JP2008077113A - 磁気光学効果を利用した光デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気光学効果を利用した光アッテネータ等の光デバイスに関し、その小型化及び低価格化を主な課題としている。
【解決手段】 入力ビームを反射させて反射ビームにするリフレクタ56と、入力ビーム及び反射ビームが通過するように設けられる磁気光学結晶58と、磁気光学結晶58に磁界を印加するための磁界印加ユニット60と、制御信号に基づき磁界を変化させるための調節ユニット62とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、一般的に、磁気光学効果を用いた光デバイスの小型化に関し、特に、磁気光学結晶によるファラデー回転を用いた光アッテネータ等の光デバイスに関する。
磁界中に置かれたYIG(イットリウム・鉄・ガーネット)等の磁気光学結晶内を光ビームが通過すると、磁気光学結晶の磁化ベクトルの大きさ及び方向並びに磁気光学結晶の厚みに応じて、その光ビームに磁気光学効果によりファラデー回転角が与えられる。この原理に従う光デバイスはファラデー回転子と称され、永久磁石により磁気光学結晶に磁界を印加するようにしたファラデー回転子が実用化されている。永久磁石により磁気光学結晶に与えられる磁化ベクトルの大きさ及び方向は一定であるから、このファラデー回転子においてはファラデー回転角が不変である。
磁気光学結晶に1つの電磁石のみによって磁界を印加するようにしたファラデー回転子を含む可変光アッテネータが提案されている(例えば特開平1−204021号)。しかし、1つの電磁石のみを用いた場合、磁気光学結晶の磁化が常に飽和しているとは限らない。磁気光学結晶の磁化が飽和していないと、磁気光学結晶内に多数の磁区が生じる。このような多数の磁区の存在は、光アッテネータの減衰の再現性を悪化させるし、良好な再現性が確保されているとしても減衰の連続的な可変を困難にする。また、多数の磁区間の界面における光の散乱が制御困難な減衰を生じさせる。
電磁石及び永久磁石を組み合わせて用いることによって、磁気光学結晶の磁化が飽和したままでファラデー回転角を可変にした光デバイスが、発明者らによって提案されている(福島他、OAA,FD9,pp154−157,1996)。この光デバイスは可変光アッテネータであり、駆動電流を0mA〜40mAに変化させることによって減衰が1.6dB〜25dBまで連続的に変化する特性が得られている。
上述のようなファラデー回転角が可変なファラデー回転子は、偏波状態を任意に変化させるための偏波コントローラや減衰を変化させるための可変光アッテネータ等に適用することができる。前述した永久磁石及び電磁石を用いた光アッテネータは実用的なスケールで提供されているので(30mm×25mm×12mm)、そのままで光中継器等に組み込むことはできる。しかし、多数の光アッテネータの使用を考慮すると、更なる小型化、低価格化が要求される。
よって、本発明の目的は、小型化及び低価格化に適した光デバイスを提供することにある。本発明の他の目的は以下の説明から明らかになる。
本発明によると、入力ビームを反射させて反射ビームにするリフレクタと、上記入力ビーム及び上記反射ビームが通過するように設けられる磁気光学結晶と、該磁気光学結晶に磁界を印加するための磁石を含む第1の手段と、制御信号に基づき上記磁界を変化させるための第2の手段とを備え、上記リフレクタは上記磁気光学結晶の端面と上記磁石との間に設けられている光デバイスが提供される。
本発明による光デバイスにおいては、リフレクタを用いることにより、磁気光学結晶が入力ビーム及び反射ビームの双方に作用するようにしているので、一定のファラデー回転角を与えるための磁気光学結晶の厚み或いは磁界の強さを半減させることができる。
一般に磁気光学結晶は高価であるので、磁気光学結晶の厚みの減少は光デバイスの低価格化の上で有効である。また、要求される磁界の強さの減少は、磁気光学結晶に磁界を印加するための永久磁石若しくは電磁石の小型化又は電磁石の駆動電力の低減のために有効である。
本発明によると、磁気光学効果を利用した光アッテネータ等の光デバイスの小型化及び低価格化が可能になるという効果が生じる他、後述するように種々の効果がある。
以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施の形態を詳細に説明する。全図を通して実質的に同一の部分には同一の符号が付されている。
本発明の特徴の理解を容易にするために、本発明の実施形態の説明に先立ち、図1乃至図3により従来の可変ファラデー回転子及びそれを有する可変光アッテネータについて説明する。
図1を参照すると、従来の可変ファラデー回転子2の斜視図が示されている。ファラデー回転子2は、磁気光学結晶4と、磁気光学結晶4に対して互いに直交する方向に磁界を印加する永久磁石6及び電磁石8と、電磁石8に駆動電流を供給する可変電流源10とを備えている。
磁気光学結晶4としては、薄く切り出したYIGやエピタキシャル結晶成長させた(GdBi)3 (FeAlGa)5 O12等が用いられる。
永久磁石6により磁気光学結晶4に印加される磁界の方向は、磁気光学結晶4における光ビーム12の伝搬方向(Z軸)と平行であり、電磁石8により磁気光学結晶4に印加される磁界の方向は、Z軸に垂直である(X軸)。また、X軸及びZ軸に垂直なY軸が示されている。
永久磁石6及び電磁石8による合成磁界の強さは、磁気光学結晶4の磁化が常に飽和しているように設定される。
図2は図1のファラデー回転子2において磁気光学結晶4に与えられる磁界並びに磁気光学結晶4の磁化の方向及び強さを説明するための図である。
今、永久磁石6のみによって磁気光学結晶4に符号14で示されるように磁界が印加されている場合、磁気光学結晶4の磁化は符号16で示すようにZ軸と平行になる。
このときの印加磁界の強さ(磁界ベクトル14の長さ)は、磁気光学結晶4の磁化の強さ(磁化ベクトル16の長さ)が飽和するように設定される。
電磁石8による磁界が符号18で示されるようにX軸に平行に印加されると、合成磁界は符号20で示されるように磁界ベクトル14及び18の合成ベクトルとなる。
この合成磁界20により磁気光学結晶4には符号22で示されるような磁化が生じる。
磁化ベクトル22と磁界ベクトル20は平行であり、前述の飽和により、磁化ベクトル22の長さは磁化ベクトル16の長さに一致する。
磁気光学結晶4の磁化の強さが一定であるからといって、磁化ベクトル16及び22のファラデー回転角への寄与度が同じではない。なぜなら、ファラデー回転角が磁化の方向と光ビームの伝搬方向とがなす角にも依存するからである。
即ち、磁化16が生じている状態と磁化22が生じている状態とを比較すると、磁化16のZ成分(磁化16そのもの)に対して磁化22のZ成分24が減少している分だけ、後者のファラデー回転角が小さくなるのである。磁化22によるファラデー回転角と磁化16によるファラデー回転角との比は、これらの磁化ベクトルがなす角αを用いてcosαで与えられる。
このように、図1の可変ファラデー回転子2においては、可変電流源10により磁界ベクトル18の長さを調整してそれにより角αを変化させることによって、光ビーム12に与えられるファラデー回転角を任意に設定することができる。磁気光学結晶4の磁化は常に飽和しているので、多数の磁区の存在による上述した不都合がなくなる。磁気光学結晶4の磁化が飽和した状態は磁気光学結晶4の磁区が1つになった状態として理解することができる。
図3は従来の可変光アッテネータを示す図である。光ファイバ26と、レンズ28と、複屈折くさび板30と、図1のファラデー回転子2と、複屈折くさび板32と、レンズ34と、光ファイバ36とが図示しない光源の側からこの順序で設けられている。
くさび板30及び32の形状は同じである。くさび板30の頂部及び底部はそれぞれくさび板32の底部及び頂部に対向し、且つ、対応する面が互いに平行になるようにされている。
くさび板30及び32の光学軸は紙面に垂直な平面内にあり、光学軸の位置関係はファラデー回転子2の可変電流源10へのゼロ入力時の損失の設定による。以下の説明では、ゼロ入力時に損失が最小になるように定めることとし、くさび板30の光学軸とくさび板32の光学軸とが互いに平行であるとする。
光ファイバ26の励振端から放射された光はレンズ28によりコリメートされて平行光ビームになる。このビームはビーム太さを無視して符号38で表されている。ビーム38はくさび板30においてその常光線(o)に相当するビーム40と異常光線(e)に相当するビーム42とに分離される。
ビーム40の偏波面とビーム42の偏波面とは互いに直交している。
ビーム40及び42はファラデー回転子2により偏波面をそれぞれ同じ角度だけ回転されそれぞれビーム44及び46になる。
ビーム44はくさび板32においてその常光線成分であるビーム48と異常光線成分であるビーム50とに分離される。また、ビーム46は、くさび板32においてその異常光線成分であるビーム52と常光線成分であるビーム54とに分離される。
ビーム48,50,52及び54がそれぞれ受けてきた屈折の履歴とくさび板30及び32の形状及び配置形態とを考慮すると、ビーム48及び52は互いに平行であり、ビーム50及び54は互いに平行でない。従って、ビーム48及び52のみをレンズ34により絞り込んで光ファイバ36に入射させることができる。
ビーム48及び52のトータルパワーとビーム50及び54のトータルパワーとの比は、ファラデー回転子2におけるファラデー回転角に依存する。一方、ファラデー回転子2のファラデー回転角が一定である状態においては、ビーム48及び52のトータルパワーは光ファイバ26の励振端から放射された光の偏波状態には依存しない。このように、図3の光アッテネータにおいては、減衰が電気的に且つ連続的に可変であり、しかも減衰が入力ビームの偏波状態に依存しない。
図4は、本発明による可変ファラデー回転子の基本構成を示す図である。このファラデー回転子は、リフレクタ56と、磁気光学結晶58と、磁界印加ユニット60と、調節ユニット62とを備えている。
リフレクタ56は、入力ビームIBを反射させて反射ビームRBにする。
磁気光学結晶58は、入力ビームIB及び反射ビームRBが通過するように設けられている。
磁界印加ユニット60は、磁気光学結晶58が入力ビームIB及び反射ビームRBにファラデー回転角を与えるように磁気光学結晶58に磁界を印加する。
調節ユニット62は、与えられた制御信号に基づき、磁界印加ユニット60が磁気光学結晶58に印加する磁界を変化させる。
この構成によると、入力ビームIB及び反射ビームRBが磁気光学結晶58内を通過するので、入力ビームIB及び反射ビームRBには、実質的に同じ量のファラデー回転角が印加磁界の方向に向かって同じ回転方向で与えられる。従って、与えられた磁界条件の下で必要なファラデー回転角を得るための磁気光学結晶58の厚みを従来技術に比べて実質的に半分にすることができる。
本発明は、入力ビームIBと反射ビームRBとがなす角θによっては限定されない。θ=0°である場合には、入力ビームIB及び反射ビームRBは互いに重なり合うので、この場合には、反射ビームRBを入力ビームIBから空間的に分離するために、後述するような光サーキュレータが使用される。
θが0°でなく且つ5°未満の小さな角度である場合には、入力ビームIB及び反射ビームRBをそれぞれ光ファイバに結合するために後述するような共通の1つのレンズの使用が可能になる。
入力ビームIB及び反射ビームRBをそれぞれ光ファイバに結合するために、複数のレンズを用いてもよい。
また、レンズを省略するために、リフレクタ56を凹面鏡にしてもよい。
図4では、リフレクタ56が磁気光学結晶58に密着して図示されているが、本発明はこれに限定されない。リフレクタ56と磁気光学結晶58との間に空気その他の光学媒質が介在していてもよい。
図5は本発明による可変ファラデー回転子の実施形態を示す図である。ここでは、入力ビームIBを与えるための第1の光ファイバ64と、反射ビームRBを導入すべき第2の光ファイバ66とが用いられる。
第1の光ファイバ64の励振端64Aと第2の光ファイバ66の励振端66Aとが予め定められた微小距離d離間して位置するようにするために、光ファイバ64及び66はフェルール68の互いに平行な挿入孔68A及び68Bにそれぞれ挿入固定されている。
励振端64Aから放射された円錐ビームを実質的にコリメートして入力ビームIBを得るために、励振端64A及び66Aに対向して共通の1つのレンズ70が設けられている。
ここでは、リフレクタ56は平坦な反射面を有しており、この反射面は入力ビームIB及び反射ビームRBに対して僅かに傾斜している(傾斜角θ/2)。
各エレメントの相対的位置関係が適切な条件を満足するようにすることによって、反射ビームRBをレンズ70により集束させて第2の光ファイバ66の励振端66Aに入射させることができる。この条件は、例えば、入力ビームIBと反射ビームRBとがなす角をθ、レンズ70の焦点距離をf、励振端64A及び66A間の距離をdとするときに、
d=f・tanθ
で与えられる。
2つの挿入孔を有するフェルールの製造技術は確立されているので、励振端64A及び66A間の距離を正確に設定することができ、結合損失を小さくすることができる。また、フェルール68、レンズ70及びリフレクタ56の相対的位置関係を調整することにより、この可変ファラデー回転子を組み立てることができるので、従来技術に比べて製造作業が容易である。共通のレンズ70を用いたことにより、小型化及び低価格化が可能になる。
望ましくは、磁界印加ユニット60は、第1の磁界を第1の方向で磁気光学結晶58に印加するための第1の磁石と、第2の磁界を第1の方向と異なる第2の方向で磁気光学結晶58に印加するための第2の磁石とを含む。
この場合、磁気光学結晶58の磁化が飽和する条件の下で、調節ユニット62が第1の磁界及び/又は第2の磁界を変化させて、ファラデー回転角を変化させることができる。磁気光学結晶58の磁化の飽和に伴って磁区が1つになるので、ファラデー回転角の再現性が良好になると共に散乱による損失が小さくなる。
望ましくは、第1及び第2の磁石はそれぞれ永久磁石及び電磁石である。この場合、調節ユニット62は電磁石に接続される可変電流源により提供される。望ましくは、第1及び第2の方向は実質的に直交している。これにより、第1の磁界及び/又は第2の磁界の単位変化に対するファラデー回転角の変化を大きくすることができる。
図6は本発明による可変ファラデー回転子の他の実施形態を示す図である。ここでは、磁気光学結晶58はX軸、Y軸及びZ軸に沿って配置される直方体形状である。X軸、Y軸及びZ軸は直交3次元座標を与える。
また、リフレクタ56は、磁気光学結晶58のXY平面に平行な面上に形成された誘電体多層膜等からなる反射膜により提供されている。反射膜は薄く形成することができるので、小型化に適しており、また、誘電体多層膜は製造が容易である。
磁界印加ユニット60は、磁気光学結晶58に一定の磁界をZ軸方向に印加するための永久磁石72と、磁気光学結晶58に可変の磁界をX軸方向で印加するための電磁石74とを含む。
調節ユニット62は、電磁石74に接続される可変電流源76を含む。可変電流源76は、例えば外部から与えられる制御信号に基づき、電磁石74のコイルに流れる電流を調節する。
特に図6の実施形態では、入力ビームIB及び反射ビームRBはZ軸に対して平行であり、これらは互いに重なり合っている。反射ビームRBを入力ビームIBから分離するために、光サーキュレータ78が用いられる。
光サーキュレータ78は3つのポート78A,78B及び78Cを有している。入力ビームIBはポート78A及び78Bをこの順に通って磁気光学結晶58に入射する。
リフレクタ56からの反射ビームRBは光サーキュレータ78のポート78B及び78Cをこの順に通って出力される。
このように入力ビームIB及び反射ビームRBがリフレクタ56に対して垂直である場合、光軸調整が容易である。
図6の実施形態では、永久磁石72による一定の磁界を磁気光学結晶58に効果的に印加することができる。これを図1の従来技術との対比により説明する。
実用的な永久磁石は不透明であるから、従来技術においては、図1に示されるように、永久磁石6の2つの極(N極及びS極)をビーム12に対してずらしておくことが必要である。このため、永久磁石6及び磁気光学結晶4を含む磁気回路における磁気抵抗が大きくなり、永久磁石6による磁界を磁気光学結晶4に効果的に印加することができない。
これに対して、図6の実施形態では、リフレクタ56による往復ビーム経路が形成されているので、永久磁石72の一方の極と磁気光学結晶58の端面との間にリフレクタ56を介在させておくことによって、永久磁石72及び磁気光学結晶58を含む磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。
これにより、永久磁石72による一定の磁界を磁気光学結晶58に効果的に印加することができ、磁気光学結晶58の小型化に伴う永久磁石72の小型化に加えて更に永久磁石72を小型化することができる。誘電体多層膜としてのリフレクタ56の厚みは通常数μmであるので、その磁気抵抗は事実上無視し得る。
一方、電磁石74に関しては、X軸方向の磁界を磁気光学結晶58に印加するために用いられているので、電磁石74の2つの極を磁気光学結晶58の2つの端面にそれぞれ密着させることができ、電磁石74及び磁気光学結晶58を含む磁気回路の磁気抵抗を小さくすることができる。図6においては、電磁石74の2つの極と磁気光学結晶58との間にエアーギャップが形成されているように示されているが、これは図面の明瞭さを確保するための配慮である。
このように電磁石74による磁界の方向が入力ビームIB及び反射ビームRBに実質的に直交するようにしておくことによって、磁気抵抗が減少し、電磁石74の小型化又は消費電力の低減が可能になる。
図7は本発明による可変光アッテネータの実施形態を示す図である。この光アッテネータは、図5の可変ファラデー回転子と対比して、レンズ70と磁気光学結晶58との間に偏光子80が設けられている点で特徴付けられる。
本願明細書においては、「偏光子」という語は、供給された光ビームのうち予め定められた偏波面を有する直線偏波を選択的に通過させるもの、或いは供給されたビームを互いに直交する偏波面を有する2つの直線偏波成分に分けるもの(偏波ビームスプリッタ)として用いられている。
図7の偏光子80は、例えば、入力ビームIBのうち紙面に平行な偏波面を有する直線偏波成分を選択的に通過させる。
この直線偏波成分には磁気光学結晶58によりファラデー回転角が2回与えられ、従って、反射ビームRBの偏波面と紙面とがなす角及びこの角により決定される減衰は制御信号に従って変化する。
反射ビームRBの偏波面が紙面に平行である場合には最小の減衰が得られる。反射ビームRBの偏波面が紙面に垂直である場合には最大の減衰が得られ、原理的には反射ビームRBは偏光子80を通過しない。
このように、本実施形態によると、減衰を電気的に変化させることができる可変光アッテネータの提供が可能になる。
図7の実施形態では、偏光子80が特定の偏波面を有する直線偏波成分を選択的に通過させるので、磁気光学結晶58のファラデー回転角が固定されているとすると、入力ビームIBの偏波状態に依存して減衰が変化することになる。即ち、図7の光アッテネータは偏波依存性を有している。
本発明によると、偏波無依存の可変光アッテネータを提供することもできる。以下、偏波無依存の可変光アッテネータについて説明する。
図8は本発明による偏波無依存の可変光アッテネータの実施形態を示す図である。この実施形態は、図7の光アッテネータと対比して、偏光子として複屈折くさび板82を用いている点で特徴付けられる。
くさび板82は、入射ビームを互いに異なる方向に伝搬する常光線と異常光線とに分ける。くさび板82の材質としてはルチルを用いることができ、この場合、くさび角を例えば4°に設定しておくことによって、常光線と異常光線との分離角として約1°を得ることができる。ルチルにおいては、異常光線に対する屈折率は常光線に対する屈折率よりも大きい。
尚、図8においては、フェルール68が図7等の図示に対して90°回転していることに留意されたい。即ち、図7においては光ファイバ64及び66がフェルール68内において紙面に平行な方向に配列しているのに対して、図8においては、光ファイバ64及び66はフェルール68内において紙面と垂直な方向に配列されている。
図9を参照して、図8の可変光アッテネータの動作を説明する。リフレクタ56を用いていることにより、図8の光アッテネータの動作は、図9に示されるように、リフレクタ56の反射面RPに関して折り返された構成を想定すると理解しやすい。
図9においては、磁気光学結晶58、くさび板82及びレンズ70について、反射面RPに関して対称な位置にそれぞれ磁気光学結晶58′、くさび板82′及びレンズ70′が示されている。
このような想定により、第1の光ファイバ64から第2の光ファイバ66へ至る光路を容易に理解することができる。
第1の光ファイバ64の励振端64Aから放射された光は、レンズ70により実質的にコリメートされて平行光ビーム(入力ビーム)になる。このビームは太さを無視して符号84で表されている。
ビーム84は、くさび板82においてその常光線(o)に相当するビーム86と、異常光線(e)に相当するビーム88とに分離される。ビーム86の偏波面とビーム88の偏波面とは互いに直交している。
ビーム86及び88は、磁気光学結晶58及び58′により偏波面をそれぞれ伝搬方向に向かって同じ角度だけ回転されそれぞれビーム90及び92になる。
ビーム90はくさび板82′においてその異常光線成分であるビーム94と常光線成分であるビーム96とに分離される。ビーム92はくさび板82′においてその常光線成分であるビーム98と異常光線成分であるビーム100とに分離される。
ビーム94は、くさび板82において常光線としての屈折を受け、くさび板82′において異常光線としての屈折を受けてきている。
ビーム96は、くさび板82及び82′においてそれぞれ常光線としての屈折を受けてきている。
ビーム98は、くさび板82において異常光線としての屈折を受け、くさび板82′において常光線としての屈折を受けてきている。
ビーム100は、くさび板82及び82′においてそれぞれ異常光線としての屈折を受けてきている。
くさび板82及び82′は同じ形状であることが想定されているから、ビーム94及び98は互いに平行である。従って、ビーム94及び98をレンズ70′により絞り込んで第2の光ファイバ66の励振端66Aに入射させることができる。このとき、ビーム96及び100は特定の条件の下で光ファイバ66には結合しない。
この条件は、例えば、くさび板82の分離角をφ、第2の光ファイバ66のコアの直径をa、レンズ70の焦点距離をfとするときに、
a/f<tanφ
で与えられる。
さて、ビーム94及び98のトータルパワーとビーム96及び100のトータルパワーとの比は、磁気光学結晶58及び58′により与えられるファラデー回転角に依存する。一方、ファラデー回転角が一定である場合には、ビーム94及び98のトータルパワーは、第1の光ファイバ64から放射された光の偏波状態には依存しない。
従って、この実施形態によると、減衰を電気的に変化させることができ、しかも減衰が入力ビームの偏波状態に依存しない光アッテネータの提供が可能になる。
尚、図9においては、磁界印加ユニット60及び調節ユニット62の図示は省略されている。
磁気光学結晶58のファラデー回転角が0°である場合には、ビーム86は全てビーム96となり、ビーム88は全てビーム100となるので、減衰は最大となる。
磁気光学結晶58のファラデー回転角が45°である場合には、トータルのファラデー回転角は90°となり、ビーム86は全てビーム94になり、ビーム88は全てビーム98となり、減衰は最小となる。
この実施形態において、図6に示されるような磁界印加ユニット60及び調節ユニット62が用いられている場合には、電磁石74により印加される磁界がゼロのときに磁気光学結晶58が実質的に45°に等しいファラデー回転角を与えるようにしておくことによって、ゼロ電流に対応して最小の減衰が得られるので、実用上便利である。
電磁石74による磁界がゼロのときに磁気光学結晶58によるファラデー回転角が45°よりも大きい値、例えば50°になるようにすることによって、より大きなダイナミックレンジをより少ない電流で得ることができる。
この実施形態によると、偏波分散の小さな可変光アッテネータの提供が可能になる。これを図3の従来技術との対比において説明する。
図3においては、光ファイバ36に結合するビーム48は、くさび板30及び32においてそれぞれ常光線としての屈折を受けてきている。
また、光ファイバ36に結合するビーム52は、くさび板30及び32においてそれぞれ異常光線としての屈折を受けてきている。従って、ビーム48とビーム52との間で遅延時間が生じ、偏波分散が生じる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、光ファイバ66に結合するビーム94及び98の屈折の履歴は前述した通りであるから、屈折による遅延が相殺されて、偏波分散が解消される。また、本実施形態では、くさび板82が1枚で済むので、小型化、低価格化及び製造作業の簡略化が可能になる。
図10を参照すると、磁界印加ユニット60の他の実施形態が示されている。ここでは、図6の実施形態と対比して、2つの永久磁石72A及び72Bが用いられている。
永久磁石72Aは板状のものであり、その一方の極(図ではS極)を与える平坦面と磁気光学結晶58との間にリフレクタ56が密着して介在している。
永久磁石72Bは開口を有する円環状のものであり、その開口を入力ビームIB及び反射ビームRBが貫通するようにされている。
永久磁石72A及び72Bにより磁気光学結晶58に入力ビームIB及び反射ビームRBと実質的に平行な一定の磁界を与えるために、永久磁石72BのN極に対応する端面が磁気光学結晶58の永久磁石72Aと反対側の端面に固着されている。
この実施形態によると、磁気光学結晶58に磁界を効果的に印加することができるので、この磁界印加ユニットは小型化に適している。
可変ファラデー回転子(従来技術)の斜視図である。 図1の磁気光学結晶における磁界及び磁化の説明図である。 可変光アッテネータ(従来技術)を示す図である。 本発明による可変ファラデー回転子の基本構成を示す図である。 本発明による可変ファラデー回転子の実施形態を示す図である。 本発明による可変ファラデー回転子の他の実施形態を示す図である。 本発明による可変光アッテネータの実施形態を示す図である。 本発明による偏波無依存の可変光アッテネータの実施形態を示す図である。 図8の光アッテネータの動作を説明するための図である。 本発明に適用可能な磁界印加ユニットの他の実施形態を示す図である。
符号の説明
56 リフレクタ
58 磁気光学結晶
60 磁界印加ユニット
62 調節ユニット
IB 入力ビーム
RB 反射ビーム

Claims (7)

  1. 入力ビームを反射させて反射ビームにするリフレクタと、
    上記入力ビーム及び上記反射ビームが通過するように設けられる磁気光学結晶と、
    該磁気光学結晶に磁界を印加するための磁石を含む第1の手段と、
    制御信号に基づき上記磁界を変化させるための第2の手段とを備え、
    上記リフレクタは上記磁気光学結晶の端面と上記磁石との間に設けられている光デバイス。
  2. 請求項1に記載の光デバイスであって、
    上記磁石のN極及びS極の何れか一方は上記リフレクタに密着している光デバイス。
  3. 請求項1に記載の光デバイスであって、
    第1〜第3のポートを有し、上記第1のポートに入力された光ビームを第3のポートより出力し、上記第3のポートに入力された光ビームを第2のポートより出力する光サーキュレータを更に具備し、
    上記入力ビームと上記反射ビームは平行で重なっており、上記第3のポートからは上記入力ビームが出力されて上記磁気光学結晶を通過して上記リフレクタに入射され、上記第3のポートには上記磁気光学結晶を通過した上記反射ビームが入力される光デバイス。
  4. 請求項1に記載の光デバイスであって、
    上記第1の手段の上記磁石は、第1の磁界を第1の方向で上記磁気光学結晶に印加するための第1の磁石と、第2の磁界を上記第1の方向とは異なる第2の方向で上記磁気光学結晶に印加するための第2の磁石とを含む光デバイス。
  5. 請求項4に記載の光デバイスであって、
    上記第1及び第2の磁石はそれぞれ永久磁石及び電磁石であり、
    上記第2の手段は上記電磁石に接続される可変電流源を含む光デバイス。
  6. 請求項4に記載の光デバイスであって、
    上記第1の方向は、上記入射ビーム及び上記反射ビームの方向に平行である光デバイス。
  7. 請求項4に記載の光デバイスであって、
    上記第1及び第2の方向は実質的に直交する光デバイス。
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