JP2008076754A - 定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 異なる複数の種類の離型剤を選択して定着部材の外周面に供給することができるとともに、供給する離型剤の種類を簡易な装置で切り替えることができる定着装置を提供する。
【解決手段】 定着ロール2の外周面に離型剤を供給する離型剤供給装置10を有しており、この離型剤供給装置10は、濃度が異なる官能基を含有する複数の種類の離型剤を供給することができるとともに複数の種類の離型剤からいずれかを選択して供給する切り替え手段を有している。
【選択図】 図2
【解決手段】 定着ロール2の外周面に離型剤を供給する離型剤供給装置10を有しており、この離型剤供給装置10は、濃度が異なる官能基を含有する複数の種類の離型剤を供給することができるとともに複数の種類の離型剤からいずれかを選択して供給する切り替え手段を有している。
【選択図】 図2
Description
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置において用いられ、記録媒体上に保持した未定着トナー像を加熱加圧し、記録媒体に定着させる定着装置に関する。
トナーを用いて形成された可視像を定着する定着装置としては、内部に熱源を備え、無端状の周面を有する定着部材と、この定着部材に圧接配置される加圧部材とを有するものが多く用いられている。未定着トナー像を保持した記録媒体はこれらの間に挟み込まれ、加熱及び加圧されてトナー像が記録媒体に圧着されるものとなっている。
定着部材としては、円筒状の芯金の外周に弾性体層及び剥離層を形成した定着ロールや、無端状のベルトが多く用いられ、加圧部材としては、ロール状の部材、無端状ベルト、加圧パッド等が用いられる。
定着部材としては、円筒状の芯金の外周に弾性体層及び剥離層を形成した定着ロールや、無端状のベルトが多く用いられ、加圧部材としては、ロール状の部材、無端状ベルト、加圧パッド等が用いられる。
このような定着装置では、軟化したトナー像を介して記録媒体と定着部材とが強く押し付けられ、定着部材から記録媒体が剥離し難くなりやすい。このため、定着部材の外周面をフッ素ゴム、シリコーンゴム等で被覆し(外側弾性層)、この表面に離型剤を供給する装置が開発されている。特に表面層としてフッ素ゴムであるバイトンゴム(デュポン社:商品名)を用い、この表面にアミノ基、メルカプト基等の官能基を含有するシリコーンオイルを離型剤として供給する装置では、外側弾性層を形成しているフッ素ゴムと離型剤とが化学的に結合し、定着ロールの表面に剥離膜を形成する。これにより高い剥離性能が確保される。
特許文献1には、上記のような官能基を含有する離型剤を供給する加熱加圧融着構造が記載されている。
この構造は、送り出しロールに巻き回わされた吸収性ウェブに剥離剤を浸透させておき、このウェブを巻き取りロールに送りながら、加熱される融着部材に加圧接触させるものとなっている。そして、ウェブには、多くの官能鎖が含まれる剥離剤と少ない官能鎖が含まれる剥離剤とが、長さ方向に交互に設定された領域に浸透されている。
特開平11−249473号公報
この構造は、送り出しロールに巻き回わされた吸収性ウェブに剥離剤を浸透させておき、このウェブを巻き取りロールに送りながら、加熱される融着部材に加圧接触させるものとなっている。そして、ウェブには、多くの官能鎖が含まれる剥離剤と少ない官能鎖が含まれる剥離剤とが、長さ方向に交互に設定された領域に浸透されている。
上記のような官能基を含有する離型剤によって形成される離型膜は、記録媒体に繰り返し接触することにより破壊されるため、離型剤は適量を継続的に供給する必要がある。
特に、コート紙などの記録媒体は、離型剤を多く吸収するために離型膜が破壊されやすく、このような離型剤の吸収量が多い記録媒体を繰り返し高速で通過させる場合等には、剥離性を確保するのが困難となることがある。また厚みのある坪量の大きな用紙では、圧力によるストレスがおおきいので、離型膜が破壊されやすく、剥離性を確保するのが困難となることがある。これに対応する方法としては、離型剤に含まれる官能基を高濃度にし、ゴムと離型剤との結合を強化して離型膜を強固に保持することが考えられる。しかし、離型剤に含有される官能基を高濃度にすると、剥離性は向上するもののトナー像が定着された記録媒体に官能基が多く残り、筆記具による記入や粘着テープの貼り付け性能が弱くなるものがある。また、定着部材の非通紙領域には高濃度の官能基を含んだ離型剤が多く付着した状態となり、熱の作用も加わって離型剤がゲル化してしまうことがある。これにより、定着部材の周面の汚れや画像の光沢のむらを招くなどの弊害を生じることもある。
特に、コート紙などの記録媒体は、離型剤を多く吸収するために離型膜が破壊されやすく、このような離型剤の吸収量が多い記録媒体を繰り返し高速で通過させる場合等には、剥離性を確保するのが困難となることがある。また厚みのある坪量の大きな用紙では、圧力によるストレスがおおきいので、離型膜が破壊されやすく、剥離性を確保するのが困難となることがある。これに対応する方法としては、離型剤に含まれる官能基を高濃度にし、ゴムと離型剤との結合を強化して離型膜を強固に保持することが考えられる。しかし、離型剤に含有される官能基を高濃度にすると、剥離性は向上するもののトナー像が定着された記録媒体に官能基が多く残り、筆記具による記入や粘着テープの貼り付け性能が弱くなるものがある。また、定着部材の非通紙領域には高濃度の官能基を含んだ離型剤が多く付着した状態となり、熱の作用も加わって離型剤がゲル化してしまうことがある。これにより、定着部材の周面の汚れや画像の光沢のむらを招くなどの弊害を生じることもある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、含有される官能基の濃度が異なる複数の種類の離型剤を、適宜に選択して定着部材の外周面に供給することができる定着装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 加熱される無端状周面が周回移動する定着部材と、 無端状の周面の周回移動が可能に支持され、未定着トナー像が付着されて前記定着部材との間に送り込まれる記録媒体を前記定着部材の外周面に押圧する加圧部材と、 前記定着部材の外周面に離型剤を供給する離型剤供給装置とを有し、 該離型剤供給装置は、濃度が異なる官能基を含有する複数の種類の離型剤を供給するものであり、 前記複数の種類の離型剤からいずれかを選択して供給する切り替え手段を有する定着装置を提供する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の定着装置において、 前記離型剤供給装置は、前記記録媒体の種類、坪量及び連続して送り込まれる枚数の内の少なくとも一つの情報に基づいて、供給する前記離型剤を選択するものとする。
請求項3に係る発明は、 請求項1又は請求項2に記載の定着装置において、 前記離型剤供給装置は、前記定着部材の外周面に供給される離型剤の吸収量が多い記録媒体が通紙されるときは、高濃度の官能基を含有する離型剤を供給し、 離型剤の吸収量が少ない記録媒体が通紙されるときは、低濃度の官能基を含有した離型剤を供給するように設定されているものとする。
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の定着装置において、 前記離型剤供給装置は、予め設定された記録媒体の坪量もしくは所定の枚数より大きな坪量の記録媒体もしくは多くの枚数の記録媒体が連続して通紙されるときは、前記所定坪量より小さな坪量の記録媒体もしくは所定の枚数より少ない枚数が連続して通紙されるときに供給される離型剤より高濃度の官能基を含有する離型剤を供給するように設定されているものとする。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の定着装置において、 前記離型剤供給装置は、前記定着部材の外周面の幅方向を複数の領域に分割し、それぞれの領域について複数の種類の離型剤から選択した離型剤を該定着部材の周面に供給することができるものとする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の定着装置において、 前記離型剤供給装置は、前記定着部材の外周面の幅方向において、前記記録媒体が通過する通紙領域には、高濃度の官能基を含有する離型剤を供給し、前記記録媒体が通過しない非通紙領域には、低濃度の官能基を含有する離型剤を供給するものとする。
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の定着装置において、 前記離型剤供給装置は、 前記定着部材の外周面と直接に又は無端状周面を有する塗布部材を介して接触し、前記離型剤を該定着部材に供給する離型剤含浸部材と、 該離型剤含浸部材に前記離型剤を供給し、含浸させる補給装置とを有し、 前記補給装置及び前記離型剤含浸部材は、前記離型剤供給装置が供給する前記離型剤の種類に対応した数が備えられており、 前記切り替え手段は、前記補給装置から供給する前記離型剤の選択又は前記定着部材もしくは前記塗布部材への離型剤含浸部材の接離を制御するものとする。
請求項8に係る発明は、 加熱される無端状周面が周回移動する定着部材と、 無端状の周面の周回移動が可能に支持され、未定着トナー像が付着されて前記定着部材との間に送り込まれる記録媒体を前記定着部材の外周面に押圧する加圧部材と、 前記定着部材の外周面に離型剤を供給する離型剤供給装置とを有し、 該離型剤供給装置は、前記定着部材の外周面の幅方向における側縁付近の非通紙領域には、幅方向の中央部における通紙領域より低濃度の官能基を含有する離型剤を供給する定着装置を提供する。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の定着装置において、 前記離型剤供給装置は、 前記定着部材の外周面と直接に又は無端状周面を有する塗布部材を介して接触し、前記離型剤を該定着部材に供給する離型剤含浸部材と、 該離型剤含浸部材に前記離型剤を供給し、含浸させる補給装置とを有し、 前記離型剤供給装置は、 前記定着部材の外周面と直接に又は無端状周面を有する塗布部材を介して接触し、前記離型剤を該定着部材に供給する離型剤含浸部材と、 該離型剤含浸部材に前記離型剤を供給し、含浸させる補給装置とを有し、 前記補給装置は、 前記定着部材の周面の幅方向に沿って配置された複数の補給管を有し、 一の補給管は前記離型剤含浸部材の通紙領域に相当する部分に高濃度の官能基を含有する離型剤を補給するものであり、 他の補給管は同じ離型剤含浸部材の非通紙領域に相当する部分に低濃度の官能基を含有する離型剤を補給するものとする。
請求項1に係る発明の構成によれば、必要に応じて定着部材の外周面に供給する離型剤の種類を選択して供給できるので、定着部材の表面の離型層を適切な状態で維持し、良好な剥離性を維持することができる。また、高濃度の官能基を含有する離型剤が過剰に供給されるのを回避し、筆記具による書き込みや粘着テープの貼り付け性能に障害が発生するのを低減することができる。
請求項2に係る発明の構成によれば、定着部材の周面上から離型剤が消費される程度や定着部材の周面に対して負荷されるストレスの程度等に応じて、適切な離型剤を選択して定着部材に供給することができる。
請求項3に係る発明の構成によれば、記録媒体に多くの離型剤が吸収される場合にも、高濃度の官能基を含有する離型剤によって離型層を良好な状態に維持し、記録媒体に吸収される離型剤の量が少ないときには官能基の濃度の低い離型剤を供給して、トナー像を定着した後の記録媒体の書き込み性能や粘着テープの貼り付け性能を良好に保つことが可能となる。
請求項4に係る発明の構成によれば、坪量の大きい記録媒体の通紙や連続した多数枚の記録媒体の通紙による離型層の破壊を抑制し、坪量の大きい記録媒体が通紙されたり、多くの枚数が連続して通紙されても剥離性能を良好な状態に維持することができる。
請求項5に係る発明の構成によれば、定着部材の周面の幅方向において、離型剤が記録媒体に吸収される量が多い領域と少ない領域とが生じたり、離型層が破壊されやすい領域とあまり破壊されない領域とが生じる場合であっても、それぞれの領域に適切な離型剤を選択して供給することができる。
請求項6に係る発明の構成によれば、定着部材の周面上の離型剤が多く消費される通紙領域には高濃度の官能基を含有する離型剤を供給し、良好な剥離性を維持するとともに、離型剤の消費量が少ない非通紙領域には低濃度の官能基を含有する離型剤を供給し、離型剤のゲル化等の弊害を低減することができる。
請求項7に係る発明の構成によれば、定着部材へ供給する離型剤の種類を確実に切り換えることができ、使用される記録媒体の選択、画像形成の枚数等、定着装置の使用状態に対応して異なる種類の離型剤を適切に供給することが可能となる。
請求項8に係る発明の構成によれば、定着部材の通紙領域と非通紙領域とで官能基の濃度が異なる離型剤が供給され、通紙領域で良好な剥離性能が維持されるともに、非通紙領域で離型剤がゲル化するのを抑制することができ、良好な定着が実現される。
請求項9に係る発明の構成によれば、一の離型剤含浸部材から、定着部材の通紙領域と非通紙領域とに官能基の濃度が異なる離型剤を補給することができ、簡易な装置で定着装置の周面の幅方向に異なる離型剤を適切に供給することができる。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の一実施形態である定着装置を示す概略構成図である。
この定着装置1は、加熱源を内蔵し定着部材として機能する定着ロール2と、圧力ロール4及び2つの支持ロール5a,5bに張架され、上記定着ロール2に圧接されるエンドレスベルト3と、このエンドレスベルト3の内面側に接触して支持され、定着ロール2の外周面に沿ってエンドレスベルト3を押圧する圧力付与部材6と、定着ロール2を補助的に外側から加熱する外部加熱ロール7と、定着ロール2の表面に離型剤を供給する離型剤供給装置10と、定着ロール2の外周面に付着したトナーや紙紛を除去するクリーニング装置30とで主要部が構成されている。
図1は、本願発明の一実施形態である定着装置を示す概略構成図である。
この定着装置1は、加熱源を内蔵し定着部材として機能する定着ロール2と、圧力ロール4及び2つの支持ロール5a,5bに張架され、上記定着ロール2に圧接されるエンドレスベルト3と、このエンドレスベルト3の内面側に接触して支持され、定着ロール2の外周面に沿ってエンドレスベルト3を押圧する圧力付与部材6と、定着ロール2を補助的に外側から加熱する外部加熱ロール7と、定着ロール2の表面に離型剤を供給する離型剤供給装置10と、定着ロール2の外周面に付着したトナーや紙紛を除去するクリーニング装置30とで主要部が構成されている。
上記エンドレスベルト3と、これらを張架する圧力ロール4と、二つの支持ロール5a,5bと、圧力付与部材6とが加圧部材を構成しており、回転駆動される定着ロール2とエンドレスベルト3との圧接部に未定着のトナー像を保持した記録シートP(記録媒体)が送り込まれる。そして、上記圧接部における定着ロール2からの熱移動によってトナー像を加熱するとともに加圧して記録シートP上に圧着するものとなっている。その後、トナー像が定着された記録シートPは、用紙ガイド8に案内されて用紙排出ロール9に挟み込まれ、装置外に排出されるものとなっている。
前記定着ロール2は、導電性を有する金属製の円筒状芯金2aと、この芯金2aの周りに内側弾性層2bおよび外側弾性層2cを積層して構成された円筒状ロールであり、画像形成装置の本体フレーム(図示せず)に回転が可能に支持されている。
定着ロール2の円筒状芯金2aは、熱伝導性や剛性にすぐれたアルミニウム、鉄又はステンレススチール等の金属を用いることができる。本実施例では外径62mm、内径56mmのアルミニウムからなる円筒体を芯金とし、内側弾性層2bとしては3mmの厚さのシリコーンゴムが用いられ、さらにこの内側弾性層2bの表面に外側弾性層2cとしてバイトン(デュポン社:商品名)ゴムが80μmの厚さでディップコートされている。
また、図1に示すように、定着ロール2の内部には加熱源として定着ロール2の軸線方向の長さとほぼ同じ長さのハロゲンランプ2dが配設されており、定着ロール2の軸線方向の全長にわたって熱が供給されるものとなっている。本実施の形態では、加熱源としてハロゲンランプを内蔵したが、ハロゲンランプ以外のものを使用してもよい。また、この定着ロールの内側弾性層2bには、他の弾性材料を用いることもできるし、外側弾性層2cすなわち最外層は、上記のようなバイトンゴムの他にシリコーンゴム等、官能基を含む離型剤の供給によって離型膜が形成される材料を用いることができる。
定着ロール2の円筒状芯金2aは、熱伝導性や剛性にすぐれたアルミニウム、鉄又はステンレススチール等の金属を用いることができる。本実施例では外径62mm、内径56mmのアルミニウムからなる円筒体を芯金とし、内側弾性層2bとしては3mmの厚さのシリコーンゴムが用いられ、さらにこの内側弾性層2bの表面に外側弾性層2cとしてバイトン(デュポン社:商品名)ゴムが80μmの厚さでディップコートされている。
また、図1に示すように、定着ロール2の内部には加熱源として定着ロール2の軸線方向の長さとほぼ同じ長さのハロゲンランプ2dが配設されており、定着ロール2の軸線方向の全長にわたって熱が供給されるものとなっている。本実施の形態では、加熱源としてハロゲンランプを内蔵したが、ハロゲンランプ以外のものを使用してもよい。また、この定着ロールの内側弾性層2bには、他の弾性材料を用いることもできるし、外側弾性層2cすなわち最外層は、上記のようなバイトンゴムの他にシリコーンゴム等、官能基を含む離型剤の供給によって離型膜が形成される材料を用いることができる。
前記エンドレスベルト3は、厚さが75μmのポリイミドフィルムにより形成されており、このエンドレスベルト3は、定着ロール2と離れた位置に配置された2個の支持ロール5a,5bと定着ロール2を押圧するように配置されている圧力ロール4の周囲に巻回されている。そして、圧力付与部材6の当接位置から圧力ロール4に巻き回された領域で定着ロール2に圧接され、定着ロール2の回転に従動して周回移動するものとなっている。なお、圧力ロール4及び支持ロール5はステンレススチールによって形成されている。
前記圧力付与部材6は、図1に示すように、ステンレススチールからなるベースプレート6aの表面に弾性層6bと低摩擦層6cとを積層して形成されたものであり、圧縮コイルスプリング6dにより、ベースプレート6aを定着ロール2に向けて押圧している。
外部加熱ロール7は、導電性を有する金属製の円筒状芯金7aに離型層7bを積層して構成された円筒状ロールであり、定着ロール2の外周面に押圧されるように軸線方向の両端部で支持されている。この外部加熱ロール7は、加熱源としてのハロゲンランプ7cを内部に備えており、定着ロール2の周面に接触することにより定着ロール2の外周面を外から加熱するものである。
なお、加熱源はハロゲンランプに限る必要はない。また、配設される外部加熱ロールは、1本でも複数本であってもよい。
なお、加熱源はハロゲンランプに限る必要はない。また、配設される外部加熱ロールは、1本でも複数本であってもよい。
前記クリーニング装置30は、クリーニングウェブ31と、クリーニングウェブ31の送り出しロール32及び巻き取りロール33と、クリーニングウェブ31が巻き回される第1,第2及び第3の巻き回しロール34,35,36と、定着ロール2の表面を清掃するクリーニングロール37とで主要部が構成されている。
クリーニングウェブ31は、不織布の帯状となっており、未使用分が送り出しロール32に巻き回されている。この送り出しロール32から引き出されたクリーニングウェブ31は、三つの巻き回しロール34,35,36に巻き回された後、巻き取りロール33に巻き取られるものとなっている。そして、送り出しロール32から巻き取りロール33までの間で第1の巻き回しロール34がクリーニングウェブ31の一部分を背後から押圧して、定着ロール2の外周面に接触するものとしている。また、第1の巻き回しロール34と第2の巻き回しロール35との間でクリーニングウェブ31がクリーニングロール37と接触し、第1の巻き回しロール34と第3の巻き回しロール36との間で外部加熱ロール7と接触するように三つの巻き回しロール34,35,36が配置されている。
クリーニングウェブ31は、不織布の帯状となっており、未使用分が送り出しロール32に巻き回されている。この送り出しロール32から引き出されたクリーニングウェブ31は、三つの巻き回しロール34,35,36に巻き回された後、巻き取りロール33に巻き取られるものとなっている。そして、送り出しロール32から巻き取りロール33までの間で第1の巻き回しロール34がクリーニングウェブ31の一部分を背後から押圧して、定着ロール2の外周面に接触するものとしている。また、第1の巻き回しロール34と第2の巻き回しロール35との間でクリーニングウェブ31がクリーニングロール37と接触し、第1の巻き回しロール34と第3の巻き回しロール36との間で外部加熱ロール7と接触するように三つの巻き回しロール34,35,36が配置されている。
巻き取りロール33は、ウェブ駆動装置(図示しない)で回転駆動されるものであり、送り出しロール32はクリーニングウェブ31を介して伝えられる張力によって従動回転し、図1中に示す矢印方向へクリーニングウェブ31が徐々に進行するものとなっている。つまり、クリーニングウェブ31は、外部加熱ロール7、定着ロール2及びクリーニングロール37の外周面に接触しており、定着ロール2及び定着ロール2の回転によって従動する外部加熱ロール7及びクリーニングロール37の周面を摺擦し、清掃するものとなっている。そして、巻き取りロール33にゆっくりとした速度で巻き取られ、クリーニングウェブ31の新しい部分を外部加熱ロール7、定着ロール2及びクリーニングロール37の周面に押圧するものとなっている。
前記離型剤供給装置10は、図2に示すように、官能基が高濃度の離型剤を貯蔵する第1のタンク11a及び官能基が低濃度の離型剤を貯蔵する第2のタンク11bと、これらのタンク11a,11bからそれぞれ第1の供給パイプ12a又は第2の供給パイプ12bを介して離型剤を汲み上げるポンプ13a,13bと、それぞれの供給パイプ12a,12bから滴下によって離型剤が供給される第1のオイル含浸部材16a及び第2のオイル含浸部材16bと、オイル含浸部材16と接触することによって供給される離型剤を定着ロール2へ供給する供給ロール14及び塗布ロール15と、供給ロール14に供給された離型剤の量を調整するブレード18と、余分に供給された離型剤を回収するオイルパン20とで主要部が構成されている。
そして、記録シートPの種類、坪量、連続して通紙される枚数等に応じて、オイル含浸部材16a,16bを供給ロール14に対して接触又は離隔させる切り替え手段を備えている。
そして、記録シートPの種類、坪量、連続して通紙される枚数等に応じて、オイル含浸部材16a,16bを供給ロール14に対して接触又は離隔させる切り替え手段を備えている。
前記離型剤は官能基を含むものであり、官能基としてアミノ基やメルカプト基を含むものを使用することができ、本実施の形態では、離型剤としてアミン変性シリコーンオイルを用いている。具体的には、高濃度の官能基を含む離型剤としてはアミン当量が10,000g/molのものを用い、低濃度の官能基を含む離型剤はアミン当量が100,000g/molのものを用いている。
前記ポンプ13a,13b及び供給パイプ12a,12bは、定着ロール12に供給する離型剤の種類に対応した数が備えられており、タンク11a,11bから離型剤を汲み上げ、オイル含浸部材16a,16bに搬送する。この供給パイプの吐出部12cは、供給ロール14の軸線方向とほぼ平行となるように配置されており、供給ロール14と接触するオイル含浸部材16a,16bの上部に、該供給ロール14のほぼ全長にわたって設けられている。そして、軸線方向に一定間隔で吐出口(図示しない)が設けられており、この吐出口から離型剤を滴下できるものとなっている。
前記オイル含浸部材16a,16bは、フェルト等の不織布からなり、定着ロール2に供給することができる離型剤の種類に対応した数が備えられるもので、本実施の形態では図2に示すように2個が配置されている。そして、それぞれのオイル含浸部材16a,16bは、供給パイプ12a,12bから滴下された離型剤が含浸され、供給ロール14に接触することによって表面に塗りつけるように離型剤が供給される。
上記供給ロール14及び定着ロール2との双方に接触する塗布ロール15は、供給ロール14から供給された離型剤を、該塗布ロール15の軸線方向に均一となるように調整し、定着ロール2との接触により、定着ロール2の周面に離型剤を塗布するものである。
なお、ブレード18は供給ロール14の周面に接触して配置され、離型剤の量を規制し、常にほぼ一定量の離型剤を供給するものである。
上記供給ロール14及び定着ロール2との双方に接触する塗布ロール15は、供給ロール14から供給された離型剤を、該塗布ロール15の軸線方向に均一となるように調整し、定着ロール2との接触により、定着ロール2の周面に離型剤を塗布するものである。
なお、ブレード18は供給ロール14の周面に接触して配置され、離型剤の量を規制し、常にほぼ一定量の離型剤を供給するものである。
前記オイルパン20は、ブレード18により供給量が調整された供給ロール14上の余剰の離型剤を回収し、該当する種類の離型剤に対応したタンク11a,11bに離型剤を送り込むものであり、この離型剤をくり返し使用する構成となっている。
オイルパン20は、図2に示すように、上部オイルパン21と下部オイルパン22とで構成されており、上部オイルパン21の底部には1つの開口21aが設けられている。一方、下部オイルパン22には二つの開口22a,22bがあり、それぞれの開口に高濃度の離型剤を回収する第1の回収パイプ19aと低濃度の離型剤を回収する第2の回収パイプ19bとが連結されている。
上部オイルパン21は、ソレノイド25の動作によって移動が可能となっており、上部オイルパン21の底部に設けられた開口21aが、下部オイルパン22に設けられた二つの開口22a,22bのいずれかと対応する位置に支持されるものとなっている。
上部オイルパン21は、ソレノイド25の動作によって移動が可能となっており、上部オイルパン21の底部に設けられた開口21aが、下部オイルパン22に設けられた二つの開口22a,22bのいずれかと対応する位置に支持されるものとなっている。
上部オイルパン21には、供給ロール14から滴下された余剰の離型剤がその種類に関係なく滴下され、開口21aから流出するときに、この開口21aが下部オイルパン22の離型剤の種類に対応した開口22a,22bの上部に設定され、回収された離型剤の種類に対応した回収パイプ19a,19bからそれぞれのタンク11a,11bに環流できるものとなっている。
前記切り替え手段は、オイル含浸部材16a,16bを供給ロール14の周面に接離させるソレノイド17a,17bを有するものであり、この駆動を制御するとともにポンプ13a,13bのON/OFFを制御する制御装置26を備えるものである。そして、この定着装置1に送り込まれる記録シートPについての情報に応じて、選択された離型剤を定着ロール2に塗布するよう制御するものとなっている。つまり、選択された離型剤を供給するポンプ13の駆動をONにし、該当する離型剤をオイル含浸部材16に補給する。そして、対応するオイル含浸部材16が供給ロール14の周面に接触するようにソレノイド17を駆動し、オイル含浸部材16から供給ロール14の周面に離型剤を供給するようになっている。
上記切り替え手段は、例えば次のように制御される。
表1は、上記切り替え手段の制御の一例を示したものである。
この表に示すように、記録シートPの情報、例えば、使用される記録シートが非コート紙であるか又はコート紙であるか、記録シートの坪量、あるいは連続して通紙される枚数(以下、「走行枚数」という)に基づいて、高濃度あるいは低濃度の官能基を含有した離型剤のどちらか一方を供給するよう制御されるものである。
表1は、上記切り替え手段の制御の一例を示したものである。
この表に示すように、記録シートPの情報、例えば、使用される記録シートが非コート紙であるか又はコート紙であるか、記録シートの坪量、あるいは連続して通紙される枚数(以下、「走行枚数」という)に基づいて、高濃度あるいは低濃度の官能基を含有した離型剤のどちらか一方を供給するよう制御されるものである。
搬送される記録シートが非コート紙の場合であって、坪量が105gsm以下のときには、走行枚数にかかわらず低濃度の官能基を含有した離型剤が定着ロール2に供給される。また、搬送される記録シートがコート紙であっても、坪量が105gsm以下で、走行枚数が100枚以下である場合も、低濃度の離型剤が供給される。つまり、第2のポンプ13bが駆動され、第2の供給パイプ12bの吐出口から低濃度の官能基を含有した離型剤が第2のオイル含浸部材16bに滴下される。同時に、第2のオイル含浸部材16bが第2のソレノイド17bにより供給ロール14の周面と接触するように移動され、滴下された低濃度の官能基を含有する離型剤は第2のオイル含浸部材16bに含浸される。そして、供給ロール14の表面に供給され、互いに接触して回転する塗布ロール15を介して定着ロール2の周面に供給される。
記録シートがコート紙の場合であって坪量が105gsm以下のとき、走行枚数が100枚を超えると、高濃度の官能基を含有する離型剤が供給される。つまり、第2のポンプ13bはOFF状態とされ、第1のポンプ13aが駆動される。また、第2のオイル含浸部材16bが第2のソレノイド17bにより供給ロール14の周面から離隔される。そして、第1のオイル含浸部材16aが第1のソレノイド17aにより供給ロール14の周面と接触するように移動される。これにより、低濃度の官能基を含有する離型剤から高濃度の官能基を含有する離型剤の供給に切り替えられ、定着ロール2の周面に塗布される。
このようにして、坪量が106gsm〜220gsmの非コート紙では、走行枚数が500枚未満の場合は官能基濃度の低い離型剤が供給され、走行枚数が500枚以上になると官能基濃度の高い離型剤が供給される。一方、坪量が106gsm〜220gsmのコート紙の場合は、走行枚数が100枚以下であれば官能基濃度の低い離型剤が供給され、走行枚数が100枚を超えると官能基濃度の低い離型剤の供給から官能基濃度の高い離型剤の供給に切り替えられることになる。
坪量が221gsmを超える非コート紙の場合は、通紙枚数が100枚を超えなければ、官能基濃度の低い離型剤が供給されるが、100枚を超えて走行される場合は高濃度の離型剤に切り替えて供給される。坪量が221gsmを超えるコート紙の場合は、通紙枚数に関係なく高濃度の離型剤が供給されることとなる。
以上は、制御の一例を示したものであるが、このように高濃度と低濃度の離型剤を切り替えて供給することにより、離型性を確保することができるとともに筆記具による書き込み性や粘着テープの張り付き性への悪影響を低減することができる。
次に、本願発明の第2の実施の形態を図3に基づいて説明する。
この第2の実施の形態における定着装置は、上記の実施の形態と離型剤供給装置を除いて同じ構成であるので、離型剤供給装置についてのみ説明する。
この定着装置で用いられる離型剤供給装置40は、次の構成については、図2に示す離型剤供給装置と同じものが用いられている。つまり、第1のタンク11a、第2のタンク11b、第1のポンプ13a、第2のポンプ13b、供給ロール14、塗布ロール15、オイルパン20、第1の回収パイプ19a、第2の回収パイプ19b、余剰の離型剤を回収するブレード18については同じものである。
オイル含浸部材16も同じものが用いられているが、この離型剤供給装置40では一つのみが供給ロール14に当接されており、第1の供給パイプ41a及び第2の供給パイプ41bは、双方が同じオイル含浸部材16に離型剤を滴下するように配置されている。また、第1のポンプ13a及び第2のポンプ13bの制御は図2に示す離型剤供給装置と同様におこなうことができる。
この第2の実施の形態における定着装置は、上記の実施の形態と離型剤供給装置を除いて同じ構成であるので、離型剤供給装置についてのみ説明する。
この定着装置で用いられる離型剤供給装置40は、次の構成については、図2に示す離型剤供給装置と同じものが用いられている。つまり、第1のタンク11a、第2のタンク11b、第1のポンプ13a、第2のポンプ13b、供給ロール14、塗布ロール15、オイルパン20、第1の回収パイプ19a、第2の回収パイプ19b、余剰の離型剤を回収するブレード18については同じものである。
オイル含浸部材16も同じものが用いられているが、この離型剤供給装置40では一つのみが供給ロール14に当接されており、第1の供給パイプ41a及び第2の供給パイプ41bは、双方が同じオイル含浸部材16に離型剤を滴下するように配置されている。また、第1のポンプ13a及び第2のポンプ13bの制御は図2に示す離型剤供給装置と同様におこなうことができる。
このような離型剤供給装置40でも、官能基濃度が高い離型剤又は官能基濃度が低い離型剤のいずれかを選択し、オイル含浸部材16から供給ロール14及び塗布ロール15を介して定着ロール2の表面に供給することができる。そして、使用する記録シートの種類又は連続して送り込む記録シートの枚数等によって離型剤の種類を変更するときには、駆動するポンプ13を切り換え、異なる種類の離型剤を同じオイル含浸部材16に供給する。切り替えた直後には、オイル含浸部材16に含浸されている離型剤は異なる種類が混じり合うことになるが、徐々に新たに供給する種類の離型剤に置き換えられ、その後は選択した離型剤が定着ロール2に供給される。
このような構成の離型剤供給装置40では、オイル含浸部材16が一つでよく、オイル含浸部材16が供給ロール14に対して接離するように駆動する必要もない。したがって、構造を簡易にすることができ、製作コストを低減することができる。
次に、本願に係る発明の第3の実施の形態を、図4に基づいて説明する。
この定着装置は、第1の実施の形態と離型剤供給装置を除いて同じ構成を備えるものである。
この定着装置では、第1の供給パイプ52及び第2の供給パイプ62の吐出部55,65が、それぞれ供給ロール14の軸線方向に3分割されており、それぞれの部分に分岐された供給パイプ52a,52b,52c,62a,62b,62cが接続されている。そして、分岐された供給パイプのそれぞれにバルブ54a,54b,54c,64a,64b,64cが設けられており、このバルブの開閉が制御装置(図示しない)によって制御されるものとなっている。したがって、第1のタンク51又は第2のタンク61から第1のポンプ53又は第2のポンプ63によって汲み上げられた離型剤は、分割された3つの範囲のいずれについても、官能基が高濃度の離型剤を供給するか官能基が低濃度の離型剤を供給するかを独立して選択することができる。したがって、供給ロール14の軸線方向に分割する領域を、小サイズの記録シートを用いたときの通紙領域と非通紙領域と対応するように設定しておくと、小サイズの記録シートを使用するときに、この記録シートのサイズに対応した通紙領域には官能基が高濃度の離型剤を供給し、非通紙領域には官能基が低濃度の離型剤を供給することが可能となる。また、通紙領域のみに離型剤を供給することもできる。
なお、上部オイルパン56も供給パイプの吐出部55,65と対応して3分割されており、バルブ54a,54b,54c,64a,64b,64cの作動と対応して、下部オイルパン67上で移動するものとなっている。これにより吐出部55,56から供給された離型剤の種類に応じて第1の回収パイプ58又は第2の回収パイプ68に送り込まれ、それぞれ第1のタンク51又は第2のタンク61に回収される。
この定着装置は、第1の実施の形態と離型剤供給装置を除いて同じ構成を備えるものである。
この定着装置では、第1の供給パイプ52及び第2の供給パイプ62の吐出部55,65が、それぞれ供給ロール14の軸線方向に3分割されており、それぞれの部分に分岐された供給パイプ52a,52b,52c,62a,62b,62cが接続されている。そして、分岐された供給パイプのそれぞれにバルブ54a,54b,54c,64a,64b,64cが設けられており、このバルブの開閉が制御装置(図示しない)によって制御されるものとなっている。したがって、第1のタンク51又は第2のタンク61から第1のポンプ53又は第2のポンプ63によって汲み上げられた離型剤は、分割された3つの範囲のいずれについても、官能基が高濃度の離型剤を供給するか官能基が低濃度の離型剤を供給するかを独立して選択することができる。したがって、供給ロール14の軸線方向に分割する領域を、小サイズの記録シートを用いたときの通紙領域と非通紙領域と対応するように設定しておくと、小サイズの記録シートを使用するときに、この記録シートのサイズに対応した通紙領域には官能基が高濃度の離型剤を供給し、非通紙領域には官能基が低濃度の離型剤を供給することが可能となる。また、通紙領域のみに離型剤を供給することもできる。
なお、上部オイルパン56も供給パイプの吐出部55,65と対応して3分割されており、バルブ54a,54b,54c,64a,64b,64cの作動と対応して、下部オイルパン67上で移動するものとなっている。これにより吐出部55,56から供給された離型剤の種類に応じて第1の回収パイプ58又は第2の回収パイプ68に送り込まれ、それぞれ第1のタンク51又は第2のタンク61に回収される。
これにより、記録シートの種類、走行枚数に応じて離型剤の供給を制御するだけでなく、記録シートのサイズに応じて定着ロール2の軸線方向で異なる種類の離型剤の供給を調整することができ、剥離性の向上や筆記具による加筆性等を調整するともに、離型剤のコストを低減することもできる。
次に、本願に係る発明の第4の実施形態について説明する
この定着装置で用いられる離型剤供給装置70では、図5及び図6に示すように、離型剤を貯蔵する第1のタンク71a及び第2のタンク71bと、これらのタンク71a,71bから離型剤を汲み上げて搬送するポンプ73a,73bと、定着ロール2へ離型剤を供給する供給ロール74及び塗布ロール75と、供給ロール74に供給された離型剤の量を一定に調整するブレード77とは、図2に示す離型剤供給装置10と同じ構成のものが用いられている。
また、供給する離型剤の種類も、図2に示す離型剤供給装置で用いられている離型剤と同じ濃度の官能基を含有する2種類の離型剤を使用するものである。
この定着装置で用いられる離型剤供給装置70では、図5及び図6に示すように、離型剤を貯蔵する第1のタンク71a及び第2のタンク71bと、これらのタンク71a,71bから離型剤を汲み上げて搬送するポンプ73a,73bと、定着ロール2へ離型剤を供給する供給ロール74及び塗布ロール75と、供給ロール74に供給された離型剤の量を一定に調整するブレード77とは、図2に示す離型剤供給装置10と同じ構成のものが用いられている。
また、供給する離型剤の種類も、図2に示す離型剤供給装置で用いられている離型剤と同じ濃度の官能基を含有する2種類の離型剤を使用するものである。
この離型剤供給装置70では、第1のタンク71a及び第2のタンク71bから離型剤を搬送する第1の供給パイプ72a及び第2の供給パイプ72bの吐出部80a,80bが、それぞれ供給ロール74の軸線とほぼ並行に配置され、一つのオイル含浸部材76上で離型剤を滴下するものとなっている。そして、官能基濃度の高い離型剤を供給する第1の供給パイプ72aの吐出部80aは、図6に示すように、記録シートの通過する領域すなわち通紙領域と対応する範囲に吐出口が設けられている。また、官能基濃度の低い離型剤を供給する第2の供給パイプ72bの吐出部80bは、非通紙領域と対応する範囲に吐出口が設けられている。
オイル含浸部材76は、図2に示す離型剤供給装置10と同じものが一つのみ使用されており、供給ロール74にその軸線方向に沿って接触するように配置されている。そして、このオイル含浸部材76の通紙領域に相当する範囲には第1の供給パイプの吐出部80aから高濃度の官能基を含む離型剤が供給され、非通紙領域には第2の供給パイプの吐出部80bから低濃度の官能基を含む離型剤が供給されるものとなっている。このオイル含浸部材76から供給ロール74の表面に塗布された離型剤は、塗布ロール75を介して定着ロール2の表面に塗布される。このとき、第1の供給パイプ72aから供給された離型剤と第2の供給パイプ72bから供給された離型剤とが、これらの境界部付近で多少混合されるが、通紙領域にはほぼ全域に高濃度の官能基を含有する離型剤が供給され、非通紙領域には低濃度の官能基を含有する離型剤が供給される。
また、オイルパン78は、図6に示すように、供給ロール74の軸線方向における通紙領域と非通紙領域との境界に相当する位置に仕切78aを有しており、供給ロール74から回収された余剰の離型剤を分別して回収するものとなっている。これにより、第1のタンク71aから第1の供給パイプ72aを介して通紙領域に相当する部分に滴下された離型剤の余剰部分の多くは、オイルパン78の中央部より第1の回収パイプ79aを経て第1のタンク71aに回収される。また、第2のタンク71bから第2の供給パイプ72bを介して非通紙領域に相当する部分に滴下された離型剤の余剰部分の多くは、オイルパンの両側部より第2の回収パイプ79bを経て第2のタンク71bに回収されるものとなっている。
このような構成により、定着ロール2の通紙領域には官能基濃度の高い離型剤を供給して、良好な離型性を維持することできる。そして、非通紙領域では官能基濃度の低い離型剤を供給し、離型剤が非通紙領域でゲル化するのを抑制することが可能となる。
実験の結果では、通紙領域の離型性を維持するのに十分な高濃度の官能基を含有する離型剤を、非通紙領域にも供給して40,000枚を連続して通紙すると、定着ロール2の非通紙領域に付着した高濃度の官能基を含有した離型剤がゲル化するのが認められた。このようなゲル化が生じると、記録シートを汚したり画像の光沢にむらが生じたりすることがある。したがって、同一サイズの多数枚の記録シートを連続して通紙する場合に上記のような構成を採用し、非通紙領域のゲル化を防止して良好な定着を行うことが可能となる。
なお、連続して多数枚を使用する記録シートとして、サイズの異なるものを用いる場合には、第1の供給パイプ及び第2の供給パイプの吐出部80a,80bを連結部81a,81bから切り離し、吐出口が設けられた範囲が異なる他の吐出部を取り付けることができる。また、オイルパンは、その仕切78aの位置を供給ロール74の軸線方向で位置を変更する。これにより、使用する記録シートのサイズにおける通紙領域及び非通紙領域に対応して、それぞれ官能基濃度が高い離型剤及び官能基濃度の低い離型剤を供給することができる。
なお、連続して多数枚を使用する記録シートとして、サイズの異なるものを用いる場合には、第1の供給パイプ及び第2の供給パイプの吐出部80a,80bを連結部81a,81bから切り離し、吐出口が設けられた範囲が異なる他の吐出部を取り付けることができる。また、オイルパンは、その仕切78aの位置を供給ロール74の軸線方向で位置を変更する。これにより、使用する記録シートのサイズにおける通紙領域及び非通紙領域に対応して、それぞれ官能基濃度が高い離型剤及び官能基濃度の低い離型剤を供給することができる。
以上に説明した定着装置は、記録シートの位置をその中心で制御する、いわゆるセンターレジを採用したものであるが、記録シートの側縁で位置を規制するサイドレジを採用した装置にも同様に適用することができる。
また、本願に係る発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内で適宜に変更して実施することできるものである。
また、本願に係る発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内で適宜に変更して実施することできるものである。
1:定着装置、 2:定着ロール、 3:エンドレスベルト、 4:圧力ロール、5:支持ロール、 6:圧力付与部材、 7:外部加熱ロール、 8:用紙ガイド、 9:用紙搬送ロール、 10、40、70:離型剤供給装置、 11a、51、71a:第1のタンク、 11b、61、71b:第2のタンク、 13、74:供給ロール、 14、75:塗布ロール、 16、76:オイル含浸部材、 18、77:ブレード、 20、78:オイルパン、 26:制御装置、 30:クリーニング装置、
Claims (9)
- 加熱される無端状周面が周回移動する定着部材と、
無端状の周面の周回移動が可能に支持され、未定着トナー像が付着されて前記定着部材との間に送り込まれる記録媒体を前記定着部材の外周面に押圧する加圧部材と、
前記定着部材の外周面に離型剤を供給する離型剤供給装置とを有し、
該離型剤供給装置は、濃度が異なる官能基を含有する複数の種類の離型剤を供給するものであり、 前記複数の種類の離型剤からいずれかを選択して供給する切り替え手段を有するものであることを特徴とする定着装置。 - 前記離型剤供給装置は、前記記録媒体の種類、坪量及び連続して送り込まれる枚数の内の少なくとも一つの情報に基づいて、供給する前記離型剤を選択するものであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記離型剤供給装置は、前記定着部材の外周面に供給される離型剤の吸収量が多い記録媒体が通紙されるときは、高濃度の官能基を含有する離型剤を供給し、
離型剤の吸収量が少ない記録媒体が通紙されるときは、低濃度の官能基を含有した離型剤を供給するように設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。 - 前記離型剤供給装置は、予め設定された記録媒体の坪量もしくは枚数より大きな坪量もしくは多くの枚数の記録媒体が連続して通紙されるときは、前記所定坪量より小さな坪量の記録媒体もしくは所定の枚数より少ない枚数が連続して通紙されるときに供給される離型剤より高濃度の官能基を含有する離型剤を供給するように設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記離型剤供給装置は、前記定着部材の外周面の幅方向を複数の領域に分割し、それぞれの領域について複数の種類の離型剤から選択した離型剤を該定着部材の周面に供給することができるものであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記離型剤供給装置は、前記定着部材の外周面の幅方向において、前記記録媒体が通過する通紙領域には、高濃度の官能基を含有する離型剤を供給し、前記記録媒体が通過しない非通紙領域には、低濃度の官能基を含有する離型剤を供給するものであることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記離型剤供給装置は、
前記定着部材の外周面と直接に又は無端状周面を有する塗布部材を介して接触し、前記離型剤を該定着部材に供給する離型剤含浸部材と、
該離型剤含浸部材に前記離型剤を供給し、含浸させる補給装置とを有し、
前記補給装置及び前記離型剤含浸部材は、前記離型剤供給装置が供給する前記離型剤の種類に対応した数が備えられており、
前記切り替え手段は、前記補給装置から供給する前記離型剤の選択又は前記定着部材もしくは前記塗布部材への離型剤含浸部材の接離を制御するものであることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の定着装置。 - 加熱される無端状周面が周回移動する定着部材と、
無端状の周面の周回移動が可能に支持され、未定着トナー像が付着されて前記定着部材との間に送り込まれる記録媒体を前記定着部材の外周面に押圧する加圧部材と、
前記定着部材の外周面に離型剤を供給する離型剤供給装置とを有し、
該離型剤供給装置は、前記定着部材の外周面の幅方向における側縁付近の非通紙領域には、幅方向の中央部における通紙領域より低濃度の官能基を含有する離型剤を供給するものであることを特徴とする定着装置。 - 前記離型剤供給装置は、
前記定着部材の外周面と直接に又は無端状周面を有する塗布部材を介して接触し、前記離型剤を該定着部材に供給する離型剤含浸部材と、
該離型剤含浸部材に前記離型剤を供給し、含浸させる補給装置とを有し、
前記補給装置は、
前記定着部材の周面の幅方向に沿って配置された複数の補給管を有し、
一の補給管は前記離型剤含浸部材の通紙領域に相当する部分に高濃度の官能基を含有する離型剤を補給するものであり、
他の補給管は同じ離型剤含浸部材の非通紙領域に相当する部分に低濃度の官能基を含有する離型剤を補給するものであることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
Priority Applications (1)
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JP2006256047A JP2008076754A (ja) | 2006-09-21 | 2006-09-21 | 定着装置 |
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Cited By (1)
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JP2014077889A (ja) * | 2012-10-10 | 2014-05-01 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着装置及び画像形成装置 |
-
2006
- 2006-09-21 JP JP2006256047A patent/JP2008076754A/ja not_active Withdrawn
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