以下、本発明の一実施形態にかかる走査光学系及び画像形成装置を、図1ないし図8を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1は、図1に示すように、本発明の一実施形態にかかる走査光学系6を、電子写真の書き込み手段としてタンデム方式のカラーレーザープリンタに適用した例である。
なお、本発明の走査光学系6は、光源としての半導体レーザ39と、第一光学系としてのカップリングレンズ57と、第二光学系36と、偏向器としての回転多面鏡28と、第三光学系32と、から構成される。
画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像則ちカラー画像を、一枚の記録材としての転写紙Sに形成する。なお、イエロー、マゼンダ、シアン、黒の各色に対応する部材等を、以下、符号の末尾に各々Y、M、C、Kを付けて示す。
画像形成装置1は、図1に示すように、装置本体2と、給紙ユニット3と、レジストローラ対16と、転写ユニット4と、定着装置24と、光走査装置9と、複数のプロセス部材5Y、5M、5C、5Kと、排紙部31と、を少なくとも備えている。
装置本体2は、例えば、箱状に形成され、フロア上等に設置される。装置本体2は、給紙ユニット3と、レジストローラ対16と、転写ユニット4と、定着装置24と、光走査装置9と、複数のプロセス部材5Y、5M、5C、5Kを収容している。
給紙ユニット3は、給紙カセット13と、給紙ローラ14と、搬送ローラ15と、を備えている。給紙カセット3は、転写紙Sを重ねて収容する。給紙カセット3は、装置本体2に出し入れ自在に、装置本体2の水平方向に配設されている。給紙ローラ14は、給紙カセット13内の一番上の転写紙Sに押し当てられている。給紙ローラ14は、一番上の転写紙Sを搬送ローラ15に送り出す。搬送ローラ15は、給紙ローラ14から送り出された転写紙Sをレジストローラ対16に送り出す。
レジストローラ対16は、給紙ユニット3から転写ユニット4に搬送される転写紙Sの搬送経路に設けられており、一対のローラ16a、16bを備えている。レジストローラ対16は、一対のローラ16a、16b間に転写紙Sを挟み込み、該挟み込んだ転写紙Sを、トナー像を重ね合わせ得るタイミング(図1中の左右方向の記録開始のタイミング)に合わせて、転写ユニット4とプロセス部材5Y、5M、5C、5Kとの間に送り出す。
転写ユニット4は、給紙ユニット3の上方に設けられている。転写ユニット4は、搬送ベルト17と、駆動ローラ18と、従動ローラ19と、を備えている。駆動ローラ18と従動ローラ19とは、それぞれ、装置本体に回転自在に設けられている。搬送ベルト17は、無端環状に形成されており、駆動ローラ18と従動ローラ19とに掛け渡されている。搬送ベルト17は、駆動ローラ18と従動ローラ19とに掛け渡されることで、プロセス部材5Y、5M、5C、5Kの下方で且つ近傍に位置付けられている。搬送ベルト17は、モータ等によって駆動ローラ18が回転駆動されることで、駆動ローラ18と従動ローラ19との周りを、図1中の矢印方向に循環(無端走行)する。
転写ユニット4は、更に、ベルト帯電チャージャ20と、ベルト分離チャージャ21と、ベルト除電チャージャ22と、ベルトクリーニング装置23と、を備えている。ベルト帯電チャージャ20は、レジストローラ対16の近傍に設けられている。ベルト帯電チャージャ20は、搬送ベルト17を帯電させることにより、レジストローラ対16から搬送された転写紙Sを搬送ベルト17に静電的に吸着させる。ベルト分離チャージャ21は、搬送ベルト17と定着装置24との間に設けられている。ベルト分離チャージャ21は、転写ユニット4によってトナー像を転写された転写紙Sを、搬送ベルト17から分離し定着装置24に搬送する。
ベルト除電チャージャ22は、定着装置24よりベルトの循環方向の下流方向に設けられている。ベルト除電チャージャ22は、転写紙Sが分離された搬送ベルト17を除電する。ベルトクリーニング装置23は、ベルト除電チャージャ22よりベルトの循環方向の下流方向に設けられている。ベルトクリーニング装置23は、転写紙Sが分離された搬送ベルト17の外表面に残留した転写残トナーを除去する。
前述した構成の転写ユニット4は、搬送ベルト17が給紙ユニット3から送り出された転写紙Sを各プロセス部材5Y、5M、5C、5Kの後述する感光体ドラム7の外表面に押し付けて、感光体ドラム7上のトナー像を転写紙Sに転写する。転写ユニット4は、トナー像を転写した転写紙Sを定着装置24に向けて送り出す。
定着装置24は、互いの間に転写紙Sを挟む加熱ローラ24aと、加圧ローラ24bとを備えている。定着装置24は、加熱ローラ24aと加圧ローラ24bとの間に転写ユニット4から送り出されてきた転写紙Sを押圧加熱することで、感光体ドラム7から転写紙S上に転写されたトナー像を、該転写紙Sに定着させる。
光走査装置9は、装置本体2の上部即ち給紙ユニット3と転写ユニット4の上方に配置されている。光走査装置9は、プロセス部材5Y、5M、5C、5Kの後述する帯電チャージャ8により一様に帯電された感光体ドラム7の外表面にレーザ光を照射して、静電潜像を形成する。光走査装置9は、後述する回転多面鏡28の回転による走査により、感光体ドラム7の外表面に画像記録を行う(静電潜像を形成する)。なお、この光走査装置9の詳細な構成は、後述する。
プロセス部材5Y、5M、5C、5Kは、それぞれ、転写ユニット4と、光走査装置9との間に設けられている。プロセス部材5Y、5M、5C、5Kは、装置本体2に着脱自在である。プロセス部材5Y、5M、5C、5Kは、転写紙Sの搬送方向(図1中の左右方向)に沿って、互いに等間隔に並設されている。プロセス部材5Y、5M、5C、5Kは、それぞれ、帯電チャージャ8と、感光体ドラム7と、転写チャージャ11と、クリーニング装置12と、現像装置10と、を備えている。
帯電チャージャ8は、感光体ドラム7の外表面を一様に帯電する。感光体ドラム7は、軸芯を中心として回転自在な円柱状又は円筒状に形成されている。感光体ドラム7は、光走査装置9により、外表面上に静電潜像が形成される。感光体ドラム7は、外表面上に形成され且つ担持する静電潜像にトナーが吸着して現像する。なお、感光体ドラム7の外表面は、被走査面(または被照射面)をなしている。
転写チャージャ11は、前述のように得られたトナー像を搬送ベルト17との間に位置付けられた転写紙Sに転写する。クリーニング装置12は、転写紙Sにトナー像を転写した後に、感光体ドラム7の外表面に残留した転写残トナーを除去する。
現像装置10は、図示しないトナーカートリッジと、現像剤担持体としての現像ローラ27とを少なくとも備えている。トナーカートリッジは、所望の色のトナーを収容して、当該トナーを現像ローラ27の外表面に供給する。
現像ローラ27は、感光体ドラム7と平行且つ近接して配置されている。現像ローラ27と感光体ドラム7との間の空間は、トナーを感光体ドラム7に吸着させて、静電潜像を現像してトナー像を得る現像領域をなしている。
前述した構成の現像装置10は、トナーカートリッジ内のトナー等を十分に攪拌し、この攪拌したトナーを現像ローラ27の外表面に吸着する。そして、現像装置10は、現像ローラ27が回転して、トナーを感光体ドラム7に吸着させる。こうして、現像装置10は、トナーを現像ローラ27に担持し、現像領域に搬送して、感光体ドラム7上の静電潜像を現像して、トナー像を形成する。
排紙部31は、装置本体2の上面に設けられた排紙トレー26と、一対の排紙ローラ25と、を備えている。排紙ローラ25は、互いの間に、定着装置24の加熱ローラ24a、加圧ローラ24b間に挟まれてトナー像が定着された転写紙Sが供給される。排紙ローラ25は、トナー像が定着された転写紙Sを排紙トレー26上に排出する。
前述した構成の画像形成装置1は、以下に示すように、転写紙Sに画像を形成する。まず、画像形成装置1は、プロセス部材5の感光体ドラム7を回転させ、この感光体ドラム7の外表面を一様に帯電チャージャ8により帯電する。光走査装置9は、感光体ドラム7の外表面にレーザ光を照射して、該感光体ドラム7の外表面に静電潜像を形成する。そして、静電潜像が現像領域に位置付けられると、現像装置10の現像ローラ27の外表面に吸着したトナーが感光体ドラム7の外表面に吸着して、静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム7の外表面に形成する。
そして、画像形成装置1は、給紙ユニット3の給紙ローラ14等により搬送されてきた転写紙Sが、プロセス部材5Y、5M、5C、5Kの感光体ドラム7と転写ユニット4の搬送ベルト17との間に位置して、各プロセス部材5Y、5M、5C、5Kの感光体ドラム7の外表面上に形成されたトナー像を順次転写紙Sに転写する。画像形成装置1は、定着装置24で転写紙Sにトナー像を定着して、この転写紙Sを排紙部31の排紙トレー26上に排出する。こうして、画像形成装置1は、転写紙Sにカラー画像を形成する。
以下、光走査装置9の詳細について説明する。各感光体ドラム7を走査する光走査装置9は、一体的に構成され、転写紙Sの移動方向(図1中の矢印で示す)に沿って等間隔で配列された4つの感光体ドラム7Y、7M、7C、7Kに対し、各々に対応した後述する半導体レーザ39からの光束を、後述する回転多面鏡28での偏向後に分離して、導くことで同時に静電潜像を形成する。
以下、図面において、光束の光軸と平行な方向を矢印Xで示して光軸方向Xとよび、感光体ドラム7Y、7M、7C、7Kの軸芯と平行な方向を矢印Yで示して主走査方向Yとよび、光軸方向Xと主走査方向Yとの双方に対し直交する方向を矢印Zで示し副走査方向Zとよぶ。
光走査装置9は、図2に示すように、光走査装置本体(図示せず)と、光源装置30と、第三光学系32と、を備えている。光走査装置本体は、光源装置30と、第三光学系32とを収容する。光走査装置本体は、装置本体2に取り付けられる。
光源装置30は、図2及び図3に示すように、光学ハウジング33と、光源部34と、第二光学系36と、偏向ユニット37と、を備えている。光学ハウジング33には、光源部34と、第二光学系36と、偏向ユニット37と、が収容される。光学ハウジング33の側壁79には、後述するマルチビーム光源ユニット38を取り付けるための基準孔71と、後述するスプリング59が係止される突起72と、が設けられている。
光源部34は、四つのマルチビーム光源ユニット38Y、38M、38C、38Kを備えている。四つのマルチビーム光源ユニット38Y、38M、38C、38Kは、それぞれ、副走査方向Zに沿って、互いに間隔をあけて配置され、光学ハウジング33に取り付けられる。四つのマルチビーム光源ユニット38Y、38M、38C、38Kは、それぞれ、前述した感光体ドラム7Y、7M、7C、7Kと1対1で対応している。本実施形態においては、四つのマルチビーム光源ユニット38Y、38M、38C、38Kが射出する四つの光束は、それぞれ、副走査方向Zに±1.46°、±3.3°傾斜している。
各マルチビーム光源ユニット38は、それぞれ、図3(a)に示すように、一対の半導体レーザ39a、39bと、一対の押さえ部材41a、41bと、ベース部材46と、ホルダ部材53と、一対のカップリングレンズ57a、57bと、複数の留めネジ45、52と、スプリング59と、ストッパ部材60と、調節ネジ61と、を備えている。
一対の半導体レーザ39a、39bは、主走査方向Yに沿って互いに間隔をあけて配置されているとともに、それぞれが図示しないプリント基板に実装されている。一対の半導体レーザ39a、39bは、一つの感光体ドラム7に対応する。即ち、各マルチビーム光源ユニット38は、一つのプロセス部材5分の半導体レーザ39a、39bを備えている。一対の半導体レーザ39a、39bは、対応した感光体ドラム7Y、7M、7C、7Kに向かって光束を発する。一対の半導体レーザ39a、39bは、それぞれ、円筒状ヒートシンク部の外縁部に切り欠き40a、40bを備えている。
押さえ部材41a、41bは、それぞれ、平板状の押さえ本体と、挿入孔42と、突起43と、一対のネジ孔44と、を備えている、挿入孔42は、押さえ本体の中心部に、押さえ本体を貫通して設けられている。突起43は、挿入孔42の内面から凸に設けられている。貫通孔44は、押さえ本体の外縁部に、挿入孔42の中心を挟んで相対する位置に一対設けられている。一対の貫通孔44は、押さえ本体を貫通している。
ベース部材46は、平板状のベース本体と、嵌合孔47a、47bと、円筒状係合部48と、突起部49と、ネジ孔51a、51bと、を備えている。嵌合孔47a、47bは、ベース本体の中心部に、ベース本体を貫通して一対設けられている。嵌合孔47a、47bは、それぞれ、内側に半導体レーザ39a、39bが嵌合することで、半導体レーザ39a、39bを位置決めする。一対の嵌合孔47a、47bは、それぞれ、一対の半導体レーザ39のそれぞれから射出される光束が後述するアパーチャ35近傍において主走査断面内で交差するように、傾斜して形成されている。一対の嵌合孔47a、47bは、それぞれ、副走査方向Zの断面に対し互いに近づく方向に約3°傾斜しており、該嵌合孔47a、47bに嵌合される半導体レーザ39は互いに近づく方向に主走査方向Yに約3°傾斜して取り付けられる。
円筒状係合部48は、ベース本体のホルダ部材53と相対する面から凸に設けられている。突起部49は、円筒状係合部48のホルダ部材53と相対する面から凸に、一対の嵌合孔47a、47bの間に設けられている。突起部49には、取付ガイド面50a、50bが設けられている。
取付ガイド面50a、50bは、突起部49の中心を挟んで相対する位置に一対設けられている。取付ガイド面50a、50bは、それぞれ、嵌合孔47a、47bの内面と面一に、断面がU字状に形成されている。取付ガイド面50a、50bには、それぞれ、一対のカップリングレンズ57a、57bが取り付けられる。取付ガイド面50a、50bは、それぞれ、嵌合孔47a、47bと同様に、副走査方向Zの断面に対し互いに近づく方向に約3°傾斜している。ネジ孔51a、51bは、ベース本体を貫通して設けられている。ネジ孔51a、51bは、ベース本体の外縁部に、ベース本体の中心を挟んで一対設けられている。
ホルダ部材53は、平板状のホルダ本体と、円筒部54と、貫通孔56a、56bと、調節ネジ用孔58と、を備えている。円筒部54は、ホルダ本体のベース部材46から離れた外面から凸に設けられている。円筒部54には、先端部に円筒部突起55a、55bが設けられている。円筒部突起55は、円筒部54の外面から凸に、円筒部54の軸芯を挟んで相対する位置に一対設けられている。調節ネジ用孔58は、ホルダ本体の外縁部から突出した突部に設けられている。調節ネジ用孔58は、調節ネジ61が螺合する。
一対のカップリングレンズ57a、57bは、一対の半導体レーザ39a、39bのそれぞれに対応して設けられている。カップリングレンズ57a、57bは、それぞれ、外周部を取付ガイド面50a、50bに沿わせるようにしてベース部材46に取り付けられる。カップリングレンズ57a、57bは、光軸が半導体レーザ39の光軸と一致するように位置決めされ、ベース部材46に接着固定される。本実施形態において、カップリングレンズ57は、半導体レーザ39から放射された発散性の光束を、以後の光学系に適した平行光束に変換する。なお、カップリングレンズ57は、入射する光束を平行光束や、弱い発散性あるいは弱い集束性の光束に変換することが可能である。
スプリング59は、光源ユニット38が光学ハウジング33に取り付けられた際に、ホルダ部材53の円筒部54に取り付けられる。ストッパ部材60は、円板状に形成されている。ストッパ部材60は、ストッパ本体と、孔部70と、を備えている。孔部70は、ストッパ本体の中心部に設けられている。孔部70は、光源ユニット38が光学ハウジング33に取り付けられた際に、ホルダ部材53の円筒部54が侵入する。
前述したマルチビーム光源ユニット38は、以下のように組み立てられる。まず、一対の押さえ部材41a、41bの挿入孔42a、42bに、それぞれ、押さえ部材41a、41bの突起43a、43bと半導体レーザ39の切り欠き40a、40bとを係合させて半導体レーザ39a、39bを挿入する。そして、留めネジ45をベース部材46と離れた側から押さえ部材41a、41bの貫通孔44a、44bを通過させてベース本体の図示しないネジ孔に螺合させ、押さえ部材41a、41bをベース部材46に固定するとともに、半導体レーザ39をベース部材46の嵌合孔47a、47bに挿入させてベース部材46に固定する。
続いて、カップリングレンズ57a、57bをベース部材46に接着固定する。そして、ベース部材46の円筒状係合部48をホルダ部材53に近づけ、ベース部材46をホルダ本体に取り付ける。すると、ベース部材46のネジ孔51a、51bとホルダ部材53の貫通孔56a、56bとが連通する。留めネジ52を、貫通孔56a、56bを通してネジ孔51a、51bに螺合させ、ベース部材46をホルダ部材53に固定する。
前述のように組み立てられたマルチビーム光源ユニット38は、以下のように光学ハウジング33に取り付けられる。ホルダ部材53に設けられた円筒部54に、光学ハウジング33の側板に設けられた基準孔71を貫通させる。取付壁のマルチビーム光源ユニット38から離れた側から円筒部54にスプリング59を取り付け、ストッパ部材60を円筒部突起55に係合させる。マルチビーム光源ユニット38は、スプリング59の弾性復元力により、取付壁に密着して保持される。
続いて、スプリング59の一端を取付壁の突起72に引っ掛け、スプリング59の他端をマルチビーム光源ユニット38に引っ掛ける。マルチビーム光源ユニット38は、円筒部54の軸芯を回転軸とした回転力を付与される。調節ネジ61を調節用ネジ孔58に螺合させて該回転力を係止することにより、半導体レーザ39の周りであるθ方向に光源ユニット38全体を回転させてピッチを調整することができる。アパーチャ35を、取付壁のマルチビーム光源ユニット38から離れた側から取り付ける。
前述した構成のマルチビーム光源ユニット38は、図3(b)に示すように、例えば一つの半導体レーザ73から構成され、該半導体レーザ73が四個の発光源を持つものでもよい。半導体レーザ73からの各光束は、ビーム合成手段を用いて合成される。この場合、半導体レーザ73は一つであり、これに応じて押え部材41等が一つである点が図3(a)と異なっている。図3(a)と同一構成部分については同一符号を付して説明を省略する。
また、マルチビーム光源ユニット38は、図3(c)に示すように、一つの半導体レーザアレイ74から構成されてもよい。図3(c)は、図3(b)に示す例に準じる構成のものであって、四個の発光源を持つ半導体レーザアレイ74からの光ビームを、ビーム合成手段を用いて合成する例を示している。基本的な構成要素は図3(a)及び図3(b)と同様であるから、ここでは説明を省略する。
即ち、マルチビーム光源ユニット38は、一つの発光点を有する半導体レーザ39を複数用いたり、複数の発光点を有する半導体レーザ73を用いたり、複数の発光点を有する半導体レーザアレイ74を用いること等により、複数の光束が感光体ドラム7を同時に走査するように構成されている。このため、高速化、高密度化を図った光走査装置及び画像形成装置を構成することができる。
第二光学系36は、光学ハウジング33内に収容されている。第二光学系36は、図2等に示すように、カップリングレンズ57を通過した光束が入射して、該光束を偏向ユニット37に向けて射出する。第二光学系36は、アパーチャ35と、第一レンズ65と、第二レンズ66と、を備えている。アパーチャ35と、第一レンズ65と、第二レンズ66とは、光源ユニット38に近い方から、アパーチャ35、第一レンズ65、第二レンズ66、の順に並んで配置されている。
アパーチャ35は、平板状に形成されている。アパーチャ35は、カップリングレンズ57を通過した光束が通過する箇所に、それぞれの半導体レーザ39に対応したスリット64a、64bを一対備えている。スリット64a、64bは、通過する光束の射出径を規定し、光束の形状を所望の形状に整形する。スリット64a、64bを通過した光束は、第一レンズへ向かって射出される。
第一レンズ65と第二レンズ66とは、それぞれの基準軸K(本明細書における基準軸Kとは、レンズの両面の形状表現式の原点同士を結んだ軸を示す)を一致させるように配置されている。第一レンズ65と第二レンズ66とは、副走査方向Zにのみパワーを有し、通過した光束を副走査方向Zにのみ収束して、主走査方向Yに長い線像として偏向ユニット37の後述する偏向面67上に結像させる。
第二光学系36は、アパーチャ35を物点とした像側テレセントリック系である。第二光学系36は、アパーチャ35と、第一レンズ65と、第二レンズ66とを、像側テレセントリック系となるように配置している。本実施形態では、第二光学系36の合成焦点距離はf=100mmとしている。
図4は、従来の第二光学系36の副走査断面の構成図を示している。なお、図4は、一つの半導体レーザから射出された光束のみを示している。また、図4は、第一レンズ65と第二レンズ66とを、一枚のレンズとして簡素化して表記している。
製造誤差等がない場合、第二光学系36の基準軸K上を光束の主光線Pが通過する(図4(a))。しかし、実際には製造誤差等によって、アパーチャ35を通過する光束が第二光学系36の基準軸Kに対してチルトすることがある(図4(b))。これにより、後述する偏向面67への斜入射角が変化する。
後述するように、偏向面67に斜入射する光束は、波面収差を補正するために、周辺像高の光束ほど第三光学系32の第一走査レンズ68で高く跳ね上げて射出させ、第二走査レンズ69への副走査方向Zの入射位置を異ならせている。このため、第二走査レンズ69への副走査方向Zの入射位置が変化すると、所望の補正が行われなくなる。偏向面67への斜入射角が変化した場合、第一走査レンズ68からの射出角が変化し、第二走査レンズ69への入射位置も変化する。即ち、偏向面67への斜入射角の変化により、所期の波面収差補正を行うことができなくなる。よって、ビームスポット径も大きくなり画像品質も劣化してしまう。また、副走査方向Zの屈折角も所期より変化し、走査線曲がりも増大してしまう。
前述した構成の第二光学系36は、アパーチャ35を物点とした像側テレセントリック系である。このため、第一光学系の製造誤差等によりアパーチャ35通過時に光束が第二光学系36の基準軸Kに対してチルトした場合でも、第二光学系36から射出される光束は基準軸Kに対して平行となる。よって偏向面67における斜入射角の変化はなくなり、これに起因する波面収差の劣化を防ぐことが可能となり、良好なビームスポット径の維持が可能となる。
図5は、本実施形態における第二光学系36の副走査断面の構成図を示している。ここでは斜入射する光束の進行方向を基準に記載している。なお、図5は、一つの半導体レーザから射出された光束のみを示している。カップリングレンズ57からの光束がチルトしていない場合は、第二光学系36において光束は基準軸K上を通過する(図5(a))。一方、製造誤差等によりカップリングレンズ57を通過した光束がチルトしていた場合は、第二光学系36が像側テレセントリック系であるので第二光学系36通過後の光束は基準軸Kに対して平行となり、偏向面67への斜入射角の変化はない(図5(b))。
また、前述した構成の第二光学系36は、第一レンズ65と第二レンズ66とがプラスチックで構成されているとともに、副走査断面形状が非円弧形状の面をしている。このため、第二光学系36の光軸に対して角度を有して入射した光束を偏向面67上で線像を形成するよう像面の補正を行うことが可能となる。一般的に用いられている副走査断面形状が球面である通常のシリンドリカルレンズを組み合わせることも考えられるが、第二光学系36の光軸に対して角度を有して入射した光束を偏向面67上に線像を形成するよう補正するためには、レンズ枚数が増加しコストアップになる恐れがある。本実施形態の第一レンズ65と第二レンズ66とにすることで、高画質化とコストダウンを両立することが可能である。
また、前述した構成の第二光学系36は、図6に示すように、第二光学系36に入射する直前の光束と第二光学系36の光軸との間の副走査方向Zの距離をZentとし、第二光学系36から射出した直後の光束と第二光学系36の光軸との間の副走査方向Zの距離をZexitとしたとき、次の条件式、
Zent>Zexit
を満たすように、第二光学系36を構成するとともに、第一レンズ65及び第二レンズ66のレンズ面を形成している。なお、図6は、第一レンズ65と第二レンズ66とから構成される第二光学系36を、一枚のレンズとして簡素化して表記している。
第二光学系36が像側テレセントリック系であるため、図6(a)に示すように、斜入射角が大きく変化した光束も第二光学系36の光軸に平行にされて偏向面67に向けて射出される(図6(a)のZ'exit)。このため、後述する回転多面鏡28の副走査方向Zの高さが増加し、コストアップしてしまう可能性がある。しかし、上記条件式を満たすことで偏向面67の入射位置の副走査方向Zの高さが抑えら、より低コストな光学系とすることができる(図6(a)のZexit)。
さらに、図6(b)に示すように、第二光学系36の光軸と第二光学系36から射出される光束とが射出面の副走査方向Zで略一致するように、第二光学系36を構成するとともに、第一レンズ65及び第二レンズ66のレンズ面を形成している。このようにすることで、回転多面鏡28の副走査方向Zの高さを低減できるのみならず、第一光学系の位置が副走査方向Zに変化したとしてもその変化を打ち消す効果も期待できるようになる。なお、特許請求の範囲に記載の「前記第二光学系の光軸と前記第二光学系から射出される前記光束とが前記射出面の副走査方向で略一致する」とは、一致する場合も含んでいる。
偏向ユニット37は、回転多面鏡28と、回転多面鏡28の回転を制御する回転制御手段(図示せず)と、を備えている。回転多面鏡28は、図6に示すように、六角柱状に形成されている。回転多面鏡28は、六角柱の軸芯即ち回転軸を中心に、回転制御手段によって等角速度回転する。回転軸は、副走査方向Zと一致するように設けられている。回転多面鏡28の回転軸と平行な外面には、偏向面67が設けられている。偏向面67は、第二光学系36から射出された光束が結像され、該光束を偏向して第三光学系32へ向けて射出する。
前述した構成の偏向ユニット37は、光学ハウジング33内に収容されて、第二光学系36から複数の光束が偏向面67に導かれる。そして、偏向ユニット37は、回転多面鏡28の偏向面67により偏向された光束を、回転多面鏡28の等速回転とともに等角速度的に偏向して、第三光学系32に向かって射出する。このとき、偏向面67によって偏向された後の光束は、互いに分離するように間隔を拡げつつ第一走査レンズ68に入射する。偏向ユニット37は、光学ハウジング33内に収容されて、外気から遮断されることで、外気の対流による回転数の変化が防止される。
前述した構成の光源装置30は、各マルチビーム光源ユニット38の半導体レーザ39からの光束を第三光学系32に向かって射出する。光源装置30は、光走査装置本体に固定される。
また、前述した構成の光源装置30は、各半導体レーザ39から射出された光束が回転多面鏡28を共通使用している。図7は、回転多面鏡28以降の走査光学系6の副走査断面の構成図を示している。このようにすることで、回転多面鏡28を一段で且つ副走査方向Zの厚みを低減でき、回転体としてのイナーシャを小さくでき起動時間を短くできる。また、従来の二段化された回転多面鏡28と比較してコストダウン可能である。
また、前述した構成の光源装置30は、第二光学系36から射出された光束を、所望の角度に半導体レーザ39、カップリングレンズ57a、57b及び第二光学系36を傾斜させることにより、回転反射鏡28の回転軸に直交する平面に対して角度を有して入射させる(斜入射させる)。更に折り返しミラーを設け、折り返しミラーに光束を反射させることにより角度をつけてもよい。
第三光学系32は、第一走査レンズ68と、四つの第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kと、複数の折り返しミラー80と、を備えている。
第一走査レンズ68は、四つのマルチビーム光源ユニット38から射出されたすべての光束が通過する。第一走査レンズ68は、プラスチックで構成されている。第一走査レンズ68は、基準軸Kを含む副走査断面における屈折力が略ゼロになるように形成されている。これは、基準軸K近傍では第一走査レンズ68に入射する光束のねじれ(スキュー)による波面収差の劣化が少ないことと、製造誤差や組み付け時の偏心による性能の変動を低減させるためである。また、周辺像高に向かう光束に対しては、基準軸Kから離れるに従い副走査断面内においてパワーの強くなるレンズとして像高が高いほど光束をより跳ね上げることで波面収差補正を行っている。
第一走査レンズ68は、偏向面67からの光束が入射する第1面75と、該光束が射出される第2面76と、を備えている。第1面75と第2面76とには、副走査断面内の曲率が変化する特殊トロイダル面が設けられている。
特殊トロイダル面の面形状は、以下の式1によって表される。ただし、本発明では、以下の式1に限定されるものではなく、同一の面形状を別の形状式を用いて特定することも可能である。
光軸を含み主走査方向Yに平行な平断面である主走査断面内の近軸曲率半径をRY、光軸を含み主走査断面に直交する副走査断面内の近軸曲率半径をRZ、光軸から主走査方向Yの距離をY、高次係数をA4、A6、A8…とする。なお、特殊トロイダル面の場合、式1中のFはすべて0である。
第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kは、プラスチックで構成されている。第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kは、第一走査レンズ68からの光束が入射する第3面77と、該光束が出射される第4面78と、を備えている。第4面78には、副走査断面内の曲率を持たず傾きのみ有する特殊チルト偏心面が設けられている。特殊チルト偏心面は、斜入射する光束の走査線曲がりを補正する。
特殊チルト偏心面の面形状は、前述の式1によって表される。ただし、本発明では、前述の式1に限定されるものではなく、同一の面形状を別の形状式を用いて特定することも可能である。なお、特殊チルト偏心面の場合、式1中のBはすべて0である。
複数の折り返しミラー80は、長手方向が、感光体ドラム7Y、7M、7C、7Kの長手方向と平行な帯板状に形成されている。複数の折り返しミラー80は、図1等に示すように、第一走査レンズ68を通過した光束を第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kを介して感光体ドラム7Y、7M、7C、7Kの外表面に導くように、適宜適所に設けられている。
前述した構成の第三光学系32は、光源装置30の回転多面鏡28の偏向面67から四つの光束が入射する。第一走査レンズ68を透過した光束は、続いて第二走査レンズ69を透過する。光束は感光体ドラム7上にスポット状に結像し、画像情報に基いた静電潜像を形成する。
また、前述した構成の第三光学系32は、第一走査レンズ68が特殊トロイダル面を備え、波面収差及び走査線曲がりを補正している。また、第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kが特殊チルト偏心面を備え、走査線曲がりを補正している。しかし、第一走査レンズ68に入射する光束のねじれ(スキュー)による波面収差の劣化量や、偏向面67に斜入射することによる像高間での物点の副走査方向Zの変化量、偏向面67と第一走査レンズ68の入射面との距離は、像高間で異なるため、波面収差の補正や走査線曲がりの補正を完全に行うことはできない。
そこで、第一走査レンズ68の基準軸Kを含む副走査断面におけるパワーを略ゼロとし且つそのレンズ面は像高に応じて副走査断面内の曲率が変化する特殊トロイダル面とすることで、波面収差を補正している。さらに好ましくは、第一走査レンズ68を副走査方向Zに最も屈折力の大きなレンズより回転多面鏡28側に配設するのとよい。
前述した構成の光走査装置は、光源装置30から射出された光束を、第三光学系32を通過させて感光体ドラム7へと導いている。図2に示すように、偏向面67に入射する光束を第三光学系32に干渉させないように主走査方向Yに角度を持って入射させることで、副走査方向Zの入射角度を小さく設定できる。前述のように、副走査方向Zの斜入射させる角度が大きいと光学性能の劣化が大きくなるため、良好な補正は困難になってしまう。このため、回転多面鏡28の偏向面67に入射する光束を主走査方向Yに角度を持って入射させることが望ましい。
本実施形態によれば、第二光学系36は少なくとも略像側テレセントリック系である。このため、第二光学系36に入射する光束は、入射面への入射角に依存することなく、射出面から射出される際に主光線が光軸と平行になる。よって、第二光学系36への入射角度が変動しても、第二光学系36から射出した光束の斜入射角度は変動しにくい。したがって、製造誤差等の公差変動に対する感度を小さくし、波面収差劣化等を引き起こす斜入射角度変動を起こりにくくすることができる。
第二光学系36は、アパーチャ35を物点とした略像側テレセントリック系である。このため、アパーチャ35を通過して第二光学系36に入射する光束は、入射面への入射角に依存することなく、射出面から射出される際に主光線が光軸と平行になる。よって、第二光学系36への入射角度が変動しても、第二光学系36から射出した光束の射入射角度は変動しにくい。したがって、製造誤差等の公差変動に対する感度を小さくし、波面収差劣化等を引き起こす斜入射角度変動を起こりにくくすることができる。
第二光学系36は、副走査方向Zの断面が非円弧形状である面を備えている。このため、第二光学系36の光軸に対して角度を有して入射した光束も、偏向面67上で線像を形成するように効果的に補正される。また、球面レンズを用いる場合と比較してレンズの枚数は低減される。したがって、波面収差等による走査線の劣化を有効に補正することができる。
第二光学系36のプラスチックレンズが非円弧形状の面を備えている。このため、ガラスレンズを用いる場合と比較してコストは低減される。したがって、低コストでありながら、波面収差等による走査線の劣化を有効に補正することができる。
第二光学系36から射出される光束は、第二光学系36に入射する光束より、副走査方向Zにおいて第二光学系36の光軸に近い。このため、入射時に光軸から離れていた光束も射出時には光軸に近づけられて、偏向器の偏向面67で集約して結像されるため、偏向器の副走査方向Zの高さが抑えられる。したがって、偏向器のサイズを小さくすることができ、省スペースで低コストな走査光学系6を提供することができる。
第二光学系36から射出される光束は、副走査方向Zにおいて第二光学系36の光軸に略一致する。このため、入射時に光軸から離れていた光束も射出時には光軸に略一致し、偏向器の偏向面67でより集約して結像されるため、偏向器の副走査方向Zの高さがさらに抑えられる。したがって、偏向器のサイズを小さくすることができ、省スペースで低コストな走査光学系6を提供することができる。
光源は複数の発光点を備えている。このため、複数の走査線により同時に走査を行うことができる。したがって、より高速な走査光学系6を提供することができる。
製造誤差等の公差変動による偏向器への斜入射角度の変動に対応可能な走査光学系6が、電子写真書き込み手段として備えられている。したがって、製造誤差等の公差変動に対する感度を小さくし、波面収差等による走査線の劣化を有効に補正することができる画像形成装置1を提供することができる。
前述した実施形態では、光源部34は、マルチビーム光源ユニット38を備えており、複数の発光点からの光束が一つの感光体ドラム7を走査していた。しかしながら、本発明では、一つの発光点からの光束が一つの感光体ドラム7の外表面を走査するものでも勿論よい。
また、前述した実施形態では、図7等に示すように、単一の偏向面67に全ての光束が斜入射する片側走査光学系であった。しかしながら、本発明では、図8に示すように、複数の偏向面67に同時に入射する対向走査光学系でもよい。また、水平入射と斜入射とが混在した走査光学系6でもよい。
本発明では、前述した構成の第三光学系32は、走査線曲がりの発生を小さく抑えるために、第三光学系32の副走査断面内における結像倍率を1.0倍以下の縮小光学系としてもよい。このようにすることで、走査光学系6の製造上の誤差および組み付け上の誤差が発生したとしても、走査線曲がりの変化の影響を小さく抑えることができる。
さらに本発明では、最も感光体ドラム7に近いレンズに、像高に応じて副走査方向Zの曲率が異なる面を少なくとも一面用いるとよい。このような構成にすることで像高間の倍率偏差を十分に低減することができる。また、副走査方向Zの像面湾曲をより良好に補正する効果も期待できる。
さらに本発明では、前記副走査方向Zの曲率を、基準軸Kを中心として主走査方向Yに非対称に変化させるとよい。本実施形態においては、光束を主走査方向Yに角度を持って回転多面鏡28に入射させている。この結果、回転多面鏡28による「光学的サグ」の発生は、第一走査レンズ68及び第二走査レンズ69の基準軸Kに対して主走査方向Yに対称に発生しない。つまり、諸収差が発生する原因となる光路長差が中心に対し左右対称とならないため諸収差の発生も左右非対称に発生するため、このような構成とすることで効果的な収差補正が可能となる。
また、本発明の発明者は、前述した実施形態に記載された第一走査レンズ68及び第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kを製造して、本発明の効果を確認した。
(実施例1)
波長が780nmの光束を射出する半導体レーザ39を用い、主走査方向Yの走査幅を220mmとし、偏向面が6面で内接円の半径が13mmの回転多面鏡28を用い、回転多面鏡28への入射角を主走査断面で60°とし、副走査断面で1.46°及び3.30°とし、走査光学系6の副走査横倍率を−0.49とし、回転多面鏡28の偏向範囲を±23.4°とした。
第一走査レンズ68の第1面と第2面とを特殊トロイダル面とし、第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの第4面を特殊偏心チルト面とした。
また、内側の光束(偏向面67に±1.46°の斜入射角で入射する光束)に対する第一走査レンズ68及び第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの相対的な位置関係等を以下の表1に示す関係とし、外側の光束(偏向面67に±3.30°の斜入射角で入射する光束)に対する第一走査レンズ68及び第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの相対的な位置関係等を以下の表2に示す関係とした。
なお、表1及び表2において、主走査断面内の近軸曲率半径をRY、副走査断面内の近軸曲率半径をRZ、光軸方向Xの次の面までの距離をX、副走査方向Zの次の面までの距離をZ、設計波長での屈折率をN、とする。
さらに、第一走査レンズ68の第1面及び第2面それぞれの各種の式1中のパラメータを以下の表3とし、内側の光束に対する第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの第3面及び第4面それぞれの各種の式1のパラメータを以下の表4とし、外側の光束に対する第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの第3面及び第4面それぞれの各種の式1のパラメータを以下の表5とした。
(実施例2)
波長が780nmの光束を射出する半導体レーザ39を用い、主走査方向Yの走査幅を220mmとし、偏向面が6面で内接円の半径が13mmの回転多面鏡28を用い、回転多面鏡28への入射角を主走査断面で60°とし、副走査断面で1.46°及び3.30°とし、走査光学系6の副走査横倍率を−0.49とし、回転多面鏡28の偏向範囲を±24.0°とした。
第一走査レンズ68の第1面と第2面とを特殊トロイダル面とし、第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの第4面を特殊偏心チルト面とした。
また、内側の光束(偏向面67に±1.46°の斜入射角で入射する光束)に対する第一走査レンズ68及び第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの相対的な位置関係等を以下の表6に示す関係とし、外側の光束(偏向面67に±3.30°の斜入射角で入射する光束)に対する第一走査レンズ68及び第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの相対的な位置関係等を以下の表7に示す関係とした。
なお、表6及び表7において、主走査断面内の近軸曲率半径をRY、副走査断面内の近軸曲率半径をRZ、光軸方向Xの次の面までの距離をX、副走査方向Zの次の面までの距離をZ、設計波長での屈折率をN、とする。
さらに、第一走査レンズ68の第1面及び第2面それぞれの各種の式1中のパラメータを以下の表8とし、内側の光束に対する第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの第3面及び第4面それぞれの各種の式1のパラメータを以下の表9とし、外側の光束に対する第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの第3面及び第4面それぞれの各種の式1のパラメータを以下の表10とした。
(実施例3)
波長が780nmの光束を射出する半導体レーザ39を用い、主走査方向Yの走査幅を330mmとし、偏向面が6面で内接円の半径が18mmの回転多面鏡28を用い、回転多面鏡28への入射角を主走査断面で60°とし、副走査断面で2.40°及び3.30°とし、走査光学系6の副走査横倍率を−0.49とし、回転多面鏡28の偏向範囲を±33.7°とした。
第一走査レンズ68の第1面と第2面とを特殊トロイダル面とし、第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの第4面を特殊偏心チルト面とした。
また、内側の光束(偏向面67に±2.40°の斜入射角で入射する光束)に対する第一走査レンズ68及び第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの相対的な位置関係等を以下の表11に示す関係とし、外側の光束(偏向面67に±3.30°の斜入射角で入射する光束)に対する第一走査レンズ68及び第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの相対的な位置関係等を以下の表12に示す関係とした。
なお、表11及び表12において、主走査断面内の近軸曲率半径をRY、副走査断面内の近軸曲率半径をRZ、光軸方向Xの次の面までの距離をX、副走査方向Zの次の面までの距離をZ、設計波長での屈折率をN、とする。
さらに、第一走査レンズ68の第1面及び第2面それぞれの各種の式1中のパラメータを以下の表13とし、内側の光束に対する第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの第3面及び第4面それぞれの各種の式1のパラメータを以下の表14とし、外側の光束に対する第二走査レンズ69Y、69M、69C、69Kの第3面及び第4面それぞれの各種の式1のパラメータを以下の表15とした。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。