JP2008076963A - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程が増加せず製品コストの高騰を抑制すると共に、製造工程中に蓄積された電荷による静電気破壊から配線膜を保護する。
【解決手段】TFT基板10上の画素領域の周辺に設けられている周辺領域に、信号線膜200と、この信号線膜200の上層であって信号線膜200に対して交差する方向に配設されている配線膜201と、この信号線膜200と配線膜201との間に絶縁膜41',42'を介して介装されると共に平面視において少なくとも信号線膜200と配線膜201との交差する領域に配設されているシールド膜203とを備え、このシールド膜203が、画素領域において形成される蓄積容量70の下部電極71と同一の層であって、この下部電極71をパターンニングする際に同時に形成される。
【選択図】図7

Description

本発明は、製造過程及び製造後において基板上に絶縁膜を介して配設した導電膜を静電気破壊から保護する電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器に関する。
従来、例えば電気光学装置として多く採用されている液晶装置は、基板をベースとして、この基板上に導電膜と絶縁膜とを交互に形成する多層構造を有している。この導電膜や絶縁膜等の薄膜は、スパッタリングや、フォトリソグラフィー、ドライエッチング等により順に成膜されるが、各成膜過程では基板が電界にさらされるため、電荷が蓄積しやすい。
特に、液晶装置の画素領域の周辺に配設されている周辺回路に電気的に接続される導電膜は、配線距離が長いため、アンテナ効果が高く、当該導電膜形成後、その上層に絶縁膜を形成する際に、当該導電膜に多量の電荷が蓄積しやすい。同様に、製造過程において基板を搬送する際においても、空気やステージとの摩擦や接触・剥離に伴い静電気が発生するため、周辺回路に電気的に接続される導電膜に、上述したアンテナ効果により電荷が蓄積され易い。そして、この導電膜に蓄積される電荷量が多くなると、隣接する導電膜間で静電気破壊が誘発される。
最近の液晶装置を代表とする電気光学装置は、小型化の要請が強く、この要請に対応すべく周辺回路に電気的に接続される上層導電膜と下層導電膜間の距離が狭小化する傾向にある。上層導電膜と下層導電膜間の距離の狭小化は、両導電膜間に介装されている絶縁膜の膜厚を薄くすることで対応できるが、この絶縁膜の膜厚を薄くすると、静電気耐圧が低下するため、静電気破壊がより一層誘発され易くなる。
図10(a)に従来の液晶装置の配線交差部の平面図、(b)にそのB-B断面図を示す。同図に示す符号200は信号線膜であり、例えば同図(a)の下側がTFT基板10に形成された外部回路接続端子のうちの検査端子に電気的に接続され、図面左側に屈曲されている側が周辺回路を構成する走査線駆動回路に設けられているYシフトレジスタの最終段に電気的に接続されて、走査線駆動回路から出力される電気特性検査のためのYエンドパルス(YEP)を検査端子へ通電する。
又、この信号線膜200は、TFT基板10上に下地絶縁膜120を介して形成されており、その上層に、各外部回路接続端子と周辺回路である走査線駆動回路及びデータ線駆動回路とを各々電気的に接続する配線膜201が、絶縁膜202aを介して配設されている。尚、図10(b)に示すように、配線膜201は複層に形成されており、各層の配線膜201間には絶縁膜202bが各々介装されている。
信号線膜200は上層の配線膜201を交差して配線されている。更に、この信号線膜200は配線距離が比較的長いため、絶縁膜202aを成膜する際に、アンテナ効果により電荷が蓄積しやすい。その結果、信号線膜200の屈曲形成されたエッジ部200a、及び各配線膜201と交差する部位のエッジ部201aに電界集中が発生して、このエッジ部200a,201a周辺に静電気破壊が誘発されやすくなる。
尚、図10(a)には、信号線膜200の屈曲により形成されたエッジ部200a、及び配線膜201との交差部に形成されたエッジ部201aの周辺に静電気破壊が発生した状態が示されているが、この静電気破壊に起因して信号線膜200と配線膜201とがショートした場合は、製品の不良となってしまい、製品の歩留まり率が悪くなってしまう。
この対策として、例えば特許文献1(特開平7−99244号公報)には、互いに交差した状態で配設されている下層導電膜(ポリシリコン膜)と上層導電膜(Al膜)との間に絶縁膜を介してシールド膜(ポリシリコン膜)を配設し、このシールド膜により導電膜のエッジ部における電界集中を分散させる技術が開示されている。
この文献によれば、両導電膜間に発生しようとする局所的な高電圧は、両導電膜間に配設したシールド膜にて空間的に分散させることができるので、両導電膜間の静電気耐圧を上昇させることができる。
特開平7−99244号公報
しかし、上述した文献に開示されている技術では、通常の電気光学装置の製造工程中に、下層導電膜と上層導電膜との間にシールド膜を形成する工程を別途追加しなければならず、当然ポリシリコン膜の上層には上層導電膜との間を絶縁する絶縁膜を形成する工程も必要となる。その結果、製造工数が嵩み、製品コストが高くなる不都合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、製造工程が増加せず製品コストの高騰を抑制すると共に、製造工程中に蓄積された電荷による静電気破壊から導電膜を保護して、製品の歩留まり率の向上を実現することのできる電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明による第1の電気光学装置は、基板上の複数の画素が配列されている画素領域の周辺に設けられている周辺領域に、第1の導電膜と、該第1の導電膜の上層であって該第1の導電膜に対して交差する方向に配設されている第2の導電膜と、該第2の導電膜と前記第1の導電膜との間に絶縁膜を介して介装されると共に平面視において少なくとも前記第2の導電膜と前記第1の導電膜との交差する領域に配設されている第3の導電膜とを備える電気光学装置において、前記第3の導電膜が前記画素領域において形成される画素側導電膜と同一の層であって該画素側導電膜をパターンニングする際に同時に形成されることを特徴とする。
このような構成では、第2の導電膜と第1の導電膜との交差する領域に配設される第3の導電膜を、画素領域において形成される画素側導電膜と同一の層であって画素側導電膜をパターンニングする際に同時に形成するようにしたので、製造工程が増加せず、製品コストの高騰を抑制することができる。又、第1の導電膜と第2の導電膜との間に第3の導電膜を介装したので、製造工程中に第1の導電膜と第2の導電膜との一方の導電膜に蓄積された電荷による静電気破壊から、他方の導電膜を保護することができ、製品の歩留まり率の向上を実現することができる。
第2の電気光学装置は、第1の電気光学装置において、前記画素側導電膜は、画素電極に印加される電圧を保持する蓄積容量の一方の電極あることを特徴とする。
このような構成では、画素側導電膜を、画素電極に印加される電圧を保持する蓄積容量に設けられている電極の内の1つとすることで、当該電極と同時にパターンニングされる第3の導電膜は導電性に優れた特性を得ることができる。
第3の電気光学装置は、第1或いは第2の電気光学装置において、前記第3の導電膜が、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とが交差する領域の全域であって、前記第1の導電膜と第2の導電膜とにおいて電荷が蓄積しやすい側の導電膜に沿って配設されていることを特徴とする。
このような構成では、第3の導電膜を、第1の導電膜と第2の導電膜とが交差する領域の全域であって、第1の導電膜と第2の導電膜とにおいて電荷が蓄積しやすい側の導電膜に沿って配設したので、当該導電膜に蓄積された電荷が第3の導電膜により分散され、導電膜を静電気破壊から保護することができる。
第4の電気光学装置は、第1或いは第2の電気光学装置において、前記第3の導電膜が、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とが交差する領域に対して個別に配設されていると共に、前記第1の導電膜と第2の導電膜との内の電荷が蓄積しやすい側の導電膜よりも広い島状に形成されていることを特徴とする。
このような構成では、第3の導電膜を、第1の導電膜と第2の導電膜とが交差する領域に対して個別に配設すると共に、第1の導電膜と第2の導電膜との内の電荷が蓄積しやすい側の導電膜よりも広い島状に形成したので、電荷が蓄積しやすい導電膜に蓄積された電荷による静電気破壊で一つの第3導電膜との間がショートした場合であっても、他の第3導電膜との間でのショートを回避することができる。
第1の電気光学装置の製造方法は、基板上の複数の画素が配列されている画素領域の周辺に設けられている周辺領域に第1の導電膜を形成する工程と、前記第1の導電膜上に絶縁膜を介して第2の導電膜を、該第1の導電膜に対して交差する方向に形成する工程と、前記第2の導電膜上に他の絶縁膜を介して第3の導電膜を平面視において少なくとも前記第1の導電膜と後記する第2の導電膜との交差する領域に形成する工程と、前記第3の導電膜上に別の絶縁膜を介して第2の導電膜を形成する工程とを備える電気光学装置の製造方法において、前記第3の導電膜が、前記画素領域に画素側導電膜を形成する工程と同一の工程で形成されることを特徴とする。
このような構成では、第3の導電膜を、画素領域に画素側導電膜を形成する工程と同一の工程で形成するようにしたので、製造工程が増加せず製品コストの高騰を抑制することができる。
第2の電気光学装置の製造方法は、第1の電気光学装置の製造方法において、前記画素側導電膜を形成する工程では、画素電極に印加される電圧を保持する蓄積容量の一方の電極を形成することを特徴とする。
このような構成では、画素側導電膜を形成する工程では、画素電極に印加される電圧を保持する蓄積容量に設けられている電極の内の1つを形成するようにしたので、当該電極と同時にパターンニングされる第3の導電膜は導電性に優れた特性を得ることができる。
第3の電気光学装置の製造方法は、第1或いは第2の電気光学装置の製造方法において、前記第3の導電膜を形成する工程では、該第3の導電膜を、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とが交差する領域の全域であって、前記第1の導電膜と第2の導電膜との内の電荷が蓄積しやすい側の導電膜に沿って形成することを特徴とする。
このような構成では、第3の導電膜を形成する工程では、第3の導電膜を、第1の導電膜と第2の導電膜とが交差する領域の全域であって、第1の導電膜と第2の導電膜との内の電荷が蓄積しやすい側の導電膜に沿って形成するようにしたので、当該導電膜に蓄積された電荷は第3の導電膜により分散され、これらの導電膜を静電気破壊から保護することができる。
第4の電気光学装置の製造方法は、第1或いは第2の電気光学装置の製造方法において、前記第3の導電膜を形成する工程では、該第3の導電膜を、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とが交差する領域に対して個別に形成すると共に、前記第1の導電膜と第2の導電膜との内の電荷が蓄積しやすい側の導電膜よりも広い島状に形成することを特徴とする。
このような構成では、第3の導電膜を形成する工程では、第3の導電膜を、第1の導電膜と第2の導電膜とが交差する領域に対して個別に配設すると共に、第1の導電膜と第2の導電膜との内の電荷が蓄積しやすい側の導電膜よりも広い島状に形成したので、電荷が蓄積しやすい導電膜に蓄積された電荷による静電気破壊で一つの第3導電膜との間がショートした場合であっても、他の第3導電膜との間でのショートを回避することができる。
又、本発明による第1の電子機器は、第1〜第4の電気光学装置を備えて構成されていることを特徴とする。このような構成では、本発明による電子機器が第1〜第4の電気光学装置の何れか1つを備えているので、製造工程が増加せず製品コストの高騰を抑制すると共に、製造工程中に蓄積された電荷による静電気破壊から導電膜を保護して、製品の歩留まり率の向上を実現することができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1〜図7に本発明の第1実施形態を示す。図1は電気光学装置である液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図2はTFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置であって、図1のH-H'断面図、図3は一つの画素に着目した液晶装置の模式的断面図である。尚、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
先ず、本実施形態で採用する液晶装置の全体構成について説明する。図1、図2に示すように、液晶装置は、TFT基板10と、これに対向配置される対向基板20とを有し、両基板10,20の対向面間の画像表示領域10aの周囲に設けたシール領域がシール材52を介して貼り合わされている。更に、この両基板10,20の対向面間とシール材52とで囲まれた領域内に液晶50が封入されている。対向基板20の4隅には、上下導通材106が設けられており、TFT基板10に設けられた上下導通端子107と対向基板20に設けられた対向電極21との間で電気的に導通されている。
又、シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aを規定する遮光性の周辺遮光膜53が対向基板20側に設けられている。又、画像表示領域の周辺に広がる周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側部分には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFT基板10の一辺に沿って設けられており、走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。更に、TFT基板10の残る一辺には、画像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路104間を電気的に接続するための複数の配線105が設けられている。尚、走査線駆動回路104、及び配線105は、シール材52の内側の周辺遮光膜53に対向する位置に配設されている。
更に、TFT基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に配向膜16が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、最上層部分に配向膜22が形成されており、これら一対の配向膜16,22間で、所定の配向状態が設定される。
次に、図3を参照して画素領域における1つのTFT30を中心とする液晶装置の断面構造について説明する。TFT基板10には、下地絶縁膜12、第1〜第4の層間絶縁膜41〜44が積層されている。
TFT基板10と下地絶縁膜12との間に走査線11aが形成されている。走査線11aは、平面視では、画素電極9aの周囲を略埋めるような格子状に形成されており、走査線11aと後述するデータ線6aとの交差する位置にゲート電極3aが対向配設される。走査線11aはゲート電極3aと電気的に接続されており、従って、同一行に存在するTFT30のON・OFFを一斉に制御することになる。
又、下地絶縁膜12と第1の層間絶縁膜41との間に、半導体層1a〜1e、導電性のポリシリコン膜等からなるゲート電極3a、及びゲート絶縁膜2を含むLDD(Lightly Doped Drain)構造のTFT30が形成されている。
更に、第1層間絶縁膜41と第2層間絶縁膜42との間に、画素電極9aに印加する電圧を所定時間保持する蓄積容量70が形成されている。蓄積容量70は、画素側導電膜としての下部電極71と上部電極である容量電極300との間に、誘電体膜75を介装した層構造を有している。下部電極71は、例えばポリシリコン膜からなりコンタクトホール83を介して半導体層(高濃度ドレイン領域)1eに電気的に接続されている。又、容量電極300は蓄積容量70の固定電位側容量電極として機能する。又、誘電体膜75は、下層の酸化シリコン膜75aと上層の窒化シリコン膜75bとの二層構造となっている。尚、図中、符号81,83はコンタクトホールである。
又、第2層間絶縁膜42と第3層間絶縁膜43との間にデータ線6aが形成されている。このデータ線6aは、半導体層1a〜1eの延在する方向に一致するように、ストライプ状に形成されており、半導体層(高濃度ソース領域)1aとコンタクトホール81を介して電気的に接続されている。このデータ線6aは、下層のアルミニウム膜41A、中間層の窒化チタン膜41TN、上層の窒化シリコン膜401の三層構造を有している。データ線6aは、下層を比較的低抵抗なアルミニウム膜41Aとしたので画素電極9aに対する画像信号の供給を滞りなく実現することができる。又、上層を窒化シリコン膜401としたのでデータ線6aに侵入する水分を堰き止めることができる。
又、第3層間絶縁膜43と第4層間絶縁膜44との間に、下層膜400aと上層膜400bとで、二層構造を有する固定電位のシールド層400が形成されている。このシールド層400は、平面視において格子状に形成されており、容量電極300と電気的に接続されて、この容量電極300を固定電位としている。又、このシールド層400は平面視においてデータ線6a(或いは、半導体層1a〜1e)を覆うように形成されており、これによりTFT30に対する遮光膜としての機能も有している。
又、図4は図1に示すIV部の配線交差部の拡大図、図5(a)は図4のV部拡大図、同(b)は(a)のB-B断面図、同(c)は(a)のC-C断面図である。
同図に示すように、外部回路接続端子102のうちの検査端子102aに一端を電気的に接続する、第1の導電膜としての信号線膜200がTFT基板10上に形成されている。又、この信号線膜200の上層に絶縁膜41'を介して、第3の導電膜としてのシールド膜203が形成され、更に、このシールド膜203の上層に絶縁膜42'を介して、第2の導電膜である複数の配線膜201が形成されている。更に、1つの配線膜201の上層に絶縁膜43'を介して他の配線膜204が形成されている。
信号線膜200は、その上層の各配線膜201と交差して、図の上方へ延出され、途中クランク状に屈曲されて、走査線駆動回路104(図1参照)に設けられているYシフトレジスタの最終段に、バッファ回路207を介して電気的に接続されている。尚、各配線膜201により、各外部回路接続端子102とデータ線駆動回路101、及び走査線駆動回路104とが電気的に接続されている。
一方、シールド膜203は、信号線膜200上に沿って形成されている。このシールド膜203は、図5(a)に示すように、最も外側の配線膜201に対して長さLだけ広く形成されており、更に、図5(c)に示すように信号線膜200の線幅Wpよりもやや広い線幅Wsで、少なくとも配線膜201と信号線膜200とが交差されている領域において連続的に形成されている。従って、図4、及び図5(a)に示すように、シールド膜203は、平面視において、信号線膜200と配線膜201との交差する部位に介装されており、しかも、信号線膜200を、それよりも若干広い領域で覆っている。
信号線膜200がシールド膜203に覆われているので、この信号線膜200での電界集中による放電は、信号線膜200とシールド膜203との間で発生するに過ぎず、上層の配線膜201に波及することはない。その結果、配線膜201を静電気破壊から有効に保護することができ、高い信頼性を得ることができる。
又、周辺領域に形成される信号線膜200、配線膜201、各絶縁膜12',41'〜43'、シールド膜203は、上述したTFT基板10の画素領域に形成される各導電膜、及び絶縁膜と同一の層で形成される。すなわち、本実施形態では、絶縁膜12'が下地絶縁膜12と同一層で形成され、信号線膜200がゲート電極3aと同一層で形成されており、絶縁膜41'が第1層間絶縁膜41と同一層で形成され、シールド膜203が蓄積容量70の下部電極71と同一層で形成される。更に、絶縁膜42'が第2層間絶縁膜42と同一層で形成され、配線膜201がデータ線6aと同一層で形成され、絶縁膜43'が第3層間絶縁膜43と同一層で形成され、更に、他の配線膜204がシールド層400と同一層で形成されている。尚、シールド層400を構成する下層膜400aはアルミニウム等の低抵抗な材料で形成されている。
(製造プロセス)
次に、図6、図7を参照してTFT基板10の基板工程(Front End of Line工程)について説明する。ここで、(a)〜(g)は1つの画素領域におけるシールド層400が形成されるまでの工程が示されており、(a')〜(g')は、(a)〜(g)の製造工程において、同時に形成される周辺領域における配線の製造工程が示されている。尚、TFT基板10は、このTFT基板10を多数配列する大型基板(「マザー基板」とも称する)の状態で製造される。
先ず、TFT基板10上に走査線11a、下地絶縁膜12、TFT30を所定に形成した後、(a)に示すように、ゲート絶縁膜2上にゲート電極3aを形成する。このゲート電極3aの形成に際しては、先ず、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、更にリン(P)を熱拡散して、導電性を有するポリシリコン膜を成膜する。次いで、このポリシリコン膜をフォトリソグラフィ及びエッチングによりパターンニングしてゲート電極3aを形成する。この下地絶縁膜12'、ポリシンコン膜はTFT基板10全体に成膜されているため、(a')に示すように、この下地絶縁膜12は周辺回路にも絶縁膜12'として形成される。又、ポリシンコン膜のパターンニングに際し、周辺回路に電気的に接続される信号線膜200が同時に形成される。尚、この信号線膜200は、図4に示すように、後工程で形成される配線膜201に交差する方向に延在している。
次いで、(b)に示すように、ゲート電極3a上に、例えばHDP-CVD(高密度プラズマCVD)装置を使用して第1層間絶縁膜41を成膜する。尚、(b')に示すように、この第1層間絶縁膜41は周辺領域側にも絶縁膜41'として成膜される。
その後、(c)に示すように、第1層間絶縁膜41上に、減圧CVDやスパッタリングにより、Pt等の金属膜を成膜する。そして、この金属膜を所定にパターンニングして蓄積容量70の下部電極71を形成する。一方、(c')に示すように、周辺領域には、この下部電極71のパターンニングにて、シールド膜203が同時に形成される。
尚、蓄積容量70は、この下部電極71上に誘電体膜75と容量電極300とが形成される。容量電極300は、ポリシリコン膜やアルミニウム(Al)等の金属膜を、減圧CVD、又はスパッタリングにより成膜し、所定にパターンニングして形成する。上述したように、本実施形態はシールド膜203を下部電極71と同一層で形成しているが、このシールド膜203を容量電極300と同一層で形成しても良い。この場合、容量電極300が画素側導電膜となる。
ところで、上述した信号線膜200は、その配線距離が比較的長いため、信号線膜200上に絶縁膜41'を成膜するに際し、信号線膜200にアンテナ効果により、多量の電荷が蓄積しやすい。しかし、本実施形態では、信号線膜200と配線膜201との間に、この信号線膜200に沿ってシールド膜203を介装したので、信号線膜200と配線膜201とが平面視において交差していても、信号線膜200と配線膜201との交差によって生じるエッジ部201aに電界集中が発生し難くなり、信号線膜200に蓄積された電荷は分散される。その結果、相対的に信号線膜200と配線膜201との間の静電気耐圧が向上し、配線膜201を静電気破壊から有効に保護することができるため、製品の歩留まり率を向上させることができる。
次いで、(d)に示すように、蓄積容量70上に第2層間絶縁膜42を形成する。この第2層間絶縁膜42は、例えばTEOSガス等を用いた常圧又は減圧CVD法、或いはプラズマCVD法を用いて成膜された、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜を所定にパターンニングして形成される。その際、(d')に示すように、この第2層間絶縁膜42にて、周辺領域の絶縁膜42'が同時に形成される。
その後、(e)に示すように、第2層間絶縁膜42上に、下層からアルミニウム膜41A、窒化チタン膜41TN、窒化シリコン膜401を順に成膜し、これらを個々にパターンニングしてデータ線6aを形成する。一方、(e')に示すように、周辺領域では、このデータ線6aのパターンニングにて、このデータ線6aと同じ三層構造の配線膜201が同時に形成される。上述したように、信号線膜200に帯電した電荷は、シールド膜203との間で放電されるため、配線膜201が静電気破壊を受けることがない。
次いで、(f)に示すように、データ線6a上に、例えばTEOSガス等を用いた常圧又は減圧CVD法やプラズマCVD法により、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜43を形成する。その際、(f')に示すように、この第3層間絶縁膜43にて、周辺領域の絶縁膜43'が同時に形成される。
そして、(g)に示すように、第3層間絶縁膜43上に、スパッタリング法、或いはプラズマCVD法等により、例えばアルミニウム等の低抵抗な材料を用いて成膜し、所定にパターンニングしてシールド層400の下層膜400aを形成し、次いで、この下層膜400a上に、例えば窒化チタン等、画素電極9aを構成するITOと電蝕を生じない材料を成膜し、この成膜された層を所定にパターンニングして上層膜400bを形成する。その結果、下層膜400aと上層膜400bとで二層構造を有するシールド層400が形成される。一方、(g')に示すように、シールド層400のパターンニングに際し、このシールド層400と同じ二層構造の配線膜204が周辺領域に同時に形成される。
その後、シールド層400上に第4層間絶縁膜44、画素電極9a、配向膜16が形成されて基板工程が終了する。次いで、各TFT基板10にデータ線駆動回路101、及び走査線駆動回路104が実装される。
このように、本実施形態では、周辺領域のシールド膜203を、蓄積容量70の下部電極71を形成する層と同一の層で、しかも、当該下部電極71と同じパターンニングにて形成するようにしたので、材料、及び製造工程が増加せず、製品コストの高騰を抑制することができる。
又、信号線膜200の上層にシールド膜203を、信号線膜200に沿って配設したので、平面視において配線膜201との交差により生じるエッジ部201aに電界集中が発生し難くなり、配線膜201に蓄積されている電荷を分散させることができる。その結果、配線膜204を静電気破壊から有効に保護することができる。
ところで、信号線膜200が電気的に接続されている外部回路接続端子102の検査端子102aからは、Yエンドパルス(YEP)が出力される。このYエンドパルス(YEP)は、Yシフトレジスタの電気特性検査のために用いられる。電気特性検査では、先ず、TFT基板10に実装されている走査線駆動回路104のYシフトレジスタにYスタートパルス(DY)を供給する。すると、Yシフトレジスタは、Yクロック信号、及び反転Yクロック信号に同期して、Yスタートパルス(DY)を順次転送し、その信号を順次出力する。
そして、Yシフトレジスタの動作が正常な場合は、Yシフトレジスタの最終段からYスタートパルス(DY)がYエンドパルス(YEP)として出力される。従って、検査端子102aからYエンドパルス(YEP)が検出されない場合は、Yシフトレジスタの動作不良と判定する。
[第2実施形態]
図8に本発明の第2実施形態を示す。図8(a)は図4のV部相当の拡大図、同(b)は(a)のB-B断面図、同(c)は(a)のC-C断面図である。尚、第1実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
上述した第1実施形態では信号線膜200と各配線膜201とが交差する部位の全域にわたってシールド膜203を配設したが、本実施形態では、シールド膜203を配線膜201毎に分割して、複数の島状にしたものである。
すなわち、同図に示すように、シールド膜203は、信号線膜200と各配線膜201が交差される領域毎に個別に配設されており、且つ各シールド膜203は各配線膜201の線幅Wsよりも広い線幅Wpで形成されており、且つエッジ部201aよりも長さLだけ広い島状に形成されている。
本実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果に加え、シールド膜203を各配線膜201毎に分断して島状に形成したので、信号線膜200と1つのシールド膜203との間が静電気破壊によりショートした場合であっても、他のシールド膜203とのショートを回避することができる。
[電子機器の実施形態]
次に、図9に示す投射型カラー表示装置の図式的断面図を参照して、上述した液晶装置をライトバルブとして用いた電子機器の一例である投射型カラー表示装置の実施形態について、その全体構成、特に光学的な構成について説明する。
本実施形態における投射型カラー表示装置の一例である液晶プロジェクタ1100は、駆動回路がTFT基板10上に搭載された液晶装置を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RGB用のライトバルブ100R,100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。
液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R,100G及び100Bに夫々導かれる。その際、特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R,100G及び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
尚、本発明は上述した各実施形態に限るものではなく、例えば、配線膜201側が電荷を蓄積しやすい場合は、この配線膜201に沿ってシールド膜203を配設する。又、電界集中は、電荷の蓄積しやすい導電膜である信号線膜200のエッジ部201aに発生するため、最小限エッジ部201aを覆うようにすれば、配線膜201を静電気破壊から有効に保護することができる。尚、信号線膜200自体が屈曲されて配線されている場合、当該屈曲部(図10のエッジ部201aに相当する部分)もシールド膜203で覆うようにすれば、この屈曲部に発生する電界集中を分散させることができる。
本発明による電気光学装置は、TFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置以外に、パッシブマトリックス型の液晶装置、TFD(薄型ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶装置であっても良く、更に、液晶装置に限らず、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置(Field Emission Display、及びSurface-Conductin Electron-Emitter Display)、更には、DLP(Digital Light Processing)やDMD(Digital Micromirror Device)等の各種の電気光学装置に適用することが可能である。
又、電子機器は、本発明による電気光学装置を備えて実現できるものであれば、上述した液晶プロジェクタ1100に限らず、テレビジョン受像機、ビューファインダ型或いはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の各種の電子機器に適用することができる。
第1実施形態による電気光学装置である液晶装置をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図 同、TFT基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置であって、図1のH-H'断面図 同、一つの画素に着目した液晶装置の模式的断面図 同、図1のIV部に示す配線交差部の拡大図 同、(a)は図4のV部拡大図、(b)は(a)のB-B断面図、(c)は(a)のC-C断面図 同、TFT基板の製造工程を示す工程図(その1) 同、TFT基板の製造工程を示す工程図(その2) 第2実施形態を示し、(a)は図4のV部相当の拡大図、(b)は(a)のB-B断面図、(c)は(a)のC-C断面図 投射型カラー表示装置の図式的断面図 従来例を示し、(a)は液晶装置の配線交差部の平面図、(b)は(a)のB-B断面図
符号の説明
10…TFT基板、10a…画像表示領域、11a…走査線、20…対向基板、41…第1層間絶縁膜、41',42',43'…絶縁膜、42…第2層間絶縁膜、43…第3層間絶縁膜、44…第4層間絶縁膜、50…液晶、70…蓄積容量、71…下部電極、101…データ線駆動回路、102…外部回路接続端子、102a…検査端子、104…走査線駆動回路、105…配線、1100…液晶プロジェクタ、200…信号線膜、200a,201a…エッジ部、201,204…配線膜、203…シールド膜、207…バッファ回路、300…容量電極、400a…下層膜、Wp,Ws…線幅、L…長さ

Claims (9)

  1. 基板上の複数の画素が配列されている画素領域の周辺に設けられている周辺領域に、第1の導電膜と、該第1の導電膜の上層であって該第1の導電膜に対して交差する方向に配設されている第2の導電膜と、該第2の導電膜と前記第1の導電膜との間に絶縁膜を介して介装されると共に平面視において少なくとも前記第2の導電膜と前記第1の導電膜との交差する領域に配設されている第3の導電膜とを備える電気光学装置において、
    前記第3の導電膜が前記画素領域において形成される画素側導電膜と同一の層であって該画素側導電膜をパターンニングする際に同時に形成される
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記画素側導電膜は、画素電極に印加される電圧を保持する蓄積容量の一方の電極である
    ことを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
  3. 前記第3の導電膜が、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とが交差する領域の全域であって、前記第1の導電膜と第2の導電膜とにおいて電荷が蓄積しやすい側の導電膜に沿って配設されている
    ことを特徴とする請求項1或いは2記載の電気光学装置。
  4. 前記第3の導電膜が、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とが交差する領域に対して個別に配設されていると共に、前記第1の導電膜と第2の導電膜との内の電荷が蓄積しやすい側の導電膜よりも広い島状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1或いは2記載の電気光学装置。
  5. 基板上の複数の画素が配列されている画素領域の周辺に設けられている周辺領域に第1の導電膜を形成する工程と、前記第1の導電膜上に絶縁膜を介して第2の導電膜を、該第1の導電膜に対して交差する方向に形成する工程と、前記第2の導電膜上に他の絶縁膜を介して第3の導電膜を平面視において少なくとも前記第1の導電膜と後記する第2の導電膜との交差する領域に形成する工程と、前記第3の導電膜上に別の絶縁膜を介して第2の導電膜を形成する工程とを備える電気光学装置の製造方法において、
    前記第3の導電膜が、前記画素領域に画素側導電膜を形成する工程と同一の工程で形成される
    ことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  6. 前記画素側導電膜を形成する工程では、画素電極に印加される電圧を保持する蓄積容量の一方の電極を形成する
    ことを特徴とする請求項5記載の電気光学装置の製造方法。
  7. 前記第3の導電膜を形成する工程では、該第3の導電膜を、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とが交差する領域の全域であって、前記第1の導電膜と第2の導電膜との内の電荷が蓄積しやすい側の導電膜に沿って形成する
    ことを特徴とする請求項5或いは6記載の電気光学装置の製造方法。
  8. 前記第3の導電膜を形成する工程では、該第3の導電膜を、前記第1の導電膜と前記第2の導電膜とが交差する領域に対して個別に形成すると共に、前記第1の導電膜と第2の導電膜との内の電荷が蓄積しやすい側の導電膜よりも広い島状に形成する
    ことを特徴とする請求項5或いは6記載の電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項1〜4の何れか1項に記載の電気光学装置を備えて構成されている
    ことを特徴とする電子機器。
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