JP2008076508A - 発熱回転体および発熱回転体を有した定着装置 - Google Patents

発熱回転体および発熱回転体を有した定着装置 Download PDF

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伸一郎 若原
Shohei Takeda
昌平 武田
Koki Watanabe
岡樹 渡辺
Jiro Shirogata
二郎 白潟
Koji Takematsu
浩二 竹松
Kouichiro Nishimura
貢市郎 西村
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Abstract

【課題】 加熱部材端部の温度上昇で周囲の部品への影響を小さくするために、キュリー温度の低い材料を接合させる際に接合方法によっては加熱部材の全体の強度が低下する
【解決手段】 通電されることにより磁束を生ずるコイルと、コイルにより生ずる磁束により発熱する第一キュリー温度の第一導電層を有する記録材上の画像を加熱する像加熱部材と、を有する像加熱装置において、搬送される記録材の最大幅の領域外の像加熱部材の端部は、第一導電層に第一キュリー温度よりも低い温度の第二キュリー温度の第二導電層が設けられている構成にする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、電子写真装置の定着装置及び定着装置内に設けられる発熱回転体に関するものである。
電子写真複写機、静電プリンタ、ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した装置には、未定着トナー像を記録材上に定着する定着装置が用いられる。この定着装置は、円筒状芯金の表面に弾性体層および離型性樹脂被膜を形成して成る加熱ローラと、これに圧接して記録材を通紙するニップ部を形成する加圧ローラとを有している。そして、加熱ローラの表面温度が所定の定着温度に達した状態で、加熱ローラと加圧ローラとのニップ部に未定着トナー像を担持する記録材をニップ部を通過させることで熱と圧力によりトナー像が記録材に定着される。従来より、このような熱ローラ定着装置が広く使用されている。
従来、この定着装置の加熱ローラの加熱方式としては、加熱ローラの中空芯金の中空部に熱源としてハロゲンランプが用いられている。そして、加熱ローラの表面に接触または近接させて設けられたサーミスタが加熱ローラ表面温度を検知して、ハロゲンランプへの通電をオン・オフ制御して加熱ローラの表面温度が所定の定着温度に制御される。
しかし、このハロゲン方式の場合、装置本体の電源投入から定着装置の加熱ローラ表面温度が所定の定着温度に達する迄の立ち上り時間(ウォームアップタイム)が長くなる欠点があった。
近年においては誘導加熱方式と呼ばれる方式を用いた定着装置が考案され、立ち上げ時間や熱交換効率でハロゲン方式より優れているとの提案がなされている。
例えば、特許文献1に示されるように、誘導加熱方式を用いた定着装置が提案されている。この定着装置は、金属導体からなる中空の加熱ローラの内部にコイルが同心状に配置されている。そして、このコイルに高周波電流を流して生じた磁束により加熱ローラに誘導渦電流を発生させ、加熱ローラ自体の表皮抵抗によって加熱ローラそのものがジュール発熱する。この誘導加熱方式の定着装置によれば、加熱ローラ自身が直接発熱するため立ち上り時間を短縮できる。
この誘導加熱方式において特許文献2のように、前記加熱ローラ芯金部のキュリー点が概ね前記定着温度に設定されている構成が提案されている。即ち、前記加熱ローラ芯金部がキュリー点に達すると磁性を失うことにより、前記加熱ローラ芯金部の昇温速度は急激に低下し、定着温度に近い温度状態に保持できるものである。また、特許文献3には、キュリー点の異なる多層ローラをIH加熱手段の交番磁束の周波数を可変制御によるローラ温度切り換え構成がある。このように、誘導加熱方式の定着装置において、キュリー点を利用した構成が着目されている。
キュリー点温度と定着温度とを近づける構成は、通紙可能な記録材の最大幅よりも小さい記録材の連続通紙を行っても、非通紙部の温度は定着温度に近い温度状態に保たれるため、非通紙部昇温に対しても有効である。
特開昭59−33787号公報 特登録02975435号公報 特開2000−75702号公報
しかし、朝一のように加熱部材を所定の温度に立ち上げる際には、端部の熱は奪われやすいことから、定着温度に近い温度のキュリー温度に設定する構成では、端部の温度が低下し、端部の定着不良が発生し易い。
これを防止するために、記録材の最大通紙幅の端部側の温度が定着温度に比べて大きく低下しないような温度分布にすることが好ましい。
このような温度分布にすると、最大サイズ幅よりも外側の領域の温度も高くなる。その結果、定着ローラの端部に配置されているギア等の樹脂部品や電気部品を加熱することになり、これらの部品が消耗しやすい問題が生じる。
これを防止するために、加熱部材の端部にキュリー温度が異なる材料を溶接等で接合させる方法があるが、その結果、加熱部材全体の強度が低下し、加熱部材の寿命が短くなる問題が発生する。
そこで、本願発明は、加熱部材の強度を低下させることなく、加熱部材端部の過度な昇温を防止することができる定着装置を提供することを目的とする。
通電されることにより磁束を生ずるコイルと、コイルにより生ずる磁束により発熱する第一キュリー温度の第一導電層を有する記録材上の画像を加熱する像加熱部材と、を有する像加熱装置において、
搬送される記録材の最大幅の領域外の像加熱部材の端部は、第一キュリー温度よりも低い温度の第二キュリー温度の第二導電層が第一導電層に重ねて設けられていることを特徴とする。
本願発明により、加熱部材の強度を低下させることなく、加熱部材端部の温度を低くでき、加熱部材端部に配置される部品の破損を防止することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本発明における最良の実施の形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
以下に、本発明の実施例を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る定着装置の加熱ローラの断面図である。
まず、本発明の像加熱装置が用いられる画像形成装置について、図1を用いて説明する。図1は、本発明に像加熱装置が用いられるデジタルフルカラー複写機の概略図である。以下に図1を用いてデジタルフルカラー複写機のコピー動作について説明する。図中80は原稿読み取り部で、10はフルカラー画像形成部である。フルカラー画像形成部10には4つの画像ステーションが配置され、各画像形成ステーションは像担持体として感光ドラム12a、12b、12c、12dを有する。
また、その周りには専用の帯電手段(13a、13b、13c、13d)、画像情報に応じた光を感光ドラムに照射するためのレーザ走査ユニット(11a、11b、11c、11d)が配置されている。形成された静電潜像を現像する現像手段(15a、15b、15c、15d)が配置されている。また、転写後に感光ドラム上に残留したトナーを除去するドラムクリーニング手段(14a、14b、14c、14d)が配置されている。また、感光ドラム上のトナー像を中間転写体又は記録材に転写するための転写手段(16a、16b、16c、16d)がそれぞれ配置されている。また、51a〜dは現像手段14a〜dの夫々1対1に対応した現像剤容器で、レーザ走査ユニット11a〜dの水平部の直下で、かつ、垂直部に並んで設けられている。円柱形状の現像剤カートリッジを着脱することにより現像剤の補給を行うものである。ここで画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは夫々シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像、ブラック画像を形成するところである。
一方、各画像形成ステーションPa〜Pdを通過する態様で感光ドラム12a、12b、12c、12dの下方に無端ベルト状の中間転写ベルト61が配置されている。その中間転写ベルト61は駆動ローラ62と従動ローラ63及び65に張架され、さらに、その表面を清掃するクリーニング手段64が設けられている。
かかる構成において、まず第1画像形成ステーションPaの帯電手段13a、レーザ走査ユニット11aによる露光により感光ドラム12a上に静電潜像を形成される。該静電潜像は現像手段15aでシアントナーを有する現像剤によりシアントナー像として可視像化され転写手段16aでシアントナー像が中間転写ベルト61の表面に転写される。
一方、上記シアントナー像が中間転写ベルト61上に転写されている間に第2の画像形成ステーションPbでは同様にマゼンタトナー像が形成される。そして、先の第1画像形成ステーションPaで転写が終了した中間転写ベルト61に転写手段16bにて精度よくマゼンタトナー像が重ねて転写される。
以下、イエロー像、ブラック像についても同様な方法で画像形成が行われ、中間転写ベルト61に4色のトナー像の重ね合せが行われる。中間転写ベルト上の4色トナー像は2次転写ローラ66にて、給紙カセット70内にあって給紙ローラ71及び搬送ローラ対72、レジストローラ対73によりタイミングを合せて搬送された記録材S上に転写(2次転写)される。そして、2次転写が終了した記録材材Sは定着ローラ対74で転写されたトナー像が加熱定着され、記録材材Sにフルカラー画像が得られる。
なお、転写が終了した夫々の感光ドラム12a〜dはクリーニング手段14a〜dで各ドラムから残留トナーが除去され、引き続き行われる像形成に備えられる。
次に、図2を用いて像加熱部材である加熱ローラ1の断面について以下に説明する。加熱ローラの加熱ローラ芯金2には鉄系金属を用いられている。この芯金は第一導電層である。芯金材のキュリー点温度は、Niの配合量を変更したキュリー材1を用いることにより、一般の鉄系金属より低い180℃である。また、加熱ローラの芯金2の端部の内面には第二導電層3が設けられている。この第二導電層3のキュリー温度は、キュリー材1とはNiの配合量の異なるキュリー材2を用いることにより、100℃である。さらに、第二導電層3よりも加熱ローラの中央部側であって芯金2よりも内面側に設けられている第三導電層4のキュリー温度は、キュリー材1、2とはNiの配合量の異なるキュリー材3を用いることにより、200℃である。一方、加熱ローラ芯金外周にはシリゴンゴムによる弾性層5が設けられ、ゴム弾性によってトナーと紙の接触均一化をはかり、表面性の違いによる定着性の変化を抑制している。また、加熱ローラ表層6には未定着トナーの付着を防止するためにフッ素樹脂である四フッ化エチレン樹脂(PTFE)が設けられている。なお、加熱ローラ芯金と弾性層および表層は接着剤により結合されている。
つぎに、加熱ローラの芯金製造工程について説明する。加熱ローラ芯金であるキュリー材1は肉厚が薄い場合はキュリー材平面板をC状の円筒形に形成し、両端部を溶接し、引き伸ばし加工して所定の形状に加工される。加熱ローラ芯金の長手端部内周のキュリー材2は、図3に示したように円筒管であり、同工程で円筒形に形成する。加熱ローラの長手中央部内周のキュリー材3は、図4に示したように内径が円錐状の円筒管であり、同工程で円筒形に形成した部材の内径を切削加工して円錐状に成形する。それぞれの部材は焼きバメにより接合される。まず、高温に熱し熱膨張した加熱ローラ芯金であるキュリー材1に、冷却された加熱ローラの長手端部内周および長手中央部内周のキュリー材2、3を挿入して、キュリー材1を冷却し接合する。この際、冷却時のキュリー材1の内径<冷却時のキュリー材2、3の外径<加熱時のキュリー材1の内径が成立していることが望ましい。こうすることで、加熱ローラ芯金の冷却によりそれぞれの部材が接合し、加熱ローラとして使用されても、キュリー材1とキュリー材2、3は熱膨張が同等であるため、熱膨張による剥離は発生しない。
次に、図5を用いて磁束発生手段と加熱ローラの関係を説明する。
次に、図3を用いて誘導発熱体および加熱ローラの関係を説明する。
上記のようにして構成された加熱ローラ1は誘導発熱体として電磁誘導によって加熱ローラ1自体を発熱させる構成となっている。
この加熱ローラ1を発熱させるために、加熱ローラ1の内部に通電されることにより磁束を生ずるコイル7と磁性体コア8を有する磁束発生手段(コイルユニット)を配置する。そして、この励磁コイル7に高周波電源9aから高周波交流電圧が印加される。また、加熱ローラ1の表面の温度を検知する温度検知部材であるサーミスタ304が取り付けられている。このサーミスタの出力がCPU等の制御部9bに送られ、加熱ローラ1の表面温度が予め設定された画像を加熱する設定温度、本実施例では180℃になるようにコイルへの通電が制御される。即ち、本実施例では、通電制御手段は、高周波電源9aと制御部9bから構成される。こうすることにより磁束発生手段から磁束が発生し、加熱ローラの導電層に渦電流を発生させ、加熱ローラが発熱する。そして、通電制御手段により加熱ローラ1の温度を設定温度に維持することができる。
本実施例では像加熱装置として定着装置とした。加熱ローラ1は記録材を挟持搬送するニップ部301を形成する加圧部材である加圧ローラ302と圧接している。記録材は給送手段により搬送され、トナー像が転写された記録材は定着入口ガイド303により上記ニップ部301に進入する。そして、記録材上のトナー画像が熱と圧力により記録材上に定着される。本実施例の加圧ローラ302は、鉄、アルミ等の芯金の上層に弾性層が設けられ、その上層に表面層であるPTFE等の離型層が設けられている。
加熱ローラ1は、図6のモータ170から発生られた動力は動力伝達ギア180を介して、加熱ローラ1の端部に設けられているギア181に動力が伝達され、回転する。加熱ローラギア181から入力された動力は加熱ローラを介し他端の加熱ローラギアを介して他の部品を駆動させている場合もある。
この加熱ローラ1に接続された加熱ローラギア181や動力伝達ギア180は耐熱温度が230℃程度のものを要求されていた。しかし、本発明により、加熱ローラの端部の温度を下げることができるため、耐熱温度が100℃の樹脂を使用することが可能となった。同様に、前記加熱ローラ駆動用モータおよびその周辺電気部品においても同様なことが言えるだけでなく、像加熱装置との距離を近づけることができた。
本実施例では、加熱ローラ1の材質の一例として鉄系金属を挙げたが、本発明はこの材料に限定されるものではない。例えば、鉄系金属のほかにニッケル、コバルトなどの金属が適している。これらの強磁性の物質(透磁率の大きい金属)を用いることで、磁束発生手段から発生する磁束を、強磁性の金属内により多く拘束、即ち磁束密度を高くすることができる。これにより、効率的に強磁性金属の表面に渦電流を発生させ、発熱させられる。
図8を用いて、加熱ローラの温度分布とキュリー材の長手位置関係を説明する。本実施例では、中央基準に記録材が搬送される構成であり、縦軸は加熱ローラの表面温度(℃)、横軸は加熱ローラを18等分したときの加熱ローラの位置を示すものである。
加熱ローラの長手方向にキュリー材1のみを用いた従来加熱ローラにおいては、前述したように加熱ローラの端部温度ダレにより、通紙最大領域内が定着温度180℃以下になることを示している。即ち、搬送される記録材の最大幅(通紙最大領域)の途中から温度低下が始まっている。これは、加熱ローラの端部の熱放熱量が大きいため、その影響が通紙領域にまで及ぶものと考えられる。次に、キュリー材1を用いた導電層1に加えて、図示する位置にキュリー材3を用いた導電層3を加えた構成(図中キュリー材1+3)の温度分布について説明する。キュリー材1+3はキュリー材3を図示した長手位置に配置することにより、通紙最大領域内が定着温度180℃になることを示している。これは、キュリー材3のキュリー温度が200℃であるため、導電層1の温度がキュリー温度である180℃に達しても、キュリー温度が導電層1よりも高い導電層3は発熱し続けるためである。その結果、通紙最大領域内では、その導電層3の発熱分が加熱ローラの端部から放熱される熱量を補うということで、通紙最大領域内の全域にわたって定着温度を維持することができる。
しかし、上記のいずれの構成であっても、通紙最大領域外の加熱ローラの端部の温度は高い温度となっている。この加熱ローラの端部の温度を下げるため、本実施例はキュリー材2を用いた導電層2を追加したものである。即ち、キュリー材1を用いた導電層1に加えて、図示する位置にキュリー材3からなる導電層3及びキュリー材2からなる導電層2を加えた構成(図中キュリー材1+2+3)である。なお、キュリー材2のキュリー温度は100℃である。このように、キュリー材2を図示した長手位置に配置することにより、通紙最大領域内の全域にわたって定着温度180℃を維持した状態で、加熱ローラ端部の温度が100℃近傍に抑えることができる。その結果、加熱ローラギア等の加熱ローラ端部周辺の部品の温度がその温度近傍に抑えることができる。
図8を用いて、加熱ローラ端部の温度推移を説明する。
加熱ローラのキュリー材1の厚さt1は1mmであり、キュリー材3の厚さt3は中央部から端部にかけて0.1mmから0.7mmである。特開2000−75702号に技術開示されたように、磁束発生手段により電磁誘導発熱がキュリー材に発生する。従来例であるキュリー材1のみの単層ローラは、定着温度である180℃に達するまでに60秒の時間を要する。また、本実施例である多層ローラは、定着温度である180℃に達するまでに30秒の時間しか要さない。これは、キュリー材3のキュリー点温度200℃に達するまでは、磁束発生手段から発生した磁力線は次式で表される浸透深さδだけ加熱ローラに浸透する。
δ=(π*f*μ*σ)−1/2=0.56[mm]
(f:磁場発生手段の励磁電流周波数=100kHz、μ:電磁誘導発熱性部材の透磁率=100×10−8H/m、σ:電磁誘導発熱性部材の導電率=1×10S/m)
したがって、t=0.7>δ=0.56の関係であるためキュリー材3が電磁誘導発熱し、キュリー点温度200℃に達する温度上昇を続ける。キュリー材3のキュリー点温度200℃に達した後は、磁束発生手段から発生した磁力線は次式で表される浸透深さδだけ加熱ローラに浸透する。
δ=(π*f*μ*σ)−1/2=5.6[mm]
(f:磁場発生手段の励磁電流周波数=100kHz、μ:電磁誘導発熱性部材の透磁率=1×10−8H/m、σ:電磁誘導発熱性部材の導電率=1×10S/m)
したがって、t=0.7<δ=5.6の関係であるためキュリー材3とキュリー材1が電磁誘導発熱し、キュリー材3とキュリー材1のキュリー点温度の中間値である190℃に温度低下する。これにより、従来例であるキュリー材1のみの単層ローラに対して早く端部温度を定着温度とすることが可能となる。なお、この10kHzは像加熱装置のコイルに通電されうる最大周波数である。
図9を用いて、加熱ローラの状態変化による加熱ローラ温度分布について説明する。
前述のように、本実施例の加熱ローラはローラ端部からの放熱を考慮したキュリー材配置となっているため、通紙最大領域内の朝一の加熱ローラ温度分布は定着温度180℃で均一である。しかし、時間経過に伴う装置昇温により、加熱ローラからの単位時間あたりの放熱量が減少する。また、通紙可能最小サイズ紙を連続で通紙するとことでこの傾向は顕著となり、加熱ローラの端部温度に対して中央部温度が相対的に低くなる。これにより、熱膨張変化により相対的にローラ端部直径が大きくなりトナー剥離が発生する。そこで、最大サイズの幅よりも小さいサイズの記録材を連続通紙する際には、磁束発生手段の高周波交流電圧の周波数を切り換えることにより、加熱ローラの長手温度分布の温度差を小さくする。
この時、磁束発生手段から発生した磁力線は次式で表される浸透深さδだけ加熱ローラに浸透する。
δ=(π*f*μ*σ)−1/2=0.8[mm]
(f:磁場発生手段の励磁電流周波数=50kHz、μ:電磁誘導発熱性部材の透磁率=100×10−8H/m、σ:電磁誘導発熱性部材の導電率=1×10S/m)
したがって、t=0.7<δ=0.8の関係であるためキュリー材3とキュリー材1が電磁誘導発熱し、キュリー材1のキュリー点温度により近い185℃に温度低下する。これにより、加熱ローラの立ち上げ時間を短縮し、朝一から昇温時まで安定した長手温度分布が得られるため、トナー像融着不良、しわ、トナー剥離のない高品質な定着画像を実現する。
一方、加熱ローラ端部の温度は、朝一時と周波数切換え時においても100℃近傍を維持できる構成であることが必要とされる。そのため、周波数が異なっても、磁束が導電層2からはみ出ないような厚みが必要となる。
即ち、導電層2の厚みt2は、キュリー温度に達するまでの間は、導電層1での発熱をできるだけ低減するために、導電層2における浸透深さδはその導電層2の厚みの範囲内であることが望ましい。
そのため、t2>δ2=(π*f*μ2*σ2)−1/2
(f:磁場発生手段の励磁電流周波数、μ2:電磁誘導発熱性部材の透磁率、σ2:電磁誘導発熱性部材の導電率)である必要がある。なお、導電層2がキュリー温度になると、透磁率が急激に下がるため、その関係を維持することは難しい。そのため、朝一のようにコイルへの通電が大きくなる場合に、即ち、周波数が最大周波数となるとき、本実施例では100kHzの周波数の電力がコイルに印加される状態でt2>δ2の関係を満たすような厚みであることが好ましい。少なくとも、ある条件下で浸透深さよりも薄い厚みにしている導電層3の厚みよりも厚い構成であることが好ましい。
このように、本発明により、加熱部材の強度を低下させることなく、加熱部材端部の温度を低くでき、加熱部材端部に配置される部品の破損を防止することができる。
(実施例2)
図11は、本発明の別の本実施例に係る定着装置の加熱ローラの断面図である。
加熱ローラ1の加熱ローラ芯金2には鉄系金属を用いられている。芯金材(導電層1)にはキュリー点温度が任意に調整されたキュリー材1が用いられている。キュリー材1のキュリー温度は、Niの配合量を変更したことにより一般の鉄系金属より低い200℃である。また、加熱ローラの長手端部外周の導電層300には、キュリー材1〜3とはNiの配合量の異なるキュリー材4が用いられている。このキュリー材4のキュリー温度は50℃になるよう調整されている。さらに、加熱ローラの長手中央部内周の導電層400は、キュリー材1〜4とはNiの配合量の異なるキュリー材5が用いられている。キュリー材5は、キュリー点温度が160℃になるよう調整してある。弾性層5、表層6は実施例1と同じ構成である。芯金の厚み、即ち導電層1と導電層300とからなる部分の厚みと導電層1と導電層400とからなる部分の厚みは1mmとなっている。
つぎに、加熱ローラの芯金製造工程について説明する。加熱ローラ芯金であるキュリー材1は肉厚が薄い場合はキュリー材平面板をC状の円筒形に形成し、両端部を溶接し、引き伸ばし加工した円筒管の外形を切削加工することにより、図3に示した形状に加工する。キュリー材4、5は、切削加工により得られたキュリー材1の外形にキュリー材4、5の粉体を焼結させることにより多層化される。焼結工程においては、一般的な磁性体の焼結工程が用いられ、本実施例に限定した特殊工程ではない。こうして、多層化された加熱ローラ芯金の外形は切削加工により形状が整えられる。
加熱ローラのキュリー材1の厚さは、キュリー材4が焼結される位置で0.1mmであり、キュリー材3が焼結される位置で中央部から端部にかけて0.1mmから0.15mmである。本実施例では、導電層300が導電層1の外面に配置されている。しかし、導電層300のキュリー温度を導電層1の内面に配置されている場合に比べて、低く調整されていることに加えて、その部分の導電層1の厚みを薄く構成することにより、この端部部分の温度上昇を実施例1と同様にほぼ100℃近傍に抑えることができた。
なお、上記実施例では、像加熱部材はローラであったが、像加熱部材がベルトのような剛性が低い場合にも、同様の効果を得ることができる。
このように、本発明により、加熱部材の強度を低下させることなく、加熱部材端部の温度を低くでき、加熱部材端部に配置される部品の破損を防止することができる。
本実施例における画像形成装置全体の断面図 本実施例1における加熱ローラの断面図 本実施例1におけるキュリー材2の斜視図 本実施例1におけるキュリー材3の斜視図 本実施例1における誘導発熱装置と加熱ローラの関係図 本実施例1における定着装置の断面図 本実施例1における加熱ローラ温度分布とローラ長手位置の関係図 本実施例1におけるローラ端部の温度推移を表した図 本実施例1における加熱ローラの状態変化による加熱ローラ温度分布図 本実施例2における加熱ローラの断面図 本実施例2におけるキュリー材1の斜視図
符号の説明
1 加熱ローラ
2 第一導電層
3 第二導電層
4 第三導電層
5 弾性層
6 表層
7 コイル
8 コア
300 第二導電層
400 第三導電層

Claims (5)

  1. 通電されることにより磁束を生ずるコイルと、コイルにより生ずる磁束により発熱する第一キュリー温度の第一導電層を有する記録材上の画像を加熱する像加熱部材と、を有する像加熱装置において、
    搬送される記録材の最大幅の領域外の像加熱部材の端部は、第一キュリー温度よりも低い温度の第二キュリー温度の第二導電層が第一導電層に重ねて設けられていることを特徴とする像加熱装置。
  2. 第二導電層よりも前記領域側であって第一導電層と重ねて設けられ、第一キュリー温度よりも高い温度の第三キュリー温度の第三導電層を有することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 第二導電層の厚みは第三導電層の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 第三導電層の厚みは記録材の幅方向において異なり、加熱部材の外側の方の厚みは内側の方の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項2また請求項3のいずれかに記載の像加熱装置。
  5. 第一導電層は芯金であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の像加熱装置。
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JP2006252757A Withdrawn JP2008076508A (ja) 2006-09-19 2006-09-19 発熱回転体および発熱回転体を有した定着装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016128899A (ja) * 2015-01-05 2016-07-14 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

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JP2016128899A (ja) * 2015-01-05 2016-07-14 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

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