潜像が形成される。すなわち、基板1上には正極性に帯電した所望のパターンの帯電領域が形成される。
この後、帯電領域が形成された基板1に工程T2の処理を行うことにより、帯電領域に有機半導体材料を吸着する。
次に本発明の有機半導体層の成膜方法を用いた有機薄膜トランジスタ(以下有機TFTと記す。)の製造方法の第1の実施形態について説明する。図4を用いて、基板1上にゲート電極2とゲート絶縁層7を設け、有機半導体層10を形成した後、ソース電極8とドレイン電極9を設ける、ボトムゲート型の有機TFT素子を形成する場合の製造方法について順を追って説明する。
図4は本発明に係わる有機TFTの製造方法の第1の実施形態について説明するための説明図である。図4(1−b)〜図4(6−b)は、基板1を上面から見た平面図である。図4(1−a)〜図4(6−a)は、それぞれ基板1を図4(1−b)〜図4(6−b)の断面A−A’で切断した断面図である。
本発明に係る有機TFTの製造方法の一例として、次の工程S1、S2、S3、S4を説明する。なお、今までに説明した工程には同番号を付し、同じ内容の説明を省略する。
S1・・・・・ゲート電極2を形成する工程。
S2・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
S3・・・・・有機半導体層10を形成する工程。
S4・・・・・ソース電極8、ドレイン電極9を形成する工程。
以下、各工程について順に説明する。
S1・・・・・ゲート電極2を形成する工程。
図4(1−a)、図4(1−b)に示すように、基板1上にゲート電極2を形成する。本発明において、基板1は特に材料を限定されない。例えばフレキシブルな樹脂製シートやガラスなどを用いることができる。ゲート電極2には各種金属薄膜を利用できる。例えばAl、Cr、Au、Ag等の低抵抗金属材料やこれら金属の積層構造、また、金属薄膜の耐熱性向上、支持基板への密着性向上、欠陥防止のために他の材料のドーピングしたものを用いることができる。また、ITO、IZO、SnO、ZnOなどの透明電極を用いることもできる。製造方法は、目的の形状にパターンニングすることのできるマスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、各種印刷法が利用できる。
S2・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
図4(2−a)、図4(2−b)に示すように、ゲート絶縁層7を形成する。
ゲート絶縁層7は、例えば、蒸着、スパッタリング、CVD法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスで形成する。ゲート絶縁層7としては、特に材料を限定されず種々の絶縁膜を用いることができる。無機材料では酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン等の無機酸化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物が利用できる。有機材料ではポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等が利用できる。
S3・・・・・有機半導体層10を形成する工程。
本発明では、有機半導体層10を形成する工程において、次の工程T1、工程T2を行うことにより有機半導体層10を形成する。
T1・・・・・帯電領域形成工程。
T2・・・・・有機半導体材料の溶液を帯電領域に吸着させる工程。
最初に帯電領域形成工程T1について説明する。
T1・・・・・帯電領域形成工程。
図1で説明した帯電領域形成工程の第1の実施形態と同様にUVオゾン照射装置80と遮蔽マスク40を用いて帯電領域を形成する。図3(3−a)、(3−b)は基板1の上に密着させて遮蔽マスク40を置いた状態の平面図である。遮蔽マスク40は、有機半導体層10を設けたい部分が開口部となるようパターニングされている。
この状態で図3には図示せぬUVオゾン照射装置を用いて、遮蔽マスク40の開口部分にオゾンを照射し、ゲート絶縁層7上に有機半導体層10と同形状の帯電領域7aを形成する。
T2・・・・・有機半導体材料の溶液を帯電領域に吸着させる工程。
図4(4−a)、(4−b)ではインクジェット法を用いて帯電領域7aの表面に有機半導体材料の溶液を滴下する例を図示している。帯電領域7aの真上に位置するインクジェットのノズル41から有機半導体材料溶液42を滴下する。有機半導体材料溶液42に含まれる有機半導体材料は帯電領域7aの表面電荷のクーロン力により吸着され、図5(5−a)、(5−b)のように帯電領域7a上に均一に広がる。その後、溶媒を乾燥させて均一な膜厚の有機半導体層10を形成する。
S4・・・・・ソース電極8、ドレイン電極9を形成する工程。
図4(6−a)、図4(6−b)に示すように、ソース電極8、ドレイン電極9を形成する。
ソース電極8、ドレイン電極9には有機半導体層10とのコンタクトがよい材料を用いる。例えばペンタセンに対してはAu、ITO等を利用することが好ましい。これらの材料を真空蒸着やスパッタリング等の方法で製膜した後、フォトリソグラフィー法で目的の形状にパターンニングする。あるいは、各種印刷法により直接ソース電極8、ドレイン電極9のパターンを形成してもよい。
この後、半導体保護層にドレイン電極9を接続するためのコンタクトホールを形成し、塗布型ITOでコンタクトホールと接続する画素電極を形成して有機TFTを完成させる。
このように簡単な工程で精度良くパターニングした有機半導体層を形成することができる。
次に、本発明の有機半導体層の成膜方法を用いた有機TFTの製造方法の第2の実施形態について説明する。有機TFTの製造方法の第2の実施形態では帯電領域形成工程T1において、帯電領域形成工程の第2の実施形態のように感光体21を用いて帯電領域を形成する。本実施形態と図4で説明した有機TFTの製造方法の第1の実施形態との違いは帯電領域形成工程T1だけであり、そのほかの工程は第1の実施形態で説明した工程と同じ処理を行う。
図5は有機TFTの製造方法の第2の実施形態における帯電領域形成工程を説明するための説明図である。図5を用いて、本実施形態の帯電領域形成工程について順を追って説明する。
図5(1−b)〜図5(4−b)は、基板1を上面から見た平面図である。図5(1−a)〜図5(3−a)は、それぞれ基板1を図5(1−b)〜図5(3−b)の断面A−A’で切断した断面図である。
本発明に係る有機TFTの製造方法の一例として、工程の順に説明する。なお、今までに説明した工程には同番号を付し、同じ内容の説明を省略する。
S1・・・・・ゲート電極2を形成する工程。
S2・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
S3・・・・・有機半導体層10を形成する工程。
S4・・・・・ソース電極8、ドレイン電極9を形成する工程。
以下、各工程について順に説明する。
S1・・・・・ゲート電極2を形成する工程。
図5(1−a)、図5(1−b)に示すように、基板1上にゲート電極2を形成する。ゲート電極2は図3で説明した帯電領域形成工程の第1の導電層32に相当する。
S2・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
図5(2−a)、図5(2−b)に示すように、ゲート絶縁層7を形成する。ゲート絶縁層7は図3で説明した帯電領域形成工程の絶縁層31に相当する。
S3・・・・・有機半導体層10を形成する工程。
T1・・・・・帯電領域形成工程。
図3で説明した帯電領域形成工程の第2の実施形態と同様に感光体21と発光部22を用いて帯電領域を形成する。図5(3−a)、(3−b)は基板1の上に感光体21を置いた状態の平面図である。
第2の導電層212とゲート電極2の間は、図5には図示せぬ電源220が接続されており、ゲート電極2側は接地され、第2の導電層212に負の電圧Eが供給されている。また、発光部22は、図5には図示せぬ制御部23により露光パターンに応じて駆動と発光を制御され、光導電層211を露光する。すると、発光部22により露光された光導電層211の部分が導電性となり、露光部分においてゲート絶縁層7との間で放電が生じることによりゲート絶縁層7上表面に静電潜像が形成される。この潜像は、光導電層211に対向して設けられたゲート絶縁層7上に即座に移動し、図5(4−b)のようにゲート絶縁層7上には正極性に帯電した所望のパターンの帯電領域7aが形成できる。
T2・・・・・有機半導体材料の溶液を帯電領域に吸着させる工程。
図4(4−a)、(4−b)で説明した第1の実施形態と同様に、インクジェット法を用いて帯電領域7aの表面に有機半導体材料の溶液を滴下する。具体的には、帯電領域7aの真上に位置するインクジェットのノズル41から有機半導体材料溶液42を滴下する。有機半導体材料溶液42に含まれる有機半導体材料は帯電領域7aの表面電荷のクーロン力により吸着され、図4(5−a)、(5−b)のように帯電領域7a上に均一に広がる。その後、溶媒を乾燥させて均一な膜厚の有機半導体層10を形成する。
S4・・・・・ソース電極8、ドレイン電極9を形成する工程。
図4(6−a)、図4(6−b)に示すように、ソース電極8、ドレイン電極9を形成する。
この後、半導体保護層にドレイン電極9を接続するためのコンタクトホールを形成し、塗布型ITOでコンタクトホールと接続する画素電極を形成して有機TFTを完成させる。
次に本発明の有機半導体層の成膜方法を用いた有機TFTの製造方法の第3の実施形態について説明する。有機TFTの製造方法の第3の実施形態では有機半導体層10を形成する工程S3において、基板を有機半導体材料の溶液に浸漬し、ゲート電極2に電圧を印加することによりクーロン力により有機半導体材料をゲート電極2の上層に吸着して有機半導体層10を形成する。工程S3以外の工程は第1の実施形態で説明した工程と同じ処理を行う。
図6は本実施形態における帯電領域形成工程を説明するための説明図である。図6を用いて、本実施形態の帯電領域形成工程について順を追って説明する。
図6(a)、図6(b)は、有機半導体材料溶液42を入れた容器50と、ゲート絶縁層7まで形成した基板1と電極51の断面図である。図7は基板1上に縦3×横5の有機TFTを形成する製造工程の例を説明するための平面図である。
本発明に係る有機TFTの製造方法の一例として、工程の順に説明する。なお、今までに説明した工程には同番号を付し、同じ内容の説明を省略する。有機半導体層10を形成する工程では下記の工程U1、U2、U3を行う。
S1・・・・・ゲート電極2を形成する工程。
S2・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
S3・・・・・有機半導体層10を形成する工程。
U1・・・・・ゲート電極2とゲート絶縁層7が形成された基板1を有機半導体材料の溶液に浸漬する工程。
U2・・・・・対向電極51を溶液内に基板1と対向配置して、ゲート電極2と対向電極51に電圧を印加する工程。
U3・・・・・有機半導体層10以外のゲート絶縁層7上に吸着した有機半導体材料43を除去する工程。
S4・・・・・ソース電極8、ドレイン電極9を形成する工程。
以下、各工程について順に説明する。
S1・・・・・ゲート電極2を形成する工程。
図7(a)に示すように、基板1上にゲート電極2を形成する。ゲート電極線2bの部分は、ゲート電極2の配線部である。
S2・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
図7(b)に示すように、ゲート絶縁層7を形成する。
S3・・・・・有機半導体層10を形成する工程。
U1・・・・・ゲート電極2とゲート絶縁層7が形成された基板1を有機半導体材料の溶液に浸漬する工程。
図6(a)のように、工程S2を終えた基板1を有機半導体材料溶液42を入れた容器50に浸漬する。なお、図6(a)では図を簡略化するため基板1の断面にゲート電極2を1つしか図示していない。
U2・・・・・対向電極51を溶液中に基板1と対向配置して、ゲート電極2と対向電極51に電圧を印加する工程。
容器50内の基板1と対向する位置に対向電極51を浸漬し、電源220の負側を接続する。また、電源220の正側は、基板1上に配設されたゲート電極線2bにそれぞれ接続する。このようにして、ゲート電極2と対向電極51の間に電位差Eを与える。すると、ゲート電極2及びゲート電極線2b上のゲート絶縁層7にはクーロン力により有機半導体材料が吸着する。図6(b)はこのようにして有機半導体材料43がゲート絶縁層7の表面に吸着した後、容器50から基板1を引き上げる状態を示している。有機半導体材料は図7(c)のように、ゲート電極2及びゲート電極線2b上のゲート絶縁層7に吸着する。この後、溶媒を乾燥させて有機半導体層10を形成する。
U3・・・・・有機半導体層10以外のゲート絶縁層7上に吸着した有機半導体材料43を除去する工程。
有機半導体層10以外のゲート絶縁層7上に吸着した有機半導体材料43を除去する。具体的には、例えば図7(d)の点線Dで示す範囲にレーザ光を照射して不要な有機半導体材料43を除去し、ゲート絶縁層7上に有機半導体層10だけを残す。図7(e)はゲート絶縁層7上に縦3×横5個の有機半導体層10が形成された状態を示している。このうちの1つの有機半導体層10近傍の構成は図4(5−a)、(5−b)と同じ構成である。
なお、例えば工程U1の前にゲート絶縁層7の有機半導体材料43を吸着させたくない部分をマスクすることにより、本工程を省略することもできる。
S4・・・・・ソース電極8、ドレイン電極9を形成する工程。
図4(6−a)、図4(6−b)に示すように、各有機半導体層10の上にソース電極8、ドレイン電極9を形成する。
この後、半導体保護層にドレイン電極9を接続するためのコンタクトホールを形成し、塗布型ITOでコンタクトホールと接続する画素電極を形成して有機TFTを完成させる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
以下、本発明の有機半導体層の成膜方法を用いて光電変換素子を作製した第1の実施例を説明する。
[実施例1]
本実施例では、基板1として親水処理を施したITO基板を用い、光電変換素子を作製した。
本実施例では、第1の実施形態の帯電領域形成工程T1を用いて帯電領域を形成した。
図1(a)のように遮蔽マスク40を置いた基板1の上方に配置したUVオゾン照射装置80から図1(b)の矢印のように基板1のマスクされない部分1aにオゾンを照射した。
遮蔽マスク40の材料は厚み200μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである。遮蔽マスク40の大きさは100×100mmであり、中央部に設けた開口は50×50mmとした。
UVオゾン照射装置80はヤマト科学株式会社製の型式:UEEX201を用いた。UVオゾン照射装置80に使用したランプは高周波放電エキシマランプXe3であり、発光波長は172nmである。
UVオゾン照射装置80の照射範囲は100×100mmであり、遮蔽マスク40の範囲を1分間照射した。
このように、遮蔽マスク40の開口部分にオゾンを照射することにより、基板1上の中央部に50×50mmの正方形の帯電領域1aを形成した。
T2・・・・有機半導体材料の溶液を前記帯電領域に吸着する工程。
次に、電子供与化合物であるフェロセンを有するカチオン高分子(Fc)、光増感化合物であるカルバゾールを有するカチオン高分子(Cz)、ならびにアニオン高分子(PAA:Poly Acrylic Acid)の三種類の高分子電解質を用いて帯電領域1a上に有機半導体層を形成した。
最初に、0.01MのFc溶液ならびにPAA溶液に、親水処理を施した基板1を交互に浸すことにより、Fc/PAA層を三層積層した。続いて、0.01MのCz溶液ならびにPAA溶液に親水処理を施した基板1を交互に浸すことにより、Cz/PAA層を三層積層した。
このようにして帯電領域を形成し、基板1上の中央部に50×50mmの正方形の有機半導体層を形成した。
形成した有機半導体層を作用電極に、Ptを対極に、Ag/AgClを参照電極に用いた光電変換素子を作製した。
〔実験結果〕
参照例1として、遮蔽マスク40を用いない以外は同じ条件で、UVオゾン照射装置80から基板1にオゾンを照射した基板に、本実施例と同じ工程で有機半導体層を形成し、光電変換素子を作製した。
作製した光電変換素子に対して、それぞれ光電流を測定した。測定時の光源には、500Wのキセノンランプを用い、各種光学フィルターを用いて増感化合物の吸収帯である300−400nmに分光して照射した。分光後の光強度は、およそ10mW・cm-2であった。
その結果、本実施例で作製した光電変換素子の光電流は約20nA/cm2だった。一方、参照例1で作製した光電変換素子の光電流も約20nA/cm2であり、参照例と同等の性能を持つ有機半導体層を形成できたことが分かった。
次に、本発明の有機半導体層の成膜方法を用いて光電変換素子を作製した第2の実施例を説明する。
[実施例2]
本実施例では、第2の実施形態の帯電領域形成工程T1を用いて帯電領域を形成した。
最初に、本実施例で用いた感光体21の構成について説明する。透明基板213の材料はガラスであり、透明基板213の上に第2の導電層212としてITO膜を形成した。
第2の導電層212の上に形成された光導電層211は、電荷発生層と電荷輸送層から構成される。電荷発生層はビスアゾ顔料とポリビニルブチラール樹脂とを主成分とする混合物を厚さ約0.4μmで形成した。電荷輸送層はヒドラゾン化合物とポリカーボネート樹脂とを主成分とする混合物を厚さ0.4μmで形成した。このようにして形成した光導電層211の移動度μは、一般に電子写真でもちいられる感光体と同程度であった。
光導電層211と絶縁層31とのギャップGは20μmとした。第2の導電層212と第1の導電層32間に印加する電圧Eを−1.5kvとした。
本実施例では、基板1の材料として実施例1と同じ形状の厚み50μmのポリイミドフィルムを用いた。基板1の上には導電層32を設け、さらに上層に誘電体層31として厚み10μmのフッ素樹脂層を設けている。
発光部22を一定の移動速度3.5(cm/sec)で移動させ、感光体21の50×50mmの正方形の範囲を露光した。
このように、感光体21の所定部分を露光することにより潜像を形成し、基板1上の中央部に50×50mmの正方形の帯電領域1aを形成した。
〔実験結果〕
実施例1と同じ条件で、光電流を測定した。
その結果、本実施例で作製した光電変換素子の光電流は約20nA/cm2であり、実施例1、参照例1と同等の性能を持つ有機半導体層を形成できたことが分かった。
次に、本発明の有機TFTの製造方法を用いて有機TFTを作製した第3の実施例を説明する。
[実施例3]
本実施例では、図4を用いて説明した有機TFTの製造方法の第1の実施形態と同じ工程で有機TFTを作製した。
基板1は、導電性薄膜としてAl膜を表面に130nm形成した150mm×150mmの大きさの住友ベークライト製ポリエーテルスルホン(PES)基板を用い、基板1上に800×800のボトムゲート型有機薄膜トランジスタを作製して性能を確認した。
S1・・・・・ゲート電極2を形成する工程。
基板1の導電性薄膜上にレジストを約1μmの厚みで形成し、フォトマスクを介して露光、現像を行った後、Al膜のエッチングを行った。次にレジスト層を除去してゲート電極2を形成した。本実施例では、縦横170μm間隔で800×800のマトリクス状にゲート電極2のパターンが設けられているフォトマスクを用いた。
S2・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
ゲート絶縁層7として、プラズマCVD法でTEOS(テトラエトキシシラン)ガスを用いてSiO2膜を基板1上に500nm形成した。
S3・・・・・有機半導体層10を形成する工程。
T1・・・・・帯電領域形成工程。
図1で説明した帯電領域形成工程の第1の実施形態と同様にUVオゾン照射装置80と遮蔽マスク40を用いて帯電領域を形成した。ゲート絶縁層7上に所望のパターンの帯電領域7aを形成した。
T2・・・・・有機半導体材料の溶液を帯電領域に吸着させる工程。
図4(4−a)、(4−b)のようにインクジェット法を用いて帯電領域7aの表面に有機半導体材料の溶液を適量滴下し、有機半導体層10を形成した。有機半導体材料はPPVの前駆体イオン性ポリマーを用い、溶媒としてトルエンを用いた。
S4・・・・・ソース電極8、ドレイン電極9を形成する工程。
次に乾燥後、金(Au)を蒸着することでソース電極8、ドレイン電極9を形成した。パターニングはメタルマスクを用いた。
この後、半導体保護層にドレイン電極9を接続するためのコンタクトホールを形成し、塗布型ITOでコンタクトホールと接続する画素電極を形成して有機TFTを完成させた。
〔実験結果〕
参照例2として有機半導体層10をスピンコート法を用いて製造した有機TFT素子を作製した。実施例3と参照例2で作製した有機TFT素子の実験結果を表1に示す。
Figure 2008078339
表1のように、実施例3と参照例2の移動度はほぼ同じ値である。また、On/Off電流比は実施例3の方が少ないが、有機TFT素子として十分なレベルの値である。
このように本実施例では十分な特性の有機TFT素子を簡単な工程で作製できることが分かった。
次に、本発明の有機TFTの製造方法を用いて有機TFTを作製した第4の実施例を説明する。
[実施例4]
本実施例では、帯電領域形成工程T1以外の工程は実施例3と同じ条件で製造したので、同じ工程は同番号を付し説明を省略する。
S1・・・・・ゲート電極2を形成する工程。
実施例3と同じ条件で製造した。
S2・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
実施例3と同じ条件で製造した。
S3・・・・・有機半導体層10を形成する工程。
T1・・・・・帯電領域形成工程。
実施例2で説明した感光体21を用いて帯電領域を形成した。
光導電層211とゲート絶縁層7とのギャップGは20μmとした。第2の導電層212とゲート電極2間に印加する電圧Eを−1.5kvとした。
発光部22を一定の移動速度3.5(cm/sec)で移動させ、有機半導体層10の形状のパターンを露光した。このようにして、基板1上に帯電領域7aを形成した。
T2・・・・・有機半導体材料の溶液を帯電領域に吸着させる工程。
実施例3と同じ条件で製造した。
S4・・・・・ソース電極8、ドレイン電極9を形成する工程。
実施例3と同じ条件で製造した。
〔実験結果〕
実施例4と参照例2で作製した有機TFT素子の実験結果を表2に示す。
Figure 2008078339
表2のように、実施例4と参照例の移動度はほぼ同じ値である。また、On/Off電流比も有機TFT素子として十分なレベルの値である。
このように本実施例では十分な特性の有機TFT素子を簡単な工程で作製できることが分かった。
次に、本発明の有機TFTの製造方法を用いて有機TFTを作製した第5の実施例を説明する。
[実施例5]
本実施例では、図6を用いて説明した有機TFTの製造方法の第3の実施形態で説明した工程を用いて製造した。これまでの実施例で説明した工程と同じ工程には同番号を付し説明を省略する。
S1・・・・・ゲート電極2を形成する工程。
S2・・・・・ゲート絶縁層7を形成する工程。
実施例3と同じ条件で製造した。
S3・・・・・有機半導体層10を形成する工程。
U1・・・・・ゲート電極2及びゲート電極線2bとゲート絶縁層7が形成された基板1を有機半導体材料の溶液に浸漬する工程。
有機半導体材料はPPVの前駆体イオン性ポリマーを用い、溶媒としてトルエンを用いた。工程S2を終えた基板1を有機半導体材料の溶液に60分間浸漬した。
U2・・・・・対向電極51を溶液中に基板1と対向配置して、ゲート電極2と対向電極51に電圧を印加する工程。
ゲート電極2と対向電極51との間に400Vの電圧を与えた。対向電極51とゲート絶縁層7との間の距離は500μmだった。
U3・・・・・有機半導体層10以外のゲート絶縁層7上に吸着した有機半導体材料43を除去する工程。
図7(d)の点線Dで示す範囲のゲート絶縁層7上に吸着した有機半導体材料43をレーザ光で除去した。使用したレーザ加工機は市販のエキシマレーザ加工機であり、次の条件でレーザ光を照射した。条件は波長532nm、出力エネルギー2mJ、パルス幅6nm、1ショットの面積150μm×150μmである。
このようにして、簡単な工程で精度良くパターニングした有機半導体層10が形成できた。
S4・・・・・ソース電極8、ドレイン電極9を形成する工程。
実施例3と同じ条件で製造した。
〔実験結果〕
実施例5と参照例2で作製した有機TFT素子の実験結果を表3に示す。
Figure 2008078339
表3のように、実施例5と参照例2の移動度及びOn/Off電流比はほぼ同じ値である。このように本実施例では十分な特性の有機TFT素子を簡単な工程で作製できることが分かった。
以上、このように、精度良くパターニングした有機半導体層を簡単な工程で形成する有機半導体層の成膜方法、有機薄膜トランジスタの製造方法を提供することができる。
本発明に係わる帯電領域形成工程の第1の実施形態を説明する説明図である。 一般的な交互吸着膜の製造原理を示す原理図である。 本発明に係わる帯電領域形成工程の第2の実施形態を説明する説明図である。 本発明に係わる有機TFTの製造方法の第1の実施形態について説明するための説明図である。 有機TFTの製造方法の第2の実施形態における帯電領域形成工程を説明するための説明図である。 本実施形態における帯電領域形成工程を説明するための説明図である。 基板1上に縦3×横5の有機TFTを形成する製造工程の例を説明するための平面図である。
符号の説明
1 基板
2 ゲート電極
7 ゲート絶縁層
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 有機半導体層
21 感光体
22 発光部
32 第1の導電層
40 遮蔽マスク
41 インクジェットのノズル
42 有機半導体材料溶液
43 有機半導体材料
51 対向基板
80 UVオゾン照射装置
211 光導電層
212 第2の導電層
213 透明基板

Claims (6)

  1. 基板の上に所望のパターンの帯電領域を形成する帯電領域形成工程と、
    前記形成された所望のパターンの帯電領域を有機半導体材料の溶液に接触させて、該有機半導体材料を該所望のパターンの帯電領域に吸着させる工程と、
    を含むことを特徴とする有機半導体層の成膜方法。
  2. 前記所望のパターンの帯電領域は、
    オゾンを遮蔽する前記所望のパターンのマスクを介して前記基板にオゾンを照射することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機半導体層の成膜方法。
  3. 導電層と導電層を覆うように形成された絶縁層を有する基板と、透明基板の上に導電層と光導電層をこの順で有する感光体を準備する工程と、
    前記絶縁層と前記光導電層が対向するように、前記基板と前記感光体を配置する工程と、
    前記基板の導電層と前記感光体の導電層の間に電圧を印加し、前記光導電層に所望のパターンの光を照射し、基板の上に所望のパターンの帯電領域を形成する帯電領域形成工程と、
    前記光導電層の前記所望のパターンの光が照射された領域と対向する前記絶縁層の領域を有機半導体の溶液に接触させて、該有機半導体を前記絶縁層に吸着させる工程と、を含むことを特徴とする有機半導体層の成膜方法。
  4. 基板の上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極を覆うように前記基板の上にゲート絶縁層を形成する工程と、
    有機半導体層を形成する工程と、
    ソース電極とゲート電極を形成する工程と、を含む有機薄膜トランジスタの製造方法において、
    前記有機半導体層を形成する工程は、
    前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層が形成された基板の上に所望のパターンの帯電領域を形成する帯電領域形成工程と、
    前記形成された所望のパターンの帯電領域を有機半導体材料の溶液に接触させて、該有機半導体材料を該所望のパターンの帯電領域に吸着させる工程と、
    を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 基板の上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極を覆うように前記基板の上にゲート絶縁層を形成する工程と、
    有機半導体層を形成する工程と、
    ソース電極とゲート電極を形成する工程と、を含む有機薄膜トランジスタの製造方法において、
    前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層が形成された基板と、透明基板の上に導電層と光導電層をこの順で有する感光体を準備する工程と、
    前記ゲート絶縁層と前記光導電層が対向するように、前記基板と前記感光体を配置する工程と、
    前記ゲート電極と前記導電層の間に電圧を印加し、前記光導電層に所望のパターンの光を照射する工程と、
    前記光導電層の前記所望のパターンの光が照射された領域と対向する前記絶縁層の領域を有機半導体の溶液に接触させて、該有機半導体を前記絶縁層に吸着させる工程と、を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 基板の上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極を覆うように前記基板の上にゲート絶縁層を形成する工程と、
    有機半導体層を形成する工程と、
    ソース電極とゲート電極を形成する工程と、を含む有機薄膜トランジスタの製造方法において、
    前記有機半導体層を形成する工程は、
    前記ゲート電極と前記ゲート絶縁層が形成された基板を有機半導体材料の溶液に浸漬する工程と、
    対向電極を前記有機半導体材料の溶液中に前記基板と対向配置して、前記ゲート電極と前記対向電極の間に電圧を印加し、前記ゲート絶縁層に前記有機半導体材料を吸着させる工程と、
    を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
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